JP2006105030A - 可変容量圧縮機の駆動トルク推定方法および駆動源回転数制御システム - Google Patents

可変容量圧縮機の駆動トルク推定方法および駆動源回転数制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】 冷凍サイクルの起動直後において、可変容量圧縮機の実際の駆動トルクと、推定された駆動トルクの値とが大きくかけ離れることを防ぐ。
【解決手段】 冷媒の圧力以外の物理量に基づいて演算され、可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間に伴って徐々に増加する第一推定駆動トルクと、冷媒の圧力を用いて演算された第二推定駆動トルクとを比較して実際の駆動トルクに近い方の値を前記可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用する。
【選択図】 図3

Description

本発明は冷凍サイクルの駆動に用いる可変容量圧縮機の駆動トルクの推定方法および、可変容量圧縮機を駆動する駆動源の回転数制御システムに関するもので、特に車両用空調装置に適したものである。
従来、冷凍サイクルの駆動に用いられる可変容量圧縮機の駆動トルクは、冷凍サイクルの高圧側圧力を用いて推定されている(例えば特許文献1)。
しかし、冷凍サイクルの起動直後の過渡状態において、冷凍サイクルの高圧側圧力等を用いて駆動トルクを推定すると、推定駆動トルクが実際の駆動トルクから大きくかけ離れてしまうという問題があった。
また、駆動源であるエンジンによって可変容量圧縮機を駆動する場合、エンジンアイドリング時に、実際の駆動トルクから大きくかけ離れた推定駆動トルクに基づいてエンジンの目標回転数を決定すると、エンジンによって駆動される他の機器の制御と調和が取れず、エンジンの目標回転数が安定しないという問題が生じていた。
特開2001−180261号公報
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、冷凍サイクルの起動直後において、可変容量圧縮機の実際の駆動トルクと、推定駆動トルクの値とが大きくかけ離れることを防ぐことを目的とする。
上記目的を達成するにあたり、請求項1に記載の発明は、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える可変容量圧縮機と、可変容量圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧手段と、減圧手段によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、可変容量圧縮機、凝縮器、減圧手段、蒸発器とを接続する冷媒配管と、可変容量圧縮機から減圧手段に至るまでの冷媒の圧力を検出する圧力検出手段とを備える冷凍サイクルにおいて、圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力以外の物理量に基づいて演算され、可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間に伴って徐々に値が増加する可変容量圧縮機の第一推定駆動トルクを演算する第一駆動トルク推定手段と、圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力を用いて可変容量圧縮機の第二推定駆動トルクを演算する第二駆動トルク推定手段とを備え、第一推定駆動トルクと、第二推定駆動トルクとを比較して低い方の値を可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用することを特徴とする。
これにより、冷凍サイクル起動直後に、第二駆動トルク推定手段が冷媒の圧力を用いて実際の駆動トルクよりも高い第二推定駆動トルクを算出したとしたとしても、冷媒圧力以外の物理量に基づいて推定駆動トルクを演算する第一駆動トルク推定手段によって演算された第一推定駆動トルクが、前記可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間に伴って徐々に増加するため、可変容量圧縮機が冷媒を吐出し始める冷凍サイクル起動直後の過渡期においては上記第二推定駆動トルクよりも小さくなる。よって、推定駆動トルクとして第一推定駆動トルクが採用されるので、冷凍サイクル起動直後において、可変容量圧縮機の実際の駆動トルクと、推定駆動トルクとが大きくかけ離れることを防ぐことができる。
