しかしながら、上述のように表示部にタブレット入力装置を設けると、画面が暗く読みにくくなるとともに装置が高価となってしまうという問題点があった。
一方、高価なタブレット入力装置に代えて、例えば透明なフィルムなどで表示部を覆い、表示部に表示される元画像を視認可能とすると共に、そのフィルム上にメモなどを加筆可能に構成することが考えられる。そのような場合、例えばスキャナなどの読取装置により光学的に読み取ろうとすると、表示部に表示された元画像と透明フィルム上に書き込まれた手書きの加筆画像とが重なる部分では、元画像が妨げとなって、加筆画像を精度高く読み出すことが困難であるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、画面が明るく安価な表示装置を提供すること、および元画像に対し加筆された加筆画像を読取装置により精度高く読み取らせることができる表示装置および表示制御プログラムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の表示装置は、文字または画像を表示可能な表示画面と、文字または画像に関する元画像情報を記憶する元画像情報記憶手段と、その元画像情報記憶手段に記憶された元画像情報に基づく元画像を前記表示画面へ表示する元画像表示手段と、前記表示画面に設けられ加筆および消去が可能な光透過性の入力部とを備えたものであって、その表示装置は、前記入力部に加筆された加筆画像または前記表示画面に表示された画像を読取装置により読み取らせて読取データを作成させるものであり、前記元画像表示手段により前記表示画面に元画像が表示された状態で前記入力部に加筆された加筆画像を前記読取装置に読み取らせる場合に、加筆画像を読み取りやすいように、前記表示画面の表示内容を変化させる読取モード手段を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の表示装置は、請求項1記載の表示装置において、前記読取モード手段は、前記加筆画像を読取装置に読み取らせる場合に、元画像の読み取り感度が低下するように表示画面の表示内容を変化させるものである。
請求項3記載の表示装置は、請求項1または2に記載の表示装置において、前記読取モード手段は、前記加筆画像を読取装置に読み取らせる場合に、元画像の読み取り感度が実質的になくなるように表示画面の表示内容を変化させるものである。
請求項4記載の表示装置は、請求項1から3のいずれかに記載の表示装置において、前記読取モード手段は、前記表示装置の表示画面から前記元画像を消去して、加筆画像を読み取り易いように表示画面の表示内容を変化させるものである。
請求項5記載の表示装置は、請求項1から4のいずれかに記載の表示装置において、前記入力部と前記表示画面との外周を支持する枠体を有し、前記読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークが、その枠体のうち前記入力部が露出された面の所定位置に予め設けられているものである。
請求項6記載の表示装置は、請求項1から4のいずれかに記載の表示装置において、前記読取モード手段は、前記読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを前記表示画面へ表示するものである。
請求項7記載の表示装置は、請求項6記載の表示装置において、前記読取モード手段により、前記表示画面に表示される前記位置マークは、所定の間隔を空けて格子状にされた複数の直線から構成される。
請求項8記載の表示装置は、請求項5から7のいずれかに記載の表示装置において、前記読取モード手段により表示画面の表示内容を変化させた後、前記入力部に加筆された加筆画像と、前記加筆画像の位置を示す位置マークとを前記読取装置に読み取らせて読取データを作成させる読取データ作成手段と、その読取データ作成手段により作成された読取データを前記読取装置から受信する読取データ受信手段と、その読取データ受信手段により受信された読取データに含まれる前記加筆画像に関する加筆画像情報と前記元画像情報記憶手段により記憶された元画像情報とを、前記位置マークに基づいて位置合わせして合成し合成画像情報を生成する合成画像情報生成手段とを備えたことを特徴とする。
請求項9記載の表示装置は、請求項1から8のいずれかに記載の表示装置において、前記入力部は、ハードコート処理がされた無色のプラスチックフィルムから構成される。
請求項10記載の表示装置は、請求項1記載の表示装置において、前記読取モード手段は、前記表示画面から元画像を消去させて、且つ前記読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを表示するものであり、その読取モード手段により元画像を消去させて前記位置マークを表示した後、前記入力部に加筆された加筆画像と前記位置マークとを前記読取装置に読み取らせ、読取データを作成させる読取データ作成手段と、その読取データ作成手段により作成された読取データを前記読取装置から受信する読取データ受信手段と、その読取データ受信手段により受信された読取データに含まれる前記位置マークに基づいて、表示画面に対する加筆画像の位置を決定する加筆画像位置決定手段と、前記読取データ作成手段により前記読取データを作成させた後、前記表示画面から前記位置マークを消去する位置マーク消去手段と、その位置マーク消去手段により位置マークを消去した後、前記入力部に加筆された加筆画像を前記読取装置に読み取らせ、本スキャンデータを作成させる本スキャンデータ作成手段と、その本スキャンデータ作成手段により作成された本スキャンデータを前記読取装置から受信する本スキャンデータ受信手段と、その本スキャンデータ受信手段により受信された本スキャンデータに含まれる加筆画像に関する加筆画像情報と前記元画像情報記憶手段に記憶された元画像情報とを、前記加筆画像位置決定手段により決定された表示画面に対する加筆画像の位置に基づいて合成し合成画像情報を生成する合成画像情報生成手段とを備えたことを特徴とする。
請求項11記載の表示装置は、請求項1から10のいずれかに記載の表示装置において、前記読取装置は読み取りの開始の前に、前記表示装置に対し読み取りの開始を知らせる開始データを送信するものであって、前記表示装置は、読取装置から送信された開始データを受信する開始データ受信手段を有し、前記読取モード手段は、その開始データ受信手段により開始データを受信したことに基づいて、表示画面の表示内容を変化させるものである。
請求項12記載の表示制御プログラムは、画像を表示可能な表示画面と、その表示画面に設けられ加筆および消去が可能な光透過性の入力部とを備えた表示装置と、その表示装置の入力部に加筆された加筆画像または前記表示画面に表示された画像を読み取り可能な読取装置とに接続されたコンピュータで実行されるものであり、文字又は画像に関する元画像情報をメモリに記憶させる元画像情報記憶ステップと、その元画像情報記憶ステップによりメモリに記憶された元画像情報を前記表示装置に送信し、その元画像情報に基づく元画像を前記表示装置の表示画面へ表示させる元画像表示ステップと、前記元画像表示ステップにより前記表示画面に元画像が表示された状態で前記入力部に加筆された加筆画像を前記読取装置に読み取らせて読取データを作成させる場合に、加筆画像を読み取りやすいように表示装置の表示画面の表示内容を変化させる読取モードステップとして、前記コンピュータを機能させる。
請求項13記載の表示制御プログラムは、請求項12記載の表示制御プログラムにおいて、前記読取モードステップは、前記表示装置の表示画面から元画像を消去させることにより加筆画像を読み取りやすいように表示装置の表示画面の表示内容を変化させるものである。
請求項14記載の表示制御プログラムは、請求項12または13に記載の表示制御プログラムにおいて、前記読取モードステップは、加筆画像を読み取りやすいように表示装置の表示画面の表示内容を変化させ、読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを表示装置の表示画面へ表示させるものである。
請求項15記載の表示制御プログラムは、請求項14記載の表示制御プログラムにおいて、前記読取モードステップにより表示画面の表示内容を変化させた後、前記入力部に加筆された加筆画像と、前記位置マークとを前記読取装置に読み取らせ、読取データを作成させる読取データ作成ステップと、その読取データ作成ステップにより作成された読取データを前記読取装置から受信する読取データ受信ステップと、前記読取データ受信ステップにより受信された読取データに含まれる加筆画像に関する加筆画像情報と前記元画像情報記憶ステップによりメモリに記憶された元画像情報とを、前記位置マークに基づいて位置合わせをして合成した合成画像情報を生成する合成画像情報生成ステップとして、前記コンピュータを機能させる。
