JP2006118755A - 焼成用さや - Google Patents
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Abstract
【課題】 さや本体内の焼成用雰囲気ガスをきめ細かく制御することが可能な焼成用さやを提供する。
【解決手段】 焼成用さや1は、複数のセラミック電子部品を収容するさや本体3と、さや本体3に着脱自在に支持され、さや本体3内に焼成用雰囲気ガスを導入するためのガス供給用チューブ5とを備えている。さや本体3は、互いに対向する2つの側壁8を有し、各側壁8の上端部には、各セラミック電子部品が吊り下げられた整列棒7の両端部を位置決め支持すると共に、ガス供給用チューブ5の両端部を位置決め支持するための複数の溝部9が形成されている。ガス供給用チューブ5の一端の開口は、焼成用雰囲気ガスを取り込むためのガス流入口となっている。また、ガス供給用チューブ5には、その焼成用雰囲気ガスをさや本体3内に吐き出すための複数のガス流出孔が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 焼成用さや1は、複数のセラミック電子部品を収容するさや本体3と、さや本体3に着脱自在に支持され、さや本体3内に焼成用雰囲気ガスを導入するためのガス供給用チューブ5とを備えている。さや本体3は、互いに対向する2つの側壁8を有し、各側壁8の上端部には、各セラミック電子部品が吊り下げられた整列棒7の両端部を位置決め支持すると共に、ガス供給用チューブ5の両端部を位置決め支持するための複数の溝部9が形成されている。ガス供給用チューブ5の一端の開口は、焼成用雰囲気ガスを取り込むためのガス流入口となっている。また、ガス供給用チューブ5には、その焼成用雰囲気ガスをさや本体3内に吐き出すための複数のガス流出孔が形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セラミック電子部品等を焼成するための焼成用さやに関するものである。
従来の焼成用さやとしては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の焼成用さやは、皿状の匣部材と、匣部材の内部に配置された雰囲気ガス供給パイプと、匣部材の外方に突出するように雰囲気ガス供給パイプに接合された雰囲気ガス導入パイプとを備えている。雰囲気ガス供給パイプには、匣部材の内方に向かって開口する複数のガス噴出口が形成されている。
特開平1−159588号公報
しかしながら、上記従来技術においては、雰囲気ガス供給パイプのガス噴出口の位置が匣部材(さや本体)に対して固定されているため、匣部材内の雰囲気ガスをきめ細かく制御することが困難である。このため、匣部材内の焼成雰囲気を均一にすることができない。従って、その状態で複数の電子部品を一括して焼成すると、電子部品の特性ばらつきが発生してしまう。
本発明の目的は、さや本体内の焼成用雰囲気ガスをきめ細かく制御することが可能な焼成用さやを提供することである。
本発明の焼成用さやは、対向する2つの側壁を有し、被焼成物を内部に収容するさや本体と、さや本体に着脱自在に支持され、さや本体内に焼成用雰囲気ガスを導入するためのガス供給用チューブとを備え、各側壁には、ガス供給用チューブの両端側部分を位置決め支持する複数の支持部がそれぞれ設けられており、ガス供給用チューブには、焼成用雰囲気ガスを取り込むためのガス流入口と、ガス流入口から取り込まれた焼成用雰囲気ガスをさや本体内に吐き出すためのガス流出孔とが形成されていることを特徴とするものである。