また、請求項2に記載の発明は、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える可変容量圧縮機と、可変容量圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧手段と、減圧手段によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、可変容量圧縮機、凝縮器、減圧手段、蒸発器とを接続する冷媒配管と、可変容量圧縮機から減圧手段に至るまでの冷媒の圧力を検出する圧力検出手段とを備える冷凍サイクルにおいて、圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力以外の物理量に基づいて可変容量圧縮機の第一推定駆動トルクを演算する第一駆動トルク推定手段と、圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力を用いて可変容量圧縮機の第二推定駆動トルクを演算する第二駆動トルク推定手段と、可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間を計測する経過時間計測手段と、経過時間計測手段によって計測された経過時間が、所定時間未満である場合は、第一推定駆動トルクを可変容量圧縮機の推定駆動トルクとし、経過時間計測手段によって計測された経過時間が、所定時間以上である場合は、第二推定駆動トルクを可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用することを特徴とする。
これにより、冷凍サイクルが起動してからの経過時間が所定時間未満である場合は、推定駆動トルクとして第一推定駆動トルクが採用されるので、冷凍サイクル起動直後において、可変容量圧縮機の実際の駆動トルクと、推定駆動トルクとが大きくかけ離れることを防ぐことができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、容量可変機構は、外部から入力される制御電流によって圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変させるものであり、第一駆動トルク推定手段は、制御電流に基づいて第一推定駆動トルクを演算することを特徴とする。
これにより、第一駆動トルク推定手段は、可変容量圧縮機によって圧縮される冷媒の量に基づいて第一推定駆動トルクを演算するので、第一推定駆動トルクをより正確に演算することができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、第一駆動トルク推定手段は、可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間と、経過時間に対応してあらかじめ記憶された値とによって、第一推定駆動トルクを演算することを特徴とする。これにより、第一推定トルクを迅速に演算することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明は、可変容量圧縮機は、駆動源によって駆動されており、請求項1ないし請求項4に記載の可変容量圧縮機の駆動トルクの推定方法によって演算された推定駆動トルクを、駆動源の回転数制御に用いることを特徴とする。
これにより、実際の駆動トルクと大きくかけ離れることなく演算された推定駆動トルクを、駆動源の回転数制御に用いることで、駆動源の回転数を最適化することができる。
また、請求項6に記載の発明は、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える可変容量圧縮機と、可変容量圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧手段と、減圧手段によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、可変容量圧縮機、凝縮器、減圧手段、蒸発器とを接続する冷媒配管と、可変容量圧縮機から減圧手段に至るまでの冷媒の圧力を検出する圧力検出手段とを備える冷凍サイクルと、可変容量圧縮機を駆動する駆動源と、可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間を計測する経過時間計測手段と、圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力を用いて可変容量圧縮機の推定駆動トルクを演算する駆動トルク推定手段と、推定駆動トルクを用いて駆動源の目標回転数を演算する回転数演算手段とを備え、回転数演算手段は、経過時間計測手段によって計測された経過時間が所定時間未満である場合は、駆動トルク推定手段によって演算された推定駆動トルクに、所定の演算を行うことで推定駆動トルクを減じた値を演算に用いる推定駆動トルクとし、経過時間計測手段によって計測された経過時間が所定時間以上である場合は、駆動トルク推定手段によって演算された推定駆動トルクを、そのまま演算に用いることを特徴とする。
これにより、単一の駆動トルク推定手段によって駆動源の回転数制御を最適化することが可能となる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、回転数演算手段は、駆動源の目標アイドル回転数を演算することを特徴とする。
これにより、目標アイドリング時回転数を最適化することで、アイドリング騒音の低減および駆動源の燃費を向上させることができる。
