JP2006113799A - 情報処理装置および情報処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 3D−CADを用いて3Dモデルを作成する情報処理装置及び情報処理方法において、3Dモデルに含まれる誤差を許容し、かつ部品作成全体の効率を落とすことなく、3Dモデルに見やすく属性情報を付加することを目的とする。
【解決手段】 属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、この仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を第一の閾値で判断する第一の判断手段と、上記関連付けの有効性を第二の閾値で判断する第二の判断手段と、上記関連付けにおいて、上記第一の判断手段あるいは第二の判断手段のいずれの判断に基づく関連付けであるかを識別可能に保持する判断手段保持手段、誤差を修正することなく効率的に関連付けができ、また後工程において3Dモデルの要素が誤差を有していることを容易に識別できることで、効率的な対処ができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、この仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を第一の閾値で判断する第一の判断手段と、上記関連付けの有効性を第二の閾値で判断する第二の判断手段と、上記関連付けにおいて、上記第一の判断手段あるいは第二の判断手段のいずれの判断に基づく関連付けであるかを識別可能に保持する判断手段保持手段、誤差を修正することなく効率的に関連付けができ、また後工程において3Dモデルの要素が誤差を有していることを容易に識別できることで、効率的な対処ができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は情報処理装置および情報処理方法に関し、特に、3D−CADを用いて3Dモデル(3D形状)を作成する情報処理装置および情報処理方法に関する。
従来、3D−CADを用いて、商品や製品を構成する部品、ユニット等の3次元の形状を有する物品(以下、単に部品という)の設計を行っていた。この設計においては、3D−CADで、部品の3Dモデルを作成し、該3Dモデルに対し寸法、寸法公差、幾何公差、注記、記号などの属性情報を入力していた。該属性情報は3Dモデルあるいは3Dモデルの面、稜線、あるいは頂点等の要素に対し付加される。
上記3Dモデルおよび属性情報は、部品の加工、検査、組み立て、あるいはメンテナンス等を行うための情報であり、入力するオペレータ=設計者から、見るオペレータ=加工、製造、検査等の技術者に、情報が分かりやすく、効率的に、間違うことなく、伝達されるものでなくてはならない。
本出願人は、上記3Dモデルに対する属性情報の付加に際し、操作性良く、視認性良く、かつ効率的に属性情報を付加すること、また付加された属性情報を効率よく利用すること、また3Dモデルと属性情報を活用し部品作成を効率良く行うこと等を目的として、属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段を有する情報処理装置を開示している(特許文献1参照)。
また、上記のような3D−CADを用いた情報処理装置において、3Dモデルと属性情報を属性配置平面を利用し2次元的に見る場合に、あるいは2次元的に紙に出力して見る場合に、上記のような各種の工程で間違いを生ずることなく、正確かつ適切に設計情報(3Dモデルの形状と属性情報)が伝達されるために、属性配置平面に属性情報を関連付ける際に、その有効性を判断することは、極めて有益であり、本出願人はその判断方法を開示している(特許文献2参照)。
上記有効性の判断の詳細は特許文献2によるが、判断方法を簡単に以下に説明する。
3Dモデルの平行な2平面間の長さ寸法においては、寸法を規定している方向である該平面の法線方向と寸法を関連付ける属性配置平面の法線方向が直交しているときが有効となる。当然このとき、属性配置平面と2平面は直交している。平行な2稜線、2頂点間の長さ寸法も、寸法を規定している方向と属性配置平面の法線方向とで有効性が判断される。
2平面の角度寸法においては、角度を形成する2平面の交線方向と寸法を関連付ける属性配置平面の法線方向とが平行であるときが有効となる。当然このとき、属性配置平面と2平面は直交している。
円筒形状の直径寸法および半径寸法においては、円筒形状の軸線方向と寸法を関連付ける属性配置平面の法線方向とが、平行あるいは直交しているときが有効となる。
特開2002−324086号公報
特開2002−324082号公報
