JP2006103993A - セメント強化用熱可塑性樹脂の集束繊維 - Google Patents

セメント強化用熱可塑性樹脂の集束繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂繊維表面の表面改良効果を損ねることなく、且つ、繊維束をセメントマトリックス中に短時間に容易に分散させることができるセメント強化用熱可塑性樹脂集束繊維を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂繊維からなる単糸繊度が100dt以上で、且つ、その繊維の長さが20mm以上である短繊維を複数本を集束させた繊維束の両端の少なくとも片面を熱融着させて固着させ、集束繊維を形成することにより、熱可塑性樹脂繊維表面の表面改良効果を損ねることなく、且つ、集束繊維束をセメントマトリックス中に短時間に容易に分散させることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コンクリートやモルタルの補強効果に優れたセメント補強用熱可塑性樹脂の集束繊維に関するものである。
従来よりモルタルやコンクリートを用いたセメント成形品、または建築物の外壁、トンネルの内壁、傾斜法面などが構築されているが、これらは成形体としては比較的脆性が大で、引張強度、曲げ耐力、曲げタフネス、耐衝撃性などの物性が充分でないと壁面のひび割れによる水漏れや外壁の剥離落下事故などが生じる危険性がある。そして、コンクリートの補強を目的として、ポリビニルアルコール繊維やポリオレフィン系繊維等の合成樹脂繊維が使用されている。
このような合成樹脂繊維は、セメントスラリー中に均一に分散させるために、多数の繊維束を集束剤で接着させた集束繊維や多数の繊維束を横方向の張力下による外周ラップした集束繊維等で用いることが提案されている。
すなわち、上記した集束繊維は、水溶性の集束剤による集束接合や張力下による外周ラップ等がされているため、集束繊維をセメントスラリー中に混合した際、含有する水等の分散剤によって、その集束力が解除され、機械的混合によってセメントスラリー内に分散されるという利点を有している。
前者の集束繊維としては、例えば、水の存在下で集束効果が減少する水溶性の集束剤を使用し、かかる水溶性の集束剤を繊維重量に対して2〜20重量%付着させて単糸デニールが0.5〜25のモノフィラメントを50〜6000本集束してチョップドストランドとなしたもの(例えば、特許文献1)、細デニールの繊維を集束して太デニールの繊維としたチョップドストランド(例えば、特許文献2)、界面活性剤等湿潤剤でフィラメント同志を密着させたもの(例えば、特許文献3)等を挙げることができる。
また、後者の集束繊維としては、多数の繊維束の相対的な横方向の動きを実質的に制限するに足りる張力下で維持された外周ラップした集束繊維(例えば、特許文献4)等を挙げることができる。
特公昭63−59980号公報(1頁) 特開昭52−89122号公報(1頁) 特表平4−502142号号公報(2頁) 特許第3510258号公報(2頁)
しかしながら、上記前者の方法では、水溶性の集束剤を繊維重量に対して2重量%を付着させてなり、繊維束の径が数mm以下である場合は有効であるが、繊維束が大きくなると、繊維束を開放させる水などの分散剤が繊維束中まで染み込み難く、繊維束を完全に開放するためには、多大な混練り時間を要するという問題がある。また、補強繊維のマトリックスへの付着面へ集束剤の塗布を行うことは、繊維表面に直接処方された表面改良効果手段(酸化処理(特許文献5)、極性樹脂練りこみ(特許文献6))の劣化促進や、表面改良効果手段のセメントマトリックスへの直接改良効果を減じるなどの問題点がある。
一方、上記後者の方法では、繊維束の外周ラップピングを安定させるためには、繊維束径は繊維長以下が望ましく、特にアスペクト比(繊維長さ/繊維直径の比)が小さい繊維の場合は、充分な張力を得るためにラッピング素材を厚くする必要があり、そのため、ラッピング素材自体の開放に時間がかかり、混練り時間が長くなるという問題があり、また、繊維束の外周ラッピングをゆるくすると繊維長さ方向への崩れが発生するため輸送時には、このくずれが発生しない梱包が必要であるなどの問題がある。さらに、コンクリートスラリーへの混入を投入機にて行う際、ベルトコンベアー方式では転がりの問題があり、また、空送方式では繊維束を崩す必要があるなど投入方法の問題がある。