また、請求項8に記載の発明は、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える可変容量圧縮機と、可変容量圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧手段と、減圧手段によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、可変容量圧縮機、凝縮器、減圧手段、蒸発器とを接続する冷媒配管と、可変容量圧縮機から減圧手段に至るまでの冷媒の圧力を検出する圧力検出手段とを備える冷凍サイクルにおいて、圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力以外の物理量に基づいて演算され、可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間に伴って徐々に値が増加する可変容量圧縮機の第一推定駆動トルクを演算する第一駆動トルク推定手段と、圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力を用いて可変容量圧縮機の第二推定駆動トルクを演算する第二駆動トルク推定手段とを備え、第一推定駆動トルクと、第二推定駆動トルクとを比較して実際の駆動トルクに近い方の値を可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用することを特徴とする。これにより、上記請求項1と同様の効果を得ることができる。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は、図示しないエンジンによってベルト駆動される可変容量圧縮機1を有する冷凍サイクルRcと、冷凍サイクルRcおよびエンジンを制御するECU2と、該ECU2の入出力に関係する後述するセンサ群(8〜12)の接続関係を示した図である。
可変容量圧縮機1は、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える周知の可変容量圧縮機であり、容量可変機構は、ECU2から入力される容量制御信号によって制御されている。
冷凍サイクルRcは、上述の可変容量圧縮機1と、可変容量圧縮機1によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器3と、凝縮器3によって凝縮された冷媒を気液分離する気液分離器4と、気液分離器4によって分離された液冷媒を減圧する減圧手段である膨張弁5と、膨張弁5によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器6と、これら可変容量圧縮機1、凝縮器3、気液分離器4、膨張弁5、蒸発器6とを接続する冷媒配管7とから構成されており、可変容量圧縮機1から膨張弁5に至るまでの冷媒の圧力を検出する高圧圧力センサ8とを備える。尚、膨張弁5は、蒸発器6の下流側に配置された感温筒5a内の気体の圧力に応じた開度にて気液分離器4によって分離された液冷媒を膨張させて減圧する温度式膨張弁である。
ECU2には、上記高圧圧力センサ8で検出された高圧圧力信号と、図示しない車両の車室内空間の温度を検出する内気温度センサ9からの内気温度信号と、車両外部の温度を検出する外気温度センサ10からの外気温度信号と、車室内に差し込む日射量を検出する日射センサ11からの日射信号と、蒸発器6の表面に取り付けられ、蒸発器6の温度を検出する蒸発器温度センサ12からの蒸発器温度信号とが、A−D変換器13を介して入力される。また、ECU2には、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段14からのエンジン回転数信号と、車室内に配置されたエアコン操作パネル15を乗員が操作することで発せられるエアコンON/OFF信号と、車載バッテリ16への通電を制御するIGスイッチ17からのIG信号とが入力される。
そして、ECU2は、上記の信号群に基づいて可変容量圧縮機1の容量可変機構と、コンデンサファン18と、エアコンブロワファン19と、アイドル調整弁20の開度を制御する。
ここで、アイドル調整弁20は、エンジン吸気管21内に配置されたスロットル弁22をバイパスするバイパス管路23に設けられた弁である。エンジンアイドリング時、ECU2はこのアイドル調整弁20の開度によって、エンジンに供給する吸入空気の量を調整して、アイドリング回転数を調整している。
エンジンアイドリング時の最適なアイドル回転数は、エンジンによってベルト駆動される補機の駆動トルクによって異なるため、ECU2は可変容量圧縮機1の駆動トルクを推定して目標となるアイドル回転数を決定し、このアイドル回転数に基づいてアイドル調整弁20の開度を決定する。
以下、図2および図3を用いて可変容量圧縮機1の駆動トルク推定方法を説明する。図2は、本実施形態における可変容量圧縮機1の駆動トルクの時間遷移を示したグラフであり、操作パネル15からECU2にエアコンON信号が入力され、可変容量圧縮機1が駆動され始めた時間をt0としている。図2中の実線は実際の駆動トルクを示し、破線は本発明の第一駆動トルク推定手段によって冷凍サイクルの高圧側圧力以外の物理量に基づいて演算した第一推定駆動トルク(TrqA)を示し、一点鎖線は本発明の第二駆動トルク推定手段によって冷凍サイクルの高圧側圧力を用いて演算した第二推定駆動トルク(TrqB)を示している。尚、本実施形態における第一推定トルク(TrqA)は、可変容量圧縮機1の駆動トルクの時間遷移を近似した直線で表されており、この直線はエアコンON/OFF信号が入力されてからの経過時間と共に単調増加している。