請求項16記載の表示制御プログラムは、請求項14または15に記載の表示制御プログラムにおいて、前記表示画面は明度の異なる少なくとも2色を用いて画像を表示可能に構成され、前記読取モードステップは、前記表示装置の表示画面から前記元画像を消去させて、明度の高い色で構成される背景を表示画面へ表示させ且つその背景に重ねて前記読取装置に読み取られることにより前記位置マークを前記表示画面へ表示させる。
請求項17記載の表示制御プログラムは、請求項12記載の表示制御プログラムにおいて、前記読取モードステップは、前記表示画面から元画像を消去させ、且つ前記読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを表示させるものであり、その読取モードステップにより元画像を消去させて前記位置マークを表示させた後、前記入力部に加筆された加筆画像と前記位置マークとを前記読取装置に読み取らせ、読取データを作成させる読取データ作成ステップと、その読取データ作成ステップにより作成された読取データを前記読取装置から受信する読取データ受信ステップと、その読取データ受信ステップにより受信された読取データに含まれる前記位置マークに基づいて、表示画面に対する加筆画像の位置を決定する加筆画像位置決定ステップと、前記読取データ作成ステップにより前記読取データを作成させた後、前記表示装置の表示画面から前記位置マークを消去させる位置マーク消去ステップと、その位置マーク消去ステップにより位置マークを消去させた後、前記入力部に加筆された加筆画像を前記読取装置に読み取らせ、本スキャンデータを作成させる本スキャンデータ作成ステップと、その本スキャンデータ作成ステップにより作成された本スキャンデータを前記読取装置から受信する本スキャンデータ受信ステップと、その本スキャンデータ受信ステップにより受信された本スキャンデータに含まれる前記加筆画像に関する加筆画像情報と前記元画像情報記憶ステップによりメモリに記憶された元画像情報とを、前記加筆画像位置決定ステップにより決定された表示画面に対する加筆画像の位置に基づいて合成し合成画像情報を生成する合成画像情報生成ステップとして、前記コンピュータを機能させる。
請求項1記載の表示装置によれば、元画像情報記憶手段に文字または画像に関する元画像情報が記憶され、元画像表示手段により、その元画像情報記憶手段に記憶された元画像情報に基づく元画像が表示画面へ表示される。ここで、元画像表示手段により表示画面に元画像が表示された状態で入力部に加筆された加筆画像を読取装置に読み取らせる場合には、読み取りモード手段により、加筆画像を読み取りやすいように、表示画面の表示内容が変化させられる。よって、元画像に対し加筆された加筆画像を読取装置により精度高く読み取らせることができるという効果がある。たとえば、表示装置の表示画面に元画像として罫線を表示させることにより、その罫線に沿って、入力部に文字や図形を整列させて加筆でき、その加筆された加筆画像を読取装置に読み取らせる場合には、読取モード手段により、たとえば、元画像である罫線を消去させることにより、その入力部に加筆した文字や図形を罫線のない状態で読み取らせることができる。また、たとえば、入力部を無色のプラスチックフィルムで構成することで、加筆画像を読み取るためのタブレット入力装置が表示画面に設けられる場合に比較して、画面が明るく読みやすくなると共に、装置が安価となるという効果がある。
請求項2記載の表示装置によれば、請求項1記載の表示装置の奏する効果に加え、前記加筆画像を読取装置に読み取らせる場合には、前記読取モード手段により、元画像の読み取り感度が低下するように表示画面の表示内容が変化させられるので、加筆画像の読み取り感度が相対的に増加し、元画像が加筆画像の読み取りの妨げとなることが抑制され、加筆画像を精度高く読み取ることができるという効果がある。
請求項3記載の表示装置によれば、請求項1または2に記載の表示装置の奏する効果に加え、前記加筆画像を読取装置に読み取らせる場合には、前記読取モード手段により、元画像の読み取り感度が実質的になくなるように表示画面の表示内容が変化させられるので、元画像が加筆画像の読み取りの妨げとなることが抑制され、加筆画像を精度高く読み取ることができるという効果がある。
請求項4記載の表示装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の表示装置の奏する効果に加え、前記読取モード手段により、前記表示装置の表示画面から前記元画像が消去されて、加筆画像を読み取り易いように表示画面の表示内容が変化させられるので、加筆画像の読み取りの際に、元画像が読み取りの妨げとなることが抑制され、加筆画像を精度高く読み取ることができるという効果がある。
請求項5記載の表示装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の表示装置の奏する効果に加え、前記入力部と前記表示画面との外周を支持する枠体を有し、前記読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークが、その枠体のうち前記入力部が露出された面の所定位置に予め設けられているので、表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを、入力部に加筆された加筆画像と同時に読取装置に読み取らせることができる。したがって、位置マークに基づいて、入力部に加筆された加筆画像の表示画面に対する位置が判断可能な読取データを読取装置に作成させることができるという効果がある。
請求項6記載の表示装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の表示装置の奏する効果に加え、前記読取モード手段は、前記読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを前記表示画面へ表示するので、表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを、入力部に加筆された加筆画像と同時に読取装置に同時に読み取らせることができる。したがって、位置マークに基づいて、入力部に加筆された加筆画像の表示画面に対する位置が判断可能な読取データを読取装置に作成させることができるという効果がある。
請求項7記載の表示装置によれば、請求項6記載の表示装置の奏する効果に加え、前記読取モード手段により、前記表示画面に表示される前記位置マークは、所定の間隔を空けて格子状にされた複数の直線から構成されるので、位置マークに基づいて、表示画面に対する加筆画像の位置を詳細に判断可能な読取データを読取装置に作成させることができるという効果がある。
請求項8記載の表示装置によれば、請求項5から7のいずれかに記載の表示装置と同様に作用する上、前記読取モード手段により表示画面の表示内容を変化させた後、読取データ作成手段により、前記入力部に加筆された加筆画像と、前記加筆画像の位置を示す位置マークとを前記読取装置に読み取らせて読取データを作成させ、その読取データ作成手段により作成された読取データが読取データ受信手段により読取装置から受信され、その読取データ受信手段により受信された読取データに含まれる前記加筆画像に関する加筆画像情報と前記元画像情報記憶手段により記憶された元画像情報とが、合成画像情報生成手段により、前記位置マークに基づいて位置合わせして合成される。
よって、請求項8記載の表示装置によれば、請求項5から7のいずれかに記載の表示装置の奏する効果に加え、元画像情報と加筆画像情報とが表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークに基づいて位置合わせがされて合成されるので、読取装置に対し、予め定められた位置に入力部をセットするなどの煩雑な操作を行わなくても、元画像と加筆画像との位置関係の精度が高い合成画像情報を生成することができるという効果がある。
請求項9記載の表示装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載の表示装置の奏する効果に加え、前記入力部は、ハードコート処理がされた無色のプラスチックフィルムから構成されるので、水性ペンにより入力部に加筆することができ、さらにその加筆画像を容易に消去できるという効果がある。また、入力部を無色のプラスチックフィルムで構成されているので、加筆画像を読み取るためのタブレット入力装置が表示画面に設けられる場合に比較して、画面が明るく読みやすくなると共に、装置が安価となるという効果がある。
