JP2006277172A - 画像評価方法,画像評価支援装置,画像形成装置および画像評価支援プログラム - Google Patents

画像評価方法,画像評価支援装置,画像形成装置および画像評価支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 実用的な画像評価方法を提供する。
【解決手段】 空間周波数解析を利用する画像評価方法において、画像データのサンプリングポイントSPが設定されて空間周波数解析の処理の単位となる評価単位領域UAの諸元を変更可能に決定する。その諸元は、具体的には、サンプリングポイントのピッチpである。例えば、評価対象画像の観察において観察者が標準的に注目する概念的な領域を注目領域とし、その注目領域の大きさが変化する要因である観察距離,画像のサイズ,画像の種別等に基づいて、サンプリングポイントのピッチを変更することが可能である。そのようにすれば、画像評価仕様を、観察の実態に応じて変更することができ、過度な評価精度とならず、また、評価処理に要する時間を比較的短くすることが可能となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、画像形成装置によって形成された画像等の画質を評価する方法に関し、また、その画像等の画質を評価を支援するための画像評価支援装置、その評価を支援するためのプログラムに関し、さらに、自身によって形成された画像の評価を行う支援機能を備えた画像形成装置に関する。
画像形成装置等によって形成された画像の画質を評価する方法として、下記特許文献に記載されたような方法が存在する。この画像評価方法は、従来からの画像評価方法を代表する1つの方法であり、その方法では、フーリエ変換処理によって評価の対象となる画像の光学特性に関する空間周波数解析を行い、その解析結果に基づいてその評価対象画像の画質の評価が行われている。
特願平1−286084号公報
上記特許文献に記載の方法を始めとする空間周波数解析を利用する従来の画像評価方法では、諸元が固定された領域、詳しく言えば、例えば、一定のピッチに固定されたサンプリングポイントを有するとともに固定のサイズを有する評価領域が評価単位領域として設定されており、その評価単位領域において画像データがサンプリングされ、そのサンプリングされた画像データに基づいて、空間周波数解析が行われる。そして、評価対象画像の全域にわたって評価を行う場合には、上記諸元が固定された評価単位領域を評価対象画像の全域にわたって複数設定し、その複数の評価単位領域の各々について空間周波数解析が行われる。そのため、評価単位領域の諸元が固定された従来の画像評価方法は、1つの評価仕様に基づく評価処理しか行われていなかった。
画質の評価は、評価対象画像によって評価基準,評価精度等を異ならせることが望まれる場合がある。その観点からすれば、評価仕様の異なる評価処理を実行可能であることが望ましい。一方、フーリエ変換等の空間周波数解析は、処理時間が長くかかるという欠点を有し、1つの評価対象画像に対して複数の評価領域の空間周波数解析を行う場合は、その処理時間は、相当に長くなる。空間周波数解析の処理時間は、評価仕様によって異なるものとなるため、処理時間をできるだけ短くするといった観点からも、評価仕様を変更可能とすることが望ましい。したがって、評価仕様に関してのフレキシビリティを請向上させることによって、画像評価方法の実用性が向上すると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用的な画像評価方法、画像評価を支援するための実用的な装置,プログラム等を提供することを課題とする。
本発明の画像評価方法は、空間周波数解析を利用する画像評価方法において、空間周波数解析の処理の単位となる評価単位領域の諸元として、その評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチを、変更可能に決定することを特徴とする。また、本発明の画像評価支援装置,画像評価支援プログラムは、評価処理における評価単位領域の諸元を変更可能に決定する機能部,ステップを含んで構成されたことを特徴とする。さらに、本発明の画像形成装置は、自身によって形成された画像の評価処理を実行可能とする装置であって、その評価処理における評価単位領域の諸元を変更可能に決定する機能部を備えたことを特徴とする。
本発明の画像評価方法によれば、評価単位領域の諸元を評価対象画像に応じて変更することが可能となり、評価仕様に関して高いフレキシビリティを有することになる。したがって、本発明の画像評価方法は、実用性の高い画像評価方法となる。また、同様の理由により、本発明の画像評価支援装置,画像評価支援プログラム,画像形成装置は、実用的な装置,プログラムとなる。なお、本発明の画像評価方法等の具体的な態様、およびそれの作用効果等については、以下の〔発明の態様〕の項において、詳しく説明する。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から任意の構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、(1)項と(4)項とを合わせたものが請求項1に相当し、請求項1に(7)項の技術的特徴を付加したものが請求項2に、請求項2に(8)項〜(10)項の技術的特徴を選択的に付加したものが請求項3に、請求項2または請求項3に(12)項の技術的特徴をふかしたものが請求項4に、請求項1ないし請求項4のいずれかに(15)項および(17)項の技術的特徴を付加したものが請求項5に、それぞれ相当する。また、(31)項に(4)項の技術的特徴を付加したものが請求項6に、(41)項に(4)項の技術的特徴を付加したものが請求項7に、(51)項に(4)項の技術的特徴を付加したものが請求項8に、それぞれ相当する。
(1)評価の対象となる評価対象画像の画質を評価する画像評価方法であって、
前記評価対象画像内において評価処理の単位となる評価単位領域についての諸元である領域諸元を決定する領域諸元決定工程と、
前記領域諸元に従う前記評価単位領域に存在する複数のサンプリングポイントの各々のその領域内における位置と光学的特性値とを含む領域データを取得する領域データ取得工程と、
前記領域データに基づいて、前記評価単位領域の光学的特性についての空間周波数解析を行う空間周波数解析実行工程と、
前記空間周波数解析の結果に基づいて、前記評価対象画像の画質評価の指標となる前記評価単位領域の画質評価指標値を決定する評価指標値決定工程と、
前記評価単位領域の画質評価指標値に基づいて前記対象画像の画質を評価する評価工程と
を含んで構成された画像評価方法。
本項に記載の態様は、平たく言えば、空間周波数解析の手法を利用した画像評価方法において、その解析処理の単位となる上記評価単位領域の諸元を決定する工程を含むことを特徴とする態様である。ここでいう「領域諸元」とは、評価単位領域の構成を決定付ける要素であり、後に詳しく説明するように、例えば、評価単位領域のサイズ、その領域内に存在するサンプリングポイントのピッチ,総数等を始めとして、評価単位領域の形状,配向、サンプリングポイントの配置状態等の種々の要素が含まれる。そのような領域諸元を何らかの根拠情報に基づいて決定可能に構成すれば、例えば、画像評価の目的、評価に要求される精度、許容される評価処理時間等に応じて、評価処理の仕様、つまり、評価仕様を変更することが可能となり、フレキシビリティに富んだ評価が実行可能となる。その意味おいて、本項に記載の画像評価方法は、実用的な評価方法となる。
本項の態様において評価の対象となる「評価対象画像」は、実際に形成された画像であってもよく、また、後に実際に形成されるであろう画像であってもよい。前者の評価対象画像を対象とする評価によれば、例えば、プリンタ装置等の画像形成装置によって形成された画像の画質を、それの画像データを評価することで評価し、もって、その画像形成装置の画像形成能力,精度等を評価することが可能である。また、後者の評価対象画像と対象とする評価によれば、例えば、デジタルカメラ,スキャナ等の画像取込装置(画像読込装置ということもできる)によって取り込まれた画像データを評価することで、その画像データに基づいて将来形成される画像の画質を評価し、もって、それら画像取込装置の画像取込能力,精度等を評価することが可能である。なお、画像形成装置,画像取込装置等の能力,精度等を評価する目的の場合には、その目的に適した評価用画像(例えば、ベタ画像,モノトーン画像,テストパターン画像等)を評価対象画像とすることが可能である。また、評価対象画像は、カラー画像であってもよく、モノクロ画像であってもよい。
画像評価における空間周波数解析では、一般に、画像内の複数の位置とそれら複数の位置の各々における光学的特性値とに基づく解析処理が実行される。本項にいう「評価単位領域」は、先に説明したように、その空間周波数解析の処理単位となる領域を意味し、その領域内における光学的特性値の取得位置の集合、つまり、複数の「サンプリングポイント」を含んで構成されたあるサイズを有する領域と観念することができるものである。評価単位領域の「領域諸元」とは、先に説明したように、その領域のサイズ、その領域内に存在するサンプリングポイントのピッチ,総数等であり、後に詳しく説明するが、サンプリングポイントのピッチは、高周波数側の解析能(分解能,解析精度等で表現することができるものであり、解析性能,解析能力を意味する概念である)を決定付ける要因となり、領域のサイズは、低周波数側の解析能を決定付ける要因となり得る。また、評価単位領域内のサンプリングポイントの総数は、その領域についての解析処理時間を決定付ける要因となる。なお、サンプリングポイントは、空間周波数解析を行う際の単位画素となるため、その意味において、サンプリングポイントは、「解析画素」と呼ぶことも可能である。
本項の態様における「領域諸元決定工程」は、上記領域諸元を決定する工程であり、その決定の具体的な態様が特に限定されるものではない。例えば、決定の根拠について言えば、先に説明したように、画像評価の目的、評価に要求される精度、許容される評価処理時間等、種々の根拠情報を基に、その根拠情報に応じて適切に領域諸元を決定することが可能であり、それによって、種々に異なる評価仕様での画像評価が実現されることになる。領域諸元の決定に関する具体的な態様については、以下の項において、詳しく説明する。
本項の態様における「領域データ取得工程」は、領域諸元が決定された評価単位領域における画像データであって、後に説明する空間周波数解析において解析処理に供されるデータを取得する工程である。この工程において取得されるデータである「領域データ」に関して言えば、それを構成するサンプリングポイントの「光学的特性値」は、特に限定されるものではなく、評価の目的等に応じて、任意のものとすることが可能である。例えば、色相,明度,彩度等を数値化したものを採用することが可能である。具体的には、マンセル表色系,L***表色系,L**h表色系,ハンターLab表色系,XYZ(Yxy)表色系等の各種表色系の各パラメータや色差、三刺激値(X,Y,Z)等から選ばれる1以上のものを採用することが可能である。また、無彩色のベタ画像を評価画像とする場合等においては、濃度を光学的特性値として採用することが可能である。さらに、画像データが、上述した画像取込装置等によって取得されたものである場合には、例えば、(R,G,B)系あるいはモノクロ系における輝度等を示す値であってもよい。また、光学的特性値は、連続的に設定された値であってもよく、階調的,つまり,離散的に設定された値であってもよい。
上記領域データ取得工程は、例えば、評価単位領域の諸元に従って、評価対象画像の取込処理(読取処理ということもできる)等によって、直接的に領域データを取得する工程であってもよく、また、例えば、評価対象画像の画像データをオリジナルデータとして取得した後において、そのオリジナルデータから評価単位領域の領域諸元に従って取り出す(切り出す)こと等によって、領域データを取得する工程であってもよい。そして後者においては、オリジナルデータが、評価対象画像内における複数の画素の各々の位置と、その複数の画素の光学特性値とを含んで構成されたものである場合、それら複数の画素とサンプリングポイントとがそれらのピッチが異なる等によって一致しないときには、それらを一致させる処理、具体的には、例えば、複数の画素を1のサンプリングポイントに対応させるための圧縮処理等を行なって、領域データを調製することも可能である。また、オリジナルデータにおける光学的特性値を別の光学的特性値に変換する処理を行って、領域データを調製することも可能である。なお、オリジナルデータの取得は、例えば、評価対象画像が実際に形成された画像である場合には、スキャナ,デジタルカメラ,分光測色計,色彩計等を用いた取込処理によって取得するものであってもよく、評価対象画像が形成されることを予定されているものである場合は、その形成のための処理に用いるデータを、画像形成装置,画像取込装置等の何らかの機器から、受信等して入手することによって取得するものであってもよい。
