JP2006108465A - 光学特性計測装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 計測装置を移動することなく、かつ多数の画素を備えた撮像素子を用いることなく、光学系の光学特性(結像性能等)を計測する。
【解決手段】 被検光学系を通過して開口板32を通過した光束をコリメートするコリメートレンズ33と、その光束をそれぞれ集光する複数の微小レンズ34aの集合体であるマイクロレンズアレイ34と、マイクロレンズアレイ34の後側焦点面に配置されてそれぞれ角度可変の微小なミラー35(i,j)の集合体であるマイクロミラーアレイ35と、マイクロミラーアレイ35で走査された光束を光電検出器に導く光ガイド37とを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】 被検光学系を通過して開口板32を通過した光束をコリメートするコリメートレンズ33と、その光束をそれぞれ集光する複数の微小レンズ34aの集合体であるマイクロレンズアレイ34と、マイクロレンズアレイ34の後側焦点面に配置されてそれぞれ角度可変の微小なミラー35(i,j)の集合体であるマイクロミラーアレイ35と、マイクロミラーアレイ35で走査された光束を光電検出器に導く光ガイド37とを有する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、光学系の光学特性を計測するための光学特性計測装置に関し、例えば半導体デバイス、CCD撮像素子、薄膜磁気ヘッド、又は液晶表示素子等の各種デバイスを製造する際に使用される投影露光装置に搭載されている投影光学系の結像性能を計測するために使用して好適なものである。さらに本発明は、その光学特性計測装置を備えた露光装置に関する。
半導体デバイス等を製造するためのフォトリソグラフィ工程で使用される投影露光装置は、レチクル又はフォトマスク等のマスクを照明する照明光学系、マスクに描かれたパターンの像を基板としての感光材料が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に結像する投影光学系、及びウエハの移動を行うウエハステージ等から構成されている。投影露光装置の性能は、投影光学系の投影像のずれ量や波面収差等の結像性能に大きく依存している。そこで、従来より次のようにして、投影光学系の結像性能が計測されていた。
先ず、投影光学系のコマ収差等に起因する投影像のずれ量を計測するために、ウエハステージ内にリレー系及び光ガイドを組み込んでおき、投影光学系を介して投影された所定マークの空間像を形成する結像光束をそのリレー系及び光ガイドを介して外部に取り出し、このように取り出された光を外部に配置されたフォトマルチプライヤのような光電検出器で受光するようにした投影露光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合には、その光電検出器の出力はその空間像のうち所定開口又はナイフエッジ部を通過する光束全体の光量に対応するため、その空間像の位置による光量分布を計測するためには、投影光学系に対してウエハステージを1次元又は2次元的に走査する必要があった。
次に、投影光学系の波面収差を計測するために、ウエハステージ内に投影光学系の瞳面と実質的に共役な面を形成する光学系と、その瞳面との共役面で光束を縦横に複数に分割するための波面分割素子と、このように分割された複数の光束の2次元的な光量分布を計測するための2次元のCCD撮像素子とを組み込んだ投影露光装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この場合には、CCD撮像素子の出力を処理することでその瞳面との共役面での2次元的な光量分布を計測できるため、投影光学系に対してウエハステージを走査する必要はない。
特開2000−121498号公報
特開2003−214984号公報
上記の如き従来の技術のうちで、光電検出器としてフォトマルチプライヤを用いる場合、フォトマルチプライヤは非常に高感度であるが、受光部を必要な数配置することが難しいため、1次元又は2次元的な光量分布を計測するためにはウエハステージを走査する必要があった。そのため、投影光学系の結像性能の計測に要する時間が長くなり、ステージ制御の精度、例えば干渉計ゆらぎなどの影響を受けるという不都合があった。
一方、光電検出器としての2次元のCCD撮像素子をウエハステージ内に組み込んだ場合には、ウエハステージを走査する必要はない。しかしながら、光量分布計測時の分解能を高めるためにはCCD撮像素子の画素数を多くする必要があるが、現在の150〜300nm程度の露光波長域で良好な感度を持つとともに画素数の多いCCD撮像素子は大型であるとともに、発熱量が大きくなる。従って、ウエハステージを実用的な大きさに維持するためには、CCD撮像素子の画素数には限界があり、計測の分解能にも一定の限界があった。また、CCD撮像素子の発熱による熱変形を防ぐために冷却機構等を設けるときには、ウエハステージがさらに大型化するあるいは配置上の制約が大きいという不都合があった。
一方、光電検出器としての2次元のCCD撮像素子をウエハステージ内に組み込んだ場合には、ウエハステージを走査する必要はない。しかしながら、光量分布計測時の分解能を高めるためにはCCD撮像素子の画素数を多くする必要があるが、現在の150〜300nm程度の露光波長域で良好な感度を持つとともに画素数の多いCCD撮像素子は大型であるとともに、発熱量が大きくなる。従って、ウエハステージを実用的な大きさに維持するためには、CCD撮像素子の画素数には限界があり、計測の分解能にも一定の限界があった。また、CCD撮像素子の発熱による熱変形を防ぐために冷却機構等を設けるときには、ウエハステージがさらに大型化するあるいは配置上の制約が大きいという不都合があった。
また、従来は、投影光学系の瞳面に対する共役面の光量分布を計測する装置と、投影光学系の像面の光量分布を計測する装置とは互いに独立に構成されていた。しかしながら、投影露光装置のウエハステージには、それらの光量分布を計測する装置の他に、温度センサや加速度センサなど種々の装置が装着されており、今後も計測対象の物理量は増加すると予想される。従って、その光量分布の計測装置においても、光電検出器を共通化するなどして全体として装置を小型化することが望まれている。
本発明は斯かる点に鑑み、計測装置を移動することなく、かつ多数の画素を備えた撮像素子を用いることなく、光学系(投影光学系等)の光学特性(結像性能等)を計測できる計測技術を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、光電検出器を共通化して、光学系の複数の光学特性を計測できる計測技術を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、光電検出器を共通化して、光学系の複数の光学特性を計測できる計測技術を提供することを第2の目的とする。
また、本発明は、そのような計測技術を用いる露光技術を提供することをも目的とする。
本発明による光学特性計測装置は、被検光学系(PL;12)の光学特性を計測する光学特性計測装置において、その被検光学系を通過した光束を互いに異なる複数の領域を通る複数の部分光束に分割し、該複数の部分光束を時間的に逐次選択する光束分割素子(35;49)と、その光束分割素子で逐次選択されるその部分光束を一つの受光部を介して検出する検出器(41)と、その検出器で検出される情報に基づいてその被検光学系の光学特性を求める演算装置(16)とを備えたものである。
斯かる本発明によれば、光束分割素子によって逐次選択された部分光束を検出器で検出することによって、その被検光学系を通過した光束の一次元又は2次元的な光量分布の情報を得ることができ、その光量分布の情報からその被検光学系の光学特性を求めることができる。即ち、計測装置を移動することなく、かつ多数の画素を備えた撮像素子を用いることなく、光学系の光学特性を迅速に計測できる。
本発明において、一例として、その光束分割素子は、互いに独立に駆動される複数個のミラー又はシャッター(液晶セル等)を含むものである。特に、複数個のミラーを含む光束分割素子を用いる場合には、光路折り曲げ用のミラーを兼用することができ、計測装置をコンパクトにまとめることが可能となる。
また、一例として、その被検光学系は結像光学系であり、その光束分割素子は、その結像光学系を通過した光束をその結像光学系の瞳面との共役面又はこの面の近傍においてその複数の部分光束に分割し、その検出器によってその結像光学系の瞳面の情報が検出される。この場合には、その結像光学系の波面収差のような結像特性を計測できる。
