JP2006107616A - 光学ヘッド,光学ピックアップ装置,光ディスク装置,アクセスヘッド,媒体駆動装置,光学ヘッドの製造方法およびアクセスヘッドの製造方法 - Google Patents

光学ヘッド,光学ピックアップ装置,光ディスク装置,アクセスヘッド,媒体駆動装置,光学ヘッドの製造方法およびアクセスヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カバー部(摺動部位)とディスクとの摩擦の影響(カバー部の一部がディスク面に付着すること)を防止することの可能な光学ヘッドを提供する。
【解決手段】 本ディスク装置では、光ディスク100に近接する光学ヘッド210のカバー部213の材料として、高温で液化せずに炭化する、アクリル系紫外線硬化樹脂を用いている。これにより、光ディスク100の光ビーム入射面101に対する付着物の発生を防止できる。従って、この付着物に起因する記録・再生の不具合を回避できるとともに、光ディスク100およびカバー部213の付着物による損傷を抑制することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドに関するものである。
従来、情報を記録する媒体として、光ディスク(光情報記録媒体)と磁気ディスク(磁気記録媒体)が開発されている。
光ディスクに対する情報の記録・再生を行う光ディスク装置は、光学ヘッドを備えた光ピックアップ(光学ピックアップ装置)を備えている。
光学ヘッドは、光ビーム発生器(半導体レーザーなど)から発生させた光ビームを、対物レンズによって集光し、光ディスクの記録面上に所定の径の光スポット(集光スポット)を形成する。そして、この光スポットにより、光ディスクに対して情報の記録や再生を行うようになっている。
なお、光ディスク(円盤状光情報記録媒体)としては、例えば、CD(Compact disk),CD−ROM(Compact disk-Read Only Memory),CD−R(Compact Disk-Recordable),CD−RW(Compact disk ReWritable),DVD,DVD-ROM,DVD−R,DVD−RW,BD(Blue-ray Disc),BD(Blue-ray Disc)−ROM等を挙げられる。
ところで、光ディスク装置では、光スポットを形成する対物レンズの位置を調整するために、フォーカスサーボが用いられている。このフォーカスサーボが外れると、対物レンズと光ディスクとが衝突して損傷を受け、情報の記録・再生を行えなくなるおそれがある。
また、BD,BD−ROMといった大容量の光ディスクでは、情報の記録密度が高いために、対物レンズのNAを向上させる必要がある。このため、対物レンズと光ディスクとの距離をより接近させることとなり、レンズとディスクとの衝突の危険性が高くなる。
そこで、従来、対物レンズを保持するレンズホルダーにおける光ディスクとの対向面に、不織布やフェルト等の緩衝材(レンズプロテクター)を配置する技術が開発されている。
この技術では、フォーカスサーボが外れた場合に、緩衝材によって、対物レンズと光ディスクとの衝突を回避し、両者の損傷を防止するようになっている。
また、特許文献1には、レンズプロテクターに、軟らかく滑り性の高い樹脂(例えばフッ素系樹脂)を緩衝材として設ける技術が記載されている。
また、磁気ディスクは、コンピュータの外部記憶装置として広く用いられている。また、将来的には動画の記録再生にも用いられるため、その記録密度は著しく向上している。
このような磁気ディスクに対する情報の記録・再生を行う磁気ディスク装置は、磁気ヘッドを備えている。
この磁気ヘッドは、磁気ディスクに磁場を印加することにより情報を記録する一方、磁気ディスクの発生する磁場を検出して情報を再生するものである。
通常、この磁気ヘッドは、アルミナと炭化チタンからなるセラミックス(Al−TiC)等の非磁性のスライダーに、記録・再生素子を搭載したものである。現在では、半導体製造プロセスを利用した薄膜磁気ヘッドや、高密度記録に対応するために磁気抵抗効果(MR)素子を利用したMRヘッドなどが開発されている。
ところで、磁気ディスク装置では、磁気ディスクに対する情報の記録・再生を行うために、いわゆるコンタクト・スタート・ストップ(CSS)動作を繰り返すようになっている。
すなわち、情報の記録・再生を行っていないとき(停止中)、磁気ヘッドと磁気ディスクとは、互いに接触した状態となっている。一方、記録・再生時では、磁気ディスクが高速回転し、磁気ディスクに対して一定の間隔で、磁気ヘッドが浮上するように設計されている。
また、磁気ヘッドの浮上姿勢を安定化させ、磁気ディスクとの間隔を常に一定に保つために、スライダーに、空気浮上面(ABS)が形成されている。
従って、磁気ディスクは、CSS動作の開始時および停止時において、ABSと接触・摺動するようになっている。
さらに、磁気ヘッドは、浮上中であっても、なんらかの擾乱によって磁気ディスクに高速で接触する場合もある。
このようにして、磁気ディスクと磁気ヘッドとは、頻繁に接触・摺動する。従って、磁気ディスクおよび磁気ヘッドの磨耗・損傷を防止するために、磁気ディスクの表面には、厚さ数十nmの保護膜(ダイヤモンドライクカーボン等)、および、数nmの潤滑層が形成されている。
また、耐磨耗性を向上させるために、スライダーの材料としてテフロン(登録商標)樹脂(特許文献2)やセラミック(特許文献3)用いる技術や、磁気ヘッドのABSに保護膜を設ける技術が提案されている。
例えば、特許文献4には、セラミック材料からなるスライダーのABSに、珪素とアモルファス水素添加炭素とからなる極薄い保護膜を設けている。このアモルファス水素添加炭素は、耐磨耗性・潤滑性に優れていることが知られており、磁気ディスクを機械的損傷から保護できるようになっている。
また、特許文献5には、磁気ヘッドと同様にディスク面上で浮上する、対物レンズを搭載した浮上型光学ヘッドが提案されている。
特開2002−222535号公報 特開昭61−77163号公報 特開平9−245331号公報 特開平4−364217号公報 特開2002−298427号公報 材料試験技術講習会(超微小硬さによる材料評価)資料;『超微小硬さの基礎』;福田勝巳(東京大学工学部)、1995年10月12日
しかしながら、従来の光ディスク装置では、以下のような問題がある。
すなわち、不織布やフェルト等の緩衝性を有する材料では、特許文献1にも指摘されているように、緩衝材から糸クズ等のゴミが擦り取られて装置内に飛散し、故障の原因となる。
また、特許文献1に記載のような光学ヘッドのレンズプロテクターは、滑り性の良いフッ素系樹脂で構成されてはいるが、プロテクターに衝突する光ディスク面(基板面)の材質によっては、大きな摩擦力を受けることもある。
また、最近では、CD−ROM、DVD等を取り扱う光ディスク装置で、光ディスクを高速回転させるものが多くなってきている。このため、プロテクターと光ディスクとの接触時の摩擦が小さくても、比較的短時間に連続的に接触が起こり、摩擦の影響を無視できなくなると考えられる。
また、磁気ディスク装置においても、特許文献3・4に示されているセラミックのような硬いスライダー(Al2 3 −TiCのビッカース硬度は1350)では、高速回転時の接触による衝撃が大きくなる。このため、磁気ディスクおよび磁気ヘッドに大きな損傷を与えてしまうという問題がある。
一方、特許文献2にあるような摺動性の高いテフロン(登録商標)樹脂からなるスライダーでは、セラミックに比較して材質硬度が極めて低い(塑性変形硬さ6.8)ため、衝撃自体は緩和される。しかし、この場合は、衝突時あるいは摺動時の摩擦により発生する熱に対する対策については、何ら講じられていない。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものである。そして、その目的は、上記のようなヘッドとディスクとの間で発生する摩擦の影響を回避することの可能な、光学ヘッドおよび磁気ヘッドを提供することにある。
本願の発明者らは、特許文献1に記載のような光学ヘッドのレンズプロテクターを研究した結果、『衝突時の摩擦によって生じる温度上昇により、プロテクターの端面が溶解(液化)して光ディスクに付着するという不具合』の発生することを発見した。
このような不具合は、光ディスクに対する記録・再生に悪影響を与えるだけでなく、ユーザーの所有物である光ディスク装置や光ディスクの損傷を招来するため、大きな問題であるといえる。
さらに、磁気ディスクに関し、同人らは、特許文献2にあるような摺動性の高いテフロン(登録商標)樹脂からなるスライダーを詳細に調査した結果、『摩擦によって生じる温度上昇により、スライダーの空気浮上面や接触摺動面が液化し、磁気ディスク面に付着する』という問題の生じることを見いだした。
従って、この従来技術では、磁気ディスクに対する記録・再生を良好に行えないとともに、磁気ディスク装置や磁気ディスクの損傷を十分に回避できないといえる。
なお、この問題は、特許文献5に記載の浮上型光学ヘッドにおいても同様に起こることも確認済である。
そこで、上記の目的を達成するために、本発明の光学ヘッド(本光学ヘッド)は、
光記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられる光学ヘッドにおいて、
光記録媒体に近接する摺動部位が、光記録媒体との摩擦熱では液化しない材料から構成されているものである。
本光学ヘッドは、光ディスク装置など、光記録媒体に対する情報の記録・再生を行う媒体駆動装置に備えられる光学ヘッドである。
ここで、光学ヘッドとは、光記録媒体にアクセス(近接)して移動しながら、光記録媒体からの情報の読み出し、あるいは、光記録媒体に対する情報の記録を行う部材である。
本光学ヘッドのような光学ヘッドでは、光記録媒体に近接する部位が、一時的あるいは恒常的に、光記録媒体に接して、媒体上を摺動(スライド)する可能性がある。
そして、本光学ヘッドでは、光記録媒体に近接する部位(摺動部位;媒体上を摺動する可能性のある部位)が、光記録媒体との摩擦熱(本光学ヘッドと光記録媒体との間で発生する摩擦熱)では液化しない材料から構成されている。
ここで、「液化しない」とは、「摺動部位をなす固体が、温度上昇に伴って、炭化あるいは昇華する、または、上記のような摩擦熱では達成しえないような超高温で液化する(超高温の融点を有する)」ことを示す。
従って、本光学ヘッドでは、摺動部位と光記録媒体と接触摩擦によって熱が発生しても、摺動部位が、従来の材料(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂など)に比して溶解(液化)しにくくなっている。
これにより、本光学ヘッドでは、摺動部位の材料が溶解して光記録媒体の表面に付着することを抑制できる。従って、光記録媒体に対する記録・再生を良好に行えるとともに、ユーザーの所有物である媒体駆動装置や光記録媒体の損傷を抑制することが可能となる。
また、本光学ヘッドでは、上記の摺動部位が、160℃以下の温度では液化しない材料から構成されていてもよい。
摺動部位の従来の材料であるフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂の融点は、160℃である。従って、摺動部位を160℃で液化しない材料で構成することで、摺動部位を、従来よりも液化しにくくできる。
また、光記録媒体(例えばBlue-ray Disc)の表面(本光学ヘッドの摺動部位との近接面;光入射面)の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(PC)を挙げられる。この材料を用いる場合、光記録媒体の生産効率はよくなるものの(カバー層は、ポリカーボネートフィルムを用いると生産が容易になり、他の光記録媒体においても、光記録媒体用として最も用いられる材料であるため安価であるため)、光学ヘッドとの摺動性は悪くなる(おそらく、生産されうる光記録媒体の中で最も摺動性の悪いもの(摩擦熱の最も高くなるもの)となる)。
そこで、本光学ヘッドの摺動部位を、ポリカーボネート樹脂からなる表面を有する光記録媒体との間で発生する摩擦熱で液化しない材料から構成することが好ましい。これにより、どのような光記録媒体に対しても、摺動部位の液化を回避できる。
また、本光学ヘッドの摺動部位として、高温で昇華する材料あるいは高温で炭化する材料を用いる場合には、摩擦熱がどれほど高くなっても、摺動部位の溶解を確実に防止できる。従って、摺動部位の材料が溶解して光記録媒体の表面に付着することを確実に防止できる。
また、本光学ヘッドの摺動部位として、塑性変形硬さ11.4以下であり、かつ、光記録媒体の表面材料との静止摩擦係数が0.7以下の材料(樹脂など)を用いることが好ましい。
この場合、光記録媒体の表面に対する付着物の発生を防止できるとともに、この面に対する傷の発生も回避できる。従って、媒体駆動装置や光記録媒体の損傷をより良好に回避できる。