本発明は、上記ような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、熱可塑性樹脂繊維表面の表面改良効果を損ねることなく、且つ、繊維束をセメントマトリックス中に短時間に容易に分散させることができるセメント強化用熱可塑性樹脂集束繊維を提供すつことを目的とする。
本発明の要旨は、熱可塑性樹脂繊維からなる単糸繊度が100dt以上で、且つ、その繊維の長さが20mm以上である短繊維を複数本を集束させた繊維束の両端の少なくとも片面を熱融着させて固着させ、集束繊維を形成してなることを特徴とするセメント強化用熱可塑性樹脂の集束繊維、に存する。
本発明のセメント強化用熱可塑性樹脂の集束繊維は、熱可塑性樹脂繊維からなる単糸繊度が100dt以上で、且つ、その繊維の長さが20mm以上である短繊維を複数本を集束させた繊維束の両端の少なくとも片面を熱融着させて固着させ、集束繊維を形成することにより、熱可塑性樹脂繊維表面の表面改良効果を損ねることなく、且つ、集束繊維束をセメントマトリックス中に短時間に容易に分散させることができる
本発明において繊維原料に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、6ナイロン、6・6ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリカーボネート等を挙げることができる。
ポリオレフィンとしては、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体などのポリエチレンや、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体などのポリプロピレン等が挙げられ、これらの中では高強度、耐熱性を要求されるセメント強化用としてプロピレン単独重合体が望ましく、特にアイソタクチックペンタッド率0.95以上のものを選択することが望ましい。このポリプロピレンのメルトフローレート(以下、MFRと略す)は、連続的な安定生産性の点で0.1〜30g/10分の範囲、好ましくは1〜10g/10分の範囲から選択するのがよい。
以下、熱可塑性樹脂として、ポリプロピレンを用いた場合につき、詳述する。
ポリプロピレンには、その紡糸の過程において必要に応じ他のポリオレフィンが添加されてもよい。ここでの他のポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体などのポリエチレン系樹脂、ポリブテン−1等である。
ポリプロピレン繊維は、その主体となる繊維形状は比較的太いモノフィラメントを切断した短繊維であって、その製造方法としては特に限定されるものではなく円形や楕円形、異型、その他連糸形状のダイスからフィラメントを押し出す製造技術を採用することができる。
上記モノフィラメントの構成として基本的な単層フィラメントの他に、ポリプロピレン高融点成分を芯層とし、ポリプロピレン低融点成分を鞘層とする複合モノフィラメントを使用することもできる。この製造方法は、各層のポリプロピレンを押出機で溶融混練し、2層の吐出孔が略同心円上に設けられたダイスの中心吐出孔から高融点成分からなる芯層を供給し、その外面に低融点成分からなる鞘層を押出して被覆して複合モノフィラメントを得るものである。この場合に実質的な強力が芯層の物性に依存するため、高融点成分としてプロピレン単独重合体、アイソタクチックポリプロピレンなどを使用することが好ましく、一方低融点成分としては、プロピレン−エチレンブロック共重合体及びランダム共重合体、シンジオタクチックポリプロピレンなどが好ましい。
次に、モノフィラメントは熱延伸及び熱弛緩処理を施し、この熱処理によってフィラメントの剛性を高めて、伸びの小さいセメント強化用として好適なポリプロピレンモノフィラメントが得られる。この熱延伸はポリプロピレンの融点以下、軟化点以上の温度下に行われ、通常は延伸温度が90〜150℃、延伸倍率は通常5〜12倍、好ましくは7〜9倍である。熱延伸法としては、熱ロール式、熱板式、赤外線照射式、熱風オーブン式、熱水式などの方式が採用できる。
ポリプロピレンフィラメントの引張強度は5g/dt以上であり、好ましくは、6g/dt以上である。また、引張伸度は20%以下であり、好ましくは、15%以下である。引張強度、引張伸度がこれらの範囲を外れるとセメント強化用ポリプロピレン繊維としての強度が不充分となり好ましくない。
