JP2006109661A - 駆動装置、レンズ駆動装置及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構成であるにも関わらず被駆動体の高精度の位置決め制御ができる駆動装置を提供する。
【解決手段】 被駆動体の移動を物理的に規制する規制端と、外部から供給される複数の相異なる励磁位置に対応するパターンを持つ励磁電流により駆動されるステッピングモータと、ステッピングモータに励磁電流を供給するドライバと、予め規制端近傍の被駆動体の原点位置に対応する所定の励磁位置を格納する原点位置記憶部と、ドライバが供給する励磁電流における励磁位置の数を計数する計数部と、原点位置格納部に格納された励磁位置を呼び出すとともに、ドライバを用いてステッピングモータを駆動して、規制端近傍の原点位置まで被駆動体を移動させて原点検出を行う一方、計数部をリセットする演算部とを備え、原点位置記憶部に格納された励磁位置は、被駆動体が規制端から離れる方向に磁気的な力をうける励磁位置である。
【選択図】 図10
【解決手段】 被駆動体の移動を物理的に規制する規制端と、外部から供給される複数の相異なる励磁位置に対応するパターンを持つ励磁電流により駆動されるステッピングモータと、ステッピングモータに励磁電流を供給するドライバと、予め規制端近傍の被駆動体の原点位置に対応する所定の励磁位置を格納する原点位置記憶部と、ドライバが供給する励磁電流における励磁位置の数を計数する計数部と、原点位置格納部に格納された励磁位置を呼び出すとともに、ドライバを用いてステッピングモータを駆動して、規制端近傍の原点位置まで被駆動体を移動させて原点検出を行う一方、計数部をリセットする演算部とを備え、原点位置記憶部に格納された励磁位置は、被駆動体が規制端から離れる方向に磁気的な力をうける励磁位置である。
【選択図】 図10
Description
本発明は、駆動装置、特にレンズ駆動装置に関し、特定的には、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、単にデジタルカメラという)、携帯電話端末や個人情報端末に好適な小型のレンズ駆動装置に関する。また、本発明は、上記レンズ駆動装置を備える撮像装置に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子や画像信号を処理する信号処理回路の集積度が著しく向上し、かつ安価に提供されるようになったため、デジタル画像信号を取得するための撮像装置を搭載する機器が急増している。特に、携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistance)等の個人用で携帯性を重視した小型の機器に、撮像装置を搭載した態様が数多く提案され好評を博している。
このような撮像装置は、被写体である物体の光学像を形成する撮像光学系と、撮像光学系の形成した光学像を電気信号に変換する固体撮像素子とを中心に構成される。撮像光学系は、レンズ素子などの複数の光学素子を光軸に沿って配置した構成が一般的である。最近は、ズーム機能やフォーカス調整機能等への要望が高く、撮像光学系に含まれる光学素子同士の相対的な位置関係を変化させるために、特定の光学素子を光軸に沿って移動させるレンズ駆動装置を備える撮像装置が求められている。
レンズ駆動装置において、光学素子をステッピングモータにより駆動する構成が知られている。このようなレンズ駆動装置では、光学素子は、通常、所定の位置(原点)を基準とし、ステッピングモータに印加されるパルス数を制御して原点からの移動量を規定することにより駆動される。
例えば、特許文献1は、1−2相励磁方式でパルス駆動されるパルス(ステッピング)モータを用いてレンズ群や絞りを駆動するカメラの焦点調節装置を開示している。特許文献1に記載されたカメラの焦点調節装置は、絞り用パルスモータM1と、焦点調節用モータM2と、ズームモータM3との3つのパルスモータを有している。絞り用パルスモータM1と、焦点調節用モータM2とは、被駆動体であるレンズ群や絞り羽根とは別に設けられたフォトセンサーを用いて原点検出が行われている。なお、ズームモータM3は、ボリューム(可変抵抗器)によりレンズ群の絶対位置の検出が行われているため、原点検出自体が行われていない。
また、特許文献2は、ステッピングモータを有するレンズ駆動装置を開示している。特許文献2に記載のレンズ駆動装置は、被駆動体であるレンズを機械的に規制される限界位置に移動させた後、その限界位置から予め設定された所定の動作量だけ逆駆動させて、原点検出を行っている。特許文献2は、この制御を行うことにより、原点検出を高精度に行うことができるとしている。
特開平10−224680号公報
特開平8−76005号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたカメラの焦点調節装置は、ステッピングモータの原点位置の検出を行うためにフォトセンサ等の構成が別途必要であり、撮像装置の小型化を達成することができないという課題を有していた。
また、特許文献2に記載されたレンズ駆動装置は、被駆動体を機械的に規制される限界位置に移動させて原点位置を検出しているため、ステッピングモータに印加されるパルス数により原点からの移動量を規定する際に誤差が発生するという課題があった。これは、被駆動体を機械的に規制される限界位置に当接させると、被駆動体は限界位置に対して励磁位置に応じてロータマグネットが受ける磁気的な力の方向が異なるため、原点位置をセットするタイミングに応じて、被駆動体が限界位置に近づく方向に駆動される場合と、被駆動体が限界位置から離れる方向に駆動される場合の二通りの状態が発生するためである。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、簡易な構成であるにも関わらず被駆動体の高精度の位置決め制御ができる駆動装置、特にレンズ駆動装置を提供することである。また、本発明の別の目的は、上記レンズ駆動装置を備える撮像装置を提供することである。
