図1は本発明の好ましい実施形態における渦電流を利用した検査システムの構成を概略的に示す構成図であり、図2は図1の実施形態における渦電流プローブ(ECTプローブ)の構成を概略的に示す斜視図であり、図3は図2のIII−III線断面図である。
これらの図において、10はECTプローブ、11は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成されたその可撓性基板、12は基板11の測定面11aとは反対側の面11b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、13及び14は基板11上に形成されており、励磁コイル12の両端に電気的に接続されている1対の電極端子、15〜19は励磁コイル12上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップ、20は被検査体、20aは被検査体20の表面に現れた傷、割れなどの欠陥、21はECTプローブ10の各GMR素子に電気的に接続されており、これらGMR素子へセンス電流を供給すると共に各GMR素子からの信号を取り出すマルチプレクサ、22はマルチプレクサ21を介して各GMR素子からの信号を受け取り、そのレベル検出を行なうロックインアンプ、23はロックインアンプ22から入力される信号をデータ処理し、画像表示等を行なうコンピュータ、24は交番励磁電流をECTプローブ10の励磁コイル12へ供給すると共にこの励磁電流を参照信号としてロックインアンプ22へ供給する交番励磁電流源をそれぞれ示している。
励磁コイル12は、絶縁性の基板11上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル12の励磁部は、基板11のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ15〜19は、励磁コイル12のX方向で中央部に位置する1対の電流線路12a及び12bの中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ15〜19は、励磁コイル12の被検査体20とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ15〜19の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板11は、図3から分かるように、被検査体20に対向する測定面11aが、1つの凸面を有する波形形状となるように、その横手方向(X方向)に沿って湾曲した非平面形状となっている。この基板11の反対側の面11b上であって、1つの凸面に対応する1つの凹面上に励磁コイル12を介して薄膜チップ15〜19が搭載されている。
このように、基板の測定面11aが1つの凸面の波形形状となっているため、被検査体20と対向する又は接触する面積が小さくなるので、スティクションが非常に発生しにくくなり、また、たとえスティクションが生じたとしても被検査体20からプローブを引き離すための力を大幅に小さくできる。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。また、薄膜チップ15〜19が基板11の反対側の面11b上の凹面上に搭載されているので、被検査体20の表面からGMR素子までの距離は増大せず、従って、高分解能を得ることができる。
図4は本発明の他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す斜視図であり、図5は図4のV−V線断面図である。
これらの図において、41は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、42は基板41の測定面41aとは反対側の面41b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、43及び44は基板41上に形成されており、励磁コイル42の両端に電気的に接続されている1対の電極端子、45及び46は励磁コイル42上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル42は、絶縁性の基板41上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル42の励磁部は、基板41のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ45及び46は、励磁コイル42のX方向で互いに異なる位置にある2対の電流線路42a及び42b並びに42c及び42dの中心軸線上にそれぞれ配置されている。これら薄膜チップ45及び46は、励磁コイル42の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ45及び46の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板41は、図5から分かるように、被検査体に対向する測定面41aが、2つの凸面を有する波形形状となるように、その横手方向(X方向)に沿って湾曲した非平面形状となっている。この基板41の反対側の面41b上であって、2つの凸面に対応する2つの凹面上に励磁コイル42を介して薄膜チップ45及び46がそれぞれ搭載されている。
このように、基板の測定面41aが2つの凸面の波形形状となっているため、被検査体と対向する又は接触する面積が小さくなるので、スティクションが非常に発生しにくくなり、また、たとえスティクションが生じたとしても被検査体からプローブを引き離すための力を大幅に小さくできる。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。また、薄膜チップ45及び46が基板41の反対側の面41b上の2つの凹面上にそれぞれ搭載されているので、被検査体の表面からGMR素子までの距離は増大せず、従って、高分解能を得ることができる。
図6は、図4の実施形態の一変更態様の構成を概略的に示す断面図である。
この変更態様において、基板41´は、被検査体に対向するその測定面41a´が、中央が平面状となっている1つの凸面を有する波形形状となるように、その横手方向(X方向)に沿って湾曲した非平面形状となっている。この基板41´の反対側の面41b´上であって、中央が平面状となっている1つの凸面に対応する平面状となっている1つの凹面上のX方向で互いに異なる位置には励磁コイル42を介して薄膜チップ45及び46がそれぞれ搭載されている。この変更態様におけるその他の構成は、図4の実施形態の場合とほぼ同様である。
この変更態様では、基板の測定面41a´が中央が平面状となっている1つの凸面の波形形状となっているため、被検査体と対向する又は接触する面積が小さくなるので、スティクションが非常に発生しにくくなり、また、たとえスティクションが生じたとしても被検査体からプローブを引き離すための力を小さくできる。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。また、薄膜チップ45及び46が基板41´の反対側の面41b´上の中央が平面状となっている1つの凹面上にそれぞれ搭載されているので、被検査体の表面からGMR素子までの距離は増大せず、従って、高分解能を得ることができる。
図7は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成及び被検査体を概略的に示す斜視図であり、図8は図7のVIII−VIII線断面図である。
これらの図において、70はECTプローブ、71は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成されたその可撓性基板、72は基板71の測定面とは反対側の面上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、75は励磁コイル72上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している多数の薄膜チップ、80は被検査体をそれぞれ示している。
薄膜チップ75は、励磁コイル72のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ75は、励磁コイル72の被検査体80とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ75の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板71は、図3から分かるように、被検査体80に対向する測定面が、1つの凸面を有する波形形状となるように、その横手方向(X方向)に沿って湾曲した非平面形状となっており、さらに、ECTプローブ70の走査方向81とは垂直の方向(Z方向)において被検査体80の曲面状表面に沿って柔軟に湾曲するような可撓性を有している。この基板71の反対側の面上であって、1つの凸面に対応する1つの凹面上に励磁コイル72を介して薄膜チップ75が搭載されている。
この実施形態におけるその他の構成は、図1の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面が1つの凸面の波形形状となっているため、被検査体80と対向する又は接触する面積が小さくなるので、スティクションが非常に発生しにくくなり、また、たとえスティクションが生じたとしても被検査体80からプローブを引き離すための力を大幅に小さくできる。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。また、薄膜チップ75が基板71の反対側の面上の凹面上に搭載されているので、被検査体80の表面からGMR素子までの距離は増大せず、従って、高分解能を得ることができる。
図9は本発明のまたさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す斜視図であり、図10は図9のX−X線断面図である。ただし、図9は図2とは反対側の面、即ち被検査体に対向する測定面、側から見た図である。
これらの図において、91は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、92は基板91の測定面91aとは反対側の面91b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、93及び94は基板91上に形成されており、励磁コイル92の両端に電気的に接続されている1対の電極端子、95〜99は励磁コイル92上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル92は、絶縁性の基板91上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル92の励磁部は、基板91のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ95〜99は、励磁コイル92のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ95〜99は、励磁コイル92の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ95〜99の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板91は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面91aの一部が、例えばブラスト加工などによる粗面又はエンボス面などの機械的な多数の好ましくは微小な凹凸91cを有する面となっている。