本項の態様における「空間周波数解析実行工程」は、フーリエ変換処理等の空間周波数解析の手法に従う解析処理を行う工程である。画質を低下させる要因である画像の欠陥等は、画像ノイズとしてとみなせるものであることから、空間周波数解析は、その画像ノイズの空間周波数をパラメータとした強度特性(空間周波数特性ということもできる)を得ることを目的として行われる。本工程において、解析処理の具体的な処理態様は、特に限定されるものではなく、評価の目的等に応じて、既に公知の種々の態様の解析処理を採用することが可能である。例えば、画像の粒状性(いわゆる、ざらつきの程度)の評価を目的として、二次元フーリエ変換処理によって、二次元的な画像のノイズを空間周波数分布を示す二次元ウィナー・スペクトルを取得し、その二次元ウィナー・スペクトルに一次元化処理を施して一次元ウィナー・スペクトルを取得するといった態様の処理を採用することが可能である。また、画像のバンディング(いわゆる、周期的な縞の発生の有無,程度)の評価を目的として、画像データを1次元的に圧縮した後、一次元フーリエ変換処理によって、一次元パワースペクトルを取得するといった態様の処理を採用することが可能である。なお、実際の画像に対して空間周波数解析を実行する場合に、画像のノイズの成分のみを抽出して行うようにすればよく、具体的には、画像ノイズが発生していない同じ画像を参照画像として利用し、その参照画像の解析結果と評価対象画像の解析結果とを比較等することにより、評価対象画像の画像ノイズ成分についての空間周波数解析を行うことが可能である。
本項の態様における「評価指標値決定工程」は、空間周波数解析処理の結果に基づいて、所定の画質評価指標値が決定される。決定される画質評価指標値は、その具体的なものが特に限定されず、評価の目的、詳しくは、評価の項目等に応じて、既に採用されている種々の画質評価指標値を広く採用することが可能である。具体的には、先に説明した粒状性を評価項目とする評価の場合においては、上記一次元ウィナー・スペクトルを積分した値等を、いわゆる粒状性評価指標値(GS:Grininess Scale)として採用することが可能であり、また、バンディングを評価項目とする評価の場合においては、上記一次元パワースペクトルの最大強度値等を、いわゆるバンディング評価指標値として採用することが可能である。
なお、上記空間周波数解析実行工程と評価指標決定工程との少なくとも一方において、公知の処理を用いて、人間の視覚特性に基づく補正を行うことも可能である。具体的には、例えば、空間周波数解析の途中あるいは結果として得られたスペクトルに対して、いわゆる視覚特性補正関数(VTF:Visual Transfer Function)によるフィルター処理を施すことによって、人間の視覚特性に基づく補正を行うことができる。
本項の態様における「評価工程」では、上記画質評価指標値に基づく評価が行われる。具体的な評価処理が特に限定されるものではないが、例えば、決定された画質評価指標値が、設定されている閾値を超えたか否かによって、単に、画質の良・否を判定するような工程とすることが可能である。また、何段階かの等級を設け、決定された画質評価指標値が、どの等級に相当する値であるかを認知することによって、画質のグレード評価を行うような工程とすることができる。また、上記画質評価指標値そのものを、画質の良否の程度を示すパラメータとし、評価対象画像について得られたそのパラメータを認識することをもって、評価を行うこととするような工程であってもよい。
(2)前記領域諸元決定工程において、前記領域諸元として、前記評価単位領域のサイズと前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチとの少なくとも一方を決定する(1)項に記載の画像評価方法。
(3)前記領域諸元決定工程において、前記領域諸元として、少なくとも前記評価単位領域のサイズを決定する(2)項に記載の画像評価方法。
(4)前記領域諸元決定工程において、前記領域諸元として、少なくとも前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチを決定する(2)項に記載の画像評価方法。
(5)前記領域諸元決定工程において、前記領域諸元として、前記評価単位領域のサイズと前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチとの両者を決定する(2)項に記載の画像評価方法。
(6)前記領域諸元決定工程において、前記領域諸元として、前記評価単位領域内のサンプリングポイントの総数とその総数を決定するための要素との少なくとも一方を含むサンプリング総数関連諸元を決定する(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の画像評価方法。
上記列挙した5つの項の態様は、それぞれ、上記領域諸元決定工程において決定される評価単位領域の領域諸元を具体的に限定した態様である。一般的に、サンプリングポイントは、評価単位領域内において、均等に分散された位置に設けられるため、そのことを前提とすれば、ここでいうサンプリングポイントの「ピッチ」とは、配置されて隣り合うサンプリングポイントの離間距離と考えることができる。また、ピッチが大きい場合は、サンプリングポイントが粗な状態で配置されており、逆に、ピッチが小さい場合は、サンプリングポイントが密な状態で配置されていることから、ピッチは、評価単位領域内におけるサンプリングポイントの「密度」を表すものとなり、また、一次元的に考えれば、任意の方向における単位距離あたりに存在するサンプリングポイントの数(例えば、dpi等の単位で表されるもの)と考えることが可能である。したがって、上記項においてサンプリングポイントのピッチを領域諸元として決定することは、サンプリングポイントの密度等を決定することと等価であり、ピッチの決定は、密度等を決定することを含む概念となる。
また、評価単位領域の「サイズ」とは、概して言えば、当該領域の大きさを意味し、評価単位領域の面積と相関関係にあるものである。一般的に、二次元画像の評価を行う場合は、空間周波数解析が行われる領域は、正方形の領域とされる場合が多く、その場合を例にとって説明すれば、評価単位領域のサイズは、具体的には、その正方形の一辺の長さとすることが可能である。また、サンプリングポイントとの関係で言えば、その一辺の長さに相当する距離の中に配置されているサンプリングポイントの数が、サイズに該当するものとなる。
さらに、「サンプリングポイントの総数」は、概して言えば、サンプリングポイントの密度と評価単位領域の面積とを乗じたものと考えることができるため、上記サンプリングポイントのピッチおよび上記評価単位領域のサイズは、サンプリングポイントの総数と相関関係にあることから、それらは、その総数を決定するための要素となり得、それらは、すなわち、サンプリング総数関連諸元の一種と考えることが可能である。
評価単位領域のサイズに関して言えば、サイズを大きくする場合には、空間周波数解析における低周波側の解析能が向上するという利点がある。逆に言えば、サイズが小さい場合には、比較的、周期の長い画像ノイズの検出精度が悪化し、かなり長い周期のノイズの検出が困難となるのである。また、サイズを大きくする場合は、例えば、その領域内において画像欠陥が偏在するようなとき、つまり、領域内において画像ノイズが部分的に発生しているようなとき等に、そのノイズ成分が比較的大きな領域の中で平均化され、空間周波数解析によって得られるスペクトルにおいてそのノイズの強度が小さくなるため、概して言えば、画像評価の精度が劣ることになる。ちなみに、偏在の傾向が強い程、また、画像欠陥の大きさが小さい程、評価精度がより劣ることになる。したがって、それらのことを考慮すれば、評価単位領域のサイズを小さくすることが有利である。さらに、サイズが大きくなればなる程、評価単位領域内のサンプリングポイントの総数が増加し、その領域の空間周波数解析の処理に要する時間が長くなる。その一方、評価対象画像を複数の評価単位領域に区分して評価を行う場合等では、評価単位領域のサイズが小さくなればなる程、空間周波数解析の処理を行う評価単位領域の数が増加するため、それに伴って、処理時間が増加する。空間周波数解析の手法に従えば、同じ大きさの評価対象画像の全域にわたる評価を行うことを想定した場合、1つの評価単位領域のサイズを大きくして領域の数を少なくするときと、1つの評価単位領域のサイズを小さくして領域の数を多くするときとを比較すれば、一般に、後者の方が、空間周波数解析処理全体の処理時間が長くなる。したがって、比較的大きな画像の解析処理を全体にわたって行う場合には、処理時間を考慮すれば、画像サイズを大きくすることが有利となるのである。
また、サンプリングポイントのピッチに関して言えば、ピッチが小さい場合は、高周波側の解析限界となる周波数(いわゆるナイキスト空間周波数)を高くすることができ、高周波側の解析能を向上させることが可能である。逆に言えば、ピッチが大きい場合は、ある周期より短い周期の画像ノイズの検出が困難となるのである。一方、評価単位領域のサイズが同じであると想定すれば、サンプリングポイントのピッチを小さくすればする程、1つの評価単位領域の空間周波数解析の処理時間が長くなることになる。さらに、サンプリング総数関連諸元に関して言えば、それをサンプリングポイントの総数がより多くなるような値とすればする程、1つの評価単位領域の空間周波数解析の処理時間が長くなることになる。
上述したように、評価単位領域のサイズ,サンプリングポイントのピッチ,サンプリング総数関連諸元といった領域諸元は、空間周波数解析の解析能,処理時間に大きく関係するものとなる。そのため、それらの領域諸元を何らかの根拠情報に応じて決定すれば、評価の基準,評価に要する時間等の評価の内容を種々に調整することが可能であり、つまり、評価仕様にバリエーションをもたせることが可能であり、上記5つの項のいずれの態様によっても、評価の目的等に応じたフレキシブルな評価処理が可能となるのである。なお、それらの領域諸元のうちの2つ以上を変更可能に決定する場合は、1つを変更可能に決定する場合と比べて、よりフレキシビリティに富んだ評価が可能となる。
(7)前記領域諸元決定工程において、前記評価対象画像の観察において観察者が標準的に注目する領域である注目領域の大きさを示す情報とその大きさを推認可能な情報との少なくとも一方を含む注目領域関連情報に基づいて前記領域諸元を決定する(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、上記評価単位領域の領域諸元を決定する際に、特定の根拠情報に基づく決定を行う態様であり、詳しく言えば、根拠情報としての注目領域関連情報に基づいて、領域諸元を決定する態様である。ここでいう「注目領域」とは、観察者が画像を観察する際に注目するであろうと考えられるその画像上の概念的な領域であって、それの大きさが標準的な観察状態における大きさであると想定される領域である。一般に、相当に長い距離を置いて画像を観察する場合と、画像を目に近づけて観察する場合とを比較すれば、同じ視野角に対応する画像上の領域の大きさが異なることになる。より詳しく言えば、画像からの観察距離が長くなればなる程、同じ視野角に対応する画像の領域の大きくなる。つまり、人間が注目する画像の領域は、観察距離に応じたものとなる。また、人間の心理的,感覚的な作用によっても、注目する領域の大きさが変化する。詳しく言えば、例えば、ポスター等を観察する場合等、画像を漠然と眺める場合には、比較的大きな領域に注意が向き、逆に、人物写真を観察する場合等、画像を凝視する場合には、比較的小さな領域にまで注意が向くことになる。また、同時に、注目領域が大きくなれば、細かな画像ノイズを認識することができず、逆に、注目領域に小さくなれば、細かな画像ノイズを認識することが可能となる。したがって、上述した評価単位領域の領域諸元の相違による評価仕様の相違を鑑みれば、注目領域関連情報に基づいて領域諸元を決定することによって、実態に即した評価が可能となるのである。なお、領域諸元決定の根拠となる注目領域関連情報は、1種であることに限定されるものではなく、2以上の互いに異なる種類の注目領域関連情報に基づいて領域諸元を決定することも可能である。