また、一例として、その被検光学系は結像光学系であり、その光束分割素子は、その結像光学系を通過した光束をその結像光学系の瞳面との共役面又はこの面の近傍においてその複数の部分光束に分割し、その検出器によってその結像光学系の瞳面の情報が検出される。この場合には、その結像光学系の波面収差のような結像特性を計測できる。
また、別の例として、その被検光学系は結像光学系であり、その光束分割素子は、その結像光学系を通過した光束をその結像光学系の像面若しくはこの面の近傍、又は該像面との共役面若しくはこの面の近傍においてその複数の部分光束に分割し、その検出器によってその結像光学系の像面の情報が検出される。この場合には、その結像光学系の投影像のずれ量を生じる結像特性を計測できる。
また、その光束分割素子とその検出器との間に配置されてその部分光束を導く光ガイド(37)をさらに備えてもよい。本発明の計測装置の光束分割素子を投影露光装置のウエハステージに組み込むような場合には、その光ガイドをウエハステージ内に配置して、その検出器を外部に配置することによって、ウエハステージを大型化することなく、その検出器としてフォトマルチプライヤのような大型で高感度の光電検出器を使用できる。
また、その光束分割素子とその検出器との間に配置されてその部分光束を導く光ガイド(37)をさらに備えてもよい。本発明の計測装置の光束分割素子を投影露光装置のウエハステージに組み込むような場合には、その光ガイドをウエハステージ内に配置して、その検出器を外部に配置することによって、ウエハステージを大型化することなく、その検出器としてフォトマルチプライヤのような大型で高感度の光電検出器を使用できる。
また、その被検光学系を通過した光束を所定の開口を介して受光する計測光学系(56)と、その光束分割素子からの光束又はその計測光学系からの光束のいずれかを選択してその検出器に導く光束切り換え部材(54)とをさらに備えてもよい。これによって、その検出器(例えば光電検出器)を共通化して、被検光学系の複数の光学特性を計測できる。
また、その光束分割素子の受光面を、その被検光学系の光軸に対して傾斜させておき、その被検光学系を通過した光束をその光束分割素子の受光面に結像させるためのアオリの光学系(33,34;47,48)をさらに備えてもよい。上記のように本発明の計測装置の光束分割素子を投影露光装置のウエハステージに組み込むような場合には、被検光学系からの光束の光路を折り曲げるとともに、その光束折り曲げ部(光軸に対して傾斜して配置される部分)にその光束分割素子を配置することが望ましいことがある。この際に、そのアオリの光学系を用いることで、その被検光学系を通過した光束の2次元的な光量分布をより高精度に検出できる。
次に、本発明による露光装置は、第1物体(M)のパターンを投影光学系(PL)を介して第2物体(W)上に投影露光する露光装置において、本発明の光学特性計測装置を備え、その光学特性計測装置を用いてその投影光学系の結像特性を計測するものである。
本発明の特性計測装置の光束分割素子を例えば第2物体を駆動するためのステージに組み込むことで、そのステージを駆動することなく、かつそのステージ内に撮像素子を配置することなく効率的にその投影光学系の結像特性を計測できる。
本発明の特性計測装置の光束分割素子を例えば第2物体を駆動するためのステージに組み込むことで、そのステージを駆動することなく、かつそのステージ内に撮像素子を配置することなく効率的にその投影光学系の結像特性を計測できる。
この場合、その光学特性計測装置の計測結果に基づいてその投影光学系の結像特性を補正する結像特性補正機構をさらに備えてもよい。これによって、その投影光学系の結像特性を最適な状態に維持できる。
本発明によれば、光束分割素子を用いて1次元又は2次元の光量分布の情報を逐次検出する(走査する)ことによって、計測装置を移動することなく、かつ多数の画素を備えた撮像素子を用いることなく、光学系の光学特性を迅速に計測することができる。
また、光束分割素子からの光束又は計測光学系からの光束のいずれかを選択して検出器に導く光束切り換え部材を設けた場合には、検出器を共通化して、光学系の複数の光学特性を計測することができる。
また、光束分割素子からの光束又は計測光学系からの光束のいずれかを選択して検出器に導く光束切り換え部材を設けた場合には、検出器を共通化して、光学系の複数の光学特性を計測することができる。
また、本発明の露光装置によれば、ステージを大型化することなく、投影光学系の結像特性を効率的に計測できる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図1〜図6を参照して説明する。本例は、投影露光装置に装着されている被検光学系としての投影光学系の瞳面の情報に基づく結像特性を計測する場合に、本発明を適用したものである。本例の投影露光装置は、マスク(第1物体)を照明する照明光学系と、マスクを駆動するマスクステージと、投影光学系と、基板(第2物体)としてのウエハを駆動するウエハステージと、投影光学系の結像特性を計測する光学特性計測装置と、投影光学系の結像特性を補正する結像特性補正機構とを備えており、例えば半導体デバイス又はCCD撮像素子等を製造するためのフォトリソグラフィ工程中で使用される。
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図1〜図6を参照して説明する。本例は、投影露光装置に装着されている被検光学系としての投影光学系の瞳面の情報に基づく結像特性を計測する場合に、本発明を適用したものである。本例の投影露光装置は、マスク(第1物体)を照明する照明光学系と、マスクを駆動するマスクステージと、投影光学系と、基板(第2物体)としてのウエハを駆動するウエハステージと、投影光学系の結像特性を計測する光学特性計測装置と、投影光学系の結像特性を補正する結像特性補正機構とを備えており、例えば半導体デバイス又はCCD撮像素子等を製造するためのフォトリソグラフィ工程中で使用される。
図1は、本例の投影露光装置の概略構成を示し、この図1において、水銀ランプ等の露光光源1は、楕円鏡2の第1焦点に配置されている。その露光光源1から射出された露光ビームとしての露光用の照明光(露光光)ILは、楕円鏡2によりその第2焦点に集光された後、コリメータレンズ3により平行光束に変換される。この平行光束は、断面が四角形のレンズ素子の集合体からなるフライアイレンズ4(オプティカル・インテグレータ)に入射し、フライアイレンズ4の射出側に複数の光源像が形成され、これらが2次光源となる。これらの光源像が形成される位置(照明光学系の瞳面)には円形状、輪帯状、及び複数の開口からなる変形照明用の開口などに切り換え可能な開口部を有する開口絞り(σ絞り)5が配置されている。開口絞り5内の光源像からの照明光ILは、リレーレンズ系前群7、マスクブラインド(視野絞り)8、リレーレンズ系後群9を通って、折り曲げミラー10で光路が偏向されて、コンデンサーレンズ11によって集光されて、例えばレチクルからなるマスクMを重畳的に均一な照度で照明する。露光光源1からコンデンサーレンズ11までの部材を含んで照明光学系12が構成されている。
なお、図1では、露光光源1として水銀ランプを挙げたが、より波長の短いエキシマレーザ(波長248nmのKrFエキシマレーザ又は波長193nmのArFエキシマレーザ等)、F2 レーザ(波長157nm)、EUV光源(波長13.5nm)、YAGレーザの高調波発生光源、又は固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置などを露光光源として使用してもよい。また、本例の投影露光装置がスキャニングステッパーのような走査露光型である場合には、マスクブラインド8は、矩形の照明領域を規定する固定ブラインドと、走査露光時に照明領域を開閉するための可動ブラインドとを含むことができる。
照明光ILに照明されたマスクMに形成されたパターンの像が、投影光学系PLを介して基板としてのフォトレジストが塗布されたウエハ上の一つのショット領域上に結像投影される。また、開口絞り5とリレーレンズ系前群7との間には、反射率の小さいビームスプリッタ6が挿入されており、ビームスプリッタ6によって一部反射した照明光は、集光レンズ13で集光され、光電検出器よりなる露光量モニタ14に入射する。露光量モニタ14の出力信号は、露光量制御系15及び後述の情報処理装置16(演算装置)に供給されている。露光量制御系15は、露光量モニタ14の出力を用いて投影光学系PLの像面での照明光ILの光量を算出し、この算出値を用いて露光光源1の出力及び露光時間の制御を行う。なお、露光光源としてエキシマレーザ光源のようなパルス光源を使用する場合は、照明光のパルス発光に同期して露光量をモニタする必要がある。