上記目的の一つは、以下の駆動装置により達成される。被駆動体を駆動する駆動装置であって、被駆動体の移動可能部分の少なくとも一方にあって、被駆動体の移動を物理的に規制する規制端と、外部から供給される複数の相異なる励磁位置に対応するパターンを持つ励磁電流により駆動されるステッピングモータと、ステッピングモータに励磁電流を供給するドライバと、予め規制端近傍の被駆動体の原点位置に対応する所定の励磁位置を格納する原点位置記憶部と、ドライバが供給する励磁電流における励磁位置の数を計数する計数部と、原点位置格納部に格納された励磁位置を呼び出すとともに、ドライバを用いてステッピングモータを駆動して、規制端近傍の原点位置まで被駆動体を移動させて原点検出を行う一方、計数部をリセットする演算部とを備え、原点位置記憶部に格納された励磁位置は、被駆動体が規制端から離れる方向に磁気的な力をうける励磁位置である。
好ましくは、ステッピングモータに供給される励磁電流は、0〜nまでのn個(ただし、nは4以上の偶数)のパターンを持ち、原点位置記憶部に格納された励磁位置は、(2/n+1)から(n−1)までの励磁位置に対応する。
また、好ましくは、さらに、原点位置記憶部に格納された励磁位置から所定距離離れた特定の位置までの移動量に相当するオフセット移動量を格納するオフセット記憶部を備え、演算部は、被駆動体の原点検出の後、オフセット記憶部に格納されたオフセット移動量だけ被駆動体を移動させるようドライバを制御する。
上記目的の一つは、以下のレンズ駆動装置により達成される。レンズ素子を保持するレンズ保持枠を駆動するレンズ駆動装置であって、レンズ素子の移動可能部分の少なくとも一方にあって、被駆動体の移動を物理的に規制する規制端を持つレンズ保持機構と、外部から供給される複数の相異なる励磁位置に対応するパターンを持つ励磁電流により駆動されるステッピングモータと、ステッピングモータに励磁電流を供給するドライバと、予め規制端近傍のレンズ保持枠の原点位置に対応する所定の励磁位置を格納する原点位置記憶部と、ドライバが供給する励磁電流における励磁位置の数を計数する計数部と、原点位置格納部に格納された励磁位置を呼び出すとともに、ドライバを用いてステッピングモータを駆動して、規制端近傍の原点位置までレンズ保持枠を移動させて原点検出を行う一方、計数部をリセットする演算部とを備え、原点位置記憶部に格納された励磁位置は、レンズ保持枠が規制端から離れる方向に磁気的な力をうける励磁位置である。特に、好ましくは、ステッピングモータは、中空円筒状のロータを有し、中空円筒にレンズ保持枠が保持される。
本発明によれば、フォトセンサなどの構成が不要であるにも関わらず、被駆動体高制度の位置決めができる駆動装置、特にレンズ駆動装置を提供することが可能である。また、本発明によれば、上記レンズ駆動装置を備える撮像装置を提供することが可能である。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置の縦断面図である。実施の形態にかかる撮像装置100は、撮像光学系110と、撮像センサ120と、鏡筒130とを備える。
図1は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置の縦断面図である。実施の形態にかかる撮像装置100は、撮像光学系110と、撮像センサ120と、鏡筒130とを備える。
撮像光学系110は、光軸101に沿って被写体側(図中左側)から像側(図中右側)へ向けて順に、第1ズームレンズ群111と、第2ズームレンズ群112と、フォーカスレンズ群113と、ローパスフィルタ114とを含む。撮像光学系110は、撮像センサ120上に被写体の光学的な像を形成する。第1ズームレンズ群111及び第2ズームレンズ群112は、光軸101に沿って互いの間隔を変化させながら移動することにより、被写体の光学的な像の倍率を変化させるズーミングを行う。第1ズームレンズ群111は、レンズ素子111A及びレンズ素子111Bとを有する。第2ズームレンズ群112は、レンズ素子112Aと、レンズ素子112Bと、レンズ素子112Cとを有する。フォーカスレンズ群113は、光軸101に沿って移動することにより、被写体の光学的な像の合焦状態を調整するフォーカシングを行う。フォーカスレンズ群113は、1枚のレンズ素子113Aを含む。
ローパスフィルタ114は、被写体の光学的な像から所定の空間周波数成分をカットする光学特性を持つ。ローパスフィルタ114は、光学特性に基づき被写体の光学的な像の擬色及びモアレを軽減する。撮像センサ120は、典型的にはCCDである。撮像センサ120は、撮像光学系110により形成された光学的な像を、電気的な画像信号に変換して出力する。なお、撮像センサ120はCMOSでもよい。
鏡筒130は、基盤131と、第1レンズ枠132と、第2レンズ枠133と、第3レンズ枠134と、ガイドシャフト135Aと、ガイドシャフト135Bと、ズームカム筒136と、フォーカスカム筒137と、ズームモータ140と、フォーカスモータ150と、フロントカバー160とを含む。また、鏡筒130は、図1に図示しない3本の、軸受け用シャフト135Cと、軸受け用シャフト135Dと、軸受け用シャフト135Eとを含む。
図2は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置の一部を示す斜視図である。図2は、撮像装置100の構成のうち、ズームカム筒136と、フォーカスカム筒137と、ズームモータ140と、フォーカスモータ150と、フロントカバー160とを取り除いた状態を表している。また、図3は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置のズームカム筒とフォーカスカム筒の斜視図である。
図1及び図2において、基盤131は、光軸101に垂直な略円板形状である。基盤131は、中心に矩形の開口を持ち、開口に被写体側から順に、ローパスフィルタ114と、撮像センサ120とを保持する。また、基盤131は、ガイドシャフト135Aと、ガイドシャフト135Bと、軸受け用シャフト135C〜135Eとを保持する。
第1レンズ枠132は、第1ズームレンズ群111を保持する。第1レンズ枠132は、光軸101を中心軸とする略円筒形状である。第1レンズ枠132は、外周部に、外周方向に突出したカムピン132Aと、回転規制部132Bと、光軸101に平行な貫通孔132Cとを有する。カムピン132Aは、ズームカム筒136に設けられたカム溝136Aと係合する。回転規制部132Bは、光軸101に直交する方向にわずかの遊びを形成しつつガイドシャフト135Bと係合する。貫通孔132Cは、ガイドシャフト135Aと嵌合する。