このような焼成用さやを用いて被焼成物を焼成する場合は、さや本体内に被焼成物を収容すると共に、さや本体の各側壁にガス供給用チューブを支持する。そして、その状態で、焼成用さやを焼成炉内に送り込む。焼成炉内には、焼成用雰囲気ガスが供給されている。焼成用さやが焼成炉内に送り込まれると、ガス供給用チューブのガス流入口からガス供給用チューブ内に焼成用雰囲気ガスが取り込まれ、その焼成用雰囲気ガスがガス流出孔からさや本体内に吐き出される。このとき、ガス供給用チューブはさや本体に対して着脱可能であるため、被焼成物の寸法、組成、特性や焼成条件等に応じて、さや本体の各側壁におけるガス供給用チューブを支持する位置(支持部)を適宜変えたり、ガス供給用チューブにおけるガス流出孔の位置(向き)を適宜変えることができる。また、ガス流出孔の形成位置、数量、大きさ等が異なる複数種類のガス供給用チューブを予め用意しておき、被焼成物の寸法、組成、特性や焼成条件等に応じて、使用するガス供給用チューブを取り替えることもできる。このような場合には、さや本体内における焼成用雰囲気ガスの導入位置が変わることになるので、さや本体内の焼成用雰囲気ガスをきめ細かく制御することが可能となる。
好ましくは、ガス流入口は、ガス供給用チューブの一端の開口であり、ガス供給用チューブの他端は閉じられている。この場合には、ガス供給用チューブ内に取り込まれた焼成用雰囲気ガスの殆どがガス流出孔からさや本体内に吐き出されるようになる。これにより、無駄になる焼成用雰囲気ガスが大幅に減少するため、焼成用雰囲気ガスを焼成に対して有効利用することができる。従って、ガス供給用チューブ内に過剰な焼成用雰囲気ガスを供給しなくて済む。
また、好ましくは、ガス供給用チューブ内には、ガス流入口から取り込まれた焼成用雰囲気ガスをガス流出孔に導くためのガイド板が設けられている。この場合には、ガス供給用チューブ内に取り込まれた焼成用雰囲気ガスが円滑に且つ確実にガス流出孔から吐き出される。これにより、さや本体内の焼成用雰囲気ガスをよりきめ細かく制御することが可能となる。
さらに、好ましくは、被焼成物は、整列棒に吊り下げられた状態でさや本体の内部に収容されるリング状のものであり、各側壁には、整列棒の両端側部分を位置決め支持するための複数の溝部がそれぞれ設けられており、溝部は、支持部を兼ねている。整列棒の両端側部分を位置決め支持するための複数の溝部が各側壁に設けられたさや本体を使用する場合には、複数の溝部の一部を、ガス供給用チューブの両端側部分を位置決め支持する支持部として利用すれば、支持部を各側壁に別途形成しなくて済む。従って、既存のさや本体をそのまま使用可能となるので、コスト削減を図ることができる。
本発明によれば、被焼成物を焼成するときに、さや本体内の焼成用雰囲気ガスをきめ細かに制御することができる。これにより、さや本体内の焼成雰囲気の均一性を高めることができるので、焼成された部品の特性ばらつきを低減することが可能となる。
以下、本発明に係わる焼成用さやの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる焼成用さやの一実施形態を示す斜視図である。同図において、本実施形態の焼成用さや1は、図2に示すようなリング状のセラミック電子部品2の焼成に使用されるものである。セラミック電子部品2は、例えばバリスタの素体となる部品である。例えばセラミック電子部品2の外径は10mm程度であり、セラミック電子部品の内径は7mm程度である。
焼成用さや1は、複数(ここでは3つ)の矩形状のさや本体3と、このさや本体3を覆う矩形状のフタ4と、さや本体3に着脱自在に支持される少なくとも1本のガス供給用チューブ5とを備えている。さや本体3は、無底状を有する枠体であり、台板6上に載置される。さや本体3及びフタ4は、耐熱性(耐火性)を有する材料、例えばアルミナ、ムライト、ジルコニア等で形成されている。なお、さや本体3は、例えば縦寸法が240mm程度、横寸法が200mm程度、高さ寸法が25mm程度である。
さや本体3の内部には、複数のセラミック電子部品2が収容される。これらのセラミック電子部品2は、図3に示すように、整列棒7に吊り下げられた状態でさや本体3内に収容される。なお、例えば整列棒7の長さは210mm程度であり、整列棒7の径は6mm程度である。
さや本体3は、図4に示すように、互いに対向する2つの側壁8を有している。各側壁8の上端部には、整列棒7の両端側部分を位置決め支持するための複数の溝部9がそれぞれ形成されている。溝部9は、図5に示すように、断面略V字状を有している。