請求項10記載の表示装置によれば、請求項1記載の表示装置と同様に作用する上、読取モード手段により、前記表示画面から元画像を消去させて、且つ読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを表示させ、その後、読取データ作成手段により、前記入力部に加筆された加筆画像と前記位置マークとを前記読取装置に読み取らせて読取データを作成させ、読取データ受信手段により、その作成された読取データを読取装置から受信し、加筆画像位置決定手段により、その読取データに含まれる前記位置マークの位置情報に基づいて、表示画面に対する加筆画像の位置が決定される。また、読取データを作成させた後、位置マーク消去手段により、前記表示画面から前記位置マークが消去され、その後、本スキャンデータ作成手段により、入力部に加筆された加筆画像を前記読取装置に読み取らせ、本スキャンデータを作成させ、合成画像情報生成手段により、その本スキャンデータに含まれる加筆画像に関する加筆画像情報と元画像情報とが、表示画面に対する加筆画像の位置に基づいて合成され合成画像情報が生成される。
よって、請求項10記載の表示装置によれば、請求項1記載の表示装置の奏する効果に加え、元画像情報と加筆画像情報とが表示画面に対する加筆画像の位置に基づいて位置合わせがされて合成されるので、読取装置に対し、予め定められた位置に入力部をセットするなどの煩雑な操作を行わなくても、元画像と加筆画像との位置関係の精度が高い合成画像情報を生成することができるという効果がある。さらに、合成画像情報を作成するための加筆画像情報は、位置マークが消去され、位置マークとは重ならない状態で読み取られた本スキャンデータに含まれるものであるので、読み出し精度の高い加筆画像情報を用いて合成画像情報を作成できるという効果がある。
請求項11記載の表示装置によれば、請求項1から10のいずれかに記載の表示装置の奏する効果に加え、前記読取装置は読み取りの開始の前に、前記表示装置に対し読み取りの開始を知らせる開始データを送信するものであって、前記表示装置は、開始データ受信手段により、読取装置から送信された開始データを受信し、その開始データ受信手段により開始データを受信したことに基づいて、前記読取モード手段により、表示画面の表示内容を変化させるので、読取装置から送信される開始データに基づいて、表示装置の表示画面の表示内容が自動的に変化させられるという効果がある。
請求項12記載の表示制御プログラムによれば、画像を表示可能な表示画面と、その表示画面に設けられ加筆および消去が可能な光透過性の入力部とを備えた表示装置と、その表示装置の入力部に加筆された加筆画像または前記表示画面に表示された画像を読み取り可能な読取装置とに接続されたコンピュータで実行されることにより、該コンピュータは、元画像情報記憶ステップにより、元画像文字又は画像に関する元画像情報をメモリに記憶し、元画像表示ステップにより、メモリに記憶された元画像情報を前記表示装置に送信し、その元画像情報に基づく元画像を前記表示装置の表示画面へ表示させる。そして、前記表示画面に元画像が表示された状態で前記入力部に加筆された加筆画像を前記読取装置に読み取らせて読取データを作成させる場合に、読取モードステップにより、加筆画像を読み取りやすいように表示画面の表示内容を変化させる。
よって、表示装置の入力部において元画像に対し加筆された加筆画像を、読取装置により精度高く読み取らせることができるという効果がある。たとえば、表示装置の表示画面に元画像として罫線を表示させることにより、その罫線に沿って、入力部に文字や図形を整列させて加筆できると共に、その加筆された加筆画像を読取装置に読み取らせる場合には、読取モードステップにより、たとえば、元画像である罫線を表示画面から消去させ、その入力部に加筆した文字や図形を罫線のない状態で読み取らせることができる。
請求項13記載の表示制御プログラムによれば、請求項12記載の表示制御プログラムの奏する効果に加え、前記コンピュータで実行されることにより、該コンピュータは、前記読取モードステップにより、前記表示装置の表示画面から元画像を消去させることにより加筆画像を読み取りやすいように表示装置の表示画面の表示内容を変化させるので、加筆画像を読み取る際に、元画像が読み取りの妨げとなることが抑制され、加筆画像を精度高く読み取ることができるという効果がある。
請求項14記載の表示制御プログラムによれば、請求項12または13に記載の表示制御プログラムの奏する効果に加え、前記コンピュータで実行されることにより、該コンピュータは、前記読取モードステップにより、加筆画像を読み取りやすいように表示装置の表示画面の表示内容を変化させ、読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを表示装置の表示画面へ表示させるので、表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを、入力部に加筆された加筆画像と同時に読取装置に読み取らせることができる。したがって、位置マークに基づいて、入力部に加筆された加筆画像の表示画面に対する位置が判断可能な読取データを読取装置に作成させることができるという効果がある。
請求項15記載の表示制御プログラムによれば、請求項14記載の表示制御プログラムと同様に作用する上、コンピュータで実行されることにより、該コンピュータは、前記読取モードステップにより表示画面の表示内容を変化させた後、読取データ作成ステップにより、前記入力部に加筆された加筆画像と、前記位置マークとを前記読取装置に読み取らせ、読取データを作成させる。そして、その読取データ作成ステップにより作成された読取データを読取データ受信ステップにより前記読取装置から受信し、合成画像情報生成ステップにより、受信された読取データに含まれる加筆画像に関する加筆画像情報と前記元画像情報記憶ステップによりメモリに記憶された元画像情報とを、前記位置マークに基づいて位置合わせをして合成した合成画像情報を生成する。
よって、請求項15記載の表示制御プログラムによれば、請求項14記載の表示制御プログラムの奏する効果に加え、元画像情報と加筆画像情報とが位置マークに基づいて位置合わせがされて合成されるので、読取装置に対し、予め定められた所定の位置に入力部をセットするなどの煩雑な操作を行わなくても、元画像と加筆画像との位置関係の精度が高い合成画像情報を生成することができるという効果がある。
請求項16記載の表示制御プログラムによれば、請求項14または15に記載の表示制御プログラムの奏する効果に加え、前記表示画面は明度の異なる少なくとも2色を用いて画像を表示可能に構成され、前記コンピュータで実行されることにより、該コンピュータは、前記読取モードステップにより、前記表示装置の表示画面から前記元画像を消去させて、明度の高い色で構成される背景を表示画面へ表示させ且つその背景に重ねて前記位置マークを前記表示画面へ表示させるので、入力部に加筆された加筆画像が読み取りしやすく、加筆画像の読み取りを精度高く行うことができるという効果がある。
請求項17記載の表示制御プログラムによれば、請求項12記載の表示制御プログラムと同様に作用する上、前記コンピュータで実行されることにより、該コンピュータは、読取モードステップにより、前記表示画面から元画像を消去させ、且つ前記読取装置に読み取られることにより表示画面に対する加筆画像の位置を示す位置マークを表示させる。そして、その後、読取データ作成ステップにより、前記入力部に加筆された加筆画像と前記位置マークとを前記読取装置に読み取らせ、読取データを作成させ、読取データ受信ステップにおいて、その作成された読取データを前記読取装置から受信し、加筆画像位置決定ステップにより、受信された読取データに含まれる前記位置マークの位置情報に基づいて、表示画面に対する加筆画像の位置を決定する。そして、位置マーク消去ステップにより、表示装置の表示画面から前記位置マークを消去させた後、本スキャンデータ作成ステップにより、前記入力部に加筆された加筆画像を前記読取装置に読み取らせ、本スキャンデータ受信ステップにより、本スキャンデータを前記読取装置から受信し、合成画像情報生成ステップにおいて、その受信された本スキャンデータに含まれる加筆画像に関する加筆画像情報とメモリに記憶された元画像情報とを、加筆画像位置決定ステップにより決定された表示画面に対する加筆画像の位置に基づいて位置合わせをして合成し合成画像情報を生成する。