第2レンズ枠133は、第2ズームレンズ群112を保持する。第2レンズ枠133は、光軸101を中心軸とする略円筒形状を持つ。第2レンズ枠133は、概略、第1レンズ枠132と同様の構成を持つ。すなわち、第2レンズ枠133は、外周部に、外周方向に突出したカムピン(図示せず)と、回転規制部(図示せず)と、光軸101に平行な貫通孔(図示せず)とを有する。カムピンは、ズームカム筒136に設けられたカム溝136Bと係合する。回転規制部は、ガイドシャフト135Bと係合する。貫通孔は、ガイドシャフト135Aを貫通させて保持する。
第3レンズ枠134は、フォーカスレンズ群113を保持する。第3レンズ枠134は、光軸101を中心軸とする略円筒形状を持つ。第3レンズ枠134は、概略、第1レンズ枠132と同様の構成を持つ。すなわち、第3レンズ枠134は、外周部に、外周方向に突出したカムピン(図示せず)と、回転規制部(図示せず)と、光軸101に平行な貫通孔(図示せず)とを有する。カムピンは、フォーカスカム筒137に設けられたカム溝137Aと係合する。回転規制部は、ガイドシャフト135Bと係合する。貫通孔は、ガイドシャフト135Aを貫通させて保持する。
図1および図3において、ズームカム筒136及びフォーカスカム筒137は、円筒形状を有する。ズームカム筒136は、第1レンズ枠132に設けられたカムピン132Aを案内するためのカム溝136Aと、第2レンズ枠133に設けられたカムピンを案内するためのカム溝136Bとを有する。また、フォーカスカム筒137は、第3レンズ枠134に設けられたカムピンを案内するためのカム溝137Aを有する。
図4は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置のカム溝とカムピンとの関係を示す部分拡大図である。図4は、第1レンズ枠132に設けられたカムピン132Aと、ズームカム筒136Aとの係合を示しており、図4(a)は、ズームカム筒136が回転可能な状態にある状態、図4(b)は、ズームカム筒136が一方端側の位置にあり一方への回転が機械的に規制されている状態をそれぞれ示している。
ズームカム筒136が中心軸102まわりに回転する(図4中、矢印で示した方向に移動)と、ズームカム筒136に設けられたカム溝136Aに案内される。ズームカム筒136の回転の結果、カムピン132Aがカム溝136Aの一方端に達すると、ズームカム筒136は、カムピン132Aの機械的な規制により矢印方向に回転ができなくなる。なお、カム溝136Aの他方端にも規制部が形成されているが、カムピン132Aが規制部に達する前の位置でズームカム筒136の回転駆動が停止されるように制御される。また、ズームカム筒136のカム溝136Bと第2レンズ枠のカムピンとの関係、およびフォーカスカム筒137のカム溝137Aと第3レンズ枠のカムピンとの関係も、カム溝136Aとカムピン132Aと同様に構成されている。
図1において、ズームカム筒136及びフォーカスカム筒137は、中心軸102が一致しており、この中心軸102回りに回転可能である。中心軸102は、光軸101に垂直な平面内において、3本の軸受けシャフト135C〜135Eが形成する外接円の中心である。すなわち、3本の軸受けシャフト135C〜135Eは、ズームカム筒136及びフォーカスカム筒137の回転軸受けとして機能する。ここで、撮像光学系110の光軸101は、中心軸102と一致しない。
図1において、ズームカム筒136及びフォーカスカム筒137の外周側には、ズームモータ140と、フォーカスモータ150とが配置される。ズームモータ140は、ステータ141とロータ142とから構成される。ステータ141は、ステータヨークとして機能する鏡胴体143と、ステータコイル141Aとを有する。ロータ142は、ロータマグネット142Aと、ロータヨーク142Bとを有する。
フォーカスモータ150は、ステータ151とロータ152とから構成される。ステータ151は、ズームモータ140と共通のステータヨークとして機能する鏡胴体143と、ステータコイル151Aとを有する。ロータ152は、ロータマグネット152Aと、ロータヨーク152Bとを有する。
図5は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置のズームモータの斜視図である。図1及び図5において、鏡胴体143の内周面に固定されるステータコイル141Aは、渦巻き状に巻かれた複数の小コイルが鏡胴体143の内周面に沿って所定のピッチで配置されている。ステータコイル141Aは、後述するA相の電流パターンが印加されるA相コイル141Aaと後述するB相の電流パターンが印加されるB相コイル141Abとを含む。A相コイル141Aaは、B相コイル141Abより内周側に配置される。A相コイル141Aa及びB相コイル141Abは、互いにコイルの中心が半ピッチずれて配置される。
鏡胴体143は、電磁鋼板などからなる強磁性体である。鏡胴体143は、光軸101に平行な補方向に延びた円筒状を有する。ロータマグネット142Aは、永久磁石であり、ステータコイル141AのA相コイル141Aa及びB相コイル141Abの数と等しい磁極を有する。磁極は、ロータヨーク142Bの外周面に沿ってN極及びS極が交互に配置されている。
ロータヨーク142Bは、ロータマグネット142Aの内周面に接着される。ロータヨーク142Bは、電磁鋼板などの強磁性体からなる。ロータヨーク142Bは、ズームカム筒136の外周面に接着される。ステータヨークとして機能する鏡胴体143及びステータコイル141Aを含むステータ141と、ロータマグネット142A及びロータヨーク142Bとは、ズームモータ140の磁気回路を構成する。ズームモータ140は、外部からステータコイル141Aの小コイルに所定のタイミングで印加される電流によって磁気回路が駆動され、ロータマグネット142A及びロータヨーク142Bが回転しステッピングモータとして機能する。
図5では、ズームモータ140の構成を示したが、フォーカスモータ150も、ズームモータ140とほぼ等しい構成を備えている。すなわち、鏡胴体143の内周面に固定されるステータコイル151Aは、渦巻き状に巻かれた複数の小コイルが鏡胴体143の内周面に沿って所定のピッチで配置されている。ステータコイル151Aは、後述するA相の電流パターンが印加されるA相コイル151Aaと後述するB相の電流パターンが印加されるB相コイル151Abとを含む。A相コイル151Aaは、B相コイル151Abより内周側に配置される。A相コイル151Aa及びB相コイル151Abは、互いにコイルの中心が半ピッチずれて配置される。