セラミック電子部品2が配された整列棒7をさや本体3の各側壁8に支持させるときは、図6及び図7に示すように、整列棒7の両端部を各側壁8の溝部9に入れる。従って、整列棒7は、各側壁8に掛け渡された状態で支持されることになる。また、溝部9には、図6及び図7に示すように、円筒状のガス供給用チューブ5(前述)も配置される。つまり、溝部9は、ガス供給用チューブ5の両端部を位置決め支持する機能も兼ねている。従って、ガス供給用チューブ5も、各側壁8に掛け渡された状態で支持される。このように整列棒7及びガス供給用チューブ5を溝部9で位置決めすることにより、整列棒7及びガス供給用チューブ5を各側壁8に支持させたときに、整列棒7及びガス供給用チューブ5が溝部9の配列方向にずれ動くことは無い。
溝部9は、整列棒7を支持した状態で、整列棒7に配されたセラミック電子部品2がさや本体3から高さ方向にはみ出ないように構成されている。また、各溝部9の間隔は、同じく整列棒7を支持した状態で、隣接する整列棒7に配されているセラミック電子部品2同士が接触しないように構成されている。
ガス供給用チューブ5は、さや本体3内に焼成用雰囲気ガスを導入するためのチューブである。ガス供給用チューブ5は、耐熱性(耐火性)を有する材料、例えばアルミナ系セラミック、ムライト系セラミック、または耐熱性ステンレス、モリブデン等の金属で形成されている。なお、例えばガス供給用チューブ5の長さは210mm程度であり、ガス供給用チューブ5の外径は10mm程度であり、ガス供給用チューブ5の内径は7mm程度である。
ガス供給用チューブ5の一端の開口は、図8に示すように、焼成用雰囲気ガスを取り込むためのガス流入口10を構成している。また、ガス供給用チューブ5には、ガス流入口10から当該ガス供給用チューブ5内に取り込まれた焼成用雰囲気ガスをさや本体3内に吐き出すための複数のガス流出孔11が所定間隔で形成されている。ガス流出孔11の開口形状は、例えば円形であり、ガス流出孔11の開口径は、例えば4〜6mm程度である。
ガス供給用チューブ5の他端は、図9に示すように、閉じられているのが好ましい。この場合には、ガス供給用チューブ5内に取り込まれた焼成用雰囲気ガスの大部分をガス流出孔11から流出させることができるため、焼成時に無駄となる焼成用雰囲気ガスを低減することが可能となる。
また、ガス供給用チューブ5内には、図9及び図10に示すように、当該ガス供給用チューブ5内に取り込まれた焼成用雰囲気ガスを各ガス流出孔11に導くための複数のガイド板12が設けられている。各ガイド板12は、ガス供給用チューブ5において、焼成用雰囲気ガスの流れる方向に対して各ガス流出孔11よりも僅かに下流側の位置に、例えば千鳥状に形成されている。このようなガイド板12を設けることにより、焼成用雰囲気ガスを十分且つ確実にガス流出孔11から流出させることができる。
ガス供給用チューブ5にガイド板12を取り付ける方法としては、図11(a)に示すように、ガス供給用チューブ5にスリット13を入れ、そのスリット13にガイド板12を差し込み、アルミナセメント等でガイド板12をガス供給用チューブ5に固着する。
また、他の方法としては、図11(b)に示すように、まず径の異なる2つのガス供給用チューブ5a,5bを用意する。ここで、一方のガス供給用チューブ5aの外径寸法は、他方のガス供給用チューブ5bの内径寸法と同等である。そして、ガス供給用チューブ5aにスリット13を入れ、そのスリット13にガイド板12を差し込み、アルミナセメント等でガイド板12をガス供給用チューブ5aに固着する。その後、ガス供給用チューブ5aをガス供給用チューブ5b内に入れる。
なお、ガス供給用チューブ5としては、特に図8〜図10に示す構造のものには限られない。ガス流出孔11の数、形成位置、開口形状、大きさ、形成間隔や、ガイド板12の位置、大きさ、配置間隔等については、焼成すべきセラミック電子部品2の寸法、組成(材質)、特性、あるいは焼成条件に応じて適宜決めれば良い。また、ガス供給用チューブ5にガス流出孔11を複数形成する場合は、図8に示すようにガス流出孔11を一直線上に形成しても良いし、あるいはガス流出孔11を螺旋状に形成しても良い。