投影光学系PLは、例えば複数枚のレンズからなり、マスクMに形成されたパターンを所定倍率でウエハW上に結像する。投影倍率としては、例えば1/4又は1/5等の縮小倍率もあるし、等倍や拡大倍率もある。以下、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を取り、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
先ず、露光時にはマスクステージ19上にマスクMが吸着保持され、マスクステージ19はマスクベース20上でX方向、Y方向、Z軸の周りの回転方向に微動して、マスクMの位置決めを行う。マスクステージ19のXY平面内での位置は、マスクステージ19に固定された移動鏡23M、投影光学系PLに固定された参照鏡24M、計測用のレーザビームを分割合成するビームスプリッタ22M、及びレーザ干渉計21Mを含むマスク側干渉計システムによって計測され、その計測値がステージ制御系18に供給される。ステージ制御系18は、その計測値及び装置全体の動作を統轄制御する主制御系17からの制御情報にに基づいて、リニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してマスクステージ19の位置等を制御する。なお、これはステッパーの場合であり、本例の投影露光装置が走査露光型である場合には、マスクMの照明領域は、X方向に細長い矩形領域となり、マスクステージ19には、Y方向に所定速度で往復運動(走査)する機能が付加される。
一方、ウエハWは、ウエハホルダ25を介してウエハステージ26上に吸着保持されている。ウエハステージ26は、ウエハベース27上をX方向、Y方向に駆動されるXYステージ部と、ウエハWのZ方向の位置(フォーカス位置)並びにウエハWのX軸及びY軸の周りの傾斜角(チルト角)を制御するZレベリングステージ部とから構成されている。ウエハステージ26のXY平面内での位置は、ウエハステージ26に固定された移動鏡23W、投影光学系PLに固定された参照鏡24W、計測用のレーザビームを分割合成するビームスプリッタ22W、及びレーザ干渉計21Wを含むウエハ側干渉計システムによって計測され、その計測値がステージ制御系18に供給される。ステージ制御系18は、その計測値及び主制御系17からの制御情報にに基づいて、リニアモータ等の駆動機構(不図示)を介してウエハステージ26のX方向、Y方向の位置等を制御する。レチクル側干渉計システム及びウエハ側干渉計システムの計測値は主制御系17にも供給されている。
また、図1の投影露光装置は、マスクM上のアライメントマークの位置を計測するための1対のレチクルアライメント顕微鏡(不図示)と、ウエハW上のアライメントマークの位置を計測するためのオフ・アクシス方式でFIA(Field Image Alignment)方式のアライメントセンサ(不図示)と、ウエハステージ26上に固定されて所定の基準マークが形成された基準マーク部材(不図示)とを備えている。これらのレチクルアライメント顕微鏡、アライメントセンサ、及び基準マーク部材を用いて、マスクM及びウエハWのアライメントが行われる。
更に、図1の投影露光装置は、投影光学系PLの光軸AXの方向、即ちZ方向に沿ったウエハWの表面又は光学特性計測装置の入射面の位置を検出するために、いわゆる斜入射方式の多点のオートフォーカス系(AF系)28(図2参照)を備えている。このオートフォーカス系28の計測値を用いてウエハステージ26内のZレベリングステージ部を駆動することで、ウエハWの表面又はその計測装置の入射面を投影光学系PLの像面に連続的に合わせ込むことができる。なお、多点のオートフォーカス系の詳細については、例えば特開平6−97045号公報に開示されている。
さらに、本例の投影露光装置には、投影光学系PL内の所定のレンズの位置や傾斜角を調整することによって投影光学系PLの波面収差(例えば、球面収差成分、コマ収差成分、ディストーション成分、及びフォーカス成分等を含む)を補正する補正機構(不図示)が備えられている。また、投影光学系PLのベストフォーカス位置が変化した場合には、合焦精度を維持するためには、オートフォーカス系28の計測値のオフセット値を補正して、ウエハステージ26上のウエハWのフォーカス位置を補正する必要がある。この意味で、オートフォーカス系28及びウエハステージ26のZレベリングステージ部も補正機構の一部であるとみなすことができる。
そして、ウエハWの露光時には、上記のようにマスクM及びウエハWのアライメントを行った後、ウエハW上の一連のショット領域を順次投影光学系PLの露光領域にステップ移動する動作と、マスクMのパターンの像を投影光学系PLを介してウエハW上のショット領域に露光する動作とが、ステップ・アンド・リピート方式で繰り返される。また、本例の投影露光装置が走査露光型である場合には、ウエハW上の各ショット領域への露光時に、マスクステージ19(マスクM)とウエハステージ26(ウエハW)とが投影倍率を速度比としてY方向に同期して走査される。
さて、このような露光に際して、マスクMのパターンの像をウエハW上に常に高解像度で、且つ忠実に転写するためには、投影光学系PLの波面収差を予め定められている所定範囲(規格)内に収める必要がある。また、その波面収差は、露光光ILの長時間の照射等によって次第に変化する恐れがある。そこで、本例の投影露光装置には、被検光学系としての投影光学系PLの波面収差をメンテナンス時等に随時計測できるように、光学特性計測装置としての波面収差の計測装置が備えられている。
図2は、図1の投影露光装置に備えられた波面収差の計測装置を示し、この図2において、その計測装置の光学系は、ウエハWの近傍でウエハステージ26の上面に固定されて所定開口の形成された開口板32と、開口板32の底部のウエハステージ26の内部に配置された受光光学系と、ウエハステージ26の外部で不図示のコラムに固定されたフレーム42内に収納された検出部とを含んで構成されている。例えば開口板32の中心が光軸AXに合致している状態で、フレーム42の底面とこれに対向するウエハステージ26の上面とにはそれぞれ光束を通過させるための大きめの開口が形成されている。また、波面収差の計測時には、マスクステージ19上には計測用パターンの形成された計測用のマスクM1が保持される。なお、その計測用パターンをいわゆる実露光用のマスクMの一部やマスクステージ19の一部に形成しておくことも可能である。
図4(A)に示すように、計測用のマスクM1には、遮光膜31c中に収差計測用の円形状の開口部31aがX方向及びY方向に沿って複数個(図4(A)では9個)マトリックス状に形成されている。また、中央の開口部31aをX方向に挟むように2つの2次元のアライメントマーク31bが形成されている。一方、図2の開口板32はその上面がウエハWの露光面とほぼ同じ高さ位置(Z方向の位置)になるように、ウエハステージ26上に固定されている。開口板32は、例えばガラス基板からなり、その上面は投影光学系PLの光軸AXに実質的に垂直な基準平面(計測装置の入射面)とされている。
図4(B)に示すように、開口板32の基準平面の中央部にキャリブレーション用の開口部(光透過部)32aが形成されている。また、開口部32aをX方向に挟むように2つの2次元のアライメントマーク32bが形成されている。キャリブレーション用の開口部32aは、投影光学系PLを介して形成されるマスクM1の開口部31aの像よりも大きく設定されている。更に、開口板32上で、開口部32a及び複数のアライメントマーク32bを除く領域には、遮光膜を兼ねた反射面32cが形成されている。反射面は、例えばガラス基板にクロム(Cr)を蒸着することにより形成されている。
図2に戻り、投影光学系PLの波面収差の計測時には、マスクM1上の任意の一つの開口部31aの投影光学系PLによる投影像の中心に開口板32の開口部32aの中心が合致するように、ウエハステージ26が位置決めされる。図2の状態では開口部32aは光軸AX上にあるが、マスクM1上で別の開口部を通過した光を検出する場合には、開口部32aの位置は光軸AXから離れた位置に来る。図2において、マスクM1の開口部31aに照明光ILが照射されると、その開口部31aを通過した照明光ILは投影光学系PLを介して開口板32の開口部32a内に開口部31aの像を形成する。ウエハステージ26の内部において、その開口板32の開口部32aを通過した照明光ILは、コリメートレンズ33を介して、マイクロレンズアレイ34に入射する。
図3は、図2の開口板32の底面側の光学系の一部の拡大図であり、この図3において、マイクロレンズアレイ34は、X方向及びY方向にそれぞれ稠密に配列された正方形状の正屈折力を有する複数の微小レンズ34aからなる光学素子である。マイクロレンズアレイ34は、例えば平行平面ガラス板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。また、マイクロレンズアレイ34の配置面は、投影光学系PLの瞳面とほぼ共役であり、マイクロレンズアレイ34を構成する微小レンズ34aは、+X方向に配列されたものほど焦点距離が短くなるようにされている。従って、マイクロレンズアレイ34の後側焦点面(個々の微小レンズ34aの後側焦点面の中心を通る平面)は、光軸(Z軸に平行な軸)に対してY軸の周りにほぼ45°で交差するように傾斜しており、その後側焦点面の光量分布は、投影光学系PLの瞳面における波面収差の情報を含んでいる。この意味で、マイクロレンズアレイ34を一種のアオリの光学系とみなすこともできる。
