本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
現像剤を収容するための現像剤収容体が着脱可能な複数の着脱部と、潜像を担持するための像担持体と、を有し、前記複数の着脱部のそれぞれに現像剤収容体が装着された場合には、それぞれの現像剤収容体に収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像してカラー画像を形成するカラー画像形成装置として使用可能であり、前記複数の着脱部のうちの一の着脱部のみに現像剤収容体が装着された場合には、該現像剤収容体に収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色画像形成装置として使用可能である画像形成装置と、前記画像形成装置に対し単色画像形成の実行及びカラー画像形成の実行の少なくともどちらか一方を指示することが可能なドライバを備え、前記画像形成装置と通信可能なコンピュータと、を有する画像形成システムにおいて、前記カラー画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記単色画像形成の実行が指示された際には、前記画像形成装置は画像を形成し、前記単色画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、前記画像形成装置は画像を形成しないことを特徴とする画像形成システム。
前記カラー画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記単色画像形成の実行が指示された際には、前記画像形成装置は画像を形成し、前記単色画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、前記画像形成装置は画像を形成しないことにより、ユーザにとって利便性の高い画像形成システムを実現することができる。
また、前記画像形成装置は、該画像形成装置が、前記カラー画像形成装置として使用されているか、又は、前記単色画像形成装置として使用されているかを示す情報、を有することとしてもよい。
このようにすれば、画像形成装置がカラー画像形成装置して使用されているか、単色画像形成装置として使用されているかを確実に区別することができる。
また、前記単色画像形成装置は、前記複数の着脱部のうちの一の着脱部のみに現像剤収容体が装着された場合に、該現像剤収容体に収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像してモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成装置であることとしてもよい。
前記カラー画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記モノクロ画像形成の実行が指示された際には、前記画像形成装置は画像を形成し、前記モノクロ画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、前記画像形成装置は画像を形成しないことにより、ユーザにとって利便性の高い画像形成システムを実現することができる。
また、前記ドライバは、前記画像形成装置に対し、カラー画像形成の実行と、単色画像形成の実行と、を指示することが可能であることとしてもよい。
このような場合には、ドライバの入れ替え作業を実施する必要がなくなるというメリットが生じる。
また、前記単色画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、画像を形成しない旨を報知することとしてもよい。
このような場合には、ユーザフレンドリーな画像形成システムを実現することができる。
また、前記単色画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、画像を形成しない旨を表示することとしてもよい。
このような場合には、ユーザフレンドリーな画像形成システムを実現することができる。
また、前記コンピュータは、情報を表示するための表示部を有し、前記単色画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、前記表示部に画像を形成しない旨を表示することとしてもよい。
このような場合には、よりユーザフレンドリーな画像形成システムを実現することができる。
また、現像剤を収容するための現像剤収容体が着脱可能な複数の着脱部と、潜像を担持するための像担持体と、を有し、前記複数の着脱部のそれぞれに現像剤収容体が装着された場合には、それぞれの現像剤収容体に収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像してカラー画像を形成するカラー画像形成装置として使用可能であり、前記複数の着脱部のうちの一の着脱部のみに現像剤収容体が装着された場合には、該現像剤収容体に収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色画像形成装置として使用可能である画像形成装置と、前記画像形成装置に対し単色画像形成の実行及びカラー画像形成の実行の少なくともどちらか一方を指示することが可能なドライバを備え、前記画像形成装置と通信可能なコンピュータと、を有する画像形成システムにおいて、前記カラー画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記単色画像形成の実行が指示された際には、前記画像形成装置は画像を形成し、前記単色画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、前記画像形成装置は画像を形成せず、前記画像形成装置は、該画像形成装置が、前記カラー画像形成装置として使用されているか、又は、前記単色画像形成装置として使