上記従来例の如き、3D−CADを用いた情報処理装置において、製品設計等の設計工程における部品の3Dモデルは、求められる仕様を満足するため、あるいは部品を配置するスペースのため、あるいは関係する部品間の位置関係のため等により、いわゆる形状の編集等の試行錯誤の結果が反映されている。このため3Dモデルは、例えば意匠用のCADと製品設計用のCADとの間のデータ変換による誤差、あるいは繰り返し編集により3D−CAD固有のモデリング誤差が累積することにより生ずる誤差、あるいはオペレータの操作ミスによる誤差、あるいは誤差を有する既存の3Dモデルを基に新たに3Dモデルを作成する場合の誤差等を含んでしまうものである。
このため、上記3Dモデルの要素が有する誤差が、上記有効性を判断する際の直交あるいは平行の判断基準として設定されている閾値を超えていると、属性情報を属性配置平面に関連付けることができなくなる。この場合には3Dモデルを修正しなければならない。
しかしながら、上記3Dモデルが数百〜数千以上の要素を有するような複雑な形状であり、多くの要素に誤差を含んでいる場合に、全ての誤差を無くすための操作には多くの時間を費やしてしまうものである。当然、製品設計において誤差がない3Dモデルを作成することが理想的ではあるが、そのために部品作成全体の効率を落としてしまうことは本末転倒といえる。
一方、上記誤差は部品作成全体の各種工程の中で、問題を生じる場合と生じない場合がある。
加工工程における一例を図8(a)〜図8(c)を用いて以下に説明する。
図8(a)に示すような部品の面1104、面1105をエンドミル1110で加工する。
図8(a)においては部品を表現する3Dモデル1102の面1104と面1105は正確に直交し、いずれも属性配置平面1101に直交しているため、加工工程において当然問題は生じない。
図8(b)には3Dモデル1102の面1105が誤差を有するときの加工を模式的に表している。図においては説明のため誤差量を誇張して表現している。図8(b)において、面1105が稜線1107を回転軸としてθ1の角度傾いた誤差を有している。エンドミル1110の加工パス1112は3Dモデル1102を基に設定される。エンドミル1110の軸方向1111が面1105の法線方向とθ1だけ相対的に傾くために、面1105上を移動する加工パス1112は、面1105内の階段状の段差を無くし所望の表面粗さを得るために、パスのピッチを細かく設定する必要があり、またエンドミル1110はその軸方向1111も制御されなければならない。上記結果として加工工数が著しく大きくなってしまうという問題がある。
この場合に、加工パス作成前に3Dモデル1102の面1105をチェックすること、あるいは加工パス1112を作成後に該加工パス1112をチェックすること等によりθ1の傾きがあることを見つけ出し、θ1の傾きが設計意図ではなく誤差であれば3Dモデル1102の面1105を修正すればよいが、そのためには設計情報である属性情報を確認した上で、上流工程の例えば金型設計者あるいは製品設計者に確認するという手間が必要になってしまう。さらに、製品設計工程での3Dモデルの修正と同様に、3Dモデルが数百〜数千以上の要素を有するような複雑な形状について、個々の面の上記θ1のような傾きを見つけ出すことは、著しく多くの時間を費やしてしまうものである。
図8(c)には面1104が誤差を有するときの加工を模式的に表している。上記同様誤差量を誇張して表現している。図8(c)において、面1104が稜線1108を回転軸としてθ2の角度傾いた誤差を有している。この場合は、図8(a)の状態に対し、加工パス1113の方向をθ2だけ変えて、加工すればよく、問題は生じない。
また、エンドミル1110の軸方向1111を図8(a)の面1104の法線方向とすると、図8(b)の3Dモデル1102では問題は生ぜず、図8(c)の3Dモデル1102では問題を生じてしまう。同じ誤差についても加工方法により問題を生じる場合と生じない場合がある。
上記の問題は、3Dモデルの誤差に起因するものであり、少なくとも問題を生じる誤差を製品設計工程において修正することができればよいが、例えば製品工程設計、金型設計、および金型工程設計を経たNCプログラムあるいは加工工程における問題を想定し、製品設計において3Dモデルの誤差を修正することは、製品設計者の負荷を著しく増大し、その結果製品設計工数が増大し、部品作成全体の効率を下げてしまう。
すなわち、誤差のない3Dモデルを作成するためには多大の時間を要する、3Dモデルが誤差を含む場合には該誤差により問題が生じる工程での対処にも多大の時間を要する、問題が生じる誤差を3Dモデル作成時に想定し修正することも多大の時間を要するという問題がある。
