JP2006110008A - ゴルフクラブヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ヘッド表面を形成する塗膜を改善することにより美観を向上する。
【解決手段】 金属材料からなるヘッド基体2の表面の少なくとも一部に、前記ヘッド基体2を透視可能な透明性塗膜3が形成されたゴルフクラブヘッドであって、前記透明性塗膜3は、最もヘッド基体2側に形成された透明な下地層3aと、前記下地層3aのピンホール状の塗膜欠陥6を埋める透明な補修物3bと、前記下地層3a及び補修物3bの外側に形成されかつ透明性を有する外層3c、3dとを含むことを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、塗膜を改善することにより美観を向上しうるゴルフクラブヘッドに関する。
ゴルフクラブヘッド、特にウッド型のゴルフクラブヘッドは、飛距離や方向性といった打球性能の向上のみならず、ヘッドの意匠的な外観にも美しさや高級感が強く求められている。このような実情に鑑みて、例えば下記特許文献1が提案されている。
特許文献1では、図5に示されるように、金属材料からなるヘッド基体aの表面に、最もヘッド基体a側に形成された透明な下地層b1と、その外側に形成されかつ有色透明なカラークリア層b2とを含む塗膜bが形成されたゴルフクラブヘッドが記載されている。前記塗膜bは、ヘッド基体aを透視することができるため、塗膜bの厚さをゴルファに感じさせることができ、ヘッド基体aを透視し得ない従来の顔料系の塗料を用いた塗膜に比して斬新かつ高級な印象を与えることができる。
特開2003−38688号公報
ところで、金属材料からなるヘッド基体aに下地層b1を塗装すると、該下地層b1に種々の塗膜欠陥が生じることは避けられない。例えば下地層b1の塗料の中に存在していた気泡が塗料乾燥時に破裂したり、またヘッド基体aの表面に存在していた油分や鋳造巣、さらにはピンホール等の表面欠陥m等の影響により、下地層b1の塗膜に針でつついたような小孔であるピンホールjが形成されることが多い。前記特許文献1では、段落「0013」において、下地層b1を形成した後にピンホールjが発見されると、該ピンホールjをパテ材を用いて修復する旨が記載されている。
ピンホール修復用のパテ材としては、一般にラッカーパテやポリエステルパテなどが知られているが、いずれもグレー系の色彩を有し、透明な下地層b1とは色合いが異なっている。このため、下地層b1のピンホールjを、従来のようなパテ材を用いて修復すると、ピンホール修復痕(パテ材)kが斑点模様のように外部から視認されてしまい、ヘッドの外観をむしろ低下させるという欠点がある。
このため、従来では、ピンホール修復痕を目立ち難くするために、カラークリアー層b2に濃い色彩の塗料を使用することが行われている。しかし、この方法は、ヘッドのカラーデザインを制限してしまうという欠点がある。また下地層b1の形成に先立ち、ヘッド基体aの表面欠陥部分に、該ヘッド基体aと同じ金属材料を溶接することにより修復することも考えられる。しかしながら、この方法では工数が著しく増加し、ヘッド生産性を低下させるという欠点があるし、塗装前にヘッド基体に存在している全ての表面欠陥を知ることも難しい。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ヘッド基体に形成された透明性塗膜を、最もヘッド基体側に形成された透明な下地層と、この下地層のピンホール状の塗膜欠陥を埋める透明な補修物と、下地層及び補修物の外側に形成されかつ透明性を有する外層とを含んで構成することを基本として、ピンホール修復痕を外部から視認しづらくし、見映えの良いゴルフクラブヘッドを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、金属材料からなるヘッド基体の表面の少なくとも一部に、前記ヘッド基体を透視可能な透明性塗膜が形成されたゴルフクラブヘッドであって、前記透明性塗膜は、最もヘッド基体側に形成された透明な下地層と、前記下地層のピンホール状の塗膜欠陥を埋める透明な補修物と、前記下地層及び補修物の外側に形成されかつ透明性を有する外層とを含むことを特徴としている。