用されているかを示す情報、を有し、前記単色画像形成装置は、前記複数の着脱部のうちの一の着脱部のみに現像剤収容体が装着された場合に、該現像剤収容体に収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像してモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成装置であり、前記ドライバは、前記画像形成装置に対し、カラー画像形成の実行と、単色画像形成の実行と、を指示することが可能であり、前記単色画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、画像を形成しない旨を報知し、前記コンピュータは、情報を表示するための表示部を有し、前記単色画像形成装置として使用している画像形成装置に対し前記ドライバによって前記カラー画像形成の実行が指示された際には、前記表示部に画像を形成しない旨を表示することを特徴とする画像形成システムも実現可能である。
また、現像剤を収容するための現像剤収容体が着脱可能な複数の着脱部と、潜像を担持するための像担持体と、を有し、前記複数の着脱部のそれぞれに現像剤収容体が装着された場合には、それぞれの現像剤収容体に収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像してカラー画像を形成するカラー画像形成装置として使用可能であり、前記複数の着脱部のうちの一の着脱部のみに現像剤収容体が装着された場合には、該現像剤収容体に収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色画像形成装置として使用可能である画像形成装置において、前記カラー画像形成装置として使用されている状態で、単色画像形成を実行する指示をコンピュータから受信した際には、画像を形成し、前記単色画像形成装置として使用されている状態で、カラー画像形成を実行する指示をコンピュータから受信した際には、画像を形成しないことを特徴とする画像形成装置。
前記カラー画像形成装置として使用されている状態で、単色画像形成を実行する指示をコンピュータから受信した際には、画像を形成し、前記単色画像形成装置として使用されている状態で、カラー画像形成を実行する指示をコンピュータから受信した際には、画像を形成しないことすれば、ユーザにとって利便性の高い画像形成装置を実現することができる。
===画像形成システムの全体構成例===
次に、図1及び図2を用いて、画像形成システム700の概要について説明する。図1は、画像形成システム700の外観構成を示した説明図である。図2は、図1に示した画像形成システム700の構成の一部を示すブロック図である。この画像形成システム700は、画像形成装置としてのレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10と、当該プリンタ10と通信可能なコンピュータ702と、を備えている。また、コンピュータ702は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の情報を表示するための表示部の一例としての表示装置704と、キーボード708A、マウス708B等の入力装置708と、FD(フレキシブルドライブ)装置710A、CD−ROMドライブ装置710B、MO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置(不図示)、DVD(Digital Versatile Disk)装置(不図示)等の読取装置710と、RAM等の内部メモリ(不図示)と、ハードディスクドライブユニット等の外部メモリ(不図示)と、を備えている。また、コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。
また、コンピュータ702は、オペレーティングシステムと、当該オペレーティングシステムの下で動作するアプリケーションプログラム795、及び、ドライバとしてのプリンタドライバ796と、を有している。プリンタドライバ796には、画像処理部797と、表示インターフェース部801と、入力インターフェース部803と、ユーザインターフェース処理部805と、が備えられている。
アプリケーションプログラム795は、プリンタ10に画像形成を実施させるためのコンピュータ702上のプログラムである。アプリケーションプログラム795からの画像形成実行命令により、アプリケーションプログラム上の画像データADが、プリンタドライバ796へ送られる。
画像処理部797は、アプリケーションプログラム795により解釈され得る前記画像データADを受け取り、プリンタ10により解釈され得る画像データPDに変換し、変換された画像データPDを、各種制御信号COMと共にプリンタ10に送出する機能を有している。すなわち、プリンタドライバ796の画像処理部797は、上述した画像処理を行った後に、プリンタ10に対し、画像形成の実行を指示する。当該機能を実現するために、画像処理部797は、例えば、解像度の変換や、色成分の変換等を実施する。
表示インターフェース部801は、画像形成に関連する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示装置704に表示する機能を有している。また、入力インターフェース部803は、ユーザが前記ユーザインターフェースウィンドウ上で入力装置708によって入力した入力情報、を受け取る機能を有している。
ユーザインターフェース処理部805は、表示インターフェース部801又は入力インターフェース部803と、プリンタ10間のインターフェースを取る機能を有している。例えば、ユーザインターフェース処理部805は、入力インターフェース部803から前記入力情報を受け取って、当該入力情報を解釈する。そして、プリンタ10や画像処理部797へ各種制御信号COMを送出する。また、プリンタ10から受け取った各種制御信号COMを解釈して、表示インターフェース部801へ表示に係る情報を送出する。
