JP2006107658A - 光ディスクの製造方法および光ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】 ICチップが搭載された薄型の光ディスクを効率よく製造し、かつ品質を向上させることが可能な光ディスクの製造方法を提供する。
【解決手段】 光ディスクの樹脂製の基板13に嵌入孔15を形成する工程(S11)と、両端に離間して設けられた2つの接続端子21と、その各接続端子21の間に配置された絶縁部22と、絶縁部22の内部で各接続端子21と配線されたICチップとからなるICチップモジュール20を嵌入孔15に嵌め込む工程(S12)と、中心孔の周りにおいて円状またはスパイラル状の形状を有するアンテナコイル12を、その途中の一部が全幅に亘って各接続端子21および絶縁部22の上を通るように薄膜形成する工程(S13)と、絶縁部22の上に形成されたアンテナコイル12を除去する工程(S14)によって、ICチップが搭載された光ディスクを製造する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ICチップが搭載された光ディスクの製造方法、およびその光ディスクに関し、特に、樹脂製ディスク基板を用いながらも加圧・加熱の工程を経ずに製造することが可能な光ディスクの製造方法および光ディスクに関する。
近年、映像などの大容量データを記録可能な光ディスク媒体として、DVD(Digital Versatile Disk)の普及が著しい。また最近では、さらに高画質でかつ長時間の映像の記録などを目的として、青色半導体レーザを光源とする光ディスクの開発が進められており、その一種としてすでにブルーレイディスク(登録商標)が商品化されている。
このように、高品質のデジタルコンテンツを可搬型の記録媒体に容易に保存できるようになるのに伴い、デジタルコンテンツの著作権保護の重要性が高まっている。ブルーレイディスクでは、ディスクごと固有なIDを、バーコード状のパターンとしてBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれる信号記録領域の最内周部に記録し、プレーヤにおいてこのIDを読み取ることで、不正なディスクが再生されないように管理している。しかし、不正なディスクを作成する技術は年々高度になっており、さらに強固な著作権保護対策が必要であると言われている。
一方、近年、非接触で外部との情報の受け渡しが可能なICチップであるRFID(Radio Frequency Identification)タグが、IDカードや交通乗車券、電子マネーなどに利用されるようになっている。RFIDタグは、内蔵電池を持たず、リーダ/ライタ(R/W)からの電波あるいは磁界をアンテナで受信して起電力に変換するため、軽量で携帯性に優れ、半永久的に使用可能であるという特徴を持つ。これに加えて、複製が非常に困難であるという特徴もある。
このような背景から、光ディスクにRFIDタグを搭載して、著作権保護対策を強化することが考えられている。例えば、読み取り専用の状態でディスクIDを記録したRFIDタグを光ディスクに搭載させることで、同じディスクIDを持つ光ディスクが複製される危険性を、上記のBCAパターンを用いた場合より大幅に低下させることができる。
さらに、RFIDタグの記憶容量に余裕がある場合、余った記憶領域にユーザに対して利益を供与するアプリケーションを格納して、光ディスクに新たな付加価値を発生させることもできる。例えば、ゲームソフトが格納されたROM(Read Only Memory)型光ディスクにRFIDタグを設けて、ゲームの途中状態をそのRFIDタグに保存して、再開時に利用する用途や、光ディスク内の記録内容をRFIDタグに記録して、その光ディスクをプレーヤに挿入しなくてもR/Wにかざすだけで記録内容を知ることができるようにする用途などが考えられる。
ところで、ICチップを光ディスクに搭載させる場合、無線通信や電力供給のためのアンテナを光ディスクの上に形成する必要がある。光ディスクは中心を軸に回転する円盤であるため、重量バランスの観点からコイル状のアンテナ(以下、アンテナコイルと呼称する)との親和性が高い。このため、光ディスクの上の信号記録領域よりさらに内側部分、あるいは信号記録領域の裏側にアンテナコイルを形成することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。また、ICチップを光ディスクに搭載させる際にICチップとアンテナコイルとの結線を容易にするために、以下のようなICチップモジュールを用いたものもあった(例えば、特許文献2参照)。