この場合、マイクロレンズアレイ34に入射した光束は多数の微小レンズ34aにより2次元的に分割され、各微小レンズ34aの後側焦点面の近傍にはそれぞれ図2のマスクM1の開口部31aの像が形成される。換言すると、マイクロレンズアレイ34の傾斜した後側焦点面の近傍には、開口部31aの像が多数形成される。そのマイクロレンズアレイ34の傾斜した後側焦点面に反射面がほぼ合致するように、光束分割素子(又は光束走査素子)としての多数の微小な可動ミラーの集合体であるマイクロミラーアレイ35(可動ミラーアレイ)が設置されている。マイクロミラーアレイ35は、一例として図3の紙面に平行な方向に500〜1000行で、図3の紙面に垂直な方向に500〜1000列程度で多数の微小なマイクロミラー35(i,j)(可動ミラー)(i=1,2,…;j=1,2,…)をほぼ密着するように配置したものである。個々のマイクロミラー35(i,j)はそれぞれ10〜20μm角程度の大きさで、1μm程度の間隔で配列されている。
また、各マイクロミラー35(i,j)の反射面の角度は、マイクロレンズアレイ34からの光束をほぼ90°折り曲げて−X方向に反射させる第1の角度と、マイクロレンズアレイ34からの光束を−X方向とは大きく異なる方向(例えば30°程度以上異なる方向)に反射させる第2の角度との間で個別に切り換えることができる。即ち、その第1の角度とその第2の角度とは例えば20°程度異なっており、各マイクロミラー35(i,j)の反射面の角度の切り換えの応答速度は例えば10〜20μsec程度と高速である。このようなマイクロミラーアレイ35として、例えばテキサス・インスツルメント(Texas Instrument)社からSVGA方式のプロジェクタ用に発売されているDMD(digital micromirror device)(DMDはテキサス・インスツルメント社の商標又は登録商標)を使用できる。このDMDは、16μm角の微小ミラーを対角が18mmのチップ上に800×600個配列したものであり、各微小ミラーの駆動の応答速度は15μsecである。
図5は、マイクロミラーアレイ35の反射面を示す拡大図であり、この図5において、図2のX方向及びY方向に対応する方向をそれぞれx方向及びy方向としてある。このマイクロミラーアレイ35内の各マイクロミラー35(i,j)の反射面の角度は、図2の情報処理装置16中の制御部によって制御される。本例では、全部のマイクロミラー35(i,j)中から順次+y方向に1列のマイクロミラー群が選択され、各マイクロミラー群内では順次+x方向に1個ずつのマイクロミラー35(a,b)が選択され、選択されたマイクロミラー35(a,b)の反射面の角度だけが図3に示すように第1の角度(マイクロレンズアレイ34からの光束を−X方向に反射する角度)に設定され、それ以外の全部のマイクロミラーの反射面の角度は第2の角度(マイクロレンズアレイ34からの光束を実質的に−X方向には反射させない角度)に設定される。これによって、図5のマイクロミラーアレイ35の反射面に入射する光束は、各マイクロミラー35(i,j)に対応する多数の部分光束に分割されて、それらの多数の部分光束が逐次一つずつ取り出される。言い換えると、2次元の光量分布がマイクロミラーアレイ35によって走査されて、時間軸上の一列の光量の情報として取り出される。このようなマイクロミラーアレイ35を用いることによって、CCD撮像素子を用いる場合に近い分解能で部分的に光束を逐次検出することができる。
一例として、マイクロミラー35(i,j)の配列数を800×600個、各マイクロミラー35(i,j)の応答速度を15μsecとすると、マイクロミラーアレイ35の全部の部分光束を逐次1回読み出すのに要する時間は、ほぼ10sec程度となる。これは、例えば直径が10〜20μm程度のピンホールでほぼ15mm角程度の投影像を2次元的に機械的に走査するために、ウエハステージ26をX方向及びY方向に連続的に移動するのに要する時間と比べると、かなり短い時間である。
図3に戻り、マイクロミラーアレイ35中の1つのマイクロミラー35(a,b)によって順次−X方向に反射された光束は、前群36a及び後群36bよりなる第1リレーレンズ系36によって、複数の光ファイバーを束ねて形成された光ガイド37の一方の端面(入射端)に集光される。リレーレンズ系36は、マイクロミラーアレイ35の反射面でほぼ−X方向に反射された光束を光ガイド37の入射端に集光するものである。光ガイド37の入射端の近傍には、外乱光を除くための絞り部材43が配置されている。
図2に戻り、光ガイド37はウエハステージ26の内部に収納されており、光ガイド37の他方の端面(射出端)の近傍に光束を+Z方向に折り曲げるためのミラー38と、その+Z方向に向かう光束をほぼ平行光束にするための第2リレーレンズ系前群39とが配置されている。このようにコリメートレンズ33から第2リレーレンズ系前群39までの受光光学系がウエハステージ26の内部に配置されている。そして、光ガイド37の内部を伝播した光は、その射出端より射出し、反射ミラー38及び第2リレーレンズ系前群39を経て、ほぼ+Z方向にウエハステージ26の外部のフレーム42の底面の開口に入射する。
フレーム42内には、第2リレーレンズ系後群40及び受光部が実質上一つの検出器(光電検出器)としてのフォトマルチプライヤ(光電子増倍管)41が配置されている。即ち、第2リレーレンズ系後群40及びフォトマルチプライヤ41よりなる検出部が、ウエハステージ26の外部に配置されている。そして、第2リレーレンズ系前群39からの光束は、第2リレーレンズ系後群40によってフォトマルチプライヤ41の受光面に集光されて光電変換される。ただし、十分な光量あるいは感度があれば、検出器としてフォトマルチプライヤ41以外の受光センサを使用してもよい。フォトマルチプライヤ41の出力信号(光量分布の情報)は、情報処理装置16に供給される。情報処理装置16には、露光量モニタ14の出力信号と、ウエハW又は開口板32の上面の高さの情報を示すオートフォーカス系28の出力信号も供給される。
ウエハステージ26の上面の開口板32と、ウエハステージ26の内部のコリメートレンズ33から第2リレーレンズ系前群39までの受光光学系と、フレーム42に固定された第2リレーレンズ系後群40及びフォトマルチプライヤ41からなる検出部とから波面収差計測用の光学系が構成され、この光学系と情報処理装置16(演算装置)とから波面収差の計測装置(光学特性計測装置)が構成されている。なお、オートフォーカス系28の出力信号は、例えば投影光学系PLのベストフォーカス位置を計測するような場合に使用されるが、本例ではオートフォーカス系28の出力信号は、情報処理装置16では使用する必要はない。また、露光量モニタ14の出力信号は、照明光ILの光量が変化するような場合に、フォトマルチプライヤ41の出力信号を露光量モニタ14の出力信号で除算して規格化するために使用される。特に照明光ILがエキシマレーザ光のようなパルス光で、パルス毎のばらつきがあるような場合には、その規格化によってパルス光ごとの出力のばらつきの影響を軽減することができる。以下では簡単のため、フォトマルチプライヤ41の出力信号を用いて投影光学系PLの波面収差を評価するものとして説明する。
次に、図2のフォトマルチプライヤ41の出力信号を用いて投影光学系PLの波面収差を求めるための処理の一例につき説明する。
一般に、投影露光装置では、図1の照明光学系12から供給される照明光ILの開口数NAiが投影光学系PLの物体側開口数NApよりも小さく設定されている。従って、照明光学系12を用いて図2のマスクM1の開口部31aを照明しても、開口部31aを介した光が投影光学系の瞳全体を計測するためには不充分な開口数で投影光学系PLに入射することになる。この対策として、図2において、投影光学系PLの物体側開口数NAp以上の開口数NAiで開口部31aを照明(インコヒーレント照明)するために、マスクM1の上方の光路中に挿脱自在に配置されて光束を拡散するための拡散板(不図示)を備えてもよい。
一般に、投影露光装置では、図1の照明光学系12から供給される照明光ILの開口数NAiが投影光学系PLの物体側開口数NApよりも小さく設定されている。従って、照明光学系12を用いて図2のマスクM1の開口部31aを照明しても、開口部31aを介した光が投影光学系の瞳全体を計測するためには不充分な開口数で投影光学系PLに入射することになる。この対策として、図2において、投影光学系PLの物体側開口数NAp以上の開口数NAiで開口部31aを照明(インコヒーレント照明)するために、マスクM1の上方の光路中に挿脱自在に配置されて光束を拡散するための拡散板(不図示)を備えてもよい。