上述したように、注目領域関連情報は、評価単位領域の領域諸元を決定する際の根拠情報であるが、必ずしも、評価対象画像そのものについて根拠情報であることを要しない。例えば、評価対象画像が、画像形成装置の画像形成能力,精度等を検査,検定等する目的で形成された特定の画像(例えば、単一ベタ画像)である場合、その評価対象画像そのものが、観察者によって観察されるものではない。詳しく言えば、その画像形成装置によって将来形成される何らかの画像が、観察者によって観察される画像となる。したがって、そのような検査,検定等では、厳密には、将来形成されるべき仮想的な画像が評価の対象であり、その仮想画像についての根拠情報に基づいて、領域諸元を決定すればよい。つまり、そのような場合には、その仮想画像が化体されられた特定の画像を評価対象として評価することになるのである。すなわち、本項の態様には、画像データが取得される実際の画像とは異なる仮想的な画像を評価対象画像として扱い、その仮想画像の根拠情報を評価対象画像についての根拠情報とし、その情報に基づいて評価対象画像の画質を評価する態様、ひいては、その評価によって画像形成装置の画像形成能力,精度等を評価する態様も含まれるのである。
(8)前記領域諸元決定工程において、前記注目領域関連情報としての前記評価対象画像が観察される際の観察距離に基づいて前記領域諸元を決定する(7)項に記載の画像評価方法。
(9)前記領域諸元決定工程において、前記注目領域関連情報としての前記評価対象画像のサイズに基づいて前記領域諸元を決定する(7)項または(8)項に記載の画像評価方法。
(10)前記領域諸元決定工程において、前記注目領域関連情報としての前記評価対象画像の種別に基づいて前記領域諸元を決定する(7)項ないし(9)項のいずれかに記載の画像評価方法。
上記列挙した3つの項の態様は、いずれも、前述の注目領域関連情報を具体的なものに限定した態様である。評価対象画像についての「観察距離」は、先に説明したように、それが長くなれば注目領域が比較的大きく、逆に、短くなれば注目領域が比較的小さくなることから、注目領域の大きさを示す典型的なパラメータ、つまり、典型的な注目領域関連情報となる。また、評価対象画像の「サイズ」は、評価画像の大きさを意味し、一般的には、比較的大きな画像は、離れた位置から観察される傾向にあり、また、逆に、小さな画像は、目に近い位置に置かれて観察される傾向にある。したがって、その意味において、評価対象画像のサイズも、注目領域関連情報となるものである。さらに、評価対象画像の「種別」は、例えば、ポスター、文章、サービス判(E判),L判といったサイズの写真といったそれぞれの範疇に区分される画像の種類・用途等を意味し、それら画像の種別によっても、注目領域が変化する。具体的には、例えば、ポスター等は、比較的大きな画像とされ、観察距離は長いものとなることから、注目領域は広いものとなる。また、上記写真等は、比較的小さいサイズであることに加え、凝視されて観察されることから、注目領域は小さいものとなる。また、文章等は、文字,数字,記号等を情報伝達手段とする画像と考えることができ、その機能から、それ程の高画質を要求されず、また、観察距離,注目領域は、一般的には、上記ポスター等と写真等との中間的な長さ,大きさとなる。
なお、上述したように、評価対象画像の観察距離,サイズ,種別は、注目領域の大きさに対して、いずれも互いに関連した情報となっている。したがって、例えば、サイズと種別とのいずれかを注目領域関連情報として、それに基づいて評価単位領域の領域諸元を決定する態様が、すなわち、観察距離を注目領域関連情報として、それに基づいて領域諸元を決定する態様となり得るのである。つまり、観察距離,サイズ,種別が互いに関連付けられているような場合にあっては、それらのいずれかに基づく領域諸元の決定が、それらの他のいずれかに基づく領域諸元の決定に該当する場合があるのである。また、上記3つの項において示した評価対象画像の観察距離,サイズ,種別の各々は、必ずしも注目領域の大きさとの関連付けられる必要はなく、単に、それらに基づいて評価単位領域の領域諸元を決定することも可能である。
(11)前記領域諸元決定工程において、前記注目領域関連情報が前記注目領域が大きいことを表す情報である場合に、小さいことを表す情報である場合に比較して、前記領域諸元としての前記評価単位領域のサイズを、それの値が大きくなるように決定する(7)項ないし(10)項のいずれかに記載の画像評価方法。
(12)前記領域諸元決定工程において、前記注目領域関連情報が前記注目領域が大きいことを表す情報である場合に、小さいことを表す情報である場合に比較して、前記領域諸元としての前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチを、それの値が大きくなるように決定する(7)項ないし(11)項のいずれかに記載の画像評価方法。
上記2つの項に記載の態様は、前述の注目領域関連情報に基づいて評価単位領域の領域諸元を決定する態様において、その決定の内容をさらに具体的なものに限定した態様である。前述したように、注目領域が大きい場合には、比較的小さな画像欠陥、つまり、比較的周期の短い画像ノイズは、観察者によって認識されにくいものとなる。また、一方で、前述したように、評価単位領域のサイズを大きくする場合は、比較的小さな欠陥が偏在するとき等において特に評価精度が劣るものの、画像全体について空間周波数解析処理を行う場合の処理時間が短くなるという利点を有し、また、サンプリングポイントのピッチを大きくする場合は、比較的周期の短い画像ノイズの解析能が劣るものの、処理時間が短くなるという利点を有することになる。それらのことを総合すれば、注目領域が比較的大きい場合には、評価単位領域のサイズを比較的大きく、また、サンプリングポイントのピッチを比較的大きくすることが望ましいことになり、逆に、注目領域が比較的小さい場合には、評価単位領域のサイズを比較的小さく、また、サンプリングポイントのピッチを比較的小さくすることが望ましいことになる。上記2つの項の態様は、そのことを考慮した態様であり、それらの態様によれば、過度な評価精度を有さず、かつ、過度な処理時間を要しない画像評価、つまり、実用的な観点において優れた画像評価を行うことが可能となる。
(13)前記領域諸元決定工程において、前記領域諸元として、前記評価単位領域のサイズと前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチとの両者を決定し、かつ、前記評価単位領域のサイズが大きい場合に、小さい場合に比べて、前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチが大きくなるように決定する(1)項ないし(12)項のいずれかに記載の画像評価方法。
(14)前記領域諸元決定工程において、前記領域諸元として、前記評価単位領域のサイズと前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチとの両者を決定し、かつ、前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチが大きい場合に、小さい場合に比較して、前記評価単位領域のサイズが大きくなるように決定する(1)項ないし(12)項のいずれかに記載の画像評価方法。
上記2つの項に記載の態様は、領域諸元として、評価単位領域のサイズとサンプリングポイントのピッチとの両者を決定する場合において、それらの決定方法を具体的に限定した態様である。先に説明したように、例えば、上記注目領域と、評価単位領域のサイズおよびサンプリングポイントのピッチとの関係に鑑みれば、上記2つの項の態様のように、評価単位領域のサイズとサンプリングポイントのピッチとを関連させて決定することが可能であり、また、そのように関連させて領域諸元を決定すれば、要求される評価精度を満足しつつ、処理時間の比較的短い画像評価が可能となる。
(15)当該画像評価方法が、前記評価対象画像内においてそれぞれが前記評価単位領域となる複数の評価領域を設定する評価領域設定工程を含んで構成され、
前記領域データ取得工程,前記空間周波数解析工程,前記評価指標値決定工程の各々を、前記複数の評価領域の各々について実行するとともに、前記評価工程において、前記複数の評価領域の画質評価指標値に基づいて前記評価対象画像の画質を評価する(1)項ないし(14)項のいずれかに記載の画像評価方法。
一般的に、観察者は、その画像の1箇所にでも欠陥を発見した場合、それの画質は不良であると認識する。したがって、画像の画質評価を行う場合には、その画像の広い範囲にわたって評価を行うことが望ましい。本項に記載の態様は、そのことを考慮した態様であり、その態様によれば、現実的な画像評価を行うことが可能となる。なお、本項の態様では、評価対象画像の全域にわたって複数の評価領域を設定することが望ましい。また、本項の態様では、複数の評価領域の画質評価指標値に基づいて画像の評価が行われるが、その具体的な評価手法が特に限定されるものではない。例えば、後に説明するように、それら複数の画質評価指標値の最悪値に基づく評価を始めとし、それら複数の画質評価指標値の平均値,メジアン値等に基づく評価等、種々の統計学的手法に従った評価を行うことが可能である。また、複数の評価領域を設定する場合の具体的な設定方法は、特に限定されるものではない。例えば、後に説明するように、評価対象画像を区分けするように設定してもよく、また、1つの評価単位領域をその画像内において設定距離ずつ移動させるようにして、複数の評価領域を設定することも可能である。
(16)前記評価領域設定工程において、前記評価対象画像を区分けすることによって前記複数の評価領域を設定する(15)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、上述した複数の評価領域を設定することに関する具体的態様である。本項の態様によれば、評価対象画像の全域にわたって複数の評価領域を設定することができ、また、それら複数の評価領域が互いに重なり合うことがないため、効率的な領域設定が可能となる。
(17)前記評価工程において、前記複数の評価領域の画質評価指標値のうち最も画質が悪いことを指標する値である最悪値に基づいて前記評価対象画像の画質を評価する(15)項または(16)項に記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、上述した複数の画質評価指標値に基づく評価に関する具体的態様である。一般的に、観察者は、画像内において最も画質が悪い部分もって、その画像の画質とみなす傾向にある。そのことに鑑みれば、本項の態様は、実態に即した画像評価方法となる。
(18)当該画像評価方法が、評価対象画像内の設定された画素ごとの光学的特性値を含む画像データを取得する画像データ取得工程を含んで構成され、
前記領域データ取得工程において、前記画像データに基づいて前記領域データを取得する(1)項ないし(17)項のいずれかに記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、一旦、評価対象画像についてのオリジナルデータを取得し、そのオリジナルデータに基づいて、既に決定されている評価単位領域の領域諸元にしたがって、その領域の領域データを取得する態様である。例えば、評価対象画像の全域にわたって画像評価を行うような場合において、その全域にわたる画像データを取得し、その取得した画像データに基づいて、複数の評価領域を設定するようにすれば、効率のよい画像評価を行うことが可能となる。なお、評価対象画像の全域にわたる画像データを取得する場合には、その画像データを基に、その画像データを構成する総画素数、画素密度(例えば、画像読取装置で読み取る場合においては、読取解像度等)等から、その画像のサイズを認定することも可能であり、評価対象画像のサイズに基づいて上記領域諸元を決定する態様において、その決定を自動化することが可能となる。
(19)当該画像評価方法が、画材を画像形成基材の表面に付着させてその画像形成基材の表面に画像を形成する画像形成装置によって形成された画像を前記評価対象画像として評価する方法である(1)項ないし(18)項のいずれかに記載の画像評価方法。
本項に記載の態様は、プリンタ装置,コピー機,ファックス装置等の画像形成装置によって形成された実際の画像を対象とする評価を行う態様である。本項の態様によれば、その評価対象画像を形成した画像形成装置の画像形成能力,画像形成精度等を容易に評価することができる。例えば、画像形成装置が画材をインクとしてそのインクを設定された量だけ画像形成基材上の設定された位置に射出するようなプリンタ装置である場合は、その射出位置ごとのインク射出量のバラツキ,射出位置のずれ等に起因する画像形成装置の画像形成能力,精度の低下等を容易に判別することが可能となる。