このように、基板の測定面91aが機械的な多数の凹凸91cを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図11は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す斜視図であり、図12は図11のXII−XII線断面図である。ただし、図11は図2とは反対側の面、即ち被検査体に対向する測定面、側から見た図である。
これらの図において、111は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、112は基板111の測定面111aとは反対側の面111b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、113及び114は基板111上に形成されており、励磁コイル112の両端に電気的に接続されている1対の電極端子、115〜119は励磁コイル112上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル112は、絶縁性の基板111上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル112の励磁部は、基板111のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ115〜119は、励磁コイル112のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ115〜119は、励磁コイル112の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ115〜119の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板111は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面111aの一部が、基板111の横手方向(X方向)に沿った多数の好ましくは微小な溝111cを有する面となっている。
このように、基板の測定面111aが機械的な多数の横手方向の溝111cを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図13は図11の実施形態の一変更態様におけるECTプローブの構成を概略的に示す斜視図である。ただし、図13は図2とは反対側の面、即ち被検査体に対向する測定面、側から見た図である。
この変更態様において、基板111´は、全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面111a´の一部が、基板111´の長手方向(Z方向)に沿った多数の好ましくは微小な溝111c´を有する面となっている。この変更態様におけるその他の構成は、図11の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面111a´が機械的な多数の長手方向の溝111c´を有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図14は図11の実施形態の他の変更態様におけるECTプローブの構成を概略的に示す斜視図である。ただし、図14は図2とは反対側の面、即ち被検査体に対向する測定面、側から見た図である。
この変更態様において、基板111´´は、全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面111a´´の一部が、基板111´´の横手方向(X方向)に対して斜めの方向に沿った多数の好ましくは微小な溝111c´´を有する面となっている。この変更態様におけるその他の構成は、図11の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面111a´´が機械的な多数の斜め方向の溝111c´´を有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図15は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す斜視図であり、図16は図15のXVI−XVI線断面図である。ただし、図15は図2とは反対側の面、即ち被検査体に対向する測定面、側から見た図である。
これらの図において、151は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、152は基板151の測定面151aとは反対側の面151b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、153及び154は基板151上に形成されており、励磁コイル152の両端に電気的に接続されている1対の電極端子、155〜159は励磁コイル152上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル152は、絶縁性の基板151上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル152の励磁部は、基板151のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ155〜159は、励磁コイル152のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ155〜159は、励磁コイル152の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ155〜159の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板151は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面151aの一部が、多数の好ましくは微小なめくら孔151cを有する面となっている。
このように、基板の測定面151aが機械的な多数のめくら孔151cを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図17は図15の実施形態の一変更態様におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
この変更態様において、基板151´は、全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面151a´の一部が、多数の好ましくは微小な貫通孔151c´を有する面となっている。この変更態様におけるその他の構成は、図15の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面151a´が多数の貫通孔151c´を有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図18は本発明のまたさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、181は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、182は基板181の測定面181aとは反対側の面181b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、185〜189は励磁コイル182上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル182は、絶縁性の基板181上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル182の励磁部は、基板181のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ185〜189は、励磁コイル182のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ185〜189は、励磁コイル182の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ185〜189の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板181は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面181aの一部に潤滑油などの潤滑剤181dが塗布されている。本実施形態におけるその他の構成は、基板181が平面形状であることを除いて図1の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面181aの一部が潤滑剤層181dを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図19は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、191は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、192は基板191の測定面191aとは反対側の面191b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、195〜199は励磁コイル192上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル192は、絶縁性の基板191上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル192の励磁部は、基板191のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ195〜199は、励磁コイル192のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ195〜199は、励磁コイル192の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ195〜199の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板191は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面191aの一部が、基板191の横手方向(X方向)若しくは長手方向(Z方向)に沿った又は横手方向(X方向)に対して斜めの方向に沿った、多数の好ましくは微小な溝191cを有しており、さらにその上に、潤滑油などの潤滑剤191dが塗布されている。