JP2006105067A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一つの燃料噴射弁で噴霧の特性、形状等の切換えられる機能を有する構成を簡素化可能な燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】 第1噴孔21および第2噴孔22を有するノズルボディ11と、ノズルボディ11内に移動可能に配置され、第1噴孔21を開閉する第1ニードル31、および第2噴孔22を開閉する第2ニードル32を有するノズルニードル30と、ノズルニードル30に協働可能な可動コア50と、可動コア50に軸方向に対峙し、磁性体からなるコア60と、可動コア50およびコア60に磁力を作用可能な駆動コイル70と、コア60を反可動コア側に吸引および反発可能な磁化部材80とを備え、ノズルニードル30は、第1噴孔21および第2噴孔22の噴孔面積を独立して増減させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料噴射装置に関する。
燃料噴射装置としては、例えば燃料を直接、内燃機関の筒内すなわち燃焼室に噴射する燃料噴射弁が知られている。この種の燃料噴射弁から供給された燃料は、燃焼室において空気と混合され、燃焼室内に可燃混合気を形成する。燃焼室内の可燃混合気はピストン運動により圧縮された後、点火プラグ等の点火装置により着火燃焼し、内燃機関の動力として利用されている。燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の特性、形状は、機関運転状態により最適な状態がある。
その実現手段として、特許文献1は、気筒に設けた二つの燃料噴射弁を用いて噴霧形状を切換える技術を開示している。第1の燃料噴射弁は圧縮行程中にピストン頂部に形成されたキャビティ内へいわゆる成層燃焼に適した燃料噴射が可能なものであり、第2の燃料噴射弁は第1燃料噴射弁に比べて点火プラグ側に噴射可能で主に吸気行程中に噴射し、均質燃焼に適したものである。
特許文献2は、噴孔プレートに形成された噴孔の開口面積を可変にする技術が開示されている。この特許文献2の開示する従来技術によると、噴孔プレートを圧電素子で構成しこれに電圧を加えて噴孔プレートを膨張または縮小させることで、噴孔を縮小または拡径に可変するようにしている。
特開2001−214744号公報 特開平11−107890号公報
従来技術では、例えば成層燃焼に適した燃料噴霧と均質燃焼に適した燃料噴霧に切換えるなど、一つの燃料噴射弁を用いて真に機関運転状態などに求められる噴霧形状に切換えることは難しい。
また、近年、可変噴孔技術の要望があるが、上記特許文献2などの従来技術では、例えば噴射用ソレノイド以外に、圧電素子などを設けることが必要となるため、システムの複雑化を招き、コストアップは避けられないという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、一つの燃料噴射弁で噴霧の特性、形状等の切換えられる機能を有する構成を簡素化可能な燃料噴射装置を提供することにある。
また、別の目的は、一つの燃料噴射弁で噴霧の特性、形状等の切換えられる機能を有する構成の簡素化が図れるとともに、燃料の噴射方向の変更または噴射の一部禁止が可能な燃料噴射装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。請求項1乃至請求項10に記載の燃料噴射装置では、第1噴孔および第2噴孔を有するノズルボディと、ノズルボディ内に移動可能に配置され、第1噴孔を開閉する第1ニードル、および第2噴孔を開閉する第2ニードルを有するノズルニードルと、ノズルニードルに協働可能な可動コアと、可動コアに軸方向に対峙し、磁性体からなるコアと、可動コアおよびコアに磁力を作用可能な駆動コイルと、コアを反可動コア側に吸引および反発可能な磁化部材とを備え、ノズルニードルは、第1噴孔および第2噴孔の噴孔面積を独立して増減させることを特徴としている。
これによると、ノズルボディに設けられている第1噴孔および第2噴孔は、それぞれ、ノズルニードルを構成する第1ニードルおよび第2ニードルにより開閉される。さらに、これら第1ニードルおよび第2ニードルを駆動する駆動手段として、可動コアと、可動コアに軸方向に対峙し、磁性体からなるコアと、可動コアおよびコアに磁力を作用可能な駆動コイルと、例えばその磁力の磁極方向に応じてコアを、反可動コア側に吸引および可動コア側に反発可能な磁化部材とを有し、第1噴孔および第2噴孔の噴孔面積が独立して増減されるようにしている。これにより、磁化部材、駆動コイルなどの電磁駆動部による簡素な構成によって、第1ニードルおよび第2ニードルを駆動し第1噴孔および第2噴孔の噴孔面積を独立して切換えることができるので、一つの燃料噴射弁で噴霧の特性、形状等の切換えられる機能を有する構成の簡素化が図れる。
なお、磁化部材は、着磁された永久磁石、あるいは駆動コイルとは別のコイルなど、所定の磁力が発生するように磁化されるものであればいずれの部材であってもよい。
特に、本発明の請求項2に記載の燃料噴射装置では、磁化部材は、コアの反可動コア側に配置された永久磁石であることを特徴としている。
第1ニードルおよび第2ニードルを駆動する駆動手段において、磁化部材が例えば電流供給により磁力発生するコイルなどの駆動部材である場合には、駆動コイルを駆動するための消費電力量以外に、駆動部材を駆動するための消費電力量が必要となる。これに対して請求項2に記載の燃料噴射装置では、着磁され、常に所定の磁力が発生するように磁化された永久磁石を磁化部材として用いるので、噴霧の特性、形状等の切換えられる機能を有する燃料噴射装置を駆動するための消費電力量の低減が図れる。
本発明の請求項3に記載の燃料噴射装置では、コアと永久磁石との間には、磁性体が配設されていることを特徴としている。
これによると、コアと永久磁石との間には、磁性体が配設されていることが好ましい。例えば駆動コイルへの通電により可動コアおよびコアに発生する磁界(磁力の方向)と永久磁石の磁界とが逆方向となる場合には、駆動コイルの磁束の流れは、その磁束の流れに対して磁気抵抗となる永久磁石自身に直接作用せず、永久磁石とコアの間に設けられた磁性体に作用するため、永久磁石の磁束の影響を緩和または除去できる。したがって、駆動コイルに発生する電磁力を効率的に利用することができる。
本発明の請求項4に記載の燃料噴射装置では、第1ニードルと第2ニードルを、内外に二重に配置していることを特徴としている。
これによると、第1ニードルと第2ニードルを内外に二重に配置しているので、第1ニードルと第2ニードルは、第1噴孔、第2噴孔を開閉するためのノズルボディへの着座および離座が独立して実施できる。また、第1噴孔、第2噴孔が複数個有する場合、各第1噴孔、各第2噴孔を、それぞれ周方向に配置することができる。
本発明の請求項5に記載の燃料噴射装置では、駆動コイルへの通電方向を、第1ニードルを吸引するときと、第2ニードルを吸引するときとで逆転させることを特徴としている。
これによると、第1噴孔、第2噴孔を開閉するための方法として、第1ニードルを吸引する場合と、第2ニードルを吸引する場合とで駆動コイルの通電方向を逆転させるだけであるので、可変噴孔が比較的容易に実行できる。
本発明の請求項6に記載の燃料噴射装置では、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置において、ノズルニードルは、第1ニードルおよび第2ニードルのうち、いずれか一方のニードルが可動コアと協働し、他方のニードルがコアと協働することを特徴としている。
これによると、駆動コイルの通電によりコアに発生する磁界が磁化部材の磁界と逆方向の場合には、可動コアと協働する一方のニードルに対応する噴孔のみを開口し、その通電方向が逆転されコアの磁界が磁化部材の磁界と同方向になる場合には、コアに協働する他方のニードルに対応する噴孔を開口することができる。
本発明の請求項7に記載の燃料噴射装置では、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置において、第1ニードルと第2ニードルとを当接させて第1ニードルおよび第2ニードルを開弁方向に移動させることを特徴としている。
これによると、第1ニードルおよび第2ニードルのうち一方のニードルを可動コアに協働するように構成するだけで、他方のニードルをコアに直接的に協働するようにしない場合であっても、第1噴孔、第2噴孔を開閉するための第1ニードル、第2ニードルの開弁方向への移動を行うことができる。
本発明の請求項8に記載の燃料噴射装置では、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の燃料噴射装置は、吸気ポートと、吸気ポートの壁面に着座および離座する二つの吸気弁と、吸気弁が離座することで吸気弁と壁面との隙間から吸気ポート内を流れる空気を導く燃焼室とを備える内燃機関に用いられ、二つの吸気弁のうち一方が離座しているときには第1ニードルを開弁方向に移動させ、二つの吸気弁の両方が離座しているときには第1ニードルおよび第2ニードルを開弁方向に移動させることを特徴としている。
例えば吸気ポート内に燃料を噴射するいわゆるポート噴射においてリーンバーン燃焼をさせたい場合、二つの吸気弁のうち一方の吸気弁を休止させて比較的強いスワールを発生する方法が考えられる。しかしながら、その吸気弁を完全に休止させると、休止した吸気弁にポート噴射された燃料が付着してしまうため、吸気弁を完全に閉じられないという問題がある。
これに対して、請求項8に記載の燃料噴射装置では、二つの吸気弁のうち一方が離座つまり他方が着座し休止している場合には第1ニードルを開弁方向に移動させ、二つの吸気弁の両方が離座している場合には第1ニードルおよび第2ニードルを開弁方向に移動させるので、他方の吸気弁が休止中は第2ニードルに対応する第2噴孔の噴射が休止され、両方の吸気弁が離座している場合には第1ニードルおよび第2ニードルに対応する第1噴孔および第2噴孔の噴射が許容される。したがって、二つの吸気弁のうちいずれかが休止中は、噴射燃料の全体としての噴射方向の変更または一部方向へ噴射の禁止が可能である。
本発明の請求項9に記載の燃料噴射装置では、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の燃料噴射装置は、気筒内に直接燃料が供給される内燃機関に用いられ、成層燃焼運転時には第1ニードルを開弁方向に移動させ、均質燃焼運転時には第1ニードルおよび第2ニードルを開弁方向に移動させることを特徴としている。
これによると、成層燃焼運転時には第1ニードルを開弁方向に移動させて第1噴孔からの燃料のみを許容し、均質燃焼運転時には第1ニードルおよび第2ニードルを開弁方向に移動させて第1噴孔および第2噴孔の両方の燃料噴射が許容されるので、成層燃焼運転時には一方方向へ噴射でき、均質燃焼運転時には燃料噴射を広く分散させることが可能である。
本発明の請求項10に記載の燃料噴射装置では、駆動コイルへの通電方向を切換える切換手段を備えていることを特徴としている。
これによると、切換手段によって駆動コイルへの通電方向を切換えるので、コア