このように拡散板を用いる場合には、この拡散板の散乱特性と逆の透過率分布を有する濃度フィルタ(不図示)を、図1の照明系の開口絞り5の近傍に配置することが望ましい。ただし、照明光学系12から供給される照明光ILの開口数NAiが投影光学系PLの物体側開口数NApよりも十分に大きく設定されている場合(例えばコヒーレンスファクタ(σ値)が、σ≧1である場合)には、開口数拡大手段としての拡散板を用いることなく計測を行うことも可能である。
本例では、上述したように、投影光学系PLの物体側開口数NAp以上の開口数NAiで開口部31aを照明する。この場合、図3に示すように、計測装置の光学系のマイクロレンズアレイ34の各微小レンズ34a毎に互いに独立な多数の結像光学系が存在すると考えることが可能である。各結像光学系は、各微小レンズ34aの大きさに相当する波面収差の一部分の影響を受けて開口部31aの像をそれぞれインコヒーレント結像する。このとき、光学系の配置は、開口板32の開口部32aの中央に開口部31aの像が形成されるように設定されている。即ち、開口部32aは、投影光学系PLを介して形成される開口部31aの像よりも実質的に大きく設定されている。
図6は、図3の傾斜して配置されたマイクロミラーアレイ35の反射面(マイクロレンズアレイ34による結像面)に形成される像を示す拡大図であり、この図6に示すように、図3の個々の微小レンズ34a(仮に5行×5列とする)によって集光された光が、それぞれ図2の開口部31aの像(2次像)ILA,ILB,…,ILYを形成する。これらの像の光量重心をそれぞれ結像位置とすると、所定の基準位置53A,53B,…,53Yから対応する結像位置までの変位を表すベクトル51A,51B,…,51Yが投影光学系PLの波面収差の情報を含んでいる。この場合、図6の開口部31aの像の配列数(ここでは5×5=25)に比べて、図5のマイクロミラーアレイ35を構成するマイクロミラー35(i,j)の配列数(例えば800×600)は十分に大きく設定されているため、マイクロミラー35(i,j)の反射角を逐次切り換えてフォトマルチプライヤ41の出力信号を取り込む(走査する)ことによって、図2の情報処理装置16の演算部では、図6の複数の開口部31aの像の光量分布を十分な分解能で検出することができる。
情報処理装置16の演算部では、その光量分布を画像処理することによって、一例として図6の各結像位置のずれに対応するベクトル51A〜51Yの情報を求め、この情報から投影光学系PLを通過した光束の波面収差を求める。なお、情報処理装置16において、そのベクトルに加えて、図6の各像ILA〜ILYの拡がり量の情報(各光束のパワーの情報)を求め、この情報をも使用してもよい。
具体的に、投影光学系PLを通過した光に波面収差が残存していない場合、開口部31aの各像の光量重心位置は計測用の各基準位置53A,53B,…,53Yに形成される。計測装置の光学系に波面収差などに起因する誤差がない場合、図6の計測用の各基準位置53A〜53Yは、マイクロレンズアレイ34の各微小レンズ34aの光軸上に設定される。実際には、投影光学系PL及び計測装置の光学系に波面収差が残存しているため、開口部31aの各像の光量重心位置は各基準位置から位置ずれする。従って、図6の各像ILA〜ILYの位置ずれ量に対応するベクトル51A〜51Yの情報に基づいて、図2のコリメートレンズ33中を通過する光の波面を計算で求めることによって、投影光学系PLを通過した光の波面収差を計測することになる。
ただし、本例では、マイクロミラーアレイ35において解像可能な大きさの開口部31aの像を結像させる方式であるため、開口部31aを球面波を発生させるような極小ピンホール形状にする必要はない。即ち、本例では開口部31aの形状は円形状に限定されることがない。また、開口部31aからフォトマルチプライヤ41までの光路における透過率は計測装置の光学系を構成する光学部材の透過率に依存して決定されるため、フォトマルチプライヤ41に対して充分な照度を提供することが可能となる。
また、その波面収差の計測結果から、収差のチルト成分、パワー成分(デフォーカス成分)、及び非点収差成分(アス成分)を求めることができ、チルト成分からディストーションの絶対値を、パワー成分からフォーカス面(像面)の絶対位置を、非点収差成分から像面収差をそれぞれ求めることができる。上述の波面収差の計測動作は、マスクM1に設けられた残りの複数の開口部31aについて同様に順次行われる。なお、投影光学系PLの波面収差の計測は、投影光学系PLの初期的な調整・検査時のみならず、その後の点検(メンテナンス)時にも行われる。
例えばメンテナンス時の波面収差の計測結果は図1の主制御系17に供給され、主制御系17は、必要に応じて上記の投影光学系PLのレンズの位置や傾斜角を調整する補正機構(不図示)を介して波面収差を補正する。また、投影光学系PLのベストフォーカス位置が変化した場合には、オートフォーカス系28のオフセット値を補正する。これによって、常に最良の結像特性のもとで露光を行うことができる。
このように本例によれば、マイクロミラーアレイ35を用いて2次元の光量分布の情報を時間軸上の情報として逐次取り込む(走査する)ことができる。従って、高感度のフォトマルチプライヤ41を用いた状態で、かつウエハステージ26を1次元又は2次元的に走査することなく、高感度に迅速に投影光学系PLを通過した光束の2次元的な光量分布を検出することができる。その光量分布の情報を用いることによって、投影光学系PLの波面収差を効率的にかつ高精度に求めることができる。
また、ウエハステージ26内に光ガイド37を配置してフォトマルチプライヤ41をウエハステージ26の外部に配置しているため、ウエハステージ26を小型化できるとともに、ウエハステージ26内の温度上昇を抑制することができる。さらに、ウエハステージ26内に加速度センサや温度センサ等も容易に配置することができる。
なお、光ガイド37の代わりに、ミラーやリレー光学系を介して光束を導く送光光学系を用いることも可能である。さらに、フォトマルチプライヤ41が小型化されたような場合には、光ガイド37(又は送光光学系)を省いてウエハステージ26内にフォトマルチプライヤ41を配置することも可能である。
なお、光ガイド37の代わりに、ミラーやリレー光学系を介して光束を導く送光光学系を用いることも可能である。さらに、フォトマルチプライヤ41が小型化されたような場合には、光ガイド37(又は送光光学系)を省いてウエハステージ26内にフォトマルチプライヤ41を配置することも可能である。
また、本例では、マイクロレンズアレイ34を実質的にアオリの光学系として、マイクロミラーアレイ35(光束分割素子)で光束を折り曲げる部材と光束を走査する部材とを兼用しているため、計測装置の光学系をコンパクトにまとめることができる。しかしながら、例えば光学系を縦に配置できるか、又は光束を折り曲げる部分に光ガイドのような可撓性を持つ部材を使用する場合には、アオリの光学系を用いることなく、その光束分割素子として後述の液晶シャッターのような透過型の光束分割素子を使用してもよい。また、マイクロレンズアレイ34で生成した像を一旦リレーしてからマイクロミラーアレイ35に導いてもよく、その場合は、マイクロレンズアレイではなくリレー光学系にアオリ機能を持たせてもよい。
なお、上記の実施形態では光束分割素子としてマイクロミラーアレイ35を用いているが、光束分割素子としては、反射率分布を制御できる素子を使用してもよい。また、上記の実施形態では光束分割素子として反射型素子であるマイクロミラーアレイ35を用いているが、このように光束分割素子を反射型で用いる場合、各マイクロミラーに反射率むらがあると測定誤差となる。この測定誤差を低減するためには、予め測定前に照度分布が均一な光束を照射してマイクロミラーアレイ35の個々のマイクロミラーの反射率特性を計測して記憶しておき、波面収差の計測時にその記憶してある反射率特性で計測結果のキャリブレーションを行うことが望ましい。あるいは特開2003−262948号公報に開示されているような方法でキャリブレーションを行っておくことが望ましい。
