JP2006109209A - 画像評価方法、画像評価支援装置および画像処理装置 - Google Patents

画像評価方法、画像評価支援装置および画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 実用的な画像評価を行い得る画像評価方法を提供する。
【解決手段】 評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動66と、評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分68とに基づいて、画像の評価70,72を行う。本評価方法は、実空間における画像特性データに基づいて画像評価が行われるため、空間周波数特性の解析による画像評価と異なり、比較的低い周波数のノイズ、つまり、周期の比較的長い光学的特性値の変動を精度よく検出可能となる。また、知覚不能低周波変動成分を考慮した評価を行うことができるため、人間の視覚特性を前提とした実際的な評価を行うことが可能である。以上の理由から、画像形成ムラ等の画像の評価において、実用性の高い画像評価方法となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば画像形成装置等によって形成された画像の品質等に対する評価を行う方法、そのような画像の品質等に対する評価においてその評価を支援するために用いられる装置、自身の画像形成特性の評価を支援する機能を備えた画像処理装置に関する。
コピー機,プリンタ,ファックス等の画像形成装置によって形成された画像を評価する場合、あるいは、それらの画像形成装置の画像形成特性を評価する場合、一般的には、例えば、下記特許文献に記載されているようなフーリエ変換によって得られる空間周波数特性を解析することによって行われている。
特開2000−207560号公報 特開2000−194852号公報 特開平7−220083号公報 特開平1−286084号公報
上記特許文献に記載されているような空間周波数特性の解析による画像評価では、画像形成ムラ等の特性を表す画像ノイズパワースペクトルの低周波成分(周期の長いノイズ成分)の分解能が低いという問題を抱えている。その理由は、低周波成分のノイズのサンプリング数が少ないことにある。したがって、低周波側の評価精度を向上させる場合には、低周波のノイズ成分のサンプリング数を多くしなければならず、そのためには、画像情報を得るための領域であるサンプリング領域を大きくしなければならない。例えば、ある周期のノイズ成分を高精度に取得しようとすれば、サンプリング領域をその周期の少なくとも数倍〜数十倍の大きさとする必要がある。現在、汎用的な画像形成装置では、例えば、A4サイズの画像形成領域が確保されており、その画像形成装置の画像形成特性として、そのサイズの数分の一〜数十分の一の周期を有する画像形成ムラ等の程度を評価しようとすれば、少なくともA4サイズを超える領域、場合によっては、そのサイズの数倍〜数十倍のサイズを有する領域からのサンプリングを必要とする。つまり、このような広いサンプリング領域の画像を形成することは困難であり、そのようなサンプリング領域からの画像情報を取得して画像評価を行うことは、決して現実的とはいえない。
上記問題は、空間周波数特性の解析による画像評価方法の抱える問題の1つに過ぎず、従来の画像評価方法は、上記問題の他にそれに類するあるいはそれとは異なる種々の問題を抱えており、画像評価の実用性を向上させるための改善を行う余地が多分に残されている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用的な画像評価を行い得る画像評価方法、実用的な画像評価を支援することが可能な画像評価支援、あるいは、自身の画像形成特性の実用的な評価を可能とする機能を備えた画像処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像評価方法は、評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動と、評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分とに基づいて、画像の評価を行うことを特徴とする。また、本発明の画像評価支援装置は、上記特性値変動と上記知覚不能低周波変動成分とに基づいて評価画像の評価の指標となる評価指標を認定する機能を備えたことを特徴とする。さらに、本発明の画像処理装置は、画像形成デバイスと画像読取デバイスとを備え、その画像形成デバイスの画像形成特性を評価する際に、自身が備える画像読取デバイスによって読み取られた画像情報を基に上記特性値変動,上記知覚不能低周波変動成分を認定,推定し、それらに基づいて上記評価指標を認定する機能を備えたことを特徴とする。
本発明の画像評価方法,画像評価支援装置,画像処理装置は、上記特性値変動と上記知覚不能低周波変動成分とに基づく画像評価という点が、共通的の技術的特徴点となっている。従来の空間周波数特性の解析による画像評価が、パワースペクトルという周波数空間における画像特性データに基づいて行われるのに対して、本発明における特徴であるところの上記画像評価は、画像の座標位置に対応する光学特性値の変動を示すデータ、すなわち、実空間における画像特性データに基づいて行われる。したがって、上記画像評価によれば、先に説明したように、比較的低い周波数のノイズ、つまり、周期の比較的長い光学的特性値の変動を精度よく検出可能となる。また、上記知覚不能低周波変動成分を考慮した評価を行うことができるため、人間の視覚特性を前提とした実際的な評価を行うことが可能である。以上の理由から、上記画像評価を共通の特徴とする本発明によれば、実用性の高い画像評価方法,画像評価支援装置,画像処理装置が実現されることとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(5)項が請求項2に、(8)項が請求項3に、(11)項が請求項4に、(16)項が請求項5に、(17)項が請求項6に、(18)項が請求項7に、それぞれ相当する。また、(31)項が請求項8に、(81)項が請求項9に、それぞれ相当する。
(1)画像の評価を行う方法であって、
評価の対象となる評価画像についての画像データであってその評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得工程と、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定工程と、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定工程と、
前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記評価画像の評価を行う評価工程と
を含んで構成された画像評価方法。
本項に記載の態様は、請求可能発明である画像評価方法の基本的な一態様であり(以下、本項の態様を「基本的態様の評価方法」という場合がある)、簡単にいえば、上記特性値変動と上記知覚不能低周波変動成分とに基づく画像評価を行なうことを特徴とする。それら特性値変動および知覚不能低周波変動成分は、画像の座標位置に関係付けられた光学特性値の変動を示すデータ、つまり、実空間における画像特性データである。先に説明したように、従来の空間周波数特性の解析による画像評価方法では、パワースペクトルという周波数空間における画像特性データに基づいて行われているため、比較的低い周波数のノイズ、つまり、周期の比較的長い光学的特性値の変動を精度よく検出できないといった問題を抱えている。それに対して、本項に記載の画像評価方法によれば、周期の長い光学的特性値の変動を精度よく検出でき、画像の低周波ノイズの検出精度に優れた画像評価が可能となる。具体的にいえば、画像データをあるサイズのサンプリング領域において取得した場合、そのサイズの数分の一の周期を有する低周波的な変動に対しても、効果的な評価が可能となるのである。そういった利点を有する本項の態様の画像評価方法は、実用性の高い画像評価方法となる。
また、本項に記載の態様は、上記知覚不能低周波変動成分を考慮した評価を行うことを特徴とする。人間の視覚では、極めて長い周期の光学的特性値の変動は認識し得ない。具体的にいえば、例えば、A4サイズの画像を例にとれば、その長辺の長さが半周期ないし1,2周期あるいはそれ以上となる程度の緩やかな変動は知覚し得ないのである。したがって、そのような変動を除外して画像評価することによるデメリットは小さく、また、知覚可能な低周波的変動を正確に特定して評価することを考えれば、知覚不能な低周波的変動成分を除外することが望ましいのである。ここに挙げた例は一例ではあるが、知覚不能低周波変動成分を考慮すれば、人間の視覚特性に鑑みた実際的な画像評価を行うことが可能となるのである。その点において、本項の態様の画像評価方法は、実用性の高い画像評価方法となる。
画像評価の対象となる「評価画像」は、比較的単調なパターンの画像であることが望ましく、できれば、光学的特性値が画像全体において均一となること意図して形成された画像、つまり、ベタ画像であることが望ましい。また、「評価画像」は、画像評価がその画像を形成した画像形成装置の画像形成特性を評価するために行われるものである場合には、比較的周期の長い光学的特性値の変動を精度よく評価できるという当該評価方法の特徴に鑑みれば、できるだけ大きなサイズの画像であることが望ましく、できれば、画像形成装置が形成可能な最大の画像であることが望ましい。さらに、「評価画像」は、カラー画像(複数色によって構成された画像)であってもよく、また、モノクロ画像(単一色によって構成された画像)であってもよい。