あるいは可動コアの磁極を反転させることができる。
本発明の請求項11に記載の燃料噴射装置では、二つの吸気弁と、吸気弁の開時に空気を導く燃焼室とを備える内燃機関に用いられ、内燃機関へ燃料を噴射する燃料噴射装置において、燃料の噴射方向を略一方方向に噴射する第1噴孔群、および第1噴孔群の噴射方向と異なる噴射方向に噴射する第2噴孔群を有するノズルボディと、第1噴孔群を開閉する第1ニードル、および第2噴孔群を開閉する第2ニードルを有するノズルニードルと、第1ニードルおよび第2ニードルのリフト量を可変にするリフト可変手段とを備え、リフト可変手段は、二つの吸気弁のうち一方が弁運転を休止しているときには第1ニードルを開弁させ、二つの吸気弁の両方が弁運転しているときには第1ニードルおよび第2ニードルを開弁させることを特徴としている。
これによると、燃料の噴射方向を略一方方向に噴射する第1噴孔群、および第1噴孔群の噴射方向と異なる噴射方向に噴射する第2噴孔群を有するノズルボディと、第1噴孔群を開閉する第1ニードル、および第2噴孔群を開閉する第2ニードルを有するノズルニードルとを備えるので、例えば第1噴孔群から噴射される燃料を二つの吸気弁の他方へ供給し、第2噴孔群から噴射される燃料を一方へ供給することが可能である。さらに、第1ニードルおよび第2ニードルのリフト量を可変にするリフト可変手段は、二つの吸気弁のうち一方が弁運転を休止しているときには第1ニードルを開弁させ、二つの吸気弁の両方が弁運転しているときには第1ニードルおよび第2ニードルを開弁させるので、一方の吸気弁が弁運転を休止しているときには一方の吸気弁への燃料供給を休止し、第1噴孔群から他方の吸気弁へ燃料供給ができる。
本発明の請求項12に記載の燃料噴射装置では、気筒内に直接燃料が供給される内燃機関に用いられ、内燃機関へ燃料を噴射する燃料噴射装置において、燃料の噴射方向を略一方方向に噴射する第1噴孔群、および第1噴孔群の噴射方向と異なる噴射方向に噴射する第2噴孔群を有するノズルボディと、第1噴孔群を開閉する第1ニードル、および第2噴孔群を開閉する第2ニードルを有するノズルニードルと、第1ニードルおよび第2ニードルのリフト量を可変にするリフト可変手段とを備え、リフト可変手段は、内燃機関を成層燃焼運転するときには第1ニードルを開弁させ、内燃機関を均質燃焼運転するときには第1ニードルおよび第2ニードルを開弁させることを特徴としている。
例えば気筒に搭載され、燃焼室へ燃料を略斜めに噴射する場合において、成層燃焼運転では圧縮行程中にピストン頂部に形成されたキャビティ内等の局部へ噴射する必要がある。一方、均質燃焼運転では吸気行程中に燃焼室全体にわたって広く分散するように噴射する必要がある。
これに対して、請求項12に記載の燃料噴射装置では、燃料の噴射方向を略一方方向に噴射する第1噴孔群、および第1噴孔群の噴射方向と異なる噴射方向に噴射する第2噴孔群を有するノズルボディと、第1噴孔群を開閉する第1ニードル、および第2噴孔群を開閉する第2ニードルを有するノズルニードルとを備えるので、例えば第1噴孔群からの燃料を燃焼室内の局部に限定して噴射させ、第2噴孔群からの燃料をその局部以外へ噴射させることが可能である。さらに、さらに、第1ニードルおよび第2ニードルのリフト量を可変にするリフト可変手段は、内燃機関を成層燃焼運転するときには第1ニードルを開弁させ、内燃機関を均質燃焼運転するときには第1ニードルおよび第2ニードルを開弁させるので、成層燃焼運転時には第1噴孔群から燃料が供給され、圧縮行程中の燃焼室内局部に向かって燃料噴射でき、均質燃焼運転時には第1噴孔群および第2噴孔群の両方から燃料が供給され、吸気行程中の燃焼室内全体にわたって広く分散するように燃料噴射できる。
なお、気筒に略中央に搭載され、燃焼室の中央に向けて燃料を噴射する場合には、第1噴孔群の噴射方向と第2噴孔群の噴射方向は略同じ方向であってもよい。この場合であっても、成層燃焼運転時には第1噴孔群から燃料が供給され、圧縮行程中の燃焼室内局部に向かって燃料噴射でき、均質燃焼運転時には第1噴孔群および第2噴孔群の両方から燃料が供給され、吸気行程中の燃焼室内全体にわたって広く分散するように燃料噴射できる。
本発明の請求項13に記載の燃料噴射装置では、リフト可変手段は、第1ニードルおよび第2ニードルの開弁時におけるリフト量を、第1ニードルの開弁時におけるリフト量より大きく形成するようにしていることを特徴としている。
例えば、気筒内に直接燃料が供給され、内燃機関が成層燃焼運転および均質燃焼運転される場合において、成層燃焼運転は主に内燃機関の中速および中負荷以下等の部分負荷運転域であり、この運転域内で要求される噴射量は比較的小さい。一方、均質燃焼運転は主に内燃機関の高速および高負荷等の高負荷運転域であり、この運転域内で要求される噴射量は比較的大きい。
これに対して、請求項13に記載の燃料噴射装置では、リフト可変手段は、第1ニードルおよび第2ニードルの開弁時におけるリフト量を第1ニードルの開弁時におけるリフト量より大きく形成しているので、噴射量調量可能な噴射量ダイミックレンジの向上が図れる。
以下、本発明の燃料噴射装置を、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料噴射装置の構成を示す部分的断面図である。図2は、図1中の燃料噴射弁内の燃料経路を示す断面図である。図3は、図1の燃料噴射装置の作動状態を示す模式的断面図であって、駆動コイルの非通電状態を示す部分的断面図である。図4は、図1の燃料噴射装置の作動状態を示す模式的断面図であって、駆動コイルへの通電方向の正方向状態を示す部分的断面図である。図5は、図1の燃料噴射装置の作動状態を示す模式的断面図であって、駆動コイルへの通電方向の逆方向状態を示す部分的断面図である。図6は、本実施形態に係わる電気的構成を示す模式的回路図である。図7は、図6中の電磁コイルへの通電方向を切換える切換手段の切換動作を表す図である。なお、図1において、駆動コイルは非通電状態にある。
燃料噴射装置1は、内燃機関(エンジン)、特にガソリンエンジンに用いられる。燃料噴射装置1は、図1に示すように、エンジンの燃焼室(図示せず)に燃料噴射する燃料噴射弁(インジェクタと呼ぶ)2と、インジェクタ2の噴射動作等を制御する制御手段(以下、ECUと呼ぶ)100とを含んで構成されている。
なお詳しくは、インジェクタ2は、例えば多気筒(例えば4気筒)ガソリンエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)の吸気ポート等の吸気管または各気筒に取付けられて、気筒内の燃焼室に燃料を噴射供給する。なお、本実施形態では、インジェクタ2は各気筒に設けられているものとする。インジェクタ2には、図示しない燃料ポンプにより加圧された燃料が、燃料分配管(図示せず)を介して供給される。燃料分配管には、一般に、図示しない燃料タンク内の燃料を燃料ポンプ(図示せず)により吸い上げ吐出し、その吐出された燃料が導かれている。なお、吐出される燃料は、図示しないプレーシャレギュレータ等の調圧装置によって所定の圧力に調圧されて、燃料分配管へ送られる。なお、エンジンが直噴エンジンの場合には、内燃機関の燃焼室へ供給する燃料の圧力が約2Mpa以上とするため、燃料ポンプによって燃料タンクから吸上げられた所定の低圧(例えば0.2Mpa)の燃料を、図示しない高圧ポンプで加圧し、この加圧された所定の高圧の燃料(例えば、2〜13Mpaの範囲の所定の燃料)が、燃料分配管を介してインジェクタ2に供給されている。燃料ポンプから吐出される燃料、高圧ポンプから燃料分配管へ供給された燃料は、図示しないプレーシャレギュレータ等の調圧装置によって所定の圧力に調圧されている。なお、以下、本実施例で説明するエンジンは、ガソリン直噴エンジンとする。
まず、インジェクタ2について以下図1および図2に従って説明する。図1および図2に示すように、インジェクタ2は、略円筒形状であり、一端から燃料を受け、内部の燃料通路(図2参照)を経由して他端から燃料を噴射する。インジェクタ2は、燃料の噴射を遮断および許容する弁部Bと、弁部Bを駆動する電磁駆動部Sとを備えており、燃料通路内に流入した燃料を弁部Bからエンジンの気筒に噴射供給する。
弁部Bは、図1に示すように、弁ボディとしてのノズルボディ11と、弁部材としてのノズルニードル30とを含んで構成されている。ノズルボディ11は、ノズルニードル30を軸方向に移動可能に収容する案内孔13と、円錐面12と、噴孔部20とを有している。案内孔13は、ノズルニードル30と協働可能な可動コア50を軸方向に移動可能にするように、略丸孔形状などに形成され、可動コア50を移動可能に保持している。円錐面12は、内部通路を流れる燃料流れ方向の噴孔部20側に向けて縮径する内周面に形成されており、案内孔13の下端部側に接続するように設けられている。円錐面12には、ニードル30が離座および着座可能である。なお、円錐面12は、ニードル30が離座および着座可能な弁座を構成している。
噴孔部20は、後述のノズルニードルを二分割する第1ニードル31、第2ニードル32にそれぞれ対応する第1噴孔21、第2噴孔22を有している。第1噴孔21および第2噴孔22は、円錐面12の略中央側に設けられており、ノズルボディ11の内外を貫通するように形成されている。第1噴孔21と第2噴孔22は、ノズルボディ11に複数個形成されている。なお、一個形成されるように構成してもよい。なお、第1噴孔21と第2噴孔22は、要求される燃料の噴霧の形状、方向、数などに応じて、その大きさ、噴孔軸線の方向、噴孔配列等が決定される。また、噴孔部22の開口面積(以下、噴孔面積と呼ぶ)は、開弁時の流量を規定する。なお、インジェクタ2の燃料噴射量は、開弁している噴孔の開口面積と、その噴孔に対応するニードルのリフト量と、開弁期間とによって計量されている。
なお、本実施例で説明する第1噴孔21と第2噴孔22は、複数個(例えば各10個)あるものとする。第1噴孔21と第2噴孔22は、それぞれ周方向に配置されている。なお、図1および図2では、図面作成の便宜上、各2個を示している。
ノズルニードル30は、第1ニードル31と第2ニードル32とを有している。第1ニードル31と第2ニードル32は径方向に分割されており、互いに軸方向移動可能に内外に配置されている。第1ニードル31には、その内部に第2ニードル32が軸方向移動可能に配置されている。第1ニードル31および第2ニードル32は、それぞれ独立して軸方向移動可能であり、円錐面12に離座および着座することで第1噴孔21および第2噴孔22を開閉する。なお、第1ニードル31が、第2ニードル32の内部に軸方向移動可能に配置されていてもよい。なお、第1ニードル31の当接部と第2にニードル32の当接部が円錐面12に当接および離座する。これら当接部は、円錐面12に当接、離間する円錐面35、36であっても、略円筒状に形成された第1ニードル31、第2にニードル32の円形状の稜線部33、35のいずれでもよい。なお、以下の本実施形態では、円錐面12に着座および離座する当接部は円形状の稜線部33、35とする。