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、3Dモデルに含まれる誤差を許容し、かつ部品作成全体の効率を落とすことなく、3Dモデルに見やすく属性情報を付加することが可能な情報処理装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、本出願人による特許文献1および2をさらに発展させたものである。
なお、この発明は下記の構成を備えることにより前記課題を解決できるものである。
本発明の情報処理装置は、3Dモデルの要素に対する属性情報を入力する属性入力手段と、
該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、
該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を第一の閾値で判断する第一の判断手段と、
上記関連付けの有効性を第二の閾値で判断する第二の判断手段と、
上記関連付けにおいて、上記第一の判断手段あるいは第二の判断手段のいずれの判断に基づく関連付けであるかを識別可能に保持する判断手段保持手段、
を有することで、属性配置平面への属性情報の関連付けにおいて、部品作成の全工程で問題が生じない第一の閾値と、いずれかの工程で問題を生じる可能性はあるが、製品設計工程で生じるであろう誤差を許容する第二の閾値を設定でき、該誤差を修正することなく効率的に関連付けができ、3Dモデルと属性情報を次工程に渡すことができる。また、上記誤差による問題が生じる工程では、3Dモデルの要素が誤差を有していることを容易に識別できることで、効率的な対処ができるものである。この結果、3Dモデルと属性情報による部品作成全体の効率化が図れる。
該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、
該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を第一の閾値で判断する第一の判断手段と、
上記関連付けの有効性を第二の閾値で判断する第二の判断手段と、
上記関連付けにおいて、上記第一の判断手段あるいは第二の判断手段のいずれの判断に基づく関連付けであるかを識別可能に保持する判断手段保持手段、
を有することで、属性配置平面への属性情報の関連付けにおいて、部品作成の全工程で問題が生じない第一の閾値と、いずれかの工程で問題を生じる可能性はあるが、製品設計工程で生じるであろう誤差を許容する第二の閾値を設定でき、該誤差を修正することなく効率的に関連付けができ、3Dモデルと属性情報を次工程に渡すことができる。また、上記誤差による問題が生じる工程では、3Dモデルの要素が誤差を有していることを容易に識別できることで、効率的な対処ができるものである。この結果、3Dモデルと属性情報による部品作成全体の効率化が図れる。
また、3Dモデルの要素に対する属性情報を入力する属性入力手段と、
該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、
該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を判断する判断手段と、
上記判断手段の判断条件を変更する判断条件変更手段と、
上記関連付けにおいて、上記判断条件を識別可能に保持する判断条件保持手段、
を有することで、上記同様3Dモデルと属性情報による部品作成全体の効率化が図れる。また、製品設計工程で生じるであろう誤差に対する許容の自由度が増すものである。
該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、
該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を判断する判断手段と、
上記判断手段の判断条件を変更する判断条件変更手段と、
上記関連付けにおいて、上記判断条件を識別可能に保持する判断条件保持手段、
を有することで、上記同様3Dモデルと属性情報による部品作成全体の効率化が図れる。また、製品設計工程で生じるであろう誤差に対する許容の自由度が増すものである。