よって、請求項17記載の表示制御プログラムによれば、請求項12記載の表示制御プログラムの奏する効果に加え、元画像情報と加筆画像情報とが表示画面に対する加筆画像の位置に基づいて位置合わせがされて合成されるので、読取装置に対し、予め定められた位置に入力部をセットするなどの煩雑な操作を行わなくても、元画像と加筆画像との位置関係の精度が高い合成画像情報を生成することができるという効果がある。さらに、合成画像情報を作成するための加筆画像情報は、位置マークが消去され、位置マークとは重ならない状態で読み取られた本スキャンデータに含まれるものであるので、読み出し精度の高い加筆画像情報を用いて合成画像情報を作成できるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例である表示装置10の斜視図である。
図1に示すように、表示装置10は、文字又は画像を表示可能な表示画面2aと、その表示画面2aに重ねて設けられた表示画面2aと略同形の入力部3と、制御キー4とを備える。
表示画面2は、白色または黒色を表示可能に構成されており、表示装置10内のRAM13(図4参照)に記憶された画像データや本体2に接続された外部機器から受信した画像データに基づいて、黒色の元画像5および白色の背景6を表示することができる。また、使用者は、制御キー4を押下することにより、表示画面2aに表示する画像データを選択したり、後述する読み取りモードへの切り替えを指示する。
図2は、表示装置10の表示画面2aを構成する表示パネル2の拡大断面図である。図2に示すように、表示パネル2は、表示画面2aを構成する第1基板21と、その第1基板21と所定距離を隔てて対向する第2基板23と、それら第1基板21と第2基板23との間において二次元的に配置され、バインダ24により固定されたマイクロカプセル25とを有している。また、表示画面2a上には入力部3が設けられている。
入力部3は、光透過性の透明プラスチックフィルムから構成され、表示画面2aに重ねて設けられる。また、表示画面2aに対し反対側の面すなわち表面がハードコート処理されている。図3は、元画像5が表示された状態で、入力部3に加筆画像8が加筆された表示装置10の斜視図である。図3に示すように、入力部3は光透過性があるため、表示画面2aに表示される元画像5は入力部3を通して視認することができる。また、入力部3の表面はハードコート処理されているため、水性ペン7により入力部3に加筆画像8を加筆することができ、さらにその加筆画像8を容易に消去できる。ここで、水性ペン7は、例えば赤色などの有彩色のペンである。したがって、黒色の元画像5と加筆画像8とを区別して視認することができる。
再び図2を参照して説明する。第1基板21は、光透過性のある樹脂、ガラス、天然樹脂等により構成される板状部材であり、表示面の裏面側に上側電極21aが設けられている。第2基板23は、第1基板21と同様の材料から構成される板状部材であって、第1基板21と対向する側の面に下側電極23aが設けられている。第1基板21と第2基板23とは、表示画面2aに直交する方向の距離が例えば約100μmとなるように、互いに対向して配置される。
上側電極21aは、マイクロカプセル25に電界を与えるための一方の極性を担う電極であり、複数本のライン状に形成されている。この上側電極21aは、導電性を有するものであれば、特にその材料には限定されず、金属、半導体、導電性樹脂、導電性塗料等の材料で構成されている。また、この上側電極21aは、周知の無電解メッキ法、スパッタ法、蒸着法等の方法によって第1基板21上に形成できる。
下側電極23aは、マイクロカプセル25に電界を与えるための他方の極性を担う電極であり、上側電極21aと直交する方向に複数本のライン状に形成されている。尚、下側電極23についても、上側電極21aと同様な材料、方法で第2基板23上に形成することができる。上側電極21aと下側電極23aとの各交差部が、それぞれ画素を構成する。
マイクロカプセル25は、黒色に着色された粒子である電気泳動黒粒子25aと白色に着色された粒子である電気泳動白粒子25bとを分散した分散液25cとその分散液25cを内包する殻とからなる。そして、電気泳動黒粒子25aは正に帯電し、電気泳動白粒子25bは負に帯電するよう構成されている。
図2に示すように、上側電極21aが下側電極23aに対して負となるように、上側電極21aと下側電極23aとの間に電界を生じさせると、その電極20,22間のマイクロカプセル25に内包される電気泳動黒粒子25aは分散媒25c内を泳動し上側電極21a側へ吸引され、電気泳動白粒子25bは分散媒25c内を泳動して下側電極23a側へ吸引される。よって、表示画面2aに黒色が表示される。
一方、上側電極21aが下側電極23aに対して正となるように、上側電極21aと下側電極23aとの間に電界を生じさせると、その電極20,22間のマイクロカプセル25に内包される電気泳動黒粒子13は下側電極23a側に吸引され、電気泳動白粒子25bは上側電極21a側へ吸引されるので、表示画面2aに白色が表示される。
なお、分散媒25cとしては、パラフィン系炭化水素(ノルマルパラフィン、イソパラフィン)、ハロゲン化炭化水素、シリコンオイル等が使用できる。電気泳動黒粒子25aや電気泳動白粒子25bとしては、スチレン、アクリル、ナイロンなどの樹脂からなる粒子に、黒色のカーボンブラックや白色の酸化チタン等の顔料が含まれたものが使用できる。
また、各粒子25a,25bの帯電特性を安定させるために、荷電制御剤を用いてもよい。荷電制御剤には、静電記録用の現像剤(トナー)に利用されている公知の材料が好適である。各粒子25a,25bのサイズは通常平均粒径0.1μm〜10μm程度の粒子が使用される。
図4は、表示装置10の構成を示すブロック図である。図4に示すように、表示装置10は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、制御キー4と、表示パネル2と、ドライバ15と、インターフェース16(I/F16)とを備えている。
図4に示すように、CPU11、ROM12、RAM13は、キー4と、ドライバ15と、インターフェース16(I/F16)とを、バスを介して接続されている。また、表示パネル2は、ドライバ15を介してバスに接続されている。
CPU11は、この表示装置10を総括的に制御する中央演算処理であり、各種プログラムを実行する。ROM12は、CPU11により実行される各種制御プログラムや固定値データを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM13は、CPU11により実行される各種処理に必要なデータやプログラムを一時的に記憶するものであり、元画像情報メモリ13aを備えている。元画像情報メモリ13aは、元画像情報を記憶するものであり、例えば、I/F16を介して接続されたPCなどの外部装置から受信した文字データまたは画像データを元画像情報として記憶する。
ドライバ15は、CPU11からの制御に従い、表示パネル2の上側電極21aおよび下側電極23aに電圧を供給する回路であり、元画像情報メモリ13aに格納された元画像情報に基づく元画像5や後述する位置マーク9を表示画面2aに表示させる。
I/F16は、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部装置を有線接続又は無線接続するためのインターフェイスであり、表示装置10をネットワークに接続し、このI/F16を介して接続されたパーソナルコンピュータ(PC)などの外部装置とのデータの入出力を制御するものである。
次に、図5を参照して読み取りモードについて説明する。読み取りモードとは、表示画面2aに元画像5が表示された状態で入力部3に加筆された加筆画像8をスキャナなどの読取装置により光学的に読み取らせる場合に、加筆画像8を読み取りしやすいようにされたモードであり、例えば、元画像情報メモリ13aに記憶された元画像情報に基づいて元画像5が表示される通常モードにおいて、使用者が制御キー4から所定の入力を行うことにより、通常モードから読み取りモードに切り替えることができる。図5は、表示画面2aが読み取りモードに切り替えられた表示装置10を示す斜視図である。
図5に示すように、読み取りモードに切り替えられると、CPU11はドライバ15を制御して、表示画面2aから元画像5を消去し、白色で構成される背景6を表示画面2aへ表示することにより加筆画像8を読み取り易いように表示画面2aの表示内容を変化させる。