図9は、ICチップが搭載された従来の光ディスクの一例を示す平面図である。また、図10は、図9の光ディスクをY矢視から見た断面図である。
図9では例として、光ディスク1の信号読み取り面の裏側に、1ターンのアンテナコイル12を形成した場合を示している。このようなアンテナコイル12は、無線通信周波数帯域として短波帯(13.56MHzなど)を用いるICチップに適している。このアンテナコイル12は、例えばスパッタリング、印刷などにより、光ディスク1の樹脂基板上に薄膜形成される。
また、ICチップモジュール20は、アンテナコイル12と接続するための2つの接続端子21と、それらの間の絶縁部22とを具備し、絶縁部22内に図示しないICチップが設けられている。ICチップの接続端子は、絶縁部22の内部で接続端子21と接続されており、例えばその接続のための配線の周りを絶縁皮膜などで覆うことで絶縁部22が形成されている。ディスク基板上のアンテナコイル12には離間部(図示せず)が設けられて、ICチップモジュール20はその離間部に配設され、離間されたアンテナコイル12の両端に各接続端子21を接合することにより、アンテナコイル12とICチップとを接続することができる。
また、ICチップモジュール20の各接続端子21とアンテナコイル12との接合には、導電性接着剤などが用いられるが、その一種としてACF(Anisotropic Conductive Film、異方導電性フィルム)と呼ばれるものが用いられている。図10に示すように、ICチップモジュール20の底面全体とほぼ同じ大きさのACF32を、ICチップモジュール20の下に載置して圧着する。このとき、図示しないが、ICチップモジュール20の各接続端子21の下部にはバンプを設けておく。これにより、ICチップモジュール20と基板13との間に隙間を空けずに、接続端子21のバンプとその下のアンテナコイル12との間のみを電気的に接続することができる。
なお、図10に示すように、光ディスク1の基板13上には、ICチップモジュール20が取り付けられた後、さらにその上から保護層14が形成されて、ICチップモジュール20全体が被覆される。
特開平11−353714号公報(段落番号〔0018〕〜〔0023〕、図1) 特開平8−287208号公報(段落番号〔0017〕〜〔0018〕、図1)
しかし、アンテナコイルとの接続にACFを用いた場合には、加圧とともに加熱が必要となるため、主に樹脂材料からなる光ディスクの製造にACFを用いることは必ずしも適切とは言えないという問題があった。
また、上記構造の光ディスクでは基板上にICチップなどが配置されるので、光ディスクの厚さが厚くなることが問題となる。光ディスクの場合、規格によりディスク全体の厚さに制約があるため、ICチップなどの電気回路を搭載させる場合にも、できるだけ厚さを抑えることが可能な構造とすることが望ましい。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ICチップが搭載された薄型の光ディスクを効率よく製造し、かつ品質を向上させることが可能な光ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、ICチップが搭載された薄型で低コスト・高品質の光ディスクを提供することである。
本発明では上記問題を解決するために、ICチップが搭載された光ディスクの製造方法において、前記光ディスクの樹脂製ディスク基板に嵌入孔を形成する工程と、両端に離間して設けられた2つの接続端子と、前記各接続端子の間に配置した絶縁部と、前記絶縁部の内部で前記各接続端子と配線された前記ICチップとからなるICチップモジュールを、前記嵌入孔に嵌め込む工程と、前記光ディスクの中心孔の周りにおいて円状またはスパイラル状の形状を有するアンテナコイルを、その途中の一部が全幅に亘って前記ICチップモジュールの前記各接続端子および前記絶縁部の上を通るように薄膜形成する工程と、前記ICチップモジュールの前記絶縁部上に形成された前記アンテナコイルを除去する工程とを含むことを特徴とする光ディスクの製造方法が提供される。