本実施形態におけるその他の構成は、図11の実施形態、図13又は図14の変更態様の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面191aの一部が多数の溝191c及び潤滑剤層191dを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図20は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、201は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、202は基板201の測定面201aとは反対側の面201b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、205〜209は励磁コイル202上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル202は、絶縁性の基板201上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル202の励磁部は、基板201のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ205〜209は、励磁コイル202のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ205〜209は、励磁コイル202の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ205〜209の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板201は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面201aの一部が、多数の好ましくは微小なめくら孔201cを有しており、さらにその上に、潤滑油などの潤滑剤201dが塗布されている。本実施形態におけるその他の構成は、図15の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面201aの一部が多数のめくら孔201c及び潤滑剤層201dを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図21は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、211は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、212は基板211の測定面211aとは反対側の面211b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、215〜219は励磁コイル212上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル212は、絶縁性の基板211上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル212の励磁部は、基板211のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ215〜219は、励磁コイル212のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ215〜219は、励磁コイル212の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ215〜219の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板211は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面211aの一部が、多数の好ましくは微小な貫通孔211cを有しており、さらにその上に、潤滑油などの潤滑剤211dが塗布されている。本実施形態におけるその他の構成は、図17の変更態様の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面211aの一部が多数の貫通孔211c及び潤滑剤層211dを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図22は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、221は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、222は基板221の測定面221aとは反対側の面221b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、225〜229は励磁コイル222上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル222は、絶縁性の基板221上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル222の励磁部は、基板221のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ225〜229は、励磁コイル222のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ225〜229は、励磁コイル222の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ225〜229の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板221は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面221aの一部にDLC層221eが被着されている。本実施形態におけるその他の構成は、基板221が平面形状であることを除いて図1の実施形態とさらに図18の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面221aの一部がDLC層221eを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図23は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、231は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、232は基板231の測定面231aとは反対側の面231b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、235〜239は励磁コイル232上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル232は、絶縁性の基板231上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル232の励磁部は、基板231のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ235〜239は、励磁コイル232のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ235〜239は、励磁コイル232の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ235〜239の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板231は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面231aの一部が、基板231の横手方向(X方向)若しくは長手方向(Z方向)に沿った又は横手方向(X方向)に対して斜めの方向に沿った、多数の好ましくは微小な溝231cを有しており、さらにその上に、DLC層231eが被着されている。本実施形態におけるその他の構成は、図11の実施形態、図13又は図14の変更態様の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面231aの一部が多数の溝231c及びDLC層231eを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図24は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、241は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、242は基板241の測定面241aとは反対側の面241b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、245〜249は励磁コイル242上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル242は、絶縁性の基板241上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル242の励磁部は、基板241のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ245〜249は、励磁コイル242のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ245〜249は、励磁コイル242の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ245〜249の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板241は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面241aの一部が、多数の好ましくは微小なめくら孔241cを有しており、さらにその上に、DLC層241eが被着されている。