JP2006103438A - 車両のアンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキ操作に応じた液圧を出力する液圧発生手段および全車輪ブレーキ間にそれぞれ介設される入口弁と、アンチロックブレーキ制御時の増圧モードで入口弁を半開状態でデューテイ制御することによる緩増圧ならびに入口弁をその全開および全閉状態を繰り返すようにパルス制御することによる急増圧を切換えて制御することを可能とした制御ユニットを備える車両のアンチロックブレーキ制御装置において、増圧モードで緩増圧を選択している状態での増圧不足が生じることがないようにする。
【解決手段】制御ユニットCは、アンチロックブレーキ制御時に入口弁5A〜5Dをデューティ制御することによる緩増圧中に全輪の車輪速度の最大値および最小値の差が所定値未満となったときから所定時間が経過するまでの全輪の車輪速度に基づく平均減速度の積分値が閾値に対して減速不足側の値であったときに、増圧モードを緩増圧から急増圧に切換える。
【選択図】 図1
【解決手段】制御ユニットCは、アンチロックブレーキ制御時に入口弁5A〜5Dをデューティ制御することによる緩増圧中に全輪の車輪速度の最大値および最小値の差が所定値未満となったときから所定時間が経過するまでの全輪の車輪速度に基づく平均減速度の積分値が閾値に対して減速不足側の値であったときに、増圧モードを緩増圧から急増圧に切換える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、全開および全閉間の半開状態でのデューティ制御を可能とした常開型のリニアソレノイド弁として構成されるとともにブレーキ操作部材の操作に応じた液圧を出力する液圧発生手段および全車輪ブレーキ間にそれぞれ介設される入口弁と、アンチロックブレーキ制御時の増圧モードで前記入口弁を半開状態でデューテイ制御することによる緩増圧ならびに前記入口弁をその全開および全閉状態を繰り返すようにパルス制御することによる急増圧を切換えて制御することを可能とした制御ユニットを備える車両のアンチロックブレーキ制御装置に関する。
このようなアンチロックブレーキ制御装置は、たとえば特許文献1等で既に知られている。
特開2003−45718号公報
ところで、このようなアンチロックブレーキ制御装置では、路面の摩擦係数が所定値よりも低いときには、アンチロックブレーキ制御時の増圧モードで緩増圧を選択して、入口弁を半開状態でデューテイ制御するようにしているが、そのような緩増圧制御を実行しているときにブレーキ操作部材の操作力を高くなる側に変化させても、車輪ブレーキのブレーキ液圧増圧を制限してしまうことになる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、アンチロックブレーキ制御時の増圧モードで緩増圧を選択している状態での増圧不足が生じることがないようにした車両のアンチロックブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、全開および全閉間の半開状態でのデューティ制御を可能とした常開型のリニアソレノイド弁として構成されるとともにブレーキ操作部材の操作に応じた液圧を出力する液圧発生手段および全車輪ブレーキ間にそれぞれ介設される入口弁と、アンチロックブレーキ制御時の増圧モードで前記入口弁を半開状態でデューテイ制御することによる緩増圧ならびに前記入口弁をその全開および全閉状態を繰り返すようにパルス制御することによる急増圧を切換えて制御することを可能とした制御ユニットとを備える車両のアンチロックブレーキ制御装置において、前記制御ユニットは、アンチロックブレーキ制御時に前記入口弁をデューティ制御することによる緩増圧中に全輪の車輪速度の最大値および最小値の差が所定値未満となったときから所定時間が経過するまでの全輪の車輪速度に基づく平均減速度の積分値が閾値に対して減速不足側の値であったときに、前記増圧モードを緩増圧から急増圧に切換えることを特徴とする。