第1実施例の表示装置10によれば、加筆画像8をスキャナなどの読取装置に読み取らせる場合には、読み取りモード手段により、元画像5が消去されるので、元画像5と加筆画像とが重なることがなく、スキャナなどの読取装置により加筆画像8を精度高く読み取らせることができる。さらに、表示画面2aには白色の背景6が表示されるので、入力部3に加筆された加筆画像8と表示画面2aとのコントラストが高くなり、加筆画像8をより精度高く読み取らせることができる。
また、入力部3が無色のプラスチックフィルムで構成されているので、入力部3としてタブレット入力装置が設けられる場合に比較して、表示画面2aを明るく表示できると共に、装置が安価となる。タブレット入力装置を表示画面2a上に設けると、そのタブレット入力装置が有するセンサなどのために入力部の透過性が低下し、表示画面2aが暗くなるのである。
次に、図6から図11を参照して、本発明の第2実施例について説明する。図6は、本発明の表示制御プログラムを実行するパーソナルコンピュータ50(PC50)及びPC50に接続された表示装置20及びPC50に接続された読取装置であるスキャナ70の構成を示すブロック図である。なお、この第2実施例において、上述した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図6に示すように、PC50は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、ハードディスクドライブ54(HDD54)と、このPC50へデータ又はコマンドを入力するためのキーボード55と、表示装置20およびスキャナ70に有線接続又は無線接続するためのインターフェース56(I/F56)とを備えている。
図6に示すように、CPU51、ROM52、RAM53、HDD54、キーボード55、I/F56は、バス60を介して接続されている。また、I/F56は、ケーブルなどの有線又はブルートゥース(Bluetooth(登録商標))や赤外線などの無線によって、表示装置20のI/F16に接続され、PC50は、このI/F56及びI/F16を介して表示装置20へ元画像情報を送信することにより、その元画像情報に基づく元画像5を表示装置20に表示させることができる。
CPU51は、このPC50を総括的に制御する中央演算処理であり、図9のフローチャートで示す処理を実行するプログラムなどの各種プログラムを実行する。
ROM52は、CPU51により実行される各種制御プログラムや固定値データを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM53は、CPU51により実行される各種処理に必要なデータやプログラムを一時的に記憶するためのメモリであり、元画像情報メモリ53aと、位置情報メモリ53bと、読取データメモリ53cとを備えている。
元画像情報メモリ53aは、表示装置20に送信される、例えばビットマップ形式の画像データである元画像情報を記憶するものである。位置情報メモリ53bは、読取データにおける表示画面2aの位置を記憶するものである。読取データメモリ53cは、スキャナ70によって作成され、スキャナ70から送信された読取データを記憶するものである。
HDD54は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、合成画像メモリ54aを備えている。合成画像メモリ54aは、元画像5と加筆画像8とを合成した合成画像に関する合成画像情報を記憶するものである。
スキャナ70は、表示装置20の入力部3側の面すなわち表示画面2a側の面を載置可能なガラス台(図示せず)を有し、そのガラス台の下から光を当てて画像を読み取るフラットベッドスキャナである。
また、図6に示すように、表示装置20は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、ドライバ15と、インターフェース16(I/F16)と、表示パネル2と、制御キー4とを備えている。図6に示すように、CPU11、ROM12、RAM13、ドライバ15、I/F16は、バスを介して接続されている。更に、I/F16は、有線接続又は無線接続によって、PC50のI/F56に接続されている。
CPU11は、この表示装置20を総括的に制御する中央演算処理であり、図10のフローチャートで示す処理を実行するプログラムなどの各種プログラムを実行する。
図7を参照して、表示装置20における読み取りモードについて説明する。図7は、表示画面2aが読み取りモードに切り替えられた表示装置20を示す斜視図である。図7に示すように、読み取りモードへの切り替えが指示されると、表示装置20の表示画面2aが読み取りモードに切り替えられる。具体的には、表示画面2aから元画像5が消去され、白色で構成される背景6が表示画面2aへ表示されることにより、加筆画像8を読み取り易いように表示画面2aの表示内容が変化させられ、且つ背景6に重ねて位置マーク9が表示される。
図7に示すように、位置マーク9は二次元コードで構成されて、表示画面2aの四隅に配置される。そしてその四隅の位置マーク9が表示画面2aにおけるそれぞれの位置情報をコード化している。具体的には、表示画面2aに向かって左上隅に設けられた位置マーク9aは表示画面2aの左上頂点を示す座標(例えば、(0,0))をコード化しており、同様に、右上隅に設けられた位置マーク9bが表示画面2aの右上頂点を示す座標(例えば(X,0))をコード化しており、左下隅に設けられた位置マーク9cが表示画面2aの左下頂点を示す座標(例えば(0,Y))をコード化しており、右下隅に設けられた位置マーク9dが表示画面2aの右下頂点を示す座標(例えば(X,Y))をコード化している。したがって、加筆画像8を、表示画面2aの四隅に表示される位置マーク9と共にスキャナ70により読み取ることで、位置マーク9に基づいて、表示画面2aに対する加筆画像8の位置を判断することができる。
次に、図8を参照して、上述した位置マーク9を用いて、元画像5と加筆画像8とを位置合わせする方法について説明する。図8(a)は、スキャナ70により読み取られた読取データを示す概念図であり、図8(b)は、読取データから抽出された加筆画像情報を示す図であり、図8(c)は、元画像5と加筆画像8とを位置合わせして重ね合わせた状態を示す概念図である。
図8(a)に示すように、読取データには位置マークが含まれているので、例えばPC50において読取データにおける位置マーク9のコードを読み取ることで、読取データの所定の原点Oに対する表示画面2aの左上頂点a、右上頂点b、左下頂点c、右下頂点dの各座標を検出することができる。
そして、図8(b)に示すように、この各頂点a,b,c,dにより構成される領域の画像データを切り出し、その切り出された画像データから位置マーク9のデータを削除することにより、入力部3すなわち入力画面2aの領域の加筆画像8に関する画像データ(請求項の加筆画像情報に対応)のみを抽出する。そして、図8(c)に示すように、この加筆画像情報の各頂点a,b,c,dが、それぞれ表示画面2aの左上頂点座標(0,0)、右上頂点座標(X,0)、左下頂点座標(0,Y)、右下頂点座標(X,Y)に一致するように、加筆画像情報の変換条件を決定する。そして、その変換条件に従って、抽出された加筆画像情報を回転、拡大、縮小などし、元画像5に関する元画像情報と重ね合わせることで合成画像情報を生成することができる。
次に、図9、図10、図11を参照して、上述のように構成されたPC50,表示装置20、スキャナ70の動作について説明する。図9はPC50で実行される画像合成処理を示すフローチャートであり、図10は表示装置20で実行される表示処理を示すフローチャートであり、図11はスキャナ70で実行されるスキャナ処理を示すフローチャートである。
図9に示す画像合成処理は、元画像情報と加筆画像情報とを合成して得られる合成画像情報を生成する処理である。なお、この画像合成処理に先立って、PC50の元画像情報メモリ53aには、予め元画像情報が格納されているものとする(請求項の元画像情報記憶ステップに対応)。
この画像合成処理では、まず、元画像情報メモリ53aに記憶された元画像情報を表示装置20へ送信し、その元画像情報に基づく元画像5を表示装置20の表示画面2aへ表示させる(S1)。
ここで、図10を参照して、表示装置20の動作について説明する。PC50から元画像情報が送信されると、その元画像情報を受信し(S81)、元画像情報メモリ13aに記憶する。そして、その元画像情報に基づく元画像5を表示画面2aに表示し(S82)、PC50から読み取りモードへの移行指示があるまで待機する(S83)。使用者は、元画像5が表示された状態で、入力部3に任意の加筆画像8を加筆することができる(図3参照)。