次に、上記のような焼成用さや1を用いて、複数個のリング状セラミック電子部品2をまとめて焼成する方法について説明する。ここでは、ガス流出孔11の数、形成位置、径、形成間隔等が異なる複数種類のガス供給用チューブ5が予め用意されている。
まず、図3及び図6に示すように、複数個のセラミック電子部品2を整列棒7に通して串刺し状に整列させる。このように複数個のセラミック電子部品2が配された整列棒7を複数用意する。そして、セラミック電子部品2付きの整列棒7を、さや本体3の各側壁8に設けられた複数の溝部9のうちのいずれかで位置決めして各側壁8に掛け渡すことにより、複数個のセラミック電子部品2をさや本体3内に収容させる。
また、複数種類のガス供給用チューブ5の中から使用すべきガス供給用チューブ5を選ぶ。そして、そのガス供給用チューブ5を、整列棒7が入っていない溝部9で位置決めして各側壁8に掛け渡す。このとき、ガス供給用チューブ5に形成されたガス流出孔11の向き(位置)がセラミック電子部品2に対して所定の角度(例えば60°)となるように、ガス供給用チューブ5を各側壁8上に配置する。
なお、使用すべきガス供給用チューブ5、各側壁8においてガス供給用チューブ5を配置すべき溝部9、セラミック電子部品2に対するガス流出孔11の向きについては、焼成すべきセラミック電子部品2の寸法、組成、特性、焼成条件等から予め決められている。このとき、図6に示すように、3本のガス供給用チューブ5のうち真ん中のガス供給用チューブ5については、焼成すべきセラミック電子部品2が両側に存在しているので、当該ガス供給用チューブ5としては、例えばガス流出孔11が2列に形成されたものを使用する。
続いて、図1に示すように、セラミック電子部品2付きの整列棒7とガス供給用チューブ5とを支持した状態のさや本体3を多段(ここでは3段)に積み重ねて、台板6上に載置する。そして、最上段のさや本体3上にフタ4を置く。
続いて、そのように構成された焼成用さや1を、図12に示すようなトンネル状の焼成炉14内に送り込み、整列棒7に吊り下げられたセラミック電子部品2の焼成を行う。焼成炉14内には、焼成用雰囲気ガスが打ち込まれる。ここでは、焼成炉14内の焼成雰囲気は還元雰囲気とされ、焼成用雰囲気ガスとしては、還元雰囲気を形成するガス(例えばN2とH2との混合ガス)が使用される。
焼成用雰囲気ガスは、図13に示すように、焼成用さや1の進行方向に対して垂直な方向から焼成炉14内に打ち込まれる。このため、焼成炉14の一側壁には、図12に示すように、焼成炉14内に焼成用雰囲気ガスを導入するための複数のガス導入部15が設けられている。これらのガス導入部15は、さや本体3に支持されたガス供給用チューブ5に対応する高さ位置に配置されている。
焼成用さや1を焼成炉14内に送り込むときは、各ガス供給用チューブ5が焼成用さや1の進行方向に対して垂直な方向に延在すると共に各ガス供給用チューブ5のガス流入口10がガス導入方向と向き合うように、焼成用さや1を台板6上に載置する。そして、例えばプッシャー(図示せず)で台板6を押し込むことにより、焼成用さや1を焼成炉14内に搬送する。
焼成用さや1が焼成炉14内に送り込まれると、ガス導入部15を介して焼成炉14内に打ち込まれた焼成用雰囲気ガスがガス供給用チューブ5内に取り込まれる。このとき、ガス導入部15はガス供給用チューブ5に対応する高さ位置に設けられているので、焼成用雰囲気ガスをガス供給用チューブ5内に効果的に取り込むことができる。そして、その焼成用雰囲気ガスは、ガス供給用チューブ5の各ガス流出孔11から焼成用さや1内に流出される。このとき、ガス供給用チューブ5におけるガス流入口10の反対側の端部が閉じられていると共に、焼成用雰囲気ガスを各ガス流出孔11に導くためのガイド板12がガス供給用チューブ5内に設けられているので、焼成用雰囲気ガスを効率良く焼成用さや1内に導入することができる。