本実施形態におけるその他の構成は、図15の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面241aの一部が多数のめくら孔241c及びDLC層241eを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図25は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、251は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、252は基板251の測定面251aとは反対側の面251b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、255〜259は励磁コイル252上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル252は、絶縁性の基板251上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル252の励磁部は、基板251のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ255〜259は、励磁コイル252のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ255〜259は、励磁コイル252の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ255〜259の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板251は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面251aの一部が、多数の好ましくは微小な貫通孔251cを有しており、さらにその上に、DLC層251eが被着されている。本実施形態におけるその他の構成は、図17の変更態様の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面251aの一部が多数の貫通孔251c及びDLC層251eを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図26は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、261は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、262は基板261の測定面261aとは反対側の面261b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、265〜269は励磁コイル262上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル262は、絶縁性の基板261上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル262の励磁部は、基板261のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ265〜269は、励磁コイル262のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ265〜269は、励磁コイル262の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ265〜269の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板261は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面261aの一部にDLC層261eが被着されており、さらにその上に潤滑油などの潤滑剤261dが塗布されている。本実施形態におけるその他の構成は、基板261が平面形状であることを除いて図1の実施形態とさらに図18の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面261aの一部がDLC層261e及び潤滑剤層261dを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図27は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、271は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、272は基板271の測定面271aとは反対側の面271b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、275〜279は励磁コイル272上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル272は、絶縁性の基板271上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル272の励磁部は、基板271のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ275〜279は、励磁コイル272のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ275〜279は、励磁コイル272の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ275〜279の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板271は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面271aの一部が、基板271の横手方向(X方向)若しくは長手方向(Z方向)に沿った又は横手方向(X方向)に対して斜めの方向に沿った、多数の好ましくは微小な溝271cを有しており、その上に、DLC層271eが被着されており、さらにその上に潤滑油などの潤滑剤271dが塗布されている。本実施形態におけるその他の構成は、図11の実施形態、図13又は図14の変更態様の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面271aの一部が多数の溝271c、DLC層271e及び潤滑剤層271dを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図28は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、281は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、282は基板281の測定面281aとは反対側の面281b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、285〜289は励磁コイル282上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル282は、絶縁性の基板281上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル282の励磁部は、基板281のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ285〜289は、励磁コイル282のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ285〜289は、励磁コイル282の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ285〜289の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板281は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面281aの一部が、多数の好ましくは微小なめくら孔281cを有しており、その上に、DLC層281eが被着されており、さらにその上に潤滑油などの潤滑剤281dが塗布されている。本実施形態におけるその他の構成は、図15の実施形態の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面281aの一部が多数のめくら孔281c、DLC層281e及び潤滑剤層281dを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
図29は本発明のさらに他の実施形態におけるECTプローブの構成を概略的に示す断面図である。
同図において、291は例えばポリイミドなどの絶縁材料によって形成された可撓性基板、292は基板291の測定面291aとは反対側の面291b上に折り返しを有する平面パターンとして形成されたコイル導体からなるミアンダ形の励磁コイル、295〜299は励磁コイル292上に固着されており、各々が例えばSVMR素子などのGMR素子(渦電流センサ)を搭載している薄膜チップをそれぞれ示している。
励磁コイル292は、絶縁性の基板291上に形成されたコイル導体層と、このコイル導体層を覆う絶縁層とから構成されている。励磁コイル292の励磁部は、基板291のZ方向に互いに平行に伸長し両端部で折り返している複数の電流線路を有している。隣り合う電流線路には、検査時に、互いに逆方向の交番励磁電流が流れる。
薄膜チップ295〜299は、励磁コイル292のX方向で中央部に位置する1対の電流線路の中心軸線上に一列状態で配列されている。これら薄膜チップ295〜299は、励磁コイル292の被検査体とは反対側の面上に固着されている。
薄膜チップ295〜299の各々は、チップ基板上に、例えばSVMR素子などのGMR素子と、そのGMR素子に電気的に接続された1対のリード導体と、リード導体にそれぞれ電気的に接続された1対の電極端子とを薄膜技術によって形成したものである。
本実施形態において、基板291は全体が平面形状となっているが、その被検査体に対向する測定面291aの一部が、多数の好ましくは微小な貫通孔291cを有しており、その上に、DLC層291eが被着されており、さらにその上に潤滑油などの潤滑剤291dが塗布されている。本実施形態におけるその他の構成は、図17の変更態様の場合とほぼ同様である。
このように、基板の測定面291aの一部が多数の貫通孔291c、DLC層291e及び潤滑剤層291dを有する面となっているため、スティクションが発生しにくくなっている。その結果、スティクションによる破損確率が大幅に減少し、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
なお、上述の実施形態は、薄膜チップがSVMR素子などのGMR素子を備えている場合について述べたが、薄膜チップが、GMR素子に代えて、さらに高感度のTMR素子を備えていても良いことは明らかである。
さらに、渦電流センサとして、GMR素子に代えて、高感度の検出コイルを用いても良いことも明らかである。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。 従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。