図3は、本実施形態のECU2において、上記第一推定駆動トルク(TrqA)と第二推定駆動トルク(TrqB)のいずれの推定駆動トルクをエンジン回転数の制御に用いるかを決定するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、上記高圧圧力信号、エンジン回転数信号を読み込み、ステップS2へと進む。
ステップS2では、高圧圧力信号を用いずに、予めECU2に記憶されたマップに基づいて第一推定駆動トルク(TrqA)を演算し、ステップS3へと進む。尚、上記マップは、エアコンON/OFF信号が入力されてからの経過時間と、上記第一推定駆動トルク(TrqA)との関係を記憶したものである。
ステップS3では、高圧圧力信号と、エンジン回転数信号と、ECU2によって演算された上記容量可変機構を制御する制御電流値とに基づいて、第二推定駆動トルク(TrqB)を演算し、ステップS4へと進む。
ステップS4では、ステップS2で演算した第一推定駆動トルク(TrqA)とステップS3で演算した第二推定駆動トルク(TrqB)とを比較して、第一推定駆動トルク(TrqA)が第二推定駆動トルク(TrqB)よりも小さい場合はステップS5へと進み、第一推定駆動トルク(TrqA)が第二推定駆動トルク(TrqB)よりも大きい場合はステップS6へと進む。
ステップS5では、第一推定駆動トルク(TrqA)に基づいてエンジンアイドリング時の目標となるアイドリング回転数を決定し、ステップS7へと進む。
ステップS6では、第二推定駆動トルク(TrqB)に基づいてエンジンアイドリング時の目標となるアイドリング回転数を決定し、ステップS7へと進む。
ステップS7では、ステップS1へと戻る。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、エアコンON/0FF信号が入力されてからの経過時間と共に増加する第一推定駆動トルク(TrqA)と、高圧圧力信号と、エンジン回転数信号と、容量可変機構の制御電流値とに基づいて演算された第二推定駆動トルク(TrqB)とを比較し、その小さい方の推定駆動トルクに基づいて目標となるアイドル回転数を決定するので、エアコンON/OFF信号が入力された直後であっても、高圧圧力信号に基づいて演算された実際よりも高い第二推定駆動トルク(TrqB)を用いずに、経過時間と共に増加する第一推定駆動トルク(TrqA)を用いる。これにより、図2に示す実際の可変容量圧縮機1の駆動トルクに近い推定駆動トルクを用いて目標となるアイドル回転数を決定することができる。
これにより、エンジンの目標アイドル回転数を最適化することができ、アイドリング騒音の低減およびエンジンの燃費を向上させることができる。
また、本実施形態では、あらかじめECU2に記憶されたマップに基づいて第一推定駆動トルク(TrqA)を演算したが、図4に示すように、容量可変機構によって可変容量圧縮機1が圧縮する冷媒の量が変化したとしても、エアコンON/OFF信号が入力された直後においては、圧縮する冷媒の量(以下、吐出容量)の大小に応じて実際の駆動トルクが大きく変動することはなく、上記マップは圧縮される冷媒の量に関わらず単一のものを用いることが可能である。尚、図4からも明らかなように、第一推定駆動トルク(TrqA)を用いて目標アイドル回転数を決定している期間(T0〜T1、T0〜T2、T0〜T3)は、吐出容量の変化に応じて増加することになる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、第一推定駆動トルク(TrqA)を予めECU2に記憶されたエアコンON/OFF信号が入力されてからの経過時間とともに直線的に増加する推定トルクのマップに基づいて演算したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一推定駆動トルク(TrqA)は高圧圧力信号を用いずに演算されるものであれば、どのような方法によって演算するようにしてもよく、容量可変機構の制御電流値に基づいて第一推定駆動トルク(TrqA)を演算するようにしてもよい。これにより、第一推定駆動トルク(TrqA)をより正確に演算することができる。
また、上記実施形態では第一推定駆動トルク(TrqA)と第二推定駆動トルク(TrqB)との大小関係に基づいて第一推定駆動トルク(TrqA)と第二推定駆動トルク(TrqB)のどちらを用いるか決定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エアコンON/OFF信号が入力されてからの経過時間を計測する経過時間計測手段を備えて、計測された経過時間に基づいて第一推定駆動トルク(TrqA)と第二推定駆動トルク(TrqB)のどちらを用いるか決定するようにしてもよく、エアコンON/OFF信号が入力されてから所定時間が経過するまでは第一推定駆動トルク(TrqA)を用い、所定時間が経過すると第二推定駆動トルク(TrqB)を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、駆動トルク推定手段を複数持つことで、実際の駆動トルクと、推定駆動トルクとが大きくかけ離れることを防止して、最適な目標アイドル回転数を決定するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、高圧圧力信号に基づいて推定駆動トルクを演算する単一の駆動トルク推定手段を用い、上記経過時間計測手段を備え、所定時間が経過するまでは、該駆動トルク推定手段によって演算された推定駆動トルクに、所定の演算を行うことで、推定駆動トルクを減じた値を目標となるアイドル回転数の決定に用いるようにしてもよい。