このような光ディスクの製造方法では、基板に形成された嵌入孔にICチップモジュールが嵌め込まれ、そのICチップモジュール上にアンテナコイルが薄膜形成されるので、導電性接着剤などを用いずにICチップとアンテナコイルとが接続されるとともに、光ディスク全体の厚さの増加が抑制される。また、ICチップモジュールの絶縁部上のアンテナコイルを後から除去する方法により、アンテナコイルの形成時に光ディスクの回転方向の位置合わせを行う必要がなくなる。
また本発明では、ICチップが搭載された光ディスクにおいて、前記光ディスクの樹脂製ディスク基板に形成された嵌入孔と、両端に離間して設けられた2つの接続端子と、前記各接続端子の間に配置された絶縁部と、前記絶縁部の内部で前記各接続端子と配線された前記ICチップとからなり、前記嵌入孔に嵌め込まれたICチップモジュールと、前記光ディスクの中心孔の周りにおいて円状またはスパイラル状の形状を有し、その途中の一部が全幅に亘って前記ICチップモジュールの前記各接続端子および前記絶縁部の上を通るように薄膜形成された後、前記絶縁部の上面のみ除去されたアンテナコイルとを有することを特徴とする光ディスクが提供される。
このような光ディスクでは、基板に形成された嵌入孔にICチップモジュールが嵌め込まれ、そのICチップモジュール上にアンテナコイルが薄膜形成されるので、導電性接着剤などを用いずにICチップとアンテナコイルとが接続されるとともに、光ディスク全体の厚さの増加が抑制される。また、ICチップモジュールの絶縁部上のアンテナコイルのみを除去すればよいので、アンテナコイルの形成時に光ディスクの回転方向の位置合わせを行う必要がなくなる。
本発明の光ディスクの製造方法によれば、ICチップモジュールを嵌入孔に嵌め込むことで光ディスク全体の厚さの増加を抑制でき、そのICチップモジュール上にアンテナコイルを薄膜形成することで、アンテナコイルの形成時にディスク回転方向の位置合わせを行う必要がなくなる。また、アンテナコイルとICチップとの接続のためにACFなどを用いた加熱・加圧を必要とする接着工程が不要となるので、樹脂製基板を用いても品質劣化が防止される。従って、ICチップが搭載された薄型で高品質な光ディスクを効率よく製造できる。
また、本発明の光ディスクによれば、ICチップモジュールが嵌入孔に嵌め込まれたことで光ディスク全体の厚さの増加を抑制できるとともに、そのICチップモジュール上にアンテナコイルが薄膜形成されたことで、アンテナコイルの形成時にディスク回転方向の位置合わせを行う必要がなくなる。また、アンテナコイルとICチップとの接続のためにACFなどを用いた加熱・加圧を必要とする接着工程が不要となるので、樹脂製基板を用いても品質劣化が防止される。従って、ICチップが搭載された薄型で高品質・低コストの光ディスクを実現できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る光ディスクの構成を示す図である。
図1に示すように、光ディスク1には、その中心部に中心孔11が設けられており、この光ディスク1は、プレーヤに挿入されたときにはこの中心孔11を中心に回転され、信号記録面にレーザ光が照射されて、その反射光の光量に応じて信号が読み取られる。また、この光ディスク1では、信号読み取り面の反対面に、非接触で情報の受け渡しが可能なRFIDタグが設けられている。RFIDタグは、情報を記憶する素子などが集積されたICチップと、信号送受信のためのアンテナとからなる。
信号読み取り面の裏面の基板上には、中心孔11の周りに円状の形状を有する、ICチップの無線通信のためのアンテナコイル12が薄膜状に形成されている。また、アンテナコイル12の一部は離間しており、その離間部には、離間したアンテナコイル12の両端を接続するとともにICチップとの配線を行う機能を有するICチップモジュール20が設けられている。なお、このような1ターンのアンテナコイル12は、無線通信周波数帯域として短波帯(13.56MHzなど)を用いるICチップに適している。
図2は、ICチップモジュールを拡大して示した図である。
図2に示すように、ICチップモジュール20は、両端に離間して設けられた2つの接続端子21と、その各接続端子21の間に設けられた絶縁部22と、絶縁部22内に設けられたICチップ23とからなる。各接続端子21の間の距離は、アンテナコイル12の離間部の距離と同じにされる。また、ICチップ23の接続端子は、絶縁部22の内部で各接続端子21と接続されており、例えばその接続のための配線の周りを絶縁皮膜などで覆うことで絶縁部22が形成されている。なお、実際にはICチップ23自体も絶縁膜により皮膜されていることが望ましい。
