JP2006108502A - 微小コンデンサおよびその製造方法、ならびに電子機器 - Google Patents

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康幸 伊藤
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Abstract

【課題】 簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することが可能な微小コンデンサを提供する。
【解決手段】 複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分11,12および誘電体膜と、駆動電極14と、単一の電源とを備え、コンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pの変位箇所の長さL1が互いに一致すると共に駆動電極14のうちの各駆動電極部分14Aの長さL2が互いに異なるように、微小コンデンサを構成する。単一の電源から駆動電極14に印加される電圧を各駆動電極部分14Aごとに次第に変化させれば、各コンデンサC間のPull-In 電圧の差異に基づいて微小コンデンサが順次スイッチングするため、容量が変化する。これにより、容量が確保されると共に安定化し、さらに構成が簡素化される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば微小コンデンサおよびその製造方法、ならびに微小コンデンサを搭載した電子機器に係り、特に、容量を変化させることが可能な微小コンデンサおよびその製造方法、ならびに電子機器に関する。
近年、例えばラジオやテレビなどの電子機器に関して周波数の調整用途などに使用される電子部品として、容量を変化させることが可能な可変容量コンデンサ(いわゆるバリアブルコンデンサ)が知られている。
この可変容量コンデンサの構成に関しては、既にいくつかの態様が知られている。具体的には、例えば、隙間を隔てて互いに対向配置された2つの電極を備え、それらの2つの電極間の対向面積を変化させることが可能な回転機構を有する可変容量コンデンサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この種の可変容量コンデンサでは、回転機構を利用して2つの電極間の対向面積を変化させることにより、その対向面積の大きさに応じて容量を変化させることが可能である。
特表平11−513193号公報
なお、可変容量コンデンサとしては、例えば、上記した回転機構を利用するものの他、2つの電極間の間隔を変化させることが可能な間隔調整機構を有するものも知られている。この種の可変容量コンデンサでは、間隔調整機構を利用して2つの電極間の間隔を変化させることにより、その間隔の大きさに応じて容量を変化させることが可能である。
この可変容量コンデンサに関して、最近では、例えば、微小構造物(いわゆるマイクロマシン)の形成技術、すなわち表面マイクロマシンニング技術を使用して微小な可変容量コンデンサ(以下、単に「微小コンデンサ」という。)を製造する試みが検討されている。この微小コンデンサは、煩雑な回転機構や間隔調整機構を必要とせず、2つの電極間に生じる静電力を利用して容量を変化させることが可能であるため、表面マイクロマシンニング技術を使用して微小コンデンサを製造することにより、可変容量コンデンサの小型化と共に製造工程の容易化を併せて実現可能であると見込まれる。
ところで、微小コンデンサを実現する場合には、例えば、その微小コンデンサの容量特性を確保するために、容量を確保すると共に安定化させる必要がある。しかしながら、単に表面マイクロマシンニング技術を使用して微小コンデンサを製造しただけでは、容量を確保すると共に安定化させることが困難であるという問題があった。具体的には、微小コンデンサでは、例えば、その微細なサイズに起因して十分な容量が得られず、かつ微弱な静電力を利用した動作原理に起因して容量がばらつきやすい。
なお、上記した微小コンデンサに関する問題、すなわち容量の確保および安定化に関する問題を解決するためには、例えば、複数の微小コンデンサを配列させることにより集合構造体を構築すればよいが、その集合構造体を構築した場合には、例えば、各微小コンデンサにおいて容量を得る上で複数の電源が必要になるため、全体の構成が複雑化してしまう。したがって、微小コンデンサの容量特性を確保するためには、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することが可能な技術を確立する必要がある。この場合には、特に、微小コンデンサの量産性を考慮して、その微小コンデンサを容易に製造することが可能な技術を確立することも重要である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することが可能な微小コンデンサを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、簡単な構成で容量が変化すると共にその容量の確保および安定化が実現された微小コンデンサを容易に製造することが可能な微小コンデンサの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、微小コンデンサを搭載し、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することが可能な電子機器を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る微小コンデンサは、複数の電極部分を有する第1のコンデンサ部分と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する第2のコンデンサ部分と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と第2のコンデンサ部分との間に配設され、第1のコンデンサ部分および第2のコンデンサ部分と共に複数のコンデンサを構成する誘電体膜と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する複数の駆動電極部分を有する駆動電極と、駆動電極に電圧を印加するための単一の電源とを備えたものである。
本発明の第1の観点に係る微小コンデンサでは、複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分、第2のコンデンサ部分および誘電体膜と、駆動電極と、単一の電源とを備えるため、例えば、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さが互いに一致していると共に駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さが互いに異なっており、あるいは第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さが互いに異なっていると共に駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さが互いに一致している状態で、単一の電源から駆動電極に印加される電圧が各駆動電極部分ごとに次第に変化すれば、各コンデンサ間のPull-In 電圧の差異あるいは剛性(撓みやすさ)の差異に基づいて微小コンデンサが順次スイッチングし、すなわち第1のコンデンサ部分のうちの一連の電極部分が誘電体膜から離間された第1の位置と誘電体膜に隣接する第2の位置との間で部分的に順次変位することにより、容量が変化する。この場合には、微小コンデンサのスイッチング数、すなわち電極部分の変位数に応じて容量が段階的に変化するため、微細なサイズであるにもかかわらずに容量が確保されると共に、微小コンデンサのスイッチング状態、すなわち第1の位置から第2の位置に変位した際に誘電体膜に隣接することにより電極部分の位置が安定に維持された状態に基づいて容量が決定されるため、静電力に基づく動作原理を利用しているにもかかわらずに容量が安定化する。しかも、この場合には、単一の電源を使用してスイッチングさせることにより容量を変化させることが可能なため、微小コンデンサの構成が簡素化される。
本発明の第2の観点に係る微小コンデンサは、複数の電極部分を有する第1のコンデンサ部分と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する第2のコンデンサ部分と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と第2のコンデンサ部分との間に配設され、第1のコンデンサ部分および第2のコンデンサ部分と共に複数のコンデンサを構成する誘電体膜と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分に並列して配設された複数の補助電極部分を有する補助電極と、補助電極のうちの各補助電極部分と部分的に対向する複数の駆動電極部分を有する駆動電極と、駆動電極に電圧を印加するための単一の電源とを備えたものである。
本発明の第2の観点に係る微小コンデンサでは、複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分、第2のコンデンサ部分および誘電体膜と、補助電極と、駆動電極と、単一の電源とを備えるため、例えば、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さが互いに一致し、かつ補助電極のうちの各補助電極部分の長さが互いに一致していると共に駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さが互いに異なっている状態で、単一の電源から駆動電極に印加される電圧が各駆動電極部分ごとに次第に変化すれば、各補助電極間のPull-In 電圧の差異に基づいて微小コンデンサが順次スイッチングし、すなわち第1のコンデンサ部分のうちの一連の電極部分が誘電体膜から離間された第1の位置と誘電体膜に隣接する第2の位置との間で部分的に順次変位することにより、容量が変化する。この場合には、微小コンデンサのスイッチング数、すなわち電極部分の変位数に応じて容量が段階的に変化するため、微細なサイズであるにもかかわらずに容量が確保されると共に、微小コンデンサのスイッチング状態、すなわち第1の位置から第2の位置に変位した際に誘電体膜に隣接することにより電極部分の位置が安定に維持された状態に基づいて容量が決定されるため、静電力に基づく動作原理を利用しているにもかかわらずに容量が安定化する。しかも、この場合には、単一の電源を使用してスイッチングさせることにより容量を変化させることが可能なため、微小コンデンサの構成が簡素化される。
本発明の第1の観点に係る微小コンデンサの製造方法は、誘電体膜を挟んで対向配置されることにより複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分および第2のコンデンサ部分を備えた微小コンデンサを製造する方法であり、第2のコンデンサ部分を形成する第1の工程と、複数の駆動電極部分を有するように駆動電極を形成する第2の工程と、第2のコンデンサ部分上に誘電体膜を形成する第3の工程と、複数の電極部分を有するように第1のコンデンサ部分を形成する第4の工程とを含み、第2のコンデンサ部分が第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向し、かつ、駆動電極のうちの各駆動電極部分が第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向するようにすると共に、単一の電源を使用して駆動電極に電圧を印加可能にするものである。
本発明の第1の観点に係る微小コンデンサの製造方法では、複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分、第2のコンデンサ部分および誘電体膜と、駆動電極と、単一の電源とを備え、上記したスイッチング機構(第1のコンデンサ部分のうちの電極部分の変位機構)を利用して容量を変化させることが可能な微小コンデンサを製造するために、既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない。