このような発明の構成によれば、アンチロックブレーキ制御時の増圧モードで入口弁を半開状態でデューティ制御している緩増圧時に、全輪の車輪速度の最大値および最小値の差が所定値未満となったとき、すなわち全輪の車輪速度がほぼ等しくなったときから所定時間が経過するまでの全輪の車輪速度に基づく平均減速度の積分値が閾値に対して減速不足側の値であったときには、増圧不足であることに起因して車輪速度の減速が足りない状態であると判断することができるので、増圧モードを緩増圧から急増圧に切換えることにより、車輪ブレーキのブレーキ液圧増圧速度を高めるようにして増圧不足が生じることを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図5は本発明の一実施例を示すものであり、図1は乗用車両のブレーキ装置のブレーキ液圧回路図、図2は入口弁の縦断面図、図3は弁軸のストローク変化に対する吸引力変化を示す図、図4は入口弁の駆動装置の構成を示す図、図5はアンチロックブレーキ制御時の入口弁への指令信号の一例を示す図である。
先ず図1において、液圧発生手段であるタンデム型のマスタシリンダMは、車両運転者がブレーキ操作部材であるブレーキペダルPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生する第1および第2出力ポート1,2を備えており、第1出力ポート1に接続された第1出力液圧路3と、左前輪用車輪ブレーキBAおよび右後輪用車輪ブレーキBBとの間に液圧制御弁手段VA,VBがそれぞれ介設され、第2出力ポート2に接続された第2出力液圧路4と、右前輪用車輪ブレーキBCおよび左後輪用車輪ブレーキBDとの間に液圧制御弁手段VC,VDがそれぞれ介設される。
各液圧制御弁手段VA〜VDは、左前輪用車輪ブレーキBA、右後輪用車輪ブレーキBB、右前輪用車輪ブレーキBCおよび左後輪用車輪ブレーキBDに個別に対応した入口弁5A〜5Dと、各入口弁5A〜5Dにそれぞれ並列に接続されるチェック弁7A〜7Dと、前記各車輪ブレーキBA〜BDに個別に対応した出口弁6A〜6Dとを備え、入口弁5A〜5Dは常開型のリニアソレノイド弁であり、出口弁6A〜6Dは常閉型電磁弁である。
第1出力液圧路3に対応した入口弁5A,5Bは、第1出力液圧路3と、左前輪用車輪ブレーキBAおよび右後輪用車輪ブレーキBBとの間に介設される。また第1出力液圧路3に対応した出口弁6A,6Bは、第1出力液圧路3に対応した単一の第1リザーバ8Aと、左前輪用車輪ブレーキBAおよび右後輪用車輪ブレーキBBとの間に介設される。第1リザーバ8Aには、第1リザーバ8Aからブレーキ液を汲上げ得る第1ポンプ10Aの吸入側が第1吸入弁9Aを介して接続され、第1ポンプ10Aの吐出側が第1吐出弁11Aおよび第1ダンパ12Aを介して第1出力液圧路3に接続される。
また第2出力液圧路4に対応した入口弁5C,5Dは、第2出力液圧路4と、右前輪用車輪ブレーキBCおよび左後輪用車輪ブレーキBDとの間に介設される。また第2出力液圧路4に対応した出口弁6C,6Dは、第2出力液圧路4に対応した単一の第2リザーバ8Bと、右前輪用車輪ブレーキBCおよび左後輪用車輪ブレーキBDとの間に介設される。第2リザーバ8Bには、第2リザーバ8Bからブレーキ液を汲上げ得る第2ポンプ10Bの吸入側が第2吸入弁9Bを介して接続され、第2ポンプ10Bの吐出側が第2吐出弁11Bおよび第2ダンパ12Bを介して第2出力液圧路4に接続される。
また各チェック弁7A〜7Dは、対応する車輪ブレーキBA〜BDからマスタシリンダMへのブレーキ液の流れを許容するようにして、各入口弁5A〜5Dに並列に接続される。
前記各液圧制御弁手段VA〜VDの作動すなわち各入口弁5A〜5Dおよび各出口弁6A〜6Dの作動と、第1および第2ポンプ10A,10Bの作動とは、制御ユニットCで制御される。