電磁駆動部Sは、図1に示すように、可動コア50、可動コア50に軸方向に対峙するコア60、コイル70、および磁性部材70とを有する。可動コア50は磁性ステンレス等の磁性材からなる段付きの略円筒状体である。可動コア50は第1ニードル31に固定されており、可動コア50と第1ニードル31は協働する。なお、可動コア50と第1ニードル31は、図1に示すように別部材を溶接等により一体的に形成されたものに限らず、一体に形成されているものであってもよい。
コア60は、磁性ステンレス等の磁性材からなる略円筒体である。コア60は第2ニードル32に固定されており、コア60と第2ニードル32は協働する。コア60は、筒部材15の内周15a、15bに軸方向移動可能に収容されている。筒部材15は磁性材料からなるパイプ材などで形成され、段付き内周15a、15bからなる段差部を有する。段付部は、コア60の軸方向移動を規制する。なお詳しくは、筒部材15は内周15aより内周15bが大きく形成されている。コア60の下端部側の外周が内周15aに移動可能に保持されている。また、コア60の上端部側の外周に形成された環状部62、63が内周15bに移動可能に保持されており、その軸方向下方側への移動は、環状部62が段差部に係止されると制限される。
コイル70は、樹脂製のスプール(図示せず)の外周に所定方向に巻回されている。コイル70の端部は2つのターミナル(図示せず)として引き出されている。ターミナルは、外部電源等からの電流をコイル70へ供給する。スプールは、筒部材15の外周に装着されている。なお、ここで、コイル70、スプール、ターミナルは、駆動コイルを構成している。なお、コイル70等の駆動コイルの外周側には、樹脂モールド19が配置され、ターミナルを収容するコネクタ部(図示せず)が設けられている。
磁化部材(以下、永久磁石と呼ぶ)80は、フェライト磁石、稀土類磁石、あるいはアルニコ磁石等の磁化された磁性体である。図1に示すように、永久磁石80は略円筒体に形成され、所定の磁力が発生するように着磁されている。この永久磁石80は、コア60の反可動コア50側に、コア60に軸方向に対峙して配置されている。
永久磁石80の磁極としては、コア60側の端面をS極、反コア60側の端面をN極とする磁極配置に限らず、コア60側の端面をN極、反コア60側の端面をS極とする磁極配置であってもよい。なお、コア60側の端面をS極、反コア60側の端面をN極とする磁極配置する前者に代えて、コア60側の端面をN極、反コア60側の端面をS極とする磁極配置する後者の構成とする場合には、永久磁石80による磁力と駆動コイルによる電磁力の関係が前者と同じになるように、後者におけるECU100による駆動コイルへの通電方向を反転させる。
なお、以下本実施形態で説明する永久磁石80の磁極配置は、コア60側の端面をS極、反コア60側の端面をN極とする(図3参照)。
コア60の下端面と可動コア50のスプリング座50sとの間には、付勢手段としてのスプリング59が配置されている。このスプリング59は、稼動コア50をノズルボディ11の噴孔部20側に向けて付勢している。
なお、本実施形態では、コア60と永久磁石80との間には、図1に示すように、磁性体17を設けることが好ましい。磁性体19は、永久磁石のように着磁により磁化されるものではなく、比較的磁化され易く、残留磁気が少ない軟磁性材料などの磁性材を使用する。例えば駆動コイルへの通電方向によっては、可動コア50およびコア60に発生する磁界(磁力の方向)と永久磁石80の磁界とが逆方向となる場合がある。この場合、上記磁性体17を設けることにより、駆動コイルの磁束の流れは、その磁束の流れに対して磁気抵抗となる永久磁石80自身に直接作用することなく、永久磁石80とコア60の間に設けられた磁性体17に作用する。したがって、永久磁石80の磁束の影響を緩和または除去できるので、駆動コイルに発生する電磁力を効率的に利用することができる。
なお、上述の磁性体17を永久磁石80とコア60の間に配置する場合、着磁により磁化された永久磁石80に代えて、磁性体17が、コア60の永久磁石80側方向(図1では軸方向上方)への移動量を規制する機能を有する。なお、磁性体17の下端面17aは、コア60にほぼ全面で当接する略平面形状に限らず、コア60の一部に当接するように略円環状の段差(図示せず)を有する段付平面のものであってもよい。なお、磁性体17の下端面17a形状をコア60の一部に当接するように構成するものでは、コア60が磁性体17の磁力によって一旦は連結した場合であっても、コア60の磁性を逆転させたときに、磁性体17からコア60の連結を解除して離脱させ易くなる。
さらになお、本実施形態では、コア60をノズルボディ11の噴孔部20側に向けて付勢する付勢手段(以下、スプリング)69を有するように構成することが好ましい。具体的には、スプリング69は、図1に示すように、インジェクタ2の一端側の内部燃料通路内に固定されたブッシュ(図示せず)と、コア60の間に挟み込まれており、コア60を段差部に向けて所定の付勢力で付勢している。
なお、インジェクタ2の内部燃料通路は、図2に示すように、燃料の流れの上流から下流に向かって、永久磁石80の内周と、磁性体17の内周と、コア60の内周61と、第2ニードル32の軸方向通路32aと、第2ニードル32の径方向通路32kと、可動コア50の径方向通路50kと、案内孔13と第1ニードル31とで形成される燃料通路の順で構成されており、これらは、噴孔部20へ向かう燃料の流れ経路を構成している。
ECU100は、図示しないリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、マイクロプロセッサ(CPU)、入力ポート、出力ポートを相互に双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータとして構成されている。このECU100は、バッテリ等の電源を用いて、インジェクタ2のターミナルへの通電開始および通電停止を行なうことで、インジェクタ2への通電期間を制御する。エンジンの回転速度、吸気管圧力(または吸入空気量)、冷却水温等のエンジンの運転状態を検出する図示しない各種センサの信号を読み込み、エンジン用の各種プログラム(図示せず)に従って、インジェクタ2の電磁駆動部Bの動作を制御する(図1参照)。
本実施形態の燃料噴射装置1における電気的構成を、図6および図7に従って説明する。ECU100は、エンジンの運転状態を検出する各種センサの信号に基づいて、インジェクタ2(詳しくは駆動コイル)の二つのターミナルに所定の方向の電流を供給する。ECU100は、図6に示すように、制御部100aと、通電方向切換え回路100bとを有する。なお、制御部100aは上記説明のマイクロコンピュータであるので説明を省略する。
通電方向切換え回路100bは、インジェクタ2の駆動コイル(詳しくはコイル70)を中心とし、四つのスイッチング素子(以下、トランジスタと呼ぶ)TR1、TR2、TR3、TR4によりHブリッジ回路を組んだ構成となっている。所定方向に巻回されたコイル70の一端側は、直列接続された、バッテリ電源電圧Vb側の第1のトランジスタTR1と、接地側の第2のトランジスタTR1との中間点に接続されている。また、コイル70の他端側は、直列接続された、バッテリ電源電圧Vb側の第3のトランジスタTR3と、接地側の第4のトランジスタTR4との中間点に接続されている。この通電方向切換え回路100bでは、図7に示すように、第1のトランジスタTR1のベース端子と第4のトランジスタTR4のベース端子に対する通電のみをONにすることにより、コイル70へ流れる電流の方向が所定方向となる。また、第2のトランジスタTR2のベース端子と第3のトランジスタTR3のベース端子に対する通電のみをONにすることにより、コイル70へ流れる電流の方向が、所定方向とは逆転し、反所定方向となる。なお、以下の本実施形態の説明では、所定電流方向を正方向、反所定電流方向を逆方向と呼ぶ。
なお、ここで、ECU100は、システムを制御する手段の一つとして、インジェクタ2の駆動コイルへの通電方向を切換える切換手段を有する。この切換え手段は、通電方向を切換えることで、コイル70に流れる電流方向を正方向から逆方向へ、あるいは逆方向から正方向へ切換えられる。
上述の構成を有する燃料噴射装置1の動作、特にインジェクタ2の作動について以下図3から図5に従って説明する。図3から図5はECU100から駆動コイル(詳しくはコイル70)へ供給されるバッテリ電源等の電流の方向を、電池の向きで模式的に表す。まず、駆動コイルへの非通電状態(図3参照)、駆動コイルへの通電方向が正方向状態(図4参照)、駆動コイルへの通電方向が逆方向状態(図5参照)についてそれぞれ説明する。なお、図3から図5において、矢印方向は磁界(磁束の流れ)の方向を示す。
(1)図5に示す駆動コイル(詳しくはコイル70)の非通電状態では、永久磁石80の磁束の流れは、磁性体17を通って閉回路を形成する。永久磁石80の磁力は、磁性体17を通じてコア60に及ばないため、コア60を永久磁石80に吸引する吸引力は生じない。一方、駆動コイルは非通電状態にあるため、コイル70には電磁力は生じていないため、第1ニードル31および第2ニードル32は、それぞれスプリング59、スプリング69によって円錐面(弁座)12へ押付けられている。その結果、インジェクタ2は閉弁し、第1噴孔31および第2噴孔32から燃料が噴射されることはない。
なお、スプリング69の付勢力によってコア60が筒部材15の段差部に向けて付勢されているため、この付勢力によってコア60が段差部に係止されている。そのため、コア60の移動位置が軸方向移動の下限位置(以下、低リフト状態に制限する位置と呼ぶ)に規制されている。
(2)図4に示す駆動コイルへの通電方向が正方向の状態では、コイル70に通電され、コイル70には電磁力が発生する。さらに、駆動コイルへの通電方向が正方向に設定されているため、コア60の永久磁石80側端面の磁極がS極となって、永久磁石のコア23側端面の磁極のN極と反発する関係となる。その結果、コア60は低リフト状態に制限する位置に維持される。
一方、コイル70によって磁化されたコア60は可動コア50を引きつけ、第1ニードル31を円錐面(弁座)12から離座させて、第1噴孔21からの燃料噴射が許容される。このとき、コア60によって可動コア50に固定される第1ニードル31のリフト量Hは低リフト状態に制限される(H=HD1)。第2ニードル32は円錐面(弁座)12へ押付けられており、第2噴孔22からの燃料噴射が遮断されている。
このとき、コア60には、永久磁石80による磁力(以下、定常磁力と呼ぶ)に対して反発するコイル70の電磁力が作用している。このコイル70の電磁力すなわち磁束の流れは、図4に示すように、永久磁石80自体に直接作用せず、磁性体17に作用する。その結果、コイル70の磁束の流れは、その磁束の流れに対して磁気抵抗となる永久磁石80の磁束の流れに妨げられない。そのため、永久磁石80とコア60との間に磁性体17を配置せず、永久磁石80とコア60を軸方向に直接対峙させる構成を有するインジェクタに比べて、コイル70に発生する電磁力を約半分程度にしても、同等以上の動作力を得ることが可能である。
なお、ここで、永久磁石80の磁力で形成する磁気回路とコイル70の電磁力で形成する磁気回路は、永久磁石80とコア60との間に挟まれた磁性体17を通じて、それぞれ閉回路を形成する。