また、高圧圧力センサ8は可変容量圧縮機1から膨張弁5に至るまでの冷媒の圧力を検出することができれば、どのような場所に取り付けられたものでもよく、可変容量圧縮機1本体に取り付けるようにしてもよいし、冷媒配管7に取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第一推定駆動トルクを演算するために、単一のマップを用いるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、該マップを複数用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第一推定駆動トルクと、第二推定駆動トルクとを比較して低いほうの値を可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一推定駆動トルクと、第二推定駆動トルクとを比較して実際の駆動トルクに近い方の値を可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用するようにしてもよい。
本発明の実施形態の構成を示した図である。 本発明の実施形態における可変容量圧縮機1の駆動トルクの時間遷移を示したグラフである。 本発明の実施形態における推定トルクの決定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における可変容量圧縮機1が吐出容量を変化させた時の駆動トルクの時間遷移を示したグラフである。
符号の説明
1 可変容量圧縮機
2 ECU
3 凝縮器
4 気液分離器
5 膨張弁
6 蒸発器
7 冷媒配管
8 高圧圧力センサ
9 内気温度センサ
10 外気温度センサ
11 日射センサ
12 蒸発器温度センサ
13 A−D変換器
14 エンジン回転数検出手段
15 操作パネル
16 車載バッテリ
17 IGスイッチ
18 コンデンサファン
19 エアコンブロワファン
20 アイドル調整弁
21 エンジン吸気管

Claims (8)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える可変容量圧縮機と、前記可変容量圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧手段と、前記減圧手段によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記可変容量圧縮機、前記凝縮器、前記減圧手段、前記蒸発器とを接続する冷媒配管と、前記可変容量圧縮機から前記減圧手段に至るまでの冷媒の圧力を検出する圧力検出手段とを備える冷凍サイクルにおいて、
    前記圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力以外の物理量に基づいて演算され、前記可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間に伴って徐々に値が増加する前記可変容量圧縮機の第一推定駆動トルクを演算する第一駆動トルク推定手段と、
    前記圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力を用いて前記可変容量圧縮機の第二推定駆動トルクを演算する第二駆動トルク推定手段とを備え、
    前記第一推定駆動トルクと、前記第二推定駆動トルクとを比較して低い方の値を前記可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用することを特徴とする可変容量圧縮機の駆動トルクの推定方法。
  2. 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える可変容量圧縮機と、前記可変容量圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧手段と、前記減圧手段によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記可変容量圧縮機、前記凝縮器、前記減圧手段、前記蒸発器とを接続する冷媒配管と、前記可変容量圧縮機から前記減圧手段に至るまでの冷媒の圧力を検出する圧力検出手段とを備える冷凍サイクルにおいて、
    前記圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力以外の物理量に基づいて前記可変容量圧縮機の第一推定駆動トルクを演算する第一駆動トルク推定手段と、
    前記圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力を用いて前記可変容量圧縮機の第二推定駆動トルクを演算する第二駆動トルク推定手段と、