(31)評価の対象となる評価対象画像の画質の評価の支援を行う画像評価支援装置であって、
前記評価対象画像内において評価処理の単位となる評価単位領域についての諸元である領域諸元を決定する領域諸元決定部と、
前記領域諸元に従う前記評価単位領域に存在する複数のサンプリングポイントの各々のその領域内における位置と光学的特性値とを含む領域データを取得する領域データ取得部と、
前記領域データに基づいて、前記評価単位領域の光学的特性についての空間周波数解析を行う空間周波数解析実行部と、
前記空間周波数解析の結果に基づいて、前記評価対象画像の画質評価の指標となる前記評価単位領域の画質評価指標値を決定する評価指標値決定部と
を含んで構成された画像評価支援装置。
(32)当該画像評価支援装置が、前記評価単位領域の画質評価指標値に基づいて前記対象画像の画質を評価する評価部を含んで構成された(31)項に記載の画像評価支援装置。
(33)当該画像評価支援装置が、前記評価対象画像内においてそれぞれが前記評価単位領域となる複数の評価領域を設定する評価領域設定部を含んで構成され、
前記領域データ取得部,前記空間周波数解析部,前記評価指標値決定部の各々が、その各々による処理を、前記複数の評価領域の各々に対して実行するものとされた(31)項または(32)項に記載の画像評価支援装置。
(34)当該画像評価支援装置が、評価対象画像内の設定された画素ごとの光学的特性値を含む画像データを取得する画像データ取得部を含んで構成され、
前記領域データ取得部が、前記画像データに基づいて前記領域データを取得するものとされた(31)項ないし(33)項のいずれかに記載の画像評価支援装置。
上記4つの項は、カテゴリを画像評価支援装置とする請求可能発明の態様を示す項である。それらの項に記載の態様の画像評価支援装置は、先に説明した画像評価方法の実行を可能とする装置であり、フレキシビリティに富んだ画像評価を行うことができ、実用的な画像評価支援装置となる。上記画像評価支援装置は、具体的には、コンピュータを主体とする装置として構成することができる。また、画像データ取得部は、それ自身が自ら評価対象画像の画像データを読み取る場合には、スキャナ,デジタルカメラ等の画像読取デバイスを備えるものであってもよい。
上記画像評価支援装置についての詳しい説明は、上記画像評価方法の説明と重複するため、ここでは省略する。なお、画像評価方法に関する各項に記載されている各工程の技術的特徴は、それら各工程を実行する上記画像評価支援装置の各機能部の技術的特徴として取り入れることが可能であり、それらの技術的特徴による限定を加えた態様も、請求可能発明の態様となり得るのである。
(41)画材を画像形成基材の表面に付着させてその画像形成基材上に画像を形成する画像形成部と、
その画像形成部によって形成されて画質の評価の対象となる評価対象画像の設定された画素ごとの光学的特性値を含む画像データを取得する画像データ取得部と、
前記評価対象画像内において評価処理の単位となる評価単位領域についての諸元である領域諸元を決定する領域諸元決定部と、
前記領域諸元に従う前記評価単位領域に存在する複数のサンプリングポイントの各々のその領域内における位置と光学的特性値とを含む領域データを取得する領域データ取得部と、
前記領域データに基づいて、前記評価単位領域の光学的特性についての空間周波数解析を行う空間周波数解析実行部と、
前記空間周波数解析の結果に基づいて、前記評価対象画像の画質評価の指標となる前記評価単位領域の画質評価指標値を決定する評価指標値決定部と
を含んで構成された画像形成装置。
本項に記載の態様は、平たく言えば、上記画像評価支援装置を備えた画像形成装置に関する態様である。本項の態様は、例えば、昨今脚光を浴びているいわゆる複合機、詳しくは、例えば、スキャニングデバイスを一体的に備えて、プリンタ,スキャナ,コピー等の機能を有する多機能プリンタ装置に好適な態様である。本項の態様の画像形成装置によれば、自身が形成した評価対象画像を自身によって評価することで、自身の画像形成能力,画像形成精度等を自己診断することが可能となる。なお、本項の態様における画像形成部以外の各機能部は、上記画像評価支援装置の各機能部と同様のものであるため、本項の態様に関する詳しい説明は省略する。
(51)評価の対象となる評価対象画像の画質を評価するためにコンピユータによって実行される画像評価支援プログラムであって、
前記評価対象画像内において評価処理の単位となる評価単位領域についての諸元である領域諸元を決定する領域諸元決定ステップと、
前記領域諸元に従う前記評価単位領域に存在する複数のサンプリングポイントの各々のその領域内における位置と光学的特性値とを含む領域データを取得する領域データ取得ステップと、
前記領域データに基づいて、前記評価単位領域の光学的特性についての空間周波数解析を行う空間周波数解析実行ステップと、
前記空間周波数解析の結果に基づいて、前記評価対象画像の画質評価の指標となる前記評価単位領域の画質評価指標値を決定する評価指標値決定ステップと、
を含んで構成された画像評価支援プログラム。
(52)当該画像評価支援プログラムが、前記評価単位領域の画質評価指標値に基づいて前記対象画像の画質を評価する評価ステップを含んで構成された(51)項に記載の画像評価支援プログラム。
(53)当該画像評価支援プログラムが、前記評価対象画像内においてそれぞれが前記評価単位領域となる複数の評価領域を設定する評価領域設定ステップを含んで構成され、
前記領域データ取得ステップ,前記空間周波数解析ステップ,前記評価指標値決定ステップの各々が、その各々による処理を、前記複数の評価領域の各々に対して実行するものとされた(51)項または(52)項に記載の画像評価支援プログラム。
(54)当該画像評価支援プログラムが、評価対象画像内の設定された画素ごとの光学的特性値を含む画像データを取得する画像データ取得ステップを含んで構成され、
前記領域データ取得ステップが、前記画像データに基づいて前記領域データを取得するものとされた(51)項ないし(53)項のいずれかに記載の画像評価支援プログラム。
上記4つの項は、カテゴリを画像評価支援プログラムとする請求可能発明の態様を示す項である。それらの項に記載の態様の画像評価支援プログラムは、先に説明した画像評価方法の実行を可能とする装置、言い換えれば、先に説明した画像評価支援装置を作動させるためのプログラムであり、それらの態様のプログラムの実行によって実現される画像評価は、フレキシビリティに富んだ画像評価となる。
上記画像評価支援プログラムについての詳しい説明は、上記画像評価方法の説明と重複するため、ここでは省略する。なお、画像評価方法に関する各項に記載されている各工程の技術的特徴は、それら各工程の処理を実行するための各ステップの技術的特徴として取り入れることが可能であり、それらの技術的特徴による限定を加えた態様も、請求可能発明の態様となり得るのである。
(61)(51)項ないし(54)項のいずれかに記載の画像評価支援プログラムがコンピュータによって読取可能に記録された記録媒体。
本項に記載の態様は、カテゴリを記録媒体とする請求可能発明の態様である。なお、上記一連の態様の画像評価支援プログラムのみならず、先に説明したような、画像評価方法に関する各項に記載されている各工程の技術的特徴による限定を加えた態様のプログラムを格納する記録媒体であっても、請求可能発明の一態様となり得るのである。
以下、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<画像評価における注目領域の大きさと評価仕様との関係>
本発明の実施例である画像評価においては、評価対象画像に対して、注目領域という概念を採用し、その注目領域に応じて画像評価についての仕様を設定するようにされている。具体的な実施例について説明する前に、その注目領域、および、その注目領域に応じた画像評価仕様について、以下に説明する。
人間が画像を観察する場合において標準的に注目する領域は、種々の要因によって異なるものとなる。その領域を画像内における注目領域という抽象的な概念として定義すれば、その注目領域、詳しく言えば、その注目領域の大きさは、例えば、図1(a)に模式的に示すように、観察距離によって異なるものとなる。つまり、画像Imの注目領域ARは、同じ視野角θにおいて、人間の目Eから画像Imまでの距離である観察距離lWが長くなる程、その大きさSARが大きく、逆に、観察距離lWが短くなる程、その大きさSARが小さくなる(lW1<lW2,SAR1<SAR2)。また、注目領域ARは、感覚的,心理的,意識的な要因によっても異なる。例えば、図1(b)に模式的に示すように、観察距離lWが同じであっても、画像Imを漠然と見ているような注目状態である場合には、視野角θが広くなって、注目領域ARの大きさSARは大きくなる傾向にあり、画像Imを凝視するような注目状態である場合には、視野角θが狭くなって、注目領域ARの大きさSARは小さくなる傾向にある(θ3<θ4,SAR3<SAR4)。
また、上記観察距離,注目状態は、画像のサイズ,画像の種別等に関連するものとなる。具体的に言えば、一般的に、大きな画像は、離れたところから観察され、また、比較的漠然と観察され、逆に、小さな画像は、目に近づけて観察され、また、比較的凝視される。したがって、サイズの大きい画像程、注目領域ARは大きくなる傾向にあり、サイズの小さい画像程、注目領域ARは小さくなる傾向にある。また、画像の種別で言えば、一般的に、ポスター等は、比較的大きな画像とされ、観察距離lWも長く、また、比較的漠然と観察されるため、注目領域ARは大きいと考えることができる。また、写真、特に、L判,E判等の比較的小さい写真は、観察距離も短く、また、凝視されるため、注目領域ARは小さいと考えることもできる。さらに、それらの写真と、文章とを比較すれば、文章は、それの目的が文字,数字,記号等を情報伝達手段を利用した情報伝達にあることを考えれば、それらの写真ほど凝視されることはないため、注目領域ARは大きいと考えることができる。
一方、人間は、注目領域ARの大きさSARが小さくなればなる程、微細な画像欠陥まで認識可能となる。そのため、注目領域ARが小さい程、画像欠陥の検出精度、言い換えれば、高い画像評価精度が要求されることになる。また、空間周波数解析によれば、例えば図2に示すような周波数特性、つまり、パワースペクトル(詳しくは、画像ノイズのパワースペクトルであり、横軸が空間周波数f,縦軸がスペクトル強度Iを示す)が得られるが、注目領域ARが小さくなればなる程、比較的高周波の画像ノイズ(周期の短い画像ノイズ)が認識され易く、比較的低周波の画像ノイズ(周期の長い画像ノイズ)が認識され難くなる。逆に、注目領域ARが大きくなればなる程、比較的低周波の画像ノイズが認識され易く、比較的高周波の画像ノイズが認識され難くなる。したがって、画像のノイズの検出精度に関して言えば、注目領域ARが小さい程、高い周波数の画像ノイズの検出精度が要求され、逆に、注目領域ARが大きい程、低い周波数の画像ノイズの検出精度が要求されることになる。
以上のことをまとめて模式的な表としたものが、図3である。図3に示す表は、注目領域ARと、観察距離lW,注目状態,画像サイズ,画像種別,検出可能画像欠陥,画像ノイズ検出精度要求との相関関係を表すものとなっている。
空間周波数解析は、一般的には、図4に模式的に示すように、あるサイズに設定された領域においてマトリクス状に設定された複数の点(その点を中心とする設定された範囲と考えることもできる)の光学的特性値に基づいて行われる。上記領域は評価の対象となる画像についての空間周波数解析が行われる一単位となる領域であるため、その領域を評価単位領域UAと定義することができ、上記複数点の各々は光学的特性値がサンプリングされる点であるため、その各々の点をサンプリングポイントSPと定義することができる。そのように定義すれば、図4に示す評価単位領域UAは、二次元画像を評価する一般的な形状である正方形の領域とされており、また、サンプリングポイントSPは、その領域の各辺の延びる方向であるX方向,Y方向のそれぞれに同じピッチpでマトリクス状(格子状)に配置されている。また、各サンプリングポイントSPは、その領域UA内における位置が二次元座標に関連付けられ、SP(x,y)と表すことのできるものとなっている。評価単位領域UAの一辺の長さを、その領域のサイズSUAとすれば、領域内におけるサンプリングポイントSPの総数ΣSPは、概して、(SUA/p)2となる。ちなみに、評価単位領域UAのサイズSUA,サンプリングポイントSPのピッチp,総数ΣSP等は、評価単位領域UAの構成を決定付けるパラメータ、すなわち、領域諸元となる。