なお、コンピュータ702が備えるプリンタドライバ796は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。また、このようなコンピュータプログラムを、インターネットを介してコンピュータ702にダウンロードすることも可能である。
また、詳細については後述するが、本実施の形態に係るプリンタ10は、複数の着脱部のそれぞれに現像ユニットが装着された場合には、それぞれの現像ユニットに収容されたトナーにより感光体に担持された潜像を現像してカラー画像を形成するカラープリンタとして使用可能であり、複数の着脱のうちの一の着脱部のみに現像ユニットが装着された場合には、当該現像ユニットに収容されたトナーにより感光体に担持された潜像を現像してモノクロ画像を形成するモノクロプリンタとして使用可能である。そして、プリンタドライバ96についても、カラープリンタとして使用するプリンタ10、に対応したカラードライバと、前記モノクロプリンタして使用するプリンタ10、に対応したモノクロドライバとが、供給される。
基本的に、ユーザは、プリンタ10をカラープリンタとして使用する場合にはカラードライバを、プリンタ10をモノクロプリンタとして使用する場合にはモノクロドライバを、コンピュータ702にインストールすることとなる。ただし、機能制限等を考慮しなければ、プリンタ10をカラープリンタとして使用するときにモノクロドライバを用いたり、プリンタ10をモノクロプリンタとして使用するときにカラードライバを用いたりしても、問題はない。
また、カラードライバとモノクロドライバは以下の点で相違する。すなわち、モノクロドライバには、カラーに特有な機能は存在しない。例を挙げれば、モノクロドライバの表示インターフェース部801によって、表示装置704に表示される前記ユーザインターフェースウィンドウには、カラーに特有な情報は表示されないし、モノクロドライバの入力インターフェース部803は、カラーに特有な前記入力情報を受け取らない。
また、カラードライバは、プリンタ10に対し、カラー画像形成の実行と、モノクロ画像形成の実行と、を指示することが可能である。すなわち、カラードライバの表示インターフェース部801は、ユーザに対しカラー画像形成の実行とモノクロ画像形成の実行のどちらかを選択させるユーザインターフェースウィンドウを表示装置704に表示する。そして、ユーザが当該ユーザインターフェースウィンドウ上で入力装置708によって入力した入力情報、すなわち、カラー画像形成の実行とモノクロ画像形成の実行のどちらかを示す情報を入力インターフェース部803が受け取る。そして、画像処理部797は、ユーザインターフェース処理部805を介して当該情報を受け取り、当該情報がカラー画像形成の実行を示していれば、カラー画像の形成を行うための画像処理を行い、モノクロ画像形成の実行を示していれば、モノクロ画像の形成を行うための画像処理を行う。当該画像処理が終了した後に、処理後のモノクロ又はカラー画像データPDが、プリンタへ送出される。なお、モノクロドライバは、プリンタ10に対し、モノクロ画像形成の実行だけを指示することが可能である。
===画像形成装置の全体構成例===
次に、図3及び図4を用いて、画像形成装置としてのプリンタ10の概要について説明する。図3及び図4は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図であり、図3は、プリンタ10がカラープリンタとして使用される際の当該主要構成要素を、図4は、プリンタ10がモノクロプリンタとして使用される際の当該主要構成要素を示した図である。プリンタ10のカラープリンタ又はモノクロプリンタとしての使用については、後に詳しく説明する。なお、図3及び図4には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
プリンタ10は、図3及び図4に示すように、潜像を担持するための感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像装置50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、ユーザ等への報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図3及び図4中の矢印で示すように時計回りに回転する。
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のコンピュータから入力された画像情報に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
YMCK現像装置50は、現像剤収容体の一例としての現像ユニットが着脱可能な複数の着脱部50a、50b、50c、50dを有しており、当該着脱部に装着され、保持された現像ユニット、に収容された現像剤の一例としてのトナーTを用いて感光体20上に形成された潜像を現像するための装置である。
前述したとおり、本実施の形態に係るプリンタ10は、前記複数の着脱部50a、50b、50c、50dのそれぞれに現像ユニットが装着された場合には、それぞれの現像ユニットに収容されたトナーTにより感光体20に担持された潜像を現像してカラー画像を形成するカラープリンタとして使用可能であり、前記複数の着脱部50a、50b、50c、50dのうちの一の着脱部のみに現像ユニットが装着された場合には、当該現像ユニットに収容されたトナーTにより感光体20に担持された潜像を現像してモノクロ画像を形成するモノクロプリンタとして使用可能である。従来のプリンタは、いつでもカラー画像を形成できるようにしておくために、互いに異なる色のトナーを収容した複数の現像ユニットがYMCK現像装置に装着されていないとモノクロ画像であっても形成できないようになっている。これに対し、本実施の形態に係るプリンタ10は、ブラック現像ユニット51のみが装着されている状態にて、装着されたブラック現像ユニット51を用いてモノクロ画像を媒体に形成することが可能なモノクロプリンタとしても動作する。