また請求項2記載の発明は、前記補修物は、前記下地層と同系列の塗料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項3記載の発明は、前記ヘッド基体は、フェース面と、このフェース面の上縁に連なるヘッド上面をなすクラウン面とを含み、かつ前記透明性塗膜が前記クラウン面の周縁領域を除いたクラウン内側領域に形成され、非透明性塗膜が前記クラウン面の周縁領域に形成されたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
また請求項4記載の発明は、前記外層は、有色透明なカラークリア層を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドである。
また請求項5記載の発明は、金属材料からなるヘッド基体に透明性塗膜を形成する工程を含むゴルフクラブヘッドの製造方法であって、前記ヘッド基体に透明な塗料を塗布して下地層を形成する下地層形成工程と、前記下地層に生じたピンホール状の塗膜欠陥に、透明な補修物を満たすことにより前記塗膜欠陥を埋める補修工程と、前記補修された下地層の外側に透明性を有する少なくとも一つの外層を形成する外層形成工程とを含むことを特徴としている。
本発明のゴルフクラブヘッドは、金属材料からなるヘッド基体の表面の少なくとも一部に、前記ヘッド基体を透視可能な透明性塗膜が形成されたゴルフクラブヘッドであって、透明性塗膜は、最もヘッド基体側に形成された透明な下地層と、この下地層のピンホール状の塗膜欠陥を埋める透明な補修物と、下地層及び補修物の外側に形成されかつ透明性を有する外層とを含む。このような透明性塗膜は、ピンホール等の修復痕が透明をなすため外部から視認しづらい。従って、透明性塗膜の美感を損ねず良好な外観を呈するヘッドを提供できる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1(A)には、本発明の一実施形態として、ウッド型のゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある。)1の全体斜視図が例示される。また図1(B)には、その塗装前の状態であるヘッド基体2の全体斜視図が示される。
図1(B)に示されるように、ヘッド基体2は、ボールを打球するフェース面2aと、このフェース面2aの上縁に連なってヘッド上面をなすクラウン面2bと、前記フェース面2aの下縁に連なりヘッド底面をなすソール面2c(図1(B)では見えない。)と、前記クラウン面2bと、ソール面2cとの間をフェース面2aのトウ側縁からバックフェースを通りヒール側縁に至るサイド面2dとを含み、ヒール側には図示しないシャフトが差し込まれるホーゼル部2eが設けられている。
ヘッド基体2は、少なくとも一部が金属材料からなり、本実施形態では、全てが金属材料で構成されたものが例示される。ヘッド基体2を構成する金属材料については、特に限定されないが、好ましくは比強度が大きいチタン合金、アルミニウム合金又はステンレス鋼等が好適である。またヘッド基体2は、例えば鋳造、鍛造又はプレス等の加工を経て準備された部品を一体に接合することにより中空状で形成される。
本実施形態のヘッド基体2は、鋳造により形成された部品を含んで構成される。このため、その表面には1ないし複数個のピンホールを含む表面欠陥が不可避的に存在している。図2には、ヘッド基体2に存在している表面欠陥5の一例を示す。図2(A)には、ヘッド基体2を内外に貫通するピンホール5Aが、また図2(B)には、ヘッド基体2を貫通していないがひけ等によって表面が凹む凹部5Bがそれぞれ例示される。
ヘッド基体2の表面の少なくとも一部には、前記ヘッド基体2を透視可能な透明性塗膜3が形成される。前記透明性塗膜3は、本実施形態では該ヘッド基体2のクラウン面2bの周縁領域2b2を除いたクラウン内側領域2b1に形成されたものが例示されている。以下に、透明性塗膜3の構成をその施工方法とともに述べる。