(3)図5に示す駆動コイルへの通電方向が逆方向の状態では、駆動コイルへの通電方向を正方向から逆方向に切換えられるため、コイル70に発生する電磁力による磁界の方向は、永久磁石80に常に生じる磁界の方向と同じとなる。このとき、コア60には、永久磁石80による定常磁力に加えてコイル70の電磁力をバイアスされた磁力が作用する。その結果、コア60は磁性体17側に引きつけられて、磁性体17の下端面17aに係止される。そのため、コア60の移動位置が軸方向移動の上限位置(以下、高リフト状態に制限する位置と呼ぶ)に規制される。
一方、コイル70と永久磁石80によって磁化されたコア60は可動コア50を引きつけ、第1ニードル31のリフト量Hを高リフト状態にする(H=HD2)。また、コア60の下限位置から上限位置への移動によって、コア60に固定される第2ニードル32が円錐面(弁座)12から離座し、第2噴孔22から燃料噴射が許容される。このとき、第2ニードル32のリフト量Hは高リフト状態(H=HD2)に制限される(HD2>HD1)。その結果、第1噴孔31および第2噴孔32からの燃料噴射が許容される。
なお、駆動コイルへの通電方向を正方向状態あるいは逆方向状態に設定する際、コイル70に巻回方向に従って流れる電流は軸方向の一方方向に作用する磁界を発生する。正方向状態から逆方向状態に駆動コイルへの通電方向を切換えると、コア60に加わる磁界の方向つまり磁力の方向は反転する。この磁力の反転によってもコア60を軸方向に変位するように作用することは可能である。
上述のインジェクタ2の作動説明によると、インジェクタ2が非通電の状態では第1ニードル31および第2ニードル32が円錐面(弁座)12に着座(以下、閉弁と呼ぶ)し、第1噴孔21および第2噴孔22からの燃料の噴射が遮断されている。次に、インジェクタ2の駆動コイルへの通電方向が正方向の状態では、コイル70の電磁力によりコア60に作用する磁界(磁力の方向)と永久磁石80の磁界とが逆方向になり反発する関係にあるため、コア60の移動位置が低リフト状態に制限する位置(下限位置)に規制される。そのため、コイル70の電磁力により可動コア50がコア60に引きつけられて、可動コア50に協働している第1ニードル31のみが円錐面(弁座)12から離座(以下、開弁と呼ぶ)する。その結果、通電方向が正方向の状態では第1噴孔21からの噴射のみが許容される。一方、駆動コイルへの通電方向が切換えられ、逆方向の状態では、コア60に作用する磁界(磁力の方向)と永久磁石80の磁界とが同方向になるため、コア60が永久磁石80側に引きつけられ、コア60の移動位置が高リフト状態に制限する位置(上限位置)で規制される。そのため、コア60に協働している第2ニードル32も開弁する。その結果、通電方向が逆方向の状態では第1噴孔21および第2噴孔22の両方からの噴射が許容される。
次に燃料噴射装置1の全体動作を説明する。ECU100は各種センサの信号からエンジンの運転状態を検出する。そして、ECU100は、検出したエンジンの運転状態に基いて、その運転状態に適した噴孔部20(詳しくは第1噴孔21および第2噴孔22)から燃料噴射する噴霧形状、特性等の噴射パターンを判断する。その運転状態に適した噴射パターンが第1噴孔21のみから噴射するものであるとECU100が判断した場合には、ECU100は通電方向切変え回路100bの第1および第4のトランジスタTR1、TR4をオン動作させ、駆動コイルへの通電方向を正方向にする。その結果、コア60の移動位置を低リフト状態に制限する位置に規制して、第1ニードル31のみを開弁し、第1ニードル31のリフト量HをH=HD1に制御する。一方、その運転状態に適した噴射パターンが第1噴孔21および第2噴孔22から噴射するものであるとECU100が判断した場合には、ECU100は通電方向切変え回路100bの第2および第3のトランジスタTR2、TR3をオン動作させ、駆動コイルへの通電方向を逆方向にする。その結果、コア60の移動位置を高リフト状態に制限する位置に規制して、第1ニードル31および第2ニードル32の両方を開弁し、第1ニードル31および第2ニードル32のリフト量HをH=HD2に制御する。
なお、リフト量を変化させることで、例えば燃料噴射のための開口面積が変わるため、単位時間当りの噴射量を変化させることが可能である。その結果、コイル70への通電期間を調節することでインジェクタ2から噴射される噴射量が調整される。さらに、コイル70への通電期間が同一であっても、リフト量Hを、H=HD1あるいはH=HD2のいずれかに設定することによって噴射量を変化させることができる。
この様に、ECU100(詳しくは通電方向切換え回路100b)によって駆動コイルへの通電方向を切換えることで、コア80の極性(磁極)を反転させられる。コア80の極性を反転させると、永久磁石80の定常磁力とコイル70の電磁力がバイアスした磁力、あるいは永久磁石80の定常磁力に反発するコイル31の電磁力のいずれかがコア60に作用する。コア60にバイアスした磁力が作用する場合には、永久磁石80側(詳しくは磁性体17の下端面17a)に吸引され、コア60の軸方向上方へ移動可能な上限位置(高リフト状態に制限する位置)に規制される。一方、永久磁石80に反発するコイル70の電磁力がコア60に作用する場合には、コア70は反永久磁石80側つまり円錐面(弁座)12側に押付けられ、コア60の軸方向下方へ移動可能な下限位置(低リフト状態に制限する位置)に規制される。なお、コア60および可動コア50には駆動コイルの電磁力が作用可能である。低リフト状態(図4参照)および高リフト状態(図5参照)のいずれも、コイル70へ通電し、コイル70に電磁力を発生する。この電磁力によって可動コア25を引きつけられる。
なお、ここで、永久磁石80と、通電方向切換え回路100bは、コア60あるいは可動コアの磁極を反転させ、コア60または可動コア50を変位動作させるリフト量変更手段を構成する。コア60の変位動作により可動コア50の変位量つまり第1ニードル31のリフト量Hを、HD2からHD1へ、あるいはHD1からHD2へ変化させることができる。また、コア60自身(詳しくは高リフト状態に制限する位置へ)の変位により第2ニードル32のリフト量HをHD2へ変化させられる。
なお、ここで、コア60、永久磁石80、および通電方向切換回路100bは、第1ニードル31および第2ニードル32のリフト量を可変にするリフト可変手段を構成する。このリフト可変手段60、80、100bによって、インジェクタ2のリフト量が低リフト状態(H=HD1)と高リフト状態(H=HD2)に切換えられる。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)ノズルボディ11に設けられている第1噴孔21および第2噴孔22は、それぞれ、ノズルニードル30を構成する第1ニードル31および第2ニードル32により開閉される。さらに、これら第1ニードル31および第2ニードル32を軸方向に駆動する駆動手段として、可動コア50と、可動コアに軸方向に対峙し、磁性体からなるコア60と、可動コア50およびコア60に磁力を作用可能な駆動コイルと、その磁力の磁極方向に応じてコア60を、反可動コア50側に吸引および可動コア50側に反発可能な永久磁石80とを有している。これにより、永久磁石80、駆動コイルなどの電磁駆動部Sによる簡素な構成によって、第1ニードル31および第2ニードル32を駆動し第1噴孔21および第2噴孔22の噴孔面積を独立して切換えることができる。したがって、一つのインジェクタ2で噴霧の特性、形状等の噴射パターンを切換えられる機能を有する構成の簡素化が図れる。
(2)なお、永久磁石80は、常時磁力が発生している永久磁石などの着磁されたものに限らず、駆動コイル(詳しくはコイル70)とは別のコイルなどのようなものであってもよく、所定の磁力が発生するように磁化されるものであればいずれの部材であってもよい。
上記コイルなどのように電流供給により磁力発生する部材(以下、駆動部材と呼ぶ)の場合には、駆動コイルを駆動するための消費電力量以外に、駆動部材を駆動するための消費電力量が必要となる。これに対して本実施形態は永久磁石80を用いるので、噴霧の特性、形状等の噴射パターンを切換えられる機能を有する燃料噴射装置1を駆動するための消費電力量の低減が図れる。
(3)なお、本実施形態では、コア60と永久磁石80との間には、磁性体17が配置されていることが好ましい。駆動コイルへの通電(詳しくは通電方向が正方向の状態)により可動コア50およびコア60に発生する磁界(磁力の方向)と永久磁石80の磁界とが逆方向となる場合には、駆動コイルの磁束の流れは、その磁束の流れに対して磁気抵抗となる永久磁石80自身に直接作用せず、磁性体17に作用するため、永久磁石80の磁束の影響を緩和または除去できる。したがって、駆動コイルに発生する電磁力を効率的に利用することができる。
(4)なお、本実施形態では、ノズルニードル30は、第1ニードル31と第2ニードル32とを有しており、第1ニードル31と第2ニードル32は径方向に分割されるように内外に配置されている。これにより、第1ニードル31と第2ニードル32を内外に二重に配置しているので、第1ニードル31と第2ニードル32は、第1噴孔31、第2噴孔32を開閉するためのノズルボディ11の円錐面(弁座)12への着座および離座が独立して実施できる。また、第1噴孔21、第2噴孔22が複数個有する場合、各第1噴孔21、各第2噴孔22を、それぞれ周方向に配置する設計自由度が高められる(例えば、後述の第4の実施形態から第7の実施形態を参照)。
(5)なお、本実施形態では、駆動コイルへの通電方向を、第1ニードル31を可動コア50を介して吸引するときと、第2ニードル32をコア60を介して吸引するときとで逆転させるようにしている。これにより、第1噴孔21、第2噴孔22を開閉するための方法として、第1ニードル31を吸引する場合と、第2ニードル32を吸引する場合とで駆動コイルの通電方向を逆転させるだけであるので、可変噴孔が比較的容易に実行できる。
なお、本実施形態では、第1ニードル31が可動コア50と協働し、第2ニードル32がコア60と協働する構成としたが、ノズルニードル30の構成としてこの構成に限らず、第1ニードル31および第2ニードル32のうち、いずれか一方のニードルが可動コア50と協働し、他方のニードルがコア60と協働するように構成してもよい。この様な構成であっても、駆動コイルの通電によりコア60に発生する磁界が永久磁石80の磁界と逆方向の場合には、可動コア50と協働する一方のニードルに対応する噴孔のみを開口し、その通電方向が逆転されコア60の磁界が磁化部材の磁界と同方向になる場合には、コア60に協働する他方のニードルに対応する噴孔を開口することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態を、図8に従って説明する。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。図8は、本実施形態の燃料噴射装置の構成を表す部分的断面図である。なお、図8において、コア60は低リフト状態に制限する位置に規制されている。