プリンタ10がカラープリンタとして使用される際には、図3に示すように、YMCK現像装置50の複数の着脱部50a、50b、50c、50dに、4つの現像ユニット、すなわち、ブラック現像ユニット51、マゼンタ現像ユニット52、シアン現像ユニット53、およびイエロー現像ユニット54が装着され、感光体20上に形成された潜像が各現像ユニットに収容されたトナーTにより現像される。
YMCK現像装置50は、回転することにより、前記4つの現像ユニット51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、前記4つの現像ユニット51、52、53、54は、中心軸50eを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像ユニット51、52、53、54に収容されたトナーTにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。
一方、プリンタ10がモノクロプリンタとして使用される際には、図4に示すように、YMCK現像装置50の複数の着脱部のうちの一の着脱部のみに、現像ユニットが装着され、感光体20上に形成された潜像が当該現像ユニットに収容されたトナーTにより現像される。すなわち、前述した4つの着脱部50a、50b、50c、50dのうちの一つである着脱部50aに、ブラック現像ユニット51が装着され、画像形成を行う際に、YMCK現像装置50が回転することにより、ブラック現像ユニット51が感光体20と対向する位置に移動する。そして、感光体20上に形成された潜像は、ブラック現像ユニット51に収容されたブラックトナーTにて現像される。
なお、本実施の形態に係る現像ユニット及び着脱部は、物理的に各現像ユニットが当該現像ユニットに対応した唯一の着脱部にしか装着できないように、構成されている。すなわち、4つの着脱部50a、50b、50c、50dのうち、ブラック現像ユニット51を装着できるのは着脱部50aだけであり、マゼンタ現像ユニット52を装着できるのは着脱部50bだけであり、シアン現像ユニット53を装着できるのは着脱部50cだけであり、イエロー現像ユニット54を装着できるのは着脱部50dだけである。
また、YMCK現像装置50及び各現像ユニットの詳細については後述する。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成されたトナー像を中間転写体70に転写するための装置である。
この中間転写体70は、PETフィルムの表面にアルミ蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成されたトナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
定着ユニット90は、媒体上に転写されたトナー像を媒体に融着させて永久像とするための装置である。
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーTをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
制御ユニット100は、図5に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には、画像データPD及び制御信号COMが前述したコンピュータ702から入力され、この画像データPD及び制御信号COMに基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
===画像形成装置の動作例===
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について、カラー画像を形成する場合の動作とモノクロ画像を形成する場合の動作とに分けて、以下に説明する。なお、プリンタ10がカラープリンタとして使用される際には、プリンタ10は、カラー画像だけでなく、モノクロ画像を形成することも可能である。したがって、以下に説明するモノクロ画像を形成する場合の動作は、プリンタ10が前述したカラープリンタとして使用される際にモノクロ画像を形成する場合と、プリンタ10がモノクロプリンタとして使用される際にモノクロ画像を形成する場合と、に適用される。
<<<カラー画像の形成>>>
先ず、カラー画像を形成する場合のプリンタ10の動作について説明する。
コンピュータ702からの画像データPD及び制御信号COMがインターフェース(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、現像ユニットに設けられた現像ローラ、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像装置50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像ユニット54が、感光体20に対向した現像位置に位置している。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像ユニット54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーTの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体70とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像ユニット毎に順次実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって媒体に転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