図9に戻り、PC50の処理について説明する。S1において、元画像情報を表示装置20に送信した後は、使用者から加筆画像8の読み取りが指示されるまで待機する(S2)。この指示は、表示装置20の入力部3側の面をスキャナ70のガラス台に向けて載置した状態で、使用者がPC50のキーボード55を操作することにより行われる。加筆画像8の読み取りが指示されると(S2:Yes)、表示装置20に対し読み取りモードへの移行を指示し(S3)、その後、スキャナ70に読み取りを指示する(S4)。よって、表示装置20の表示画面2aが読取モードへ切り替えられた状態で、スキャナ70が読み取りを行う。
図10、図11を参照して表示装置20とスキャナ70の動作について説明する。図10に示すように、PC50から読み取りモードへの移行が指示されると、表示装置20において、表示画面2aから元画像5が消去され、表示画面2aの略全面に白色が表示されて背景6とされ、その背景6上に位置マーク9が表示される(S84)。すなわち表示装置20の表示画面2aが上述した読み取りモード(図7参照)へ切り替えられる。また、図11に示すように、スキャナ70に対しPC50からの読み取り指示があると(S91:Yes)、スキャナ70のガラス台(図示せず)に向けられた表示装置20の入力部3側の面の読み取りが開始され(S92)、読み取りが完了すると(S93:Yes)、読取データがPC50へ送信される(S94)。
図9に戻り、PC50の処理について説明する。スキャナ70から読取データを受信すると(S5:Yes)、その読取データを読取データメモリ53cに格納する。そして、その読取データメモリ53cに格納された読取データに含まれる位置マーク9に基づいて、読取データの所定の原点Oに対する表示画面2aの左上頂点a、右上頂点b、左下頂点c、右下頂点dの座標を検出し、それらの座標を位置情報として位置情報メモリ53bに格納する(図8(a)参照)(S6)。
次に、読取データメモリ53cに格納された読取データから入力部3および表示画面2aに対応した領域の画像データを切り出す。具体的には、位置情報メモリ53bに格納された読取データに対する表示画面2aの左上頂点a、右上頂点b、左下頂点c、右下頂点dの座標で示される矩形領域の画像データを切り出す(図8(b)参照)。そして、その領域に含まれる位置マーク9の画像データを消去することにより、読取データから加筆画像情報を抽出する(S7)。そして、その加筆画像情報の各頂点a、b、c、dが、表示画面2aの対応する各頂点と一致するように、位置情報メモリ53bに格納された位置情報に基づいて変換条件を決定し、その変換条件に基づいて加筆画像情報を回転、拡大または縮小して、元画像情報メモリ53aに格納された元画像情報と位置合わせして合成し、合成画像情報を生成する(S8)。
次に、生成された合成画像情報を表示装置20へ送信し(S9)、その合成画像情報を合成画像メモリ54aに保存して(S10)、処理を終了する。
一方、図10に示すように、表示装置20は合成画像情報を受信すると(S85:Yes)、その合成画像情報に基づいて、表示パネル2に、元画像5と加筆画像8を合成した合成画像を、表示パネル2に表示して(S86)、処理を終了する。
第2実施例によれば、元画像情報と加筆画像情報とが位置マーク9に基づいて、読取データに対する表示画面2aの位置を考慮して位置合わせがされて合成されるので、スキャナ70に対し、予め定められた位置に入力部3をセットするなどの煩雑な操作を行わなくても、元画像5と加筆画像8との位置関係の精度が高い合成画像情報を生成することができる。
次に、図12から図15を参照して、本発明の第3実施例について説明する。なお、この第3実施例においては、上述した第2実施例の表示装置20に代えて表示装置30が用いられる。上述した第2実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図12を参照して、本第3実施例の表示装置30における読み取りモードについて説明する。図12は、読み取りモードに切り替えられた表示装置30を示す斜視図である。図12に示すように、読み取りモードに切り替えられると、表示画面2aから元画像5が消去され、白色で構成される背景6が表示画面2aへ表示されることにより加筆画像8が読み取り易いように表示画面2aの表示内容が変化させられるとともに、背景6に重ねて表示画面2aに位置マーク(罫線)39が表示される。図12に示すように、この位置マーク39は、所定の間隔を空けて格子状にされた複数の直線から構成され、表示画面2aの予め定められた位置に表示される。よって、それらの直線の各交点が、表示画面2aにおける所定の座標に対応する。したがって、加筆画像8を、位置マーク39と共にスキャナ70により読み取ることで、位置マーク39に基づいて、表示画面2aに対する加筆画像8の位置を判断することができる。
ここで、図13を参照して、位置マーク39を用いて加筆画像8と元画像5とを合成する方法について説明する。図13(a)は、読取データから抽出された位置マーク39を示す概略図であり、(b)は、表示画面2aにおける位置マーク39の表示位置を示す概略図である。この位置マーク39は、表示画面2aの予め定められた位置に表示される。なお、図面の理解を容易にするために、ここでは、位置マーク39が、表示画面2aの縦方向の3本の直線と横方向の4本の直線とから構成されているものとする。
上述の第2実施例では、加筆画像の各頂点a〜dが表示画面2aの各頂点に一致するように、加筆画像情報と元画像情報とが位置合わせされていた。一方、本第3実施例では、図13(a)に示すように、位置マーク39を構成する複数の直線の各交点a〜lを検出し、位置マーク39を構成する直線の各交点が、表示画面2aの対応する座標に一致するように位置あわせを行う。したがって、表示画面2aの頂点のみに基づいて位置あわせをする場合に比較して、元画像5と加筆画像8とをより精度高く位置合わせすることができる。
次に、図14、図15、図16を参照して、第3実施例のPC50,表示装置30、スキャナ70の動作について説明する。図14はPC50で実行される画像合成処理を示すフローチャートであり、図15は表示装置30で実行される表示処理を示すフローチャートであり、図16はスキャナ70で実行されるスキャナ処理を示すフローチャートである。なお、この第3実施例の処理において、上述した第2実施例と同一の処理には同一の符号を付して、その説明は省略する。
本第3実施例では、PC50から読み取りモードへの移行が指示されると(図14のS3)、表示装置30の表示画面2aは、上述した読み取りモード(図12参照)へ切り替えられる。すなわち、図12に示すように、表示画面2aから元画像5が消去され、表示画面2aの略全面に白色が表示されて背景6とされ、その背景6上に格子状の位置マーク39が表示される(S130)。
図14に戻り、PC50の処理について説明する。図14に示すように、表示装置30に対し読み取りモードへの移行を指示し(S3)、その後スキャナ70に対し読み取りを指令する(S4)。よって、表示装置30の表示画面2aに格子状の位置マーク39が表示された状態で、図16に示すように、スキャナ70が読み取りを開始し(S92)、読み取りが完了すると(S93:Yes)、読取データをPC50へ送信する(S94)。
図14に戻り、PC50の処理について説明する。スキャナ70から読取データを受信すると(S5:Yes)、その読取データが読取データメモリ53cに格納され(S6)、読取データから位置マーク39が抽出される。これは、例えば、PC50のRAM53などに予め記憶された位置マーク39のパターンと読取データとを照合することにより行われる。
そして、抽出された位置マーク39に基づいて、読取データにおける位置マーク39の所定の原点に対する各交点a〜lの座標を取得し(図13(a)参照)、位置情報メモリ53bに格納する。
次に、表示装置30に対し、本スキャンモードへの移行を指示する(S120)。図15に示すように、PC50から表示装置30に対し本スキャンモードへの移行が指示されると(S131:Yes)、表示装置30の表示画面2aから位置マーク39が消去され(S132)、表示画面2aが本スキャンモードへ切り替えられる。本スキャンモードとは、位置マーク39が表示画面2aから消去され、表示画面2aには白色の背景6のみが表示されるモードである。