形成されるポリプロピレンモノフィラメントの単糸繊度は、100dt以上、好ましくは200〜10,000dt の範囲、さらに好ましくは200〜6,500dtの範囲である。単糸繊度が100dt未満では繊維が細すぎてコンクリート混和物中の分散が不均一でファイバーボールになり易く、施工性や補強性の点で問題となり、一方、単糸繊度が10,000dtを超えると繊維のコンクリート混和物との接触面積が減少し曲げ応力に対して引き抜け易くなり補強効果が劣り好ましくない。
ポリプロピレンモノフィラメントは、紡糸、熱延伸の次工程として、表面に凹凸が付形されることが有効である。これによって、繊維とコンクリートとの接触面積を増加させて、コンクリート硬化後の繊維の引き抜けを抑制して補強効果を高めることができるのである。この表面に凹凸を付形する方法としては、モノフィラメントをエンボス加工する方法が挙げられる。エンボス加工は、モノフィラメントを延伸前または延伸後にエンボスロールを通すことにより行なうもので、モノフィラメントの長手方向に連続して凹凸が形成されるものである。
上記ポリプロピレン繊維には、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機充填材、有機充填材、架橋剤、発泡剤、核剤等の添加剤を配合してもよい。
上記ポリプロピレン繊維の表面に極性基を付与させることにより、セメントマトリックスとの親和性を改良してセメントマトリックスとポリプロピレン繊維との結合力を向上させることができるので望ましい。上記ポリプロピレン繊維表面に極性基を付与させる程度としては、簡便的には、ポリプロピレン繊維表面の濡れ張力で評価することができ、ポリプロピレン繊維表面の濡れ張力が40mN/m以上、好ましくは40〜90mN/m、さらに好ましくは40〜70mN/mの範囲となるようにポリプロピレン繊維表面に極性基を付与させるのが望ましい。表面の濡れ張力が40mN/m未満では、セメントマトリックスに対して、ポリプロピレン繊維表面の親和性を改良することができず、セメントマトリックスとポリプロピレン繊維との結合力を向上させること不十分である。
なお、上記ポリプロピレン繊維表面の濡れ指数は、JIS K6768(1999年)に規定される方法に準拠して測定したものである。
上記ポリプロピレン繊維表面に極性基を付与させる方法としては、ポリプロピレン繊維表面を無水マレイン酸やアクリル酸等のカルボン酸で変性させてカルボキシル基を導入する方法、ポリプロピレン繊維表面に界面活性剤等の表面処理剤を塗布する方法、ポリプロピレン樹脂に界面活性剤を配合して、ポリプロピレン繊維表面に界面活性剤をブリードさせて極性基を付与させる方法、ポリプロピレン繊維表面を表面酸化処理する方法等が挙げられる。
上記界面活性剤のポリプロピレン繊維に対する付着方法としては、一般に界面活性剤をポリプロピレン繊維に塗布する方法により行われる。界面活性剤としては、一般的に、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等が好適に使用される。界面活性剤の塗布量は、ポリプロピレン繊維に対して0.3〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。塗布量が総繊維に対して0.3重量%未満ではポリプロピレン繊維表面の硬化樹脂に対する親和性を改良することができず、10重量%を超えるとポリプロピレン繊維表面の親和性の付与効果がそれ以上向上せず、逆にコストが上昇するので、好ましくない。この塗布方法としては、界面活性剤溶液中にポリプロピレン繊維を浸漬して塗布するディップコート法、ポリプロピレン繊維に界面活性剤溶液をスプレーして塗布するスプレーコート法、刷毛塗りやロールコータを用いてポリプロピレン繊維に界面活性剤溶液を塗布する方法等が挙げられる。
さらに、ポリプロピレン樹脂に界面活性剤を配合する方法としては、ポリプロピレン樹脂中に上記した界面活性剤を配合して練り混み、ポリプロピレン繊維表面に界面活性剤をブリードさせて親和性を付与させることにより、その表面の濡れ張力を上記範囲にすることができる。界面活性剤の配合量としては、ポリプロピレン繊維に対して0.5〜5重量%の範囲が好適である。
表面酸化処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
コロナ放電処理は、通常用いられている処理条件、例えば、電極先端と被処理基布間の距離0.2〜5mmの条件で、その処理量としては、ポリプロピレン繊維1m当たり10w・分以上、好ましくは10〜200W・分の範囲、さらに好ましくは10〜180W・分 の範囲である。