本発明によれば、情報処理装置において、3Dモデルの要素に対する属性情報を入力する属性入力手段と、該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段と、該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を第一の閾値で判断する第一の判断手段と、上記関連付けの有効性を第二の閾値で判断する第二の判断手段と、上記関連付けにおいて、上記第一の判断手段あるいは第二の判断手段のいずれの判断に基づく関連付けであるかを識別可能に保持する判断手段保持手段、を有することで、属性配置平面への属性情報の関連付けにおいて、部品作成の全工程で問題が生じない第一の閾値と、いずれかの工程で問題を生じる可能性はあるが、製品設計工程で生じるであろう誤差を許容する第二の閾値を設定でき、該誤差を修正することなく効率的に関連付けができ、3Dモデルと属性情報を次工程に渡すことができる。また、上記誤差による問題が生じる工程では、3Dモデルの要素が誤差を有していることを容易に識別できることで、効率的な対処ができるものである。この結果、3Dモデルと属性情報による部品作成全体の効率化が図れる。
また、3Dモデルの要素に対する属性情報を入力する属性入力手段と、該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段と、該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を判断する判断手段と、上記判断手段の判断条件を変更する判断条件変更手段と、上記関連付けにおいて、上記判断条件を識別可能に保持する判断条件保持手段、を有することで、上記同様3Dモデルと属性情報による部品作成全体の効率化が図れる。また、製品設計工程で生じるであろう誤差に対する許容の自由度が増すものである。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
以下の実施例においては、特に記載のない、属性配置平面設定手段と記憶手段を有する3D−CAD装置とその処理フロー、3Dモデルと属性情報の構成、および3Dモデルと属性情報を活用した部品作成については従来例(特許文献1)と同様であり、説明を省略する。
本発明の一実施の形態を、図1〜図6を用いて詳細に説明する。
本説明においては簡略化のため図2に示すような比較的単純な形状の部品を用いるが、本発明の考え方は数百〜数千以上の要素を有する複雑な形状の部品においても当然適用できるものである。
図2において、部品の3Dモデル1の面1a以外の面は、それぞれ直交あるいは平行にモデリングされている。面1aは面1bに直交している。また、穴1fが面1cに垂直にモデリングされている。これらのモデリングに含まれる誤差は、3D−CADが形状を定義し保証可能な最小単位すなわち3D−CADの分解能に基づく、固有のモデリング誤差以下であり、3D−CADにおいて誤差はないものとみなすことができる。
図2の3Dモデル1には、図3に示すように2つの属性配置平面2および3が設定されている。属性配置平面2は面1bに平行に、属性配置平面3は面1cに平行に設定されている。すなわち属性配置平面2および3は、それぞれ第三角法の正面図および平面図に相当するように設定されている。属性配置平面2および3には、それぞれ3Dモデル1の形状を規定する属性情報である寸法および寸法公差が関連付けられる。属性配置平面2および3を、それぞれその法線方向から見た表示状態を図4に示す。
図5および図1を用いて図2の3Dモデル1が誤差を有する場合の、属性配置平面への属性情報の関連付けの処理について説明する。ここでは、長さ寸法が設定される面が誤差を有する場合の処理について説明する。
図5(a)において3Dモデル1の面1dおよび1eは互いに平行ではあるが、属性配置平面2に対し誤差θ3を含んでモデリングされている。図5(b)は図5(a)の3Dモデル1を属性配置平面3の方向(平面の方向)から見た表示状態である。二点鎖線は属性配置平面2である。図5(b)において誤差θ3は説明のため誤差量を誇張して表現している(以下の図についても同様)。該誤差θ3は面1dおよび1eの属性配置平面2に対する直交からの誤差であり、面1dおよび1eはそれぞれ稜線1gおよび1hを軸にしてθ3だけ回転している。
ここで、例えば3D−CADの分解能が角度で0.006[°]であり、上記誤差θ3の値は分解能を超えた0.06[°]あるものとする。該分解能と同等の分解能は、例えば長さで表現すれば0.0001[mm]、あるいはベクトルで表現すれば単位ベクトルに対する方向余弦が0.0001等となる。本発明においては分解能の考え方はいかなる考え方でもよい。面1dおよび1eには、その法線方向を寸法方向4aとして長さの寸法4(80±1)が属性情報として付加されている。