図14に戻り、PC50の処理について説明する。PC50は、表示装置30に対し、本スキャンモードへの移行を指示し、表示装置30の表示画面2aが本スキャンモードへ切り替えられると、スキャナ70に対し、本スキャンの指令をする(S121)。また、図16に示すように、スキャナ70に対し、PC50から本スキャンが指示されると(S140:Yes)、表示画面2aが本スキャンモードに切り替えられた状態で、読み取りが開始され(S141)、読み取りが完了すると(S142:Yes)、本スキャンデータをPC50へ送信し(S143)、処理を終了する。
図14に戻り、PC50の処理について説明する。スキャナ70から本スキャンデータを受信すると(S122:Yes)、その受信した本スキャンデータをRAM53に格納する(S123)。次に、RAM53に格納された本スキャンデータから、位置情報メモリ53bに格納された読取データにおける表示画面2aの座標a〜lに基づいて、表示画面2aに対応した矩形領域の画像データを切り出し、加筆画像情報を作成する(S124)。なお、本第3実施例では、読取データの読み取り時(図16のS92)と本スキャンデータの読み取り時(図16のS141)とで、スキャナ70に対する表示装置30の位置を固定しておくことで、読取データにおける表示画面2aの座標a〜lに基づいて、本スキャンデータにおける表示画面2aに対応した矩形領域の画像データを切り出すことができる。
そして、位置情報メモリ53bに格納された読取データにおける位置マーク39の各交点a〜l(図13(a)参照)が、表示画面2aの対応する各座標(図13(b))に一致するように、加筆画像情報の変換条件が設定され、その条件に基づいて、加筆画像情報を回転、拡大または縮小し、元画像情報メモリに記憶された元画像情報と位置合わせをして合成し、合成画像情報を生成する(S125)。
次に、生成された合成画像情報を表示装置20へ送信し(S126)、その合成画像情報を合成画像メモリ54aに格納して処理を終了する(S127)。
第3実施例によれば、まず読み取りモードにおいて、読取データにおける位置マーク39の各交点a〜lの座標が取得され、その座標が表示画面2aの所定の座標に一致するように、元画像情報と加筆画像情報とが位置合わせがされて合成される。よって、位置あわせのための基準となる点が多いため、元画像5と加筆画像8との位置関係の精度が高い合成画像情報を生成することができる。
次に、図17および図18を参照して、本発明の第4実施例について説明する。図17は、第4実施例の表示装置20及び表示装置に接続された読取装置であるハンディスキャナ80およびデジタルカメラ90の構成を示すブロック図である。なお、この第4実施例において、上述した第2実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図17に示すように、第4実施例の表示装置20は、I/F56(図6参照)を介して、ハンディスキャナ80とデジタルカメラ90とに接続され、データの入出力が可能に構成されている。ハンディスキャナ80は、表示装置20の入力部3が設けられた側の面をなぞりながら光を当てて、反射光から入力部3または表示画面2aの画像を読み取るイメージスキャナである。デジタルカメラ90は、CCDを使って映像を電気信号に変換し、デジタルデータとしてフラッシュメモリなどの記憶媒体(図示せず)に記憶するカメラである。
次に、図18(a)(b)を参照して、表示装置20、ハンディスキャナ80の動作について説明する。図18(a)は表示装置20で実行される画像合成処理を示すフローチャートであり、図18(b)はスキャナ80で実行される読取処理を示すフローチャートである。なお、デジタルカメラ90で実行される処理は、スキャナ80で実行される処理とほぼ同様である。したがって、デジタルカメラ90を用いた画像合成処理の説明は、以下の「ハンディスキャナ80」を「デジタルカメラ90」に読み替えたものに相当するので、説明を省略する。
図18(a)に示す画像合成処理は、元画像5と加筆画像8とを合成した合成画像に関する合成画像情報を生成する処理である。なお、この画像合成処理に先立って、表示装置20のRAM13(図6参照)には、予め元画像情報が格納されているものとする(請求項の元画像情報記憶ステップに対応)。
この画像合成処理では、まず、RAM13に記憶された元画像情報に基づく元画像5を表示装置20の表示画面2aへ表示させる(S170)。この状態で、使用者は、入力部3へ加筆画像8を適宜書き込むことができる。
次に、入力部3により加筆された加筆画像8の読み取りが、使用者により指示されるまで待機する(S171)。この指示は、使用者により表示装置20の制御キー4(図4参照)が操作されることによりおこなわれる。加筆画像8の読み取りが指示されると(S171:Yes)、表示画面2aを読み取りモードに切り替える(S172)。具体的には、表示画面2aから元画像5を消去し、白色で構成される背景6を表示画面2aへ表示することにより加筆画像8を読み取り易いように表示画面2aの表示内容を変化させるとともに、背景6に重ねて表示画面2aの四隅に二次元コードで構成される位置マーク9を表示する(図7参照)。そして、読取装置であるハンディスキャナ80へ読み取りを指示する(S173)。
図18(b)を参照してハンディスキャナ80の動作について説明する。ハンディスキャナ80は、PC50からの読み取り指示があり(S1700:Yes)、ハンディスキャナのスタートボタン(図示せず)が使用者により押下されると(S1701:Yes)、加筆画像8と位置マーク9との読み取りを開始する(S1702)。そして、読み取りが完了すると(S1703:Yes)、読取データを表示装置20へ送信する(S1704)。
図18(a)に戻り、表示装置20の処理について説明する。ハンディスキャナ80から読取データを受信すると(S174:Yes)、その読取データをRAM13の読取データメモリ(図示せず)に格納する。そして、その読取データに含まれる位置マーク9に基づいて、読取データに対する表示画面2aの左上頂点a、右上頂点b、左下頂点c、右下頂点dの座標を取得し、RAM13の位置情報メモリ(図示せず)に格納する(S175)。
次に、読取データメモリ53cに格納された読取データから入力部3に対応した領域、すなわち位置情報メモリ53bに格納された表示画面2aの左上頂点a、右上頂点b、左下頂点c、右下頂点dで構成される矩形領域の画像データを切り出す(図6(b)参照)。そして、その領域に含まれる位置マーク9の画像データを消去することにより、加筆画像情報を抽出する(S176)。
次に、抽出された加筆画像情報と元画像情報メモリに記憶された元画像情報とを、位置情報メモリ53bに格納された位置情報に基づいて位置合わせをして合成し、合成画像情報を生成し、生成された合成画像情報に基づいて、表示画面2aに、元画像5と加筆画像8を合成した合成画像を、表示画面2aに表示し(S177)、その合成画像情報を、表示装置20に設けられた外部記憶装置(図示せず)などに保存して処理を終了する(S178)。なお、合成画像情報を生成する処理については、上述した実施例2とほぼ同様であるため説明を省略する。
第4実施例によれば、第2実施例と同様に、元画像5と加筆画像8との位置関係の精度が高い合成画像情報を生成することができる。また、表示装置20により合成画像情報を作成可能なので、PC50を必要とせず、システムが簡易となる。
次に、図19を参照して、本発明の第5実施例について説明する。第5実施例は、第4実施例の表示装置20に代えて、上述の第3実施例において説明した表示装置30を用いた構成である。また、第5実施例では、読取装置として、デジタルカメラ90を用いることとする。
図19(a)は、第5実施例の表示装置30において実行される画像合成処理を示すフローチャートであり、(b)は、デジタルカメラ90において実行される読取処理を示すフローチャートである。
図19(a)に示すように、入力部3により加筆された加筆画像8の読み取りが、使用者により指示されると、表示画面2aを読み取りモードに切り替える(S172)。ここで、第5実施例では、上述のように表示装置30が用いられているので、読み取りモードへ切り替えることにより、表示画面2aには位置マーク39(図12参照)が表示される。そして、読取装置であるデジタルカメラ90へ読み取りを指示する(S173)。
そして、デジタルカメラ90から読取データを受信すると(S174:Yes)、その読取データをRAM13の読取データメモリに格納し(S175)、読取データから位置マーク39が抽出する。そして、抽出された位置マーク39に基づいて、読取データにおける位置マーク39の各交点a〜lの座標を取得し(図13(a)参照)、RAM13の位置情報メモリに格納する(S180)。