なお、上記の数値範囲については、後述する〔発明を実施するための最良の形態〕を参照されたい。また、このような数値範囲を満足する材料としては、例えば、アクリル系紫外線硬化樹脂を挙げられる。
また、このアクリル系紫外線硬化樹脂は、高温で液化せずに炭化する特性を有しているため、本光学ヘッドの摺動部位の材料として非常に好適である。
また、本光学ヘッドにおける摺動部位の材料として、「光記録媒体の表面と同程度以下の硬さであり、この表面との静止摩擦係数が0.6未満である」ような材料を用いることも好ましい。
すなわち、後述する〔発明を実施するための最良の形態〕に示すように、光記録媒体の表面(例えばPC)とほぼ同等の硬さ(塑性変形硬さ)で静止摩擦係数が0.6である材料(例えばポリアセタール樹脂)を用いる場合、媒体表面に傷はつかない。
また、一般に、硬いものと軟らかいものが衝突した場合、軟らかいものが傷つく。さらに、摩擦が大きいほど、傷つきやすくなる。
従って、媒体表面以下の硬さであって、静止摩擦係数が0.6未満の材料で摺動部位を形成すれば、媒体表面を傷つけることを防止できる。
また、摺動部位を、「PCとほぼ同等の硬さであって、静止摩擦係数が0.6である材料」から構成することが好ましい。
この場合、生産されうる光記録媒体の中で最も摺動性の悪い媒体に対しても、それを傷つけることを回避できる。
また、上記したように、本光学ヘッドは、光ディスク装置の光学ヘッドとして利用できるものである。
このような本光学ヘッドには、対物レンズと、この対物レンズを保持するレンズプロテクターとを備えることが好ましい。この場合、レンズプロテクターにおける記録媒体との近接面が、上記の摺動部位となる。
また、この場合、本光学ヘッドは、通常、光ディスク装置の光学ピックアップ装置に備えられる。この光学ピックアップ装置は、光学ヘッドを備えた状態で記録媒体上を移動でき、かつ、光学ヘッドの配置(向き)を微調整することの可能なものである。
また、本発明のアクセスヘッド(本アクセスヘッド)は、
記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドにおいて、
記録媒体に近接する摺動部位が、記録媒体との摩擦熱では液化しない樹脂材料から構成されていることを特徴とするものである。
本アクセスヘッドは、光ディスク装置や磁気ディスク装置など、記録媒体に対する情報の記録・再生を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドである。
ここで、アクセスヘッドとは、磁気ヘッドや光学ヘッドなどの総称であり、記録媒体にアクセス(近接)して移動しながら、記録媒体からの情報の読み出し、あるいは、記録媒体に対する情報の記録を行う部材である。
本アクセスヘッドのようなアクセスヘッドでは、上記した本光学ヘッドの場合と同様に、記録媒体に近接する部位が、一時的あるいは恒常的に、記録媒体に接して、媒体上を摺動(スライド)する可能性がある。
そして、本アクセスヘッドでは、記録媒体に近接する部位(摺動部位;媒体上を摺動する可能性のある部位)が、記録媒体との摩擦熱(本アクセスヘッドと記録媒体との間で発生する摩擦熱)では液化しない樹脂材料から構成されている。
ここで、「液化しない」とは、上記した本光学ヘッドの場合と同様に、「摺動部位をなす固体が、温度上昇に伴って、炭化あるいは昇華する、または、上記のような摩擦熱では達成しえないような超高温で液化する(超高温の融点を有する)」ことを示す。
従って、本アクセスヘッドでは、摺動部位と記録媒体と接触摩擦によって熱が発生しても、摺動部位が、従来の樹脂材料(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂など)に比して溶解(液化)しにくくなっている。
これにより、本アクセスヘッドでは、摺動部位の材料が溶解して記録媒体の表面に付着することを抑制できる。
さらに、本アクセスヘッドでは、摺動部位の材料として樹脂を用いている。従って、セラミックを材料とする場合に比して、摺動部位の材質硬度を極めて低くできる。このため、摺動部位との衝突によって記録媒体を機械的に傷つけてしまうことを確実に回避できる。
従って、本アクセスヘッドでは、記録媒体に対する記録・再生を良好に行えるとともに、ユーザーの所有物である媒体駆動装置や記録媒体に対する、付着物による破損と衝撃による機械的な損傷とを、ともに防止することが可能となる。
また、本アクセスヘッドの摺動部位として、高温で昇華する材料あるいは高温で炭化する樹脂材料を用いる場合には、摩擦熱がどれほど高くなっても、摺動部位の溶解を確実に防止できる。従って、摺動部位の材料が溶解して記録媒体の表面に付着することを確実に防止できる。
なお、このような樹脂材料としては、例えば、アクリル系紫外線硬化樹脂を挙げられる。
また、上記したように、本アクセスヘッドは、光ディスク装置の光学ヘッド(浮上型の光学ヘッドも含む)や、磁気ディスク装置の磁気ヘッドに適用することが可能である。
ここで、本アクセスヘッドを光学ヘッドとする場合は、本アクセスヘッドに、対物レンズと、この対物レンズを保持するレンズプロテクターとを備えることが好ましい。この場合、レンズプロテクターにおける記録媒体との近接面が、上記の摺動部位となる。
上記のような光学ヘッドは、通常、光ディスク装置の光学ピックアップ装置に備えられる。この光学ピックアップ装置は、光学ヘッドを備えた状態で記録媒体上を移動でき、かつ、光学ヘッドの配置(向き)を微調整することの可能なものである。
また、本発明の光学ヘッドの製造方法は、
光記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられる光学ヘッドの製造方法において、
光記録媒体に近接する摺動部位の材料として、光記録媒体との摩擦熱では液化しない材料を用いることを特徴とする方法である。
また、本発明のアクセスヘッドの製造方法は、
記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドの製造方法において、
記録媒体に近接する摺動部位の材料として、光記録媒体との摩擦熱では液化しない樹脂材料を用いることを特徴とする方法である。
これらの製造方法は、上記した本光学ヘッド,本アクセスヘッドを製造するための方法である。
従って、これらの製造方法を用いれば、記録媒体と接触摩擦によって溶解(液化)しにくい摺動部位を有するヘッドを製造できる。
これにより、摺動部位の材料が溶解して記録媒体の表面に付着することを抑制できるので、記録媒体に対する記録・再生を良好に行えるとともに、ユーザーの所有物である媒体駆動装置や記録媒体の損傷を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明の光学ヘッド(本光学ヘッド)は、
光記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられる光学ヘッドにおいて、
光記録媒体に近接する摺動部位が、光記録媒体との摩擦熱では液化しない材料から構成されているものである。
本光学ヘッドでは、光記録媒体に近接する部位(摺動部位;媒体上を摺動する可能性のある部位)が、光記録媒体との摩擦熱(本光学ヘッドと光記録媒体との間で発生する摩擦熱)では液化しない材料から構成されている。
従って、本光学ヘッドでは、摺動部位と光記録媒体と接触摩擦によって熱が発生しても、摺動部位が、従来の材料(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂など)に比して溶解(液化)しにくくなっている。
これにより、本光学ヘッドでは、摺動部位の材料が溶解して光記録媒体の表面に付着することを抑制できる。
従って、光記録媒体に対する記録・再生を良好に行えるとともに、ユーザーの所有物である媒体駆動装置や光記録媒体の損傷を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態について説明する。
本実施の形態にかかる光ディスク装置(本ディスク装置)は、光ディスクに対して情報を記録するとともに、光ディスクに記録された情報を再生するためのものである。
図2は、本ディスク装置(媒体駆動装置)の構成を示す説明図である。
この図に示すように、本ディスク装置は、メカデッキ1上に、スピンドルモータ2,光学ピックアップ装置200を備えた構成である。
さらに、本ディスク装置は、メカデッキ1の外部に、レーザー制御回路3,サーボ機構4,記録系データ制御部5,信号検出回路6,エラー検出システム7,信号処理回路8を備えている。
スピンドルモータ2は、図示しないターンテーブルを備えており、光ディスク100を回転させるものである。
光学ピックアップ装置200は、回転中の光ディスク100に対し、その半径方向に移動しながらレーザー光Lを照射するものである。本ディスク装置では、このレーザー光Lの照射により、光ディスク100に対し、情報の記録あるいは再生を行うようになっている。
この光学ピックアップ装置200は、メカデッキ1上に備えられた、図示しないスライドベース上に配置されている。このスライドベースは、ターンテーブルに保持された光ディスク100の半径方向に関し、移動自在に設けられている。
また、光学ピックアップ装置200は、光ディスク100に対する情報の再生時には、再生用のレーザー光Lを光ディスク100に照射し、その反射光を受光して電気信号に変換して出力する機能を有している。
また、光学ピックアップ装置200は、光ディスク100に対する情報の記録時、記録用のレーザー光Lを光ディスク100に照射するように設計されている。なお、光学ピックアップ装置200の構成については、後に詳細に説明する。
サーボ機構4は、光学ピックアップ装置200によって生成される電気信号に基づいて、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を生成し、光学ピックアップ装置200における半径方向の移動を制御するものである。
レーザー制御回路3は、光学ピックアップ装置200の照射するレーザー光Lを制御するものである。
記録系データ制御部5は、光ディスク100に対する情報記録時に、記録すべき情報に応じた信号(記録信号)をレーザー制御回路3に伝達するものである。
これにより、レーザー制御回路3は、光学ピックアップ装置200を制御して、記録信号に応じた記録用のレーザー光Lを光ディスク100に対して照射させるようになっている。
また、レーザー制御回路3は、光ディスク100に対する情報の再生時には、光学ピックアップ装置200を制御して、再生用のレーザー光Lを光ディスク100に照射させるように設計されている。
なお、再生時に光学ピックアップ装置200によって生成された電気信号(光ディスク100の反射光に応じた電気信号)は、再生信号として信号検出回路6および信号処理回路8を経てエラー検出システム7に伝達され、処理される。これにより、光ディスク100に記録されている信号の再生がなされる。
ここで、本ディスク装置の特徴的な構成である、上記した光学ピックアップ装置200について説明する。
図1は、光学ピックアップ装置200の構成を示す説明図である。
また、図3は、光学ピックアップ装置200における対物レンズ211の近傍を示す断面図である。
これらの図に示すように、光学ピックアップ装置200は、光源201,光検出器202,ビームスプリッター203,立ち上げミラー204,支持部205,2軸アクチュエーター206,光学ヘッド(可動部)210を備えた構成である。
光源201は、半導体レーザー装置からなるレーザー光源である。
立ち上げミラー204は、光源201から照射され、ビームスプリッター203を透過したレーザー光Lを反射し、その進路を、光学ヘッド210の方向に直角に曲げるものである。
光学ヘッド(アクセスヘッド)210は、光ディスク100にアクセス(近接)して移動しながら、光ディスク100からの情報の読み出し、あるいは、光ディスク100に対する情報の記録を行う部材である。
そして、図1に示すように、光学ヘッド210は、対物レンズ211,対物レンズ211を保持するレンズプロテクター212、および、カバー部213を備えている。
対物レンズ211は、レンズプロテクター212における光ディスク100に対向する端面(ディスク対向面)に形成されている。そして、立ち上げミラー204によって反射されたレーザー光Lを、光ディスク100に集光するものである。
ここで、図3に示すように、光ディスク100は、基板103上に、信号記録層102,光ビーム入射面101を積層した構成である。
そして、対物レンズ211は、レーザー光Lを、光ビーム入射面101を透過させて信号記録層102に集光するように設計されている。
また、対物レンズ211は、信号記録層102によって反射された反射レーザー光Laを集光する機能も有している。