上記各液圧制御弁手段VA〜VDは、各車輪がロックを生じる可能性のない通常ブレーキ時には、制御ユニットCにより、マスタシリンダMおよび車輪ブレーキBA〜BD間を連通するとともに車輪ブレーキBA〜BDおよびリザーバ8A,8B間を遮断する状態に制御される。すなわち各出口弁6A〜6Aが非通電による閉弁状態とされるとともに、各入口弁5A〜5Aが非通電による開弁状態とされ、マスタシリンダMの第1出力ポート1から出力されるブレーキ液圧は、入口弁5Aを介して左前輪用車輪ブレーキBAに作用するとともに、入口弁5Bを介して右後輪用車輪ブレーキBBに作用する。またマスタシリンダMの第2出力ポート2から出力されるブレーキ液圧は、入口弁5Cを介して右前輪用車輪ブレーキBCに作用するとともに、入口弁5Dを介して左後輪用車輪ブレーキBDに作用する。
上記ブレーキ中に車輪がロック状態に入りそうになったときに、各液圧制御弁手段VA〜VDのうちロック状態に入りそうになった車輪に対応する液圧制御弁手段は、制御ユニットCにより、マスタシリンダMおよび車輪ブレーキBA〜BD間を遮断するとともに車輪ブレーキBA〜BDおよびリザーバ8A,8B間を連通する状態に制御される。すなわち各入口弁5A〜5Dのうちロック状態に入りそうになった車輪に対応する入口弁が通電によって閉弁状態とされるとともに、各出口弁6A〜6Dのうち上記車輪に対応する出口弁が通電によって開弁される。これにより、ロック状態に入りそうになった車輪のブレーキ液圧の一部が第1リザーバ8Aまたは第2リザーバ8Bに吸収され、ロック状態に入りそうになった車輪のブレーキ液圧が減圧されることになる。
またブレーキ液圧を一定に保持する際には、各液圧制御弁手段VA〜VDは、制御ユニットCにより、車輪ブレーキBA〜BDをリザーバ8A,8Bから遮断するとともにマスタシリンダMからの液圧作用を制限する状態に制御される。すなわち出口弁6A〜6Dが非通電により閉弁されるとともに、入口弁5A〜5Dは、その付与電流の制御により入口弁5A〜5Dの下流側の液圧をリニアに変化させるように通電制御されることになる。さらにブレーキ液圧を増圧する際には、出口弁6A〜6Dが非通電により閉弁状態とされるとともに、入口弁5A〜5Dは、該入口弁5A〜5Dへの付与電流の制御によりそれらの入口弁5A〜5Dの下流側の液圧を前記付与電流に応じてリニアに制御する。
ところで、第1および第2ポンプ10A,10Bは、上記アンチロックブレーキ制御時に作動するように制御ユニットCで制御されるものであり、第1および第2リザーバ8A,8Bのブレーキ液は第1および第2ポンプ10A,10BでマスタシリンダM側に還流されることになる。このようなブレーキ液の還流によって、第1および第2リザーバ8A,8Bへのブレーキ液の吸収によるブレーキペダルPの踏込み量の増加を防止することができる。しかも第1および第2ポンプ10A,10Bの吐出圧の脈動は第1および第2ダンパ12A,12Bで吸収されるので、上記還流によってブレーキペダルPの操作フィーリングは阻害されることはない。
このようにしてアンチロックブレーキ制御時には、出口弁6A〜6Dが制御ユニットCでオン・オフ制御されて全開・全閉を切換えるものであるのに対し、各入口弁5A〜5Dは、全開および全開を切換え可能であるとともに、全閉および全開間の半開状態でのデューテイ制御、ならびに全開および全閉状態を繰り返すパルス制御を切換えて制御されるものであり、オン・オフ間に中間値の付与電流に応じて各車輪ブレーキBA〜BD側の液圧をリニアに変化させるべく構成される入口弁5A〜5Dのうち、入口弁5Aの構成について図2を参照しながら以下に説明する。
図2において、入口弁5Aは、電磁力を発揮するソレノイド部14と、該ソレノイド部14で駆動される弁部15とで構成されるものであり、固定の支持ブロック16の一面16aに開口するようにして該支持ブロック16に設けられる装着孔17に弁部15が収容され、ソレノイド部14は支持ブロック16の一面16aから突出する。