図1は属性配置平面への属性情報の関連付けの処理等に関するフローチャートである。ステップS101〜S103は従来例と同じであり説明を省略する。ステップS104において、属性情報である寸法4を関連付ける属性配置平面2を指定する。ステップS105において、属性配置平面2への寸法4の関連付けの有効性が第一の閾値で判断される。該第一の閾値は、例えば3D−CADの分解能と同じ値である0.006[°]に設定される。該第一の閾値を分解能と同じ値に設定すれば、該第一の閾値での有効性の判断でOKの場合は3D−CAD上は誤差がないとみなすことができる。分解能と同様、該閾値は角度に限らず長さあるいは単位ベクトルに対する方向余弦等いかなる考え方で設定されてもよい(以下の説明においても同様)。上記第一の閾値での判断は、例えば属性配置平面2の法線方向2aと寸法4の寸法方向4aの角度を算出し、直交(90[°])からの誤差を算出し、該誤差と第一の閾値とを比較することでなされる。図5においては、誤差θ3=0.06[°]は上記第一の閾値より大きいため、関連付けの有効性の判断が無効(NO)となり、ステップS108に進む。
ここで、仮に誤差θ3が上記第一の閾値より小さい場合は、有効性の判断が有効(YES)となり、ステップS106で寸法4に第一の閾値で有効性OKの情報が付加され、属性配置平面2へ寸法4が関連付けられる。属性情報は、属性タイプおよび属性タイプに応じた属性値から構成されており、寸法4への第一の閾値で有効性OKの情報の付加は、属性タイプに第一の閾値に対する有効性の属性値が設定され、OKに対する値が付加される。そしてステップS107で関連付けの処理を完了する。
ステップS108では、属性配置平面2への寸法4の関連付けの有効性が第二の閾値で判断される。該第二の閾値は、例えば0.12[°]に設定される。該第二の閾値は設計される部品の種類、サイズ、機能等により、設計上無視できる範囲で適切に設定されることが望ましい。図5の誤差θ3の0.06[°]は上記第二の閾値より小さいため、関連付けの有効性の判断が有効(YES)となり、ステップS109で寸法4に第二の閾値で有効性OKの情報が付加され、属性配置平面2へ寸法4が関連付けられる。そしてステップS107で関連付けの処理を完了する。
ここで、仮に誤差θ3が上記第二の閾値より大きい場合は、有効性の判断が無効(NO)となり、ステップS110で、寸法4の属性配置平面2への関連付けが第二の閾値でNGの旨を表示画面上に表示することでオペレータに伝え、オペレータが確認した上で、ステップS107で関連付けの処理を完了する。
上記の処理は、例えばCADプログラムの一部として外部記憶装置に保管され、CPU装置によって実行される。
上記実施例では、属性配置平面への属性情報の関連付けにおいて、例えば設計上無視できる範囲で設定される第二の閾値により、関連付けの有効性を判断することで、3D−CADでは誤差となるような3Dモデルの要素に含まれる誤差を許容し、関連付けを有効とすることができる。これにより、3Dモデルに含まれる誤差を修正する必要がなく、製品設計工程において効率よく3Dモデルと属性情報を作成できる。また、関連付けられた属性情報が、第一の閾値あるいは第二の閾値のいずれの閾値で関連付けの有効性が有効となったかを上記属性値により容易に識別できるため、製品設計工程の次工程以降において、問題を生ずる可能性がある第二の閾値で有効と判断された属性を有する3Dモデルの要素のみをチェックすることで、未然に問題の発生を防ぎ、必要に応じ3Dモデルを修正することができる。
上記により、3Dモデルと属性情報による部品作成全体の効率化が図れるものである。
上記の実施例では、互いに平行ではあるが、属性配置平面に対し誤差を含んでモデリングされている2面間の長さ寸法について説明したが、平行でない2面間の長さ寸法についても同様に有効性を判断できる。この場合は、図1のステップS103の属性情報作成において、作成する長さ寸法の2面が平行でないことを検出し、自動的にいずれか一方の面の法線方向を寸法方向とする、あるいはオペレータが寸法方向を設定することにより寸法方向が設定される。そしてステップS105において属性配置平面の法線方向と上記寸法方向から誤差量を算出し、第一あるいは第二の閾値と比較すればよい。上記において一方の面が誤差を含まないときも同様に判断できることは言うまでもない。
また、円筒面の中心軸の位置に対する長さ寸法、稜線間の長さ寸法、あるいは2頂点間の長さ寸法等においても上記と同様に有効性を判断できる。
すなわち、長さ寸法を属性配置平面に関連付けるときの有効性は、属性配置平面の法線方向と長さ寸法の寸法方向とから誤差量を算出し、第一あるいは第二の閾値と比較すればよい。
上記の実施例では、長さ寸法について説明したが、角度寸法についても同様に属性配置平面への関連付けの有効性を判断できる。