また、光束分割素子として、微細な液晶セルを縦横に配列した液晶シャッターを用いてもよい。液晶シャッターを用いる場合には、一例として図3においてマイクロミラーアレイ35の代わりに通常のミラーを配置し、このミラーとマイクロレンズアレイ34とを離して配置して、マイクロレンズアレイ34の後側焦点面の近傍にその液晶シャッターを配置してもよい。あるいは、ミラーとファイバー37との間の投影光学系の瞳とほぼ共役になる位置に液晶シャッターを配置してもよい。このように透過型の光束分割素子を用いる場合には、予め各液晶セルの透過率特性を計測して記憶しておき、波面収差の計測時には計測結果のキャリブレーションを行うことが望ましい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態につき図7〜図9を参照して説明する。本例は、投影露光装置の投影光学系(被検光学系)の像面の情報に基づく結像特性を計測する場合に、本発明を適用したものである。本例の投影露光装置は基本的に図1の投影露光装置と同様であるが、光学特性計測装置としての結像特性の計測装置の光学系の部分が異なっている。以下、図7及び図8において、図2及び図3に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態につき図7〜図9を参照して説明する。本例は、投影露光装置の投影光学系(被検光学系)の像面の情報に基づく結像特性を計測する場合に、本発明を適用したものである。本例の投影露光装置は基本的に図1の投影露光装置と同様であるが、光学特性計測装置としての結像特性の計測装置の光学系の部分が異なっている。以下、図7及び図8において、図2及び図3に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
図7は、本例の投影露光装置に備えられた結像特性の計測装置を示し、この図7において、マスクステージ19上にはマスクMが保持され、マスクMには所定配置で複数の計測用のマーク45が形成されており、マスクMは照明光ILで照明されている。本例の計測装置の光学系も、ウエハWの近傍でウエハステージ26の上面に固定された開口板32Aを備えており、開口板32A上の所定の透過部内には、X方向に所定間隔でそれぞれX方向に所定ピッチで形成された1対のライン・アンド・スペースパターンと、Y方向に所定間隔でそれぞれY方向に所定ピッチで形成された1対のライン・アンド・スペースパターンとからなる基準マーク46が形成されている。この場合、マスクM上の計測対象のマーク45の投影光学系PLによる像の中心と、基準マーク46の中心とがほぼ合致するように、ウエハステージ26が位置決めされている。
図8は、図7の開口板32Aの底面側の光学系の一部の拡大図であり、この図8において、開口板32Aの底面に順次前群47a及び後群47bよりなるリレーレンズ系47と、図3のマイクロミラーアレイ35と同じ構成のマイクロミラーアレイ49(可動ミラーアレイ)とが配置されている。マイクロミラーアレイ49は、多数の微小なマイクロミラー49(i,j)(可動ミラー)を例えば500〜1000行で500〜1000列程度密着するように配置して構成され、その中の1つのマイクロミラー49(a,b)の反射角が逐次光軸に対してほぼ45°に設定されて、入射する光束をほぼ−X方向に反射する。マイクロミラーアレイ49の反射面は、光軸(Z軸に平行な軸)に対してほぼ45°傾斜しており、マイクロミラーアレイ49から−X方向に反射された光束が、第1リレーレンズ系36を介して光ガイド37に送られる。
この構成において、開口板32Aを通過した照明光ILは、リレーレンズ系47を介して、光軸に対してほぼ45°で傾斜して配置されたマイクロミラーアレイ49の反射面にマーク45及び基準マーク46の像を形成する。即ち、リレーレンズ系47はアオリの光学系として作用しており、マイクロミラーアレイ49の反射面は投影光学系PLの像面とほぼ共役である。これ以外の計測装置の光学系の構成は、第1の実施形態と同様であり、マイクロミラーアレイ49の反射面(像面との共役面)の光量分布がマイクロミラーアレイ49の各マイクロミラーによって逐次読み出されて、光ガイド37等を介して図7のフォトマルチプライヤ41(検出器)で受光される。
図9は、マイクロミラーアレイ49の反射面に形成される投影像の一例を示し、この図9において、図7のX方向及びY方向に対応する方向がそれぞれx方向及びy方向とされている。そして、図7の開口板32Aの基準マーク46の像46Pの中にマスクMのマーク45の像45Pが形成されている。図7の情報処理装置16では、マイクロミラーアレイ49で走査して読み出した光束をフォトマルチプライヤ41を介して光電変換して取り込むことによって、ウエハステージ26を移動することなく、図9の2つのマークの像46P及び45Pの2次元の光量分布の情報を迅速に求めることができる。その光量分布の情報から、基準マークの像46Pに対するマスクM上のマークの像45Pのx方向及びy方向への位置ずれ量が求められる。そして、一例として、図7のマスクM上の複数のマークについてその像の位置ずれ量を求めることによって、投影光学系PLの倍率誤差、ディストーション、コマ収差などの波面収差等の結像特性を求めることができる。
また、図9の光量分布の情報を用いて、マスクM上のマーク45の像45Pの光量分布をフーリエ級数に展開して得られる所定次数の係数に基づいて投影光学系PLの結像特性を求めることで、ノイズの影響を軽減できる場合がある。このようにノイズの影響を軽減するために、光量分布(光強度分布)をフーリエ級数に展開する方法の詳細は、特開2000−121498号公報に開示されている。
また、図9の光量分布の情報から、マスクM上のマーク45の像45Pのコントラストを求めてもよい。この場合、ウエハステージ26で開口板32AのZ方向の位置(フォーカス位置)を変化させながらそのコントラストを求め、最も高いコントラストが得られるときのフォーカス位置を特定することで、投影光学系PLのベストフォーカス位置を求めることもできる。この場合、ウエハステージ26によって開口板32Aのフォーカス位置を変える代わりに、リレーレンズ系47中の前群47a又は後群47bのZ方向の位置を変えて、リレーレンズ系47による結像面の位置をZ方向にずらしてもよい。また、マーク45のパターンを複数種類計測することで、球面収差などの波面収差も計測できる。
また、図7において、例えばマスクM上に計測用のマークとして隣接する2つの微小な開口パターンを形成しておき、開口板32Aを透過部として、マイクロミラーアレイ49を投影光学系PLの瞳面とほぼ共役な面に配置してもよい。この構成では、マイクロミラーアレイ49の反射面には、所定ピッチの干渉縞が形成されるため、この干渉縞の光量分布を計測することによって、投影光学系PLの波面収差等の結像特性を求めることができる。このように一種のシアリング干渉測定法によって投影光学系PLの結像特性を求める方法の詳細については、特開2003−302205号公報及び特開2003−86501号公報に開示されている。
本実施形態によれば、ステージ制御の精度(干渉計のゆらぎなど)によらない高精度で、かつ安定した計測が可能となる。また、上述の例では基準マーク46に対するパターン45の位置ずれを計測する例を示したが、図8の開口板32A〜マイクロミラーアレイ49よりなる光学系が十分に安定している場合にはマイクロミラー49の座標(i,j)を基準とする計測を行うことができる。この場合、基準マーク46は不要となる。
本実施形態によれば、ステージ制御の精度(干渉計のゆらぎなど)によらない高精度で、かつ安定した計測が可能となる。また、上述の例では基準マーク46に対するパターン45の位置ずれを計測する例を示したが、図8の開口板32A〜マイクロミラーアレイ49よりなる光学系が十分に安定している場合にはマイクロミラー49の座標(i,j)を基準とする計測を行うことができる。この場合、基準マーク46は不要となる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態につき図10及び図11を参照して説明する。本例は、検出器を共通に用いて投影光学系(被検光学系)の瞳面の情報及び像面の情報に基づく複数の結像特性を計測するものである。本例の投影露光装置も基本的に図1の投影露光装置と同様であるが、結像特性の計測装置(光学特性計測装置)の光学系の部分が異なっている。以下、図10及び図11において、図2、図3、図7、及び図8に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
本発明の第3の実施形態につき図10及び図11を参照して説明する。本例は、検出器を共通に用いて投影光学系(被検光学系)の瞳面の情報及び像面の情報に基づく複数の結像特性を計測するものである。本例の投影露光装置も基本的に図1の投影露光装置と同様であるが、結像特性の計測装置(光学特性計測装置)の光学系の部分が異なっている。以下、図10及び図11において、図2、図3、図7、及び図8に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