    前記可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間を計測する経過時間計測手段と、
    前記経過時間計測手段によって計測された経過時間が、所定時間未満である場合は、
    前記第一推定駆動トルクを前記可変容量圧縮機の推定駆動トルクとし、
    前記経過時間計測手段によって計測された経過時間が、前記所定時間以上である場合は、前記第二推定駆動トルクを前記可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用することを特徴とする可変容量圧縮機の駆動トルクの推定方法。
  3. 前記容量可変機構は、外部から入力される制御電流によって前記圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変させるものであり、
    前記第一駆動トルク推定手段は、前記制御電流に基づいて前記第一推定駆動トルクを演算することを特徴とする請求項2に記載の可変容量圧縮機の駆動トルク推定方法。
  4. 前記第一駆動トルク推定手段は、前記可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間と、前記経過時間に対応してあらかじめ記憶された値とによって、前記第一推定駆動トルクを演算することを特徴とする請求項1または2に記載の可変容量圧縮機の駆動トルク推定方法。
  5. 前記可変容量圧縮機は、駆動源によって駆動されており、請求項1ないし請求項4に記載の可変容量圧縮機の駆動トルクの推定方法によって演算された推定駆動トルクを、前記駆動源の回転数制御に用いることを特徴とする駆動源回転数制御システム。
  6. 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える可変容量圧縮機と、前記可変容量圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧手段と、前記減圧手段によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記可変容量圧縮機、前記凝縮器、前記減圧手段、前記蒸発器とを接続する冷媒配管と、前記可変容量圧縮機から前記減圧手段に至るまでの冷媒の圧力を検出する圧力検出手段とを備える冷凍サイクルと、
    前記可変容量圧縮機を駆動する駆動源と、
    前記可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間を計測する経過時間計測手段と、
    前記圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力を用いて前記可変容量圧縮機の推定駆動トルクを演算する駆動トルク推定手段と、
    前記推定駆動トルクを用いて前記駆動源の目標回転数を演算する回転数演算手段とを備え、
    前記回転数演算手段は、前記経過時間計測手段によって計測された経過時間が所定時間未満である場合は、前記駆動トルク推定手段によって演算された推定駆動トルクに、所定の演算を行うことで前記推定駆動トルクを減じた値を演算に用いる推定駆動トルクとし、前記経過時間計測手段によって計測された経過時間が前記所定時間以上である場合は、前記駆動トルク推定手段によって演算された推定駆動トルクを、そのまま演算に用いることを特徴とする駆動源回転数制御システム。
  7. 前記回転数演算手段は、前記駆動源の目標アイドル回転数を演算することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の駆動源の回転数制御システム。
  8. 冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記圧縮機構部によって圧縮される冷媒の容量を可変する容量可変機構とを備える可変容量圧縮機と、前記可変容量圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧する減圧手段と、前記減圧手段によって減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記可変容量圧縮機、前記凝縮器、前記減圧手段、前記蒸発器とを接続する冷媒配管と、前記可変容量圧縮機から前記減圧手段に至るまでの冷媒の圧力を検出する圧力検出手段とを備える冷凍サイクルにおいて、
    前記圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力以外の物理量に基づいて演算され、前記可変容量圧縮機が冷媒を圧縮し始めてからの経過時間に伴って徐々に値が増加する前記可変容量圧縮機の第一推定駆動トルクを演算する第一駆動トルク推定手段と、
    前記圧力検出手段によって検出された冷媒の圧力を用いて前記可変容量圧縮機の第二推定駆動トルクを演算する第二駆動トルク推定手段とを備え、
    前記第一推定駆動トルクと、前記第二推定駆動トルクとを比較して実際の駆動トルクに近い方の値を前記可変容量圧縮機の推定駆動トルクとして採用することを特徴とする可変容量圧縮機の駆動トルクの推定方法。
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