この反射レーザー光Laは、立ち上げミラー204を経てビームスプリッター203に到達し、これによって進路を変えられ、光検出器202に入射する。
光検出器202は、反射レーザー光Laを受光して電気信号を生成し、上記したサーボ機構4に伝達するものである。これにより、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を得られる。
また、光検出器202は、光ディスク100の再生時には、得られた電気信号を、再生信号として信号検出回路6にも伝達する。
また、図1に示した支持部205は、対物レンズ211を備えた光学ヘッド210を、2軸アクチュエーター206によって支持するものである。
そして、フォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に基づいて、対物レンズ211の位置を、フォーカシング方向およびトラッキング方向に制御する機能を有している。
ここで、フォーカシング方向とは、光ディスク100の面に対して離接する方向である。一方、トラッキング方向とは、光ディスク100の面にほぼ平行な方向(半径方向)のことである。
2軸アクチュエーター206は、弾性を有する細い線材からなる4本のサスペンション209によって、光学ヘッド210を、フォーカシング方向・トラッキング方向に関して移動自在に支えている。
また、支持部205は、フォーカシング信号およびトラッキング信号に基づいて2軸アクチュエーター206を駆動するための、図示しない磁気回路を備えている。そして、この磁気回路によって2軸アクチュエーター206を制御し、光学ヘッド210の位置(対物レンズ211の位置)を、フォーカシング方向・トラッキング方向に微小に制御するようになっている。
この制御により、対物レンズ211が、光ディスク100の信号記録層102に形成された記録トラックまたは案内用グルーブをレーザー光Lによってなぞり、かつ、記録トラック又は案内用グルーブ上に焦点を結べるようになっている。
また、光学ヘッド210では、対物レンズ211を保持するレンズプロテクター212のディスク対向面に、カバー部213が形成されている。
このカバー部(カバー面;摺動部位)213は、レンズプロテクター212における、対物レンズ211の周囲に突出した部分である。そして、対物レンズ211が光ディスク100の光ビーム入射面101に直接衝突することを防止する機能を有している。
また、特に、本ディスク装置では、このカバー部213が、高温で液化せずに炭化する、アクリル系紫外線硬化樹脂から構成されている。
以下に、このカバー部213の材料について説明する。
表1は、本ディスク装置のカバー部213として使用可能な5種類のアクリル系紫外線硬化樹脂(以下、アクリル樹脂とする)A〜Eにおける、塑性変形硬さ,PC(ポリカーボネート)との静止摩擦係数,液化温度を示す表である。
なお、この表1には、比較例として、カバー部213の材料として従来用いられているフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂(特許文献1参照;以下、ポリアセタール樹脂とする)の塑性変形硬さ,静止摩擦係数,液化温度についても示している。
Figure 2006107616
ここで、PCは、光ディスク100の光ビーム入射面101として一般的に用いられる材料である。
また、塑性変形硬さとは、ビッカース硬さ相当であり、値が大きいほど硬いことを示している。PCの塑性変形硬さは27.5である。
この表に示すように、高温となった場合、ポリアセタール樹脂は160℃で液化する一方、アクリル系紫外線硬化樹脂A〜Eは、液化せずに炭化するようになっている。
また、表2は、表1に示す材料でカバー部213を形成し、様々な光ディスク100の光ビーム入射面101に30000回衝突させ、光ビーム入射面101に残る傷あるいは付着物を確認した結果を示す表である。
この表2では、光ビーム入射面101に対するカバー部213の影響を、傷の深さ(−)、あるいは付着物の高さ(+)によって示している。
Figure 2006107616
なお、本実施の形態では、カバー部213の下地に関係なくカバー部213の硬さを評価でき、かつ様々な材料の硬さを互いに比較するために、表1に示した塑性変形硬さの値(ビッカース硬さ相当)を用いている。
なお、この塑性変形硬さは、超微小押し込み硬さ試験機(株式会社エリオニクス製:ENT−1100)を用いて測定している。この試験器を用いれば、コーティング材等の比較的薄く軟らかい皮膜の硬さを、高精度に、相対的な比較結果として測定することが可能となる。
すなわち、この測定では、コーティング材の下地に無関係に、コーティング材の硬さを測定できる(非特許文献1,(1)式参照参照)。
また、光ディスク100の光ビーム入射面101とカバー部213とが衝突する際の摩擦は、瞬時に発生するものである。このため、衝突時の摩擦に関しては、動摩擦係数よりも静止摩擦係数の方がより支配的であると容易に推測できる。従って、表1には、摩擦を表す指標として、静止摩擦係数を示している。
表1(3)より、カバー部213の材料としてポリアセタール樹脂(PCとの静止摩擦係数0.6,塑性変形硬さ24.3)を用いると、カバー部213自体の滑り性がよくなる。また、他の材料を用いる場合よりも(およびPCよりも)、カバー部213を軟らかく構成できる。
しかしながら、表2(6)〜(8)に示すように、この場合には、ポリアセタール樹脂が高温で液化するため、光ビーム入射面101上に液化したポリアセタール樹脂が大きく付着してしまう。
一方、表2(1)〜(5)に示すように、カバー部213の材料としてアクリル樹脂を用いると、光ビーム入射面101に付着物は生じない。
すなわち、ポリアセタール樹脂より硬くても軟らかくても、また、PCとの摩擦係数が高くても、カバー部213の材料として液化しないアクリル樹脂を用いた場合は、光ビーム入射面101に付着が生じないことがわかる。
このように、光ビーム入射面101にカバー部213の材料が付着することに関しては、材料の硬さや潤滑性(摩擦係数)よりも、『衝突時にカバー部213と光ビーム入射面101との間に発生する熱によって、カバー部213の材料が液化するか否か』、ということが大きな要因であるといえる。
上記の結果より、本ディスク装置のように、カバー部213の材料としてアクリル樹脂を用いれば、光ビーム入射面101に対する付着物の発生を防止できる。従って、この付着物に起因する記録・再生の不具合を回避できるとともに、光ディスク100およびカバー部213の付着物による損傷を抑制することが可能となる。
また、本ディスク装置では、カバー部213の材料として、上記したような樹脂(アクリル樹脂など)を用いている。従って、カバー部213との衝突によって光ビーム入射面101を機械的に傷つけてしまうことを確実に回避できる。
なお、本実施の形態では、カバー部213の材料として、高温で炭化するアクリル樹脂を用いるとしている。
しかしながら、カバー部213の材料としては、高温で炭化するとともに、カバー部213として十分な摺動性および硬さを有するものであれば、アクリル樹脂以外の材料(樹脂あるいはその他の材料)を用いてもよい。
また、カバー部213の材料として、高温で炭化する材料に代えて、カバー部213として十分な摺動性および硬さを有する、高温で昇華する材料を用いてもよい。
このように、カバー部213の材料としては、高温で液化しない(高温で炭化あるいは昇華する)ものを用いることが可能である。
また、カバー部213の材料として、光ディスク100の光ビーム入射面101との衝突で発生する熱では液化しにくい(より高温では液化する可能性がある)材料を用いてもよい。
例えば、液化温度(融点)が160℃より大きい樹脂であれば、従来のポリアセタール樹脂よりも液化しにくいといえる。
従って、本ディスク装置のカバー部213として、カバー部213として十分な摺動性および硬さを有し、160℃より大きい融点を有する材料を用いてもよい。
なお、このような樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂(融点310℃)、テフロン(登録商標)樹脂(融点170℃)を挙げられる。
また、光ディスク100の光ビーム入射面101が、非常に摺動性の低い材料から構成されている場合、カバー部213とビーム入射面101との衝突で発生する熱は高くなる。従って、カバー部213の材料としては、このような場合でも液化しにくい材料を用いることが好ましい。
例えば、光ビーム入射面101を、透過性の高いシリコーン樹脂などで形成すると、その摺動性は非常に悪くなると予想される。従って、カバー部213の材料として、シリコーン樹脂との衝突でも液化しにくい材料(例えば炭化あるいは昇華する材料)を用いることが好ましい。
また、本ディスク装置では、通常、記録・再生にかかる光ディスクの種類を選択することはできない。従って、光ディスクの種類によっては、カバー部213との摩擦によって、非常に高い熱の発生する可能性もある。
ここで、上記したアクリル樹脂は、高温となっても、液化せず炭化する。このため、カバー部213の材料としてアクリル樹脂を使用すれば、光ディスクの種類によらずに、光ディスク表面への材料の付着を確実に防止できる。
また、カバー部213を、光ビーム入射面101の材料(例えばPC)と同程度未満の硬さであり、かつ、光ビーム入射面101との静止摩擦係数が0.6未満の材料を用いてもよい。
すなわち、表2(6)に示すように、PCとほぼ同等の塑性変形硬さで静止摩擦係数が0.6であるポリアセタール樹脂を用いる場合、光ビーム入射面101に付着物はあるものの、傷はない。
また、一般に、硬いものと軟らかいものが衝突した場合、軟らかいものが傷つく。さらに、摩擦が大きいほど、傷つきやすくなる。
従って、PC以下の硬さであって、静止摩擦係数が0.6未満の材料でカバー部213を形成すれば、光ビーム入射面101を傷つけることを防止できるといえる。
また、カバー部213の材料として、塑性変形硬さが11.4以下であり、かつ光ビーム入射面101の材料(PC)との静止摩擦係数が0.7以下の材料(例えばアクリル樹脂)を用いてもよい。
この場合、表1(2)および表2(2)に示すように、光ビーム入射面101に、付着物および傷の双方を発生させることを防止できる。
従って、光ディスク100およびカバー部213の損傷を確実に防止できる。
また、本ディスク装置において再生可能な光ディスク(光学読取式のディスク)100としては、CD(Compact disk),CD−ROM(Compact disk-Read Only Memory),CD−R(Compact disk-Recordable),CD−RW(Compact disk ReWritable),DVD,DVD−ROM,DVD−R,DVD−RW,BD(Blu-ray Disc),BD(Blu-ray Disc)−ROM,光磁気ディスク、相変化型ディスク等の、種々の光ディスクを挙げられる。
なお、光学ヘッド210として、特許文献5に示されているような、浮上型光ヘッドや浮上型光磁気ヘッドを用いてもよい。
このようなヘッドは、記録媒体の回転に伴う気流によって媒体表面に対して一定の高さで浮上し、この状態で情報の記録/再生を行うヘッド(対物レンズ付ヘッド)である。この構成では、光学ヘッド210の対物レンズ211と媒体表面との距離を一定に保つための機構(2軸アクチュエーター206)を用いる必要はない。
また、本ディスク装置を、光ディスク100のような円盤状の媒体ではなく、他の形状の媒体を再生するように設計してもよい。
このように、本発明は、記録の方式や媒体の大きさに依存するものではない。
また、本実施の形態では、カバー部213が樹脂からなるとしている。しかしながら、これに限らず、カバー部213を、樹脂以外の材料から構成してもよい。
また、本実施の形態では、光学ピックアップ装置200における光源201が半導体レーザー装置からなるとしている。しかしながら、光学ピックアップ装置200の光源201としては、半導体レーザー装置に限らず、他の光源(例えばLEDなど)から構成してもよい。
また、本ディスク装置の光学ピックアップ装置200を、レーザー光源と光検出器が一体にパッケージされたレーザカプラとして構成してもよい。
また、案内用グルーブのない光ディスク(例えばROM)を取り扱う構成としてもよい。
また、図3に示した要部の断面図の構成は、基本的な構成を示したものであり、これに限定されるものではない。
例えば、図3の構成では、レンズプロテクター212が対物レンズ211を支持するレンズホルダーの役割も担っている。しかしながら、これに限らず、レンズプロテクターとレンズホルダーを別部品とすることも可能である。
また、図3の構成では、レンズプロテクター212の光ディスク側端面が平面となっている。しかしながら、この面は、球面であっても、凹凸のある面であってもよい。