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明したコア60が第2ニードル32に固定され協働する関係にあるものに代えて、図8に示すように、可動コア150を第2ニードル132に固定し協働するものとする。なお詳しくは、可動コア150は、第2ニードルを内部に移動可能に収容せず、内周151に第2ニードル32を接合等により固定している。
第2ニードル132は、図8に示すように、段付きの略円筒状体に形成されており、下端部側の外周が上端部側の外周より大きく形成されている。第1ニードル131は、略円筒状に形成されており、その内周が、第2ニードル132を軸方向に移動可能に保持するように、段付き内周に形成されている。第2ニードル132の外周側に形成された段差部132sと、第1ニードル131の内周側に形成された段差部131sとは互いに係止可能に配置されている。
また、第1ニードル131は、可動コア150と直接固定されてはおらず、可動コア150とは軸方向に所定隙間だけ離れて配置されている。また、この可動コア150とコア60は、図8に示すように、軸方向に隙間δ2だけ離れて配置されている。段差部132sと段差部131sとは軸方向に隙間δ3だけ離れて配置されている。なお、隙間δ1、δ2と低リフト状態のリフト量HD1の関係はHD1=δ2に設定され、隙間δ3と低リフト量HD1、高リフト量HD2=δ1+δ2の関係はHD2≧δ3≧HD1に設定されている。なお、隙間δ1は、コア60と磁性体17間のエアギャップ(コア60の移動可能量)である。
上述の構成を有する燃料噴射装置1におけるインジェクタ2の作動について以下説明する。(1)駆動コイルの非通電状態では、第1ニードル131および第2ニードル132が閉弁し、第1噴孔21および第2噴孔22からの燃料の噴射が遮断されている。なお、このとき、コア60は低リフト状態に制限する位置(下限位置)に規制されている。
(2)駆動コイルへの通電方向が正方向の状態では、コイル70の電磁力によりコア60に作用する磁界(磁力の方向)と永久磁石80の磁界とが逆方向になり反発する関係にあるため、コア60は低リフト状態に制限する位置に規制されたままである。そのため、コイル70の電磁力により可動コア150がコア60に引きつけられて、可動コア150に協働している第2ニードル132のみが開弁する。その結果、通電方向が正方向の状態では第2噴孔22からの噴射のみが許容される。このとき、第2ニードル132のリフト量Hは低リフト状態(H=HD1)に制限される。
(3)駆動コイルへの通電方向が切換えられ、逆方向の状態では、コア60に作用する磁界と永久磁石80の磁界とが同方向になるため、コア60が永久磁石80側に引きつけられ、コア60が高リフト状態に制限する位置(上限位置)に規制される。一方、可動コア150はコア60に引きつけられているので、第2ニードル132のリフト量Hは低リフト状態(H=HD1)から変位し、高リフト状態(H=HD2)で制限されるようになる。このとき、隙間δ3≦HD2に設定されているため、第1ニードル131の段差部131sに第2ニードル132の段差部132sが当接し、第1ニードル131が第2ニードル132に係止される。第2ニードル132に係止されると、第1ニードル131が開弁する。その結果、第1噴孔21および第2噴孔22の両方からの燃料噴射が許容される。
以上説明した本実施形態によれば、可動コア150に第2ニードル132が協働しており、コア60の移動位置に応じて第2ニードル132と第1ニードル131は当接し係止される関係にあるので、コア60に対して第1ニードル131および第2ニードル132が直接的に協働する関係にない場合であっても、第1噴孔21、第2噴孔22を開閉するための第1ニードル131、第2ニードル132の開弁方向への移動を行うことができる。したがって、上記のような構成であっても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、第1ニードルは弾性部材により閉弁方向に付勢されていてもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態で説明した第1ニードル31および第2ニードル32の互いに軸方向に移動可能な関係に代えて、図9に示すように、第2ニードル232を第1ニードル231の内部に収容し、第1ニードルと第2ニードルの相対移動を所定の隙間δ3範囲内に制限するようにする。図9は、本実施形態の燃料噴射装置の構成を表す部分的断面図である。
可動コア250は第1ニードル231に固定されており、可動コア250と第1ニードル231は協働する。可動コア250の内周には筒状のブッシュ58が固定されており、ブッシュ58の上端面側とコア60との間にはスプリング59が挟み込まれて配置されている。ブッシュ58の下端面と第2ニードル232の上端面の間には、スプリング39が挟み込まれて配置されている。スプリング39は第2ニードル232を円錐面(弁座)12側に向けて付勢している。
第2ニードル232は、図9に示すように、段付きの略円筒状体に形成されており、上端部側の外周が下端部側の外周より大きく形成されている。第1ニードル231は、略円筒状に形成されており、その内周が、第2ニードル232を上記隙間δ3の範囲で軸方向に移動可能に保持するように、段付き内周に形成されている。第2ニードル232の外周側に形成された段差部232sと、第1ニードル231の内周側に形成された段差部231sとは互いに係止可能に配置されている。
また、可動コア250とコア60は、図9に示すように、軸方向に隙間δ4だけ離れて配置されている。段差部232sと段差部231sとは軸方向に隙間δ5だけ離れて配置されている。なお、隙間δ4、δ5と低リフト状態のリフト量HD1、HD2の関係は、それそれ、HD1=δ4に、HD2≧δ5≧HD1に設定されている。
上述の構成を有する燃料噴射装置1におけるインジェクタ2の作動について以下説明する。(1)駆動コイルの非通電状態では、第1ニードル231および第2ニードル232が閉弁し、第1噴孔21および第2噴孔22からの燃料の噴射が遮断されている。なお、このとき、コア60は低リフト状態に制限する位置(下限位置)に規制されている。
(2)駆動コイルへの通電方向が正方向の状態では、コイル70の電磁力によりコア60に作用する磁界(磁力の方向)と永久磁石80の磁界とが逆方向になり反発する関係にあるため、コア60は低リフト状態に制限する位置に規制されたままである。そのため、コイル70の電磁力により可動コア250がコア60に引きつけられて、可動コア250に協働している第1ニードル231のみが開弁する。その結果、通電方向が正方向の状態では第1噴孔21からの噴射のみが許容される。このとき、第1ニードル132のリフト量Hは低リフト状態(H=HD1)に制限される。
(3)駆動コイルへの通電方向が切換えられ、逆方向の状態では、コア60に作用する磁界と永久磁石80の磁界とが同方向になるため、コア60が永久磁石80側に引きつけられ、コア60が高リフト状態に制限する位置(上限位置)に規制される。一方、可動コア250はコア60に引きつけられているので、第1ニードル232のリフト量Hは低リフト状態(H=HD1)から変位し、高リフト状態(H=HD2)で制限されるようになる。このとき、隙間δ5≦HD2に設定されているため、第2ニードル232の段差部132sに第1ニードル231の段差部231sが当接し、第2ニードル232が第1ニードル231に係止される。第1ニードル231に係止されると、第2ニードル132が開弁する。その結果、第1噴孔21および第2噴孔22の両方からの燃料噴射が許容される。
以上説明した本実施形態によれば、可動コア250に第1ニードル231が協働しており、コア60の移動位置に応じて第1ニードル231と第2ニードル232は当接し係止される関係にあるので、コア60に対して第1ニードル231および第2ニードル232が直接的に協働する関係にない場合であっても、第1噴孔21、第2噴孔22を開閉するための第1ニードル231、第2ニードル232の開弁方向への移動を行うことができる。したがって、上記のような構成であっても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
以下、第1の実施形態に説明した第1噴孔21および第2噴孔22の配列などの配置の他の実施形態を図10および図11に従って説明する。第4の実施形態では、第1噴孔21および第2噴孔22を、図11(a)に示すように配置する。図10は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図10(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図10(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。図11は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図11(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図11(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。なお、図10および図11中において、F1およびF2はそれぞれ、第1噴孔21、第2噴孔22から噴射された燃料つまり燃料噴流を示している。
図11(a)に示すように、第1噴孔21および第2噴孔22は、各複数個有し、周方向に配置されている。第1噴孔21および第2噴孔22は、二重円上に設けられている。なお、ここで、第1噴孔21は外周側噴孔群を構成し、第2噴孔22は内周側噴孔群を構成している。
第1噴孔21および第2噴孔22は、それぞれの噴孔軸がインジェクタ2(詳しくは弁部B)の中心軸線(図示せず)に対して所定の傾斜角θ1、θ2を有しており、その中心軸線から離れる方向に向かって傾斜している。第1噴孔21の傾斜角θ1は、第2噴孔22の傾斜角θ2に比べて小さく(θ1<θ2)形成されており、互いに噴孔軸が交差している。
その交差度合いは、第1噴孔21と第2噴孔22から噴射された燃料(燃料噴流)F1、F2が衝突する衝突点において、燃料噴流F1、F2に対してほぼ二等分垂直面上に、燃料噴流F1、F2が合流して形成される薄液膜状の燃料噴流F3が広がる程度の交差であることが好ましい。なお、衝突点は、図11(b)に示すように噴霧の噴霧到達距離(ペネトレーション)に比べれば、弁部B(第1噴孔21および第2噴孔22)の下流側直下の比較的近くに形成されている。
なお、図11(a)中の径方向に隣接する噴孔を組として、周方向には、環状に形成された他の組の噴孔が配置されている。
上述の構成を有する燃料噴射装置1におけるインジェクタ2の作動について以下説明する。
(1)インジェクタ2の駆動コイルへの通電方向が正方向の状態では、第1ニードル31のみが開弁し、第1噴孔21からの噴射のみが許容される(図10(a)参照)。第1噴孔21の傾斜角θ2が比較的小さい(θ1<θ2)ため、第1の噴孔21つまり外周側噴孔群から噴射されて形成される噴霧(噴流F1群)は、比較的広がりの小さな略中空円錐状の噴霧(図10(b)参照)、となる。なお、このとき、第1ニードル31のリフト量Hは低リフト状態(H=HD1)にある。
