JP2006112340A - 圧力機械とその振動抑制方法及び流体機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 筐体の内部に収納された運動体の作動により該筐体に発生する振動を抑制する振動抑制装置を備えた圧力機械において、前記振動抑制装置は筐体の振動を検出する振動検出器と、前記筐体の振動検出値に基づき一定時間内における振動モードを解析する解析手段、及び解析手段での振動解析結果に基づき前記振動検出値の振動を打ち消す振動モードの逆位相の振動モードを算出する相殺振動モード算出手段を有するコントローラと、該コントローラからの逆位相の振動モードにより前記筐体を加振して該筐体の振動を抑制する逆位相加振手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
かかる筐体の振動及び騒音を低減する手段の1つとして、特許文献1(特開平9−195929号公報)の技術が提供されている。
かかる弁板1には、前記吐出ポート21の前記シリンダブロックとの摺接面の該シリンダブロック回転方向上流側の端部に、前記吐出ポート21に近づくに従い面積が広くなるノッチ部023を形成し、シリンダ内の加圧作動油が最初に小面積のノッチ部023に通じ次いで大面積の吐出ポート21に通ずるようにして、吐出ポート21への圧力開放を緩慢化し、加圧作動油が充填されたシリンダと大面積の吐出ポート21とが急激に連通することによる圧力脈動を抑制している。
ポンプの筐体(ポンプケーシング)に形成された吸入ポートからポンプ室に至る吸入通路あるいは該吸入通路から吐出ポートに至る吐出通路に、圧力脈動及び該圧力脈動による騒音を低減する拡張室を形成して、かかる圧力脈動及びこれによる騒音を発生源近くで効果的に低減している。
また、既製のポンプにかかる圧力脈動及び騒音低減手段を追設するには、拡張室を備えた筐体を別個に製作して既設の筐体と交換することを要するため、交換のために多くの組み替え工数を必要とし、交換コストが嵩む。
しかしながら、かかる従来技術にあっては、前記吐出ポート21に近づくに従い面積が広くなるノッチ部023を、機械加工でシリンダブロックとの摺接面に刻設しているため、弁板個々にノッチ部023を加工する必要があり、加工工数が嵩みコスト高となる。
また本発明の第2の目的は、弁板の吐出ポートに連設する圧力開放を緩慢化用の溝を、簡単な加工でかつ多数の弁板で同時に形成可能として、加工工数および加工コストが低減された流体機械を提供することにある。
また、前記振動検出器を前記筐体の外周に沿って複数個取付けるとともに、前記逆位相加振手段を前記筐体における前記振動検出器の近傍位置に該筐体の外周に沿って複数個取付けるのが好ましい。
また、複数の振動検出器、加振周期検出手段及び逆位相加振手段とコントローラとを設置すればよいので、既製の圧力機械に対しても、構成部品の交換による組み替え工数および交換コストを伴うことなく、圧力脈動及び騒音低減手段を追設できる。
かかる発明において好ましくは、前記振動検出器を前記筐体の外周に沿って複数個取付けるとともに、前記逆位相加振手段を前記筐体における前記振動検出器の近傍位置に該筐体の外周に沿って複数個取付ける。
また、複数の振動検出器、回転周期検出手段及び逆位相加振手段とコントローラとを設置すればよいので、既製の流体機械に対しても、構成部品の交換による組み替え工数および交換コストを伴うことなく、圧力脈動及び騒音低減手段を追設できる。
これにより、振動検出器による振動検出およびコントローラにおける振動解析と逆位相振動モードの算出は最初の1回行うだけでよく、筐体の振動抑制制御が簡単になる。
また、圧力調整溝は周方向長さの異なる一定幅の溝を複数個並設ることにより形成できるので、機械加工によらずに表面処理加工にて形成でき、加工が簡単となるとともに、多数の弁板で同時に形成することが可能となり、加工工数が少なくて済み加工コストを低減できる。
また、複数の振動検出器、加振周期検出手段及び逆位相加振手段とコントローラとを設置すればよいので、既製の圧力機械に対しても、構成部品の交換による組み替え工数および交換コストを伴うことなく、圧力脈動及び騒音低減手段を追設できる。
図1において、100は油圧ポンプ、6は図示しないモータにより回転駆動される駆動軸、5は該駆動軸6に傾斜角αで取り付けられた斜板、2は該駆動軸6と連動して回転せしめられるシリンダブロック、4は該シリンダブロック2に円周方向等間隔に複数個穿設されたシリンダ、7は各シリンダ4内に往復動自在に嵌合されたピストンで、該駆動軸6の回転によって斜板5が回転せしめられとともに、シリンダブロック2が回転せしめられる。
前記斜板5の回転は、スラストプレート08及び球面継手8を介してピストン7に伝達され、該斜板5の回転によってピストン7がシリンダ4内を往復動せしめられる。