本発明の第2の観点に係る微小コンデンサの製造方法は、誘電体膜を挟んで対向配置されることにより複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分および第2のコンデンサ部分を備えた微小コンデンサを製造する方法であり、第2のコンデンサ部分を形成する第1の工程と、複数の駆動電極部分を有するように駆動電極を形成する第2の工程と、第2のコンデンサ部分上に誘電体膜を形成する第3の工程と、複数の補助電極部分を有するように補助電極を形成する第4の工程と、複数の電極部分を有するように第1のコンデンサ部分を形成する第5の工程とを含み、第2のコンデンサ部分が第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向し、補助電極のうちの各補助電極部分が第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分に並列して配列され、駆動電極のうちの各駆動電極部分が補助電極のうちの各補助電極部分と部分的に対向するようにすると共に、単一の電源を使用して駆動電極に電圧を印加可能にするものである。
本発明の第2の観点に係る微小コンデンサの製造方法では、複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分、第2のコンデンサ部分および誘電体膜と、駆動電極と、補助電極と、単一の電源とを備え、上記したスイッチング機構(第1のコンデンサ部分のうちの電極部分の変位機構)を利用して容量を変化させることが可能な微小コンデンサを製造するために、既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない。
本発明の第1の観点に係る電子機器は、微小コンデンサを備えたものであり、微小コンデンサが、複数の電極部分を有する第1のコンデンサ部分と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する第2のコンデンサ部分と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と第2のコンデンサ部分との間に配設され、第1のコンデンサ部分および第2のコンデンサ部分と共に複数のコンデンサを構成する誘電体膜と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する複数の駆動電極部分を有する駆動電極と、駆動電極に電圧を印加する単一の電源とを備えたものである。
本発明の第1の観点に係る電子機器では、上記した第1の観点に係る微小コンデンサを搭載しているため、容量を変化させることが可能である。しかも、容量が確保されると共に容量が安定化し、さらに構成が簡素化される。
本発明の第2の観点に係る電子機器は、微小コンデンサを備えたものであり、微小コンデンサが、複数の電極部分を有する第1のコンデンサ部分と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する第2のコンデンサ部分と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と第2のコンデンサ部分との間に配設され、第1のコンデンサ部分および第2のコンデンサ部分と共に複数のコンデンサを構成する誘電体膜と、第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分に並列して配設された複数の補助電極部分を有する補助電極と、補助電極のうちの各補助電極部分と部分的に対向する複数の駆動電極部分を有する駆動電極と、駆動電極に電圧を印加するための単一の電源とを備えたものである。
本発明の第2の観点に係る電子機器では、上記した第2の観点に係る微小コンデンサを搭載しているため、容量を変化させることが可能である。しかも、容量が確保されると共に容量が安定化し、さらに構成が簡素化される。
本発明の第1の観点に係る微小コンデンサによれば、複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分、第2のコンデンサ部分および誘電体膜と、駆動電極と、単一の電源とを備え、上記したように、その単一の電源から駆動電極に印加される電圧を各駆動電極部分ごとに次第に変化させることによりスイッチング機構を利用して容量を変化させることが可能な構造的特徴に基づき、容量が確保されると共に安定化し、さらに構成が簡素化されるため、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することができる。
本発明の第2の観点に係る微小コンデンサによれば、複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分、第2のコンデンサ部分および誘電体膜と、補助電極と、駆動電極と、単一の電源とを備え、上記したように、その単一の電源から駆動電極に印加される電圧を各駆動電極部分ごとに次第に変化させることによりスイッチング機構を利用して容量を変化させることが可能な構造的特徴に基づき、容量が確保されると共に安定化し、さらに構成が簡素化されるため、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することができる。
本発明の第1の観点に係る微小コンデンサの製造方法によれば、複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分、第2のコンデンサ部分および誘電体膜と、駆動電極と、単一の電源とを備え、上記したように、その単一の電源から駆動電極に印加される電圧を各駆動電極部分ごとに次第に変化させることによりスイッチング機構を利用して容量を変化させることが可能な微小コンデンサを製造するために、既存の薄膜プロセスのみを使用する製法的特徴に基づき、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しないため、その既存の薄膜プロセスのみを使用して、簡単な構成で容量が変化すると共にその容量の確保および安定化が実現された微小コンデンサを容易に製造することができる。
本発明の第2の観点に係る微小コンデンサの製造方法によれば、複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分、第2のコンデンサ部分および誘電体膜と、駆動電極と、補助電極と、単一の電源とを備え、上記したように、その単一の電源から駆動電極に印加される電圧を各駆動電極部分ごとに次第に変化させることによりスイッチング機構を利用して容量を変化させることが可能な微小コンデンサを製造するために、既存の薄膜プロセスのみを使用する製法的特徴に基づき、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しないため、その既存の薄膜プロセスのみを使用して、簡単な構成で容量が変化すると共にその容量の確保および安定化が実現された微小コンデンサを容易に製造することができる。
本発明の第1の観点に係る電子機器によれば、上記した第1の観点に係る微小コンデンサを搭載することにより容量を変化させることが可能な構造的特徴に基づき、容量が確保されると共に安定化し、さらに構成が簡素化されるため、微小コンデンサを搭載し、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することができる。
本発明の第2の観点に係る電子機器によれば、上記した第2の観点に係る微小コンデンサを搭載することにより容量を変化させることが可能な構造的特徴に基づき、容量が確保されると共に安定化し、さらに構成が簡素化されるため、微小コンデンサを搭載し、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る微小コンデンサの構成について説明する。図1〜図5は微小コンデンサの構成を表しており、図1および図2は平面構成(XY面に沿った平面構成)を示し、図3および図4は図1に示したA−A線に沿った断面構成(XZ面に沿った断面構成)を示し、図5は回路構成の概略を示している。なお、図2は、図1から一構成要素(後述するコンデンサ部分11)を部分的に除去した状態を示している。また、図3はスイッチング前の状態を示し、図4はスイッチング時の状態を示している。
本実施の形態に係る微小コンデンサは、例えば、周波数の調整用途などに使用される微小構造物(いわゆるマイクロマシン)であり、具体的には周波数の調整機構を有するラジオやテレビなどの電子機器に適用されるものである。この微小コンデンサは、図1〜図4に示したように、基板1上に、絶縁層2,3と、コンデンサ構造体10とがこの順に積層された構成を有している。
基板1は、主にコンデンサ構造体10を支持するものであり、例えば、シリコン(Si)などにより構成されている。絶縁層2,3は、いずれもコンデンサ構造体10を基板1から電気的に分離するものであり、例えば、絶縁層2は酸化ケイ素(SiO2 )などの絶縁性材料により構成され、絶縁層3は窒化ケイ素(SiN)などの絶縁性材料により構成されている。
コンデンサ構造体10は、図1に示したように、表面マイクロマシンニング技術を使用して形成された複数(ここでは例えば5つ)の微小なコンデンサCが配列されることにより構成された集合構造体である。このコンデンサ構造体10は、図1〜図5に示したように、複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分11(第1のコンデンサ部分),12(第2のコンデンサ部分)および誘電体膜13と、駆動電極14と、単一の電源19とを備えている。なお、コンデンサ構造体10は、例えば、上記した一連の構成要素(コンデンサ部分11,12,誘電体膜13,駆動電極14,電源19)と共に、支持膜15および配線電極16,17,18を併せて備えている。
具体的には、コンデンサ構造体10は、図1〜図5に示したように、所定の空間Sを構成しながらX軸方向に延在する複数(ここでは例えば5つ)の電極部分11Pを有し、その複数の電極部分11PがX軸方向と交差するY軸方向に並列に配列されたコンデンサ部分11と、そのコンデンサ部分11のうちの電極部分11Pにより構成された空間Sを経由しながらY軸方向に延在し、各電極部分11Pと部分的に対向するコンデンサ部分12と、コンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pとコンデンサ部分12との間に、そのコンデンサ部分12に隣接すると共に各電極部分11Pから隙間Gを隔てて離間されるように配設され、上記したコンデンサ部分11,12と共に複数のコンデンサCを構成する誘電体膜13と、コンデンサ部分12と共に空間Sに配置され、コンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pに対応してX軸方向に延在すると共に各電極部分11Pと部分的に対向する複数(ここでは例えば5つ)の駆動電極部分14Aを有する駆動電極14と、その駆動電極14に電圧を印加するための電源19とを備えている。コンデンサ部分11は、支持膜15により空間Sを構成可能に支持されている。配線電極16,17,18は、コンデンサ部分11,12および駆動電極14のそれぞれの一端部にそれぞれ設けられている。なお、図1および図2では、コンデンサ部分11,12および駆動電極14の配置関係を見やすくするために、コンデンサ部分11に濃い網掛を施し、コンデンサ部分12および駆動電極14に淡い網掛を施している。
特に、コンデンサ構造体10は、コンデンサCにおいてコンデンサ部分11のうちの電極部分11Pが静電力に基づいて部分的に変位し、具体的には誘電体膜13から隙間Gを隔てて離間された位置(初期位置(第1の位置);図3参照)と誘電体膜13に隣接する位置(変位位置(第2の位置);図4参照)との間で部分的に変位可能なスイッチング機構を有しており、そのコンデンサCでは、電極部分11Pが初期位置から変位位置に部分的に変位することにより容量が変化可能になっている。すなわち、コンデンサ構造体10のうちのコンデンサC全体として、スイッチング機構のスイッチング数(電極部分11Pの変位数)に応じて容量が段階的に増加または減少可能になっている。なお、上記した「スイッチング」とは、電極部分11Pの一部が静電力に基づいて部分的に撓んで変位することにより誘電体膜13に接触する現象であり、いわゆる意図的なスティクションを意味している。