「画像データ取得工程」で取得される「評価画像データ」は、画像評価の基礎となる画像データであり、評価画像についての上記「座標位置データ」と上記「光学的特性値データ」とを含んで構成されるものである。この「座標位置データ」は、例えば、評価画像が二次元画像である場合には、直交座標,極座標等の二次元座標で規定される座標位置を示す値のデータとすることが可能である。また、「光学的特性値データ」は、この座標位置に関連付けられており、光学的特性値をCと、座標位置を二次元直交座標系における値としての(x,y)とすれば、「評価画像データ」は、C(x,y)の形で表すことのできるデータの集合となる。また、ここでいう「光学的特性値」は、色相,明度,彩度等を数値化したものを採用することが可能である。具体的には、マンセル表色系,L***表色系,L**h表色系,ハンターLab表色系,XYZ(Yxy)表色系等の各種表色系の各パラメータや色差、三刺激値(X,Y,Z)等から選ばれる1以上のものを採用することが可能である。また、無彩色のベタ画像を評価画像とする場合等においては、濃度を光学的特性値として採用することが可能である。「光学的特性値」は、例えば、色彩計,分光色計,スキャナ等の画像情報読取デバイスを利用して測定することが可能であるが、測定して得られた光学的特性値を別の任意の光学的的測定値に変換し、その変換したものを光学特性値データを構成する光学的測定値とすることも可能である。「評価画像データ」は、評価画像の任意の一部の領域からサンプリングされたものであってもよく、また、評価画像の全領域にわたってサンプリングされたものであってもよい。本項の態様において、「画像データ取得工程」は、先に説明した画像情報読取デバイスを用いて光学的特性値を測定する工程を含んで構成されるものであってもよく、別途測定等されて得られた評価画像データを、画像データ取得工程の後に行われる工程において利用可能な状態に準備するような工程であってもよい。
「特性値変動認定工程」において認定される「特性値変動」は、座標位置に対応して光学的特性値がどのように変動しているかが理解できる限り、どのような態様で認定されてもよい。言い換えれば、特性値変動認定工程では、任意の座標位置における光学的特性値を把握可能であり、かつ、他の任意の座標位置における光学的特性値との関係が把握可能な態様として、特性値変動を認定すればよいのである。具体的にいえば、例えば、座標位置が二次元直交座標で規定されている場合に、先に説明したように、光学的特性値がC(x,y)の形で表されるデータの集合の態様として認定してもよく。また、座標位置をパラメータとするC=f(x,y)なる関数の態様で認定してもよい。また、「特性値変動認定工程」では、画像データ取得工程において取得された評価画像データをそのまま採用することによって特性値変動を認定してもよく、評価画像データに何らかの処理を施すことによって認定してもよい。何らかの処理として、具体的には、例えば、評価画像データの認定範囲をサンプリング領域の一部の領域のみに限定するような処理,極座標から直交座標といった具合に座標変換を行う処理,二次元の座標位置に関連付けられた評価画像データから特定の方向における一次元的な特性値変動を特定するような処理,得られている光学的特性値を他の光学的特性値に変換するような処理,所定の周波数成分を除外するような処理等、種々の処理を施して認定することが可能である。
「低周波変動成分推定工程」において推定される「知覚不能低周波変動成分」は、上記特性値変動に含まれる変動成分であり、人間の視覚によっては認識不能な長い周期を有するノイズ成分である。どの程度の周期を有する変動成分を知覚不能低周波変動成分としてを推定するかは、特に限定されるものではないが、先に説明したように、A4サイズの画像を例にとれば、その長辺の長さが半周期ないし1,2周期となる程度あるいはそれ以上の緩やかな変動は知覚不能であり、本工程では、例えば、そのような低周波的な変動成分を知覚不能低周波変動成分として推定することが可能である。「知覚不能低周波変動成分」は、どのような態様のものとして認定してもよく、前述の特性値変動と同様に、例えば、CLOW(x,y)の形で表されるデータの集合,CLOW=f(x,y)なる関数等、種々の態様のものとして認定することが可能である。評価画像データから知覚不能低周波変動成分を推定する具体的な処理は、特に限定されるものではない。知覚不能低周波変動成分を関数の態様で推定する場合には、例えば、後に説明するところの、座標位置をパラメータとする模擬関数を作成するような処理を行うことが可能である。また、座標位置に関係付けられた知覚不能低周波変動成分値データの集合の態様で推定する場合には、例えば、比較的大きな領域をサンプリング領域とする平均サンプリング法(後述する)に従う処理を行うことが可能である。なお、前述の特性値変動と同様に、座標変換を行う処理,一次元的な特性値変動を特定するような処理,他の光学的特性値に変換するような処理等を行うことも可能である。また、知覚不能低周波変動成分は、評価画像データに基づいて推定されるものであるが、上記低周波変動成分推定工程では、画像データ取得工程において取得された評価画像データに基づいて知覚不能低周波変動成分を直接的に推定してもよく、また、評価画像データを基に認定された上記特性値変動に基づいて推定する等、間接的に基づく推定をおこなってもよい。
「評価工程」の具体的な態様については、推定された知覚不能低周波変動成分を考慮しつつ、認定された特性値変動を基礎として評価が行われる限り、特に限定されるものではない。例えば、特性値変動と知覚不能低周波変動成分とを基に、それらに何らかの数学的あるいは統計学的手法に従う処理を施し、その処理結果に基づいて評価を行うような態様の工程とすることができる。具体的には、後に説明するように、特性値変動から知覚不能低周波変動成分を除外した低周波成分除外変動成分を認定し、その認定した変動成分に基づいて評価を行うことが可能である。また、評価は、単に画像の品位,品質の優劣を判定するといった単純なものであってもよく、どのような周期,振幅のムラが存在するか等を特定して画像の形成ムラを解析するといった複雑なものであってもよい。また、後に説明するように、評価の指標となる値を算出する等処理を行って、その指標値を基に評価を行うことも可能である。さらに、評価の目的についても特に限定されるものではなく、例えば、単に評価画像の画像品質,品位を特定することを目的とする評価であってもよく、その画像を形成した画像形成装置の画像形成特性を評価することを目的とする評価であってもよい。
本基本的態様の評価方法は、上記すべての工程あるいは一部の工程をコンピュータ等を用いて行うことができる。その場合、最終的な評価を評価者が行うようにしてもよく、また、最終的な評価をもコンピュータが行うようにしてもよい。
(2)前記評価工程において、前記評価画像の知覚可能な画像形成ムラの程度を評価する(1)項に記載の画像評価方法。
本項の態様は、上記基本的態様の評価方法において、評価工程における評価の項目を限定した態様である。本項にいう「画像形成ムラ」とは、画像の位置に応じた光学的特性値が一様でない現象を意味する。例えば、評価画像が、被画像形成材の所定の位置に所定の色材を所定所定量付着させて画像を形成するタイプの画像形成装置によって形成されたものである場合、その所定位置のずれ、色材の付着量の不正確さ等によって、画像の濃淡のムラ,色彩のムラ等の画像形成ムラが生じる。したがって、画像形成ムラの程度を評価することにより、画像形成装置の画像形成特性、例えば、その装置の精度,能力等を評価することが可能となる。画像形成装置に起因して生じる画像形成ムラは、例えば、周期的な光学的特性値の揺らぎとして現出することが多い。その揺らぎも比較的長い周期、つまり、比較的低周波的な変動として現出することが多い。具体的に言えば、例えば、画像形成装置が、画像形成ヘッドを有してそのヘッドを移動させつつ画像を形成するような装置である場合、被画像形成材をフィードする装置を有して被画像形成材をフィードしつつ画像を形成するような装置である場合等では、上記画像形成ヘッドの移動装置,フィード装置等の機構的な不具合,異常,劣化等が生じているときに、数mm〜数cm程度の周期的な変動として現れることが多い。基本的態様の評価方法は、先に説明したように、比較的低周波的な変動を正確に評価できる方法であることから、本項の態様の評価方法によれば、比較的低周波的な画像形成ムラの評価(「バンディング評価」と称することもできる)を精度よく行うことが可能となる。そのような特徴から、本態様の評価方法は、画像形成装置の画像形成特性の評価に好適な評価方法となる。
(3)前記特性値変動認定工程において前記評価画像の特定の一方向である特定方向における前記特性変動を認定し、前記低周波変動成分推定工程において前記評価画像の前記特定方向における前記知覚不能低周波変動成分を推定するとともに、前記評価工程において、前記特定方向における前記評価画像の評価を行う(1)項または(2)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、簡単に言えば、一次元的な評価を行う態様である。画像の光学的特性値の変動は、一定の方向において生じる場合が多い。具体的な例を挙げれば、例えば、評価画像を形成した画像評価装置が先に説明したような画像形成ヘッドの移動装置,被画像形成材のフィード装置等を有するものである場合、それらの装置の不具合等によって生じる光学的特性値の変動は、それら画像形成ヘッドの移動方向,被画像形成材の送り方向に生じ易いものとなる。本項の態様の評価方法は、光学的特性値の変動が一定方向において生じている画像の評価に適した評価方法となる。また、画像形成装置の画像形成特性の評価を目的とする画像評価に対して、好適な評価方法となる。評価画像データが二次元座標における座標位置に応じたデータである場合には、例えば、数学的,統計学的な手法を用いて特定方向における1次元化を行うことによって、特定方向における画像評価を行うことが可能である。なお、本項に記載の態様は、2以上の特定方向についての画像評価を行う態様を除外するものではない。例えば、任意の特定方向である第1方向についての画像評価を行い、かつ、第1方向と交差する別の特定方向である第2方向についての画像評価を行って、二次元的な画像の評価を行うことも可能である。
(4)前記評価工程において、前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記評価画像の評価の指標となる評価指標を認定し、その評価指標に基づいて前記評価画像の評価を行う(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の画像評価方法。