また、本実施の形態では、本ディスク装置を、光ディスクに対して情報を記録するとともに、光ディスクに記録された情報を再生するものであるとしている。しかしながら、これに限らず、本ディスク装置は、光ディスクに対する情報の記録および再生のいずれか一方のみを実施する装置であってもよい。
また、本ディスク装置は、据え置き型の構成であっても、また、携帯可能な構成であってもよい。
また、本実施の形態では、光ビーム入射面101としてPCを用いるとしている。このような光ビーム入射面101は、少なくとも現状で最も生産が容易なものである。しかしながら、これに限らず、表2(7)(8)に示したように、光ビーム入射面101として、アクリル樹脂を用いてもよい。
また、本実施の形態では、本ディスク装置を、光ディスクに対して情報を記録するとともに、光ディスクに記録された情報を再生するためのものであるとしている。
しかしながら、これに限らず、本ディスク装置を、磁気ディスクに対して情報を記録するとともに、磁気ディスクに記録された情報を再生するための磁気ディスク装置としてもよい。
この構成では、本ディスク装置に、磁気ヘッドを備えることとなる。
この磁気ヘッドは、磁気ディスクに磁場を印加することにより情報を記録する一方、磁気ディスクの発生する磁場を検出して情報を再生するものである。
そして、この構成では、磁気ヘッドにおける磁気ディスクとの近接面(スライダー)に、上記したアクリル樹脂のように、高温で液化しない(高温で炭化あるいは昇華する,160℃より高温で液化する)材料(樹脂)を用いることが好ましい。
これにより、磁気ディスクにスライダーの材料が付着することを回避できる。このため、付着物に起因する記録・再生の不具合を回避できるとともに、磁気ヘッドおよび磁気ディスクの付着物による破損を抑制することが可能となる。
なお、従来において磁気ヘッドのスライダーとして用いられるセラミック(Al2 3 −TiC)のビッカース硬度は1350である。従って、このようなスライダーを用いると、高速回転時の接触による衝撃が大きくなり、磁気ディスクおよび磁気ヘッドに大きな損傷を与えてしまうという問題がある。
これに対し、本ディスク装置のように、磁気ヘッドのスライダーの材料として樹脂(アクリル樹脂など)を用いる場合、スライダーの材質硬度を極めて低くできる。このため、スライダーによって磁気ディスクを傷つけてしまうことを確実に回避できる。
従って、本ディスク装置を磁気ヘッドとして構成すれば、磁気ヘッドおよび磁気ディスクに対する付着物による破損と衝撃による機械的な損傷とを、ともに防止することが可能となる。
また、本発明を、MD(ミニディスク)記録/再生装置のように、光学ピックアップ装置と磁気ヘッドとをともに有する装置に応用することもできる。この場合には、光学ピックアップ装置と磁気ヘッドとのいずれか(あるいは両方)における、ディスクとの接触部位に、上記したアクリル樹脂のように、高温で液化しない(高温で炭化あるいは昇華する,160℃より高温で液化する)材料(樹脂など)を用いることが好ましい。
また、本ディスク装置を、浮上型の光学ヘッドを用いる構成としてもよい。この場合にも、ヘッドにおける光ディスクとの接触面(レンズプロテクターやスライダー)に、上記したアクリル樹脂のように、高温で液化しない(高温で炭化あるいは昇華する,160℃より高温で液化する)材料(樹脂など)を用いることが好ましい。
また、本発明のアクセスヘッド(本ヘッド)を、記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドにおいて、記録媒体に近接する摺動部位が、160℃以下の温度では液化しない材料から構成されている構成である、と表現することもできる。
本ヘッドは、光ディスク装置や磁気ディスク装置など、記録媒体に対する情報の記録・再生を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドである。
ここで、アクセスヘッドとは、磁気ヘッドや光学ヘッドなどの総称であり、記録媒体にアクセス(近接)して移動しながら、記録媒体からの情報の読み出し、あるいは、記録媒体に対する情報の記録を行う部材である。
本ヘッドのようなアクセスヘッドでは、記録媒体に近接する部位が、一時的あるいは恒常的に、記録媒体に接して、媒体上を摺動(スライド)する可能性がある。
そして、本ヘッドでは、記録媒体に近接する部位(摺動部位;媒体上を摺動する可能性のある部位)が、160℃以下の温度では液化しない材料から構成されている。
ここで、「摺動部位が160℃以下の温度では液化しない」とは、「摺動部位をなす固体が、温度上昇に伴って、炭化あるいは昇華する、または、160℃より高い温度で液化する(160℃より高い融点を有する)」ことを示す。
従って、本ヘッドでは、摺動部位と記録媒体と接触摩擦によって熱が発生しても、摺動部位が、従来の材料(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂など)に比して溶解(液化)しにくくなっている。
これにより、本ヘッドでは、摺動部位の材料が溶解して記録媒体の表面に付着することを抑制できる。従って、記録媒体に対する記録・再生を良好に行えるとともに、ユーザーの所有物である媒体駆動装置や記録媒体の損傷を抑制することが可能となる。
なお、本ヘッドの摺動部位として、高温で昇華する材料あるいは高温で炭化する材料を用いる場合には、摺動部位の溶解を確実に防止できる。従って、摺動部位の材料が溶解して記録媒体の表面に付着することを確実に防止できる。
また、本ヘッドの摺動部位として、塑性変形硬さ11.4以下であり、かつ、記録媒体の表面材料との静止摩擦係数が0.7以下の材料(樹脂など)を用いることが好ましい。
この場合、記録媒体の表面に対する付着物の発生を防止できるとともに、この面に対する傷の発生も回避できる。従って、媒体駆動装置や記録媒体の損傷をより良好に回避できる。
なお、上記の数値範囲については、後述する〔発明を実施するための最良の形態〕を参照されたい。また、このような数値範囲を満足する材料としては、例えば、アクリル系紫外線硬化樹脂を挙げられる。
また、このアクリル系紫外線硬化樹脂は、高温で液化せずに炭化する特性を有しているため、本ヘッドの摺動部位の材料として非常に好適である。
また、上記したように、本ヘッドは、光ディスク装置の光学ヘッド(浮上型の光学ヘッドも含む)や、磁気ディスク装置の磁気ヘッドに適用することが可能である。
ここで、本ヘッドを光学ヘッドとする場合は、本ヘッドに、対物レンズと、この対物レンズを保持するレンズプロテクターとを備えることが好ましい。この場合、レンズプロテクターにおける記録媒体との近接面が、上記の摺動部位となる。
上記のような光学ヘッドは、通常、光ディスク装置の光学ピックアップ装置に備えられる。この光学ピックアップ装置は、光学ヘッドを備えた状態で記録媒体上を移動でき、かつ、光学ヘッドの配置(向き)を微調整することの可能なものである。
また、本発明におけるアクセスヘッドの製造方法(本製造方法)は、記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドの製造方法において、記録媒体に近接する摺動部位の材料として、160℃以下の温度では液化しない材料を用いることを特徴とする方法である。
本製造方法は、上記した本ヘッドを製造するための方法である。
従って、本製造方法を用いれば、記録媒体と接触摩擦によって溶解(液化)しにくい摺動部位を有するヘッドを製造できる。
これにより、摺動部位の材料が溶解して記録媒体の表面に付着することを抑制できるので、記録媒体に対する記録・再生を良好に行えるとともに、ユーザーの所有物である媒体駆動装置や記録媒体の損傷を抑制することが可能となる。
また、通常、光ディスク装置では、記録/再生時には、光ディスクとレンズホルダーとは接触しない。しかしながら、何らかの衝撃が装置に加わったり、ディスク表面に汚れや傷等があり、光学ピックアップ(光学ヘッド210;光ヘッド)とディスクのフォーカス状態が突発的に外れたりした場合などに、ディスク表面とレンズホルダーが衝突する可能性がある。
なお、最新の光ディスクであるBlu-ray Discでは、フォーカス状態時におけるディスク表面とレンズホルダーとの距離が非常に近くなっており、より衝突の可能性が高まっている。
さらに、装置にBlu-ray Discが入った状態での移送時(電源OFF状態)には、同場所で、非常に多くの衝突を起こす可能性もあるといえる。
また、本発明の目的を、光情報記録媒体及び光学ピックアップ装置の損傷の防止を図った光情報記録媒体記録/再生装置を提供と、光学ピックアップ装置が適応されない情報記録媒体、及び磁気/光学ヘッドの損傷の防止を図った情報記録媒体記録/再生装置とを提供にすることにある、ともいえる。また、本ディスク装置は、光情報記録媒体記録/再生装置であるといえる。また、本ディスク装置について、以下のように表現することもできる。すなわち、本ディスク装置では、光ディスク(光情報記録媒体)100はスピンドルモータ2によって回転され、回転中の光情報記録媒体100の半径方向に移動する光学ピックアップ装置200によって光ディスク100に対する信号の記録及び/又は読取がなされるようになっている。スピンドルモータ2には、図示しないターンテーブルが備えられており、メカデッキ1上に設けられ、光情報記録媒体100は上記ターンテーブル上に保持された状態で回転される。
光学ピックアップ装置200は、メカデッキ上に備えられた図示しないスライドベース上に構成されており、上記スライドベースは、上記ターンテーブルに保持された光情報記録媒体100の半径方向に移動自在にされている。この結果、光学ピックアップ装置200はターンテーブル上の光情報記録媒体100の半径方向にサーボ機構4によって制御され移動することになる。そして、記録系データ制御部5により稼動するレーザー制御回路3によって制御される上記光学ピックアップ装置200よりレーザー光Lを、回転状態にある光情報記録媒体100へ照射し、光情報記録媒体より反射される反射レーザー光Laが光学ピックアップ装置200にて受光されることによって、情報の記録及び/又は再生がおこなわれる。また、光学ピックアップ装置が反射レーザー光Laを受光することにより得られた信号は、信号検出回路(媒体信号検出回路)6・信号処理回路8を経て、エラー検出システム7にて処理される。
また、光学ピックアップ装置200に関し、以下のように説明することもできる。すなわち、光学ピックアップ装置200は、レーザー光源201(例えば半導体レーザー等)、光検出器202とビームスプリッター203と、立ち上げミラー204と、レンズプロテクター212と対物レンズ211とを備える。
そして、レーザー光源から出力されたレーザー光Lはビームスプリッタ−203を透過して立ち上げミラー204によって光路を90°立ち上げられ対物レンズ211によって光ディスク100の光ビーム入射面101を透過し信号記録層102に集光され、光ディスク100の信号記録層102によって反射された反射レーザー光Laが、光ビーム入射面101を透過し、対物レンズ211、立ち上げミラー204を介してビームスプリッター203によって反射されて、光検出器202によって受光される。そして、光検出器202による上記反射レーザーLaの受光によってフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号が得られ、また、再生時には、再生信号が得られる。そして、再生信号を処理することによって、光ディスク100の信号記録層102に記録されている信号の再生がなされる。
上記対物レンズ211は、2軸アクチュエーター206によって、フォーカシング方向、すなわち信号再生時の光ディスク100の信号記録層102に対して離接する方向およびトラッキング方向、すなわちすなわち信号再生時の光ディスク100の信号記録層102と略平行な方向に移動可能に支持されている。2軸アクチュエーター206は、光学ヘッド210を備え、この光学ヘッド210にレンズプロテクター212と対物レンズ211が設けられている。上記光学ヘッド210は本ディスク装置に固定される支持部205に細い弾性を有する線材からなるサスペンション209を介してフォーカシング方向、およびトラッキング方向に移動自在に支持されている。
そして、図示しない磁気回路が形成されており上記検出器202から得られるフォーカシング信号およびトラッキング信号に基づいて上記図示しない磁気回路が駆動され、それによって光学ヘッド210が上記フォーカシング方向およびトラッキング方向に微動され、対物レンズ211によって、光ディスク100の信号記録層102に照射されるレーザー光Lが上記信号記録層に形成された記録トラックまたは案内用グルーブをなぞり、且つ記録トラック又は案内用グルーブ上に焦点を結ぶように制御される。また、カバー部213は、レンズプロテクター212の光ディスク側端面の一部又は全部であってもよい。
