JP2006103528A - 車両用ステレオカメラの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造コストの高騰や大型・重量化等の不具合を招くことなく、重量物の重みによる車体フレームの変形に起因したカメラの光軸のずれを無くすことのできる車両用ステレオカメラの取付構造を提供する。
【解決手段】 複数のカメラ8を相互に連結するラテラルステー9と、このラテラルステー9とカメラ8をロアクロスメンバ6に固定するブラケット10を設ける。ロアクロスメンバ6の取付面と直交する軸qに対してカメラ8の光軸pが上向きに傾斜するように、ブラケット10のカメラ取付面10aを、車体取付面10bに対して傾斜させる。ロアクロスメンバ6が、重量物の重みによって前方に下がったときに、カメラ8の光軸pが車両前方の適正位置に向くようになる。
【選択図】 図8
【解決手段】 複数のカメラ8を相互に連結するラテラルステー9と、このラテラルステー9とカメラ8をロアクロスメンバ6に固定するブラケット10を設ける。ロアクロスメンバ6の取付面と直交する軸qに対してカメラ8の光軸pが上向きに傾斜するように、ブラケット10のカメラ取付面10aを、車体取付面10bに対して傾斜させる。ロアクロスメンバ6が、重量物の重みによって前方に下がったときに、カメラ8の光軸pが車両前方の適正位置に向くようになる。
【選択図】 図8
Description
この発明は、車載カメラの取付構造に関し、とりわけ、立体画像を認識するための複数のカメラを車体に取り付けるステレオカメラの取付構造に関するものである。
車両周囲の走行環境をカメラで撮影し、この画像情報を走行支援等のために利用する技術が開発されている。その代表的なものとしては、立体画像認識用の一対のカメラを車両に搭載し、その二つのカメラで撮影した画像から対象物の前後位置を認識する技術が知られている。
このようなステレオカメラの取付構造としては、例えば、特許文献1に記載されるようなものが知られている。
この取付構造は、横長のラテラルステーの両端に一対のカメラを取り付け、ラテラルステーの中央部のみを車室内の固定部材に取り付けることで、振動や車体の歪によって両カメラの光軸がすれるのを防止するようになっている。
特開2001−88623号公報
この取付構造は、横長のラテラルステーの両端に一対のカメラを取り付け、ラテラルステーの中央部のみを車室内の固定部材に取り付けることで、振動や車体の歪によって両カメラの光軸がすれるのを防止するようになっている。
ところで、近年、ステレオカメラに、フロントガラスを透過しにくい光を扱う赤外線カメラを用いる場合等において、カメラをエンジンルーム前方の車体フレームに取り付けることが検討されている。しかし、エンジンルームの前方の車体フレームはエンジンやトランスミッション等の重量物の搭載によって前方が若干下がってしまい、その下がり方も車両左右で異なることがある。このため、エンジンルームの前方の車体フレームにカメラを設置する場合には、カメラの撮影面を予め大きく確保して画像処理エリアをソフト的に調整する手段や、機械的な光軸調整機構を設ける手段が考えられている。
しかし、前者の場合には、撮影面を大きく確保する分、製造コストの高騰やカメラの大型化を招き、後者の場合には、調整機構の構造が複雑になることから、重量の増加や製造コストの高騰を招く不具合がある。
そこでこの発明は、製造コストの高騰や大型・重量化等の不具合を招くことなく、重量物の重みによるカメラの光軸のずれを無くすことのできる車両用ステレオカメラの取付構造を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両周囲の走行環境を立体画像として認識するための複数のカメラ(例えば、後述の実施形態におけるカメラ8)を車体フレーム(例えば、後述の実施形態におけるロアクロスメンバ6、サイドフレーム4)に取り付ける車両用ステレオカメラの取付構造であって、前記車体フレームに重量物が支持されるものにおいて、前記複数のカメラを相互に連結するラテラルステー(例えば、後述の実施形態におけるラテラルステー9)と、このラテラルステーまたは前記カメラを前記車体フレームに固定するブラケット(例えば、後述の実施形態におけるアッパブラケット10、ロアブラケット11)を設け、車体フレームの取付面と直交する軸(例えば、後述の実施形態における軸q)に対して前記カメラの光軸(例えば、後述の実施形態における光軸p)が上向きに傾斜するように、前記ブラケットの前記ラテラルステーまたはカメラに対する取付面(例えば、後述の実施形態におけるカメラ取付面10a,11b)を、車体取付面(例えば、後述の実施形態における車体取付面10b,11a,11c)に対して傾斜させるようにした。