本項の態様における「評価指標」は、評価を支援するためのパラメータとしての意味を有するものである。評価指標を認定し、その評価指標を利用して評価を行うことにより、評価の利便性,容易性,正確性等が向上する。「評価指標」は、種々のものを採用可能であり、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、後に説明するところの、特性値変動から知覚不能低周波変動成分を除外した低周波成分除外変動成分の絶対値の最大値を始めとして、その変動成分の平均値,最大値と最小値との差といったものや、その変動成分が周期的な変動の様相を呈する場合においては、その周期,振幅といったもの等、種々のものを採用することが可能である。
(5)前記評価工程において、前記特性値変動から前記知覚不能低周波変動成分を除外した前記評価画像についての座標位置に応じた特性値変動である低周波成分除外変動成分を認定し、その低周波成分除外変動成分に基づいて前記評価画像の評価を行う(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の画像評価方法。
本項の態様における「低周波成分除外変動成分」は、人間の視覚によって認識可能な低周波的な光学的特性値の変動成分を含むものと考えることができる。したがって、その低周波成分除外変動成分に基づく画像評価を行う本項の態様によれば、比較的周期の長い光学的特性値の変動を評価する際に、人間の視覚に即した評価を行うことが可能となる。「低周波成分除外変動成分」は、どのような態様のものとして認定してもよく、前述の特性値変動,知覚不能低周波変動成分と同様に、例えば、CLOW(x,y)の形で表されるデータの集合,CLOW=f(x,y)なる関数等、種々の態様のものとして認定することが可能である。「低周波成分除外変動成分」の認定は、その具体的な処理が特に限定されるものではなく、数学的,統計学的な種々の手法にしたがって行うことが可能である。例えば、特性値変動と知覚不能低周波変動成分との両者が座標位置をパラメータとする関数として認定,推定されている場合には、前者から後者を減じた関数として認定することが可能でる。また、両者がデータの集合として認定,推定されている場合には、同じ座標位置における前者の特性値から後者の変動成分値を減じた低周波成分除外変動成分値がその座標位置に関連付けられたデータの集合として認定することが可能である。
(6)当該画像評価方法が、前記評価工程において、前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記評価画像の評価の指標となる評価指標を認定し、その評価指標に基づいて前記評価画像の評価を行う方法であり、
前記評価工程において、前記低周波成分除外変動成分に基づいて前記評価指標を認定し、その評価指標に基づいて前記評価画像の評価を行う(5)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様によれば、比較的周期の長い光学的特性値の変動を評価する際に、人間の視覚特性に即した評価を行うことが可能となるとともに、評価の利便性,容易性,正確性等を向させることが可能となる。
(7)前記評価工程において、前記評価指標として、前記低周波成分除外変動成分の絶対値が最大となる値である変動成分最大値を認定し、その変動成分最大値に基づいて評価画像の評価を行う(6)項に記載の画像評価方法。
本項の態様によれば、例えば、評価画像において画像形成ムラのもっとも大きい箇所の濃淡等の程度を認識することが可能となり、評価画像の品位を容易に評価することができる。また、評価画像が画像形成装置によって形成された場合において、その画像形成装置の画像形成特性の優劣を容易に評価することが可能となる。
(8)前記低周波変動成分推定工程において、前記評価画像データに基づいて、座標位置の変化に伴う光学的特性値の知覚不能な低周波的な変動を模する関数であって座標位置をパラメータとする関数である模擬関数を作成することで、前記知覚不能低周波変動成分を推定する(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、先に説明したところの、知覚不能低周波変動成分を関数で推定する態様の一態様である。本項に記載の「模擬関数」は、正確な変動成分を表す関数に近似する関数と考えることができる。変動成分を正確に関数で表現することは、ある程度の困難性が付きまとう。そのため、模擬関数を利用する本項に記載の態様は、簡便に、知覚不能低周波変動成分を関数として認定することが可能である。「模擬関数」は、例えば、二次元座標の座標位置をパラメータとする二元関数として模擬関数を作成することも可能であり、また、後に説明するように、特定方向の一次元座標の座標位置をパラメータとする一元関数として作成することも可能である。二元関数の模擬関数を作成する場合、その関数は、実空間において知覚不能低周波変動成分を模する近似曲面の関数となり、一元関数の模擬関数を作成する場合には、その関数は、近似曲線の関数となる。「模擬関数」の作成のための具体的な処理は、特に限定されるものではなく、数学的,統計学的な手法に従った種々の処理を採用することが可能である。後に説明する最小自乗法に従う処理は、その一例であり、模擬関数作成のための好適な処理である。また、模擬関数の次数(パラメータの次数ということもできる)は、特に限定されるものではない。比較的高次の模擬関数を作成することとすれば、概して近似度を高くすることができるが、作成の処理が煩雑となる。逆に、比較的低次の模擬関数を作成することとすれば、概して近似度は低いものの、作成の処理が簡便なものとなる。評価の精度,許容される処理時間等に配慮して、評価の目的等に応じて適切な次数の模擬関数を作成するようにすればよい。なお、模擬関数は、評価画像データに基づいて作成されるものであるが、画像データ取得工程で取得された評価画像データから直接作成してもよく、また、評価画像データを基に認定された特性値変動に基づいて作成する等、間接的に評価画像データに基づく作成を行ってもよい。
(9)当該画像評価方法が、前記特性値変動認定工程において前記評価画像の特定の一方向である特定方向における前記特性変動を認定し、前記低周波変動成分推定工程において前記評価画像の前記特定方向における前記知覚不能低周波変動成分を推定するとともに、前記評価工程において、前記特定方向における前記評価画像の評価を行う方法であり、
前記低周波変動成分推定工程において、前記模擬関数として、前記特定方向の座標位置をパラメータとするn次関数を作成する(8)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、簡単にいえば、前述の模擬関数を利用した一次元的な画像評価を行う態様である。先に説明したように、本項の態様においては、模擬関数は、近似曲線の関数となる。
(10)前記低周波変動成分推定工程において、前記評価画像データに対して最小自乗法に従う処理を行うことで、前記模擬関数を作成する(8)項または(9)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様では、最小自乗法によって模擬関数が作成される。「最小自乗法」は、近似関数を作成するのに、好適な数学的手法であり、その手法によれば、近似度の高い模擬関数が作成される。「最小自乗法」自体は、よく知られた手法であるため、ここでの詳しい説明は省略するが、本項の態様においては、例えば、座標位置をパラメータとする適当な次数の方程式を作成し、座標位置のデータとその座標位置の各々に対応する光学的特性値のデータとから、その方程式の各項の係数の値を決定することで、模擬関数を作成することが可能である。
(11)前記低周波変動成分推定工程において、次数が1以上4以下の前記模擬関数を作成する(8)項ないし(10)項のいずれかに記載の画像評価方法。
先に説明したように、模擬関数の次数は、近似度と処理の煩雑さとに影響を与える要素である。本項に記載の態様は、比較的低次の模擬関数を作成する態様である。比較的次数の低い模擬関数は、比較的単調な変動に対しての近似度が比較的高く、そのような変動を模する関数を比較的簡便に作成することが可能である。知覚不能低周波変動成分は、先に説明したように、かなり周期の長い変動であることから、比較的単調な変動と考えることができる。したがって、本項に記載の態様によれば、知覚不能低周波変動成分を模する模擬関数を、比較的簡便に作成することが可能となる。
(12)前記低周波変動成分推定工程において、互いに次数の異なる前記模擬関数を複数作成する(8)項ないし(11)項のいずれかに記載の画像評価方法。
模擬関数は、あくまでも近似的な関数であるため、必ずしも正確な変動を表現するものとはなっていない。したがって、次数の異なる模擬関数を複数作成することで、より正確な変動を推定することが可能となる。そのような理由から、本項に記載の態様によれば、知覚不能低周波変動成分を正確に推定することが可能となる。
(13)当該画像評価方法が、前記評価工程において、前記特性値変動から前記知覚不能低周波変動成分を除外した前記評価画像についての座標位置に応じた低周波成分除外変動成分を認定し、その低周波成分除外変動成分に基づいて前記評価画像の評価を行う方法であり、
前記低周波変動成分推定工程において、複数作成された前記模擬関数の各々によって、前記知覚不能低周波変動成分を複数推定し、
前記評価工程において、複数推定された前記知覚不能低周波変動成分に基づいて前記評価画像の評価を行う(12)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様には、例えば、複数作成した模擬関数の各々と特性値変動とに基づいて、模擬関数ごとの画像評価を行う態様が含まれる。そのような態様によれば、評価の正確性を向上させることが可能となる。
(14)当該画像評価方法が、記評価工程において、前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づく前記低周波成分除外変動成分に基づいて、前記評価画像の評価の指標である評価指標を認定し、その評価指標に基づいて、前記評価画像の評価を行う方法であり、