評価の対象となる評価対象画像の画質は、図5(a)に模式的に示すように、その画像OImの一部分に画像欠陥Defが存在するような場合には、その部分の画質をもって評価される。つまり、人間は画像のうちの最も画質の悪い部分をもって、その画像の画質として認定する傾向にあるのである。したがって、画像評価では、評価対象画像OImの全域にわたって行うことが望ましい。その場合、図5(b)に模式的に示すように、評価領域が評価対象画像OImの全域にわたって設定される。図5(b)では、評価対象画像OImが全域にわたって区分けされることによって評価単位領域UAが複数設定されており、各評価単位領域UAは、XY座標に関連付けられて、UA(x,y)という形式で表されるものとなっている。評価対象画像OImのX方向の長さ,Y方向の長さを、それぞれX方向サイズSOImx,Y方向サイズSOImyと定義すれば、図5(b)では、評価単位領域UAの総数である領域総数ΣUAは、概して、(SOImx/SUA)・(SOImy/SUA)となる。
上述のように、評価単位領域を設定してその領域ごとに空間周波数解析を行う場合、上記領域諸元は、その空間周波数解析の仕様を決定する要因となる。つまり、画像評価における精度等の仕様を決定付ける要因となる。
まず、サンプリングポイントSPのピッチpに関して言えば、ピッチpは、高周波側の解析限界周波数であるナイキスト空間周波数fNAを決定付けるものとなる。具体的に言えば、ナイキスト空間周波数fNA(cycle/mm)は、ピッチp(mm)をパラメータとして、次式で表され、
NA=1/(2*p)
図6(a)に模式的に示すピッチpが小さい場合は、図6(b)に示すピッチpが大きい場合に比較して(p1<p2)、ナイキスト空間周波数fNAは高くなるのである。一方、人間の網膜上の空間周波数ffに対する視感度Senは、図7に示すような特性を有している。この特性、つまり視覚の空間周波数応答特性を式で表せば、以下のようになる。
Sen(ff)=5.05*EXP(−0.138*ff)
*(1−EXP(−0.1*ff))
ここで、ffは、網膜上の空間周波数(cycle/degree)つまり網膜への入射角1度あたりの空間周波数であり、Sen(ff)は、視感度である。上記特性からすれば、視感度のピークは約5.5cycle/degreeにあり、また、視感度0.1%となる網膜上の空間周波数は、約60cycle/degreeであり、その値を限界網膜上空間周波数fflimとすることができる。そして、そのことを根拠とすれば、要望されるナイキスト空間周波数fNA(cycle/mm)は、次式で求めることが可能である。
NA=θ・fflim/(lW*tan(θ))
ここで、θは先に説明した視野角(degree)であり、lWは先に説明した観察距離(mm)である。この式から、観察距離lWが小さくなれば、ナイキスト空間周波数fNAを高くしなければならないことが解り、観察距離lWが大きくなれば、ナイキスト空間周波数fNAは比較的低くてもよいことが解る。つまり、高周波側の解析能に鑑みれば、観察距離lWが短くなる程、サンプリングポイントSPのピッチpを小さくすることが必要とされ、観察距離lWが長くなる程、サンプリングポイントSPのピッチpを大きくすることが可能となるのである。そして、先に説明した観察距離lWと注目領域ARの大きさSARとの相関関係に鑑みれば、適切な画質評価の実行を可能とするために、注目領域ARが小さい程、ピッチpを小さくする必要があり、逆に、注目領域ARが大きくなれば、ピッチpを大きくしてもよいことになる。
また、画像ノイズの検出精度、つまり、画像評価精度についていえば、サンプリングポイントSPのピッチpを小さくすればする程、サンプリングポイントSPの総数ΣSPが増するため、画像評価精度が向上することになる。先に説明したように、注目領域ARが小さくなればなる程、高い画像評価精度が要求されるため、その観点からしても、注目領域ARが小さい場合においては、サンプリングポイントSPのピッチpを小さくすることが望ましいのである。
一方、サンプリングポイントSPのピッチpは、評価単位領域UAにおける空間周波数解析処理の時間に影響を与える。図6から解るように、ピッチpが小さければ、サンプリングポイントSPの総数ΣSPが多くなり、1つの評価単位領域UAについての空間周波数解析の処理時間tUAが長くかかり、結果として、評価対象画像OIm全体の空間周波数解析の処理時間ΣtUAも長くことになることになるのである。
サンプリングポイントSPのピッチpに関して、以上のことをまとめて模式的な表としたものが、図8である。図8に示す表は、サンプリングポイントSPのピッチpの大小と、高周波側の解析能の優劣,画像評価精度の優劣,適正な画質評価が実行可能な注目領域ARの大小,1つの評価単位領域UAについての空間周波数解析処理処理時間tUA,評価対象画像OIm全体の空間周波数解析の処理時間ΣtUAとの相関関係を表すものとなっている。
次に、評価単位領域UAのサイズSUAに関して言えば、図9(a)に模式的に示す評価単位領域UAが小さい場合と、図9(b)に模式的に示す評価単位領域UAが大きい場合(SUA1<SUA2)とでは、画像評価精度が異なることになる。具体的に言えば、図9(b)に示すように、評価単位領域UA内に比較的微細な画像欠陥Defが存在したと仮定した場合、その欠陥Defの大きさがたとえ同じ大きさであっても、評価単位領域UAが大きいときには、その領域UAの大きさに対する画像欠陥Defの大きさの割合が小さくなるため、その画像欠陥Defに起因する画像ノイズの強度ピークは低くなり、その結果、検出精度が低下するのである。このように、画像評価精度に鑑みた場合は、評価単位領域UAのサイズSUAを小さくすることが望ましいのである。また、逆に、空間周波数解析では、図9に示すように、評価単位領域UAのサイズSUAを小さくした場合、ある程度周期の長い画像ノイズは検出できなくなる。つまり、評価単位領域UAが小さい場合には、低周波側の解析能が低下することなる(図9における、検出限界周期Tlim参照)。したがって、低周波側の解析能に鑑みた場合には、評価単位領域UAのサイズSUAを大きくすることが望ましいのである。
前述したように、注目領域ARの大きさSARが小さくなればなる程、微細な画像欠陥まで認識されやすく、そのため、注目領域ARが小さい程、画像評価精度を高くする必要がある。また、注目領域ARが小さくなる程、比較的低周波の画像ノイズが認識され難くなる。したがって、注目領域ARが小さい場合は、評価単位領域UAのサイズSUAを小さくることが望ましく、また、逆に、注目領域ARが大きい場合は、評価単位領域UAのサイズSUAを大きくすることが望ましいのである。
一方、評価単位領域UAのサイズSUAは、評価単位領域UAにおける空間周波数解析処理の時間に影響を与える。図9から解るように、評価単位領域UAが大きければ、サンプリングポイントSPの総数ΣSPが多くなり、1つの評価単位領域UAについての空間周波数解析の処理時間tUAが長くかかることになる。したがって、そのことに考慮すれば、評価単位領域UAをできるだけ小さくすることが望ましいのである。ところが、評価対象画像OIm全体の空間周波数解析の処理時間ΣtUAを考えた場合には、逆の結果となる。詳しく言えば、評価単位領域UAを小さくすれば、評価対象画像OImについて設定された評価単位領域UAの領域総数ΣUAが多くなり、そのことに起因して、処理時間ΣtUAが長くかかることになるのである。概して言えば、評価単位領域UAのサイズSUAが1/nになった場合に、1つの評価単位領域UAについての空間周波数解析の処理時間、詳しくは、高速フーリエ変換の演算のための処理時間tUAは、1/(n・log(n))倍になるものの、領域総数ΣUAがn2倍となるため、結果的に、評価単位領域UAを小さくすればする程、評価対象画像OIm全体の空間周波数解析の処理時間ΣtUAが長くなるのである。
評価単位領域UAのサイズSUAに関して、以上のことをまとめて模式的な表としたものが、図10である。図10に示す表は、評価単位領域UAのサイズSUAの大小と、低周波側の解析能の優劣,画像評価精度の優劣,適正な画質評価が実行可能な注目領域ARの大小,1つの評価単位領域UAについての空間周波数解析処理処理時間tUA,評価対象画像OIm全体の空間周波数解析の処理時間ΣtUAとの相関関係を表すものとなっている。
以下に説明する具体的な画像評価においては、上述のことを考慮し、評価対象画像OImが観察されるであろう観察距離lW,評価対象画像OImの画像サイズSOIm,評価対象画像OImの画像種別といった注目領域関連情報に基づいて、評価単位領域UAの領域諸元としてのサイズSUA,サンプリングポイントSPのピッチpを変更し、それによって画像評価における評価精度等の評価仕様や評価の処理時間を変更するようにされている。そしてそれによって、評価の目的,対象等に応じ、バリエーションに富んだ画像の評価が可能とされているのである。
<第1実施例>
第1実施例は、複合機、詳しくは、スキャナを備えたプリンタ装置に関する実施例であり、自身の画像形成精度を評価すべく、自身によって形成された検定用画像の画像評価を自身によって実行するものである。
(a)プリンタ装置のハード構成
図1に、本プリンタ装置の全体斜視を示す。本プリンタ装置10は、イメージスキャナを備える画像形成装置であり、ハード的に言えば、画像形成デバイスとしてのプリンタ部12,画像データ読取デバイスとしてのスキャナ部14,制御デバイスとしての制御ユニット16,操作パネル18等を含んで構成されている。
プリンタ部12は、インクジェット方式の一般的な構造のものである。色材(画材)としてのインクは、黒インク(b)と、シアン(c),マゼンタ(m),イエロー(y)の三色のカラーインクとが用いられる。それぞれのインクは、所定の収容容器に収められ、それら収容容器は、プリンティングヘッド20(以下、単に「ヘッド20」と略す場合がある)に装着されている。ヘッド20は、それぞれが複数のノズルを備えてそれぞれのインクを射出する4つのインク射出機構を有するとともに、ヘッド移動装置22に保持されている。このヘッド移動装置22によって、ヘッド20は、図に示す横方向であるY方向に移動させられる。画像形成基材である印刷用紙24(以下、「シート24」という場合がある)は、プリンタ装置10の背面側から1枚ずつ供給され、シートフィード装置26(以下、単に「フィード装置26」という場合がある)によって、詳しく言えば、それが備える送りローラ28の回転によって、送り方向であるX方向に送られる。つまり、ヘッド移動装置22によってヘッド20がY方向に往復運動させられつつ、シート24がフィード装置26によってX方向に間欠的に送られることで、シート24の全面に画像が印刷される。ちなみに、このプリンタ部12は、A4サイズのシートまで印刷可能とされ、また解像度等を変更しつつ文章,写真等の種々の画像を印刷可能とされている。
スキャナ部14は、フラットベッド方式の一般的な構造のものである。受光素子であるCCD素子と光源であるLED素子とがそれぞれY方向に一直線上配置されたスキャニングヘッド30が、ヘッド移動装置32によってX方向に移動させられる構造とされている。スキャニングヘッド30がヘッド移動装置32によって、一方向に移動されられることで、ベッドに載置された読取対象物の表面に形成された画像の画像情報が、イメージとして取り込まれる。ちなみに、スキャナ部14も、A4サイズの大きさの読取対象物の画像情報を、種々の解像度にて読取可能とされている。なお、スキャナ部14の最高解像度は、プリンタ部12の最高解像度より高くなっている。
制御ユニット16は、CPU,RAM,ROM,画像処理ユニット,入出力インタフェース,それらを繋ぐバス等を含んで構成されるコンピュータを主体とするものである。制御ユニット16は、プリンタ部12,スキャナ部14等の作動を制御する機能を有するものとされている。また、本プリンタ装置10は、プリンタ部12の画像形成能力,精度を評価すべく、評価対象画像である検定用画像の画質の評価を行うべく、プリンタ部12によって印刷された検定用画像の画質評価を支援する処理である画像評価支援処理(本プリンタ装置10では評価まで行なわれることから、画像評価処理と考えることもできる)を実行可能とされている。
(b)制御ユニットの機能構成