この発明の場合、ブラケットのラテラルステーまたはカメラに対する取付面が、予め車体取付面に対して傾斜させてあるため、車体フレームが重量物の重みによって下方に下がるように変形すると、カメラの光軸が狙い通りの角度を向くようになる。
また、請求項2に記載の発明は、前記ブラケットの、前記ラテラルステーまたはカメラに対する取付面と前記車体取付面との傾斜角度を、そのブラケットを取り付ける車体フレームの部位の変形量に応じて角度設定するようにした。
この場合、ブラケットの前記傾斜角度が、ブラケットを取り付ける車体フレームの部位の変形量に応じて角度設定されるため、車体フレームの部分的な変形量の相違にも対応することができる。
この場合、ブラケットの前記傾斜角度が、ブラケットを取り付ける車体フレームの部位の変形量に応じて角度設定されるため、車体フレームの部分的な変形量の相違にも対応することができる。
請求項1に記載の発明によると、ブラケットのラテラルステーまたはカメラに対する取付面を、予め車体取付面に対して傾斜させておくことで、重量物の重みによる車体フレームの変形分を相殺してカメラの光軸を狙い通りの角度に向かせることができるため、製造コストの高騰や大型・重量化等の不具合を招くことなくカメラの光軸のずれを確実に無くすことが可能になる。
また、請求項2に記載の発明によると、各ブラケットを取り付ける車体フレームの変形量に応じて傾斜角度を設定するため、重量物の重みによる車体フレームの変形量が部分的に異なっていても、カメラの光軸を確実に狙い通りの角度に向かせることができる。
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、図2に示す車両1の車体前部Aのボディパネルやバンパ等を取り外した骨格部の斜視図であり、図3は、同骨格部の概略平面図、図4,図5は、夫々同骨格部の概略正面図と概略側面図である。これらの図において、2は、エンジンであり、4は、エンジンルーム3の両側において車体前後方向に延出する一対のサイドフレーム、5は、エンジン冷却水を冷却するためのラジエータである。
図1は、図2に示す車両1の車体前部Aのボディパネルやバンパ等を取り外した骨格部の斜視図であり、図3は、同骨格部の概略平面図、図4,図5は、夫々同骨格部の概略正面図と概略側面図である。これらの図において、2は、エンジンであり、4は、エンジンルーム3の両側において車体前後方向に延出する一対のサイドフレーム、5は、エンジン冷却水を冷却するためのラジエータである。
両側のサイドフレーム4の前端部は、バルクヘッドロアクロスメンバ6(以下、「ロアクロスメンバ6」と呼ぶ。)とバルクヘッドアッパフレーム7(以下、「アッパフレーム7」と呼ぶ)によって結合されており、これらのロアクロスメンバ6とアッパフレーム7の中央部は前記ラジエータ5の下端と上端を夫々支持している。ロアクロスメンバ6とアッパフレーム7は共に閉断面とされ、これらの長手方向の各中央部は夫々下方と上方に湾曲し、両者の間にラジエータ前方の空気取り入れスペースが確保されている。具体的には、例えばロアクロスメンバ6では、車幅方向に水平に延びるメンバ基部6aに対して、このメンバ基部6aの両縁がサイドフレーム4に向かって斜め上方に屈曲し(以下、この部分を「側方傾斜部6b」と呼ぶ。)、その側方傾斜部6bの各端末部がさらに車幅方向外側に曲げられサイドフレーム4の下面に結合されている。
一方、この車両に搭載されるステレオカメラは、カメラ本体として遠赤外線カメラ8(以下、「カメラ8」と呼ぶ。)を採用している。カメラ8は一対設けられ、これらのカメラ8は、車幅方向に延出するラテラルステー9によって相互に連結されると共に、アッパブラケット10とロアブラケット11を介してロアクロスメンバ6に取り付けられるようになっている。
ラテラルステー9は、図1,図6に示すようにアルミニウムや鉄等の金属から成る角パイプによって形成され、その両側縁の前部壁と下部壁が切り欠かれ、残った後部壁の前面側に各カメラ8の背部上縁が固定されている。また、ラテラルステー9の長手方向の中間部には、両カメラ8に接続される信号ケーブルの束12がクリップ止めによって取り付けられている。
アッパブラケット10とロアブラケット11は、図6,図7に示すようにアルミニウム等の金属板によって形成されており、アッパブラケット10は、各カメラ8の背部上縁をラテラルステー9と共にロアクロスメンバ6の側方傾斜部6b(図4参照。)に固定し、ロアブラケット11は、各カメラ8の背部下縁をロアクロスメンバ6のメンバ基部6aと側方傾斜部6bに固定するようになっている。これらのブラケット10,11は、少なくとも一部がラテラルステー9の曲げ剛性よりも低い剛性になるように設定されている。