前記評価工程において、複数認定された前記低周波成分除外変動成分に基づいて前記評価指標を複数認定し、その複数認定された前記評価指標に基づいて、前記評価画像の評価を行う(13)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様によれば、比較的周期の長い光学的特性値の変動を評価する際に、人間の視覚特性に即した評価を行うことが可能となるとともに、評価の利便性,容易性,正確性等を向させることが可能となり、さらに、その評価の正確性を向上させることが可能となる。
(15)前記評価工程において、複数認定された前記評価指標の相互関係に基づいて評価に利用する1つの前記評価指標を決定し、その決定された評価指標に基づいて、前記評価画像の評価を行う(14)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様には、平たく言えば、複数の模擬関数に基づく評価の中から適切なものを選択し、その選択した評価を、最終的な評価とするといった態様が含まれる。そのような態様によれば、可及的に正確な画像評価を行うことが可能となる。先に説明したように、評価指標とは、画像評価を支援するためのパラメータとしての意味を有するものであり、本項にいう「複数認定された評価指標の相互関係」とは、例えば、各パラメータ値相互間の大小,それらパラメータ値のばらつき等を含む概念である。1つの評価指標の決定は、その手法が特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、複数の評価指標のうちの値が最も小さいものあるいは最も大きいものを選定する手法,複数の評価指標のうちの中間値となるものを選定する手法、複数の評価指標の値を平均したものを1つの評価指標とする手法等、種々の手法に従って1つの評価指標を決定することが可能である。
(16)前記特性値変動認定工程が、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって少なくとも知覚不能な高周波的な成分が除外された前記特性値変動を認定する(1)項ないし(15)項のいずれかに記載の画像評価方法。
知覚不能な周期的な変動は、低周波的なものだけではなく、高周波側にも存在する。つまり、ある程度周期の短い光学的特性値の変動も、人間の視覚によっては認識できない変動となる。具体的に言えば、例えば、数十μm以下の周期を有する変動も殆ど知覚不能と考えることができる。本項に記載の態様によれば、特性値変動認定工程において認定される特性値変動は、高周波的な変動成分が除外されたものとなっているため、低周波的な変動成分への配慮と併せることで、より人間の視覚特性に即した実際的な画像評価を行うことが可能となる。なお、本項の態様において、知覚不能な高周波的な成分を除外する処理は、具体的に限定されるものではない。例えば、後に説明する平滑化処理,フィルタ処理等を始めとして、数学的,統計学的手法に従う種々の処理を採用することが可能である。また、本項にいう「少なくとも知覚不能な高周波的な成分が除外された」とう概念は、その成分が完全に除去されたことのみを意味するものではない。より詳しく言えば、その概念には、知覚不能な高周波的な成分が人間の視覚特性に即した評価を行うのに充分な程度に除去されたことも含まれるのである。
(17)前記特性値変動認定工程が、前記評価画像データに対して平滑化処理を行って、前記少なくとも知覚不能な高周波的な成分が除外された特性値変動を認定する(16)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、高周波的な変動成分を除外する処理を具体的なものに限定した態様である。本項における「平滑化処理」は、実質的に知覚不能な周期の短い変動成分が除去されるものである限り、その具体的な手法が限定されるものではない。好適な処理として、例えば、平均サンプリング法に従う処理を採用することが可能である。平均サンプリング法は、よく知られた手法であるため、ここでの説明は省略するが、その手法に従う平滑化処理として、例えば、以下の処理を行うことが可能である。その処理は、特定の座標位置が存在する所定の座標領域に含まれる複数の座標位置の各々に対応する光学的特性値を、単純にあるいは何らかの重み付けをして平均し、その平均された光学的特性値を上記特定の座標位置に対応する光学的特性値に決定する処理を行い、座標位置をその処理を評価領域の全体にわたって変化させつつその処理を繰り返すことで、評価領域の全体において座標位置に対応する光学的特性値を決定するという処理である。平滑化処理は、比較的簡便に行いうる処理であることから、本項に記載の態様によれば、比較的簡便に、人間の視覚特性に即した評価を行うことが可能となる。
(18)前記特性値変動認定工程が、前記評価画像データに基づいて前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動であって前記特性値変動の基礎となる基礎特性値変動を認定し、その基礎特性値変動に対してフーリエ変換処理を行って空間周波数特性データを作成し、その空間周波数特性データに対して高周波成分を除外するフィルタ処理を施し、そのフィルタ処理を施した空間周波数データに対して逆フーリエ変換処理を行うことによって、前記特性値変動を認定する(16)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、高周波的な変動成分を除外する処理を具体的なものに限定した態様である。本項に掲げる3つの処理は、空間周波数解析における一般的な処理であるため、ここでの説明は省略する。ちなみに、「フィルタ処理」においては、高周波成分を除去するためのフィルタとして、VTF(Visual Transfer Funcution)を用いることができる。低周波変動成分推定工程において知覚不能低周波変動成分が推定されるため、本項の態様でのフィルタ処理において用いるVTFは、いわゆるハイカットフィルタとしてのみ機能するもの、つまり、低周波側の知覚変動成分を除外しないものを用いることが望ましい。上記3つの処理は、比較的簡便に行いうる処理であることから、本項に記載の態様によれば、比較的簡便に、人間の視覚特性に即した評価を行うことが可能となる。
(21)画像形成装置の画像形成特性を評価する方法であって、
評価の対象となる対象画像形成装置によって形成された評価の基礎となる評価画像についての画像データであって、その評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得工程と、
前記画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定工程と、
前記画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定工程と、
前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて前記評価画像の評価を行うことで、前記対象画像形成装置の画像形成特性を評価する評価工程と
を含んで構成された画像形成特性評価方法。
本項に記載の態様は、カテゴリーを画像形成特性評価方法とする請求可能発明の一基本的態様である。詳しい説明は、先の基本的態様評価方法における説明と重複するためここでは省略するが、画像は種々の画像形成装置によって形成されるものであるため、本項に記載の態様によれば、形成された画像を評価することで、その画像を形成した画像形成装置の画像形成特性、つまり、画像形成精度,画像形成能力等を容易に評価することが可能となる。つまり、本項に記載の態様によれば、前述の基本的態様の評価方法において説明した理由から、効果的に、画像形成装置の画像形成特性を評価することが可能となり、本項の態様の画像形成特性評価方法は、実用的な評価方法となる。なお、本項に記載の画像形成特性評価方法は、画像評価方法に関する上記各態様の技術的特徴を適用させた各種の態様で実施することが可能である。
(31)画像の評価を支援する装置であって、
評価の対象となる評価画像についての画像データであってその評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得部と、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定部と、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定部と、
前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記評価画像の評価の指標となる評価指標を認定する評価指標認定部と
を含んで構成された画像評価支援装置。
(41)画像形成装置の画像形成特性の評価を支援する装置であって、
評価の対象となる対象画像形成装置によって形成された評価の基礎となる評価画像についての画像データであって、その評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得部と、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定部と、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定部と、
前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記対象画像形成装置の画像形成特性の評価の指標となる前記評価画像に関する評価指標を認定する評価指標認定部と
を含んで構成された画像形成特性評価支援装置。
上記2つの項に記載の態様は、それぞれ、先に掲げた態様とは異なるカテゴリーに属する請求可能発明の一基本的態様である。言い換えれば、上記基本的態様の画像評価方法,画像形成特性評価方法のそれぞれの少なくとも一部を実行する装置に関する態様である。上記2つ項の態様の支援装置は、それぞれ、コンピュータを主体とする構成の装置とすることが可能である。2つの支援装置についての詳しい説明は、上記基本的態様評価方法における説明と重複するため、ここでは省略する。なお、上記2つの項の態様の支援装置の各々は、画像評価方法に関する上記各態様の技術的特徴を適用させた各種の態様のものとすることが可能である。