図3は、図1の光ディスクをX矢視から見たときの断面図である。
図3に示すように、光ディスク1の基板13の上面には嵌入孔が形成されており、この嵌入孔にICチップモジュール20が嵌め入れられている。そして、基板13上のアンテナコイル12の離間部の両端が、ICチップモジュール20の各接続端子21の上に形成されて、これによりアンテナコイル12とICチップ23とが接続される。さらに、基板13の上には保護層14が形成される。なお、本実施の形態では、後述するように、アンテナコイル12の離間部は、絶縁部22上のアンテナコイル12のパターンが除去されることによって形成される。
このように、ICチップモジュール20を嵌入孔に収容して、基板13の上面に突出しないようにしたことで、保護層14の厚さの増加が抑制され、光ディスク1の全体の厚さを既存の規格内に抑えることができる。例えば、両面貼り合わせ方式のDVDの場合、基板13の厚さが約0.6mmで、保護層14は数十μm程度とされる。また、基板13自体を薄くすることで光ディスク1の厚さを抑制することは可能であるが、その場合は基板13の強度が低下するので、製造時に基板13が破損する可能性が高まり、既存の光ディスクの製造ラインを変更する必要も生じる。従って、上記構成としたことで、製造時の安全性が高く、コスト増加が最小限に抑えられた薄型の光ディスク1が実現される。
図4は、上記の光ディスクの製造工程の概要を示す図である。
まず、光ディスク1の基板13を射出成形法などで形成する(ステップS11)。その際、基板13にICチップモジュール20を嵌め込むための嵌入孔15を同時に形成する。そして、その嵌入孔15にICチップモジュール20を嵌め入れる(ステップS12)。
次に、その上からスパッタリング、印刷などによりアンテナコイル12を薄膜形成する(ステップS13)。このとき、ICチップモジュール20の各接続端子21および絶縁部22の上を通るようにアンテナコイル12を形成し、ICチップモジュール20の少なくとも絶縁部22からはみ出さないようにアンテナコイル12の幅を設定する。なお、スパッタリングの場合、アンテナコイル12の材料としてはAl、Agなどを用いることが望ましい。
次に、絶縁部22の上に形成されたアンテナコイル12のパターンを除去して、アンテナコイル12を離間させる(ステップS14)。なお、除去方法については後述する。またこの後、基板13の上にさらに保護層14を形成する。これにより、ICチップモジュール20が封止される。
以上の工程では、先にICチップモジュール20を基板13の嵌入孔15に嵌入しておき、その上にアンテナコイル12を形成することで、ICチップモジュール20の各接続端子21とアンテナコイル12とを接続することができる。従って、これらの接続のための接着工程が不要となり、製造効率が向上する。また、ACFを用いた場合の加熱・加圧工程も行われないので、加熱・加圧に弱い樹脂を基板13の材料として用いた場合にも、その基板13に負担をかけることなく、品質劣化のない光ディスクを製造することができる。
また、ICチップモジュール20の絶縁部22上のパターンを後から除去するようにしたことで、アンテナコイル12の形成時(ステップS13)ではその形状を離間部のない円状とすればよくなるので、ディスク回転方向の位置合わせを行う必要がなくなり、製造効率を高めることができる。
従って、ICチップが搭載された薄型で高品質な光ディスクを効率よく製造することが可能となり、高付加価値の光ディスクを低コストで実現することができる。
図5は、絶縁部上のパターン除去方法の一例を示す図である。
上記のステップS14において、絶縁部22上に形成されたアンテナコイル12のパターンを除去する方法としては、図5に示すように、絶縁部22の上に剥離可能な被膜24を設けておき、後でこの被膜24を剥離する方法が考えられる。ICチップモジュール20は、上記の被膜24を絶縁部22上に設けた状態で、基板13の嵌入孔15に嵌め入れ、その上から円上のアンテナコイル12を薄膜形成する。そして、被膜24を剥離することで、絶縁部22上のアンテナコイル12のパターンを除去し、各接続端子21の間でアンテナコイル12を断線させる。被膜24には図5のように把手24aを設けておき、この把手24aをつかむことで被膜24を容易に剥離できるようにしてもよい。