図10は、本例の投影露光装置に備えられた結像特性の計測装置を示し、この図10において、本例の計測装置の光学系も、ウエハWの近傍でウエハステージ26の上面に固定された開口板32Bを備えており、開口板32B上には図2と同様の開口部32a及び図7と同様の基準マーク46がX方向に離れて形成されている。
図11は、図10の開口板32Bの底面側の光学系の一部の拡大図であり、この図11において、開口板32Bの基準パターン46の底面に順次リレーレンズ系52と、マイクロミラーアレイ49(光束分割素子)とが配置されている。マイクロミラーアレイ49は光束切り換え部材としての駆動部54に連結されており、駆動部54は、マイクロミラーアレイ49の反射面が光軸(Z軸に平行な軸)に対して45°で交差する第1の状態(図11の実線の状態)と、マイクロミラーアレイ49の反射面がその光軸に垂直になる第2の状態(待避した状態)P1との間でマイクロミラーアレイ49の位置を切り換える。マイクロミラーアレイ49がその第1の状態にあるときには、照明光IL1のもとで基準パターン46のリレーレンズ系52による像がマイクロミラーアレイ49の反射面に結像される。即ち、リレーレンズ系52はアオリの光学系である。そして、マイクロミラーアレイ49内の多数のマイクロミラーを駆動して逐次読み出される(走査される)光束は、第1リレーレンズ系36を介して光ガイド37に送られる。リレーレンズ系52とマイクロミラーアレイ49とから第1の計測用光学系56が構成されている。
図11は、図10の開口板32Bの底面側の光学系の一部の拡大図であり、この図11において、開口板32Bの基準パターン46の底面に順次リレーレンズ系52と、マイクロミラーアレイ49(光束分割素子)とが配置されている。マイクロミラーアレイ49は光束切り換え部材としての駆動部54に連結されており、駆動部54は、マイクロミラーアレイ49の反射面が光軸(Z軸に平行な軸)に対して45°で交差する第1の状態(図11の実線の状態)と、マイクロミラーアレイ49の反射面がその光軸に垂直になる第2の状態(待避した状態)P1との間でマイクロミラーアレイ49の位置を切り換える。マイクロミラーアレイ49がその第1の状態にあるときには、照明光IL1のもとで基準パターン46のリレーレンズ系52による像がマイクロミラーアレイ49の反射面に結像される。即ち、リレーレンズ系52はアオリの光学系である。そして、マイクロミラーアレイ49内の多数のマイクロミラーを駆動して逐次読み出される(走査される)光束は、第1リレーレンズ系36を介して光ガイド37に送られる。リレーレンズ系52とマイクロミラーアレイ49とから第1の計測用光学系56が構成されている。
一方、開口板32Bの開口部32aの底面に順次、コリメートレンズ33、マイクロレンズアレイ34、及びマイクロミラーアレイ35(光束分割素子)が配置され、開口部32aを通過した照明光IL2は、コリメートレンズ33及びマイクロレンズアレイ34を介して、光軸に対して45°で傾斜して配置されたマイクロミラーアレイ35の反射面に複数の開口部の像を形成する。そして、第1の計測用光学系56内のマイクロミラーアレイ49が上記の第1の状態にあるときには、マイクロミラーアレイ35で反射された光束はマイクロミラーアレイ49で遮光される。また、マイクロミラーアレイ49が上記の第2の状態に待避しているときには、マイクロミラーアレイ35内の多数のマイクロミラーを駆動して逐次読み出される(走査される)光束は、レンズ系50及び第1リレーレンズ系36を介して光ガイド37に送られる。コリメートレンズ33と、マイクロレンズアレイ34と、マイクロミラーアレイ35とから第2の計測用光学系55が構成されている。
この他の光学系の構成は、例えば図2の第1の実施形態と同様であり、図10において、光ガイド37に入射した光束は、フォトマルチプライヤ41(検出器)で受光される。この場合、図11の駆動部54によってマイクロミラーアレイ49の位置を切り換えることによって、計測用光学系55及び56のいずれかの光束を共通のフォトマルチプライヤ41で受光することができる。そして、第2の計測用光学系55を介した光束を受光することによって、第1の実施形態と同様に、投影光学系PLの瞳面の情報に基づく結像特性を計測でき、第1の計測用光学系56を介した光束を受光することによって、第2の実施形態と同様に、投影光学系PLの像面の情報に基づく結像特性を計測できる。
従って、本例によれば、2つの計測用光学系55,56を持ちながら、検出器としてのフォトマルチプライヤ41を共通化することが可能となり、ウエハステージ26の大型化を最小限にして、より多くの投影光学系PLの結像特性を計測することができる。
なお、図11において、2つの計測用光学系55,56の位置を入れ換えてもよい。また、照明光の光量に余裕があるような場合には、リレーレンズ系52を通常の光学系として、マイクロミラーアレイ49をハーフミラーとして、リレーレンズ系52とハーフミラーとの間の結像面に例えば液晶シャッター方式の光束分割素子を配置してもよい。この場合には、機械的な可動部を用いることなく、計測用光学系55,56からの光束を切り換えることができるため、安定した測定系が実現できる。
なお、図11において、2つの計測用光学系55,56の位置を入れ換えてもよい。また、照明光の光量に余裕があるような場合には、リレーレンズ系52を通常の光学系として、マイクロミラーアレイ49をハーフミラーとして、リレーレンズ系52とハーフミラーとの間の結像面に例えば液晶シャッター方式の光束分割素子を配置してもよい。この場合には、機械的な可動部を用いることなく、計測用光学系55,56からの光束を切り換えることができるため、安定した測定系が実現できる。
また、基準パターン46をナイフエッジとして、マイクロミラーアレイ49を通常の全反射ミラーとして、計測用光学系56を用いる場合には、ウエハステージ26を走査するようにしてもよい。なお、全反射ミラーの代わりにハーフミラーを用いることも可能である。あるいは、そのミラー(合成部)の代わりに、電気的に反射と透過を可変にできる調光ミラーを配置することもできる。さらに、計測用光学系55及び56の照明光の波長に違いがある場合には、ミラー(合成部)としてダイクロイックミラーを用いることもできる。
[その他の実施形態]
上述の実施形態は、光学系の光学特性のうちで、投影光学系のベストフォーカス位置、波面収差、及びディストーションなどの結像特性を計測する場合に本発明を適用したものである。これ以外に、光学特性として計測が要求されるものとして、図1の照明光学系12(照明系)内での照明光の強度分布(例えばコヒーレンスファクタ(σ値))、投影光学系PL(結像系)の開口数、照明系から結像系までの瞳空間の強度分布などがある。これらの計測は、図3の光学系を変形して対応する部分に同一符号を付した図12の光学系を用いることで行うことができる。
上述の実施形態は、光学系の光学特性のうちで、投影光学系のベストフォーカス位置、波面収差、及びディストーションなどの結像特性を計測する場合に本発明を適用したものである。これ以外に、光学特性として計測が要求されるものとして、図1の照明光学系12(照明系)内での照明光の強度分布(例えばコヒーレンスファクタ(σ値))、投影光学系PL(結像系)の開口数、照明系から結像系までの瞳空間の強度分布などがある。これらの計測は、図3の光学系を変形して対応する部分に同一符号を付した図12の光学系を用いることで行うことができる。
図12は、そのような光学特性の計測装置の光学系の要部を示し、この図12において、開口板32の開口部32aを通過した照明光ILは、コリメートレンズ33を介して、ほぼ平行光束となってマイクロミラーアレイ35の反射面に照射され、マイクロミラーアレイ35の各マイクロミラー35(i,j)によって逐次取り出された(走査された)光束が第1リレーレンズ系36を介して光ガイド37に送られている。この他の構成は図2の第1の実施形態と同様であり、光ガイド37から射出される光束は図2のフォトマルチプライヤ41と同様の検出器で受光される。
この場合、その検出器の出力信号を取り込むことによって、図1の投影光学系PLの瞳面と共役な面での照明光ILの光量分布(強度分布)を計測することができる。そこで、例えば図12の開口部32aを大きくして、開口部32aと図1の投影光学系PLに関して共役なマスク上の位置に小さい開口部を配置しておくことによって、図1の照明光学系12の瞳面上での光量分布、ひいてはσ値を計測することができる。この際に、照明系の開口絞り5の開口を輪帯状や変形光源に設定したときには、その輪帯状の開口や変形光源の形状を計測することもできる。
また、そのマスク上の開口部を大きくして、かつそのマスク上に拡散板等の開口数拡大手段を配置しておくことによって、投影光学系PLの瞳面上での光量分布、ひいては投影光学系PLの開口数NAを計測することができる。
さらに、光学系の光学特性として偏光特性の計測が要求される場合には、図12の光学系を変形して対応する部分に同一符号を付した図13の光学系を用いることで、その偏光特性を計測できる。