(51)画像を評価するにあたってコンピュータによって実行されるプログラムであって、
評価の対象となる評価画像についての画像データであってその評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定ステップと、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定ステップと、
前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記評価画像の評価の指標となる評価指標を認定する評価指標認定ステップと
を含んで構成された画像評価支援プログラム。
(61)画像形成装置の画像形成特性を評価するにあたってコンピュータによって実行されるプログラムであって、
評価の対象となる対象画像形成装置によって形成された評価の基礎となる評価画像についての画像データであって、その評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定ステップと、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定ステップと、
前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記対象画像形成装置の画像形成特性の評価の指標となる前記評価画像に関する評価指標を認定する評価指標認定ステップと
を含んで構成された画像形成特性評価支援プログラム。
(71)(51)項または(61)項に記載のプログラムがコンピュータによって読取可能に記録された記録媒体。
上記3つの項に記載の態様は、それぞれ、先に掲げた態様とは異なるカテゴリーに属する請求可能発明の一基本的態様である。例えば、前述の基本的態様の2つの支援装置がコンピュータを主体とする構成のものとされている場合に、それらの支援装置を作動させるためのプログラムあるいはそのプログラムが記録された記録媒体とと考えることができる。上記3つの項の態様についての詳しい説明は、前述の基本的態様の評価方法における説明と重複するため、ここでは省略する。なお、上記3つの項の態様の支援プログラムおよび記録媒体の各々は、画像評価方法に関する上記各態様の技術的特徴を適用させた各種の態様のものとすることが可能である。
(81)被画像形成材に画像を形成する画像形成デバイスと、被画像形成材に形成された画像の情報を読み取り可能な画像情報読取デバイスと、自身を制御する制御デバイスとを備えた画像処理装置であって、
前記制御デバイスが、
前記画像形成デバイスを制御して、被画像形成材に当該画像形成装置の画像形成特性を評価するための評価画像を形成させる評価画像形成制御部と、
前記画像情報読取デバイスを制御して前記評価画像の画像情報を読み取り、その画像情報に基づいて、前記評価画像についての画像データであってその評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得部と、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定部と、
前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定部と、
前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記画像形成デバイスの画像形成特性の評価の指標となる前記評価画像に関する評価指標を認定する評価指標認定部と
を有して前記画像形成デバイスの画像形成特性の評価を支援する画像形成特性評価支援部を備えた画像処理装置。
本項に記載の態様は、カテゴリーを画像処理装置とした請求可能発明の基本的な一態様である。平たく言えば、画像形成装置と画像情報読取装置とを複合化させた画像形成装置であり、具体的には、例えば、画像情報読取デバイスとしてのスキャナ部と画像形成装置としてのプリンタ部とを備えた複合型プリンタ装置等が相当する。そのような装置においては、例えば、それらプリンタ部,スキャナ部等を制御するコンピュータを主体とする制御ユニット等が、制御デバイスとして機能するものとなる。本項に記載の態様によれば、自身の画像形成デバイスの画像形成特性を評価するための支援機能を備えた画像処理装置が実現され、その画像処理装置は、実用性が向上させられた装置となる。その支援機能に関する詳しい説明は、上記基本的態様の評価方法における説明と重複するため、ここでは省略する。なお、本項の態様の画像処理装置は、画像評価方法に関する上記各態様の技術的特徴を上記制御デバイスに適用させた各種の態様のものとすることが可能である。
以下、本発明の一実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。ちなみに、下記実施例は、画像処理装置としての複合型のプリンタ装置に関する実施例である。
<プリンタ装置のハード構成の概要>
図1に、本複合型プリンタ装置の全体斜視を示す。本プリンタ装置10は、イメージスキャナを備える複合機であり、ハード的に言えば、画像形成デバイスとしてのプリンタ部12,画像情報読取デバイスとしてのスキャナ部14,制御デバイスとしての制御ユニット16,操作パネル18等を含んで構成されている。
プリンタ部12は、画像形成装置として機能する部分であり、インクジェット方式の一般的な構造のものである。色材(画像形成材)としてのインクは、黒インク(b)と、シアン(c),マゼンタ(m),イエロー(y)の三色のカラーインクとが用いられる。それぞれのインクは、所定の収容容器に収められ、それら収容容器は、プリンティングヘッド20(以下、単に「ヘッド20」と略す場合がある)に装着されている。ヘッド20は、それぞれが複数のノズルを備えてそれぞれのインクを射出する4つのインク射出機構を有するとともに、ヘッド移動装置22に保持されている。このヘッド移動装置22によって、ヘッド20は、図に示す横方向であるY方向に移動させられる。被画像形成材である印刷用紙24(以下、「シート24」という場合がある)は、プリンタ装置10の背面側から1枚ずつ供給され、シートフィード装置26(以下、単に「フィード装置26」という場合がある)によって、詳しく言えば、それが備える送りローラ28を回転によって、送り方向であるX方向に送られる。つまり、ヘッド移動装置22によってヘッド20がY方向に往復運動させられつつ、シート24がフィード装置26によってX方向に間欠的に送られることで、シート24の全面に画像が印刷される。ちなみに、このプリンタ部12は、A4サイズのシートまで印刷可能とされている。
スキャナ部14は、フラットベッド方式の一般的な構造のものである。受光素子であるCCD素子と光源であるLED素子とがそれぞれY方向に一直線上配置されたスキャニングヘッド30が、ヘッド移動装置32によってX方向に移動させられる構造とされている。スキャニングヘッド30がヘッド移動装置32によって、一方向に移動されられることで、ベッドに載置された読取対象物の表面に形成された画像の画像情報が、イメージとして取り込まれる。ちなみに、スキャナ部14も、A4サイズの大きさの読取対象物の画像情報を読取可能とされている。
制御ユニット16は、CPU,RAM,ROM,画像処理ユニット,入出力インタフェース,それらを繋ぐバス等を含んで構成されるコンピュータを主体とするものである。制御ユニット16は、プリンタ部12,スキャナ部14等の作動を制御する機能を有するものとされている。
<プリンタ部の画像形成特性>
プリンタ部12は上記構造のものであり、それを構成する構成要素のステータスによって、プリンタ部12の画像形成特性、つまり、印刷される画像の品位、画像形成能力等が左右される。例えば、インクはノズルから射出されてシート24の表面にドットとして付着させられるが、インクの射出量等の変動によって、ドットの大きさが変動することになる。このドットの大きさの変動が、画像の濃淡,色彩の揺らぎ等の原因となる。また、ヘッド20がヘッド移動装置22によって移動させられ、かつ、シート24がフィード装置26によって送られつつ画像が印刷されるため、ヘッド移動装置22,フィード装置26によるヘッド20の移動速度,シート24の送り速度の変動も、画像の濃淡,色彩の揺らぎ等の原因となる。ヘッド移動装置22,フィード装置26は、送りローラ28等を有するローラ機構,ギヤ機構等によって構成されており、それらの機構の摩耗等の劣化,調整の不備等により、ヘッド20の移動速度,シート24送り速度が周期的な変動を呈する。それらの周期的な変動は、印刷された画像の周期的な濃淡,色彩の揺らぎ等、つまり、画像の位置に応じた光学的特性値の周期的な変動を生じさせることなる。この変動は、画像を見る人に画像形成ムラとして知覚される。そのような原因による揺らぎの周期は、数mm〜数十mm程度の比較的長い周期となり、その周期的な変動は、比較的低周波的な変動となる。
また、プリンタ部12によって印刷される画像は、プリンタ部12の構造等に起因して、知覚不能な低周波的な光学的特性値の変動が生じる。例えば、送りローラ28に対するシート24の不可避的なすべり、ヘッド移動装置22が備えてヘッド20をガイドするガイド部材の反り等に起因して、かなり周期の長い光学的特性値の変動が生じる。この知覚不能な低周波的な変動成分は、それの周期が、例えば、A4サイズの長手方向の長さを半周期ないし1,2周期となる程度に長いものとなる。
本プリンタ部12の画像形成特性は種々の評価項目において評価可能であるが、本実施例では、特に、先に説明したところの画像形成ムラ、つまり、印刷された画像の比較的長い周期の光学的特性値の変動を中心に評価するものとする。つまり、上述したようなヘッド移動装置22,フィード装置26に起因する光学的特性値の変動に着目し、その変動の程度(例えば、揺らぎの振幅等)を評価項目とすることで、プリンタ部12の画像形成特性を評価するものとする。また、その評価にあたって、上記知覚不能低周波成分を考慮することで、人間の視覚特性に即した評価が行われるようにされており、そのことにも触れつつ、画像形成特性の評価について説明する。
<制御ユニットの機能構成>