弁部15は、磁性金属により段付きの円筒状に形成される弁ハウジング18を備えるものであり、この弁ハウジング18は、支持ブロック16の装着孔17に嵌合される。装着孔17の開口端寄り内面には弁ハウジング18に係合して該弁ハウジング18の装着孔17からの離脱を阻止する止め輪19が嵌着される。また弁ハウジング18の外面の軸方向に間隔をあけた2個所には環状のシール部材20,21が装着されており、それらのシール部材20,21間で支持ブロック16および弁ハウジング18間には環状室22が形成される。
弁ハウジング18には円筒状の弁座部材23が圧入、固着される。また弁ハウジング18には、非磁性材料製の弁軸24が摺動可能に嵌合されており、弁軸24の一端および弁座部材23間に出力室25が形成され、出力室25に臨んで弁座部材23に形成される弁座23aに着座可能な球状の弁体26が弁軸24の一端に固着される。しかも弁軸24の一端および弁座部材23間には、弁軸24すなわち弁体26を弁座部材23から離反する方向に付勢する戻しばね27が設けられる。
弁ハウジング18には、第1出力液圧路3に連なって支持ブロック16に設けられた液圧路28と、弁座部材23との間に介在するようにしてフィルタ29が装着される。また環状室22に臨む部分で弁ハウジング18の外周にはフィルタ30が装着されており、該フィルタ30を介して出力室25を環状室22に通じさせるための通路31が弁ハウジング18に設けられる。前記環状室22は左前輪用車輪ブレーキBAに通じるものであり、支持ブロック16には環状室22を左前輪用車輪ブレーキBAに通じさせる液圧路32が設けられる。さらに弁座部材23およびフィルタ29間で弁ハウジング18には、液圧路28の圧力が環状室22よりも低下したときに開弁して環状室22のブレーキ液を液圧路28側に還流させるチェック弁7Aが配設される。
ソレノイド部14は、固定コア35と、前記弁部15における弁軸24の他端に同軸に連接されて固定コア35に対向するアーマチュア36と、固定コア35に対するアーマチュア36の近接・離反移動を案内するガイド筒37と、ガイド筒37を囲繞するボビン38と、該ボビン38に巻装されるコイル39と、コイル39を囲繞する磁路枠40と、磁路枠40およびボビン38間に介装されるコイル状のばね41とを備える。
固定コア35は円筒状に形成されており、前記弁ハウジング18の一端中央部に同軸にかつ一体に連設される。ガイド筒37は、非磁性材料たとえばステンレス鋼により一端を半球状の閉塞端とした薄肉の有底円筒状に形成されるものであり、該ガイド筒37の他端に前記固定コア35の先端部が嵌合され、たとえば溶接によりガイド筒37の他端が固定コア35に固着される。しかも弁ハウジング18の装着孔17への装着状態でガイド筒37は支持ブロック16の一面16aから突出されている。
ボビン38は、ガイド筒37を挿通させる中心孔38aを有して合成樹脂により形成されるものであり、該ボビン38にコイル39が巻装される。
磁路枠40は、ボビン38およびコイル39を囲繞する磁路筒42を備える。この磁路筒42の一端には、ガイド筒37の閉塞端部を中央部から突出させるようにしてボビン38に当接するリング板状の磁路板43がかしめ係合される。
一方、磁路筒42の他端には、固定コア35の周囲で弁ハウジング18の一端に当接するリング板状の当接板部42aが一体に連設されており、この当接板部42aの内周に、固定コア35の基部が嵌合される。また一端を当接板部42aに当接せしめたコイル状のばね41の他端は、ボビン38に当接される。
ガイド筒37内には、固定コア35に対して近接・離反することが可能なアーマチュア36が収納されており、固定コア35を移動自在に貫通する前記弁軸24の一端がアーマチュア36に同軸に当接される。ところで、弁軸24は、戻しばね27のばね力により弁体26を弁座部材23から離反する方向に付勢されており、弁軸24の他端はアーマチュア36に常時当接されており、アーマチュア36の軸方向移動に応じて弁軸24すなわち弁体26も軸方向に移動することになる。
すなわちアーマチュア36に固定コア35側への磁気吸引力が作用していない状態で、該アーマチュア36は戻しばね27のばね力によりガイド筒37の一端閉塞部で受けられるまで後退した位置に在り、この際、弁体26は弁座部材23から離反しており、入口弁5Aは開弁状態にある。また弁体26が弁座部材23に着座するまで固定コア35側にアーマチュア36を磁気吸引させると、入口弁5Aが閉弁状態となる。