コンデンサ部分11のうちの電極部分11Pは、例えば、空間Sを構成しながらX軸方向に互いに分離配置された2つの電極パターン11PA(第1の電極パターン)と、それらの2つの電極パターン11PAの間に、各電極パターン11PAから離間されると共に、誘電体膜13から隙間Gを隔てて離間されることによりコンデンサ部分12と対向するように配置された1つの電極パターン11PB(第2の電極パターン)とを含んで構成されている。この電極部分11Pを構成する電極パターン11PA,11PBは、例えば、いずれもリン(P)が含有されたポリシリコン(Poly−Si)などの半導体材料により構成されている。電極パターン11PAは、例えば、図1に示したように、略矩形型の平面構造を有していると共に、図3および図4に示したように、電極パターン11PBから遠い側において絶縁層3に隣接すると共に電極パターン11PBに近い側において駆動電極14に沿って持ち上がった片持梁型の断面構造を有している。電極パターン11PBは、例えば、図1、図3および図4に示したように、矩形型の平面構造および断面構造を有している。上記した電極部分11Pに関する構造的特徴は、例えば、Y軸方向に並列に配列された各電極部分11P間において同様である。なお、コンデンサ部分11は、例えば、図1に示したように、全体として櫛型の平面構造を有しており、すなわちY軸方向に並列に配列された一連の電極部分11Pが一端部において連結された状態で配線電極16に接続されている。
このコンデンサ部分11は、上記したように、コンデンサ構造体10のスイッチング機構を利用して部分的に変位可能に構成されている。すなわち、コンデンサ部分11では、図3および図4に示したように、電極パターン11PBが初期位置(図3参照)と変位位置(図4参照)との間で変位可能になっている。なお、電極パターン11PBが初期位置と変位位置との間で変位する場合には、例えば、図4に示したように、その電極パターン11PBと共に、電極パターン11PAおよび支持膜15のそれぞれの一部も併せて変位するようになっている。
コンデンサ部分12は、図1および図2に示したように、Y軸方向に沿って連続的に延在する矩形型の平面構造を有しており、一端部において配線電極17に接続されている。このコンデンサ部分12は、例えば、コンデンサ部分11の構成材料と同様の材料により構成されている。
誘電体膜13は、例えば、窒化ケイ素(SiN)などの絶縁性材料により構成されている。なお、誘電体膜13は、例えば、上記したように、コンデンサ部分12に隣接すると共にコンデンサ部分11(電極パターン11PB)から隙間Gを隔てて離間されるように配設されているだけでなく、図3および図4に示したように、駆動電極14に隣接すると共にコンデンサ部分11(電極パターン11PA)から同様に隙間Gを隔てて離間されるように配設されている。なお、図1および図2では、誘電体膜13の図示を省略している。
駆動電極14は、図1および図2に示したように、上記した複数の駆動電極部分14Aと共に、その複数の駆動電極部分14Aに連結された駆動電極本体14Bを併せて含んで構成されている。駆動電極14のうちの各駆動電極部分14Aは、電極部分11のうちの各電極パターン11PAに対応して分離配置されており、すなわち電極部分11Pと同様にY軸方向に並列に配列されている。駆動電極本体14Bは、例えば、図1〜図4に示したように、コンデンサ部分12と共に空間Sを経由しながらY軸方向に延在している。駆動電極部分14Aは、例えば、矩形型の平面構造を有しており、駆動電極本体14Bは、例えば、略矩形型の平面構造を有している。この駆動電極14を構成する駆動電極部分14Aおよび駆動電極本体14Bは、例えば、いずれもコンデンサ部分11の構成材料と同様の材料により構成されている。上記した駆動電極部分14Aに関する構造的特徴は、Y軸方向に並列に配列された各駆動電極部分14A間において同様である。なお、駆動電極14は、例えば、図1および図2に示したように、全体として二股に分岐した櫛型の平面構造を有しており、すなわち二股に分岐された駆動電極本体14Bが一端部において連結された状態で配線電極18に接続されている。図2では、駆動電極14の平面構造を見やすくするために、コンデンサ部分11の図示を省略している。
支持膜15は、例えば、図3および図4に示したように、コンデンサ部分11のうちの電極パターン11PAにより支持され、X軸方向において電極パターン11PBを挟み込むことにより支持している。この支持膜15は、例えば、窒化ケイ素(SiN)などの絶縁性材料により構成されている。なお、図1および図2では、支持膜15の図示を省略している。
配線電極16〜18は、例えば、いずれもアルミニウム銅合金(AlCu)やアルミニウムケイ素合金(AlSi)などの導電性材料により構成されている。
電源19は、コンデンサ構造体10をスイッチングさせるために、駆動電極14に電圧を印加するための交流電源である。この電源19は、例えば、駆動電極14に印加する電圧を各駆動電極部分14Aごとに次第に変化させるものであり、その電圧変化に応じてコンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pを初期位置(図3参照)と変位位置(図4参照)との間で順次変位させるようになっている。この電源19は、図5に示したように、コンデンサ構造体10においてただ1つだけ設けられており、すなわち微小コンデンサでは、単一の電源19を使用して容量を変化させることが可能になっている。
特に、コンデンサ構造体10では、一連のコンデンサCを利用して容量を変化可能とするために、例えば、図1〜図4に示したように、コンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pの変位箇所の長さL1が互いに一致していると共に、駆動電極14のうちの各駆動電極部分14Aの長さL2が互いに異なっている。ここでは、例えば、図1および図2に示したように、駆動電極14(駆動電極本体14B)の分岐方向、すなわち図中の下側(配線電極18の配設位置側)から上側(配線電極17の配設位置側)へ向かって、一連の駆動電極部分14Aの長さL2が段階的に短くなっている。
なお、図1〜図4に示したコンデンサ構造体10は、上記した一連の構成要素、すなわちコンデンサ部分11(電極部分11P),12、誘電体膜13、駆動電極14、支持膜15、配線電極16〜18および電源19と共に、図示しない他の構成要素も併せて備えている。この「他の構成要素」としては、例えば、コンデンサ部分11(各電極部分11P)に付設された作動電極などが挙げられる。
この微小コンデンサでは、図1〜図5に示したように、配線電極16から作動電極(図示せず)を通じてコンデンサ部分11(各電極部分11P)に電圧が印加されると共に、配線電極17からコンデンサ部分12に電圧が印加された状態において、単一の電源19から配線電極18を通じて駆動電極14に電圧が印加されると、その電圧印加に応じてコンデンサ構造体10がスイッチングすることにより、容量が変化する。
具体的には、図3に示したように、コンデンサ部分11(各電極パターン11PB)が初期位置に位置し、すなわち各電極パターン11PBが誘電体膜13から隙間Gを隔てて離間された状態において、電源19から駆動電極14に電圧が印可されると、図4に示したように、コンデンサ部分11(各電極パターン11PB)が静電力に基づいて変位位置に変位し、すなわち各電極パターン11PBが誘電体膜13に隣接するため、各コンデンサCにおいて容量が変化する。
特に、微小コンデンサでは、上記したように、コンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pの変位箇所の長さL1が互いに一致しており、すなわち各電極部分11Pの変位箇所の剛性(静電力に基づく撓みやすさ)が互いに一致していると共に、駆動電極14のうちの各駆動電極部分14Aの長さL2が互いに異なっており、すなわち各駆動電極部分14Aと各電極部分11Pとの間の対向面積が互いに異なっているため、各コンデンサC間において電極部分11Pの変位に要する電圧(いわゆるPull-In 電圧)が異なっている。具体的には、一連の駆動電極部分14Aの長さL2が駆動電極14の二股分岐方向へ向かって段階的に短くなっているため、同方向へ向かってPull-In 電圧が段階的に大きくなっている。すなわち、一連のコンデンサCでは、最下端(最も配線電極18に近い端)に位置するコンデンサCにおいてPull-In 電圧が最も小さくなっており、最上端(最も配線電極17に近い端)に位置するコンデンサCにおいてPull-In 電圧が最も大きくなっている。これにより、電源19から駆動電極14に印加される電圧が各駆動電極部分14Aごとに次第に増加すると、その電圧の増加に応じて、Pull-In 電圧が小さいコンデンサCから順にスイッチングすることにより容量が増加するため、微小コンデンサ全体の容量が段階的に増加する。詳細には、各コンデンサCにおいて増加する容量が一定であるとすると、微小コンデンサ全体の容量は電圧の増加に応じて比例的に増加する。
次に、図1〜図11を参照して、図1〜図5に示した微小コンデンサの製造方法について説明する。図6〜図11は微小コンデンサの製造工程を説明するためのものであり、いずれも図3に対応する断面構成を示している。以下では、コンデンサ構造体10の製造工程に関して、図6〜図11を参照して図3に示した断面構成の製造工程について言及する。なお、微小コンデンサを構成する各構成要素の構造的特徴に関しては既に詳しく説明したので、以下ではそれらの説明を随時省略する。
微小コンデンサを製造する際には、まず、図6に示したように、シリコン製の基板1上に、例えば、減圧CVD(Chemical Vapor Depositon)法を使用して酸化ケイ素などの絶縁性材料を成膜することにより絶縁層2を形成したのち、同様に減圧CVD法を使用して窒化珪素などの絶縁性材料を成膜することにより絶縁層3を形成し、これらの絶縁層2,3を積層させる。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して絶縁層3を覆うように、リンが含有されたポリシリコンなどの半導体材料および窒化ケイ素などの絶縁性材料をこの順に成膜することにより半導体材料膜および絶縁性材料膜を形成して積層させたのち、フォトリソグラフィ処理およびドライエッチング処理を使用して半導体材料膜および絶縁性材料膜をパターニングすることにより、図6に示したように、Y軸方向に延在するようにコンデンサ部分12を形成すると共に、そのコンデンサ部分12上に誘電体膜13を形成する。この場合には、例えば、図1および図2に示したように、コンデンサ部分12が矩形型の平面構造を有するようにする。なお、以下では、上記したフォトリソグラフィ処理およびドライエッチング処理を使用したパターニング処理を、単に「パターニング」と呼称する。
特に、コンデンサ部分12を形成する際には、例えば、そのコンデンサ部分12の形成工程と同一工程において半導体材料膜をパターニングすることにより、図6に示したように、コンデンサ部分12と共に駆動電極14を併せて形成する。この場合には、例えば、図1および図2に示したように、駆動電極14が全体として二股に分岐した櫛型の平面構造を有するようにする。具体的には、例えば、後工程において形成されるコンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pに対応してX軸方向に延在し、その電極部分11Pのうちの各電極パターン11PAに対応して分離配置された複数(ここでは例えば5つ)の駆動電極部分14Aと、この複数の駆動電極部分14Aに連結され、コンデンサ部分12と共にY軸方向に延在する駆動電極本体14Bとを含み、各駆動電極部分14Aの長さL2が互いに異なると共に、二股に分岐された駆動電極本体14Bが一端部において連結されるようにする。ここでは、例えば、各駆動電極部分14Aの長さL2が、駆動電極14の二股分岐方向へ向かって段階的に短くなるようにする。なお、駆動電極14を形成する際には、例えば、半導体材料膜と共に絶縁性材料膜を併せてパターニングすることにより、図6に示したように、コンデンサ部分12上と共に駆動電極14上に併せて誘電体膜13を形成する。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して、コンデンサ部分12、誘電体膜13および駆動電極14と共にその周辺の絶縁層3を覆うように酸化ケイ素などの絶縁性材料を成膜することにより絶縁性材料膜を形成したのち、その絶縁性材料膜をパターニングすることにより、図7に示したように、犠牲膜20を形成する。この場合には、例えば、図3に示したように、後工程において空間Sが形成されることとなる領域を覆うと共に、コンデンサ部分11のうちの電極部分11Pの変位箇所の長さL1を所定の長さに設定可能となるように、絶縁性材料膜をパターニングする。