そして、前記ピストン7が図1の左動してシリンダ4内の作動油を圧縮する吐出行程になると、前記シリンダブロック2の回転によって当該ピストン7のシリンダ4と前記弁板1の吐出ポート21とが連通して、高圧に圧縮された作動油がシリンダ4内から吐出ポート21を介して吐出口に吐出される。
以上に述べた油圧ポンプの基本構成は従来技術と同様である。
13は前記駆動軸6の回転パルス(つまりシリンダブロック2の回転パルス)を検出する回転パルス検出器である。
10はコントローラで、前記複数の加速度計12からのポンプケース9各部の振動検出値及び前記回転パルス検出器13からの駆動軸6の回転パルス(つまりシリンダブロック2の回転パルス)の検出値が入力され、これら入力値により後述する演算、制御を行って、その制御信号を出力するものである。14は前記コントローラ10からの制御信号を増幅するアンプである。
前記複数の加速度計12で検出されたポンプケース9の外周の振動検出値、及び回転パルス検出器13で検出された前記駆動軸6の回転パルス(つまりシリンダブロック2の回転パルス)は前記コントローラ10の周波数解析部101に入力される。
該周波数解析部101においては、図4(B)のA線に示されるような、周波数f(周期1/f)、振幅pの振動検出値をΔt時間毎に、リアルタイムに周波数成分解析を行い、その解析結果を逆位相演算部102に入力する。
相殺振動モード算出部103においては、前記のような逆位相の周波数f(周期1/f)、振幅pに基づき圧電素子11に付与する電圧、電流値及び周波数(周期)を算出してアンプ14に入力する。
該圧電素子11は、前記のような加速度計12からの振動検出値の振動を打ち消すような逆位相の振動モードで油圧ポンプ100の前記ポンプケース9を加振する。ポンプケース9の振動は、かかる逆位相の振動モードでの加振により相殺されて低減せしめられる。
これにより、従来技術のように比較的大容積の圧力脈動緩和用の拡張室を備えた大型の筐体を必要とせず、かかる従来技術に比べて小型で簡単な構成で、油圧ポンプのコスト上昇を伴うことなくポンプケース9の振動及び該振動に伴なう騒音を抑制できる。
また、複数の加速度計12、回転パルス検出器13及び複数の圧電素子11とコントローラ10とを設置すればよいので、既製の油圧ポンプに対しても、構成部品の交換による組み替え工数および交換コストを伴うことなく、圧力脈動及び騒音低減手段を追設できる。
そして、次のサイクルからは、前記相殺振動モード記憶部104に記憶された圧電素子11に付与する電圧、電流値及び周波数(周期)によって該圧電素子11を作動させる。
これにより、加速度計12による振動検出およびコントローラ10における振動解析と逆位相振動モードの算出は最初の1回行うだけでよく、ポンプケース9の振動抑制制御が簡単になる。
図5(A)において、1は弁板で、図1に示されるように、ポンプケース9に固定され、前記シリンダブロック2との摺接面1aを備えている。
22は吸入ポート、21は吐出ポートで、図1及び図5(A)に示されるように、シリンダブロック2の回転により、前記吸入ポート22とピストン7の吸入行程にあるシリンダ4とが連通したとき該吸入ポート22を通ってシリンダ4内に作動油が吸入され、前記吐出ポート21とピストン7の吐出行程にあるシリンダ4とが連通したとき該シリンダ4内の加圧作動油が該吐出ポート21を通って吐出されるようになっている。
そして、シリンダ4内の加圧作動油が最初に円周方向長さeの長い第1の圧力調整溝23に通じて圧力が若干開放され、次いで前記加圧作動油が第1の圧力調整溝23よりも円周方向長さeの短い第2の圧力調整溝23に開放されて圧力がさらに開放され、次いで前記加圧作動油が該第2の圧力調整溝23よりも円周方向長さeの短い第3の圧力調整溝23に開放される、というように、加圧作動油が円周方向長さeの異なる圧力調整溝23に順次開放されることによって、吐出ポート21への圧力開放を緩慢化し、加圧作動油が充填されたシリンダ4と大面積の吐出ポート21とが急激に連通することによる圧力脈動を抑制する。
また、前記圧力調整溝23は円周方向長さeの異なる一定幅bの溝を複数個並設することにより形成できるので、機械加工によらずに表面処理加工にて形成でき、加工が簡単となるとともに、多数の弁板1で同時に形成することが可能となり、加工工数が少なくて済み加工コストを低減できる。
また本発明によれば、弁板の吐出ポートに連設する圧力開放緩慢化用の溝を、簡単な加工でかつ多数の弁板で同時に形成可能となり、加工工数および加工コストが低減された流体機械を提供できる。
2 シリンダブロック
4 シリンダ
5 斜板
6 駆動軸
7 ピストン
9 ポンプケース(筐体)
10 コントローラ
11 圧電素子
12 加速度計(振動検出器)
13 回転パルス検出器
21 吐出ポート(高圧ポート)
22 吸入ポート(低圧ポート)
23 圧力調整溝
100 油圧ポンプ
Claims (8)