なお、この被膜24は、アンテナコイル12が絶縁部22の上面において断線されるだけの必要十分な大きさであればよい。例えば、絶縁部22の長手方向に対しては、その一部のみに被膜24が設けられてもよい。逆に、接続端子21とアンテナコイル12とが確実に接続されていれば、被膜24の一部が接続端子21の一部にかかるように設けられていてもよい。また、剥離可能な被膜部材としては、薄膜状のものに限らず、例えば板状の部材や、粘土などが使用されてもよい。
図6は、絶縁部上のパターン除去方法の他の例を示す図である。
この例では、図6(A)に示すように、ICチップモジュール20の絶縁部22の上面に、接続端子21の上面より高い段差部22aを設けておき、その段差部22aの上に形成されたアンテナコイル12のパターンを除去している。この方法は、例えば導電性インクを用いた印刷によりアンテナコイル12を形成した場合に好適であり、この場合には図6(B)に示すように、アンテナコイル12の形成後にスキージ31により段差部22a上の導電性インク12aを掻き取ればよい。ここで、段差部22aの高さH1をアンテナコイル12の膜厚d以上としておくことで、スキージ31を基板13から一定の高さの位置で固定して平行移動させることで、段差部22aの上面のみ導電性インク12aを除去することができ、ディスク回転方向の位置合わせも不要となり、製造効率が向上される。
また、印刷以外の方法を用いた場合にも、例えば段差部22a上に形成されたアンテナコイル12のパターンを削り取るようにしてもよい。例えば、段差部22aの上面を被覆部材により被覆しておき、アンテナコイル12の形成後にこの被覆部材ごと削り取るようにしてもよい。あるいは、段差部22aの上面を一定の厚さで削り取るようにしてもよい。なお、これらの場合にも、アンテナコイル12が絶縁部22の上面において断線されるだけの必要十分な範囲のみが削り取られるようにすればよい。
ここで、導電性インクを用いた印刷でアンテナコイル12を形成する場合、アンテナコイル12の膜厚dが薄過ぎると導電性インク中の導電性物質が相互に接触する度合いが低下する。逆に、膜厚dが厚過ぎるとインクの硬化に長時間を要し、また既存のディスク厚を満たすことができなくなる。これらを勘案して適切な膜厚を選択するようにする。
例えばDVDの場合、基板13の厚さは約0.6mmで、その基板13の下面(貼り合わせ面)に形成される記録層に対する製造時の損傷防止の観点などから、ICチップモジュール20の全高は500μm程度が限界となる。ICチップモジュール20に搭載されているICチップ23の厚さを300μmと考えると、アンテナコイル12の膜厚dの最大値は200μm程度となる。また、膜厚dの最小値は、アンテナコイル12に用いられる導電性材料の性能などに依存するが、導電性インクを用いた場合には20μm程度が限界となる。
〔第2の実施の形態〕
図7は、第2の実施の形態の光ディスクに用いるICチップモジュールの断面図である。
この実施の形態では、図7(A)に示すように、ICチップモジュール20の絶縁部22の上面に段差部22bを設けている。この段差部22bの両端面は、垂直とされるか、あるいは端面の上縁部が鋭角になるように形成される。このようなICチップモジュール20を、基板13の嵌入孔に嵌め入れた後、その上からアンテナコイル12を薄膜形成すると、段差部22bの両端部においてアンテナコイル12が断絶される。
このような手法は、スパッタリングまたは蒸着によりアンテナコイル12を形成する場合に好適である。アンテナコイル12の膜厚dは、スパッタリングや蒸着の場合50nm〜500nm程度となる。段差部22bの両端でアンテナコイル12を確実に断線させるには、この端部の高さH2は膜厚dのおよそ10倍以上に設定することが望ましい。なお、この段差部22bの上面は、図7に示すように平坦である必要はなく、段差部22bの両端でアンテナコイル12が断線されればどんな形状でもよい。
図8は、図7のICチップモジュールを用いた場合の光ディスクの製造工程を示す図である。