続いて、図8〜図11に示したように、所定の空間Sを構成しながらX軸方向に延在する複数の電極部分11Pを有し、その複数の電極部分11PがY軸方向に配列されると共に、各電極部分11Pが誘電体膜13から隙間Gを隔てて離間されるように、コンデンサ部分11を形成する。この場合には、上記したコンデンサ部分11と共に、支持膜15を併せて形成する。
コンデンサ部分11(電極部分11P)および支持膜15の形成手順は、例えば、以下の通りである。
すなわち、まず、例えば、減圧CVD法を使用して犠牲膜20を覆うように、リンが含有されたポリシリコンなどの半導体材料を成膜することにより1段階目の半導体材料膜を形成したのち、その半導体材料膜をパターニングすることにより、図8に示したように、犠牲膜20上に、X軸方向に互いに分離配置されるように、電極部分11のうちの一部を構成する2つ電極パターン11PAを形成する。この場合には、図1に示したように、後工程において形成される電極パターン11PBと共に全体として櫛型の平面構造を有するようにし、具体的には2つの電極パターン11PAがY軸方向において複数列(ここでは例えば5列)に渡って配列されると共に、そのY軸方向に配列された一連の電極パターン11PAが一端部において連結されるようにする。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して犠牲膜20および電極パターン11PAを覆うように窒化ケイ素などの絶縁性材料を成膜することにより絶縁性材料膜を形成したのち、その絶縁性材料膜をパターニングすることにより、図9に示したように、後工程において電極パターン11PBが形成される領域を除いて、電極パターン11PAおよびその周辺領域上に支持膜15を形成する。これにより、上記した後工程において電極パターン11PBが形成される領域において、犠牲膜20が部分的に露出する。
続いて、減圧CVD法を使用して犠牲膜20および支持膜15を覆うように、リンが含有されたポリシリコンなどの半導体材料を成膜することにより2段階目の半導体材料膜を形成したのち、その半導体材料膜をパターニングすることにより、図10に示したように、犠牲膜20上の2つの電極パターン11PAの間に、各電極パターン11PAから離間されると共に、誘電体膜13から犠牲膜20を介して離間されることによりコンデンサ部分12と対向配置されるように、電極部分11のうちの他の一部を構成する1つの電極パターン11PBを形成する。この場合には、図1に示したように、電極パターン11PAの配列位置に対応して電極パターン11PBがY軸方向に配列されるようにする。
続いて、例えば希フッ化水素(DHF;Diluted Hydrogen Fluorede )溶液などの溶解液を使用して犠牲膜20を溶解させることにより、その犠牲膜20を選択的に除去する。これにより、図11に示したように、犠牲膜20が設けられていた箇所に、電極パターン11PA,11PBにより空間Sが構成される結果、それらの電極パターン11PA,11PBを含むように複数の電極部分11が形成されるため、その複数の電極部分11を含むようにコンデンサ部分11が形成される。この状態において、コンデンサ部分12が空間Sを経由して延在すると共に、駆動電極14がコンデンサ部分12と共に空間Sに配置される。特に、コンデンサ部分11(電極部分11Pのうちの電極パターン11PB)が誘電体膜13から隙間Gを隔てて離間されることによりコンデンサ部分12と対向配置されると共に、同様にコンデンサ部分11(電極部分11のうちの電極パターン11PA)が誘電体膜13から隙間Gを隔てて離間されることにより駆動電極14と対向配置される。これにより、コンデンサ部分11(電極部分11P)および支持膜15の形成手順が完了する。
続いて、例えば、スパッタリングを使用してアルミニウム銅合金やアルミニウムケイ素合金などの導電性材料を成膜することにより導電性材料膜を形成したのち、その導電性材料膜をパターニングすることにより、図3に示したように、コンデンサ部分11の一端部に接続されるように配線電極16を形成する。この場合には、例えば、配線電極16の形成工程と同一工程において導電性材料膜をパターニングすることにより、図1に示したように、コンデンサ部分12の一端部に接続されるように配線電極17を併せて形成すると共に、駆動電極14の一端部に接続されるように配線電極18を併せて形成する。
最後に、図1〜図5に示したように、駆動電極14に単一の電源19を接続し、その電源19を使用して駆動電極14に印可する電圧を各駆動電極部分14Aごとに次第に増加させることにより全体の容量を増加可能とすることにより、複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分11,12および誘電体膜13と共に、駆動電極14、支持膜15、配線電極16〜18および電源19を併せて備えるようにコンデンサ構造体10が形成される。したがって、基体1上に絶縁層2,3およびコンデンサ構造体10がこの順に積層された構成を有するように微小コンデンサが完成する。
本実施の形態に係る微小コンデンサでは、複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分11,12および誘電体膜13と、駆動電極14と、単一の電源19とを備えるようしたので、例えば、コンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pの変位箇所の長さL1が互いに一致していると共に駆動電極14のうちの各駆動電極部分14Aの長さL2が互いに異なっている状態で、単一の電源19から駆動電極14に印加される電圧が各駆動電極部分14Aごとに次第に変化すれば、上記したように、各コンデンサC間のPull-In 電圧の差異に基づいて微小コンデンサが順次スイッチングし、すなわちコンデンサ部分11のうちの一連の電極部分11Pが初期位置(誘電体膜13から隙間Gを隔てて離間された位置)と変位位置(誘電体膜13に隣接する位置)との間で部分的に順次変位することにより、容量が変化する。この場合には、微小コンデンサのスイッチング数、すなわち電極部分11Pの変位数に応じて容量が段階的に変化するため、微細なサイズであるにもかかわらずに容量が確保されると共に、微小コンデンサのスイッチング状態、すなわち初期位置から変位位置に変位した際に誘電体膜13に隣接することにより電極部分11Pの位置が安定に維持された状態に基づいて容量が決定されるため、静電力に基づく動作原理を利用しているにもかかわらずに容量が安定化する。しかも、この場合には、単一の電源19を使用して容量を変化させることが可能であり、その容量を変化させるために複数の電源を必要としないため、微小コンデンサの構成が簡素化される。したがって、本実施の形態では、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することができる。
また、本実施の形態に係る微小コンデンサの製造方法では、複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分11,12および誘電体膜13と、駆動電極14と、単一の電源19とを備え、上記したスイッチング機構(コンデンサ部分11のうちの電極部分11Pの部分的変位機構)を利用して容量を変化させることが可能な微小コンデンサを製造するために、減圧CVD法に代表される成膜技術、フォトリソグラフィ処理に代表されるパターニング技術、ドライエッチング処理に代表されるエッチング技術、ならびに犠牲膜20の溶解処理を利用した部分的除去技術を含む既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない。したがって、本実施の形態では、既存の薄膜プロセスのみを使用して、簡単な構成で容量が変化すると共にその容量の確保および安定化が実現された微小コンデンサを容易に製造することができる。
さらに、本実施の形態では、上記した微小コンデンサを搭載するように電子機器を構成し、例えば周波数の調整機構を有するテレビやラジオなどの電子機器を構成すれば、その微小コンデンサを搭載していることに基づき、容量を変化させることが可能である。しかも、この場合には、容量が確保されると共に安定化し、さらに構成が簡素化される。したがって、本実施の形態では、微小コンデンサを搭載する電子機器に関して、簡単な構成でて容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することができる。
なお、本実施の形態では、構成説明および図示内容を簡略化するために、図1および図2に示したように、Y軸方向における電極部分11Pの配列数が5列となるようにコンデンサ部分11を構成すると共に、そのコンデンサ部分11の構成に対応してY軸方向における駆動電極部分14Aの配列数が5列となるように駆動電極14を構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、電極部分11Pの配列数および駆動電極部分14Aの配列数は、容量を確保するために数百〜数千の範囲内に設定されるのが一般的である。もちろん、電極部分11Pの配列数および駆動電極部分14Aの配列数は必ずしも数百〜数千の範囲内に限定されず、微小コンデンサの最大容量や寸法などの条件に応じて自由に設定可能である。特に、電極部分11Pの配列数および駆動電極部分14Aの配列数を十分に確保した上、隣り合うコンデンサC間の容量差を十分に小さく設定すれば、微小コンデンサの容量をほぼ連続的(アナログ的)に変化させることができる。
また、本実施の形態では、図1〜図3に示したように、微小コンデンサのスイッチング機構を利用して容量を変化させるために、コンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pの変位箇所の長さL1が互いに一致すると共に駆動電極14のうちの各駆動電極部分14Aの長さL2が互いに異なようにすることにより、各コンデンサC間のPull-In 電圧の差異に基づいてコンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pを順次変位させるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、上記したように微小コンデンサのスイッチング機構を利用して容量を変化させることが可能な限り、その微小コンデンサの構成は自由に変更可能である。一例を挙げれば、図1〜図3にそれぞれ対応する図12〜図14に示したように、コンデンサ部分11のうちの各電極部分11Pの変位箇所の長さL1が互いに異なり、具体的には長さL1が駆動電極14の二股分岐方向(図12および図13中の上方向)へ向かって段階的に短くなると共に、駆動電極14のうちの各駆動電極部分14Aの長さL2が一致するようにすることにより、各コンデンサC間の剛性の差異、すなわちコンデンサ部分11のうちの各電極部分11P間における長さL1の差異に基づく撓みやすさの差異(各電極部分11P間における変位しやすさの差異)に基づいて一連の電極部分11Pを順次変位させるようにしてもよい。この場合においても、単一の電源19から駆動電極14に印加される電圧を各駆動電極部分14Aごとに次第に増加させることにより微小コンデンサが段階的にスイッチング可能であり、すなわち容量が段階的に変化可能であるため、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、図12〜図14に示した微小コンデンサに関する上記以外の構成は、それぞれ図1〜図3に示した場合と同様である。
[第2の実施の形態]
次に、図15〜図20を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る微小コンデンサの構成について説明する。図15〜図20は微小コンデンサの構成を表しており、図15および図16は平面構成(XY面に沿った平面構成)を示し、図17および図19は図15に示したA−A線に沿った断面構成(XZ面に沿った断面構成)を示し、図18は図15に示したB−B線に沿った断面構成(XZ面に沿った断面構成)を示し、図20は回路構成の概略を示している。なお、図16は、図15から一構成要素(後述するコンデンサ部分111)を部分的に除去した状態を示している。また、図17はスイッチング前の状態を示し、図19はスイッチング時の状態を示している。図15〜図20では、上記第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素に同一の符号を付している。