アッパブラケット10は、図7に示すように帯状の金属板が板厚方向に複数段に曲げられ、一端側の端縁の前面がカメラ取付面10a、他端側の端縁の後面が車体取付面10bとされている。カメラ取付面10aのあるアッパブラケット10の一端側は、図6に示すようにラテラルステー9の端部と共にカメラ8の上縁にボルト13によって共締め固定され、車体取付面10bのある他端側はロアクロスメンバ6の側方傾斜部6b(図4参照。)の上端近傍にボルト14によって固定されている。また、この実施形態の場合、アッパブラケット10の曲げは三段になって設けられ、これらがアッパブラケット10の変形代を大きくする曲げ部10cとなっている。アッパブラケット10の長手方向に沿う一方の側縁には、カメラ取付面10a側の端縁と曲げ部10cの一部に跨るように補強フランジ16が曲げ形成されており、他方の側縁には、車体取付面10bの端縁と曲げ部10cの一部に跨るように補強用ビード17が形成されている。この実施形態の場合、アッパブラケット10全体がプレス成形によって形成されている。
一方、ロアブラケット11は、プレス成形された二枚の金属板が連結されて成り、大型の金属板によって形成されたブラケット本体11Aは正面視が略円弧状を成すように形成されている。ブラケット本体11Aの一端側の後面は第1の車体取付面11aとされ、その第1の車体取付部11aのある一端側が図4に示すようにロアクロスメンバ6のメンバ基部6aにボルト14によって固定されている。また、ブラケット本体11Aの他端は、その前面がカメラ取付面11bとされると共に、末端部が略直角に折り曲げられて、そこにL字断面のサブブラケット11Bが結合されている。カメラ取付面11bにはカメラ8の下縁部がボルト13で固定されており、サブブラケット11Bの底壁後面は第2の車体取付面11cとされ、この第2の車体取付面11cのある底壁がロアクロスメンバ6の側方傾斜部6bの略中間位置にボルト14で固定されている。なお、ロアブラケット11のブラケット本体11Aには補強フランジ18と補強用ビード19が適宜形成されている。
ところで、アッパブラケット10とロアブラケット11の各カメラ取付面10a,11bは、夫々の車体取付面10b,11a,11cに対して平行ではなく、図8,図9に示すように車体取付面10b,11a,11cに対して微少角度aだけ上方側に向くように形成されている。今、両ブラケット10,11の各カメラ取付面10a,11bが車体取付面10b,11a,11cに対して平行であるとすると、これらのブラケット10,11を介してロアクロスメンバ6に取り付けられたカメラ8の光軸はpは、ロアクロスメンバ6の取付面と直交する軸qと平行になるが、この取付構造においては、前述のようにカメラ取付面10a,11bが車体取付面10b,11a,11cに対して微少角度aだけ上方に傾斜しているため、カメラ8の光軸pは軸qに対して微少角度aだけ上方に向いている。
この微少角度aは、サイドフレーム4にエンジン2やトランスミッション(図示せず)等の重量物を支持させたときの、サイドフレーム4の前端部が下がりを考慮し計算や実験によって求めた角度であり、サイドフレーム4に重量物が支持された状態において、カメラ8の光軸qが車両前方の狙い通りの角度に向くようになっている。
以上の構成において、例えば、サイドフレーム4がエンジン2の熱を受けて車幅方向外側に開き変形した場合には、ロアクロスメンバ6の両端部がサイドフレーム4によって引っ張られ、両側の側方傾斜部6bがより外側に開くように変形しようとする。このとき、カメラ8とラテラルステー9をロアクロスメンバ6に固定しているアッパブラケット10とロアブラケット11に荷重が入力されるが、その荷重は剛性の低い両ブラケット10,11を変形させることによって吸収され、ラテラルステー9には大きな曲げ荷重として入力されなくなる。特に、ロアクロスメンバ6の側方傾斜部6bの上端近傍に結合されているアッパブラケット10は、複数段の曲げ部10cを中心とする低剛性部が大きな撓み代をもって変形するため、ロアクロスメンバ6からの大きな入力荷重を効果的に吸収することができる。
また、このステレオカメラの取付構造の場合、基本的にラテラルステー9の両端部を車体フレームであるロアクロスメンバ6にブラケット10,11によって固定するものであるため、カメラ8のガタ付きや振れを確実に無くすことができる。したがって、この実施形態の取付構造においては、焦点距離の長い遠赤外線カメラを採用する関係でカメラ8の間隔を離し、長いラテラルステー9で両カメラ8を連結しなければならないにも拘らず、カメラ8のガタ付きや振れによる不具合は生じない。また、カメラ8を大きな振動の入力のあるエンジンルーム3の前方に配置するにも拘らず、同様にガタ付きや振れによる不具合は生じない。