(2)駆動コイルへの通電方向が切換えられ、逆方向の状態では、第2ニードル32も開弁し、第1噴孔21および第2噴孔22の両方からの噴射が許容される(図11(a)参照)。第1の噴孔21および第2噴孔22から噴射され各噴流F1、F2が合流して形成される噴霧(噴流F3群)は、比較的広がりの大きな略中空円錐状の噴霧(図11(b)参照)となる。この噴霧(噴流F3群)は、薄液膜状の燃料噴流F3から形成されているので、空気との接触面積の拡大が図れる。なお、このとき、第1ニードル31および第2ニードル32のリフト量Hは高リフト状態(H=HD2)にある。
以上説明した本実施形態によれば、駆動コイルへの通電方向が正方向の状態では、第1噴孔21から燃料F1を噴射し、その燃料噴流F1で形成される噴霧形状を、比較的小さな広がりを有する略中空円錐状などのコンパクトな噴霧形状に形成できる。駆動コイルへの通電方向が切換えられ、逆方向の状態では、第1噴孔21および第2噴孔22から燃料F1、F2を噴射し、その合流噴流F3で形成される噴霧形状を、比較的大きな広がりを有する略中空円錐状などの広く分散した噴霧形状に形成できる。
エンジン運転状態において、例えばアイドル運転等低負荷(詳しくは比較的低負荷側かつ比較的低速側)状態では、燃費重視されるため、成層燃焼させるようにし、高速運転等高負荷(詳しくは比較的高負荷側もしくは比較的高速側)の状態では、出力重視されるため、均質燃焼させるようにする場合がある。この場合、駆動コイルへの通電方向を切換えることで、成層燃焼運転時には、第1噴孔21からのみ燃料を噴射させ、エンジンの例えばピストンの頂部のキャビティなどに向けて、比較的小さな広がりを有する噴霧を形成することできる。均質燃焼運転時には、第1噴孔21および第2噴孔22の両方から燃料を噴射させ、筒内(燃焼室内)に比較的大きな広がりを有する噴霧を形成することできる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第4の実施形態で説明した第1噴孔21および第2噴孔22において、第1噴孔21と第2噴孔22から噴射された燃料(燃料噴流)F1、F2が衝突しないように、図13(b)に示すように、第1噴孔21と第2噴孔22とをいわゆる千鳥状に配置する。図12は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図12(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図12(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。図13は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図13(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図13(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。
図13(a)に示すように、第1噴孔21と第2噴孔22は、周方向の位置を互いにずらされて配置されている。
以上説明した本実施形態によれば、駆動コイルへの通電方向が正方向の状態では、第1噴孔21から燃料F1を噴射し(図12(a)参照)、その燃料噴流F1で形成される噴霧形状を、比較的小さな広がりを有する略中空円錐状の噴霧形状(図12(b)参照)に形成できる。駆動コイルへの通電方向が切換えられ、逆方向の状態では、第1噴孔21および第2噴孔22から燃料F1、F2を噴射し(図13(a)参照)、各燃料噴流F1、F2で形成される噴霧が内外に二重に配置される(図13(b)参照)。具体的には、比較的大きな広がりを有する略中空円錐状の噴霧(噴流F2群)の内部に、比較的小さな広がりを有する略中空円錐状の噴霧(噴流F1群)が配置される。その結果、これら噴霧は、全体として空気との接触面積の拡大が図れる。
この様な構成にしても、第4の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第5の実施形態で説明した第1噴孔21および第2噴孔22を、内外に二重の噴霧を形成可能な配置に代えて、図15(b)に示すように、第1噴孔21の噴霧と第2噴孔22の噴霧で噴霧全体の燃料噴射方向が異なるように配置する。図14は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図14(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図14(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。図15は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図15(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図15(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。
図15(a)に示すように、第1噴孔21と第2噴孔22は、周方向の位置を互いにずらされて配置されている。第1噴孔21の噴孔軸は、全体として図15(a)の右方向に向かって噴射されるように配置されている。第2噴孔22の噴孔軸は、全体として図15(a)の左方向に向かって噴射されるように配置されている。
この様な構成にしても、第5の実施形態と同様な効果を得ることができる。
成層燃焼運転時にはプラグなどの点火装置方向に向けて噴射させ、均質燃焼時には気筒(燃焼室)内全体的に広く分散させたい場合がある。この場合、成層燃焼運転時には、第1噴孔21からのみ燃料を噴射させ、プラグ方向に向かって比較的小さな広がりを有する噴霧(図14(b)参照)を形成することできる。均質燃焼運転時には、第1噴孔21および第2噴孔22の両方から燃料を噴射させ、各噴霧は比較的小さな広がりを有する噴霧である場合であっても噴霧全体としては筒内(燃焼室内)に広く分散させて形成することできる(図15(b)参照)。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第6の実施形態で説明した第1噴孔21および第2噴孔22において、第1噴孔21および第2噴孔22の各噴霧を略円錐状に形成するものに代えて、図17(b)に示すように、異形の偏向噴霧を形成するように配置する。図16は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図16(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図16(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。図17は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図17(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図17(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。
図17(a)に示すように、第1噴孔21と第2噴孔22は、それぞれ略半円上に配置され、互いの略半円の周方向の位置が重ならないように配置されている。
この様な構成にしても、第6の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第8の実施形態)
内燃機関の気筒内(詳しくは燃焼室)に燃料を直接噴射する場合において、成層燃焼を実施するために、圧縮行程中に燃料を燃焼室内へ噴射し、点火プラグ等の局部付近に可燃範囲の混合気を形成させ、燃焼室内全体(オーバーオール)で例えば空燃比(A/F)が25〜50)という超希薄な混合気を形成させる必要がある。一方、均質燃焼を実施するために、吸入行程中に燃料を燃焼室内へ噴射し、噴霧をピストンやシリンダ等の燃焼室内壁面に衝突させることなく、燃焼室全体に広く分散させる必要がある。そのため、成層燃焼のための燃料噴射モードと均質燃焼のための燃料噴射モードにおける燃料噴霧の到達距離(以下、ペネトレーション)が異なる場合がある。
第8の実施形態では、第5実施形態で説明した第1噴孔21と第2噴孔22において、図18(a)に示すように、第1噴孔21の噴孔面積A1を第2噴孔22の噴孔面積A2より小さく形成する(A1<A2)ように構成している。図18は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図18(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図18(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。図19は、本実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図19(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図19(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。図20は、実施形態に係わる燃料噴射モードを切換えるための制御処理を示すフローチャートである。図21は、本実施形態に係わる内燃機関で実行される燃焼形態を設定するためのマップ構成図である。図22は、本実施形態に係わる内燃機関の燃焼室への噴霧状態の一実施例を示す模式的断面図である。図23は、本実施形態に係わる内燃機関の燃焼室への噴霧状態の他の実施例を示す模式的断面図である。
なお、図22はピストンが下方向(図中の矢印方向)に移動する吸気行程を示し、図23はピストンが上方向(図中の矢印方向)に移動する圧縮行程を示している。また、図21は、横軸を内燃機関の回転速度Ne、縦軸を内燃機関の負荷Tを示しており、回転速度Ne、負荷TがほぼNe1、T1以下の部分負荷等の運転領域では燃焼形態を成層燃焼、その他の領域である高負荷等の運転領域では燃焼形態を均質燃焼とすることを示している。
第1噴孔21の噴孔面積A1を第2噴孔22の噴孔面積A2より小さく形成する(A1<A2)ので、第1噴孔21から噴射される燃料F1のペネトレーションL1は、第2噴孔22から噴射される燃料F2のペネトレーションL2に比べて短くなる。なお、第1噴孔21の噴孔面積A1を第2噴孔22の噴孔面積A2より小さくするものに限らず、燃料F1のペネトレーションL1が燃料F2のペネトレーションL2より短くなる噴霧形成手段であればいずれの形成手段であってもよい。
なお、第1噴孔21から噴射される燃料の流量は、第1ニードル31のリフト量の大きさに応じて変化する。したがって、図18および図22に示すような成層燃焼運転時では低リフト状態(H=HD1)で噴射され、図19および図23に示すような均質燃焼運転時では高リフト状態(H=HD2)で噴射されるので、成層燃焼運転時(詳しくは低リフト状態)に噴射される燃料F1のペネトレーションL1は、均質燃焼運転時(詳しくは高リフト状態)に噴射される燃料F1のペネトレーションL1に比べて短くなる。