図6に、図2の3Dモデル1の面1aが誤差を有する状態を示す。図6(a)において3Dモデル1の面1aは属性配置平面2に対し誤差θ4を含んでモデリングされている。該誤差θ4は面1aの属性配置平面2に対する直交からの誤差であり、頂点1jを通り面1cに垂直な軸を中心にθ4だけ回転している。面1aと面1c間には、角度の寸法5(105°±1°)が属性情報として付加されている。上記状態において、角度寸法5の中心軸となる面1aと面1cとの交線(図6(a)の稜線1i)の方向が属性配置平面2の法線方向とθ4の角度だけ平行からずれることになる。このため、角度寸法5は、属性配置平面2を上記θ4の角度だけ回転した属性配置平面6に関連付けなければならなくなる。
上記において、図1のステップS105では、面1aと面1cより交線の方向を算出し、該交線の方向の属性配置平面2の法線方向に対する誤差を算出し、該誤差と第一の閾値とを比較することで角度寸法5の属性配置平面2への関連付けの有効性の判断がなされる。ステップS108においても同様に上記誤差と第二の閾値とを比較することで有効性の判断がなされる。上記誤差θ4が第一あるいは第二の閾値以下であれば、角度寸法5にいずれの閾値で関連付けの有効性が有効となったかの情報が付加され、属性配置平面2に関連付けられる。
また、円筒形状の直径寸法および半径寸法(例えば図3の寸法7(φ15±0.2))においては、円筒形状の軸線方向と属性配置平面の法線方向との誤差を算出し、第一あるいは第二の閾値と比較することで、直径寸法および半径寸法の属性配置平面(例えば図3の寸法7に対しては属性配置平面3)への関連付けの有効性の判断がなされるものである。
また、上記の実施例においては、第一の閾値を3D−CADの分解能と同じ値に設定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一の閾値は属性配置平面への属性情報の厳しい関連付けとし、第二の閾値は緩い関連付けとする観点から、任意に設定されるものである。
また、第一の閾値あるいは第二の閾値のいずれの閾値で関連付けの有効性が有効となったかの識別は、属性情報あるいは3Dモデルの要素の表示状態、例えば色を変えて表示する、あるいはいずれか一方(例えば第二の閾値)の判断による属性情報のみを表示する等、各工程でのオペレータが識別可能な方法であればいかなる方法でもよい。
[発明の他の実施の形態]
本発明の他の実施の形態を、図7を用いて説明する。属性配置平面への属性情報の関連付けの処理以外は上記実施例と同じであり説明を省略する。
本発明の他の実施の形態を、図7を用いて説明する。属性配置平面への属性情報の関連付けの処理以外は上記実施例と同じであり説明を省略する。
図7のステップS205において、例えば長さ寸法の場合には、該長さ寸法の寸法方向の関連付けが指定された属性配置平面の法線方向に対する誤差量を算出し、該誤差量とあらかじめ設定されている閾値とを比較することで、関連付けの有効性を判断する。この場合、あらかじめ設定される閾値は、例えば3D−CADの分解能と同レベルの関連付けに対し厳しい値に設定されていることが望ましい。
そして、ステップS205での有効性の判断が無効(NO)の場合には、ステップS208においてオペレータが閾値の値を大きくする、すなわち関連付けに対し緩くする値に変更し、再度関連付けの有効性を判断する。該判断が有効(YES)となれば、ステップS209において、上記長さ寸法に変更した閾値で有効性OKの情報が付加され、属性配置平面へ長さ寸法が関連付けられる。該有効性OKの情報は、属性タイプに変更された閾値に対する有効性の属性値が設定され、一律にOKに対応する値が付加される。または、属性値として上記誤差量が付加されてもよい。この場合には、製品設計工程を含め、該当する3Dモデルの要素の修正が必要となる部品作成の各種工程において、該属性値を基に修正を行えばよく、さらに効率がよくなるものである。
通常設計者は単一の3D−CADで複数の様々な種類の部品を設計するが、これらの部品の中には、寸法公差あるいは幾何公差等が厳しいいわゆる精密な部品があり、また寸法公差等が緩い比較的ラフな部品もある。また単一の部品においても、厳しい寸法公差が求められる部位と、ラフな部位が混在するものである。このような場合に、上記実施例を適用することで、厳しい寸法公差が求められる部品あるいは部位ではステップS208での閾値の変更は最小限に抑え、後工程での問題の発生を最小限とし、ラフな部品あるいは部位に対してはステップS208での閾値の変更を緩めにすることで、製品設計工程の効率を上げることができる。その結果、3Dモデルと属性情報による部品作成全体の効率化が図れるものである。
1、1102 3Dモデル
2、3、1101 属性配置平面
2a 属性配置平面の法線方向
4 長さ寸法
4a 長さ寸法の寸法方向
5 角度寸法
2、3、1101 属性配置平面
2a 属性配置平面の法線方向
4 長さ寸法
4a 長さ寸法の寸法方向
5 角度寸法
Claims (4)
- 3Dモデルの要素に対する属性情報を入力する属性入力手段と、