プラズマ処理工程は、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン、水素、窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化硫黄等の単体ガスまたはこれらの混合ガス、例えば、酸素濃度5〜15容量%を含有する酸素と窒素の混合ガスを大気圧近傍の圧力下で、対向電極間に電圧を印加してプラズマ放電を発生させることによって、プラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起混合ガスを、プラスチック基材の表面に吹きつけることにより実施できる。プラズマ処理条件としては、例えば、処理するプラスチック基材が通過する電極間の距離は、基材の厚み、印加電圧の大きさ、混合ガスの流量等に応じて適宜決定されるが、通常1〜50mm、好ましくは2〜30mmの範囲であり、上記電極間に印加する電圧は印加した際の電界強度が1〜40kv/cmとなるように印加するのが好ましく、その際の交流電源の周波数は、1〜100kHzの範囲である。
フレームプラズマ処理工程は、天然ガスやプロパンを燃焼させた時に生じる火炎内のイオン化したプラズマを、プラスチック基材の表面に吹きつけることにより実施できる。
電子線照射処理工程は、プラスチック基材の表面に、電子線加速器により発生させた電子線を照射することにより行われる。電子線照射装置としては、例えば、線状のフィラメントからカーテン状に均一な電子線を照射できる装置を使用することができる。
こうして表面処理を施したポリプロピレン繊維は、所定長さにカットされセメント強化用の短繊維となる。短繊維の長さは20〜100mm、好ましくは20〜70mmである。繊維長が20mm未満では、セメントからの抜けが生じ、100mmを越えると分散性が不良となり好ましくない。
本発明において、上記所定長さにカットされたポリプロピレン短繊維は、次いで、複数本数の繊維束、例えば、50〜10,000本、好ましくは、100〜5,000本の範囲の短繊維束を整列状態で、その繊維束の長手方向の少なくとも一端断面(以下、片面と略称する)、好ましくは両端断面(以下、両面と略称する)に熱融着させて、その片面または両面を固着させ、整列状態の集束繊維を形成することができる。
上記ポリプロピレン短繊維束は、その片面または両面を熱融着させて端面固着部を形成するために熱処理をほどこす。熱処理は、上記ポリプロピレン短繊維束の融点あるいはポリプロピレン繊維が複合繊維の場合には、その複合繊維の低融点成分の融点以上で、複合繊維の高融点成分の融点以下の温度で行う。
熱処理には、熱風型加熱機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機、高圧蒸気加熱機、超音波型加熱機、熱ロール型加熱機、熱圧着ロール型加熱機等の装置が使用でき、熱プレス法、アイロン法によっても実施できる。
上記ポリプロピレン短繊維束の端面に対する熱融着長さとしては、ポリプロピレン短繊維束の長手方向の片面から繊維長の1/4以下、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下を熱融着して固着できる範囲内であればよい。この熱融着長さがポリプロピレン繊維長の1/4を超えた場合には、ポリプロピレン短繊維表面の熱融着長さが増加するために、予めポリプロピレン短繊維の表面に極性基を付与させて、セメントマトリックスとの親和性を改良してセメントマトリックスとポリプロピレン繊維との結合力を向上させる効果が喪失するので、好ましくない。
上記で得られたポリプロピレン繊維束の少なくとも片面が固着された集束繊維は、セメント系原料に投入してミキサーによって混合攪拌されると、ミキサーによる衝撃や攪拌時におけるセメント系原料との摩擦などの物理的外力によってより細かな集束繊維片状態に分割されファイバーボールになることが防止でき、使用時に水を加えて湿式混合されると、ミキサーの物理的外力、流動するセメントスラリーとの攪拌摩擦によって、集束繊維の大部分が単繊維に分繊された状態となすことができる。
本発明のコンクリート強化用ポリプロピレン繊維は、強化繊維材としてセメント、細骨材、粗骨材、水及び適量のコンクリート混和剤に配合して用いられる。ここで、セメントとしてはポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント等の水硬性セメントまたは石膏、石灰等の気硬性セメント等のセメント類が挙げられ、細骨材としては川砂、海砂、山砂、珪砂、ガラス砂、鉄砂、灰砂、その他人工砂などが挙げられ、粗骨材としてはレキ、砂利、砕石、スラグ、各種人工軽量骨材などが代表的に挙げられる。