燃料F1は、比較的小さい噴孔面積A1を有する第1噴孔21から噴射されるので、微粒化され易い。その結果、燃焼室106内の局部(詳しくはキャビティ内104a)に限定されて噴射される場合(図22参照)であっても、燃料F1は微粒化され易いので、燃料F1は燃料周りの空気との接触面積の拡大が図れ、従って点火プラグ等の点火装置により着火燃焼可能な可燃範囲の混合気に形成可能である。
なお、エンジン100は、図22および図23に示すように、シリンダブロック101と、シリンダヘッド102と、ピストン104と、シリンダブロック(以下、シリンダと呼ぶ)101の内周壁、ピストン104、おおびシリンダヘッド102の天井内壁とで区画される燃焼室106とを備える周知の内燃機関である。なお、ピストン104のシリンダ101内周壁内における往復運動はコンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)の連続回転運動に変換される。ピストン104の頂部には、キャビティ104aが凹部状に形成されている。なお、ここで、図22および図23では、図面作図上、4気筒のうちの1気筒のみを示しており、図18および図19は、図22および図23に示す気筒に設けられる燃料噴射弁を示している。
上述の構成を有する燃料噴射装置1の燃料噴射制御方法、特に燃料噴射モードを切換える方法について、図20および図21に従って説明する。図20に示すように、S201(Sはステップ)では、エンジンの回転速度Ne、吸気管圧力(または吸入空気量)PM、冷却水温Tw等のエンジンの運転状態を検出する図示しない各種センサの信号をECU100に読み込む。これらの信号よりエンジン100の運転状態(詳しくは負荷Tと回転速度Neの関係)を検出する。S202では、検出した運転状態に対応する負荷Tと回転速度Neに基づいて要求される燃焼形態が成層燃焼か否かを判定する。回転速度Ne、負荷Tが部分負荷等(例えばNe1以下、T1以下)の状態であれば図21に示すマップに基づいて燃焼形態が成層燃焼であると判定し、S203へ移行する。回転速度Ne、負荷Tが上記部分負荷以外の高負荷等の運転状態であれば図21に示すマップに基づいて燃焼形態が均質燃焼であると判定し、S204へ移行する。
S203では、S202で要求される燃焼形態が成層燃焼であると判定されると、ECU100は、インジェクタ2のリフト量を低リフト状態(H=HD1)に設定する。詳しくは、ECU100は通電方向切換回路100bにより駆動コイルへの通電方向を正方向に設定する。
なお、低リフト状態(詳しくは、駆動コイルへの通電方向が正方向の状態)では、第1噴孔21から燃料F1を噴射し、燃料噴流F1のペネトレーションL1は、第1噴孔21の噴孔面積(開口面積)が比較的小さいため比較的短くなり(図18(b)参照)、圧縮行程中の比較的容積の小さい燃焼室106内(詳しくはピストン104のキャビティ104a)に向かって比較的小さな広がり(詳しくは噴霧角α1)を有する噴霧を形成することができる(図22参照)。
S204では、S202で要求される燃焼形態が均質燃焼であると判定されると、ECU100は、インジェクタ2のリフト量を高リフト状態(H=HD2)に設定する。詳しくは、ECU100は駆動コイルへの通電方向を逆方向に設定する。
なお、高リフト状態(詳しくは、駆動コイルへの通電方向が逆方向の状態)では、第1噴孔21および第2噴孔22から燃料F1、F2を噴射し(図19(a)参照)、各燃料噴流F1、F2で形成される噴霧が内外に二重に配置され(図19(b)参照)、これら噴霧は、全体として空気との接触面積の拡大が図れる。また、第2噴孔22の噴孔面積(開口面積)は比較的大きいため、燃料噴流F2のペネトレーションL2は燃料噴流F12に比べて長くなる(L2>L1)。その結果、吸気行程中の比較的容積の大きい燃焼室106内に比較的大きな広がりα2(α2>α1)を有する略中空円錐状の噴霧(噴流F2群)を形成することができる。
以上説明した本実施形態では、可変リフト手段60、80、100bを備え、可変リフト手段60、80、100bは、エンジン100を成層燃焼運転するときには第1ニードル31を開弁させ、エンジン100を均質燃焼運転するときには第1ニードル31および第2ニードル32を開弁させるので、成層燃焼運転時には第1噴孔21から燃料F1が供給され、圧縮行程中の燃焼室106内局部に向かって燃料噴射できる。一方、均質燃焼運転時には第1噴孔21および第2噴孔22の両方から燃料F1、F2が供給され、吸気行程中の燃焼室106内全体にわたって広く分散するように燃料噴射できる。
(第9の実施形態)
2つの吸気弁107a、107bと、吸気弁107a、107bの開時に空気を導く燃焼室106を備えるエンジン100において、シリンダヘッド102などの吸気ポート内に燃料を噴射するいわゆるポート噴射するものがある(図24(b)参照)。なお、吸気弁107a、107bは吸気ポートの壁面に着座および離座することで、吸気弁が閉弁および閉弁される。燃焼室106には、吸気弁107a、107bが離座することで吸気弁107a、107bと壁面との隙間から吸気ポート内を流れる空気が導かれている。
このポート噴射においてリーンバーン燃焼をさせたい場合、吸気弁107a、107bのうち一方の吸気弁を休止させて比較的強いスワールを発生する方法が考えられる。しかしながら、その吸気弁を完全に休止させると、休止した吸気弁にポート噴射された燃料が付着してしまうため、吸気弁を完全に閉じられないという問題がある。
第9の実施形態では、第6の実施形態で説明した第1噴孔21および第2噴孔22を有するインジェクタ2を、図24(a)に示すように、2つの吸気弁107a、107bのうち一方の吸気弁107aを一時的に完全閉弁したままとすることが可能なエンジン100(以下、弁休止機能付エンジンと呼ぶ)に適用する。図24は、本実施形態に係わる内燃機関の吸気弁周辺への噴霧状態を示す模式的断面図であって、図24(a)は二つの吸気弁のうち一方が弁運転を休止しているときの噴霧状態、図24(b)は二つの吸気弁の両方が弁運転しているときの噴霧状態を示す模式的断面図である。図25は、本実施形態に係わる燃料噴射の制御処理を示すフローチャートである。
図24(a)および図24(b)において、吸気弁107a、107bがポートの壁面に離座および着座する弁作動が、休止している弁休止状態の場合には、円内をハッチングで示し、一方、通常の弁運転状態の場合には、円内を白抜きで示している。なお、吸気弁107aと吸気弁107bの休止を区別のため、吸気弁107a側の円内には符号IN1、吸気弁107b側の円内には符号IN2を付している。なお、本実施形態では、図24(a)に示すように、吸気弁107a側の弁作動が休止している。
上記構成を有する燃料噴射装置1の燃料噴射制御方法について、図25に従って説明する。図25に示すように、S301では、エンジンの回転速度Ne、吸気管圧力(または吸入空気量)PM、冷却水温Tw等のエンジンの運転状態を検出する図示しない各種センサの信号をECU100に読み込む。S302では、これらの信号に基づいて、ECU100は要求される運転状態を判定する。これにより、例えば要求される運転状態として、リーンバーン燃焼形態が選択される。この場合、比較的強いスワールを発生させるため、2つの吸気弁のうち一方の吸気弁を休止する弁運転を必要とする。
S303では、要求運転状態に基いて、2つの吸気弁107a、107bの弁運転をするか否かを判断する。要求運転状態がリーンバーン燃焼運転等の吸気弁107a、107bのうち一方を休止するものであれば、全運転しないと判定し、S304へ移行する。要求運転状態がリーンバーン燃焼運転等以外のものであれば、吸気弁107a、107bとも全運転すると判定し、S306へ移行する。
S304では、S303で吸気弁107a、107bとも全運転すると判定されると、吸気弁107a(IN1)、吸気弁107b(IN2)とも弁作動状態にし、S305へ移行する。S305では、ECU100は、インジェクタ2のリフト量を高リフト状態(H=HD2)に設定する。詳しくは、ECU100は駆動コイルへの通電方向を逆方向に設定する。
S306では、S303で吸気弁107a、107bの全運転をしないと判定されると、吸気弁107a(IN1)の弁運転を休止状態にする。一方、吸気弁107b(IN2)は弁作動させ、弁運転状態のままとする。S307では、ECU100は、インジェクタ2のリフト量を低リフト状態(H=HD1)に設定する。詳しくは、ECU100は駆動コイルへの通電方向を正方向に設定する。
以上説明した本実施形態では、可変リフト手段60、80、100bを備え、可変リフト手段60、80、100bは、2つの吸気弁107a、107bのうち一方の吸気弁107aが弁運転を休止しているときには第1ニードル31を開弁させ、吸気弁107a、107bの両方が弁運転しているときには第1ニードル31および第2ニードル32を開弁させるので、一方の吸気弁107aが弁運転を休止しているときには一方の吸気弁107aへの燃料供給を休止し、第1噴孔21から他方の吸気弁107bへ燃料F1を供給ができる(図24(a)参照)。
(その他の実施形態)
以上説明した第9の実施形態において、弁休止機能付エンジン100に第6の実施形態で説明した第1噴孔21および第2噴孔22を有するインジェクタ2を適用したが、これに限らず、第7の実施形態に説明した第1噴孔21および第2噴孔22を有するインジェクタ2を適用してもよい。二つの吸気弁のうち一方が休止している場合には、第1ニードル31を開弁させ、二つの吸気弁の両方が離座している場合には、第1ニードル31および第2ニードル32を開弁させられる。したがって、他方の吸気弁が休止中は第2ニードル32に対応する第2噴孔22の噴射が休止され、両方の吸気弁が離座している場合には第1ニードル31および第2ニードル32に対応する第1噴孔21および第2噴孔22の噴射が許容される。その結果、二つの吸気弁のうちいずれかが休止中は、噴射燃料の全体としての噴射方向の変更または一部方向へ噴射の禁止が可能である。
なお、ここで、エンジン100が成層燃焼運転および均質燃焼運転される場合において、成層燃焼運転は主にエンジン100の中速および中負荷以下等の部分負荷運転域であり、この運転域内で要求される噴射量は比較的小さい。一方、均質燃焼運転は主にエンジン100の高速および高負荷等の高負荷運転域であり、この運転域内で要求される噴射量は比較的大きい。これに対して、第1から第9の実施形態で説明した燃料噴射装置1では、リフト可変手段60、80、100bは、第1ニードルおよび第2ニードルの開弁時におけるリフト量(詳しくは高リフトH=HD2)を、第1ニードルの開弁時におけるリフト量(詳しくは低リフトH=HD2)より大きく形成しているので、噴射量調量可能な噴射量ダイミックレンジの向上が図れる。