制御ユニット16の機能構成(詳しくは、上記画像評価支援処理のための機能を中心とした機能構成)は、図12のブロック図に示すようになっている。制御ユニット16は、入出力インタフェース(I/O)50を有しており、プリンタ部12,スキャナ部14,操作パネル18は、このI/O50のポートに接続されている。制御ユニット16は、プリンタ部12を制御する機能部として、プリンタ制御部52を備えている。このプリンタ制御部52は、種々の画像をプリンタ部12によって印刷させるための処理を行う。したがって、プリンタ部12とプリンタ制御部52とを含んで画像形成部54が構成されていることになる。なお、後に説明する検定用画像をプリンタ部12よって印刷させるための処理も、このプリンタ制御部52にて実行される。また、制御ユニット16は、スキャナ部14を制御する機能部として、スキャナ制御部56を備えており、このスキャナ制御部56は、スキャナ部14によって画像データを読み取らせるための処理を実行する。画像評価支援処理との関係に関して言えば、検定用画像の画像データの読取(取込)のための処理も、このスキャナ制御部56によって実行される。したがって、スキャナ部14,スキャナ制御部56を含んで画像データ取得部58が構成されることになる。
また、制御ユニット16は、画像評価支援処理における各処理を実行する複数の機能部62〜72を有している。それらを簡単に説明すれば、領域諸元決定部62は、先に説明した評価単位領域UAの領域諸元、詳しくは、評価単位領域UAのサイズSUAおよびサンプリングポイントSPのピッチpを決定する機能部であり、また、評価領域設定部64は、検定用画像内において複数の評価単位領域UAを設定する機能部である。さらに、領域データ取得部66は、領域データを取得するための処理、つまり、評価単位領域UA内に設定されたサンプリングポイントSPの各々の光学的特性値を含むデータを取得するための処理を実行する機能部であり、また、空間周波数解析実行部68は、領域データに基づいて空間周波数解析を行う機能部である。そして、評価指標値決定部70は、空間周波数解析の結果に基づいて画質評価の指標となる画質評価指標値を決定する機能部であり、また、評価部72は、画質評価指標値に基づいて検定用画像の画質を評価する機能部である。それらの機能部62〜72と、先に説明した画像データ取得部58とを含んで、画像評価支援処理部が構成されることとなる。したがって、この制御ユニット16を含んで画像評価支援装置が構成され、本プリンタ装置10は、画像評価支援装置を内蔵するものとなっている。
さらに、制御ユニット16は、プログラム・データ格納部74を有しており、その格納部74には、後に説明する画像評価支援プログラム,検定用画像印刷プログラム等を始めとする各種のプログラム、後に説明する検定用画像データ,領域諸元データ,VTFデータ,評価グレード閾値データ等の画像評価支援処理に利用されるデータを始めとして、各種データが格納されている。
(c)検定用画像
検定用画像は、プリンタ装置10の画像形成能力,精度等を評価するための画像であり、詳しくは、バンディング現象に関するプリンタ部12の検定のための画像である。つまり、検定用画像は、評価対象画像としての役割を担う画像であり、厳密に言えば、評価対象画像の基礎となる画像である。ここでいうバンディング現象とは、縞状に現れる画像欠陥であり、例えば、プリンタ部12が備えるプリンティングヘッド20の移動動作,シート24の送り動作等に起因して生じるインク滴の吐出位置,吐出量のばらつき等の現象である。つまり、一方向に生じる画像の光学的特性値の周期的な揺らぎとして把握されるものである。そういった検定の目的等から、検定用画像は、黒インクを用いてA4サイズのシート24の略全面に印刷された比較的色の薄い単一色画像、平たく言えば、濃いグレーのベタ画像とされている。より詳しく言えば、真っ黒を0と、真っ白を255とした場合における128の階調レベルのグレーとされており、プリンタ部12が描点可能な最密なドット配置における各ドット位置のうち、均一に分散した所定の割合のドット位置のみに黒インクによって描点された画像とされている。
検定用画像の印刷は、検定用画印刷プログラムが実行されることによって行われる。プリンタ部12に所定のA4サイズのシート24がセットされた後、操作パネル18に所定の操作がユーザによってなされることで、検定用画像印刷プログラムの実行が開始される。このプログラムによる印刷処理では、プリンタ制御部52によって、まず、プログラム・データ格納部74に格納されている検定用画像データが読み出され、次いで、そのデータに基づいて、プリンタ部12が制御作動させられる。そのような処理によって、検定用画像がシート24に印刷される。
(d)画像評価支援処理
上記検定用画像についての画質の評価は、その検定用画像の画像データをスキャナ部14によって読み取らせ、その読み取らせた画像データに基づいて行われる。その評価のための一連の処理は、プログラム・データ格納部74に格納されている画像評価支援プログラムが実行されることによって行われる。このプログラムは、図13にフローチャートで示すようなプログラムである。以下に、画像評価のための一連の処理を、そのフローチャートに沿って、プログラムのステップごとに、つまり、各処理工程ごとに説明する。
i)画像データ取得工程(画像データ取得ステップ)
本工程は、ステップ1(以下、「S1」と略す、他のステップも同様である)の画像データ取得ステップが実行されることによって行われる。本ステップの処理は、検定用画像がスキャナ部14にセットされた後、ユーザによって、操作パネル18対して所定の操作がなされることで開始する。本ステップの処理では、まず、スキャナ部14が制御作動させられて、検定用画像の画像データが読み取られる。スキャナ部14の解像度は最高解像度に設定されており、画像データは、その最高解像度においてスキャナ部14によって読み取り可能な画素である単位画素UEごとの輝度データ(RGB輝度データ)、つまり、各単位画素UEの位置(図11に示すX方向,Y方向を座標軸とするXY座標系における位置)と、それら各単位画素UEにおける輝度とを含んで構成されたデータとして読み取られることになる。続いて、各単位画素UEにおける輝度データが、L***表色系の明度L*(光学的特性値の一種である、以下、単に「L」と表す)データ、つまり、L(x,y)という形式の画像データに変換される。この変換処理によって得られた画像データは、一旦、プログラム・データ格納部74に格納される。このようにして、検定用画像の画像データが取得されることになる。なお、本ステップの処理は、先に説明したところの、スキャナ部14,スキャナ制御部54とを含んで構成される画像データ取得部58によって実行されることになる。
ii)領域諸元決定工程(領域諸元決定ステップ)
本工程は、S2の領域諸元決定ステップが実行されることによって行われる。本ステップの処理では、上述した評価単位領域UAの領域諸元として、その領域UAのサイズSUAおよびその領域UAに設定されるサンプリングポイントSPのピッチpが決定される。それらを決定するための根拠情報は、ユーザによって操作パネル18から入力される。具体的に言えば、ユーザは、評価しようとする画像の観察距離lWと、画像サイズSOImとの一方(ユーザによってそれらの一方が選択される)と、画像種別とを操作パネルに入力されるようになっている。なお、ここでいう根拠情報は、検定用画像そのものについての観察距離等を意味せず、本プリンタ装置10によって印刷されたと仮定した場合の画像についての根拠情報を意味する。つまり、本画像評価支援処理では、将来印刷されるであろう仮想的な画像の画質を評価すべく、その仮想的な画像を検定用画像に化体させ、その化体させられた検定用画像を評価対象画像とした画像評価の支援を行う処理とされているのである。したがって、本画像評価支援処理では、上記仮想的な画像についての根拠情報が入力されることになる。その根拠情報をさらに詳しく説明すれば、観察距離lWに関しては、“50cm”,“30cm”,“20cm”の3つのモードから選択するようにされ、同様に、画像サイズSOImに関しては、“A4”,“B5・はがき”,“L判・E判”の3つのモードから選択されるようになっている。また、画像種別に関しては、“文章”,“写真”の2つのモードから選択されるようになっている。
一方、プログラム・データ格納部74には、領域諸元データとして、諸元が互いに異なる4つの評価領域を設定可能なサイズSUA,ピッチpの組合せデータが格納されている。具体的に言えば、それら4つの組合せデータは、図14(a)に示すように、〔Mode(α):SUA(α),p(α)〕という形式のデータであり、引数αが1〜4のいずれかである4つのモードに関するデータである。ちなみに、SUA(α)は、SUA(1)<SUA(2)<SUA(3)<SUA(4)とされ、p(α)は、p(1)<p(2)<p(3)<p(4)とされており、引数αが大きくなるにつれて、前述の注目領域ARが大きい画像の評価に適した評価単位領域となるようにされているのである。領域諸元は、それら4つのモードから選択されて決定される。
上記根拠情報に基づく領域諸元の決定は、図14(b)にフローチャートを示す領域諸元決定サブルーチンが実行されて行われる。詳しい説明は省略するが、観察距離lWあるいは画像サイズSOImに応じて、引数αの値が4〜2のいずれかに決定され、さらに、画像種別が“写真”である場合には、より高精度な評価を行なうべく、引数αの値が1つ減じられる。このようにして決定された引数αに基づいて、1つの組合せデータ〔Mode(α):SUA(α),p(α)〕が、プログラム・データ格納部74から、読み出されることになる。なお、本ステップの処理を実行する制御ユニット16の部分を含んで、上記領域諸元決定部62が構成されることになる。
iii)評価領域設定工程(評価領域設定ステップ)
本工程は、S3の評価領域設定ステップが実行されることによって行われる。本ステップの処理では、検定用画像の全域にわたって、上記領域諸元が決定された評価単位領域UAが設定される。具体的に言えば、A4サイズの検定用画像の長辺,短辺のそれぞれに対して、領域区画数が、それぞれの辺の長さをSUA(α)の値で割って整数化した数として決定され、その領域区画数に基づいて、長辺,短辺のそれぞれについて均等割されたマトリクス状(碁盤目状,格子状)に、検定用画像が区分けされるのである(図5参照)。ちなみに、それぞれの評価単位領域UAは、XY座標系における位置に関連付けられ、UA(x,y)という形式で表されるものとなる。
さらに、各評価単位領域UA内において、サンプリングポイントSPが割り付けられる。具体的には、各評価単位領域UAのX方向の辺,Y方向の辺のそれぞれに対して、ポイント数が、それぞれの辺の長さをp(α)の値で割って整数化した数として決定され、そのポイント数に基づいて、X方向,Y方向のそれぞれについて等ピッチなマトリクス状(散点状)に、サンプリングポイントSPが配置されるのである(図4参照)。ちなみに、各サンプリングポイントSPは、それが存在する評価単位領域UAごとに設定されたXY座標系における位置に関連付けられ、SP(x,y)という形式で表されるものとなる。以上の処理によって本ステップの処理が完了するが、その処理を実行する制御ユニット16の部分を含んで、先に述べた評価領域決定部64が構成されることになる。
iv)領域データ取得工程(領域データ取得ステップ)
本工程は、S4の領域データ取得ステップが実行されることによって行われる。本ステップの処理では、各評価単位領域UAごとの画像データが取得される。詳しく言えば、先に取得されて格納されている検定用画像の画像データに基づいて、各評価単位領域UAごとに、配置されたサンプリングポイントSPの位置に対応する領域の明度Lが取得される。図15の模式図を参照しつつより具体的に言えば、検定用画像の単位画素UEは、検定用画像を細かく区分するようなマトリクス状に配置されており、その検定用画像に設定された評価単位領域UAの格子を重ね合わせた状態において、あるサンプリングポイントSPが存在する単位画素UEおよびそれの周辺の単位画素UEの各々の明度Lに基づいて、そのサンプリングポイントSPに対応する明度L’が取得され、順次、すべてのサンプリングポイントSPについての明度L’が取得される。図15(a)では、サンプリングポイントSPが存在する単位画素UEおよびそれに隣接する合計8つの単位画素UEの明度Lの平均値をもって、サンプリングポイントSPの明度L’としている。いくつの単位画素UEを基に1つのサンプリングポイントSPの明度L’が取得されるかは、決定されているサンプリングポイントSPのピッチpによって変更されるようになっており、例えば、そのピッチpが極端に小さい場合は、サンプリングポイントSPが存在する1つの単位画素UEの明度LをもってサンプリングポイントSPの明度L’とすることができ、また、例えば、ピッチpが大きくなるにつれて、4,9,16,25・・・といった具合に、より多い数の単位画素UEの明度Lの平均値をもって、サンプリングポイントSPの明度L’とすることが可能である(図15(b),(c)参照)。本ステップの処理は、いわゆる画像データ圧縮処理の一種であると考えれることができ、本処理によって、設定されているすべての評価単位領域UAについて、すべてのサンプリングポイントSPの明度L’のデータを含んだ領域データが取得される。取得された領域データは、各評価単位領域UAごとに、L’(x,y)といった形式のデータとなる。なお、本ステップの処理を実行する制御ユニット16の部分を含んで、先に述べた領域データ取得部66が構成されることになる。