また、本実施の形態において塑性変形硬さの値を用いた理由は、コーティング剤等の比較的薄く軟らかい皮膜の硬さを高精度に相対的な比較するために、コーティングする下地に無関係に硬さを測定する必要があるためであるともいえる(非特許文献1の式(1)参照)。
また、表1・2に示した結果より、カバー部材料の付着に関しては、カバー部材料自体の硬さや潤滑性は最大の要因ではなく、衝突時にカバー部と光情報記録媒体光ビーム入射面との間に発生する熱でカバー部の材料が液化するか否かということが最大の要因であることが分かる。
光ディスクの光ビーム入射面にレンズプロテクターの光ディスク側端面が液化して付着する現象は、特許文献1の従来の手法では十分に防止できないが、レンズプロテクターの光ディスク側端面の一部または全部であるカバー部が、上記カバー部と光ディスクの光ビーム入射面との間で発生する熱で液化しない材料であることを特徴とする光学ピックアップ装置を用いることで防止でき、光ディスクに対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減できる。いいかえれば、媒体を安定に記録および/又は再生でき稼働時間を従来例に比べて長くできる。
また、上記カバー部が、上記カバー部と少なくとも最も摺動性の低い光ディスクの光ビーム入射面との間で発生する熱で液化しない材料であってもよい。その場合、例えば最も摺動性の低いと思われる透過性の高いシリコーン樹脂などで光ビーム入射面が形成されている光ディスクでも、レンズプロテクター端面が溶解(液化)し光ディスクの光ビーム入射面に付着することが防止できるので、少なくともより摺動性の高い光ディスクに対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減できる。
また、カバー部の融点が160℃以上であってもよい。その場合、すくなくとも現状でレンズプロテクターに使用される可能性の高いポリアセタール樹脂よりも、液化温度が高いことになりレンズプロテクター端面、あるいはカバー部が溶解(液化)し光ディスクの光ビーム入射面に付着することが低減できるため、光ディスクに対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できる。
また、通常、光ビーム入射面101の材料としては、レンズプロテクターの損傷を防止するためにより摺動性の高い材質を用いると考えられる。したがって、現時点では最も生産が容易なポリカーボネートが実質的には、最も摺動性が低い再生面であると考えられる。しかしながら、今後、再生面はアクリル系紫外線硬化樹脂により安価に作られる可能性があり、このような材質を用いる場合は、硬化収縮力を小さくするため(変形を防止)、非常に軟らかい樹脂が用いられる。このように軟らかい材質の場合、一般的に摺動性が悪くなる傾向がある。例えば、透過性の高いシリコーン樹脂などで再生面を形成すると摺動性は非常に悪くなると予想される。
また、カバー部が、上記カバー部とポリカーボネート樹脂との間で発生する熱で液化しない材料であってもよい。その場合は、少なくとも現状で最も生産が容易な光ビーム照射面にポリカーボネートフィルムを用いた光ディスクにおいて、レンズプロテクター端面、あるいはカバー部が溶解(液化)し光ディスクの光ビーム入射面に付着することが低減できるため、光ディスクに対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できる。
また、カバー部が、光情報記録媒体光ビーム入射面(光ビーム入射面101)と同程度未満の硬さであり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.6未満であってもよい。なぜなら、ほぼ同等の塑性変形硬さで双方の静止摩擦係数が0.6であるフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂(塑性変形硬さ:24.3 PCとの静止摩擦係数:0.6表1(3)参照)とポリカーボネート樹脂製光情報記録媒体光ビーム入射面(塑性変形硬さ:27.5)との衝突試験結果は、付着物はあるものの、傷がない(表2(6)参照)。したがって、一般に硬いものと軟らかいものが衝突した場合、軟らかいものが傷つき、双方の摩擦が大きいほど傷つき易くなるので、同等の未満の硬さであって、双方との間の静止摩擦係数が0.6未満であれば、光情報記録媒体光入射面に傷は生じないことが、容易に推測できる、すなわち、上記のような構成の光学ピックアップ装置であれば、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できる。
また、上記カバー部が、ポリカーボネート樹脂と同程度以下の硬さであり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.6以下であってもよい。その場合は、上記したように傷が生じず、少なくとも現状で最も生産が容易な光ビーム照射面にポリカーボネートフィルムを用いた光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できる。
また、カバー部が、塑性変形硬さ11.4以下であり硬さあり、かつ光ディスクの光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.7以下であってもよい。その場合は、表1(2)で示すように、傷が生じないことから、少なくとも現状で最も生産が容易な光ビーム照射面にポリカーボネートフィルムを用いた光ディスクに対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できる。
上記に説明した本ディスク装置において、本発明の光学ピックアップ装置を用いた場合、レンズプロテクター端面が溶解(液化)し光ディスクの光ビーム入射面に付着することや光ディスクの光ビーム入射面への傷つきを低減できるので、光ディスクに対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減できる信頼性のより高い光学ピックアップ装置を用いているので、本ディスク装置の信頼性も当然向上する。なお、図2に示した本ディスク装置の構成は、基本的な構成を示したものであり、これに限定されるものではない。例えば光磁気記録媒体記録/再生装置のように磁気ヘッドが含まれるような本ディスク装置においても本発明の光学ピックアップ装置搭載は可能である。
また、上記のカバー部の材料は、カバー部と光ディスクの光ビーム入射面とのあいだで発生する熱で液化しないものとしたが、この場合、光学ピックアップ装置で使用される、又は記録/再生される光ディスクは、選べないので、意図しない光ディスク使用され、光ディスクの光ビーム入射面への付着等の損傷が防止できない可能性がある。しかしながら、例えば表1にあるようなアクリル系紫外線硬化樹脂は、高温においても液化せず炭化するため、光学ピックアップ装置で使用される、又は記録/再生される光ディスクに関わらず光ディスクの光ビーム入射面への付着等の損傷が防止できる。したがって、カバー部が、高温度においても液化しない材料であることによって、光学ピックアップシステム装置で再生する光ディスクに関わらず光ディスクの光ビーム入射面への付着等の損傷が防止できるので、光ディスクに対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することを更に低減できる。
また、カバー部が、高温度においても液化しない材料(例えばアクリル樹脂)であり、さらに、光ディスクの光ビーム入射面と同程度以下の硬さであり、かつ光ディスクの光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.6以下であってもよい。なぜなら、ほぼ同等の塑性変形硬さで双方の静止摩擦係数が0.6であるフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂(塑性変形硬さ:24.3 ポリカーボネートとの静止摩擦係数:0.6 表1(3)参照)とポリカーボネート樹脂製光ディスクの光ビーム入射面(塑性変形硬さ:27.5)との衝突試験結果は、付着物はあるものの、傷がない(表2(6)参照)。したがって、一般に硬いものと軟らかいものが衝突した場合、軟らかいものが傷つき、双方の摩擦が大きいほど傷つき易くなるので、同等の以下の硬さであって、双方との間の静止摩擦係数が0.6以下であれば、光ディスク光入射面に傷は生じないことが、容易に推測できる、すなわち、上記のような構成の光学ピックアップ装置であれば、光ディスクに対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できる。
また、図2に示した本ディスク装置は、信頼性のより高い光学ピックアップ装置を用いているので、本ディスク装置の信頼性も当然向上する。なお、図2に示した本ディスク装置の構成は、基本的な構成を示したものであり、これに限定されるものではない。例えば本ディスク装置のように磁気ヘッドが含まれるような本ディスク装置においても本発明の光学ピックアップシステム装置搭載は可能である。
さらに、情報の記録/再生時に、光ピックアップ装置の代わりに磁気ヘッドや浮上型光学ヘッド等を用いる情報記録媒体記録/再生装置では、情報の記録/再生時に、磁気および/または光学が情報記録媒体の表面上を一定の高さで浮上するか、接触摺動することによって情報記録媒体に対して情報の記録/再生を行うことが、光ピックアップ装置をもちいる光ディスク記録再生装置と異なる部分であるが、情報の記録/再生時に情報記録媒体をスピンドルモータによって回転させた記録媒体に対して、情報の記録/再生を行うのであるから光ピックアップ装置を用いる本ディスク装置も、磁気ヘッドや浮上型光学ヘッド等を用いる情報記録媒体記録/再生装置も、情報記録媒体とレンズプロテクターやスライダーが衝突し、情報記録媒体表面に傷や付着物がつくという共通の問題がある。したがって、光ピックアップ装置の問題と同様に解決可能である。
すなわち、スライダーのカバー部をカバー部213と磁気ディスク(情報記録媒体)の摺動面との間で発生する熱で液化しない樹脂にした磁気および/又は光学ヘッドは、スライダーの空気浮上面および/又は接触摺動面が溶解(液化)し情報記録媒体摺動面に付着することが防止でき、さらに樹脂製であるため、セラミック製のスライダーより衝撃が緩和されるので、磁気および/又は光学ヘッド自体への損傷も低減され、情報記録媒体に対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減できる。
また、磁気および/又は光学ヘッドのカバー部は、高温で高温度においても液化しない樹脂であってもよい。この場合、上記カバー部と情報記録媒体摺動面との間で発生する熱以外の熱が生じた場合においても、スライダーの空気浮上面および/又は接触摺動面が溶解(液化)し情報記録媒体摺動面に付着することが防止でき、さらに樹脂製であるため、セラミック製のスライダーより衝撃が緩和されるので、磁気および/又は光学ヘッド自体への損傷も低減され、情報記録媒体に対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減できる。
また、磁気および/又は光学ヘッドのカバー部は、アクリル系紫外線硬化樹脂であってもよい。この場合、高温時において高温においても液化しないため、スライダーの空気浮上面および/又は接触摺動面が溶解(液化)し情報記録媒体摺動面に付着することが防止でき、さらに樹脂製であるため、セラミック製のスライダーより衝撃が緩和されるので、磁気および/又は光学ヘッド自体への損傷も低減され、情報記録媒体に対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減できる。さらに、光学ピックアップ装置を用いない情報記録媒体記録/再生装置において、上記した磁気および/又は光学ヘッドを用いた場合、情報記録媒体記録/再生装置は、スライダーの空気浮上面および/又は接触摺動面が溶解(液化)し情報記録媒体摺動面に付着することが防止でき、さらに樹脂製であるため、セラミック製のスライダーより衝撃が緩和されるので磁気および/又は光学ヘッド自体への損傷も低減され、情報記録媒体に対する記録および/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減できる信頼性のより高い磁気および/又は光学ヘッドを用いることになるので、本ディスク装置の信頼性も当然向上する。なお、上記は基本的な実施形態でありこれに限定されるものではない。例えば、MD(ミニディスク)記録/再生装置のように、光学ピックアップ装置と磁気ヘッドとをともに有する装置においては、光学ピックアップ装置と磁気ヘッドの何れかあるいは両方に本発明の技術を適応することが可能である。また、光学ピックアップ装置を用いない情報記録媒体記録/再生装置には、再生又は記録専用の装置の他、再生および記録の両方が可能な装置が含まれ、その使用形態において据え置き用、携帯用の如何を問うものではない。なお、カバー部と光情報記録媒体光ビーム入射面との間で発生する熱は、実際には、ドライブの用途によって変化する。