本発明のコンクリート強化用ポリプロピレン繊維を吹付けコンクリートの施工に用いる場合、この配合量は、セメント、細骨材、粗骨材、水等よりなるコンクリート混合物1mに対してポリプロピレン繊維を1〜20kg、好ましくは2〜15kgを配合して分散させることが肝要である。これは、ポリプロピレン繊維の配合量が20kgを超えてもコンクリート中に繊維が均一に分布しないために曲げタフネスは増大しないし、一方、配合量が1kg未満では硬化後補強効果が小さい。
また、この場合の混合する方法として、セメント、細骨材、粗骨材、水等よりなるコンクリート混合物を投入してベースコンクリートとし、このベースコンクリートを混練後に、ポリプロピレン繊維を投入後、45〜300秒間混練を行なうことが好ましい。
実施例1
(1)繊維の製造
ポリプロピレン(MFR=4.0g/10分、Tm=163℃)を押出機に投入して円形ノズルから紡糸して冷却した後に熱風オーブン式延伸法により、熱延伸温度115℃、熱弛緩温度120℃、延伸倍率7〜8倍で延伸を行い、単糸繊度4300dtのモノフィラメントを形成し、次いで、エンボスロールと硬質ゴムロールを用いて表面に凹凸のエンボス加工を付形したポリプロピレンモノフィラメントを繊維長が66mmとなるように切断してポリプロピレン繊維とした。
(2)集束繊維の製造
アルミ鋳込みヒーターの片面を鉄板、もう片面をアスベスト版にて挟みこんだプレートヒターを300℃に加熱し、鉄板表面に、シリコン系離型剤を塗付した後、上記で得られたポリプロピレン繊維を1500本集束した繊維束の片端面を鉄板に10秒間押し付け、片面が熱溶着された集束繊維束を得た。
(3)評価試験
日本道路公団試験方法,第7編トンネル関係試験方法、試験様式727−1、繊維補強吹付けコンクリートの示方配合に準拠し、コンクリートの配合をセメント450kg/m、細骨材1367kg/m、粗骨材501kg/m、水202kg/m、AD混和剤4.5kg/mの割合で、生コン工場バッチャーにて1m混練した後、容量2mのアジテーター車に移し替え、アジテーター車ホッパー口より、上記(2)のポリプロピレン集束繊維9.1kgを60秒間で投入後、高速回転にて180秒間攪拌した後、アジテーター車ホッパー口より繊維の分散を確認後、アジテーター車よりコンクリートを排出しシューター上及び、捨てコン土間打ちにて繊維の分散を確認した。
その結果、ファイバーボールの発生も無く、繊維の分散も均一であった。
実施例2.
実施例1において、上記したポリプロピレン集束繊維を9.1kgを60秒間で投入後、高速回転にて120秒間攪拌し後、猫車に30リットルづつ排出し繊維の分散状態を確認したたこと以外は同様に行った。
その結果、ファイバーボールの発生も無く、繊維の分散も均一であった。
比較例1
実施例1において、アジテーター車ホッパー口より、上記(2)のポリプロピレン繊維9.1kgを90秒間で投入後、高速回転にて180秒間攪拌した後、アジテーター車のホッパー口より繊維の分散を確認するに繊維固まりが確認出来た為再度、120秒間高速攪拌を追加した後、コンクリートをアジテーター車より排出し、シューター上及び、捨てコン土間打ちにて繊維の分散を確認したこと以外は同様に行った。
その結果、最大15cm大のファイバーボールを筆頭に多数のファイバーボールと繊維分散斑が確認出来た。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂繊維からなる単糸繊度が100dt以上で、且つ、その繊維の長さが20mm以上である短繊維を複数本を集束させた繊維束の両端の少なくとも片面を熱融着させて固着させ、集束繊維を形成してなることを特徴とするセメント強化用熱可塑性樹脂の集束繊維。
  2. 熱可塑性樹脂繊維の単糸繊度が200〜10,000dtの範囲で、且つ、その繊維の長さが20〜100mmの範囲である請求項1に記載のセメント強化用熱可塑性樹脂の集束繊維。
  3. 繊維束の両端の少なくとも片端から5mm以内を熱融着させて集束繊維を形成してなる請求項1〜2に記載のセメント強化用熱可塑性樹脂の集束繊維。
  4. 熱可塑性樹脂がポリプロピレンであり、該ポリプロピレンを紡糸し、その単糸繊度が200dt以上のモノフィラメントの表面に極性基を付与させてなる請求項1〜3に記載のセメント強化用熱可塑性樹脂の集束繊維。
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