そのような状態で、焼成用さや1内に収容された複数個のセラミック電子部品2が所定の温度で加熱されることで還元焼成され、結果として複数個のセラミック焼結体が得られる。
以上のように本実施形態にあっては、ガス流入口10及び複数のガス流出孔11を有するガス供給用チューブ5を設け、このガス供給用チューブ5をさや本体3の各側壁8に着脱自在に支持する構成としたので、さや本体3内における焼成用雰囲気ガスの流れを容易に調整することが可能となる。例えば、各側壁8においてガス供給用チューブ5を支持させる溝部9の位置を変えたり、セラミック電子部品2に対するガス流出孔11の位置が変わるようにガス供給用チューブ5の配置向きを変えたり、或いは使用するガス供給用チューブ5自体を異なる種類のものに交換することにより、さや本体3内への焼成用雰囲気ガスの導入位置を簡単に変更することができる。このため、さや本体3内における焼成用雰囲気ガスの流れをきめ細かく制御することができる。
これにより、例えばさや本体3内の所定の領域に焼成用雰囲気ガスを積極的に供給するといった事が可能となるため、特にさや本体3内に大量の焼成用雰囲気ガスを供給しなくても、さや本体3内における焼成雰囲気の均一性を向上させることができる。従って、焼成雰囲気のばらつきに起因するセラミック電子部品(焼結体)の特性ばらつきが抑えられるため、品質の良いセラミック電子部品を得ることが可能となる。
図14は、本発明に係わる焼成用さやの他の実施形態を示す斜視図である。図中、上述した実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
同図において、本実施形態の焼成用さや20は、上述した実施形態におけるさや本体3に代えて、矩形状のさや本体21を備えている。さや本体21は、図15に示すように、複数のセラミック電子部品2を支持するための底板部22を有している。各セラミック電子部品2は、1つずつ若しくは複数段に積み重ねられた状態で、底板部22上に並べて載置される。
また、さや本体21は、互いに対向する2つの側壁23を有している。各側壁23の上端部には、ガス供給用チューブ5の両端部を位置決め支持するための複数の溝部24がそれぞれ形成されている。溝部24の形状等は、上述した実施形態における溝部9と同様である。
このような焼成用さや20に収容された複数個のセラミック電子部品2をまとめて焼成する場合は、使用すべきガス供給用チューブ5を、さや本体21の各側壁23に設けられた複数の溝部24のうちのいずれかで位置決めして各側壁23に掛け渡す。このとき、ガス供給用チューブ5の各ガス流出孔11が所定の方向(例えば下方)を向くように、ガス供給用チューブ5を各側壁23上に配置する。
続いて、図14に示すように、複数のセラミック電子部品2を収容すると共にガス供給用チューブ5を支持した状態のさや本体21を台板6上に載置し、最上段のさや本体21上にフタ4を置く。続いて、そのように構成された焼成用さや20を、図15に示すようなトンネル状の焼成炉25内に送り込む。すると、ガス導入部26を介して焼成炉25内に打ち込まれた焼成用雰囲気ガスがガス供給用チューブ5内に取り込まれる。そして、その焼成用雰囲気ガスは、ガス供給用チューブ5の各ガス流出孔11(図8参照)から焼成用さや20内に吐き出される。これにより、焼成用さや20内に収容された複数のセラミック電子部品2が還元焼成される。
以上のような本実施形態においても、焼成用さや20内における焼成用雰囲気ガスの流れをきめ細かく制御することができる。従って、焼成用さや20内の焼成雰囲気の均一性を高めることができるため、焼成雰囲気による特性ばらつきが極めて小さいセラミック電子部品(焼結体)を得ることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図16に示すように、ガス供給用チューブ5の一端部または両端部に、さや本体3,21の側壁8,23に形成された溝部9,24の形状に対応するフラット部Fを形成し、溝部9,24に配置されたガス供給用チューブ5が回らないようにしても良い。ただし、この場合には、さや本体3,21内に収容されたセラミック電子部品2に対するガス流出孔11の位置が固定されてしまうため、さや本体3,21内の焼成用雰囲気ガスを調整するには、ガス供給用チューブ5を異なる種類のものに取り替えることになる。