また、本発明を、以下の第1〜12光ピックアップ装置,第1および2光情報記録媒体記録/再生装置,第1〜3磁気及び/又は光学ヘッド,第1磁気情報記録媒体記録/再生装置として表現することもできる。すなわち、第1光ピックアップ装置は、光情報記録媒体の信号記録層にビーム光を照射することによって上記信号記録層に対する信号の読取及び/又は記録を行う光学ピックアップ装置であって、上記信号記録層にビーム光を照射する対物レンズと、上記対物レンズ周辺に設けられ対物レンズよりも光情報記録媒体側に突出したレンズプロテクターとを備え、上記レンズプロテクターの光情報記録媒体側端面の一部または全部であるカバー部が、上記カバー部と光情報記録媒体光ビーム入射面との間で発生する熱で液化しない材料である構成である。これにより、レンズプロテクター端面が溶解(液化)し光情報記録媒体光ビーム入射面に付着することが防止できるので、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第2光学ピックアップ装置は、第1光学ピックアップ装置において、上記カバー部が、上記カバー部と少なくとも最も摺動性の低い光情報記録媒体光ビーム入射面との間で発生する熱で液化しない材料である構成である。これにより、少なくとも上記媒体より潤滑性の高い光ビーム入射面に設けられている光情報記録媒体でも、レンズプロテクター端面が溶解(液化)し光情報記録媒体光ビーム入射面に付着することが防止できるので、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第3光学ピックアップ装置は、第2光学ピックアップ装置において、上記カバー部の融点が160℃以上である構成である。これにより、現状でレンズプロテクターに使用される可能性の高いポリアセタール樹脂よりも、レンズプロテクター端面が溶解(液化)し光情報記録媒体光ビーム入射面に付着することが低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できるので、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第4光学ピックアップ装置は、第1光学ピックアップ装置において、上記カバー部が、上記カバー部とポリカーボネート樹脂との間で発生する熱で液化しない材料である構成である。これにより、少なくとも現状で最も生産が容易な光ビーム照射面にポリカーボネートフィルムを用いた光情報記録媒体において、レンズプロテクター端面が溶解(液化)し光情報記録媒体光ビーム入射面に付着することが低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第5光学ピックアップ装置は、第1〜4光学ピックアップ装置のいずれかにおいて、上記カバー部が、光情報記録媒体光ビーム入射面と同程度以下の硬さであり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.6以下である構成である。これにより、光ビーム入射面への傷つきを低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第6光学ピックアップ装置は、第1〜4光学ピックアップ装置のいずれかにおいて、上記カバー部が、ポリカーボネート樹脂と同程度以下の硬さであり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.6以下である構成である。これにより、少なくとも現状で最も生産が容易な光ビーム照射面にポリカーボネートフィルムを用いた光情報記録媒体の光ビーム入射面への傷つきを低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第7光学ピックアップ装置は、第1〜4光学ピックアップ装置のいずれかにおいて、上記カバー部が、塑性変形硬さ11.4以下である硬さあり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.7以下である構成である。これにより、少なくとも現状で最も生産が容易な光ビーム照射面にポリカーボネートフィルムを用いた光情報記録媒体の光ビーム入射面への傷つきを低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第1光情報記録媒体記録/再生装置は、第1〜7光学ピックアップ装置を用いた構成である。これにより、より信頼性の高い光情報記録媒体記録/再生装置を得られる。
また、第8光学ピックアップ装置は、光情報記録媒体の信号記録層にビーム光を照射することによって上記信号記録層に対する信号の読取及び/又は記録を行う光学ピックアップ装置であって、上記信号記録層にビーム光を照射する対物レンズと、上記対物レンズ周辺に設けられ対物レンズよりも光情報記録媒体側に突出したレンズプロテクターとを備え、上記レンズプロテクターの光情報記録媒体側端面の一部または全部であるカバー部が、高温度においても液化しない材料である構成である。これにより、レンズプロテクター端面が溶解(液化)し光情報記録媒体表面に付着することが防止できるので光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第9光学ピックアップ装置は、第8光学ピックアップ装置において、上記カバー部が、アクリル系紫外線硬化樹脂である構成である。これにより、レンズプロテクター端面が溶解(液化)し光情報記録媒体光ビーム入射面に付着することが低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できるので、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第10光学ピックアップ装置は、第8あるいは9光学ピックアップ装置において、上記カバー部が、光情報記録媒体光ビーム入射面と同程度以下の硬さであり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.6以下である構成である。これにより、上記光ビーム入射面への傷つきを低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減できるので、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第11光学ピックアップ装置は、第8あるいは9光学ピックアップ装置において、上記カバー部が、ポリカーボネート樹脂と同程度以下の硬さであり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.6以下である構成である。これにより、少なくとも現状で最も生産が容易な光ビーム照射面にポリカーボネートフィルムを用いた光情報記録媒体の光ビーム入射面への傷つきを低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。
また、第12光学ピックアップ装置は、第8あるいは9光学ピックアップ装置において、上記カバー部が、塑性変形硬さ11.4以下であり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.7以下である構成である。これにより、少なくとも現状で最も生産が容易な光ビーム照射面にポリカーボネートフィルムを用いた光情報記録媒体の光ビーム入射面への傷つきを低減できるため、光情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物を損傷することが低減でき、より信頼性の高い光学ピックアップ装置を得られる。また、第2光情報記録媒体記録/再生装置は、第8〜第12光学ピックアップ装置を用いた構成である。これにより、より信頼性の高い光情報記録媒体記録/再生装置を得られる。
また、第1磁気及び/又は光学ヘッドは、情報記録媒体摺動面に対向する空気浮上面及び/又は接触摺動面を有するスライダーを少なくとも有する磁気及び/又は光学ヘッドであって、上記スライダーの空気浮上面及び/又は接触摺動面の一部または全部であるカバー部が、上記カバー部と情報記録媒体摺動面との間で発生する熱で液化しない樹脂である構成である。これにより、スライダーの空気浮上面及び/又は接触摺動面が溶解(液化)し情報記録媒体摺動面に付着することが防止できるので、情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減でき、より信頼性の高い磁気及び/又は光学ヘッドを得られる。
また、第2磁気及び/又は光学ヘッドは、情報記録媒体摺動面に対向する空気浮上面及び/又は接触摺動面を有するスライダーを少なくとも有する磁気及び/又は光学ヘッドであって、上記スライダーの空気浮上面及び/又は接触摺動面の一部または全部であるカバー部が、高温度においても液化しない樹脂である構成である。これにより、スライダーの空気浮上面及び/又は接触摺動面が溶解(液化)し情報記録媒体摺動面に付着することが防止できるので、情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減でき、より信頼性の高い磁気及び/又は光学ヘッドを得られる。
また、第3磁気及び/又は光学ヘッドは、第2磁気及び/又は光学ヘッドにおいて、上記カバー部が、アクリル系紫外線硬化樹脂である構成である。これにより、スライダーの空気浮上面及び/又は接触摺動面が溶解(液化)し情報記録媒体摺動面に付着することが防止できるので、情報記録媒体に対する記録及び/又は再生への悪影響やユーザーの所有物の損傷を低減でき、より信頼性の高い磁気及び/又は光学ヘッドを得られる。
また、第1磁気情報記録媒体記録/再生装置は、第1〜3磁気及び/又は光学ヘッドを用いた構成である。これにより、より信頼性の高い情報記録媒体記録/再生装置を得られる。
また、本発明を、第13〜20光ピックアップ装置、第3光情報記録媒体記録/再生装置、第4〜第6記録/再生ヘッド、第2情報記録媒体記録/再生装置として表現することもできる。
すなわち、第13光ピックアップ装置は、光情報記録媒体の信号記録層にビーム光を照射することによって上記信号記録層に対する信号の読取および/または記録を行う光学ピックアップ装置であって、上記信号記録層にビーム光を照射する対物レンズと、上記対物レンズ周辺に設けられ対物レンズよりも光情報記録媒体側に突出したレンズプロテクターとを備え、上記レンズプロテクターの光情報記録媒体側端面の一部または全部であるカバー部が、上記カバー部と光情報記録媒体光ビーム入射面との間で発生する熱で液化しない材料である構成である。この装置は、摩擦熱で溶けない材料をカバー部に使用した光学ピックアップ装置である(摩擦熱にあわせてカバー部の材料を選択可能なもの)。
従来の光学ピックアップ装置のカバー部は、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂等で作られている。この材料は融点が160℃であるため、摩擦熱が160℃を超えると液化する。また、上記した衝突試験によれば、付着が見られたことから、想定しうる悪状況下でフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂とポリカーボネートとの間に発生する摩擦熱による温度は160℃以上であるといえる。
したがって、従来光学ピックアップ装置のカバー部は光情報記録媒体光ビーム入射面との間で発生する熱で液化する材料が使用されていることになる。
第13光ピックアップ装置では光情報記録媒体光ビーム入射面との間で発生する熱で液化しない材料をカバー部に用いているので、従来技術とは異なる。すなわち、カバー部が摩擦熱によって液化して、光ディスク表面に付着することを防止できる。つまり、ディスク表面に液化したカバー部が付着することによって生じる可能性のある信号の記録/再生不良が防止できる。なお、従来の光ピックアップ装置に用いられているカバー部では、液化し光ディスク表面に付着することは、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂とPCの衝突試験により明らかである(表2(6)参照)。
なお、第13光ピックアップ装置のカバー部を設計する場合、設計者は、「カバー部と光情報記録媒体光ビーム入射面との間で発生する熱で液化しないカバー部材料」を容易に特定できる。例えば、設計時に最も広く使用されているディスクに対する対策として、そのディスクのビーム入射面材料と設計者自身が実施したカバー材料との間で発生する熱は該設計者には測定可能であり、その結果に基づいて、上記の材料を特定可能となる。