ロータマグネット152Aは、永久磁石であり、ステータコイル151AのA相コイル151Aa及びB相コイル151Abの数と等しい磁極を有する。磁極は、ロータヨーク152Bの外周面に沿ってN極及びS極が交互に配置されている。ロータヨーク152Bは、ロータマグネット152Aの内周面に接着される。ロータヨーク152Bは、電磁鋼板などの強磁性体からなる。ロータヨーク152Bは、フォーカスカム筒137の外周面に接着される。
ステータヨークとして機能する鏡胴体143及びステータコイル151Aを含むステータ151と、ロータマグネット152A及びロータヨーク152Bとは、フォーカスモータ150の磁気回路を構成する。フォーカスモータ150は、外部からステータコイル151Aの各コイルに所定のタイミングで印加される電流によって磁気回路が駆動され、ロータマグネット152A及びロータヨーク152Bが回転しステッピングモータとして機能する。
図1において、フロントカバー160は、光軸101に垂直な円板形状を持つ。フロントカバー160は、撮像装置100の最も被写体側に固定される。フロントカバー160は、ガイドシャフト135A及びガイドシャフトBを支持する貫通孔を持つ。鏡胴体143の被写体側の規制端は、フロントカバー160によって支持される。また、鏡胴体143の像側の規制端は、基盤131によって支持される。鏡胴体143がフロントカバー160と基盤131とによって支持されることにより、ステータコイル141Aとロータマグネット142Aとの間の間隔及びステータコイル151Aとロータマグネット152Aとの間の間隔が適切に保持される。
以上の構成において、ズーミングを行う場合、外部からズームモータ140のステータコイル141Aの小コイルに所定のタイミングで駆動電流パルスが印加される。駆動電流の印加により磁気回路が駆動され、ロータ142が中心軸102まわりに回転する。
ロータ142が中心軸102まわりに回転することにより、ズームカム筒136が中心軸102まわりに回転する。ズームカム筒136が中心軸102まわりに回転すると、第1レンズ枠132に設けられたカムピン132Aが、結合しているカム溝に沿って案内される。また、ズームカム筒136が中心軸102まわりに回転すると、第2レンズ枠133に設けられたカムピンが結合しているカム溝に沿って案内される。
第1レンズ枠132は、ガイドシャフト135Aに案内され、光軸101に平行な方向に移動する。このとき、第1レンズ枠132は、回転規制部132Bがガイドシャフト135Bと係合しているので、光軸101に垂直な面内でのガイドシャフト135Aまわりの回転の自由度が規制されている。したがって、ズームカム筒136が中心軸102まわりに回転すると回転運動が直進運動へ変換され、第1レンズ枠132はカム溝の位相に従って光軸101に平行な方向に移動する。すなわち、ズームカム筒136のカム溝と第1レンズ枠132のカムピン132Aとは、変換機構を構成する。
また、同様に第2レンズ枠133は、同様に回転規制部とガイドシャフト135Bとの係合により、光軸101に垂直な面内でのガイドシャフト135Aまわりの回転が規制されている。したがって、ズームカム筒136が中心軸102まわりに回転すると回転運動が直進運動へ変換され、第2レンズ枠133はカム溝の位相に従って光軸101に平行な方向に移動する。第1レンズ枠132及び第2レンズ枠133が移動することにより、第1ズームレンズ群111及び第2ズームレンズ群112が互いの間隔を変化させながら光軸101に平行な方向の所定位置に移動する。この結果、撮像装置100は、ズーミングを行うことができる。
フォーカシングを行う場合、外部からフォーカスモータ150のステータコイル151Aの小コイルに所定のタイミングで駆動電流パルスが印加される。駆動電流の印加により磁気回路に電磁力が発生し、ロータ152が中心軸102まわりに回転する。ロータ152が中心軸102まわりに回転することにより、フォーカスカム筒137も中心軸102まわりに回転する。フォーカスカム筒137が中心軸102まわりに回転すると、第3レンズ枠134に設けられたカムピンが結合しているカム溝に沿って案内される。
第3レンズ枠134は、同様に回転規制部とガイドシャフト135Bとの係合により、光軸101に垂直な面内でのガイドシャフト135Aまわりの回転の自由度が規制されている。したがって、フォーカスカム筒137が中心軸102まわりに回転すると回転運動が直進運動へ変換され、第3レンズ枠134はカム溝の位相に従って光軸101に平行な方向に移動する。
以下、ズームモータ140を例にして、ステッピングモータの駆動制御を説明する。図6は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置のズームモータのA相コイル及びB相コイルに印加する励磁電流の電流パターンを示すタイミングチャートである。ズームモータ140は、いわゆる1−2相励磁方式により駆動されるステッピングモータである。
1−2相励磁方式のステッピングモータは、A相コイル141Aaへ正負2極性の制御電流の印加と、B相コイル141Abへの正負2極性の制御電流の印加との組み合わせにより駆動される。ここで、A相コイル141Aaへは、正極性電流を印加する場合(A+)と、負極性電流を印加する場合(A−)と、いずれも印加しない(0)との3通りが考えられる。また、B相コイル141Abへも、正極性電流を印加する場合(B+)と、負極性電流を印加する場合(B−)と、いずれも印加しない(0)との3通りが考えられる。したがって、印加可能な電流のパターンは3通り×3通り=9通りとなるが、A相及びB相のいずれにも電流を印加しない場合を除く必要があり、すべてのパターンは8通りになる。
図6のタイミングチャートには、励磁位置番号0〜7の8通りの電流パターンが記載されている。それぞれの励磁位置番号は、以下の電流パターンに相当する。
(a)励磁位置番号0:(A相、B相)=(A+、 0)
(b)励磁位置番号1:(A相、B相)=(A+、B+)
(c)励磁位置番号2:(A相、B相)=( 0、B+)
(d)励磁位置番号3:(A相、B相)=(A−、B+)
(e)励磁位置番号4:(A相、B相)=(A−、 0)