また、上記実施形態の焼成炉14,25では、焼成用雰囲気ガスが焼成用さや1,20の進行方向に対して垂直な方向に流れるように構成されているが、本発明は、図17に示すように、焼成用雰囲気ガスが焼成用さや1の進行方向とは反対の方向に流れるものにも適用可能である。この場合には、ガス供給用チューブ5が焼成用さや1の進行方向に延在すると共にガス供給用チューブ5のガス流入口10(図9参照)が焼成用さや1の進行方向を向くように、焼成用さや1を台板6上に載置した状態で、焼成用さや1を焼成炉内に送り込むようにする。
また、上記実施形態では、円筒状のガス供給用チューブ5を用いたが、ガス供給用チューブ5の形状としては、特にこれには限られず、断面矩形状や断面三角形状等であっても良い。また、ガス供給用チューブ5の開口の形状も、特に円形には限られず、矩形状や三角形状等であっても良い。さらに、ガス供給用チューブ5に開けるガス流出孔11の開口形状も、特に円形には限られず、矩形状や三角形状等であっても良い。
さらに、上記実施形態では、焼成炉内を還元雰囲気としたが、セラミック電子部品の材料等によっては、焼成炉内を大気雰囲気や不活性雰囲気等としても良いことは言うまでもない。
1…焼成用さや、2…セラミック電子部品(被焼成物)、3…さや本体、5…ガス供給用チューブ、7…整列棒、8…側壁、9…溝部(支持部)、10…ガス流入口、11…ガス流出孔、12…ガイド板、20…焼成用さや、21…さや本体、23…側壁、24…溝部(支持部)。
Claims (4)
- 対向する2つの側壁を有し、被焼成物を内部に収容するさや本体と、
前記さや本体に着脱自在に支持され、前記さや本体内に焼成用雰囲気ガスを導入するためのガス供給用チューブとを備え、
前記各側壁には、前記ガス供給用チューブの両端側部分を位置決め支持する複数の支持部がそれぞれ設けられており、
前記ガス供給用チューブには、前記焼成用雰囲気ガスを取り込むためのガス流入口と、前記ガス流入口から取り込まれた焼成用雰囲気ガスを前記さや本体内に吐き出すためのガス流出孔とが形成されていることを特徴とする焼成用さや。 - 前記ガス流入口は、前記ガス供給用チューブの一端の開口であり、
前記ガス供給用チューブの他端は閉じられていることを特徴とする請求項1記載の焼成用さや。 - 前記ガス供給用チューブ内には、前記ガス流入口から取り込まれた焼成用雰囲気ガスを前記ガス流出孔に導くためのガイド板が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の焼成用さや。
- 前記被焼成物は、整列棒に吊り下げられた状態で前記さや本体の内部に収容されるリング状のものであり、
前記各側壁には、前記整列棒の両端側部分を位置決め支持するための複数の溝部がそれぞれ設けられており、
前記溝部は、前記支持部を兼ねていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の焼成用さや。
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Cited By (1)
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JP2011012823A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd | プッシャー式連続焼成炉 |
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2004
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Cited By (1)
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