さらに、光学系の光学特性として偏光特性の計測が要求される場合には、図12の光学系を変形して対応する部分に同一符号を付した図13の光学系を用いることで、その偏光特性を計測できる。
図13は、そのような偏光特性の計測装置の光学系の要部を示し、この図13において、開口板32の開口部32aを通過した照明光ILは、コリメートレンズ33によってほぼ平行光束に変換された後、光軸の周りに回転可能な偏光ビームスプリッタ57及び1/4波長板58を介してマイクロミラーアレイ35(光束分割素子)の反射面に照射され、マイクロミラーアレイ35の各マイクロミラー35(i,j)によって逐次取り出された(走査された)光束が第1リレーレンズ系36を介して光ガイド37に送られている。この他の構成は図2の第1の実施形態と同様であり、光ガイド37から射出される光束は図2のフォトマルチプライヤ41と同様の検出器で受光される。この場合、その検出器の出力信号を取り込むことによって、図1の投影光学系PLの瞳面と共役な面での照明光ILの光量分布(強度分布)を計測することができる。
この変形例では、偏光ビームスプリッタ57の回転角を変えることで、図1の投影光学系PLを通過した照明光ILのうちで所定の直線偏光成分よりなる光束のみを取り出すことができ、この取り出された光束は1/4波長板58によってほぼ円偏光状態でマイクロミラーアレイ35に入射する。従って、その検出器の出力信号を取り込んで光量分布を求めることによって、投影光学系PLの瞳面と共役な面における所定の直線偏光成分の光量分布(偏光特性)を求めることができる。
また、上記の実施形態では、被検光学系は透過型の光学系であったが、被検光学系が反射型の光学系又は反射屈折型の光学系であっても、透過型の光学系の場合と同様に光学特性を計測することができる。さらに、本発明は、投影露光装置の照明光学系や投影光学系のみならず、一般の照明系や結像系の光学特性を計測する場合にも適用できることは言うまでもない。
また、上記の例は一点の像高に対する光学特性の計測を行う例であったが、複数の像高について同じ計測を行えば、各像高における光学特性を計測することができる。また、逐次に光束を分割する部材の前にビームスプリッターを設けて計測系を2つに分割し、1つの計測系でのX方向の逐次検出と、もう1つの計測系でのY方向の逐次検出とを同時に行えば、計測時間を短縮することができる。
また、上記の例は一点の像高に対する光学特性の計測を行う例であったが、複数の像高について同じ計測を行えば、各像高における光学特性を計測することができる。また、逐次に光束を分割する部材の前にビームスプリッターを設けて計測系を2つに分割し、1つの計測系でのX方向の逐次検出と、もう1つの計測系でのY方向の逐次検出とを同時に行えば、計測時間を短縮することができる。
なお、上述の実施形態の投影露光装置は、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をして、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造することができる。なお、その投影露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、上記の実施形態の投影露光装置を用いて半導体デバイスを製造する場合、この半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施形態の投影露光装置によりアライメントを行ってレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、エッチング等の回路パターンを形成するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、及び検査ステップ等を経て製造される。
なお、本発明は、例えば国際公開(WO)第99/49504号などに開示される液浸型露光装置において、照明光学系や投影光学系の光学特性を計測する際にも適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD撮像素子等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD撮像素子等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の露光装置によれば、ステージを大型化することなく、投影光学系の結像特性を効率的に計測できる。従って、ステージを高機能化することができるとともに、各種デバイスを高精度に、かつ高スループットで製造できる。
M…マスク、M1…計測用のマスク、W…ウエハ、PL…投影光学系、12…照明光学系、16…情報処理装置、26…ウエハステージ、31a…開口部、32,32A,32B…開口板、32a…開口部、33…コリメートレンズ、34…マイクロレンズアレイ、35,49…マイクロミラーアレイ、36…リレーレンズ系、37…光ガイド、41…フォトマルチプライヤ、46…基準パターン、47…リレーレンズ系、54…駆動部、57…偏光ビームスプリッタ、58…1/4波長板
Claims (9)
- 被検光学系の光学特性を計測する光学特性計測装置において、
前記被検光学系を通過した光束を互いに異なる複数の領域を通る複数の部分光束に分割し、該複数の部分光束を時間的に逐次選択する光束分割素子と、
前記光束分割素子で逐次選択される前記部分光束を一つの受光部を介して検出する検出器と、
前記検出器で検出される情報に基づいて前記被検光学系の光学特性を求める演算装置とを備えたことを特徴とする光学特性計測装置。 - 前記光束分割素子は、互いに独立に駆動される複数個のミラー又はシャッターを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学特性計測装置。
- 前記被検光学系は結像光学系であり、
前記光束分割素子は、前記結像光学系を通過した光束を前記結像光学系の瞳面との共役面又はこの面の近傍において前記複数の部分光束に分割し、
前記検出器によって前記結像光学系の瞳面の情報が検出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学特性計測装置。 - 前記被検光学系は結像光学系であり、
前記光束分割素子は、前記結像光学系を通過した光束を前記結像光学系の像面若しくはこの面の近傍、又は該像面との共役面若しくはこの面の近傍において前記複数の部分光束に分割し、
前記検出器によって前記結像光学系の像面の情報が検出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学特性計測装置。 - 前記光束分割素子と前記検出器との間に配置されて前記部分光束を導く光ガイドをさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。
- 前記被検光学系を通過した光束を所定の開口を介して受光する計測光学系と、
前記光束分割素子からの光束又は前記計測光学系からの光束のいずれかを選択して前記検出器に導く光束切り換え部材とをさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。 - 前記光束分割素子の受光面は、前記被検光学系の光軸に対して傾斜しており、
前記被検光学系を通過した光束を前記光束分割素子の受光面に結像させるためのアオリの光学系をさらに備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の光学特性計測装置。 - 第1物体のパターンを投影光学系を介して第2物体上に投影露光する露光装置において、
請求項1から7のいずれか一項に記載の光学特性計測装置を備え、
前記光学特性計測装置を用いて前記投影光学系の結像特性を計測することを特徴とする露光装置。 - 前記光学特性計測装置の計測結果に基づいて前記投影光学系の結像特性を補正する結像特性補正機構をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
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JP2004294557A JP2006108465A (ja) | 2004-10-07 | 2004-10-07 | 光学特性計測装置及び露光装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-10-07 JP JP2004294557A patent/JP2006108465A/ja not_active Withdrawn
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