- 筒状の筐体の内部に収納された運動体の作動により該筐体に発生する振動を抑制する振動抑制装置を備えた圧力機械において、前記振動抑制装置は前記筐体の振動を検出する振動検出器と、該振動検出器から入力される前記筐体の振動検出値に基づき一定時間内における振幅、周波数を含む振動モードを解析する解析手段、及び前記解析手段での振動解析結果に基づき前記振動検出値の振動を打ち消す前記振動モードの逆位相の振動モードを算出する相殺振動モード算出手段を有するコントローラと、該コントローラからの逆位相の振動モードにより前記筐体を加振して該筐体の振動を抑制する逆位相加振手段とを備えたことを特徴とする振動抑制装置を備えた圧力機械。
- 前記圧力機械の回転周期、往復周期等の加振サイクル周期を検出する加振周期検出手段を備え、前記コントローラは前記加振周期検出手段からの加振周期に対応させて逆位相の振動モードを算出し前記逆位相加振手段に出力するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の振動抑制装置を備えた圧力機械。
- 前記振動検出器を前記筐体の外周に沿って複数個取付けるとともに、前記逆位相加振手段を前記筐体における前記振動検出器の近傍位置に該筐体の外周に沿って複数個取付けてなることを特徴とする請求項1記載の振動抑制装置を備えた圧力機械。
- 筒状の筐体の内部に収納された運動体の作動により該筐体に振動を発生する圧力機械の振動抑制方法において、前記筐体の外周に沿って振動検出器を複数個取付けて該振動検出器により前記筐体の複数箇所の振動を検出し、前記筐体の複数箇所の振動検出値に基づき一定時間内における振幅、周波数を含む振動モードを解析して振動解析結果に基づき前記振動検出値の振動を打ち消す前記振動モードの逆位相の振動モードを算出し、前記逆位相の振動モードにより前記筐体を加振して該筐体の振動を抑制することを特徴とする圧力機械の振動抑制方法。
- 筒状の筐体の内部に収納された運動体の作動により該筐体に振動を発生する圧力機械の振動抑制方法において、前記筐体の外周に沿って振動検出器を複数個取付けて該振動検出器により前記筐体の複数箇所の振動を検出し、前記筐体の複数箇所の振動検出値に基づき一定時間内における振幅、周波数を含む振動モードを解析して振動解析結果に基づき前記振動検出値の振動を打ち消す前記振動モードの逆位相の振動モードを算出して該逆位相の振動モードを記憶手段に記憶させ、前記振動検出器を取り外し、該振動検出器の取り外し後は前記記憶手段に記憶された逆位相の振動モードにより前記筐体を加振して該筐体の振動を抑制することを特徴とする圧力機械の振動抑制方法。
- 筒状の筐体内に収納されて回転駆動されるシリンダブロックと、該シリンダブロック内に形成された複数のシリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とを備えるとともに、前記筐体に発生する振動を抑制する振動抑制装置を備えた流体機械において、
前記振動抑制装置は、前記筐体の振動を検出する振動検出器と、前記シリンダブロックの回転周期を検出する回転周期検出手段と、該振動検出器から入力される前記筐体の振動検出値及び前記回転周期検出手段からの回転周期検出値に基づき一定時間内における振幅、周波数を含む振動モードを解析する解析手段、並びに前記解析手段での振動解析結果に基づき前記振動検出値の振動を打ち消す前記振動モードの逆位相の振動モードを算出する相殺振動モード算出手段を有するコントローラと、該コントローラからの逆位相の振動モードにより前記筐体を加振して該筐体の振動を抑制する圧電素子を含む逆位相加振手段とを備えたことを特徴とする流体機械。 - 前記振動検出器を前記筐体の外周に沿って複数個取付けるとともに、前記逆位相加振手段を前記筐体における前記振動検出器の近傍位置に該筐体の外周に沿って複数個取付けてなることを特徴とする請求項6記載の流体機械。
- 筒状の筐体内に収納されて回転駆動されるシリンダブロックと、該シリンダブロック内に形成された複数のシリンダ内を往復動せしめられるピストンと、前記シリンダブロックの端面に摺接するとともに該シリンダブロックの回転により前記シリンダ内と選択的に連通、遮断される高圧ポート及び低圧ポートを有する円板状の弁板とを備えた流体機械において、前記弁板は、前記高圧ポートの前記シリンダブロックとの摺接面の該シリンダブロック回転方向上流側の端部に、周方向長さの異なる一定幅の圧力調整溝を複数個並設してなることを特徴とする流体機械。
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JP2004301388A JP2006112340A (ja) | 2004-10-15 | 2004-10-15 | 圧力機械とその振動抑制方法及び流体機械 |
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- 2004-10-15 JP JP2004301388A patent/JP2006112340A/ja active Pending
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