本実施の形態に係る微小コンデンサは、例えば、上記第1の実施の形態において説明した微小コンデンサと同様に、周波数の調整用途などに使用される微小構造物(マイクロマシン)としてラジオやテレビなどの電子機器に適用されるものであり、図15〜図19に示したように、基板1上に、絶縁層2,3と、コンデンサ構造体110とがこの順に積層された構成を有している。
コンデンサ構造体110は、上記第1の実施の形態において説明したコンデンサ構造体10に対応するものであり、図15〜図20に示したように、複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分111(第1のコンデンサ部分),112(第2のコンデンサ部分)および誘電体膜113と、駆動電極114と、単一の電源119と共に、補助電極131を備えている。なお、コンデンサ構造体110は、例えば、上記した一連の構成要素(コンデンサ部分111,112,誘電体膜113,駆動電極114,電源119,補助電極131)と共に、支持膜115、配線電極116,117,118,134,135および作動電極132,133を併せて備えている。
具体的には、コンデンサ構造体110は、図15〜図20に示したように、所定の空間Sを構成しながらX軸方向に延在する複数(ここでは例えば4つ)の電極部分111Pを有し、その複数の電極部分111PがX軸方向と交差するY軸方向に並列に配列されたコンデンサ部分111と、そのコンデンサ部分111のうちの電極部分111Pにより構成された空間Sを経由しながらY軸方向に延在し、各電極部分111Pと部分的に対向するコンデンサ部分112と、コンデンサ部分111のうちの各電極部分111Pとコンデンサ部分112との間に、そのコンデンサ部分112に隣接すると共に各電極部分111Pから隙間Gを隔てて離間されるように配設され、上記したコンデンサ部分111,112と共に複数のコンデンサCを構成する誘電体膜113と、コンデンサ部分111のうちの各電極部分111Pに並列して配列された複数(ここでは例えば4つ)の補助電極部分131Pを有する補助電極131と、コンデンサ部分112と共に空間Sに配置され、補助電極131のうちの各補助電極部分131Pと部分的に対向する複数(ここでは例えば4つ)の駆動電極部分114Aを有する駆動電極114と、その駆動電極114に電圧を印加するための電源119と、コンデンサ部分112と共に空間Sに配置され、そのコンデンサ部分112と同様にY軸方向に延在すると共に補助電極131のうちの各補助電極部分131Pと電気的に接続された作動電極132,133とを備えている。コンデンサ部分111は、支持膜115により空間Sを構成可能に支持されている。配線電極116,117,118,134,135は、コンデンサ部分111,112、駆動電極114および作動電極132,133のそれぞれの一端部にそれぞれ設けられている。なお、図15および図16では、コンデンサ部分111,112、駆動電極114、補助電極131および作動電極134,135の配置関係を見やすくするために、コンデンサ部分111および補助電極131に濃い網掛を施し、コンデンサ部分112、駆動電極114および作動電極132,133に淡い網掛を施している。
特に、コンデンサ構造体110は、コンデンサCにおいてコンデンサ部分111のうちの電極部分111Pが静電力に基づいて部分的に変位し、具体的には誘電体膜113から隙間Gを隔てて離間された位置(初期位置(第1の位置);図17参照)と誘電体膜113に隣接する位置(変位位置(第2の位置);図19参照)との間で部分的に変位可能なスイッチング機構を有しており、そのコンデンサCでは、電極部分111Pが初期位置から変位位置に部分的に変位することにより容量が変化可能になっている。すなわち、コンデンサ構造体110のうちのコンデンサC全体として、スイッチング機構のスイッチング数(電極部分111Pの変位数)に応じて容量が段階的に増加または減少可能になっている。
コンデンサ部分111のうちの電極部分111Pは、例えば、空間Sを構成しながらX軸方向において一端側から他端側へ連続的に延在する連続構造を有しており、上記第1の実施の形態において説明したコンデンサ部分11と同様の材質を有している。この電極部分111Pは、例えば、図15に示したように、略矩形型の平面構造を有していると共に、図17および図19に示したように、空間Sを構成するように作動電極132,133に沿って部分的に持ち上がった梁型の断面構造を有している。上記した電極部分111Pに関する構造的特徴は、例えば、Y軸方向に並列に配列された各電極部分111P間において同様である。なお、コンデンサ部分111は、例えば、図15に示したように、全体として櫛型の平面構造を有しており、すなわちY軸方向において並列に配列された一連の電極部分111Pが一端部において連結された状態で配線電極116に接続されている。
このコンデンサ部分111は、上記したように、コンデンサ構造体110のスイッチング機構を利用して部分的に変位可能に構成されている。すなわち、コンデンサ部分111では、図17および図19に示したように、電極部分111Pが初期位置(図17参照)と変位位置(図19参照)との間で変位可能になっている。なお、電極部分111Pが初期位置と変位位置との間で変位する場合には、例えば、図19に示したように、その電極部分111Pと共に支持膜115の一部も併せて変位するようになっている。
コンデンサ部分112は、図15および図16に示したように、上記第1の実施の形態において説明したコンデンサ部分12と同様の構造および材質を有しており、一端部において配線電極117に接続されている。
誘電体膜113は、例えば、上記第1の実施の形態において説明した誘電体膜13と同様の材質を有している。なお、誘電体膜113は、例えば、上記したように、コンデンサ部分112に隣接すると共にコンデンサ部分111(電極部分111P)から隙間Gを隔てて離間されるように配設されているだけでなく、図17〜図19に示したように、駆動電極114および作動電極132,133に隣接すると共にコンデンサ部分111(電極部分111P)から同様に隙間Gを隔てて離間されるように配設されている。なお、図15および図16では、誘電体膜113の図示を省略している。
駆動電極114は、図15および図16に示したように、上記した複数の駆動電極部分114Aと共に、その複数の駆動電極部分114Aに連結された駆動電極本体114Bを併せて含んで構成されている。駆動電極114のうちの各駆動電極部分114Aは、補助電極131のうちの各補助電極部分131Pに対応して分離配置されており、すなわち補助電極部分131Pと同様にY軸方向に並列に配列されている。駆動電極本体114Bは、例えば、図15〜図19に示したように、コンデンサ部分112と共に空間Sを経由しながらY軸方向に延在している。駆動電極部分114Aは、例えば、矩形型の平面構造を有しており、駆動電極本体114Bは、例えば、略矩形型の平面構造を有している。この駆動電極114を構成する駆動電極部分114Aおよび駆動電極本体114Bは、例えば、いずれもコンデンサ部分111と同様の材質を有している。上記した駆動電極部分114Aに関する構造的特徴は、Y軸方向に並列に配列された各駆動電極部分114A間において同様である。なお、駆動電極114は、例えば、図15および図16に示したように、全体として二股に分岐した櫛型の平面構造を有しており、すなわち二股に分岐された駆動電極本体114Bが一端部において連結された状態で配線電極118に接続されている。図16では、駆動電極114の平面構造を見やすくするために、コンデンサ部分111の図示を省略している。
支持膜115は、例えば、図17〜図19に示したように、コンデンサ部分111(電極部分111P)および補助電極131(補助電極部分131P)を支持している。この支持膜115は、例えば、上記第1の実施の形態において説明した支持膜15と同様の材質を有している。なお、図15および図16では、支持膜115の図示を省略している。
配線電極116〜118,134,135は、例えば、上記第1の実施の形態において説明した配線電極16〜18と同様の材質を有している。
補助電極131のうち補助電極部分131Pは、例えば、コンデンサ部分111のうちの各電極部分111Pごとに、その電極部分111Pを挟むように2つずつ設けられている。特に、各補助電極部分131Pは、例えば、電極部分111Pのうちの一端部分および他端部分に対応して分離配置されており、コンデンサ部分111(電極部分111P)と同様の材質を有している。この補助電極部分131Pは、例えば、図15に示したように、矩形型の平面構造を有していると共に、図18に示したように、一端側において作動電極132,133に接続され、かつ他端側において誘電体膜113から隙間Gを隔てて離間されたL字型の断面構造を有している。上記した補助電極部分131Pに関する構造的特徴は、例えば、Y軸方向に並列に配列された各補助電極部分131P間において同様である。
電源119は、コンデンサ構造体110をスイッチングさせるために、駆動電極114に電圧を印加するための交流電源である。この電源119は、例えば、駆動電極114に印加する電圧を各駆動電極部分114Aごとに次第に変化させるものであり、その電圧変化に応じてコンデンサ部分111のうちの各電極部分111Pを初期位置(図17参照)と変位位置(図19参照)との間で順次変位させるようになっている。この電源119は、図20に示したように、コンデンサ構造体110においてただ1つだけ設けられており、すなわち微小コンデンサでは、単一の電源119を使用して容量を変化させることが可能になっている。
特に、コンデンサ構造体110では、一連のコンデンサCを利用して容量を変化可能とするために、例えば、図15〜図19に示したように、コンデンサ部分111のうちの各電極部分111Pの変位箇所の長さL1が互いに一致し、かつ補助電極131のうちの各補助電極部分131Pの長さL3が互いに一致していると共に、駆動電極114のうちの各駆動電極部分114Aの長さL2が互いに異なっている。ここでは、例えば、図15および図16に示したように、駆動電極114(駆動電極本体14B)の分岐方向、すなわち図中の下側(配線電極118の配設位置側)から上側(配線電極117の配設位置側)へ向かって、一連の駆動電極部分114Aの長さL2が段階的に長くなっている。
この微小コンデンサでは、図15〜図20に示したように、配線電極134,135から作動電極132,133を通じて補助電極131(各補助電極部分131P)に電圧が印加されると共に、配線電極117からコンデンサ部分112に電圧が印加された状態において、単一の電源119から配線電極118を通じて駆動電極114に電圧が印加されると、その電圧印加に応じてコンデンサ構造体110がスイッチングすることにより、容量が変化する。
具体的には、図17に示したように、コンデンサ部分111(各電極部分111P)が初期位置に位置している状態において、電源119から駆動電極114に電圧が印可されると、図19に示したように、コンデンサ部分111(各電極部分111P)が静電力に基づいて変位位置に変位するため、各コンデンサCにおいて容量が変化する。
特に、微小コンデンサでは、上記したように、コンデンサ部分111のうちの各電極部分111Pの変位箇所の長さL1が互いに一致しており、すなわち各電極部分111Pの変位箇所の剛性(静電力に基づく撓みやすさ)が互いに一致しており、かつ補助電極131のうちの各補助電極部分131Pの長さL3が互いに一致していると共に、駆動電極114のうちの各駆動電極部分114Aの長さL2が互いに異なっており、すなわち各駆動電極部分114Aと各補助電極部分131Pとの間の対向面積が互いに異なっているため、各コンデンサC間において電極部分111Pの変位に要する電圧(いわゆるPull-In 電圧)が異なっている。具体的には、一連の駆動電極部分114Aの長さL2が駆動電極114の二股分岐方向へ向かって段階的に長くなっているため、同方向へ向かってPull-In 電圧が段階的に小さくなっている。すなわち、一連のコンデンサCでは、最下端(最も配線電極118に近い端)に位置するコンデンサCにおいてPull-In 電圧が最も大きくなっており、最上端(最も配線電極117に近い端)に位置するコンデンサCにおいてPull-In 電圧が最も小さくなっている。これにより、電源119から駆動電極114に印加される電圧が各駆動電極部分114Aごとに次第に増加すると、その電圧の増加に応じて、Pull-In 電圧が小さいコンデンサCから順にスイッチングすることにより容量が増加するため、微小コンデンサ全体の容量が段階的に増加する。