v)空間周波数解析実行工程(空間周波数解析実行ステップ)
本工程は、S5の空間周波数解析実行ステップが実行されることによって行われる。本ステップの処理では、X方向,Y方向の各々におけるバンディング現象の程度を評価すべく、各評価単位領域UAごとに、上記領域データを基にしてそれぞれの方向について1次元フーリエ変換処理が行われ、それぞれの方向の画像ノイズのパワースペクトルが取得され、そして、その取得処理が順次すべての評価単位領域UAについて行なわれることで、すべての評価単位領域UAのパワースペクトルが取得される。
各評価単位領域UAごとの処理は同様であり、また、X方向についての処理とY方向についての処理とは同様であるため、それらを代表して、1つの評価単位領域UAの1つのX方向についての処理について詳しく説明すれば、本ステップでは、まず、領域データの圧縮処理が行われる。X方向の処理を行うため、その処理においてはY方向に圧縮される。具体的には、上述したL’(x,y)といった形式のデータにおいて、同じx座標位置にあって異なるy座標位置のすべての明度値が平均されてそのx座標位置における明度値とされ、L’(x)という形式の1次元データが作成される。続いて、この1次元データを基に、次式に従うフーリエ変換処理が行われ、X方向についての画像ノイズのパワースペクトルが、空間周波数特性関数Fx(u)として求められる。
Figure 2006277172
ちなみに、上記式のMは、単位評価領域UAにおいてX方向に並ぶサンプリングポイントSPの数である。なお、得られるパワースペクトルは、画像ノイズの発生状態によって異なるものとなるが、一例を挙げれば、模式的には、図2に示すようなプロフィールをなすパワースペクトルが得られる(図2と異なり、横軸が空間周波数uと、縦軸がFx(u)となる)。
同様の手法に従って、Y方向ついてのパワースペクトルが空間周波数特性関数Fy(u)として求められ、そして、すべての評価単位領域UAのX方向,Y方向のパワースペクトルが求められて、本ステップの処理が終了する。なお、本ステップの処理を実行する制御ユニット16の部分を含んで、先に述べた空間周波数解析実行部68が構成されることになる。
vi)評価指標値決定工程(評価指標値決定ステップ)
本工程は、S6の評価指標値決定ステップが実行されることによって行われる。本ステップの処理では、検定用画像についての画質評価のパラメータ、つまり、バンディング評価値として、所定の評価指標値が決定される。詳しく説明すれば、まず、ある評価単位領域UAについて先に求められたX方向,Y方向のパワースペクトルに対して、視感度フィルタによるフィルタ処理が施される。具体的には、次式に従い、上述の空間周波数特性関数Fx(u),Fy(u)の各々に対して、プログラム・データ格納部74にVTFデータとして格納されている視覚特性補正関数VTF(u)が乗じられて、視感度を考慮した補正が施された補正空間周波数特性関数Fx’(u),Fy’(u)が求められる。
Fx’(u)=VTF(u)*Fx(u)
Fy’(u)=VTF(u)*Fy(u)
なお、視覚特性補正関数VTF(u)は、図7に示すようなプロフィールを有するものである(図7と異なり、横軸が空間周波数uとなる)。次いで、補正空間周波数特性関数Fx’(u),Fy’(u)の各々のピーク値(最も強度の高い値)Pex,Peyが、その評価単位領域UAにおける評価指標値として決定される。以上のようなフィルタ処理,評価指標値認定処理を繰り返し、各評価単位領域UAのピーク値Pex,Peyが、その各々の領域UAの評価指標値として決定されて、本ステップの処理が終了する。なお、本ステップの処理を実行する制御ユニット16の部分を含んで、先に述べた評価指標値決定部70が構成されることになる。
vii)評価工程(評価ステップ)
本工程は、S7の評価ステップが実行されることによって行われる。本ステップの処理では、先に得られた評価指標値に基づいて、検定用画像についての画質評価が行われる。具体的には、先に決定されているすべての評価単位領域UAのピーク値Pex,Peyの中から、最も大きな値(最も強度の高い値)が最悪値MBとして認定され、その最悪値MBと、プログラム・データ格納部74に格納されている複数の評価グレード閾値とが比較され、検定用画像についての評価グレードGが認定される。認定された評価グレードGは、操作パネル18に配備されているディスプレイに表示されてユーザに告知され、本ステップの処理が終了する。なお、本ステップの処理を実行する制御ユニット16の部分を含んで、先に述べた評価部70が構成されることになる。以上によって、本画像評価支援プログラムの実行が終了し、画像評価支援処理が終了する。
<第2実施例>
第2実施例は、画像評価専用機としての画像評価支援装置に関する実施例である。その画像評価支援装置は、第1実施例におけるプリンタ装置と異なり、種々の画像形成装置によって形成された画像に対する画質の評価、詳しく言えば、先の検定用画像といった特殊用途の画像だけでなく、一般の画像の画質の評価を実行可能とされている。なお、本実施例の説明においては、先の第1実施例の説明と重複部分があるため、その部分の説明については、省略あるいは簡単なものとする。また、画像評価支援装置の構成要素のうち、先のプリンタ装置の構成要素と同様あるいは類似のものについては、可及的に、先に用いた符号を用いることとする。
(a)画像評価支援装置のハード構成
図16に、本画像評価支援装置の全体斜視を示す。本画像評価支援装置100は、イメージスキャナ102と、汎用的なコンピュータ装置104とを備えており、そのコンピュータ装置104は、コンピュータ本体106と、出力デバイスとしてのディスプレイ108と、入力デバイスとしてのキーボード110およびマウス112とを含んで構成されている。イメージスキャナ102は、第1実施例におけるプリンタ装置10のスキャナ部14と同様、フラットベッド方式ものであり、スキャニングヘッド30とヘッド移動装置32とを含んで構成されている。ただし、イメージスキャナ102は、先のスキャナ部14と異なり、かなり大きな画像(例えば、A1サイズ)の画像データをも読み取れるように、大型のスキャナとされている。
(b)コンピュータ本体の機能構成
コンピュータ本体106の機能構成は、図17に示すように、画像印刷に関する部分を除き、第1実施例における制御ユニット16と略同様であり、各機能部58〜74の機能に関しても略同様であるため、ここでの説明は省略する。
(c)評価対象画像
本画像評価支援装置100は、先に説明したように、検定用画像といった特殊な画像だけでなく、一般的な画像の画質の評価をも行えるようにされている。そこで、本実施例の説明では、一般的な画像を評価対象画像として、それ自体の画質を評価する処理について説明する。ただし、一般的な画像は、それ単独では、空間周波数解析において画像のノイズ成分のみを特定することができないため、本実施例における画像評価支援処理は、その評価対象画像と同じ画像であって画像欠陥の殆ど存在しない画像、言い換えれば、画像ノイズが概ね発生していないような画像を、参照画像として用い、その参照画像との比較において評価対象画像の評価を行うようにされている。なお、第1実施例に関しては、バンディング特性を評価項目とした評価処理の説明をしたが、本実施例では、粒状性、いわゆるざらつき度を評価項目とした評価を行うこととして、その処理について説明する。
(d)画像評価支援処理
本実施例における画像評価支援処理は、所定の画像評価支援プログラムがコンピュータ装置104によって実行されることで行われる。この画像評価支援プログラムは、先に説明したプログラムと同様、図13にフローチャートで示すようなプログラムである。以下に、第1実施例の場合と同様に、順次、処理工程つまりそのプログラムのステップを説明行う。
i)画像データ取得工程(画像データ取得ステップ)
本実施例における画像データ取得処理では、評価対象画像OImの画像データだけではなく、上述した参照画像RImの画像データも取得される。まず、参照画像RImがイメージスキャナ102にセットされ、ユーザのキーボード110からの操作によって、その参照画像RImの画像データの取得処理が行われる。次いで、評価対象画像OImがイメージスキャナ102にセットされ、同様の操作によって、その評価対象画像OImの画像データの取得処理が行われる。画像データの内容,その取得処理の内容は、第1実施例と同様であり、それらの処理によって、参照画像RImの画像データ,評価対象画像OImの画像データとして、それぞれ、明度に関するLR(x,y),LO(x,y)という形式の画像データが取得される。
ii)領域諸元決定工程(領域諸元決定ステップ)
本実施例における領域諸元決定処理では、第1実施例の場合と同様、評価単位領域UAの領域諸元として、その領域UAのサイズSUAおよびその領域UAに設定されるサンプリングポイントSPのピッチpが決定される。ただし、本実施例の処理では、評価単位領域UAのサイズSUAに関しては、評価対象画像OImのサイズSOImあるいは参照画像RImのサイズSRIm(それらは等しいため、以下、単に「画像サイズSIm」という場合がある)を根拠情報としてそれに基づいて決定され、サンプリングポイントSPのピッチpに関しては、観察距離lWを根拠情報としてそれに基づいて決定されるようになっている。画像サイズSImは、先に取得された画像データにおける単位画素UEのX方向およびY方向のそれぞれにおける数と、画像データを取得した際のイメージスキャナ102の解像度とに基づいて、X方向の画像サイズSImxとY方向の画像サイズSImy画像サイズSImのそれぞれが、自動的に認定されるようになっている。また、観察距離lWは、ユーザがキーボード110によって入力した値が採用される。
第1実施例では、評価単位領域UAのサイズSUAおよびサンプリングポイントSPのピッチpは、それらの値が互いに組み合わされた4つの組合せデータから選択されて決定されるようにされていたが、本実施例では、所定の演算によって決定されるようになっている。具体的に言えば、評価単位領域UAのサイズSUAは、次式に従って、認定されたX方向の画像サイズSImxとY方向の画像サイズSImyとの平均に、サイズ決定定数a(領域諸元データとしてプログラム・データ格納部74に格納されている)を乗じた値に決定される。
UA={(SImx+SImy)/2}*a
また、サンプリングポイントSPのピッチpは、次式に従って、入力された観察距離lWに、ピッチ決定定数b(領域諸元データとしてプログラム・データ格納部74に格納されている)を乗じた値に決定される。
p=lW*b
上記2つの式からわかるように、画像サイズSImが大きくなればなる程、評価単位領域UAのサイズSUAは大きくされ、また、観察距離lWが長くなればなる程、サンプリングポイントSPのピッチpは大きくされる。したがって、本領域諸元決定処理では、前述した注目領域ARが大きくなる程、サイズSUA,ピッチpとも大きくされることになり、注目領域ARに応じて、好適な評価単位領域UAとされるのである。
iii)評価領域設定工程(評価領域設定ステップ)
本実施例における評価領域設定処理では、第1実施例における処理と同様の手法によって、参照画像RIm,評価対象画像OImの両者に対して、それらの各々の全域にわたって、上記領域諸元が決定された評価単位領域UAが設定される。参照画像RIm,評価対象画像OImに対して設定された評価単位領域UA,サンプリングポイントSPは、それぞれ、UA(x,y),SP(x,y)の形式で表されるものとなる。
iv)領域データ取得工程(領域データ取得ステップ)
本実施例における領域データ取得処理は、第1実施例における処理と同様の手法によって、参照画像RIm,評価対象画像OImのそれぞれについて、各評価単位領域UAごとの領域データが取得される。取得された領域データは、それぞれ、LR’(x,y),LO’(x,y)という形式のデータとなる。
v)空間周波数解析実行工程(空間周波数解析実行ステップ)
本実施例における空間周波数解析処理では、粒状性を評価するために、第1実施例と異なり、各評価単位領域UAごとのウィナースペクトルが取得される。また、本処理では、参照画像RIm,評価対象画像OImの二次元ウィナースペクトルが求められ、それらの差分をもって、評価対象画像OImの画像ノイズに対する二次元ウィナースペクトルとされ、その二次元ウィナースペクトルから、1次元ウィナースペクトルが求められる。具体的には、まず、参照画像RIm,評価対象画像OImの各々の領域データLR’(x,y),LO’(x,y)を基に、次式の各々に従って、二次元フーリエ変換処理が行われ、参照画像RIm,評価対象画像OImの各々についての二次元空間周波数特性関数FR(u,v),FO(u,v)が求められる。