(f)励磁位置番号5:(A相、B相)=(A−、B−)
(g)励磁位置番号6:(A相、B相)=( 0、B−)
(h)励磁位置番号7:(A相、B相)=(A+、B−)
ステッピングモータは、上記の励磁位置番号0〜励磁位置番号7に対応する電流パターンを順に印加されて、回転駆動される。
(a)励磁位置番号0:(A相、B相)=(A+、 0)
(b)励磁位置番号1:(A相、B相)=(A+、B+)
(c)励磁位置番号2:(A相、B相)=( 0、B+)
(d)励磁位置番号3:(A相、B相)=(A−、B+)
(e)励磁位置番号4:(A相、B相)=(A−、 0)
(f)励磁位置番号5:(A相、B相)=(A−、B−)
(g)励磁位置番号6:(A相、B相)=( 0、B−)
(h)励磁位置番号7:(A相、B相)=(A+、B−)
ステッピングモータは、上記の励磁位置番号0〜励磁位置番号7に対応する電流パターンを順に印加されて、回転駆動される。
図7は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置のズームモータの励磁位置と駆動方向の関係を示す模式図である。図7(a)〜(h)は、上記の励磁位置番号0〜励磁位置番号7に対応する。各図は、ステッピングモータのロータマグネット2とステータコイル3のA相コイル及びB相コイルとを、光軸に垂直な面内でカットした断面図に相当する。
励磁位置番号0に対応する場合、A相コイルにA+相の電流パルスが印加され、B相コイルには電流パターンは印加されない。この場合、A相コイルにのみ磁極が発生し、ロータマグネットの磁極と正対する。
励磁位置番号1に対応する場合、A相コイルにA+相の電流パルスが印加され、B相コイルにB+相の電流パルスが印加される。この場合、A相コイル及びB相コイルに磁極が発生し、ロータマグネットを矢印方向に回転させる力を発生させる。
励磁位置番号2に対応する場合、A相コイルには電流は印加されず、B相コイルにB+相の電流パルスが印加される。この場合、B相コイルにのみ磁極が発生し、ロータマグネットの磁極と正対する。
励磁位置番号3に対応する場合、A相コイルにA−相の電流パルスが印加され、B相コイルにB+相の電流パルスが印加される。この場合、A相コイル及びB相コイルに磁極が発生し、ロータマグネットを矢印方向に回転させる力を発生させる。
励磁位置番号4に対応する場合、A相コイルにA−相の電流パルスが印加され、B相コイルに電流は印加されない。この場合、A相コイルにのみ磁極が発生し、ロータマグネットの磁極と正対する。
励磁位置番号5に対応する場合、A相コイルにA−相の電流パルスが印加され、B相コイルにB−相の電流パルスが印加される。この場合、A相コイル及びB相コイルに磁極が発生し、ロータマグネットを矢印方向に回転させる力を発生させる。
励磁位置番号6に対応する場合、A相コイルには電流は印加されず、B相コイルにB−相の電流パルスが印加される。この場合、B相コイルにのみ磁極が発生し、ロータマグネットと正対する。
励磁位置番号7に対応する場合、A相コイルにA+相の電流パルスが印加され、B相コイルにB−相の電流パルスが印加される。この場合、A相コイル及びB相コイルに磁極が発生し、ロータマグネットを矢印方向に回転させる力を発生させる。
励磁位置番号7に対応する電流パターンが印加された後、再び励磁位置番号0に対応する電流パターンが印加される。以上のようにして、ステッピングモータは、回転駆動される。また、A相コイル及びB相コイルは、互いに渦巻き状のコイルの中心が半ピッチずれて配置されるので、このステッピングモータは、コイルの半ピッチずれのさらに半分の分解能を持つ。
図8は、本発明の実施の形態にかかるモータ制御を説明するための模式図である。図8は、正面図であり、部材はすべて同心の略円筒形である。ロータ1の外周にロータマグネット2が形成されている。また、最外周部の内面は、ステータコイル3(A相コイルとB相コイル)が形成されている。ロータ1は、突起部1aを有する。なお、実際の鏡筒のズームモータ140において、回転部材1はカム筒136に対応し、規制部材4と突起部1aとの当接により中心軸回りの回転が規制される点は、例えば、カム溝136Aの一方規制端により第1レンズ枠132に設けられたピン132Aが規制されること等に対応する。
ロータ1は、中心軸回りに回転可能に支持されている。ロータ1は、規制端から終規制端まで矢印Aに沿って回転する。ここで、規制端とは、ロータ1を紙面上方からみて反時計まわりに回転させ突起部1aと規制部材とを当接させた位置であり、終規制端とは、ロータ1を紙面上方からみて時計回りに矢印Aに沿って回転させ、突起部と規制部材とを当接させた位置である。また、ロータ1の周囲に形成されるロータマグネット2及びステータコイル3は、ステッピングモータの磁気回路を構成する。ロータ1は、ステッピングモータにより回転駆動される。
図9は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置の規制位置におけるズームモータの励磁位置と駆動方向の関係を示す模式図である。図9(a)〜(d)は、上記の励磁位置番号0、3、5、7にそれぞれ対応する。各図は、図8と同様にズームモータ140のロータマグネット142AとA相コイル141Aa及びB相コイル141Abとを、光軸101に垂直な面内でカットした断面図に相当する。また、図中、ハッチングで示された規制位置は、図8を用いて説明した規制端に相当する。
励磁位置番号0に対応する場合、A相コイルにA+相の電流パルスが印加され、B相コイルには電流パターンは印加されない。この場合、A相コイルにのみ磁極が発生し、ロータマグネットの磁極と正対する。この結果、A相コイルとロータマグネットとの間に作用する磁気的な力はニュートラルであり、ロータは、規制端にある規制位置に対して力を及ぼさない。
励磁位置番号3に対応する場合、A相コイルにA−相の電流パルスが印加され、B相コイルにB+相の電流パルスが印加される。この場合、A相コイル及びB相コイルに磁極が発生し、ロータマグネットを磁気的な力により規制位置の方向に押圧する。
励磁位置番号5に対応する場合、A相コイルにA−相の電流パルスが印加され、B相コイルにB−相の電流パルスが印加される。この場合、A相コイル及びB相コイルに磁極が発生し、ロータマグネットを磁気的な力により規制位置から離れようとする方向(終規制端へ向かう方向)に移動させる。