次に、図15〜図30を参照して、図15〜図20に示した微小コンデンサの製造方法について説明する。図21〜図30は微小コンデンサの製造工程を説明するためのものであり、いずれも図17および図18に対応する断面構成を示している。以下では、コンデンサ構造体110の製造工程に関して、図21,図23,図25,図27,図29を参照しながら図17に示した断面構成の製造工程について言及すると共に、図22,図24,図26,図28,図30を参照しながら図18に示した断面構成の製造工程について言及する。なお、微小コンデンサを構成する各構成要素の構造的特徴に関しては既に詳しく説明したので、以下ではそれらの説明を随時省略する。
微小コンデンサを製造する際には、まず、図21および図22に示したように、上記第1の実施の形態において図6を参照して説明した手順を経ることにより、基板1上に絶縁層2,3を積層させる。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して絶縁層3を覆うように、リンが含有されたポリシリコンなどの半導体材料を成膜することにより半導体材料膜を形成したのち、その半導体材料膜をパターニングすることにより、図21および図22に示したように、Y軸方向に延在するようにコンデンサ部分112を形成する。この場合には、例えば、図15および図16に示したように、コンデンサ部分112が矩形型の平面構造を有するようにする。
特に、コンデンサ部分112を形成する際には、例えば、そのコンデンサ部分112の形成工程と同一工程において半導体材料膜をパターニングすることにより、図21および図22に示したように、コンデンサ部分112と共に駆動電極114および作動電極132,133を併せて形成する。この場合には、例えば、図15および図16に示したように、駆動電極114が全体として二股に分岐した櫛型の平面構造を有すると共に、作動電極132,133がいずれも矩形型の平面構造を有するようにする。具体的には、例えば、後工程において形成される補助電極131のうちの各補助電極部分131Pに対応してX軸方向に延在し、その各補助電極部分131Pに対応して分離配置された複数(ここでは例えば4つ)の駆動電極部分114Aと、そ複数の駆動電極部分114Aに連結され、コンデンサ部分112と共にY軸方向に延在する駆動電極本体114Bとを含み、各駆動電極部分114Aの長さL2が互いに異なると共に、二股に分岐された駆動電極本体114Bが一端部において連結されるようにする。ここでは、例えば、各駆動電極部分114Aの長さL2が、駆動電極114の二股分岐方向へ向かって段階的に長くなるようにする。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して窒化ケイ素などの絶縁性材料を成膜することにより、図21および図22に示したように、コンデンサ部分112上に誘電体膜113を形成する。この場合には、コンデンサ部分112上と共に駆動電極14上および補助電極132,133上に併せて誘電体膜113を形成し、特に、補助電極132,133上に関しては、図21に示したように、後工程において補助電極131が形成されない領域のみに誘電体膜113を形成すると共に、図22に示したように、後工程において補助電極131が形成される領域には誘電体膜113を形成しないようにする。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して、コンデンサ部分112、誘電体膜113、駆動電極114および補助電極131と共にその周辺の絶縁層3を覆うように酸化ケイ素などの絶縁性材料を成膜することにより絶縁性材料膜を形成したのち、その絶縁性材料膜をパターニングすることにより、図23および図24に示したように、犠牲膜120を形成する。この場合には、例えば、後工程において空間Sが形成されることとなる領域を覆うと共に、コンデンサ部分111のうちの電極部分111Pの変位箇所の長さL1および補助電極131のうちの補助電極部分131Pの長さL3をそれぞれ所定の長さに設定可能となるように、絶縁性材料膜をパターニングする。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して、犠牲膜120、作動電極132,133およびその周辺の絶縁層3を覆うように、リンが含有されたポリシリコンなどの半導体材料を成膜することにより半導体材料膜を形成したのち、その半導体材料膜をパターニングすることにより、図24に示したように、X軸方向に延在するように補助電極131を形成する。この場合には、例えば、図15および図16に示したように、補助電極部分131PがY軸方向において複数列(ここでは例えば4列)に渡って配列されると共に、その補助電極部分131Pが矩形型の平面構造を有するようにする。また、特に、後工程において形成されるコンデンサ部分111のうちの各電極部分111Pごとにその電極部分111Pを挟むように補助電極部分131Pを2つずつ設けると共に、その電極部分111Pのうちの一端部分および他端部分に対応して分離配置されるようにする。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して、犠牲膜120、補助電極131およびその周辺の絶縁層3を覆うように窒化ケイ素などの絶縁性材料を成膜することにより、図23および図26に示したように、支持膜115を形成する。
続いて、例えば、ドライエッチング処理を使用して、支持膜115のうちのコンデンサ部分112に対応する箇所、具体的には後工程においてコンデンサCが構成される領域に対応する箇所を部分的にエッチングして削除することにより、図25に示したように、支持膜115に開口115Kを設ける。この場合には、犠牲膜120が露出するまで支持膜115をエッチングすると共に、Y軸方向において複数箇所(ここでは例えば4箇所)に渡って開口115Kを設けるようにする。
続いて、例えば、減圧CVD法を使用して、支持膜115および犠牲膜120を覆い、特に、支持膜115に設けられた開口115Kを埋め込むように、リンが含有されたポリシリコンなどの半導体材料を成膜することにより半導体材料膜を形成したのち、その半導体材料膜をパターニングすることにより、図27および図28に示したように、一端側から他端側へ連続的に延在する連続構造を有するように電極部分111Pを形成する。この場合には、図15に示したように、全体として櫛型の平面構造を有するようにし、具体的には電極部分111PがY軸方向に複数列(ここでは例えば4列)に渡って配列されると共に、そのY軸方向に配列された一連の電極部分111Pが一端部において連結されるようにする。
続いて、例えば希フッ化水素(DHF;Diluted Hydrogen Fluorede )溶液などの溶解液を使用して犠牲膜120を溶解させることにより、その犠牲膜120を選択的に除去する。これにより、図29および図30に示したように、犠牲膜120が設けられていた箇所に、電極部分111Pにより空間Sが構成されるため、その電極部分111Pを含むようにコンデンサ部分111が形成される。この状態において、コンデンサ部分112が空間Sを経由して延在すると共に、駆動電極114がコンデンサ部分112と共に空間Sに配置される。特に、コンデンサ部分111(電極部分111P)が誘電体膜113から隙間Gを隔てて離間されることによりコンデンサ部分112と対向配置されると共に、同様に補助電極131(補助電極部分131P)が誘電体膜13から隙間Gを隔てて離間されることにより駆動電極114と対向配置される。
続いて、例えば、スパッタリングを使用してアルミニウム銅合金やアルミニウムケイ素合金などの導電性材料を成膜することにより導電性材料膜を形成したのち、その導電性材料膜をパターニングすることにより、図17に示したように、コンデンサ部分111の一端部に接続されるように配線電極116を形成する。この場合には、例えば、配線電極116の形成工程と同一工程において導電性材料膜をパターニングすることにより、図15に示したように、コンデンサ部分112の一端部に接続されるように配線電極117を併せて形成し、駆動電極114の一端部に接続されるように配線電極118を併せて形成し、作動電極132,133のそれぞれの一端部に接続されるように配線電極134,135を併せて形成する。
最後に、図15〜図20に示したように、駆動電極114に単一の電源119を接続し、その電源119を使用して駆動電極114に印可する電圧を各駆動電極部分114Aごとに次第に増加させることにより全体の容量を増加可能とすることにより、複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分111,112および誘電体膜113と共に、駆動電極114、支持膜115、配線電極116〜118,134,135、電源119、補助電極131および作動電極132,133を併せて備えるようにコンデンサ構造体110が形成される。したがって、基体1上に絶縁層2,3およびコンデンサ構造体110がこの順に積層された構成を有するように微小コンデンサが完成する。
本実施の形態に係る微小コンデンサでは、複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分111,112および誘電体膜113と、駆動電極114と、単一の電源119と共に、補助電極131を併せて備えるようしたので、例えば、コンデンサ部分111のうちの各電極部分111Pの変位箇所の長さL1が互いに一致し、かつ補助電極131のうちの各補助電極部分131Pの長さL3が互いに一致していると共に、駆動電極114のうちの各駆動電極部分114Aの長さL2が互いに異なっている状態で、単一の電源119から駆動電極114に印加される電圧が各駆動電極部分114Aごとに次第に変化すれば、上記したように、各コンデンサC間のPull-In 電圧の差異に基づいて微小コンデンサが順次スイッチングすることにより、容量が変化する。この場合には、上記第1の実施の形態と同様に、微小コンデンサのスイッチング数に応じて容量が段階的に変化するため、微細なサイズであるにもかかわらずに容量が確保されると共に、微小コンデンサのスイッチング状態に基づいて容量が決定されるため、静電力に基づく動作原理を利用しているにもかかわらずに容量が安定化する。しかも、この場合には、やはり上記第1の実施の形態と同様に、単一の電源119を使用して容量を変化させることが可能であり、容量を変化させるために複数の電源を必要としないため、微小コンデンサの構成が簡素化される。したがって、本実施の形態においても、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することができる。
また、本実施の形態に係る微小コンデンサの製造方法では、複数のコンデンサCを構成するコンデンサ部分111,112および誘電体膜113と、駆動電極114と、単一の電源119と共に、補助電極131を併せて備え、上記したスイッチング機構(コンデンサ部分111のうちの電極部分111Pの部分的変位機構)を利用して容量を変化させることが可能な微小コンデンサを製造するために、上記した第1の実施の形態と同様に、減圧CVD法に代表される成膜技術、フォトリソグラフィ処理に代表されるパターニング技術、ドライエッチング処理に代表されるエッチング技術、ならびに犠牲膜120の溶解処理を利用した部分的除去技術を含む既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない。したがって、本実施の形態においても、既存の薄膜プロセスのみを使用して、簡単な構成で容量が変化すると共にその容量の確保および安定化が実現された微小コンデンサを容易に製造することができる。
さらに、本実施の形態では、上記した微小コンデンサを搭載するように電子機器を構成し、例えば周波数の調整機構を有するテレビやラジオなどの電子機器を構成すれば、その微小コンデンサを搭載していることに基づき、上記第1の実施の形態と同様に、容量を変化させることが可能である。しかも、この場合には、やはり上記第1の実施の形態と同様に、容量が確保されると共に安定化し、さらに構成が簡素化される。したがって、本実施の形態においても、微小コンデンサを搭載する電子機器に関して、簡単な構成で容量を変化させると共にその容量の確保および安定化を実現することができる。