ところで、弁軸24の一端には、出力室25の液圧により液圧力と、戻しばね27のばね力との合力が作用するのに対し、弁軸24の他端には、アーマチュア36を固定コア35側に吸引する磁気吸引力が作用するものであり、弁軸24は、液圧力およびばね力の合力と、磁気吸引力とが均衡するようにストローク作動することになる。そこでコイル39への通電量をオン・オフ間の中間値となるように制御ユニットCで制御することにより、アーマチュア36を固定コア35側に吸引する磁気吸引力を変化させることができる。
一方、固定コア35およびアーマチュア36の対向面35a,36aは、出力室25から離反するにつれて大径となるテーパ面に形成される。
このように固定コア35およびアーマチュア36の対向面35a,36aがテーパ面に形成されると、アーマチュア36の軸方向ストローク量に比べて固定コア35およびアーマチュア36の対向距離(テーパ面に直角な方向の距離)の変化を小さくすることができ、対向面35a,36a間に発生する吸引力の変化が軸方向ストロークの変化に対して小さくなる。しかも実際に軸方向に作用する吸引力は対向面35a,36a間に発生する吸引力のSin成分であり、テーパ面の角度が鋭角になるほど対向面35a,36a間の吸引力の変化に対して軸方向の吸引力の変化が小さくなる。
これにより、図3の実線で示すように、固定コア35およびアーマチュア36間の吸引力が、弁部15における全閉および全開間の実用範囲ではほぼフラットになるようにすることができる。これに対し、固定コア35およびアーマチュア36の対向面を軸方向に直角な平坦面としたときには、弁軸24の軸方向ストロークに応じて固定コア35およびアーマチュア36の対向距離が比例的に変化するので、図3の鎖線で示すように、固定コア35およびアーマチュア36間の吸引力は実用範囲でも大きく変化してしまう。
このようにして入口弁5Aは、デューティ100パーセントの全閉状態およびデューティ0パーセントの全開状態間でデューテイを変化させることによって左前輪用車輪ブレーキBA側の液圧をリニアに変化させるように制御可能であり、他の入口弁5B〜5Dも上記常開型制御弁5Aと同様に構成される。一方、出口弁6A〜6Dはオン・オフ制御されるだけである。
図4において、入口弁5A〜5Dを駆動するために、コイル39の一端は直流電源45に接続され、コイル39の他端および接地間には、直流電源45からの通電を制御する電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor 、以下、FETと言う)46が介設される。またコイル39には、還流ダイオード47が並列に接続されており、前記FET46のドレインおよびゲート間にはダイオード48およびツェナーダイオード49が直列に接続され、FET46のゲートはツェナーダイオード50を介して接地される。
制御ユニットCは、前記FET46のゲートに接続されるものであり、入口弁5A〜5Dのオン・オフ制御、オン・オフ間の中間の電流による半開状態でのデューテイ制御、ならびにオン・オフ状態を繰返すパルス制御を切り換えて実行すべく、FET46の通電・遮断を制御する。
ところで制御ユニットCは、前記各車輪ブレーキBA〜BDのうちロック状態に入りそうになった車輪に対応した車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御するアンチロックブレーキ制御時には、減圧、保持および増圧モードをこの順番で繰り返すようにして入口弁5A〜5Dおよび出口弁6A〜6Dの作動を制御するものであり、入口弁5A〜5Dを開閉駆動するための指令信号は、図5で示すように変化し、デューティ保持時にはオン状態のときよりも低い一定電流をコイル39に流すように一定となり、またデューティ増圧時にはオン状態のときよりも低い電流をコイル39に付与すべく増減を繰り返すものであり、そのデューティ保持およびデューティ増圧時に制御ユニットCは、前記FET46の通電・遮断をパルス幅変調によるパルス信号によって制御する。