図3には、ピンホール5Aを有するヘッド基体2に透明性塗膜3を形成する方法の一例を示す。本実施形態では、先ずヘッド基体2に、ワイヤーブラシやサンドブラスト等で表面を予め研磨する物理的な下地処理ないし脱脂処理等が施される。ヘッド基体2は、この下地処理と同時又は下地処理とは別個に、表面仕上げ処理を施すのが好ましい。
表面仕上げ処理としては、例えばミラー(鏡面)仕上げ、ヘアライン仕上げ、サテン仕上げ又はエンボス仕上げなどを含み、下地処理よりもさらにヘッド基体2の表面を美しく仕上げることができる。ミラー仕上げは、ヘッド基体2の表面を、バフ式ないしバレル式等の研磨によって鏡面状に美しく仕上げるものである。サテン仕上げは、サンド・ブラストを施したり、或いはワイヤーブラシで擦ったり、あるいは薬品を併用することなどにより、光沢のある表面をつや消し状としミラー仕上げよりも柔らかな光沢を醸し出すのに役立つ。またエンボス仕上げとしては、プレス等により表面を凹凸面に形成する。また表面仕上げ処理は、このようなものに限定されることなく、例えば種々の模様などを付すこともできる。
次に、本例では仕上げ処理を行ったヘッド基体2に、透明な塗料を塗装することにより、ヘッド基体2の表面に無色かつ透明な下地層3aを形成する工程が行われる。透明な塗料には、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂又はアクリル系樹脂等をベース樹脂とする無色透明の塗料が使用される。本例ではチタン合金、ステンレスといった金属材料との接着性が良くかつ衝撃に強いため一液性熱硬化型ポリエステル系塗料が用いられる。ただし、これに限定されるものではなく、他の塗料、例えば二液性の常温硬化型塗料や加熱硬化型などを用いても良いのは言うまでもない。
本実施形態では、透明な一液性熱硬化型ポリエステル系塗料をヘッド基体2に均一に塗布した後、例えば150℃で15〜20分間程度加熱することにより焼き付けを行って硬化させる。これにより、ヘッド基体2の表面に、前記塗料が硬化した透明な塗膜、すなわち前記下地層3aを定着させ得る。このような下地層3aは、表面を平滑化し、かつ、後に塗布される塗料の密着性を向上するのに役立つ。
下地層3aの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば5μm以上、より好ましくは10μm以上が望ましい。下地層3aの厚さが5μmよりも小さい場合、ヘッド基体2の表面の凹凸を平滑化するのが困難となる傾向があり、かつ塗装ムラが生じやすくなる。逆に下地層3aの厚さが大きすぎると、密着性や耐衝撃性が低下する傾向があるため好ましくない。このような観点より、下地層3aの厚さは、好ましくは40μm以下、より好ましくは25μm以下が望ましい。
図3(A)に示されるように、下地層3aの塗料を塗布した直後は、自らの粘度ないし表面表力によってヘッド基体2のピンホール5Aの上に塗料が存在していることがある。しかし、図3(B)に示されるように、下地層3aの塗料を硬化させると、その硬化途中にピンホール5Aの上に位置していた塗料が欠落したり又は凹むことによって、下地層3aにピンホール状の塗膜欠陥6が形成される。
本実施形態では、図3(C)に示されるように、下地層3aに生じたピンホール状の塗膜欠陥6に、透明な塗料を満たすことにより前記塗膜欠陥を埋める補修工程が行われる。即ち、補修工程は、下地層3aを一旦硬化させた後に行われる。また図3(C)に示されるように、下地層3aの塗膜欠陥6にやや多めに透明な塗料を塗布することによって、確実に塗膜欠陥6を埋めることが望ましい。しかる後、塗膜欠陥6の中で前記塗料を硬化させ下地層3aと一体化させることにより、該下地層3aの塗膜欠陥6を埋める透明な補修物3bが形成される。このような補修物3bは、透明であるため、塗膜欠陥6の補修痕を、外部から目立ち難くすることができる。