励磁位置番号7に対応する場合、A相コイルにA+相の電流パルスが印加され、B相コイルにB−相の電流パルスが印加される。この場合、A相コイル及びB相コイルに磁極が発生し、ロータマグネットを磁気的な力により規制位置から離れようとする方向(終規制端へ向かう方向)に移動させる。
このように、ロータが規制位置に当接している場合、励磁位置番号に対応してロータマグネットに作用する磁気的な力の方向が変化する。図10は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置のロータマグネットが受ける力の方向と励磁位置番号との関係を示す模式図である。図10から分かるように、ロータが規制位置に当接している場合、励磁位置番号0および4では、ロータマグネットに磁気的な力は作用しない。また、励磁位置番号1ないし3では、ロータマグネットに規制位置の方向に押圧する磁気的な力が作用する。逆に、励磁位置番号5ないし7では、ロータマグネットに規制位置から離れようとする方向に磁気的な力が作用する。この結果、図10にあるように、ロータマグネットの受ける磁気的な力は、励磁位置番号の周期パターンに応じて変化する。
図11は、本発明の実施の形態にかかる撮像装置のロータの動きを説明するための説明図である。図11の縦軸は時系列を示し、励磁位置番号に対応させて記載している。また、図11の横軸は規制端近傍の位置を示す。なお、縦軸において、励磁位置番号は、終規制端から規制端へ向けて駆動されている状態を示すため、励磁位置番号7から励磁位置番号0へ向けて番号が減少する方向に対応する。
図11において、ロータが規制端の規制位置へ向けて移動し、励磁位置番号4に該当するパルスで規制位置に当接し、ロータの規制開始がなされた場合を考える。ロータが規制された状態で励磁位置番号3ないし1に該当するパルスが印加されると、ロータは、規制位置を押圧する方向に磁気的な力を受け規制位置に止まる。
ロータが規制された状態で励磁位置番号0に該当するパルスが印加されると、ロータは、磁気的な力を受けないので外力に対して移動可能な不安定な状態で停止状態が維持される。ロータは、全く外力をうけない状態にあるので、慣性などにより規制位置から離れた位置(例えば、図11において励磁位置番号0に対応する点線で表記された位置など)にある場合もあり得る。励磁位置番号7ないし5に該当するパルスが印加されると、ロータは、規制位置から離れる方向に磁気的な力を受け、規制位置から移動する。ロータの移動は、励磁位置番号4に該当するパルスが印加されるときに終了する。さらに、励磁位置番号3ないし1に該当するパルスが印加されると、ロータは、規制位置を押す方向に磁気的な力をうける。ステッピングモータに駆動パルスを印加し続けると、引き続いて同様の動作が繰り返されるので、ロータは、規制位置に対してノッキングを繰り返しながら微小振動を続ける。
このように、センサが存在しない場合、規制端でロータを規制することだけでは原点位置検出を行うことができない。したがって、ロータの原点位置検出を行うために、規制端に対応する励磁位置番号を予め記憶しておき、その励磁位置番号に相当するパルスになった位置で、原点位置検出を行うことが考えられる。しかしながら、規制端に対応する位置が励磁位置番号0および4に対応する位置である場合、前述のようにロータの位置は不安定であるので、原点位置として適切ではない。また、励磁位置番号1ないし3に対応する位置は、ロータマグネットが規制位置を押圧する方向に磁気的な力をうける位置であるので、原点位置からの移動量をカウントする際に誤差が発生してしまい、原点位置として適切ではない。
そこで、実施の形態にかかる撮像装置は、原点位置を励磁位置番号5ないし7に対応する位置に設定している。励磁位置番号5ないし7に対応する位置は、ロータマグネットが規制位置から離れる方向に磁気的な力をうける位置であるので、ロータは、この位置で常に規制端から離れる方向に動作し始める。したがって、原点を励磁位置番号5ないし7に対応する位置に設定し、原点からの移動を励磁位置番号に対応するステップによって位置検出することにより、センサ等を用いることなく高精度にロータの位置決め制御を行うことができる。
図12は、実施の形態にかかる撮像装置の制御ブロック図である。図12において、制御ブロックは、制御回路200と、ズームドライバ300と、フォーカスドライバ400と、ズームモータ140と、フォーカスドライバ400と、フォーカスモータ150とを含む。なお、ズームモータ140とフォーカスモータ150とは、既に説明したように、図5等で説明した中空円筒状のロータを持つステッピングモータである。
ズームドライバ300とフォーカスドライバ400とは、それぞれステッピングモータであるズームモータ140とフォーカスモータ150とを駆動させるための駆動電流のパルス(駆動パルスという)を発生させるパルス発生回路である。ズームドライバ300は、ズームモータ140のA相コイル141AaとB相コイル141Abとに、図6を用いて説明した1−2相駆動パルスを印加して、ズームモータ140を回転駆動させる。フォーカスドライバ400も同様に、フォーカスモータのA相コイasとB相コイルとに、図6を用いて説明した1−2相駆動パルスを印加して、ズームモータ140を回転駆動させる。
制御回路200は、演算部201を中心に、計数部202と、原点位置記憶部203と、オフセット記憶部204と、I/F部(インターフェース部)205とを含む。I/F部205は、演算部201の指示に基づき、ズームドライバ300とフォーカスドライバ400とに信号を送信可能に接続され、また外部からフォーカシング指示信号とズーミング指示信号とを受信可能に接続される。なお、ズーミング指示信号とは、例えば操作者による操作部材の操作により生成された信号などであり、撮像光学系の焦点距離の変更を指定する情報を含む信号である。また、フォーカシング指示信号とは、例えば撮像センサ114から出力され、所定の画像処理を施された画像信号などであり、撮像光学系の合焦物体距離の変更を指定する情報を含む信号である。
計数部202は、演算部201からの指示に基づき、演算部201がズームモータ140およびフォーカスモータ150を駆動するためにズームドライバ300およびフォーカスドライバ400に発生を指示した駆動パルスを計数する。計数部202は、原点位置を基準に、規制端から遠ざかる方向に駆動される正転させる駆動パルスが発生している場合、カウンタを加算し、規制端へ近づく方向に駆動される逆転させる駆動パルスが発生している場合、カウンタを減算する。