しかも制御ユニットCは、アンチロックブレーキ制御時の増圧モードで、入口弁5A〜5Dを半開状態でデューテイ制御することによる緩増圧と、入口弁5A〜5Dをその全開および全閉状態を繰り返すようにパルス制御することによる急増圧を切換えて制御することが可能であり、路面の摩擦係数が低いときに前記緩増圧が選択される。
またアンチロックブレーキ制御時のデューティ増圧時に制御ユニットCは、入口弁5A〜5Dをデューティ制御することによる緩増圧途中に全輪の車輪速度の最大値および最小値の差が所定値未満となったときから所定時間が経過するまでの全輪の車輪速度に基づく平均減速度の積分値が閾値に対して減速不足側の値であったときに、前記増圧モードを緩増圧から急増圧に切換える。
而してアンチロックブレーキ制御時の増圧モードで入口弁5A〜5Dを半開状態でデューティ制御している緩増圧時に、全輪の車輪速度の最大値および最小値の差が所定値未満となったとき、すなわち全輪の車輪速度がほぼ等しくなったときから所定時間が経過するまでの全輪の車輪速度に基づく平均減速度の積分値が閾値に対して減速不足側の値であったときには、増圧不足であることに起因して、車輪速度の減速が足りない状態であると判断することができる。
したがって増圧モードを緩増圧から急増圧に切換えることにより、車輪ブレーキBA〜BDのブレーキ液圧増圧速度を高めるようにして増圧不足が生じることを防止することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
5A,5B,5C,5D・・・入口弁
BA,BB,BC,BD・・・車輪ブレーキ
C・・・制御ユニット
M・・・液圧発生手段であるマスタシリンダ
P・・・ブレーキ操作部材であるブレーキペダル
BA,BB,BC,BD・・・車輪ブレーキ
C・・・制御ユニット
M・・・液圧発生手段であるマスタシリンダ
P・・・ブレーキ操作部材であるブレーキペダル
Claims (1)
- 全開および全閉間の半開状態でのデューティ制御を可能とした常開型のリニアソレノイド弁として構成されるとともにブレーキ操作部材(P)の操作に応じた液圧を出力する液圧発生手段(M)および全車輪ブレーキ(BA,BB,BC,BD)間にそれぞれ介設される入口弁と、アンチロックブレーキ制御時の増圧モードで前記入口弁(5A〜5D)を半開状態でデューテイ制御することによる緩増圧ならびに前記入口弁(5A〜5D)をその全開および全閉状態を繰り返すようにパルス制御することによる急増圧を切換えて制御することを可能とした制御ユニット(C)とを備える車両のアンチロックブレーキ制御装置において、前記制御ユニット(C)は、アンチロックブレーキ制御時に前記入口弁(5A〜5D)をデューティ制御することによる緩増圧中に全輪の車輪速度の最大値および最小値の差が所定値未満となったときから所定時間が経過するまでの全輪の車輪速度に基づく平均減速度の積分値が閾値に対して減速不足側の値であったときに、前記増圧モードを緩増圧から急増圧に切換えることを特徴とする車両のアンチロックブレーキ制御装置。
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JP2019018769A (ja) * | 2017-07-20 | 2019-02-07 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法 |
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2004
- 2004-10-04 JP JP2004290937A patent/JP2006103438A/ja active Pending
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