媒体に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて媒体に融着される。
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75に支持されたクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーTが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーTは、クリーニングユニット75が備える残存トナー回収部に回収される。
<<<モノクロ画像の形成>>>
次に、モノクロ画像を形成する場合のプリンタ10の動作について説明する。
コンピュータ702からの画像データPD及び制御信号COMがインターフェース(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、現像ユニットに設けられた現像ローラ、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像装置50はブラックトナーを収容したブラック現像ユニット51が感光体20と対向した現像位置に位置している。
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像可能な位置に至り、ブラック現像ユニット51によって現像される。これにより、感光体20上にトナー像が形成される。
感光体20上に形成されたトナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
中間転写体70上に形成されたトナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって媒体に転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
媒体に転写されたトナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて媒体に融着される。
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75に支持されたクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーTが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーTは、クリーニングユニット75が備える残存トナー回収部に回収される。
===現像ユニットの構成例===
次に、図6及び図7を用いて、現像ユニットの構成例について説明する。図6は、現像ユニットの概念図であり、図7は現像ユニットの主要構成要素を示した断面図である。なお、図7に示す断面図は、図6に示す長手方向に垂直な面で現像ユニットを切り取った断面を表したものである。また、図7においては、図3同様、矢印にて上下方向を示しており、例えば、現像ローラ510の中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。また、図7では、イエロー現像ユニット54が、感光体20と対向する現像位置に位置している状態にて示されている。
YMCK現像装置50には、ブラック(K)トナーを収容したブラック現像ユニット51、マゼンタ(M)トナーを収容したマゼンタ現像ユニット52、シアン(C)トナーを収容したシアン現像ユニット53、及び、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像ユニット54を装着することができるが、各現像ユニットの構成は同様であるので、以下、イエロー現像ユニット54について説明する。
イエロー現像ユニット54は、現像ローラ510、シール部材520、トナー収容部530、ハウジング540、トナー供給ローラ550、規制ブレード560等を有している。
現像ローラ510は、トナーTを担持して感光体20と対向する現像位置に搬送する。この現像ローラ510は、金属製であり、5056アルミ合金や6063アルミ合金等のアルミ合金、STKM等の鉄合金等により製造されており、必要に応じて、ニッケルメッキ、クロムメッキ等が施されている。また、現像ローラ510は、図6に示すとおり、その長手方向両端部で支持されており、中心軸を中心として回転可能である。図7に示すように、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図7において時計方向)と逆の方向(図7において反時計方向)に回転する。その中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。また、図7に示すように、イエロー現像ユニット54が感光体20と対向している状態では、現像ローラ510と感光体20との間には空隙が存在する。すなわち、イエロー現像ユニット54は、感光体20上に形成された潜像を非接触状態で現像する。なお、感光体20上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界が形成される。
シール部材520は、イエロー現像ユニット54内のトナーTが器外に漏れることを防止するとともに、現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTを、掻き落とすことなく現像器内に回収する。このシール部材520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。シール部材520は、シール支持板金522によって支持されており、シール支持板金522を介してハウジング540に取り付けられている。また、シール部材520の現像ローラ510側とは逆側には、モルトプレーン等からなるシール付勢部材524が設けられており、シール部材520は、シール付勢部材524の弾性力によって、現像ローラ510に押しつけられている。なお、シール部材520が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも上方である。