また本実施形態の補修工程では、前記補修物3bが、下地層3aと同系列の塗料を用いて形成される。一般に、透明の塗料であっても、原材料等が異なれば、僅かに透明度や反射率が異なることがあり、下地層3aと補修物3bとの境界を完全に消失させることができない場合があるが、本実施形態のように、補修物3bが下地層3aと同系列の塗料、より好ましくは同組成の塗料で形成されることによって、前記補修痕をより一層視認しづらくし、さらに外観を向上させるのに役立つ。また、補修物3Bと下地層3aとが同系列の塗料からなる場合、両者の密着性が向上し、接着強度を高めるのにも役立つ。なお本明細書において、下地層3aと補修物3bとを同系列の塗料で形成するとは、例えば下地層3aと補修物3bとを共にポリエステル系樹脂をベース樹脂とする塗料で形成する態様や、下地層3aと補修物3bとを共にエポキシ系樹脂をベース樹脂とする塗料で形成する態様や、下地層3aと補修物3bとを共にアクリル系樹脂をベース樹脂とする塗料で形成する如く、ベース樹脂が同系列の樹脂材料からなることを意味する。好ましくは、下地層3aと補修物3bを共に一液硬化型ポリエステル系塗料で形成するのがよい。なお2液硬化型塗料を用いる場合、同系列の塗料は、比較する2つの塗料の主剤及び硬化剤が同一のものであれば足り、溶剤の過多等に起因して塗料粘度などが異なっていても差し支えない。
また前記補修工程は、種々の方法で行うことができる。例えば下地層3aの塗膜欠陥6に透明な塗料を塗布する方法としては、刷毛ないしスプレーガン等を用いる方法や、注入器を用いて塗膜欠陥6の凹み部に直接塗料を流し込む方法、さらには細い棒などを用いて塗料を塗膜欠陥6の凹部に直接盛っていく方法などを挙げることができ、これらのいずれを採用しても良い。ただし、刷毛ないしスプレーガンを用いる方法は、補修物の塗料が広範囲に亘って塗布される傾向があり、下地層3aの塗膜厚さを不均一かつ大きくする傾向がある。また注入器を用いる方法は、該注入器の使用前後のメンテナンス作業を必要とする。補修物の塗料の塗布範囲を小さく抑え、かつ、メンテナンス等を要せずに簡単な工程で作業が行えるため、細い棒などを用いて塗料を塗膜欠陥6の凹部に直接盛っていく方法が最も好適である。
次に、図3(D)に示されるように、補修物3bは、例えば研磨によって隆起した部分が削りとられ、周囲の下地層3aに合わせて平滑化される。
次に、塗膜欠陥6が補修された下地層3aの外側(言い換えると、下地層3a及び補修物3bの外側)に透明性を有する少なくとも一つの外層を形成する外層形成工程が行われる。本実施形態の外層は、図4に示されるように、有色かつ透明な有色透明塗料からなるカラークリア層3cと、その外側の無色透明なクリア−層3dとの2層で構成されたものが例示される。
前記有色透明塗料としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂又はアクリル系樹脂等をベース樹脂とし、本実施形態ではこれを染料により透明性を確保しつつ着色した塗料が用いられる。染料は、特に限定されないが、合成染料、植物性染料、動物性染料又は鉱物性染料などから選ばれた1以上のものが採用でき、色目については特に限定されることなく種々のものが採用できる。染料は、粒子が1〜2ナノメータであって顔料に比べて非常に小さく、有色透明の塗料の製造に適する点で好ましい。ただし、塗料を有色透明としうるものであれば、顕色剤は染料に限定されることなく種々のものが採用できる。
本実施形態では、着色透明塗料を下地層3aの外側に塗装した後、約150℃で15〜20分間程度の焼き付け処理を行う。これにより、該着色透明塗料が前記下地層3aの外側で硬化しカラークリア層3cが形成される。なおカラークリア3cの厚さが薄すぎると塗装工程に熟練した技術を要する他、見た目に塗膜の厚さを感じ難くなる傾向があり、逆にカラークリア層3bの厚さが大きすぎても、もろくなり耐衝撃性に劣る傾向がある。特に限定されるものではないが、カラークリア層3bの厚さは、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上が望ましく、上限については好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下が望ましい。
なお上述のカラークリアー層3cを、無色透明な下地層3aに代えて、ヘッド基体2に直接塗装することも考えられる。しかし、カラークリアー層3cには染料等の顕色剤が含まれているため、これらの影響により、無色透明のクリアー塗料に比べると、ヘッド基体2との密着性が低いため、塗膜の耐久性が低下しやすくなる。また、ピンホール等の塗膜欠陥6を補修する場合でも、無色透明のクリアー塗料に比べると、補修痕が目立ちやすいため好ましくない。