また、第14光ピックアップ装置は、第13光ピックアップ装置において、上記カバー部の融点が160℃以上である(160℃で溶けない材料をカバー部に使用している)構成である。従来の光学ピックアップ装置のカバー部は、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂等で作られている。この材料は融点が160℃であるため、摩擦熱が160℃を超えると液化する。したがって、第14光ピックアップ装置では、160℃で液化しない材料をカバー部に用いているので、従来とは異なる。
第14光ピックアップ装置では、光ディスク表面とカバー部で発生する摩擦熱による温度が少なくとも160℃となるまでは、ディスク表面に液化したカバー部が付着することを防止でき、付着によって生じる可能性のある信号の記録/再生不良が防止できる。なお、従来の光ピックアップ装置に用いられているカバー部材料であるフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂では、上記した衝突試験の結果より、160℃で液化することは明らかである(表1(3)参照)。
また、第15光ピックアップ装置は、第13光ピックアップ装置において、上記カバー部が、上記カバー部とポリカーボネート樹脂との間で発生する熱で液化しない材料である構成である。この構成は、現時点で最も生産効率は良いが摺動性が悪いPCのディスク(おそらく生産されうる最悪のディスク)との間に発生する摩擦熱でも液化しない材料をカバー部に使用したものである。
従来の光学ピックアップ装置のカバー部は、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂等で作られている。この材料はディスク側の材質を現時点で最も生産効率は良いが摺動性が悪いPCとの摩擦によって液化する(表2(6)参照)。
したがって、第15光ピックアップ装置は、同様の状況で液化しない材料をカバー部に用いた光学ピックアップ装置であるので、従来技術とは異なる。
第15光ピックアップ装置では、光ディスクの再生面がPCであるおそらく生産されうる最悪のディスクとカバー部で発生する摩擦熱であっても液化が防止でき、付着によって生じる可能性のある信号の記録/再生不良が防止できる。
第15光ピックアップ装置のカバー部を設計する場合、設計者は「カバー部とポリカーボネート樹脂との間で発生する熱で液化しないカバー部材料」を容易に特定できる。例えばポリアセタール樹脂はグレード(同じ樹脂名の表記であっても、若干性質の異なる樹脂の意味)によって融点の異なるものが市販されており、より融点の高いグレードのポリアセタール樹脂に、フッ素系潤滑材を従来と同様に含有すれば、従来に比べてカバー部材料がディスクのビーム入射面に付着しにくいカバー部を容易に設計・実現できる。
また、第16光ピックアップ装置は、光情報記録媒体の信号記録層にビーム光を照射することによって上記信号記録層に対する信号の読取および/または記録を行う光学ピックアップ装置であって、上記信号記録層にビーム光を照射する対物レンズと、上記対物レンズ周辺に設けられ対物レンズよりも光情報記録媒体側に突出したレンズプロテクターとを備え、上記レンズプロテクターの光情報記録媒体側端面の一部または全部であるカバー部が、高温度においても液化しない材料である構成である。この装置は、カバー部の材料として、融点を持たないもの(高温で炭化や昇華する材料)を用いた構成である。したがって、擦熱による温度がどのようになっても、カバー部材料が液化して付着することはありえない。
従来の光学ピックアップ装置のカバー部は、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂等で作られている。この材料は融点が160℃であるため、摩擦熱が160℃を超えると液化する。したがって、従来光学ピックアップ装置のカバー部は高温(160℃)で液化するといえるので、高温で液化しないカバー部を有する第16光ピックアップ装置とは明確に差異がある。
第16光ピックアップ装置では、カバー部がどのような高温になっても、液化して、光ディスク表面に付着することを防止できる。すなわち、ディスク表面に液化したカバー部が付着することによって生じる可能性のある信号の記録/再生不良が防止できる。なお、従来の光ピックアップ装置に用いられているカバー部では、液化し光ディスク表面に付着することは、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂とPCの衝突紙面により明らか(表2(6)参照)。
また、第17光ピックアップ装置は、第16光ピックアップ装置において、上記カバー部が、アクリル系紫外線硬化樹脂である構成である。アクリル系紫外線硬化樹脂は高温で炭化するので、いかなる温度に有っても液化しない材質である。従来の光学ピックアップ装置のカバー部は、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂等で作られている。この材料は融点が160℃であるため、摩擦熱が160℃を超えると液化する。したがって、従来光学ピックアップ装置のカバー部は高温(160℃)で液化するといえるので、高温で液化しないカバー部を有する第17光ピックアップ装置とは明確に差異がある。
第17光ピックアップ装置では、カバー部がどのような高温になっても、液化して、光ディスク表面に付着することを防止できる。すなわち、ディスク表面に液化したカバー部が付着することによって生じる可能性のある信号の記録/再生不良が防止できる。なお、従来の光ピックアップ装置に用いられているカバー部では、液化し光ディスク表面に付着することは、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂とPCの衝突紙面により明らか(表2(6)参照)。
また、第18光ピックアップ装置は、第12〜第17光ピックアップ装置において、上記カバー部が、光情報記録媒体光ビーム入射面と同程度以下の硬さであり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.6未満である構成である。従来の光学ピックアップ装置のカバー部は、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂等で作られている(特性は表1(3)参照)。したがって、従来のカバー部では、おそらく生産されうる最悪の光ディスクであるPC製の再生面を有する光ディスクの場合では、再生面硬さとカバー部の硬さが同等になってしまい、その時の静止摩擦係数は0.6となってしまう(表1(3)参照)。よって、第18光ピックアップ装置は、少なくとも、従来よりも、硬さが使用されるディスク再生面(PC再生面含む)と同程度以下の硬さであり、かつ静止摩擦係数0.6未満の材料をカバー部に用いているので差異がある。
第18光ピックアップ装置によれば、少なくとも、おそらく生産されうる最悪の光ディスクであるPC製の再生面を有する光ディスクの場合では、従来よりも、光ディスク表面への傷つきが緩和されるので(摺動性が高く軟らかいため、一般論として傷つきにくいといえる)、傷や付着によって生じる信号の記録/再生不良の可能性が更に低下する。
なお、当業者であれば、『PCと同程度の硬さであって、PCに対する静止摩擦係数が0.6以下である』という条件だけで、カバー部の材料を開発可能である(例えば、潤滑材が混入可能なアクリル系紫外線硬化樹脂にフッ素系潤滑材を適量混入することで開発できる)。
また、第19光ピックアップ装置は、第13〜第17光ピックアップ装置において、上記カバー部が、ポリカーボネート樹脂と同程度以下の硬さであり、かつポリカーボネート樹脂との静止摩擦係数が0.6以下である構成である。従来の光学ピックアップ装置のカバー部は、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂等で作られている(表1(3)参照)。したがって、従来のカバー部では、おそらく生産されうる最悪の光ディスクであるPC製の再生面を有する光ディスクの場合では、再生面硬さとカバー部の硬さが同等になってしまい、その時の静止摩擦係数は0.6となってしまう(表1(3)参照)。よって、第19光ピックアップ装置は少なくとも、従来よりも、硬さが使用されるディスク再生面(PC再生面含む)と同程度以下の硬さであり、かつ静止摩擦係数0.6未満の材料をカバー部に用いた光学ピックアップ装置であるので従来技術とは差異がある。
第19光ピックアップ装置では、少なくとも、おそらく生産されうる最悪の光ディスクであるPC製の再生面を有する光ディスクの場合では、従来よりも、光ディスク表面への傷つきが緩和されるので(摺動性が高く軟らかいため、一般論として傷つきにくいといえる)、傷や付着によって生じる信号の記録/再生不良の可能性が低下する。
第20光ピックアップ装置は、第13〜第17光ピックアップ装置において、上記カバー部が、塑性変形硬さ11.4以下であり、かつ光情報記録媒体光ビーム入射面との静止摩擦係数が0.7以下である構成である。従来の光学ピックアップ装置のカバー部は、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂等で作られている。したがって、従来の塑性変形硬さは24.3であり、第20光ピックアップ装置では、塑性変形硬さ11.4以下の材料をカバー部に用いているので、従来技術とは差異がある。第20光ピックアップ装置では、少なくとも、おそらく生産されうる最悪の光ディスクであるPC製の再生面を有する光ディスクの場合でも、塑性変形硬さ11.4であって、再生面との摩擦係数が0.7のカバー部では、傷も付着も見られなかったことから(表2(2)参照)、塑性変形硬さ11.4以下であって、再生面との摩擦係数が0.7以下の材料を用いれば、少なくとも試験に用いたカバー部より、更に光ディスク表面への傷つきが緩和される事が容易に予想できるので、当然従来のカバー部に比較して傷や付着によって生じる信号の記録/再生不良の可能性が低下する。
また、第3光情報記録媒体記録/再生装置は、第13〜第20光ピックアップ装置のいずれかを用いた構成である。従来光学ピックアップを用いたドライブは、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂製カバー部を用いており、ディスクとの間で発生する熱で液化する材料であるので(表2(6)参照)、発生する熱で液化しない材料を用いる第3光情報記録媒体記録/再生装置とは差異がある。従来光学ピックアップを用いたドライブは、フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂製カバー部を用いているので、おそらく生産されうる最悪の光ディスクであるPC製の再生面を有する光ディスクを再生する場合には、光ディスク表面にカバー部付着する可能性があるが、第3光情報記録媒体記録/再生装置では、少なくともその可能性はなくなるので、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。
また、第4記録/再生ヘッドは、情報記録媒体摺動面に対向する空気浮上面および/または接触摺動面を有するスライダを少なくとも有する情報の記録/再生ヘッドであって、上記スライダの空気浮上面および/または接触摺動面の一部または全部であるカバー部が、上記カバー部と情報記録媒体摺動面との間で発生する熱で液化しない樹脂である構成である。ここで、空気浮上面および/または接触摺動とは、ヘッドには常時記録情報媒体と摺動するタイプと常時記録情報媒体上を浮上しているタイプと、情報記録媒体の回転初期には、接触摺動しており、その後回転数が上がると浮上するタイプがあるが、これらを全て含んだものである。また、情報の記録/再生ヘッドとは、磁気ヘッド(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディス、およびMDなどに用いられるヘッド)、浮上型光学ヘッド[相変化ディスクなどに用いられるヘッド],および浮上型光磁気ヘッド[光磁気ディスクに用いられるヘッド]の総称である。なお、浮上型光ヘッドと浮上型光磁気ヘッドとは、特許文献5のヘッドの1種であり、情報記録媒体回転に伴う気流によって、情報記録媒体の再生面上に対して一定の高さで浮上し、情報の記録/再生を行う対物レンズ付ヘッドのことであり、光学ピックアップ装置のように、光学ピックアップ装置内の対物レンズと情報の記録面との距離を一定に保つための機構であるアクチュエーターはない。