本プリンタ装置10は、上述したようなプリンタ部12の画像形成特性の評価を支援するための機能を備えている。その評価の支援に関する処理は、コンピュータによるデータ処理を中心とした処理であり、本プリンタ装置10では、制御ユニット16がその処理を担うものとされている。図2に、制御ユニット16の上記評価支援機能に関する機能構成を中心的に表す機能ブロック図を示し、以下、その図を参照しつつ、制御ユニット16の機能構成を説明する。
制御ユニット16は、入出力インタフェース(I/O)50を有しており、スキャナ部14,プリンタ部12,操作パネル18,外部コンピュータ52が、このI/O50のポートに接続されている。制御ユニット16は、プリンタ部12,スキャナ部14の各々の動作を制御するプリンタ部動作制御部54,スキャナ部動作制御部56を有している。本プリンタ装置10は、通常の印刷処理,画像情報読取処理は、外部コンピュータ52の指令およびそれから入力される情報に基づいて行うようにされており、プリンタ部動作制御部54,スキャナ部動作制御部56は、そのような通常処理に関するプリンタ部12,スキャナ部14の制御を行うようにされている。
制御ユニット16は、プリンタ部12の画像形成特性の評価を支援する一連を処理を実行する画像形成特性評価支援部60を備え、画像形成特性評価支援装置として機能するものとされている。上記画像形成特性評価支援部は60は、上記一連の処理の各々を実行する部分として、評価画像形成制御部62,画像データ取得部64,特性値変動認定部66,低周波変動成分推定部68,評価指標認定部70,評価判定部72,評価関連情報出力制御部74を備えている。
上記画像形成特性評価支援部60が備える各機能部は、簡単に説明すれば、以下のような機能を有する機能部である。評価画像形成制御部62は、プリンタ部12をプリンタ部動作制御部54を介して制御することで、所定の評価画像形成データに基づいて、プリンタ部12に自身の画像形成特性の評価のための評価画像を印刷させる処理を行う。画像データ取得部64は、スキャナ部14をスキャナ部動作制御部56を介して制御することで、スキャナ部14によって評価画像の画像情報を読み取らせ、その画像情報に基づいて、後に詳しく説明する評価画像データを取得する処理を行う。特性値変動認定部66は、取得された評価画像データに基づいて、後に詳しく説明する評価画像についての特性値変動を認定する処理を行う。低周波変動成分推定部68は、評価画像データに基づき認定された上記特性値変動に基づいて、後に詳しく説明する知覚不能低周波変動成分を推定する処理を行う。評価指標認定部70は、上記特性値変動と上記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、後に詳しく説明する評価指標を認定する処理を行う。評価判定部72は、認定された上記評価指標に基づいて、プリンタ部12の画像形成特性の良・不良を判定する処理を行う。評価関連情報出力制御部74は、上記評価指標と上記判定の結果とを出力するための処理、つまり、操作パネル18にそれらを表示させる処理を行う。
上記一連の処理は、制御ユニット16が後に詳しく説明する2つの制御プログラムである評価画像形成プログラムおよび評価支援プログラムを実行することによって行われる。それらのプログラムは、制御ユニット16が備えるデータ・プログラム格納部80に格納されている。また、そのデータ・プログラム格納部80には、先に説明した評価画像形成データ,評価画像データ,特性値変動,知覚不能低周波変動成分,評価指標等が格納され、また、上記一連の処理において用いられる各種の関数,各種のパラメータの値,各種の閾値等が格納されている。なお、データ・プログラム格納部80は、記録媒体の一種であるROMおよびRAMによって構成されている。
<画像形成特性評価を支援する処理>
画像形成特性の評価を支援するための一連の処理(以下、単に「支援処理」と略する場合がある)は、先に説明したように、制御ユニット16が、図3にフローチャートで示す評価画像形成プログラム、および、図4にフローチャートで示す評価支援プログラムを実行することによって行われる。以下、それらのフローチャートに沿って、各プログラムを構成する各ステップの内容、つまり、それらのステップが実行されることによって行われる工程の内容について詳しく説明することで、本制御ユニット16による画像形成特性の評価の支援方法を説明する。
(a)評価画像形成工程(評価画像形成ステップ)
本評価画像形成工程における処理は、評価画像形成制御部62によって行われ、評価画像形成プログラムが実行されることで行われる。プリンタ部12に所定のA4サイズの評価用のシート24をセットした後、操作パネル18に所定の操作がなされることによって、評価画像形成プログラムの実行が開始される。
評価画像形成プログラムは、2つのステップから構成され、最初のステップであるステップ11(以下、単に「S11」と略する、他のステップも同様である)では、データ・プログラム格納部80に格納されている評価画像形成データが読み出される。評価画像形成データは、評価画像を印刷するためのインク色とそのインク色のインクを射出するシート24における位置に関するデータである。本支援処理では、均一な黒の単一色画像、詳しくいえば、淡いグレーのベタ画像を、評価画像として、シート24の略全面に印刷するものとされており、そような評価画像が印刷されるような評価画像形成データとされている。より詳しく言えば、真黒を0と、真白を255とした場合における224の階調レベルのグレーとされており、プリンタ部12が描点可能な最密なドット配置における各ドット位置のうち、均一に分散した所定の割合のドット位置のみにドットが形成されるようなデータとされている。
続くS12では、上記読み出された評価画像形成データに基づいて、所定の評価画像を印刷する旨の指令が、プリンタ部動作制御部54に発せられる。プリンタ部動作制御部54は、その指令に基づいてプリンタ部12を制御し、プリンタ部12に所定の評価画像を印刷させる。このS12を終了して本評価画像形成プログラムの実行を終了する。評価画像形成プログラムが実行されて、所定の評価画像がシート24の表面に形成される。
(b)画像データ取得工程(画像データ取得ステップ)
画像形成データ取得工程以降の工程は、評価支援プログラムが実行されて行われる。評価画像が印刷されたシート24をスキャナ部14にセットした後、操作パネル18に所定の操作が行われることによって、評価支援プログラムの実行が開始される。
画像データ取得工程は、画像データ取得部64に行われ、評価支援プログラムにおけるS21が実行されて行われる。S21では、まず、評価画像の全領域にわたる画像情報がスキャナ部14によって読み取られる。スキャナ部14によって読み取られる画像情報は、読み取り可能な物理的画素ごとの輝度データであるが、評価画像の各ドットが複数個含まれるように二次元的に隣接する複数の物理的画素(例えば、4,9,16等の画素)が1つの理論画素として設定されており、その理論画素を構成する物理的画素の輝度(光学的特性値の一種である)が合計されたものが、その理論画素ごとの輝度データとされる。理論画素の各々は、前述のX方向,Y方向の各々に延びる2つの直交する軸によって規定される二次元直交座標(X,Y)における座標位置が割り当てられており、画像情報は、評価画像の各座標位置に対応する輝度のデータの集合として読み取られることになる。続いて、各座標位置における輝度が、L***表色系の明度L*(光学的特性値の一種である、以下、単に「L」と表す)に変換される。この変換処理によって得られた各座標位置における明度Lは、複数のドットが含まれる理論画素の領域の各々における平均明度となる。評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における明度Lのデータとを含む画像データが、評価画像データとして取得される。この取得された評価画像データは、データ・プログラム格納部80に格納される。
図5に、上述の処理によって取得された評価画像データを模式的に表すチャートを示す。このチャートは、明度Lの変動を解りやすく表現するため、あるY座標位置におけるX方向(A4のシートの長手方向)の座標位置に対応する明度Lを示すものとなっている。ちなみに、このチャートの横軸のフルスケールは、A4サイズの長手方向の長さに略等しい長さとされており、このチャートは評価画像全体の明度Lの変動を示すものとなっている。チャートから解るように、X座標位置の変化に対応する明度Lの変動は、高周波的な変動成分、詳しくは、知覚不能な高周波的な変動成分を多く含んでいる。なお、異なるY座標位置においても、また、X座標位置を固定した場合におけるY座標位置の変化に対応する明度Lの変動についても同様に、高周波的な成分を含むものとなっている。
(c)特性値変動認定工程(特性値変動認定ステップ)
続く、特性値変動認定工程は、特性値変動認定部66によって行われ、S22が実行されることによって行われる。この工程の処理は、評価を容易にするために、格納されている評価画像データに対して、上述の高周波的な変動成分、詳しくは、少なくとも知覚不能な高周波的な変動成分を除外する平滑化処理を行って、座標位置に応じた明度の変動である明度変動を認定する処理である。この平滑化処理は、平均サンプリング法に従う処理であり、特定方向の明度変動を表す一次元化処理をも同時に行う処理とされている。
図6に、平滑化処理を概念を示す。図に示す処理は、特定方向であるX方向について一次元化する場合の処理である。評価画像の全体領域内において、X軸座標位置がxとなるY軸に平行な基準線を設定し、その基準線を中心線とした画素数2kの幅を有し、かつ、Y方向において評価画像の幅と等しい幅(画素数nの幅)を有する処理領域(図において網掛けを施した領域)を設定する。そして、この処理領域のすべての画素、つまり、ずべての座標位置における明度Lの値を所定の重み付けをした上で、それらの平均を求め、その平均の値を座標位置xにおける明度Lと認定する処理を行う。このような処理を、処理領域をX方向に1画素づつ移動させつつX方向の全域にわたって行うことで、X方向における座標位置xに応じた明度Lの変動が認定されることななる。
上記平滑化処理によって得られるところの、X方向における座標位置xに応じた明度Lのデータ値、すなわち、本工程で認定される特性値変動I(x)は、以下のような式となる。