次に、本実施形態では、カラークリア層3cの外側に無色透明なクリアー塗料を塗装してクリアー層3dを形成する。クリア塗料は、無色透明の塗料であって、前記カラークリアー層3cを被覆保護し、かつ塗膜のさらなる耐久性、耐衝撃性を向上するのに役立つ。クリア塗料としては、例えばポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂又はアクリル系樹脂等をベース樹脂とする塗料が望ましい。本実施形態では、前記下地層3aと同じ塗料が用いられる。
本実施形態のヘッド1では、クラウン面2bの周縁領域2b2、サイド面2d部及びホーゼル部2eに、非透明性塗膜4が形成されたものが例示される。非透明性塗膜4は、顔料等を含む塗料が硬化した少なくとも一つの層を含む。このため、該非透明性塗膜4は、それを通してヘッド基体2を透視することはできない。一般に、ヘッド基体2のクラウン面2bの周縁領域2b2や、ホーゼル部、サイド面2dなどは、ヘッド基体2の溶接痕、研磨痕などが多々存在していることが多い。しかも研磨は、一方向のみならず多方向に研磨されるため、研磨痕が外部から視認されるとヘッド1の外観を損ねかねない。このため、本実施形態のヘッド1では、上述のような領域に非透明性塗膜4を形成することによって、ヘッド基体2の見映えの悪い部分を目隠しすることができる。なおクラウン面2bの周辺領域2b2は、クラウン面の境界から5ないし10mmの幅Wの範囲とする。
以上のようなヘッド1は、外部から透明性塗膜3を通して、金属材料からなるヘッド基体2を透視できる。このため、ヘッド1を見た際に透明性塗膜3の厚さを感じとることができ、軽いヘッドとして印象付けるのに役立つ。また本実施形態のように、予めヘッド基体2に表面仕上げを施しておくことにより、前記透明性塗膜3を通してヘッド基体2の仕上げ感(ミラー、ヘアライン等の仕上げ感)をも透視することができ、ヘッドデザインをより斬新化しかつデザインの幅を広げるのにも役立つ。また本実施形態のヘッド1は、透明性塗膜3が有色透明のカラークリア層3cを含むため、カラークリア層3cの色目とヘッド基体2の金属素地色との相乗作用によって、単調となりがちなヘッド1の色調を斬新かつ新規な外観とすることができる。
なお透明性塗膜3の全厚さtは、特に限定されないが、大きすぎるともろくなるなど耐衝撃性が低下する他、透明性塗膜3の厚さを大きく感じ易く、ヘッドを重く感じさせる傾向がある。このような観点より、前記透明性塗膜3の全厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは80μm以下が望ましい。
さらに、前記透明性塗膜3は、下地層3aに生じた塗膜欠陥6が透明な補修物3bによって補修されているため、その補修痕を外部から視認しづらくする。従って、従来のヘッドように、ピンホール等の補修痕が斑点状に見えるという欠点を改善でき、大幅にヘッド1の美感を向上できる。また外層に含まれるカラークリアー層3Cに淡い色目を採用しうるなどヘッドデザインの自由度を高めうる。
以上、本発明の実施形態についてウッド型のゴルフクラブヘッドを例に挙げ説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、アイアン型やユーティリティ型、さらにはパター型などについても適用することが可能である。また透明性塗膜3は、例えば前記外層として、高い光輝性を有する光輝剤及び/又は偏光作用を有する光輝材を含む層を含ませることができるのは言うまでもない。
以下の手順でウッド型のゴルフクラブヘッドを試作し、後述のテストを行った。
(ヘッド基体の準備)
チタン合金(TI−6Al−4V)をロストワックス精密鋳造したヘッド本体(フェース面を開口としたフェース開口タイプ)と、同じチタン合金からなるフェース板とをTIG溶接により接合し、適宜研磨してヘッド基体を準備した。ヘッド体積は400ccである。
(下地層の形成)
ヘッド基体のソール面とフェース面とにマスキングを施し、その他の部分全域にポリエステル系樹脂クリア塗料を塗布した。その後、150℃で20分間焼き付けを行って下地層を形成した。