さらに、このステレオカメラの取付構造においては、カメラ8をラテラルステー9とブラケット10,11を介してロアクロスメンバ6に最終的に取り付けた場合に、重量物によってサイドフレーム4が変形した状態において、図10(B)に示すようにカメラ8の光軸pを車両前方の最適角度に確実に向かせることができる。因みに、図10(A)は、この発明による対策を施さない場合の比較例であるが、この比較例の場合には、撮影時に狙いとする対象物の中心に対して光軸pが下を向いてしまう。
また、この取付構造においては、アッパブラケット10とロアブラケット11の形状の工夫によって車載状態でのカメラ8の光軸pを狙い通りの向きに向けることができるため、カメラ8の撮影面を予め大きくして対処する場合や、機械的な光軸調整機構を設ける場合に比較して、車載装置全体のコストの低減と小型・軽量化を図ることができる。
なお、車体取付面10b,11a,11cに対するカメラ取付面10a,11bの傾斜角度aは、必ずしもラテラルステー9の左右のブラケット10,11で同じである必要はなく、重量物によるサイドフレーム4の前端部の変形量(下がり方)が車体左右で異なる場合には、夫々の変形量に応じた傾斜角度aに設定することが望ましい。この場合には、各カメラ8の光軸をより正確な向きに設定することが可能となる。
この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、以上ではステレオカメラのカメラとして遠赤外線カメラを用いたが、遠赤外線カメラに限らず可視光を扱うカメラを用いることも可能である。
4 サイドフレーム
6 ロアクロスメンバ(車体フレーム)
8 カメラ
9 ラテラルステー
10 アッパブラケット(ブラケット)
11 ロアブラケット(ブラケット)
10a,11b カメラ取付面
10b,11a,11c 車体取付面
6 ロアクロスメンバ(車体フレーム)
8 カメラ
9 ラテラルステー
10 アッパブラケット(ブラケット)
11 ロアブラケット(ブラケット)
10a,11b カメラ取付面
10b,11a,11c 車体取付面
Claims (2)
- 車両周囲の走行環境を立体画像として認識するための複数のカメラを車体フレームに取り付ける車両用ステレオカメラの取付構造であって、前記車体フレームに重量物が支持されるものにおいて、
前記複数のカメラを相互に連結するラテラルステーと、このラテラルステーまたは前記カメラを前記車体フレームに固定するブラケットを設け、
車体フレームの取付面と直交する軸に対して前記カメラの光軸が上向きに傾斜するように、前記ブラケットの前記ラテラルステーまたはカメラに対する取付面を、車体取付面に対して傾斜させたことを特徴とする車両用ステレオカメラの取付構造。 - 前記ブラケットの、前記ラテラルステーまたはカメラに対する取付面と前記車体取付面との傾斜角度を、そのブラケットを取り付ける車体フレームの部位の変形量に応じて角度設定したことを特徴とする車両用ステレオカメラの取付構造。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004293575A JP2006103528A (ja) | 2004-10-06 | 2004-10-06 | 車両用ステレオカメラの取付構造 |
US11/243,206 US7499100B2 (en) | 2004-10-06 | 2005-10-04 | Structure for attaching stereoscopic camera in vehicle |
DE102005047472A DE102005047472B4 (de) | 2004-10-06 | 2005-10-04 | Struktur zum Anbringen einer Stereokamera an einem Fahrzeug |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020112959A (ja) * | 2019-01-10 | 2020-07-27 | 株式会社ダイフク | 物品搬送装置 |
-
2004
- 2004-10-06 JP JP2004293575A patent/JP2006103528A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
JP2020112959A (ja) * | 2019-01-10 | 2020-07-27 | 株式会社ダイフク | 物品搬送装置 |
JP7540878B2 (ja) | 2019-01-10 | 2024-08-27 | 株式会社ダイフク | 物品搬送装置 |
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