次に、表示画面2aを、本スキャンモードへ切り替える(S181)。図12に示すように、本スキャンモードとは、位置マーク39が表示画面2aから消去され、表示画面2aには白色の背景6のみが表示されるモードである。
次に、デジタルカメラ90に対し、撮像(本スキャンに相当)の指令をする(S182)。図19(b)に示すように、デジタルカメラ90は、表示装置30から撮像が指示され(S1801:Yes)、スタートボタンが押下されると(S1802:Yes)、表示画面2aが本スキャンモードに切り替えられた表示装置30を撮像(本スキャンに相当)する(S1803)。そして、撮像が完了すると(S1804:Yes)、撮像データ(本スキャンデータに相当)を表示装置30へ送信し(S1805)、処理を終了する。
図19(a)に戻り、表示装置30の処理について説明する。デジタルカメラ90から撮像データを受信すると(S183:Yes)、その受信した撮像データをRAM13の撮像メモリ(図示せず)に格納する(S184)。次に、RAM13の撮像メモリに格納された撮像データから、RAM13の位置情報メモリに格納された読取データにおける表示画面2aの座標a〜lに基づいて、表示画面2aに対応した矩形領域を切り出し、加筆画像情報を作成する(S185)。なお、本第5実施例では、読取データの読み取り時(図17(a)のS173)と撮像データの読み取り時(図17(a)のS182)とで、デジタルカメラ90に対する表示装置30の位置および角度を固定しておくことで、読取データにおける表示画面2aの座標a〜lに基づいて、撮像データにおける表示画面2aに対応した矩形領域を切り出すことができる。
そして、加筆画像情報を元画像情報と位置合わせをして合成し、合成画像情報を生成する(S186)。そして、その合成画像情報を表示画面2aに表示し(S187)、その合成画像情報を、表示装置30に設けられた外部記憶装置(図示せず)などに保存して処理を終了する(S188)。なお、合成画像情報の生成の方法については、第3実施例のS125(図14)の処理とほぼ同様であるため説明を省略する。
第5実施例によれば、第3実施例と同様に、元画像5と加筆画像8との位置関係の精度が高い合成画像情報を生成することができる。また、表示装置30により合成画像情報を作成可能なので、PC50を必要とせず、システムが簡易となる。
なお、請求項8記載の読取モード手段としては、画像合成処理(図18(a))におけるS172の処理が該当し、読取データ作成手段としては、画像合成処理(図18(a))におけるS173の処理が該当し、読取データ受信手段としては、画像合成処理(図18(a))におけるS174の処理が該当し、合成画像情報生成手段としては、画像合成処理(図18(a))におけるS177の処理が該当する。
また、請求項10記載の読取モード手段としては、画像合成処理(図19(a))におけるS172の処理が該当し、読取データ作成手段としては、画像合成処理(図19(a))におけるS173の処理が該当し、読取データ受信手段としては、画像合成処理(図19(a))におけるS174の処理が該当し、加筆画像位置決定手段としては、画像合成処理(図19(a))におけるS180の処理が該当し、位置マーク消去手段としては、画像合成処理(図19(a))におけるS181の処理が該当し、本スキャンデータ作成手段としては、画像合成処理(図19(a))におけるS182の処理が該当し、本スキャンデータ受信手段としては、画像合成処理(図19(a))におけるS183の処理が該当し、合成画像情報生成手段としては、画像合成処理(図19(a))におけるS186の処理が該当する。
また、請求項12記載の元画像表示ステップとしては、画像合成処理(図9)におけるS1の処理が該当し、読取モードステップとしては、画像合成処理(図9)におけるS3の処理が該当する。
また、請求項15記載の読取データ作成ステップとしては、画像合成処理(図9)におけるS4の処理が該当し、読取データ受信ステップとしては、画像合成処理(図9)におけるS5の処理が該当する。合成画像情報生成ステップとしては、画像合成処理(図9)におけるS8の処理が該当する。
また、請求項17記載の読取モードステップとしては、画像合成処理(図14)におけるS3の処理が該当し、読取データ作成ステップとしては、画像合成処理(図14)におけるS4の処理が該当し、読取データ受信ステップとしては、画像合成処理(図14)におけるS5の処理が該当し、加筆画像位置決定ステップとしては、画像合成処理(図14)におけるS6の処理が該当し、位置マーク消去ステップとしては、画像合成処理(図14)におけるS120の処理が該当し、本スキャンデータ作成ステップとしては、画像合成処理(図14)におけるS121の処理が該当し、本スキャンデータ受信ステップとしては、画像合成処理(図14)におけるS122の処理が該当し、合成画像情報生成ステップとしては、画像合成処理(図14)におけるS125の処理が該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
上述の第1実施例から第5実施例において、表示装置10,20,30は、読み取りモードへ切り替えられると、表示画面2aから元画像5が消去されていたが、読み取りモードへ切り替えられると、元画像5の読み取り感度が低下または実質的になくなるように、表示画面2aの表示内容が変化させられるものであってもよい。具体的には、加筆画像8の色に比較して読み取り感度の低い色または読み取り感度の実質的にない色で元画像5が表示されるように、元画像5の表示色の明度、色度または彩度を切り替えればよい。ここで、読み取り感度が低い色とは、読取装置が読取対象物に対して照射する光の色に近似した色のことであり、読み取り感度が実質的になくなる色とは、読取装置が読取対象物に対して照射する光の色に略同一の色のことである。
第2実施例および第3実施例の表示装置20は、二次元コードで構成される位置マーク9を表示画面2aの四隅に表示させるものであったが、位置マーク9が表示装置20に予め設けられているものであっても良い。図20は、入力部3と表示画面との外周を支持する枠体210において、表示画面2aの外周の四隅に位置マーク209が予め設けられている表示装置200の斜視図である。このように、位置マーク9が予め設けられている場合であっても、枠体210のうち入力部3が露出された面に設けることで、入力部3に加筆された加筆画像8を読み取る際に、加筆画像8と共に位置マーク209を同時に読み取ることができる。
また、第3実施例および第5実施例において、位置マークは互いに直行する複数の直線から構成されていたが、所定の間隔で所定の位置に表示されることにより、表示画面2aの座標などの位置情報を示すことができるものであれば、例えば、横線のみ、縦線のみなどの平行な複数の直線から構成されるものであってもよい。
また、第2実施例から第5実施例において、合成画像情報が生成されると必ず保存されていたが、例えば、合成画像情報に基づいて、表示装置の表示画面2aに合成画像を表示させた後、使用者がその合成画像を確認し、その合成画像情報の保存を選択した場合に保存をし、その合成画像情報の保存を選択しなかった場合には、その合成画像情報を保存せず、再度、読取データ作成処理から実行するように構成されていてもよい。
また、第2実施例および第3実施例において、PC50から表示装置に対し読取モードへ移行する指示を出した後(図9,図14のS3の処理)、表示装置の表示画面2aが読取モードに切り替えられるまでに所定時間を有する場合には、その読取モードへ移行する指示を出した後、例えば所定時間待機してから、スキャナ70に対し読み取りを指示するよう構成してもよい(図9、図14のS4の処理)。このようにすれば、確実に表示装置の表示画面が読取モードへ切り替えられた状態で、読取データを作成できる。
また、上述の実施例において、前記スキャナ70、ハンディスキャナ80またはデジタルカメラ90を、赤外線通信やBluetooth(登録商標)、無線タグなどの近距離通信手段により、表示装置10,20,30を認識可能なように構成した場合には、スキャナ70、ハンディスキャナ80またはデジタルカメラ90が、読み取りの開始の前に、表示装置10,20,30に対し、読み取りの開始を知らせる開始データを送信し、その送信された開始データを受信した表示装置10,20,30がその開始データを受信したことに基づいて、表示画面2aを読取モードに切り替えるものであっても良い。このようにすれば、スキャナ70、ハンディスキャナ80またはデジタルカメラ90における読み取りの開始の前に、開始データを受信したことに基づいて、表示装置10,20,30の表示画面2aの表示内容が自動的に読取モードに切り替えることができる。