原点位置記憶部203は、出荷時等に予め検出された原点位置に対応する励磁位置番号を格納する。オフセット記憶部204は、広角端焦点距離状態や有限物体距離合焦状態など予め定められた撮像装置の待ち状態に対応する励磁位置番号を格納する。
以上の構成において、具体的な制御ブロックの動作をズームモータ140の駆動を例に説明する。はじめに、撮像装置の出荷時に、規制部と当接する規制端に対応する励磁位置番号を個々の撮像装置について検出し、その規制端を基準としてロータマグネットが規制端から遠ざかる方向に磁気的な力をうける励磁位置番号を原点位置記憶部203に格納する。具体的には、規制端に対応する励磁位置が励磁位置番号4であった場合、規制端から離れる方向にある励磁位置番号5ないし7のいずれかを格納する。
この状態において、撮像装置に電源が投入されると、演算部201は、ズームモータ140を逆転させる方向に駆動するようにI/F部205を介してズームドライバ300に駆動パルスの発生を指示する。ここで逆転させる方向とは、規制端へ近づく方向の駆動方向を意味している。ズームドライバ300は、演算部201の指示に基づいて駆動パルスを発生させ、励磁位置番号7から順に励磁位置番号0へ向けてズームモータ140のA相コイルおよびB相コイル駆動パルスを印加する。
ロータが規制端に当接しロータの回転が物理的に規制されると、演算部201は、原点位置記憶部203に格納された原点位置に対応する励磁位置番号を読み出す。例えば、原点位置に対応する励磁位置が、励磁位置番号5であった場合、演算部201は、励磁位置番号5に対応するパルス位置で、ズームドライバ300に駆動パルスの発生を停止させ、原点位置を決定する。また、演算部201は、同時に計数部202をリセットする。以上の動作により、原点位置が決定される。
次に、演算部201は、オフセット記憶部204に格納されたオフセット移動量に相当するパルス数を読み出す。ここで、オフセット移動量とは、原点位置から所定距離離れた特定の位置までの移動量を意味する。また、原点位置から所定距離離れた特定の位置とは、例えば、ズームモータ140の場合、典型的には撮像光学系110の広角端に対応するズームカム筒136の回転位置である。この場合、オフセット移動量は、具体的に原点位置からm個(mは1以上の正の整数)の励磁パターンで規定される移動量である。この他、原点位置から所定距離離れた特定の位置を中間焦点位置や望遠端に相当する位置など適宜設定して、オフセット移動量を変更可能に構成することが可能である。このように、オフセット移動量を設定することにより、電源投入から撮像装置を使用可能な状態にするまでの時間を短縮することができる。
なお、実施の形態にかかる撮像装置は、1−2相励磁方式のステッピングモータにおいて、励磁位置番号0〜7の8個の励磁パターンで駆動される例であったので、ロータに物理的な規制が行われる規制端から離れる方向にある励磁位置として、励磁位置番号5ないし7のいずれかを設定しているが、これに限られない。一般に、0〜nまでのn個(ただし、nは4以上の偶数)の励磁位置のパターンを持つステッピングモータの場合、nから、1個以上(n/2−1)個の励磁位置パターンだけ引いた、(2/n+1)から(n−1)までの励磁位置のパターンを原点位置に選択するとよい。この範囲にある励磁位置パターンは、ロータに物理的な規制が行われる規制端から離れる方向にある励磁位置に対応するからである。
以上のように、実施の形態にかかる撮像装置によれば、物理的な規制が行われる規制端から離れる方向にロータが磁気的な力をうける励磁位置を原点位置に設定しているので、フォトセンサなどによる位置決めを行わなくても高精度に原点位置の決定を行うことが可能である。
なお、実施の形態にかかる撮像装置では、予め撮像装置の出荷時に、規制部と当接する規制端に対応する励磁位置番号を個々の撮像装置について検出し、この励磁位置番号に応じて設定された励磁位置番号を原点位置として原点位置記憶部に格納していたが、これに代えて部品の精度および組み立て精度により規定される範囲から原点位置に対応する励磁位置番号を推定してもよい。具体的には、上述の実施の形態で説明した撮像装置において、部品の精度および組み立て精度により規制端に対応する励磁位置番号を励磁位置番号4±1の範囲になるように設計しておき、実際の原点位置に対応する位置を規制端の励磁位置番号から常に3パターン分だけ戻るように設定する。このように設定すると、原点に対応する励磁位置番号は、常に励磁位置番号5〜7の範囲になり、出荷時の原点位置に関する検査を省略することができる。
本発明は、以上説明した各実施の形態に限定されることはなく、様々な変形が可能である。各実施の形態では、鏡筒がズームモータ及びフォーカスモータの2つのステッピングモータを備えた例を示したが、これに限られない。撮像装置がズーミングの機能のみを持ち、フォーカシングが固定の有限撮影距離に設定されるいわゆるパンフォーカスの場合、モータはズームモータのみでよい。逆に、撮像装置がズーミングの機能を持たない単焦点レンズ系を含み、フォーカシングのみ行う場合、モータはフォーカスモータのみでよい。
また、本発明が適用可能なモータとしては、ズームモータおよびフォーカスモータ以外に、絞り径を変化させるために絞り羽根を駆動する絞りモータや、レンズ群を光軸に直交する方向にシフトさせる像ぶれ補正モータなどにも適用可能である。絞りモータの場合、オフセット移動量の設定を行う際の所定位置は、使用頻度の高い中間絞り径が考えられる。また、像ぶれ補正モータの場合、通常使用状態であるレンズ群の光軸と全系の光軸とが一致する位置が考えられる。
また、本発明が適用可能なモータとしては、実施の形態に示した中空ロータと中空ステータを有するステッピングモータに限られない。本発明は、通常の回転シャフトを有するステッピングモータにも適用することができる。
また、撮像光学系のズーミング時の移動態様に応じて、ズームモータが駆動するレンズ群が1群あるいは3群以上となってもよい。同様に、レンズのフォーカシング時の移動態様に応じて、フォーカスモータが駆動するレンズ群が1群あるいは3群以上となってもよい。また、各カム筒の中心軸と撮像光学系の光軸とを一致させて共軸構成としてもよい。ただし、上述のように各カム筒の中心軸と撮像光学系の光軸とを一致させずに平行偏心させた方が、鏡胴の外径を小さくすることができ望ましい。