ハウジング540は、一体成型された複数のハウジング部、すなわち、上ハウジング部542と下ハウジング部544、とを溶着して製造されたものである。図7に示すように、当該ハウジング540は、ハウジング540の外部と連通する開口572を有している。ハウジング540の外方から当該開口572に周面を臨ませて、前述した現像ローラ510がその一部が露出した状態で配置されている。また、後に詳述する規制ブレード560も、ハウジング540の外方から当該開口572に臨んだ状態で配置されている。
また、当該ハウジング540は、トナーTを収容可能なトナー収容部530を形成している。トナーTを攪拌するための攪拌部材をトナー収容部530に設けてもよいが、本実施の形態では、YMCK現像装置50の回転に伴って各現像ユニット(ブラック現像ユニット51、マゼンタ現像ユニット52、シアン現像ユニット53、イエロー現像ユニット54)が回転し、これにより各現像ユニット内のトナーTが攪拌されるため、トナー収容部530には攪拌部材を設けていない。
トナー供給ローラ550は、前述したトナー収容部530に設けられ、当該トナー収容部530に収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する。このトナー供給ローラ550は、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形された状態で現像ローラ510に当接している。トナー供給ローラ550は、トナー収容部530の下部に配置されており、トナー収容部530に収容されたトナーTは、該トナー収容部530の下部にてトナー供給部材530によって現像ローラ510に供給される。トナー供給ローラ550は、中心軸を中心として回転可能であり、その中心軸は、現像ローラ510の回転中心軸よりも下方にある。また、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図7において反時計方向)と逆の方向(図7において時計方向)に回転する。なお、トナー供給ローラ550は、トナー収容部530に収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する機能を有するとともに、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを、現像ローラ510から剥ぎ取る機能をも有している。
規制ブレード560は、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制する。この規制ブレード560は、ゴム部560aと、ゴム支持部560bとを有している。ゴム部560aは、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、ゴム支持部560bは、リン青銅、ステンレス等のバネ性を有する薄板である。ゴム部560aは、ゴム支持部560bに支持されており、ゴム支持部560bは、その一端部が一対のブレード支持板金562に挟まれて支持された状態で、ブレード支持板金562を介してハウジング540に取り付けられている。また、規制ブレード560の現像ローラ510側とは逆側には、モルトプレーン等からなるブレード裏部材570が設けられている。
ここで、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力によって、ゴム部560aが現像ローラ510に押しつけられている。また、ブレード裏部材570は、ゴム支持部560bとハウジング540との間にトナーTが入り込むことを防止して、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力を安定させるとともに、ゴム部560aの真裏からゴム部560aを現像ローラ510の方向へ付勢することによって、ゴム部560aを現像ローラ510に押しつけている。したがって、ブレード裏部材570は、ゴム部560aの現像ローラ510への均一当接性を向上させている。
規制ブレード560の、ブレード支持板金562に支持されている側とは逆側の端、すなわち、先端は、現像ローラ510に接触しておらず、該先端から所定距離だけ離れた部分が、現像ローラ510に幅を持って接触している。すなわち、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接しておらず、腹当たりにて当接している。また、規制ブレード560は、その先端が現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。なお、規制ブレード560が現像ローラ510に当接する当接位置は、現像ローラ510の中心軸よりも下方であり、かつ、トナー供給ローラ550の中心軸よりも下方である。
このように構成されたイエロー現像ユニット54において、トナー供給ローラ550がトナー収容部530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。現像ローラ510に供給されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560の当接位置に至り、該当接位置を通過する際に、電荷が付与されるとともに、層厚が規制される。層厚が規制された現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する現像位置に至り、該現像位置にて交番電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。現像ローラ510のさらなる回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、シール部材520を通過して、シール部材520によって掻き落とされることなく現像ユニット内に回収される。さらに、未だ現像ローラ510に残存しているトナーTは、前記トナー供給ローラ550によって剥ぎ取られうる。