なお、本実施の形態では、図23および図24に示したように、作動電極132,133上に誘電体膜113を形成する際に、後工程において補助電極131が形成されない領域のみに誘電体膜113を形成する一方で(図23参照)、後工程において補助電極131が形成される領域に誘電体膜113を形成しないことにより(図24参照)、補助電極131を形成した際に、その補助電極131が作動電極132,133と電気的に接続されるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。具体的には、例えば、作動電極132,133上に誘電体膜113を形成する際に、後工程において補助電極131が形成される領域か、あるいは後工程において補助電極131が形成されない領域かにかかわらず、コンデンサ部分112、駆動電極114および作動電極132,133と共にそれらの周辺の絶縁層3を覆うように誘電体膜113を形成するようにしてもよい。この場合には、例えば、誘電体膜113を形成したのちに補助電極131を形成する前に、その補助電極131が形成される領域において、ドライエッチング処理を使用して誘電体膜113のうちの作動電極132,133に対応する箇所を部分的にエッチングして電気的接続用の開口を形成したのちに補助電極131を形成することにより、その開口を通じて補助電極131を作動電極132,133と電気的に接続させることが可能である。
本実施の形態に係る微小コンデンサおよびその製造方法に関する上記以外の特徴および変形例は、上記第1の実施の形態と同様である。
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明の微小コンデンサおよびその製造方法を説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の微小コンデンサの構成やその微小コンデンサの製造方法に関する手順などは、上記各実施の形態と同様の効果を得ることが可能な限りにおいて自由に変形可能である。
また、上記各実施の形態では、本発明の微小コンデンサおよびその製造方法をラジオやテレビなどの電子機器に適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、本発明の微小コンデンサおよびその製造方法をラジオやテレビ以外の他の電子機器に適用することも可能である。この場合においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る微小コンデンサおよびその製造方法は、例えば周波数の調整機構を有するラジオやテレビなどの電子機器に適用することが可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る微小コンデンサの平面構成(XY面に沿った平面構成)を表す平面図である。 図1から一構成要素を部分的に除去した状態の微小コンデンサの平面構成(XY面に沿った平面構成)を表す平面図である。 図1に示したA−A線に沿った微小コンデンサのスイッチング前の状態の断面構成(XZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 図1に示したA−A線に沿った微小コンデンサのスイッチング時の状態の断面構成(XZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る微小コンデンサの回路構成の概略を表す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る微小コンデンサの製造工程を説明するための断面図である。 図6に続く工程を説明するための断面図である。 図7に続く工程を説明するための断面図である。 図8に続く工程を説明するための断面図である。 図9に続く工程を説明するための断面図である。 図10に続く工程を説明するための断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る微小コンデンサの構成に関する変形例の平面構成(XY面に沿った平面構成)を表す平面図である。 図12から一構成要素を部分的に除去した状態の微小コンデンサの平面構成(XY面に沿った平面構成)を表す平面図である。 図12に示したA−A線に沿った微小コンデンサの断面構成(XZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る微小コンデンサの平面構成(XY面に沿った平面構成)を表す平面図である。 図12から一構成要素を部分的に除去した状態の微小コンデンサの平面構成(XY面に沿った平面構成)を表す平面図である。 図15に示したA−A線に沿った微小コンデンサのスイッチング前の状態の断面構成(XZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 図15に示したB−B線に沿った微小コンデンサの断面構成(XZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 図15に示したA−A線に沿った微小コンデンサのスイッチング時の状態の断面構成(XZ面に沿った断面構成)を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る微小コンデンサの回路構成の概略を表す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係る微小コンデンサのうちの一領域の製造工程を説明するための断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る微小コンデンサのうちの他の流域の製造工程を説明するための断面図である。 図21に続く工程を説明するための断面図である。 図22に続く工程を説明するための断面図である。 図23に続く工程を説明するための断面図である。 図24に続く工程を説明するための断面図である。 図25に続く工程を説明するための断面図である。 図26に続く工程を説明するための断面図である。 図27に続く工程を説明するための断面図である。 図28に続く工程を説明するための断面図である。
符号の説明
1…基板、2,3…絶縁層、10,110…コンデンサ構造体、11,12,111,112…コンデンサ部分、11P,111P…電極部分、11PA,11PB…電極パターン、13,113…誘電体膜、14,114…駆動電極、14A,114A…駆動電極部分、14B,114B…駆動電極本体、15,115…支持膜、16〜18,134,135…配線電極、19,119…電源、20,120…犠牲膜、131…補助電極、131P…補助電極部分、132…作動電極、C…コンデンサ、G…ギャップ、S…空間。



















Claims (38)

  1. 複数の電極部分を有する第1のコンデンサ部分と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する第2のコンデンサ部分と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と前記第2のコンデンサ部分との間に配設され、前記第1のコンデンサ部分および前記第2のコンデンサ部分と共に複数のコンデンサを構成する誘電体膜と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する複数の駆動電極部分を有する駆動電極と、
    前記駆動電極に電圧を印加するための単一の電源と、を備えた
    ことを特徴とする微小コンデンサ。
  2. 前記コンデンサにおいて、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分が、前記誘電体膜から離間された第1の位置と前記誘電体膜に隣接する第2の位置との間で部分的に変位可能であり、
    その電極部分が前記第1の位置から前記第2の位置に部分的に変位することにより、容量が変化する
    ことを特徴とする請求項1記載の微小コンデンサ。
  3. 前記電源が、前記駆動電極に印加する電圧を次第に変化させるものであり、
    その電源から前記駆動電極に印加される電圧が各駆動電極部分ごとに次第に変化することにより、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分が前記第1の位置から前記第2の位置に順次変位する
    ことを特徴とする請求項2記載の微小コンデンサ。
  4. 前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さが互いに一致していると共に、
    前記駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さが互いに異なっている
    ことを特徴とする請求項3記載の微小コンデンサ。
  5. 前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さが互いに異なっていると共に、
    前記駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さが互いに一致している
    ことを特徴とする請求項3記載の微小コンデンサ。
  6. 前記駆動電極が、さらに、前記複数の駆動電極部分に連結された駆動電極本体を含んで構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の微小コンデンサ。
  7. 前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分が、
    互いに分離配置された2つの第1の電極パターンと、
    前記2つの第1の電極パターンの間に、各第1の電極パターンから離間されると共に、前記誘電体膜から離間されることにより前記第2のコンデンサ部分と対向するように配置された1つの第2の電極パターンと、を含んで構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の微小コンデンサ。
  8. 前記駆動電極のうちの各駆動電極部分が、前記電極部分のうちの各第1の電極パターンに対応して分離配置されている
    ことを特徴とする請求項7記載の微小コンデンサ。
  9. さらに、前記2つの第1の電極パターンにより支持され、前記第2の電極パターンを挟み込むことにより支持する支持膜を備えた
    ことを特徴とする請求項7記載の微小コンデンサ。
  10. 複数の電極部分を有する第1のコンデンサ部分と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する第2のコンデンサ部分と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と前記第2のコンデンサ部分との間に配設され、前記第1のコンデンサ部分および前記第2のコンデンサ部分と共に複数のコンデンサを構成する誘電体膜と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分に並列して配設された複数の補助電極部分を有する補助電極と、
    前記補助電極のうちの各補助電極部分と部分的に対向する複数の駆動電極部分を有する駆動電極と、
    前記駆動電極に電圧を印加するための単一の電源と、を備えた
    ことを特徴とする微小コンデンサ。
  11. 前記コンデンサにおいて、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分が、前記誘電体膜から離間された第1の位置と前記誘電体膜に隣接する第2の位置との間で部分的に変位可能であり、
    その電極部分が前記第1の位置から前記第2の位置に部分的に変位することにより、容量が変化する
    ことを特徴とする請求項10記載の微小コンデンサ。
  12. 前記電源が、前記駆動電極に印加する電圧を次第に変化させるものであり、
    その電源から前記駆動電極に印加される電圧が各駆動電極部分ごとに次第に変化することにより、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分が前記第1の位置から前記第2の位置に順次変位する
    ことを特徴とする請求項11記載の微小コンデンサ。
  13. 前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さが互いに一致し、かつ前記補助電極のうちの各補助電極部分の長さが互いに一致していると共に、
    前記駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さが互いに異なっている