本発明の第1の実施形態の燃料噴射装置の構成を示す部分的断面図である。 図1中の燃料噴射弁内の燃料経路を示す断面図である。 図1の燃料噴射装置の作動状態を示す模式的断面図であって、駆動コイルの非通電状態を示す部分的断面図である。 図1の燃料噴射装置の作動状態を示す模式的断面図であって、駆動コイルへの通電方向の正方向状態を示す部分的断面図である。 図1の燃料噴射装置の作動状態を示す模式的断面図であって、駆動コイルへの通電方向の逆方向状態を示す部分的断面図である。 第1の実施形態に係わる電気的構成を示す模式的回路図である。 図6中の電磁コイルへの通電方向を切換える切換手段の切換動作を表す図である。 第2の実施形態の燃料噴射装置の構成を表す部分的断面図である。 第3の実施形態の燃料噴射装置の構成を表す部分的断面図である。 第4の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図10(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図10(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第4の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図11(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図11(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第5の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図12(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図12(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第5の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図13(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図13(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第6の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図14(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図14(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第6の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図15(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図15(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第7の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図16(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図16(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第7の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図17(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図17(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第8の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の一実施例を示す模式図であって、図18(a)は弁部に有する第1噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図18(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第8の実施形態に係わる弁部からの噴射燃料の噴霧形状の他の実施例を示す模式図であって、図19(a)は弁部に有する第1噴孔および第2噴孔から噴射される燃料の噴射形状を示す斜視図、図19(b)はその噴霧の先端側の形状を示す斜視図である。 第8の実施形態に係わる燃料噴射モードを切換えるための制御処理を示すフローチャートである。 第8の実施形態に係わる内燃機関で実行される燃焼形態を設定するためのマップ構成図である。 第8の実施形態に係わる内燃機関の燃焼室への噴霧状態の一実施例を示す模式的断面図である。 第8の実施形態に係わる内燃機関の燃焼室への噴霧状態の他の実施例を示す模式的断面図である。 第9の実施形態に係わる内燃機関の吸気弁周辺への噴霧状態を示す模式的断面図であって、図24(a)は二つの吸気弁のうち一方が弁運転を休止しているときの噴霧状態、図24(b)は二つの吸気弁の両方が弁運転しているときの噴霧状態を示す模式的断面図である。 第9の実施形態に係わる燃料噴射の制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料噴射装置
2 インジェクタ(燃料噴射弁)
11 ノズルボディ(弁ボディ)
12 円錐面(弁座)
15 筒部材
17 磁性体
20 噴孔部
21 第1噴孔
22 第2噴孔
30 ノズルニードル(弁部材)
31 第1ニードル
32 第2ニードル
50 可動コア
60 コア
70 コイル(駆動コイルの一部)
80 永久磁石(磁化部材)
100 ECU(制御手段)
100a 制御部
100b 通電方向切換え回路
B 弁部
S 電磁駆動部

Claims (13)

  1. 第1噴孔および第2噴孔を有するノズルボディと、
    前記ノズルボディ内に移動可能に配置され、前記第1噴孔を開閉する第1ニードル、および前記第2噴孔を開閉する第2ニードルを有するノズルニードルと、
    前記ノズルニードルに協働可能な可動コアと、
    前記可動コアに軸方向に対峙し、磁性体からなるコアと、
    前記可動コアおよび前記コアに磁力を作用可能な駆動コイルと、
    前記コアを反可動コア側に吸引および可動コア側に反発可能な磁化部材とを備え、
    前記ノズルニードルは、前記第1噴孔および前記第2噴孔の噴孔面積を独立して増減させることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記磁化部材は、前記コアの反可動コア側に配置された永久磁石であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記コアと前記永久磁石との間には、磁性体が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記第1ニードルと前記第2ニードルを、内外に二重に配置していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記駆動コイルへの通電方向を、前記第1ニードルを吸引するときと、前記第2ニードルを吸引するときとで逆転させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置において、
    前記ノズルニードルは、前記第1ニードルおよび前記第2ニードルのうち、いずれか一方のニードルが前記可動コアと協働し、他方のニードルが前記コアと協働することを特徴とする燃料噴射装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置において、
    前記第1ニードルと前記第2ニードルとを当接させて前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを開弁方向に移動させることを特徴とする燃料噴射装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の燃料噴射装置は、
    吸気ポートと、
    前記吸気ポートの壁面に着座および離座する二つの吸気弁と、
    前記吸気弁が離座することで前記吸気弁と前記壁面との隙間から前記吸気ポート内を流れる空気を導く燃焼室とを備える内燃機関に用いられ、
    前記二つの吸気弁のうち一方が離座しているときには前記第1ニードルを開弁方向に移動させ、
    前記二つの吸気弁の両方が離座しているときには前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを開弁方向に移動させることを特徴とする燃料噴射装置。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の燃料噴射装置は、
    気筒内に直接燃料が供給される内燃機関に用いられ、
    成層燃焼運転時には前記第1ニードルを開弁方向に移動させ、
    均質燃焼運転時には前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを開弁方向に移動させることを特徴とする燃料噴射装置。
  10. 前記駆動コイルへの通電方向を切換える切換手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  11. 二つの吸気弁と、前記吸気弁の開時に空気を導く燃焼室とを備える内燃機関に用いられ、前記内燃機関へ燃料を噴射する燃料噴射装置において、
    前記燃料の噴射方向を略一方方向に噴射する第1噴孔群、および前記第1噴孔群の噴射方向と異なる噴射方向に噴射する第2噴孔群を有するノズルボディと、
    前記第1噴孔群を開閉する第1ニードル、および前記第2噴孔群を開閉する第2ニードルを有するノズルニードルと、
    前記第1ニードルおよび前記第2ニードルのリフト量を可変にするリフト可変手段とを備え、
    前記リフト可変手段は、
    前記二つの吸気弁のうち一方が弁運転を休止しているときには前記第1ニードルを開弁させ、
    前記二つの吸気弁の両方が弁運転しているときには前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを開弁させることを特徴とする燃料噴射装置。
  12. 気筒内に直接燃料が供給される内燃機関に用いられ、前記内燃機関へ燃料を噴射する燃料噴射装置において、
    前記燃料の噴射方向を略一方方向に噴射する第1噴孔群、および前記第1噴孔群の噴射方向と異なる噴射方向に噴射する第2噴孔群を有するノズルボディと、
    前記第1噴孔群を開閉する第1ニードル、および前記第2噴孔群を開閉する第2ニードルを有するノズルニードルと、
    前記第1ニードルおよび前記第2ニードルのリフト量を可変にするリフト可変手段とを備え、
    前記リフト可変手段は、
    前記内燃機関を成層燃焼運転するときには前記第1ニードルを開弁させ、
    前記内燃機関を均質燃焼運転するときには前記第1ニードルおよび前記第2ニードルを開弁させることを特徴とする燃料噴射装置。
  13. 前記リフト可変手段は、
    前記第1ニードルおよび前記第2ニードルの開弁時におけるリフト量を、
    前記第1ニードルの開弁時におけるリフト量より大きく形成するようにしていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の燃料噴射装置。
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