また、各現像ユニット51、52、53、54は、それぞれの現像ユニットに収容されているトナーの色情報や、トナーの消費量等、現像ユニットに関する各種情報を記憶するための記憶素子、例えば、シリアルEEPROM等の不揮発性記憶メモリ(以下、現像ユニット側メモリともいう)51a、52a、53a、54aを備えている。
この現像ユニット側メモリ51a、52a、53a、54aは、現像ユニットの一方端側面に設けられた現像ユニット側コネクタ51b、52b、53b、54bと、装置本体側(プリンタ側)に設けられた装置本体側コネクタ34とが必要なときに互いに当接して、本体制御ユニット100のユニットコントローラ102と電気的に接続される。
===YMCK現像装置の概要===
次に、YMCK現像装置50の概要について、図8A、図8B、及び、図8Cを用いて説明する。なお、本項では、便宜上、前記4つの着脱部50a、50b、50c、50dのそれぞれに現像ユニット51、52、53、54が装着されている場合を例に説明するが、前記4つの着脱部50a、50b、50c、50dのうちの一の着脱部のみに現像ユニットが装着されている場合にも適用可能である。
YMCK現像装置50は、その中心に位置する回転軸50eを有し、この回転軸50eには現像ユニットを保持するための支持フレーム55が固定され、回転軸50eは、プリンタ10の筐体をなす2枚のフレーム側板(図示せず)の間に架け渡されて、その両端部が支持されている。なお、回転軸50eの軸方向は、鉛直方向と交差している。
この支持フレーム55は、前述した4色の現像ユニット51、52、53、54が、前記回転軸50eを中心として着脱自在に保持される4つの着脱部50a、50b、50c、50dを周方向に90°間隔で備えている。
回転軸50eには不図示のパルスモータがクラッチを介して接続されており、このパルスモータを駆動することで支持フレーム55を回転させ、上記4つの現象装置51、52、53、54を所定の位置に位置決めできるようになっている。
図8A、図8B、及び、図8Cは、回転するYMCK現像装置50の3つの停止位置を示した図であり、図8Aは、画像形成の実行を待機しているときの待機位置であって、YMCK現像装置50の回転方向の基準位置となる停止位置でもあるホームポジション位置(以下「HP位置」という)を、図8Bは、YMCK現像装置50に装着されたブラック現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bと、装置本体側に設けられた装置本体側コネクタ34とが対向するコネクタ着脱位置を、図8Cは、ブラック現像ユニット51の着脱位置を、それぞれ示している。
ここで、図8B及び図8Cにおいて、コネクタ着脱位置と現像ユニット着脱位置とはブラック現像ユニット51を対象として示したが、YMCK現像装置50を90°づつ回転させると、各現像ユニットのコネクタ着脱位置と現像ユニット着脱位置となる。
先ず、図8Aに示すHP位置について説明する。YMCK現像装置50の回転軸50eの一方端側には、HP位置を検出するためのHP検出部31(図5)が設けられている。このHP検出部31は、回転軸50eの一方端に固着された信号生成用の円盤と、発光部、受光部を備えたフォト・インタラプター等からなるHPセンサとで構成されている。円盤の周縁部は、HPセンサの発光部と受光部との間に位置するように配置され、円盤に形成されたスリット部がHPセンサの検出位置に移動してくると、HPセンサからの出力信号が「L」から「H」に変化する。そして、この信号レベルの変化とパルスモータのパルス数に基づきYMCK現像装置50のHP位置を検出し、このHP位置を基準として、各現像ユニットの現像位置等に位置決めすることができるように構成されている。
図8Bは、前記HP位置から所定のパルス数分だけ、前記パルスモータを回転させたブラック現像ユニット51のコネクタ着脱位置である。このコネクタ着脱位置で、YMCK現像装置50に装着されたブラック現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bと、装置本体側に設けられた装置本体側コネクタ34とが対向し、これらのコネクタを互いに当接又は離間させることが可能となる。
図9A及び図9Bを用いてさらに説明を加える。図9A及び図9Bは、ブラック現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bと装置本体側コネクタ34との離間位置及び当接位置を示した図であり、図9Aは、離間位置に係る図であり、図9Bは当接位置に係る図である。
図9Aは、装置本体側コネクタ34とブラック現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bが離間している状態を示している。装置本体側コネクタ34は、ブラック現像ユニット51に対して接離移動可能に構成されており、必要に応じてブラック現像ユニット51に近づく方向(図9Bに示される矢印の方向)に移動する。これによって、図9Bに示されるように、装置本体側コネクタ34は、ブラック現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bに当接し、ブラック現像ユニット51に取り付けられた現像ユニット側メモリ51aが制御ユニット100のユニットコントローラ102と電気的に接続され、現像ユニット側メモリ51と装置本体との間で通信が行われる。