該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、
該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を第一の閾値で判断する第一の判断手段と、
上記関連付けの有効性を第二の閾値で判断する第二の判断手段と、
上記関連付けにおいて、上記第一の判断手段あるいは第二の判断手段のいずれの判断に基づく関連付けであるかを識別可能に保持する判断手段保持手段、
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 3Dモデルの要素に対する属性情報を入力する属性入力手段と、
該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定手段と、
該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を判断する判断手段と、
上記判断手段の判断条件を変更する判断条件変更手段と、
上記関連付けにおいて、上記判断条件を識別可能に保持する判断条件保持手段、
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 3Dモデルの要素に対する属性情報を入力する属性入力工程と、
該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定工程と、
該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶工程と、
該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を第一の閾値で判断する第一の判断工程と、
上記関連付けの有効性を第二の閾値で判断する第二の判断工程と、
上記関連付けにおいて、上記第一の判断工程あるいは第二の判断工程のいずれの判断に基づく関連付けであるかを識別可能に保持する判断手段保持工程、
を有することを特徴とする情報処理方法。 - 3Dモデルの要素に対する属性情報を入力する属性入力工程と、
該属性情報が関連付けられる仮想的な平面を設定する属性配置平面設定工程と、
該仮想的な平面に前記属性情報を関連付けて記憶する記憶工程と、
該仮想的な平面への前記属性情報の関連付けにおいて、関連付けの有効性を判断する判断工程と、
上記判断工程の判断条件を変更する判断条件変更工程と、
上記関連付けにおいて、上記判断条件を識別可能に保持する判断条件保持工程、
を有することを特徴とする情報処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004300221A JP2006113799A (ja) | 2004-10-14 | 2004-10-14 | 情報処理装置および情報処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004300221A JP2006113799A (ja) | 2004-10-14 | 2004-10-14 | 情報処理装置および情報処理方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006113799A true JP2006113799A (ja) | 2006-04-27 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20210045563A (ko) * | 2019-10-16 | 2021-04-27 | 지엠 글로벌 테크놀러지 오퍼레이션스 엘엘씨 | 금형 설계 자동 검도 시스템 및 이를 이용한 방법 |
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2004
- 2004-10-14 JP JP2004300221A patent/JP2006113799A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20210045563A (ko) * | 2019-10-16 | 2021-04-27 | 지엠 글로벌 테크놀러지 오퍼레이션스 엘엘씨 | 금형 설계 자동 검도 시스템 및 이를 이용한 방법 |
KR102263595B1 (ko) * | 2019-10-16 | 2021-06-11 | 지엠 글로벌 테크놀러지 오퍼레이션스 엘엘씨 | 금형 설계 자동 검도 시스템 및 이를 이용한 방법 |
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