まず、基板13を射出成形法などで形成し、このとき、ICチップモジュール20を嵌め込むための嵌入孔15を同時に形成する(ステップS21)。次に、嵌入孔15にICチップモジュール20を嵌め入れる(ステップS22)。次に、その上からスパッタリング、印刷などによりアンテナコイル12を薄膜形成する(ステップS23)。このとき、ICチップモジュール20の各接続端子21および絶縁部22の上を通るようにアンテナコイル12を形成し、ICチップモジュール20の少なくとも絶縁部22からはみ出さないようにアンテナコイル12の幅を設定する。これにより、絶縁部22上の段差部22bの両端において、アンテナコイル12が断絶される。
以上の工程では、光ディスク1の厚さの増加を抑制することができ、また、接着剤による接合工程を経ることなく、アンテナコイル12とICチップ23とを容易に結線することができ、樹脂製の基板13を用いた場合にも加熱・加圧による品質劣化を防止することができる。さらに、アンテナコイル12の形成時に、ディスク回転方向の位置合わせを行う必要がなくなり、製造効率が向上する。
これらに加えて、アンテナコイル12の形成後に、ICチップモジュール20の絶縁部22上のアンテナコイル12を除去する工程が不要となるので、さらなる製造効率の向上効果が得られる。
なお、以上の各実施の形態では、光ディスク上に1ターンの円状アンテナコイルを形成した場合について説明したが、スパイラル状のアンテナコイルを形成した場合にも、本発明を適用することが可能である。すなわち、スパイラル状のアンテナコイルの途中の一部が、ICチップモジュールの各接続端子および絶縁部の上を通るようにする。例えば、スパイラル状のアンテナコイルに対して上記の第1の実施の形態の手法を用いた場合には、絶縁部上に形成されたアンテナコイルのパターンを除去するが、この除去範囲は、絶縁部上のアンテナコイルが断線されて、かつ、ディスク半径方向に隣接するアンテナコイルの断線が起こらないように設定されればよい。
ただし、隣接するアンテナコイルの間隔や太さによっては、アンテナコイルの形成時において、ICチップモジュールがディスク回転方向のある程度の角度範囲に収まるように位置合わせを行う方がよい場合もあり得る。しかし、この場合にも、高い精度で位置合わせを行う必要はないので、製造効率を向上する効果は得られる。
また、本発明はDVDに限らず、CD(Compact Disc)やブルーレイディスクなどの様々な光ディスクに適用することが可能である。また、上記各実施の形態では、アンテナコイルを信号記録面の裏面全体に設けたが、例えば信号記録領域と中心孔との間の領域にアンテナコイルを設けた場合にも、本発明を適用することが可能である。
第1の実施の形態に係る光ディスクの構成を示す図である。 ICチップモジュールを拡大して示した図である。 図1の光ディスクをX矢視から見たときの断面図である。 図1の光ディスクの製造工程の概要を示す図である。 絶縁部上のパターン除去方法の一例を示す図である。 絶縁部上のパターン除去方法の他の例を示す図である。 第2の実施の形態の光ディスクに用いるICチップモジュールの断面図である。 図7のICチップモジュールを用いた場合の光ディスクの製造工程を示す図である。 ICチップが搭載された従来の光ディスクの一例を示す平面図である。 図9の光ディスクをX矢視から見た断面図である。
符号の説明
1……光ディスク、11……中心孔、12……アンテナコイル、12a……導電性インク、13……基板、14……保護層、15……嵌入孔、20……ICチップモジュール、21……接続端子、22……絶縁部、22a……段差部、23……ICチップ、24……被膜、24a……把手

Claims (10)

  1. ICチップが搭載された光ディスクの製造方法において、
    前記光ディスクの樹脂製ディスク基板に嵌入孔を形成する工程と、
    両端に離間して設けられた2つの接続端子と、前記各接続端子の間に配置した絶縁部と、前記絶縁部の内部で前記各接続端子と配線された前記ICチップとからなるICチップモジュールを、前記嵌入孔に嵌め込む工程と、
    前記光ディスクの中心孔の周りにおいて円状またはスパイラル状の形状を有するアンテナコイルを、その途中の一部が全幅に亘って前記ICチップモジュールの前記各接続端子および前記絶縁部の上を通るように薄膜形成する工程と、
    前記ICチップモジュールの前記絶縁部上に形成された前記アンテナコイルを除去する工程と、
    を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  2. 前記アンテナコイルを除去する工程では、あらかじめ前記絶縁部を被覆しておいた膜を剥離することを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造方法。