Figure 2006109209
なお、上記式において、Mat(i,j)は、平滑化のための係数マトリクスであり、評価の目的,項目等に応じて任意に設定することが可能であり、場合によって重み付けをしないようなマトリクスを採用することも可能である。また、本実施例においては、上記処理領域のX方向における半値幅kは5画素程度とされているが、その幅も、評価の目的,項目等に応じて任意に設定することが可能である。
図7に、上記平滑化処理によって、得られた明度変動を模式的に表すチャートを示す。ちなみに、このチャートの網掛けの部分は、図5に示す評価画像データの明度値が存在する部分を示している。チャートから解るように、その明度変動は、高周波的な変動成分、詳しくは、少なくとも知覚不能な高周波的な成分が除外され、比較的緩やかな変動の様相を呈している。そして、評価画像には、何某かの画像形成ムラが存在していることが解る。後に明らかにするが、チャートが示す明度変動には、A4サイズの長手方向の長さの数分の1程度の周期を有する変動成分と,その長手方向の長さが半周期ないし1周期程度となるかなり周期の長い変動成分とが潜んでいる。
上記平滑化処理の説明では、X方向の明度変動についてのみ説明したが、本特性値変動認定工程では、Y方向の明度変動も、同様の処理によって認定される。本工程によって認定された明度変動は、座標位置データと個々の座標位置に対する明度データとを含む特性値変動データとして、データ・プログラム格納部80に格納される。なお、上記特性値変動工程では、例えば、X方向の明度変動を認定する場合、Y方向において評価画像の幅と等しい幅の処理領域を設定して平滑化処理を行っているが、処理領域を評価画像の一部に限定し、評価画像のある幅を有する一部の領域において、特定方向の明度変動を認定することも可能である。
(d)低周波変動成分推定工程(低周波変動成分推定ステップ)
続く低周波変動成分推定工程は、低周波変動成分推定部68によって行われ、S23が実行されることによって行われる。この工程の処理は、知覚不能な低周波的な明度変動の成分を推定する処理である。具体的には、格納されている特性値変動データを基に、低周波変動成分を模する模擬関数、換言すれば、正確であると考えられる低周波変動成分を近似する関数を作成する処理が行われる。模擬関数は特定方向であるX方向,Y方向の各々について、座標位置をパラメータとする一元関数として作成される。本低周波変動成分推定工程では、X方向,Y方向について、それぞれ、互いに次数の異なる4つの模擬関数、詳しく言えば、1次から4次までの模擬関数が作成される。
X方向について作成される4つの模擬関数は、それぞれ、以下の式で定義される関数である。
1’(x)=a1*x+b1
2’(x)=a2*x2+b2*x+c2
3’(x)=a3*x3+b3*x2+c3*x+d3
4’(x)=a4*x4+b4*x3+c4*x2+d4*x+e4
模擬関数の作成は、特性値変動認定工程において認定された明度変動のデータに基づき、最小自乗法に従って各模擬関数の各項の係数が決定することによって行われる。本低周波変動成分推定工程では、そのような4つの模擬関数の態様で、座標位置に応じた知覚不能低周波変動成分I1’(x)〜I4’(x)が推定される。Y方向に関しても、同様の4つの模擬関数の態様で推定される。なお、X方向,Y方向のそれぞれに対して作成された模擬関数は、データ・プログラム格納部80に格納される。
図8に、上記4つの模擬関数を代表して、3次の模擬関数I3’(x)、詳しく言えば、その模擬関数として推定される知覚不能低周波変動成分を模式的に表すチャートを示す。このチャートの網掛けの部分は、図5に示す評価画像データの明度値が存在する部分をしめしている。このチャートから解るように、知覚不能低周波変動成分は、A4サイズの長手方向の長さが半周期ないし1周期程度となる低周波的な変動であり、模擬関数は知覚不能低周波変動成分を良好に模するものとなっている。
(d)評価指標認定工程(評価指標認定ステップ)
次の評価指標認定工程は、評価指標認定部によって行われ、S24以降が実行されることによって行われる。評価指標認定工程では、S24〜S26の3つのステップが順次実行される。以下に、それらのステップの各々の内容、すなわち、それらのステップの尾野のが実行されて行われる工程の内容について説明する。
i )低周波成分除外変動成分認定工程(低周波成分除外変動成分認定ステップ)
評価指標認定工程では、まず、S24が実行されることによって、低周波成分除外変動成分認定工程が行われる。本工程における具体的処理は、X方向に関して言えば、次式に従って、格納されている特性値変動I(x)から格納されている知覚不能低周波変動成分I1’(x)〜I4’(x)をそれぞれ減じることで、座標位置xに応じた低周波成分除外変動成分I1”(x)〜I4”(x)をそれぞれ認定する処理、つまり、求差処理である。
1”(x)=I(x)−I1’(x)
2”(x)=I(x)−I2’(x)
3”(x)=I(x)−I3’(x)
4”(x)=I(x)−I4’(x)
Y方向についても、同様の式に従って、低周波成分除外変動成分が認定される。本工程では、模擬関数の数に応じて、X方向,Y方向それぞれに、4つずつの低周波成分除外変動成分が認定され、各低周波成分除外変動成分は、データ・プログラム格納部80に格納される。
図9に、X方向について認定された4つの低周波成分除外変動成分を代表して、3次の模擬関数として推定された知覚不能低周波変動成分I3’(x)に対応する低周波成分除外変動成分I3”(x)を模式的に表すチャートを示す。このチャートから解るように、本低周波成分除外変動成分認定工程における処理によって、知覚不能低周波変動成分が効果的に除外され、知覚可能な比較的周期の長い変動成分がはっきりと現出することになる。ちなみに、チャートに示されている低周波除外変動成分は、A4サイズの長手方向の長さの数分の1程度の周期を有する変動成分となっている。この周期はフィード装置26が備える送りローラ28の周長と一致しており、その変動成分は、その送りローラ28の偏心に起因する変動成分である可能性が高いと推測することができる。
ii )評価指標仮認定工程(評価指標仮認定ステップ)
続いて、S25が実行されることで、評価指標仮認定工程が行われる。本工程では、X方向,Y方向の各々に関して、格納されている上記4つの低周波成分除外変動成分の各々についての絶対値の最大値である変動成分最大値IMAX・1”〜IMAX・4”を求める処理が行われ、それぞれが、評価指標として仮認定される。ちなみに、上記低周波成分除外変動成分I3”(x)についての変動成分最大値IMAX・3”は、図9のチャートに示す箇所の値であり、その値が評価指標として仮認定される。なお、それらの仮認定された評価指標は、データプログラム格納部80に格納される。
iii)評価指標選定工程(評価指標選定ステップ)
次に、S26が実行されることによって評価指標選定工程が行われる。本評価指標選定工程では、X方向,Y方向の各々に関して、仮認定されて格納されている4つの変動成分最大値IMAX・1”〜IMAX・4”の相互関係に基づいて、それらの中から1つの評価指標が本評価指標認定工程における評価指標として選定される。より具体的に言えば、4つの変動成分最大値IMAX・1”〜IMAX・4”のうちのもっとも小さな値となる最小変動成分最大値[IMAX”]MINが、1つの評価指標として認定される。
先に説明したように、4つの模擬関数はいずれも知覚不能低周波変動成分を近似するものであり、推定された4つの知覚不能低周波変動成分のいずれが最も正確に推定されたかは、定かではない。本工程では、そのことに鑑み、最も正確に推定された知覚不能低周波変動成分に基づく評価指標であると擬制して、上記最小変動成分最大値[IMAX”]MINを、1つの評価指標として認定することとしている。
(e)評価判定工程(評価判定ステップ)
続く評価判定工程は、評価判定部72によって行われ、S27が実行されることによって行われる。本評価判定工程では、X方向,Y方向の各々において、認定されている評価指標である最小変動成分最大値[IMAX”]MINが、設定されている閾値Is”を超えているか否かが判断され、X方向,Y方向のいずれかにおいて、最小変動成分最大値[IMAX”]MINが閾値Is”を超えている場合に、プリンタ部12の画像形成特性が不良であると判定され、いずれにおいても閾値Is”を超えていない場合に、良好であると判定される。
(f)評価関連情報出力工程(評価関連情報出力ステップ)
次の評価関連情報出力工程は、評価関連情報出力制御部74によって行われ、S28が実行されることによって行われる。本工程では、先の判定結果と、X方向,Y方向のおのおのについて認定されている評価指標の値とを、評価関連情報として出力させるための処理が行われる。具体的には、操作パネル18に対して指令が発せられ、操作パネル18のディスプレイにそれら評価関連情報が表示される。
以上の各工程が順次行われて、プリンタ部12の画像形成特性の評価を支援するための一連の処理が終了する。操作パネル18に表示された評価関連情報は、画像形成特性の評価にとって有用な情報であり、本プリンタ装置10は、自らの処理によってそのような有用な情報を出力可能とされていることで、実用性に富んだ装置となっている。なお、上記支援処理によれば、評価画像の画像形成ムラ、詳しく言えば、比較的周期の長い光学的特性値の変動を伴うムラの程度が評価されることになり、その支援処理は、その評価画像の画像形成ムラの程度の評価によって、プリンタ部12の画像形成特性が評価されるような処理となっている。
(g)特性値変動認定工程の変形例
特性値変動認定工程においては、上記平滑化処理に代えて、フーリエ変換処理→フィルタ処理→逆フーリエ変換処理という一連の処理を行うことによって、特性値変動を認定することも可能である。X方向に関して説明すれば、本変形例の特性値変動認定工程では、評価画像データの同じX座標位置におけるすべての座標位置の明度値Lを平均し、X座標位置xに応じた1次元の明度値の変動を示すデータL(x)を作成する。このデータを基に、次式に従うフーリエ変換処理を行なって、空間周波数特性関数F(u)を求める。
Figure 2006109209