Figure 2006277172
Figure 2006277172
なお、上記式のu,vは、空間周波数であり、M,Nは、単位評価領域UAにおいてX方向,Y方向の各々に並ぶサンプリングポイントSPの数である。次いで、二次元空間周波数特性関数FR(u,v),FO(u,v)から、次式の各々に従って、参照画像RIm,評価対象画像OImの各々についての二次元ウィナースペクトルPR(u,v),PO(u,v)が求められる。
R(u,v)=|FR(u,v)|2
O(u,v)=|FO(u,v)|2
続いて、次式に従い、評価対象画像OImの画像ノイズについての二次元ウィナースペクトルP(u,v)が求められ、
P(u,v)=PO(u,v)−PR(u,v)
さらに、その二次元ウィナースペクトルP(u,v)を極座標変換することにより極座標系ウィナースペクトルP(fr,θ)が求められ、さらに、それを一次元化した1次元化ウィナースペクトルP(fr)が、次式に従って求められる。
Figure 2006277172
なお、frは、空間周波数であり、上記式におけるnは、角度方向の積分範囲を示し、通常半周分の180゜とされる。また、Δθは、極座標系における基本分割角度(=π/n)である。
上記一連の演算処理によって得られた1次元化ウィナースペクトルP(fr)は、ウィナースペクトル空間の原点を中心としたドーナツ形の領域すなわち同一空間周波数のエネルギ積分を表すものとなっている。その1次元化ウィナースペクトルP(fr)は、評価対象画像OImの1つの評価単位領域UAにおける画像ノイズに関するものであり、上記一連の処理が、評価対象画像OImのすべての評価単位領域UAについて求められて、本空間周波数解析処理が終了する。
vi)評価指標値決定工程(評価指標値決定ステップ)
本実施例における評価処理指標決定処理では、評価対象画像OImの各評価単位領域UAについての粒状性評価指標値GSが、個々の領域UAにおける評価指標値として決定される。具体的には、プログラム・データ格納部74にVTFデータとして格納されている視覚特性補正関数VTF(j*Δfr)が読み出され、次式に従い、各評価単位領域UAの1次元化ウィナースペクトルP(fr)を基に、上記関数によって視感度を考慮した補正を行いつつ、各領域UAの粒状性評価指標値GSが決定される。
Figure 2006277172
なお、Δfrは、基本空間周波数であり、上記式において、cは、定数であり、mは、評価単位領域UAにおいてX方向,Y方向に並ぶサンプリングポイントSPの数の1/2である。
vii)評価工程(評価ステップ)
本実施例における評価処理は、第1実施例における処理と同様に、評価対象画像OImの画像評価が行われる。具体的には、先に得られた各評価単位領域UAについての粒状性評価指標値GSの中から、最も大きな値が最悪値MBとして認定され、その最悪値MBと、プログラム・データ格納部74に格納されている複数の評価グレード閾値とが比較され、評価対象画像OImについての評価グレードGが認定される。認定された評価グレードGは、ディスプレイ108に表示されてユーザに告知される。
評価対象画像の観察距離および注目状態とその画像の注目領域の大きさとの関係を示す模式図である。 空間周波数解析によって得られるパワースペクトルの一例を示す模式図である。 注目領域と、観察距離,注目状態,画像サイズ,画像種別,検出可能画像欠陥,画像ノイズ検出精度要求との相関関係を模式的に示す表である。 空間周波数解析が行われる評価単位領域の概念を示す模式図である。 評価対象画像内の画像欠陥、評価対象画像への評価領域の設定について示す模式図である。 評価単位領域内におけるサンプリングポイントのピッチの違いを模式的に示す図である。 網膜上の空間周波数に対する視感度の特性を示すグラフである。 サンプリングポイントのピッチと、適正な画質評価が実行可能な注目領域の大小,1つの評価単位領域についての空間周波数解析処理処理時間,評価対象画像全体の空間周波数解析の処理時間との相関関係を模式的に示す表である。 評価単位領域内のサイズの違いを模式的に示す図である。 評価単位領域のサイズの大小と、低周波側の解析能の優劣,画像評価精度の優劣,適正な画質評価が実行可能な注目領域の大小,1つの評価単位領域についての空間周波数解析処理処理時間,評価対象画像全体の空間周波数解析の処理時間との相関関係を模式的に示す表である。 第1実施例としての画像評価支援処理を実行可能なプリンタ装置の全体構成を示す斜視図である。 図11のプリンタ装置が備える制御ユニットの機能に関するブロック図である。 プリンタ装置が備える制御ユニットによって実行される画像評価処理支援プログラムを示すフローチャートである。 格納されている領域諸元決定データを示す模式的なチャート、および領域諸元決定のために実行される領域諸元決定サブルーチンを示すフローチャートである。 検定用画像のデータから評価単位領域ごとの領域データを取得する手法を説明するための模式図である。 第2実施例としての画像評価支援処装置の全体構成を示す斜視図である。 図12の画像評価支援装置が備えるコンピュータ本体の機能に関するブロック図である。
符号の説明
10:プリンタ装置〔画像評価支援装置〕 12:プリンタ部 14:スキャナ部 16:制御ユニット〔画像評価支援装置〕 52:プリンタ制御部 54:画像形成部 56:スキャナ制御部 58:画像データ取得部 62:領域諸元決定部 64:評価領域決定部 66:領域データ取得部 68:空間周波数解析実行部 70:評価指標値決定部 72:評価部 74:プログラム・データ格納部 100:画像評価支援装置 102:イメージスキャナ 104:コンピュータ装置 Im:画像 SIm:画像のサイズ OIm:評価対象画像 AR:注目領域 SAR:注目領域の大きさ lW:観察距離 θ:視野角 fNA:ナイキスト空間周波数 ff:網膜上の空間周波数 UA:評価単位領域 SUA:評価単位領域のサイズ〔領域諸元〕 SP:サンプリングポイント p:サンプリングポイントのピッチ〔領域諸元〕 ΣSP:サンプリングポイントの総数〔領域諸元〕 tUA:1つの評価単位領域についての処理時間 ΣtUA:評価対象画像全体についての処理時間 UE:単位画素 L,L’:明度 u,v:空間周波数 F(u),F(u),F(u,v):空間周波数特性関数 P(u,v):二次元ウィナースペクトル P(u,v):二次元ウィナースペクトル P(fr,θ):極座標系ウィナースペクトル P(fr):一次元化ウィナースペクトル VTF:視覚特性補正関数 Pe:ピーク値〔評価指標値〕 GS:粒状性評価指標値 MB:最悪値

Claims (8)

  1. 評価の対象となる評価対象画像の画質を評価する画像評価方法であって、
    前記評価対象画像内において評価処理の単位となる評価単位領域についての諸元である領域諸元として、少なくとも前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチをを決定する領域諸元決定工程と、
    前記領域諸元に従う前記評価単位領域に存在する複数のサンプリングポイントの各々のその領域内における位置と光学的特性値とを含む領域データを取得する領域データ取得工程と、
    前記領域データに基づいて、前記評価単位領域の光学的特性についての空間周波数解析を行う空間周波数解析実行工程と、
    前記空間周波数解析の結果に基づいて、前記評価対象画像の画質評価の指標となる前記評価単位領域の画質評価指標値を決定する評価指標値決定工程と、
    前記評価単位領域の画質評価指標値に基づいて前記対象画像の画質を評価する評価工程と
    を含んで構成された画像評価方法。
  2. 前記領域諸元決定工程において、前記評価対象画像の観察において観察者が標準的に注目する領域である注目領域の大きさを示す情報とその大きさを推認可能な情報との少なくとも一方を含む注目領域関連情報に基づいて前記サンプリングポイントのピッチを決定する請求項1に記載の画像評価方法。
  3. 前記領域諸元決定工程において、前記注目領域関連情報としての(a)前記評価対象画像が観察される際の観察距離,(b)前記評価対象画像のサイズ,(c)前記評価対象画像の種別から選ばれる少なくとも1つに基づいて前記サンプリングポイントのピッチを決定する請求項2に記載の画像評価方法。
  4. 前記領域諸元決定工程において、前記注目領域関連情報が前記注目領域が大きいことを表す情報である場合に、小さいことを表す情報である場合に比較して、前記サンプリングポイントのピッチを、それの値が大きくなるように決定する請求項2または請求項3に記載の画像評価方法。
  5. 当該画像評価方法が、前記評価対象画像内においてそれぞれが前記評価単位領域となる複数の評価領域を設定する評価領域設定工程を含んで構成され、
    前記領域データ取得工程,前記空間周波数解析工程,前記評価指標値決定工程の各々を、前記複数の評価領域の各々について実行するとともに、
    前記評価工程において、前記複数の評価領域の画質評価指標値のうち最も画質が悪いことを指標する値である最悪値に基づいて前記評価対象画像の画質を評価する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像評価方法。
  6. 評価の対象となる評価対象画像の画質の評価の支援を行う画像評価支援装置であって、
    前記評価対象画像内において評価処理の単位となる評価単位領域についての諸元である領域諸元として、少なくとも前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチを決定する領域諸元決定部と、
    前記領域諸元に従う前記評価単位領域に存在する複数のサンプリングポイントの各々のその領域内における位置と光学的特性値とを含む領域データを取得する領域データ取得部と、
    前記領域データに基づいて、前記評価単位領域の光学的特性についての空間周波数解析を行う空間周波数解析実行部と、
    前記空間周波数解析の結果に基づいて、前記評価対象画像の画質評価の指標となる前記評価単位領域の画質評価指標値を決定する評価指標値決定部と
    を含んで構成された画像評価支援装置。
  7. 画材を画像形成基材の表面に付着させてその画像形成基材上に画像を形成する画像形成部と、
    その画像形成部によって形成されて画質の評価の対象となる評価対象画像の設定された画素ごとの光学的特性値を含む画像データを取得する画像データ取得部と、
    前記評価対象画像内において評価処理の単位となる評価単位領域についての諸元である領域諸元として、少なくとも前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチを決定する領域諸元決定部と、
    前記領域諸元に従う前記評価単位領域に存在する複数のサンプリングポイントの各々のその領域内における位置と光学的特性値とを含む領域データを取得する領域データ取得部と、
    前記領域データに基づいて、前記評価単位領域の光学的特性についての空間周波数解析を行う空間周波数解析実行部と、
    前記空間周波数解析の結果に基づいて、前記評価対象画像の画質評価の指標となる前記評価単位領域の画質評価指標値を決定する評価指標値決定部と
    を含んで構成された画像形成装置。
  8. 評価の対象となる評価対象画像の画質を評価するためにコンピユータによって実行される画像評価支援プログラムであって、
    前記評価対象画像内において評価処理の単位となる評価単位領域についての諸元である領域諸元として、少なくとも前記評価単位領域におけるサンプリングポイントのピッチをを決定する領域諸元決定ステップと、
    前記領域諸元に従う前記評価単位領域に存在する複数のサンプリングポイントの各々のその領域内における位置と光学的特性値とを含む領域データを取得する領域データ取得ステップと、
    前記領域データに基づいて、前記評価単位領域の光学的特性についての空間周波数解析を行う空間周波数解析実行ステップと、
    前記空間周波数解析の結果に基づいて、前記評価対象画像の画質評価の指標となる前記評価単位領域の画質評価指標値を決定する評価指標値決定ステップと、
    を含んで構成された画像評価支援プログラム。
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