  3. 前記絶縁部を被覆する膜をあらかじめ剥離可能な状態で形成しておくことを特徴とする請求項2記載の光ディスクの製造方法。
  4. 前記ICチップモジュールには、その上面が前記各接続端子の上面より前記アンテナコイルの膜厚以上だけ高くなるように前記絶縁部上に段差部を形成しておき、
    前記アンテナコイルを除去する工程では、前記段差部の上面の高さに沿って除去治具を移動させて、前記段差部の上面に形成された前記アンテナコイルを除去することを特徴とする請求項1記載の光ディスクの製造方法。
  5. 前記アンテナコイルを薄膜形成する工程では、前記アンテナコイルを導電性インクを用いた印刷によって形成し、前記アンテナコイルを除去する工程では、前記除去治具としてスキージを用いて、前記段差部の上面の前記導電性インクを掻き取ることを特徴とする請求項4記載の光ディスクの製造方法。
  6. 前記アンテナコイルを除去する工程では、前記段差部の上面に形成された前記アンテナコイルを削り取ることを特徴する請求項4記載の光ディスクの製造方法。
  7. ICチップが搭載された光ディスクの製造方法において、
    前記光ディスクの樹脂製ディスク基板に嵌入孔を形成する工程と、
    両端に離間して設けられた2つの接続端子と、前記各接続端子の間に配置され、その上面に前記各接続端子の上面より高くなるように段差部が形成された絶縁部と、前記絶縁部の内部で前記各接続端子と配線された前記ICチップとからなるICチップモジュールを、前記嵌入孔に嵌め込む工程と、
    前記光ディスクの中心孔の周りにおいて円状またはスパイラル状の形状を有し、かつ前記絶縁部の前記段差部の高さより膜厚が薄くされたアンテナコイルを、その途中の一部が全幅に亘って前記ICチップモジュールの前記各接続端子および前記絶縁部の上を通るように薄膜形成し、前記絶縁部の上に形成された前記アンテナコイルが前記絶縁部の前記段差部の両端部で断線されるようにされた工程と、
    を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  8. 前記段差部の高さを前記アンテナコイルの膜厚のおよそ10倍以上としたことを特徴とする請求項7記載の光ディスクの製造方法。
  9. ICチップが搭載された光ディスクにおいて、
    前記光ディスクの樹脂製ディスク基板に形成された嵌入孔と、
    両端に離間して設けられた2つの接続端子と、前記各接続端子の間に配置された絶縁部と、前記絶縁部の内部で前記各接続端子と配線された前記ICチップとからなり、前記嵌入孔に嵌め込んだICチップモジュールと、
    前記光ディスクの中心孔の周りにおいて円状またはスパイラル状の形状を有し、その途中の一部が全幅に亘って前記ICチップモジュールの前記各接続端子および前記絶縁部の上を通るように薄膜形成した後、前記絶縁部の上面のみ除去してなるアンテナコイルと、
    を有することを特徴とする光ディスク。
  10. ICチップが搭載された光ディスクにおいて、
    前記光ディスクの樹脂製ディスク基板に形成された嵌入孔と、
    両端に離間して設けられた2つの接続端子と、前記各接続端子の間に配置され、その上面に前記各接続端子の上面より高くなるように段差部が形成された絶縁部と、前記絶縁部の内部で前記各接続端子と配線された前記ICチップとからなり、前記嵌入孔に嵌め込んだICチップモジュールと、
    前記光ディスクの中心孔の周りにおいて円状またはスパイラル状の形状を有し、その途中の一部が全幅に亘って前記ICチップモジュールの前記各接続端子および前記絶縁部の上を通るように、かつ、前記絶縁部の前記段差部の高さより薄くなるように薄膜形成して、前記絶縁部の上において前記絶縁部の前記段差部の両端部で断線されたアンテナコイルと、
    を有することを特徴とする光ディスク。
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JP2007253372A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Meiki Co Ltd ディスク基板の成形金型、ディスクの製造方法、およびディスク
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