また、実施の形態の鏡筒の変換機構及び移動機構は、回転カム筒と直進レンズ枠とによる構成であったが、これに限られない。回転カム筒とカムに連結された回転レンズ枠とからなる構成や、回転筒と回転枠にネジで連結された回転レンズ枠とからなる構成などでもよい。
また、実施の形態のステッピングモータは、ステータがステータコイルを含み、ロータがロータマグネットを含む構成であったが、これに限られない。ステッピングモータとして、ステータがステータマグネットを含み、ロータがロータコイルを含み、ロータ側に電流を供給する構成としてもよい。このようにステッピングモータを構成することにより、ロータの慣性モーメントを小さくして、位置決め等の回転制御特性を向上させることができる。ただし、実施の形態の構成と比較すると、ロータコイルに駆動電流を接続する構成が複雑になる。したがって、所望の特性に応じていずれを選択するかを決定すればよい。
本発明の撮像装置は、特に小型化と高機能化が要望されている、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ機能付きの携帯電話端末及びPDA等に好適である。
1 ロータ
2 ロータマグネット
3 ステータコイル
101 光軸
102 中心軸
110 撮像光学系
111 第1ズームレンズ群
112 第2ズームレンズ群
113 フォーカスレンズ群
114 ローパスフィルタ
120 撮像センサ
130 鏡筒
131 基盤
132 第1レンズ枠
132B 回転規制部
132C 貫通孔
133 第2レンズ枠
134 第3レンズ枠
135A ガイドシャフト
135B ガイドシャフト
135C 軸受け用シャフト
135D 軸受け用シャフト
135E 軸受け用シャフト
136 ズームカム筒
137 フォーカスカム筒
140 ズームモータ
141 ステータ
141A ステータコイル
141Aa A相コイル
141Ab B相コイル
142 ロータ
142A ロータマグネット
142B ロータヨーク
143 鏡胴体
150 フォーカスモータ
160 フロントカバー
200 制御回路
201 計数部
202 計数部
203 原点位置記憶部
204 オフセット記憶部
205 I/F部(インターフェース部)
2 ロータマグネット
3 ステータコイル
101 光軸
102 中心軸
110 撮像光学系
111 第1ズームレンズ群
112 第2ズームレンズ群
113 フォーカスレンズ群
114 ローパスフィルタ
120 撮像センサ
130 鏡筒
131 基盤
132 第1レンズ枠
132B 回転規制部
132C 貫通孔
133 第2レンズ枠
134 第3レンズ枠
135A ガイドシャフト
135B ガイドシャフト
135C 軸受け用シャフト
135D 軸受け用シャフト
135E 軸受け用シャフト
136 ズームカム筒
137 フォーカスカム筒
140 ズームモータ
141 ステータ
141A ステータコイル
141Aa A相コイル
141Ab B相コイル
142 ロータ
142A ロータマグネット
142B ロータヨーク
143 鏡胴体
150 フォーカスモータ
160 フロントカバー
200 制御回路
201 計数部
202 計数部
203 原点位置記憶部
204 オフセット記憶部
205 I/F部(インターフェース部)
Claims (5)
- 被駆動体を駆動する駆動装置であって、
前記被駆動体の移動可能部分の少なくとも一方にあって、前記被駆動体の移動を物理的に規制する規制端と、
外部から供給される複数の相異なる励磁位置に対応するパターンを持つ励磁電流により駆動されるステッピングモータと、
前記ステッピングモータに前記励磁電流を供給するドライバと、
予め前記規制端近傍の前記被駆動体の原点位置に対応する所定の励磁位置を格納する原点位置記憶部と、
前記ドライバが供給する前記励磁電流における前記励磁位置の数を計数する計数部と、
前記原点位置格納部に格納された前記励磁位置を呼び出すとともに、前記ドライバを用いて前記ステッピングモータを駆動して、前記規制端近傍の前記原点位置まで前記被駆動体を移動させて原点検出を行う一方、前記計数部をリセットする演算部とを備え、
前記原点位置記憶部に格納された前記励磁位置は、前記被駆動体が前記規制端から離れる方向に磁気的な力をうける前記励磁位置である、駆動装置。 - ステッピングモータに供給される励磁電流は、0〜nまでのn個(ただし、nは4以上の偶数)のパターンを持ち、
前記原点位置記憶部に格納された前記励磁位置は、(2/n+1)から(n−1)までの励磁位置に対応する、請求項1に記載の駆動装置。 - さらに、前記原点位置記憶部に格納された前記励磁位置から所定距離離れた特定の位置までの移動量に相当するオフセット移動量を格納するオフセット記憶部を備え、
前記演算部は、前記被駆動体の原点検出の後、前記オフセット記憶部に格納されたオフセット移動量だけ前記被駆動体を移動させるよう前記ドライバを制御する、請求項1に記載の駆動装置。 - レンズ素子を保持するレンズ保持枠を駆動するレンズ駆動装置であって、
前記レンズ素子の移動可能部分の少なくとも一方にあって、前記被駆動体の移動を物理的に規制する規制端を持つレンズ保持機構と、
外部から供給される複数の相異なる励磁位置に対応するパターンを持つ励磁電流により駆動されるステッピングモータと、
前記ステッピングモータに前記励磁電流を供給するドライバと、
予め前記規制端近傍の前記レンズ保持枠の原点位置に対応する所定の励磁位置を格納する原点位置記憶部と、
前記ドライバが供給する前記励磁電流における前記励磁位置の数を計数する計数部と、
前記原点位置格納部に格納された前記励磁位置を呼び出すとともに、前記ドライバを用いて前記ステッピングモータを駆動して、前記規制端近傍の前記原点位置まで前記レンズ保持枠を移動させて原点検出を行う一方、前記計数部をリセットする演算部とを備え、
前記原点位置記憶部に格納された前記励磁位置は、前記レンズ保持枠が前記規制端から離れる方向に磁気的な力をうける前記励磁位置である、レンズ駆動装置。 - 前記ステッピングモータは、中空円筒状のロータを有し、前記中空円筒にレンズ保持枠が保持される、請求項4に記載のレンズ駆動装置。
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