この第4記録/再生ヘッドは、擦熱で液化せず、従来のセラミック製カバー部より傷がつきにくい樹脂(セラミックスよりはるかに軟らかいため)からなるカバー部を有する情報の記録/再生ヘッドである。従来の情報の記録/再生ヘッド(特にハードディスク用磁気ヘッド)は、セラミックス(Al−TiC等)製カバー部を用いており、非常に硬い材質であるため、軟らかい樹脂製カバー部を有する第4記録/再生ヘッドとは差異がある。また、他の従来の情報の記録/再生ヘッド(特にMD用磁気ヘッド)用では、第4記録/再生ヘッドと同様、カバー部に樹脂(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂)が用いられているが、カバー部と情報記録媒体摺動面との間で発生する熱で液化する樹脂であり(表2(6)参照)、液化しない樹脂を用いる第4記録/再生ヘッドとは差異がある。
従来のヘッド(特にハードディスク用磁気ヘッド)は、カバー部がセラミック製であるため非常に硬く、衝突または摺動時に媒体に傷がつきやすかった。しかしながら、第4記録/再生ヘッドでは、セラミックスよりはるかに軟らかい樹脂をカバー部の材料としているため、少なくとも情報記録媒体を傷つける可能性は低くなり、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。また、他の従来の情報の記録/再生ヘッド(特にMD用磁気ヘッド)用では、第4記録/再生ヘッドと同様、カバー部に樹脂(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂)が用いられているが、ハードディスク用ヘッドと違い傷はつきにくい、しかし、この場合は、カバー部が液化し情報記録媒体に付着することは実験結果より明らか(依頼書の表26)参照)なので、液化しない樹脂をカバー部の材料とすることにより、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。
また、第5記録/再生ヘッドは、情報記録媒体摺動面に対向する空気浮上面および/または接触摺動面を有するスライダを少なくとも有する情報の記録/再生ヘッドであって、上記スライダの空気浮上面および/または接触摺動面の一部または全部であるカバー部が、高温度においても液化しない樹脂である構成である。このヘッドは、いかなる高温でも液化せず、従来のセラミック製カバー部より傷がつきにくい樹脂(セラミックスよりはるかに軟らかいため)からなるカバー部を有する情報の記録/再生ヘッドである。
従来の情報の記録/再生ヘッド(特にハードディスク用磁気ヘッド)は、セラミックス(Al−TiC等)製カバー部を用いており、非常に硬い材質であるため、軟らかい樹脂製カバー部を有する第5記録/再生ヘッドとは差異がある。また、他の従来の情報の記録/再生ヘッド(特にMD用磁気ヘッド)では、第5記録/再生ヘッドと同様、カバー部に樹脂(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂)が用いられているが、高温で液化する樹脂であり(融点160℃)、高温で液化しない樹脂を用いる第5記録/再生ヘッドとは差異がある。従来の情報の記録/再生ヘッド(特にハードディスク用磁気ヘッド)は、カバー部がセラミック製であるため非常に硬く、衝突または摺動時に媒体に傷がつきやすかった。しかしながら、第5記録/再生ヘッドでは、セラミックスよりはるかに軟らかい樹脂をカバー部の材料としているため、少なくとも媒体を傷つける可能性は低くなり、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。また、他の従来の情報の記録/再生ヘッド(特にMD用磁気ヘッド)用では、カバー部にフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂が用いられおり、ハードディスク用ヘッドと違い傷はつきにくい、しかし、この場合は、カバー部が液化し情報記録媒体に付着することは実験結果より明らか(表2(6)参照)なので、高温で液化しない樹脂をカバー部の材料とすることにより、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。
第6記録/再生ヘッドは、第5記録/再生ヘッドにおいて、上記カバー部が、アクリル系紫外線硬化樹脂である構成である。このヘッドは、いかなる高温でも液化せず、従来のセラミック製カバー部より傷がつきにくいアクリル系紫外線硬化樹脂(融点を持たず、高温で炭化し、セラミックスよりはるかに軟らかいため)からなるカバー部を有する情報の記録/再生ヘッドである。従来の情報の記録/再生ヘッド(特にハードディスク用磁気ヘッド)は、セラミックス(Al−TiC等)製カバー部を用いており、非常に硬い材質であるため、軟らかいアクリル系紫外線硬化樹脂製カバー部を有する第6記録/再生ヘッドとは差異がある。また、従来情報の記録/再生ヘッド(特にMD用磁気ヘッド)では、第6記録/再生ヘッドと同様、カバー部に樹脂(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂)が用いられているが熱で液化する樹脂であり、液化しないアクリル系紫外線硬化樹脂を用いる第6記録/再生ヘッドとは差異がある。従来の情報の記録/再生ヘッド(特にハードディスク用磁気ヘッド)は、カバー部がセラミック製であるため非常に硬く、衝突または摺動時に媒体に傷がつきやすかった。しかしながら、第6記録/再生ヘッドでは、セラミックスよりはるかに軟らかいアクリル系紫外線硬化樹脂をカバー部の材料としているため、少なくとも媒体を傷つける可能性は低くなり、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。また、他の従来の情報の記録/再生ヘッド(特にMD用磁気ヘッド)用では、カバー部にフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂が用いられおり、ハードディスク用ヘッドと違い傷はつきにくい、しかし、この場合は、カバー部が液化し情報記録媒体に付着することは実験結果より明らか(表2(6)参照)なので、液化しない樹脂(アクリル系紫外線硬化樹脂)をカバー部の材料とすることにより、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。
また、第2情報記録媒体記録/再生装置は、第4〜第6記録/再生ヘッドを用いた構成である。この装置は、少なくとも媒体との摩擦熱で液化せず、従来のセラミック製カバー部より傷がつきにくい樹脂(セラミックスよりはるかに軟らかいため)からなるカバー部を有する情報の記録/再生ヘッド(光学ピックアップは含まず)を用いたものである。従来の情報の記録/再生ヘッド(特にハードディスク用磁気ヘッド)は、セラミックス(Al−TiC等)製カバー部を用いており、非常に硬い材質であるため、軟らかい樹脂製カバー部を有する第2情報記録媒体記録/再生装置とは差異がある。また、他の従来の情報の記録/再生ヘッド(特にMD用磁気ヘッド)用では、第2情報記録媒体記録/再生装置と同様、カバー部に樹脂(フッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂)が用いられているが、カバー部と情報記録媒体摺動面との間で発生する熱で液化する樹脂であり(表2(6)参照)、液化しない樹脂を用いる第2情報記録媒体記録/再生装置とは差異がある。
従来の情報の記録/再生ヘッド(特にハードディスク用磁気ヘッド)は、カバー部がセラミック製であるため非常に硬く、衝突または摺動時に媒体に傷がつきやすかった。しかしながら、第2情報記録媒体記録/再生装置では、セラミックスよりはるかに軟らかい樹脂製カバー部を用いた磁気情報記録媒体記録/再生装置であるため、少なくとも媒体を傷つける可能性は低くなり、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。また、他の従来の情報の記録/再生ヘッド(特にMD用磁気ヘッド)用では、カバー部にフッ素系潤滑材含有ポリアセタール樹脂が用いられおり、ハードディスク用ヘッドと違い傷はつきにくい、しかし、この場合は、カバー部が液化し情報記録媒体に付着することは実験結果より明らか(表2(6)参照)なので、液化しない樹脂をカバー部の材料とすることにより、より信頼性の高い信号の記録/再生が可能になる。なお、カバー部とは、『情報記録媒体上を摺動(接触、衝突による極わずかな時間の摺動も含む)する可能性のある部分』のことである。
本発明は、光ディスク装置や磁気ディスク装置など、記録媒体に対する情報の記録・再生を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッド(光学ヘッド,磁気ヘッド)に対して好適なものである。
本発明の一実施形態にかかるディスク装置における光学ピックアップ装置の構成を示す説明図である。 図1に示した光学ピックアップ装置における、光学ヘッドの対物レンズの近傍を示す断面図である。 図1に示した光学ピックアップ装置を備えた、光ディスク装置の構成を示す説明図である。
符号の説明
1 メカデッキ
2 スピンドルモータ
3 レーザー制御回路
4 サーボ機構
5 記録系データ制御部
6 信号検出回路
7 エラー検出システム
8 信号処理回路
100 光ディスク
101 光ビーム入射面
102 信号記録層
103 基板
200 光学ピックアップ装置
201 光源
202 光検出器
203 ビームスプリッター
204 ミラー
205 支持部
206 2軸アクチュエーター
209 サスペンション
210 光学ヘッド(アクセスヘッド)
211 対物レンズ
212 レンズプロテクター
213 カバー部(摺動部位)
A〜E アクリル系紫外線硬化樹脂
L レーザー光
La 反射レーザー光

Claims (16)

  1. 光記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられる光学ヘッドにおいて、
    光記録媒体に近接する摺動部位が、光記録媒体との摩擦熱では液化しない材料から構成されていることを特徴とする光学ヘッド。
  2. 上記摺動部位が、160℃以下の温度では液化しない材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学ヘッド。
  3. 上記摺動部位が、ポリカーボネート樹脂からなる表面を有する光記録媒体との間で発生する摩擦熱で液化しない材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学ヘッド。
  4. 上記摺動部位が、高温で昇華あるいは炭化する材料からなることを特徴とする請求項1に記載の光学ヘッド。
  5. 上記摺動部位の材料が、アクリル系紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の光学ヘッド。
  6. 上記摺動部位が、塑性変形硬さ11.4以下であり、かつ、記録媒体の表面材料との静止摩擦係数が0.7以下であることを特徴とする請求項4に記載の光学ヘッド。
  7. 上記摺動部位の材料が、光記録媒体の表面と同程度以下の硬さであり、この表面との静止摩擦係数が0.6未満であることを特徴とする請求項1に記載の光学ヘッド。
  8. 上記摺動部位の材料が、ポリカーボネート樹脂と同程度以下の硬さであり、ポリカーボネート樹脂との静止摩擦係数が0.6未満であることを特徴とする請求項1に記載の光学ヘッド。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の光学ヘッドを備えた光ピックアップ装置。
  10. 請求項9に記載の光学ピックアップ装置を備えた光ディスク装置。
  11. 記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドにおいて、
    記録媒体に近接する摺動部位が、記録媒体との摩擦熱では液化しない樹脂材料から構成されていることを特徴とするアクセスヘッド。
  12. 上記摺動部位が、高温で昇華あるいは炭化する樹脂材料からなることを特徴とする請求項11に記載のアクセスヘッド。
  13. 上記摺動部位の材料が、アクリル系紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項11に記載のアクセスヘッド。
  14. 請求項11〜13のいずれかに記載のアクセスヘッドを備えた媒体駆動装置。
  15. 光記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられる光学ヘッドの製造方法において、
    光記録媒体に近接する摺動部位の材料として、光記録媒体との摩擦熱では液化しない材料を用いることを特徴とする光学ヘッドの製造方法。
  16. 記録媒体に対して情報の記録あるいは再生の少なくとも一方を行う媒体駆動装置に備えられるアクセスヘッドの製造方法において、
    記録媒体に近接する摺動部位の材料として、光記録媒体との摩擦熱では液化しない樹脂材料を用いることを特徴とするアクセスヘッドの製造方法。
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