ちなみに、上記式のMは、評価画像データのX方向の座標位置数(理論画素数)である。次に、次式に従って、空間周波数特性F(u)に、視感度フィルタであるVTF(u)を乗じるフィルタ処理を行って、視感度を考慮した補正が施された補正空間周波数特性関数F’(u)を求める。
F’(u)=VTF(u)*F(u)
ここで、本フィルタ処理に用いるVTF(u)は、ハイカットフィルタとして機能するものであることから、図10に示すプロフィールを有しており、低周波成分の除去は行わないような関数とされている。なお、このVTF(u)は、少なくとも知覚不能な高周波的な変動成分を除外するものとされればよく、どの程度の高周波的成分を除外するかについては、評価の目的等に応じて任意に設定することが可能である。続いて、補正空間周波数特性関数F’(u)に対して、次式に従う逆フーリエ変換処理を行って、特性値変動I(x)を認定する。
I(x)=FFT-1(F’(u))
ちなみに、FFT-1は、上記〔数2〕の式に示す変換関数の逆関数である。このような一連の処理によっても、少なくとも知覚不能な高周波的な変動成分が除外された特性値変動を認定することが可能である。なお、Y方向に関しても、同様な処理によって、特性値変動が認定される。
なお、フーリエ変換処理,フィルタ処理,逆フーリエ変換処理を採用する特性値変動認定工程は、2次元直交座標に関係付けられた明度データを、二次元フーリエ変換処理を行い、次いで極座標変換を行い、その後にフィルタ処理、逆フーリエ変換処理を行うことで、方向の特定されていない特性値変動(方位の特定されていない半径方向の特性値変動を意味する)を認定することも可能である。その処理は一般的な処理であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
(h)その他の変形例
上記実施例では、評価画像を黒の単一色画像としたが、評価画像を複数色のインクを用いたカラー画像として、プリンタ部12の画像形成特性を評価することも可能である。その場合、L***表色系の明度L*のみならず、光学的特性値としてのa*,b*の値についても同様の処理を行い。それらの特性値変動,知覚不能低周波成分変動に基づいて、評価指標を認定し、評価判定を行えばよい。評価画像をカラー画像として支援処理を行えば、色彩の揺らぎ、ひいては、複数色のインクについての画像形成特性の相関関係をも評価することが可能となる。
また、上記実施例では、評価指標として、低周波成分除外変動成分についての変動成分最大値を認定し、それを出力するようにされていたが、例えば、低周波成分除外変動成分が周期的な変動成分としての傾向が強い場合等においては、その周期のデータを評価指標として認定し、それを出力するようにしてもよい。そのような周期のデータに基づけば、画像形成特性が良好でない場合等において、その良好ではない原因を推定することが可能となる。
<その他>
上記実施例は、画像特性評価支援装置、画像形成特性評価支援プログラム、支援処理を行う機能を有する画像処理装置としての本発明の実施例であるが、上記支援処理を行い評価を行う方法に関する実施例であることから、画像特性評価支援方法としての本発明の実施例となっている。また、上記実施例は、支援処理を行う前提として、評価画像の評価を行なう実施例となっている。その観点からすれば、上記実施例は、画像評価方法,画像評価支援装置、画像評価支援プログラムとしての本発明の実施例となっている。
複合型プリンタ装置の全体を示す斜視図である。 複合型プリンタ装置が備える制御ユニットの機能ブロック図である。 プリンタ部の画像形成特性の評価を支援するために実行される評価画像形成プログラムを示すフローチャートである。 プリンタ部の画像形成特性の評価を支援するために実行される評価支援プログラムを示すフローチャートである。 画像データ取得工程で取得された評価画像データを模式的に示すチャートである。 特性値変動認定工程において行われる平滑化処理を説明するための概念図である。 特性値変動認定工程において認定された特性値変動を模式的に示すチャートである。 低周波変動成分推定工程において模擬関数の態様で推定された知覚不能低周波変動成分を模式的に示すチャートである。 評価指標認定工程を構成する低周波成分除外変動成分認定工程において認定された低周波成分除外変動成分を模式的に示すチャートである。 変形例としての特性値変動認定工程のフィルタ処理において用いるVTFのプロフィールを示すチャートである。
符号の説明
10:複合型プリンタ装置(画像処理装置) 12:プリンタ部(画像形成デバイス,画像形成装置) 14:スキャナ部(画像情報読取デバイス) 16:制御ユニット(制御デバイス,画像評価支援装置,画像形成特性支援装置) 54:プリンタ部動作制御部 56:スキャナ部動作制御部 60:画像形成特性評価支援部 62:評価画像形成制御部 64:画像データ取得部 66:特性値変動認定部 68:低周波変動成分推定部 70:評価指標認定部 72:評価判定部 74:評価関連情報出力制御部 80:データ・プログラム格納部

Claims (9)

  1. 画像の評価を行う方法であって、
    評価の対象となる評価画像についての画像データであってその評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得工程と、
    前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定工程と、
    前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定工程と、
    前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記評価画像の評価を行う評価工程と
    を含んで構成された画像評価方法。
  2. 前記評価工程において、前記特性値変動から前記知覚不能低周波変動成分を除外した前記評価画像についての座標位置に応じた特性値変動である低周波成分除外変動成分を認定し、その低周波成分除外変動成分に基づいて前記評価画像の評価を行う請求項1に記載の画像評価方法。
  3. 前記低周波変動成分推定工程において、前記評価画像データに基づいて、座標位置の変化に伴う光学的特性値の知覚不能な低周波的な変動を模する関数であって座標位置をパラメータとする関数である模擬関数を作成することで、前記知覚不能低周波変動成分を推定する請求項1または請求項2に記載の画像評価方法。
  4. 前記低周波変動成分推定工程において、次数が1以上4以下の前記模擬関数を作成する請求項3に記載の画像評価方法。
  5. 前記特性値変動認定工程が、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって少なくとも知覚不能な高周波的な成分が除外された前記特性値変動を認定する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像評価方法。
  6. 前記特性値変動認定工程が、前記評価画像データに対して平滑化処理を行って、前記少なくとも知覚不能な高周波的な成分が除外された特性値変動を認定する請求項5に記載の画像評価方法。
  7. 前記特性値変動認定工程が、前記評価画像データに基づいて前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動であって前記特性値変動の基礎となる基礎特性値変動を認定し、その基礎特性値変動に対してフーリエ変換処理を行って空間周波数特性データを作成し、その空間周波数特性データに対して高周波成分を除外するフィルタ処理を施し、そのフィルタ処理を施した空間周波数データに対して逆フーリエ変換処理を行うことによって、前記特性値変動を認定する請求項5に記載の画像評価方法。
  8. 画像の評価を支援する装置であって、
    評価の対象となる評価画像についての画像データであってその評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得部と、
    前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定部と、
    前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定部と、
    前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記評価画像の評価の指標となる評価指標を認定する評価指標認定部と
    を含んで構成された画像評価支援装置。
  9. 被画像形成材に画像を形成する画像形成デバイスと、被画像形成材に形成された画像の情報を読み取り可能な画像情報読取デバイスと、自身を制御する制御デバイスとを備えた画像処理装置であって、
    前記制御デバイスが、
    前記画像形成デバイスを制御して、被画像形成材に当該画像形成装置の画像形成特性を評価するための評価画像を形成させる評価画像形成制御部と、
    前記画像情報読取デバイスを制御して前記評価画像の画像情報を読み取り、その画像情報に基づいて、前記評価画像についての画像データであってその評価画像内の座標位置を示す座標位置データと個々の座標位置における光学的特性値を示す光学的特性値データとを含む評価画像データを取得する画像データ取得部と、
    前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動である特性値変動を認定する特性値変動認定部と、
    前記評価画像データに基づいて、前記評価画像についての座標位置に応じた光学的特性値の変動の成分であって知覚不能な低周波的な成分である知覚不能低周波変動成分を推定する低周波変動成分推定部と、
    前記特性値変動と前記知覚不能低周波変動成分とに基づいて、前記画像形成デバイスの画像形成特性の評価の指標となる前記評価画像に関する評価指標を認定する評価指標認定部と
    を有して前記画像形成デバイスの画像形成特性の評価を支援する画像形成特性評価支援部を備えた画像処理装置。
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