    ことを特徴とする請求項12記載の微小コンデンサ。
  14. 前記補助電極のうちの前記補助電極部分が、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分ごとに、その電極部分を挟むように2つずつ設けられている
    ことを特徴とする請求項10記載の微小コンデンサ。
  15. 前記駆動電極が、さらに、前記複数の駆動電極部分に連結された駆動電極本体を含んで構成されている
    ことを特徴とする請求項10記載の微小コンデンサ。
  16. 前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分が、一端側から他端側へ連続的に延在する連続構造を有している
    ことを特徴とする請求項10記載の微小コンデンサ。
  17. 前記補助電極のうちの各補助電極部分が、前記電極部分のうちの一端部分および他端部分に対応して分離配置されている
    ことを特徴とする請求項16記載の微小コンデンサ。
  18. さらに、前記電極部分を支持する支持膜を備えた
    ことを特徴とする請求項16記載の微小コンデンサ。
  19. 誘電体膜を挟んで対向配置されることにより複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分および第2のコンデンサ部分を備えた微小コンデンサの製造方法であって、
    前記第2のコンデンサ部分を形成する第1の工程と、
    複数の駆動電極部分を有するように、駆動電極を形成する第2の工程と、
    前記第2のコンデンサ部分上に、前記誘電体膜を形成する第3の工程と、
    複数の電極部分を有するように、前記第1のコンデンサ部分を形成する第4の工程と、を含み、
    前記第2のコンデンサ部分が、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向し、
    かつ、前記駆動電極のうちの各駆動電極部分が、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向するようにすると共に、
    単一の電源を使用して、前記駆動電極に電圧を印加可能にする
    ことを特徴とする微小コンデンサの製造方法。
  20. 前記コンデンサにおいて、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分を、前記誘電体膜から離間された第1の位置と前記誘電体膜に隣接する第2の位置との間で部分的に変位可能にし、
    その電極部分を前記第1の位置から前記第2の位置に部分的に変位させることにより、容量を変化可能にする
    ことを特徴とする請求項19記載の微小コンデンサの製造方法。
  21. 前記電源を使用して、前記駆動電極に印加する電圧を次第に変化可能にし、
    その電源から前記駆動電極に印加される電圧を各駆動電極部分ごとに次第に変化させることにより、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分を前記第1の位置から前記第2の位置に順次変位可能にする
    ことを特徴とする請求項20記載の微小コンデンサの製造方法。
  22. 前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さを互いに一致させると共に、
    前記駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さを互いに異ならせる
    ことを特徴とする請求項21記載の微小コンデンサの製造方法。
  23. 前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さを互いに異ならせると共に、
    前記駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さを互いに一致させる
    ことを特徴とする請求項21記載の微小コンデンサの製造方法。
  24. 前記第2の工程において、さらに、前記複数の駆動電極部分に連結された駆動電極本体を含むように、前記駆動電極を形成する
    ことを特徴とする請求項19記載の微小コンデンサの製造方法。
  25. 前記第3の工程と前記第4の工程との間に、さらに、前記第2のコンデンサ部分、前記駆動電極および前記誘電体膜と共にその周辺領域を覆うように、犠牲膜を形成する第5の工程を含み、
    前記第4の工程における前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分を形成する工程が、
    前記犠牲膜上に、互いに分離配置されるように、前記電極部分のうちの一部を構成する2つの第1の電極パターンを形成する工程と、
    前記犠牲膜上の前記2つの第1の電極パターンの間に、各第1の電極パターンから離間されると共に、前記誘電体膜から前記犠牲膜を介して離間されることにより前記第2のコンデンサ部分と対向配置されるように、前記電極部分のうちの他の一部を構成する1つの第2の電極パターンを形成することにより、前記第1の電極パターンおよび前記第2の電極パターンを含むように、前記電極部分を形成する工程と、
    前記犠牲膜を選択的に除去する工程と、を含む
    ことを特徴とする請求項19記載の微小コンデンサの製造方法。
  26. 前記駆動電極のうちの各駆動電極部分を、前記電極部分のうちの各第1の電極パターンに対応して分離配置させる
    ことを特徴とする請求項25記載の微小コンデンサの製造方法。
  27. 前記第4の工程における前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分を形成する工程が、
    さらに、前記第1の電極パターンを形成したのち、前記第2の電極パターンの形成領域を除いて前記第1の電極パターンおよびその周辺領域上に支持膜を形成する工程を含み、
    前記支持膜によって前記第2の電極パターンが挟み込まれることにより支持されるようにする
    ことを特徴とする請求項25記載の微小コンデンサの製造方法。
  28. 誘電体膜を挟んで対向配置されることにより複数のコンデンサを構成する第1のコンデンサ部分および第2のコンデンサ部分を備えた微小コンデンサの製造方法であって、
    前記第2のコンデンサ部分を形成する第1の工程と、
    複数の駆動電極部分を有するように、駆動電極を形成する第2の工程と、
    前記第2のコンデンサ部分上に、前記誘電体膜を形成する第3の工程と、
    複数の補助電極部分を有するように、補助電極を形成する第4の工程と、
    複数の電極部分を有するように、前記第1のコンデンサ部分を形成する第5の工程と、を含み、
    前記第2のコンデンサ部分が、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向し、
    前記補助電極のうちの各補助電極部分が、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分に並列して配列され、
    前記駆動電極のうちの各駆動電極部分が、前記補助電極のうちの各補助電極部分と部分的に対向するようにすると共に、
    単一の電源を使用して、前記駆動電極に電圧を印加可能にする
    ことを特徴とする微小コンデンサの製造方法。
  29. 前記コンデンサにおいて、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分を、前記誘電体膜から離間された第1の位置と前記誘電体膜に隣接する第2の位置との間で部分的に変位可能にし、
    その電極部分を前記第1の位置から前記第2の位置に部分的に変位させることにより、容量を変化可能にする
    ことを特徴とする請求項28記載の微小コンデンサの製造方法。
  30. 前記電源を使用して、前記駆動電極に印加する電圧を次第に変化可能にし、
    その電源から前記駆動電極に印加される電圧を各駆動電極部分ごとに次第に変化させることにより、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分を前記第1の位置から前記第2の位置に順次変位可能にする
    ことを特徴とする請求項29記載の微小コンデンサの製造方法。
  31. 前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分の変位箇所の長さを互いに一致させ、かつ前記補助電極のうちの各補助電極部分の長さを互いに一致させると共に、
    前記駆動電極のうちの各駆動電極部分の長さを互いに異ならせる
    ことを特徴とする請求項30記載の微小コンデンサの製造方法。
  32. 前記補助電極のうちの前記補助電極部分を、前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分ごとに、その電極部分を挟むように2つずつ設ける
    ことを特徴とする請求項28記載の微小コンデンサの製造方法。
  33. 前記第2の工程において、さらに、前記複数の駆動電極部分に連結された駆動電極本体を含むように、前記駆動電極を形成する
    ことを特徴とする請求項28記載の微小コンデンサの製造方法。
  34. 前記第3の工程および前記第4の工程と前記第5の工程との間に、さらに、前記第2のコンデンサ部分、前記駆動電極、前記誘電体膜および前記補助電極と共にその周辺領域を覆うように、犠牲膜を形成する第6の工程を含み、
    前記第5の工程における前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分を形成する工程が、
    前記犠牲膜上に、一端側から他端側へ連続的に延在する連続構造を有するように、前記電極部分を形成する工程と、
    前記犠牲膜を選択的に除去する工程と、を含む
    ことを特徴とする請求項28記載の微小コンデンサの製造方法。
  35. 前記補助電極のうちの各補助電極部分を、前記電極部分のうちの一端部分および他端部分に対応して分離配置させる
    ことを特徴とする請求項34記載の微小コンデンサの製造方法。
  36. 前記第5の工程における前記第1のコンデンサ部分のうちの前記電極部分を形成する工程が、さらに、支持膜を形成する工程を含み、
    前記支持膜によって前記電極部分が支持されるようにする
    ことを特徴とする請求項34記載の微小コンデンサの製造方法。
  37. 微小コンデンサを備えた電子機器であって、
    前記微小コンデンサが、
    複数の電極部分を有する第1のコンデンサ部分と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する第2のコンデンサ部分と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と前記第2のコンデンサ部分との間に配設され、前記第1のコンデンサ部分および前記第2のコンデンサ部分と共に複数のコンデンサを構成する誘電体膜と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する複数の駆動電極部分を有する駆動電極と、
    前記駆動電極に電圧を印加する単一の電源と、を備えた
    ことを特徴とする電子機器。
  38. 微小コンデンサを備えた電子機器であって、
    前記微小コンデンサが、
    複数の電極部分を有する第1のコンデンサ部分と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と部分的に対向する第2のコンデンサ部分と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分と前記第2のコンデンサ部分との間に配設され、前記第1のコンデンサ部分および前記第2のコンデンサ部分と共に複数のコンデンサを構成する誘電体膜と、
    前記第1のコンデンサ部分のうちの各電極部分に並列して配設された複数の補助電極部分を有する補助電極と、
    前記補助電極のうちの各補助電極部分と部分的に対向する複数の駆動電極部分を有する駆動電極と、
    前記駆動電極に電圧を印加するための単一の電源と、を備えた
    ことを特徴とする電子機器。





































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