(補修物の形成)
実施例のヘッドについては、下地層と同じクリアー塗料を用いてピンホール等の塗膜欠陥を埋め、150℃で20分間焼き付けを行って補修物を形成した。また比較例については、グレー系の色彩を有するラッカーパテにて塗膜欠陥を埋めた。いずれも補修物の硬化後、研磨によって表面を平滑化した。
(非透明性塗膜の形成)
ポリエステル樹脂系の着色塗料(非透明)を、 図1(A)のように、クラウン面の周辺領域、サイド面及びホーゼル部に塗布し、150℃で20分間焼き付けを行って非透明性塗膜を形成した。
(外層の形成)
ポリエステル系樹脂のカラークリアー塗料(有色透明)を、マスキングを施した部分を除く全域に塗布し、150℃で20分間焼き付けを行ってカラークリアー層を形成した。さらに、その外側に、ポリエステル系樹脂のクリアー塗料(無色透明)を塗布し、150℃で20分間焼き付けを行ってクリアー層を形成した。
なお各塗膜の厚さは実質的に15μmに調節した。
テストは、実施例ヘッド、比較例ヘッド各々30個について目視評価を行った。目視評価は、5名のテスターが、ヘッドのクラウン面に形成された透明性塗膜を観察し、ヘッド基体とは異なる色合いの斑点(ピンホール修復痕)の数を計数し、斑点の数が5個以上観察されたヘッドを不良品として判断し不良率を計算した(n=5の平均値)。
テストの結果、実施例のヘッドの不良率は10%であったのに対して、比較例のヘッドの不良率は60%であった。このように、本発明の有意な効果を確認することができた。
(A)は本実施形態のゴルフクラブヘッドの斜視図、(B)はヘッド基体の斜視図である。 (A)、(B)は、ヘッド基体の表面欠陥を説明する拡大断面図である。 (A)〜(D)は、透明性塗膜の形成方法を説明する拡大断面図である。 透明性塗膜の形成方法を説明する拡大断面図である。 従来のゴルフクラブヘッドの透明性塗膜を例示する断面図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド
2 ヘッド基体
3 透明性塗膜
3a 下地層
3b 補修物
3c カラークリア層
3d クリア層
5 表面欠陥
6 塗膜欠陥

Claims (5)

  1. 金属材料からなるヘッド基体の表面の少なくとも一部に、前記ヘッド基体を透視可能な透明性塗膜が形成されたゴルフクラブヘッドであって、
    前記透明性塗膜は、最もヘッド基体側に形成された透明な下地層と、
    前記下地層のピンホール状の塗膜欠陥を埋める透明な補修物と、
    前記下地層及び補修物の外側に形成されかつ透明性を有する外層とを含むことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記補修物は、前記下地層と同系列の塗料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記ヘッド基体は、フェース面と、このフェース面の上縁に連なるヘッド上面をなすクラウン面とを含み、
    かつ前記透明性塗膜が前記クラウン面の周縁領域を除いたクラウン内側領域に形成され、非透明性塗膜が前記クラウン面の周縁領域に形成されたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  4. 前記外層は、有色透明なカラークリア層を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 金属材料からなるヘッド基体に透明性塗膜を形成する工程を含むゴルフクラブヘッドの製造方法であって、
    前記ヘッド基体に透明な塗料を塗布して下地層を形成する下地層形成工程と、
    前記下地層に生じたピンホール状の塗膜欠陥に、透明な補修物を満たすことにより前記塗膜欠陥を埋める補修工程と、
    前記補修された下地層の外側に透明性を有する少なくとも一つの外層を形成する外層形成工程とを含むことを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法。
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