また、逆に、図9Bに示される装置本体側コネクタ34とブラック現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bが当接している状態から、装置本体側コネクタ34が、ブラック現像ユニット51から遠ざかる方向(図9Bに示される矢印の方向と逆方向)に移動する。これによって、図9Aに示されるように、装置本体側コネクタ34は、ブラック現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bから離間する。
なお、装置本体側コネクタ34の移動は、例えば、パルスモータと当該パルスモータに接続される複数のギアと当該ギアに接続される偏心カムにより構成される不図示の機構により実現される。すなわち、所定のパルス数分だけ、前記パルスモータを回転させると、上記機構は、所定の離間位置から前記パルス数に対応した距離分装置本体側コネクタ34を移動させ、当該装置本体側コネクタ34を所定の当接位置に位置決めさせる。逆に、所定のパルス数分だけ、前記パルスモータを逆回転させると、上記機構は、所定の当接位置から前記パルス数に対応した距離分装置本体側コネクタ34を移動させ、当該装置本体側コネクタ34を所定の離間位置に位置決めさせる。
また、このブラック現像ユニット51に対するコネクタ着脱位置は、イエロー現像ユニット54の現像ローラ510と感光体20とが対向してイエロー現像ユニット54の現像位置となる。すなわち、ブラック現像ユニット51に係るYMCK現像装置50のコネクタ着脱位置は、イエロー現像ユニット54に係るYMCK現像装置50の現像位置である。また、パルスモータがYMCK現像装置50を90°反時計方向に回転させると、シアン現像ユニット52のコネクタ着脱位置、及び、ブラック現像ユニット51の現像位置となり、YMCK現像装置50を90°回転する毎に順次各現像ユニットのコネクタ着脱位置、及び現像位置となる。
前記YMCK現像装置50を支持し、プリンタ10の筐体をなす2枚のフレーム側板の一方には、1つの現像ユニットが通過可能な着脱専用口37が設けられている。この着脱専用口37は、YMCK現像装置50を回転させて、現像ユニットごとにそれぞれ設定された現像ユニット着脱位置に停止させた際に、図8Cに示すように、該当する現像ユニット(ここでは、ブラック現像ユニット51)のみを、回転軸50eに沿う方向に引き出して取り外すことが可能な位置に形成されている。また、着脱専用口37は、現像ユニットの外形より僅かに大きく形成され、現像ユニット着脱位置では、現像ユニットの取り外しだけでなく、この着脱専用口37を通して回転軸50aに沿う方向に新しい現像ユニットを進入させ、支持フレーム55に現像ユニットを装着することもできる。そして、YMCK現像装置50が現像ユニット取り外し位置以外に位置する間は、その現像ユニットの着脱はフレーム側板によって規制されている。
なお、YMCK現像装置50を上記した位置で確実に位置決め固定するために、不図示のロック機構が設けられている。
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図5を参照しつつ説明する。制御ユニット100は、メインコントローラ101とユニットコントローラ102とを有している。
メインコントローラ101は、CPU111と、コンピュータ702と通信するためのインターフェース112と、コンピュータ702から入力された画像データPDを記憶するための画像メモリ113と、電気的に書き換え可能なEEPROM114a、RAM114b、各種制御用のプログラムを備えたプログラムROM等からなるメインコントローラ側メモリ114と、を備えている。
メインコントローラ101のCPU111は、インターフェースを介して入力される画像データPDの画像メモリ113への読み込み及び読み出しの制御とともに、コンピュータ702から入力された制御信号COMに基づいてユニットコントローラ102のCPU120と同期させて装置全体の制御を司っている。
また、EEPROM114aには、プリンタ10がカラープリンタとして使用されるか、モノクロプリンタとして使用されるかを示す機種情報が格納されている。詳細については後述するが、CPU111は、前述した4つの着脱部のどこに現像ユニットが装着されているかを示す現像ユニットの装着情報を、所定のタイミングでユニットコントローラ102から受信する。そして、当該装着情報に基づいて、EEPROM114a内の前記機種情報を必要に応じて書き換える。なお、機種情報は、EEPROM114a内に1ビットの情報として書き込まれており、その値が0のときはカラープリンタを、その値が1のときはモノクロプリンタを示す。
ユニットコントローラ102は、CPU120と、電気的に書き換え可能なEEPROM116a、RAM、各種制御用のプログラムを備えたプログラムROM等からなるユニットコントローラ側メモリ116と、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95)及びYMCK現像装置50を駆動制御するための各駆動制御回路等を有している。
ユニットコントローラ102のCPU120は、各駆動制御回路と電気的に接続され、メインコントローラ101のCPU111からの制御信号に基づいて各駆動制御回路を制御する。すなわち、各ユニットが備えるセンサ等からの信号を受信することによって、各ユニット及びYMCK現像装置50の状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニット及びYMCK現像装置50を制御する。
また、CPU120は、前述した機種情報に基づいて、各駆動制御回路を制御する。すなわち、当該機種情報の値が0の場合には、カラープリンタとして、当該プリンタ10の各ユニット及びYMCK現像装置50を制御し、当該機種情報の値が1の場合には、モノクロプリンタとして、当該プリンタ10の各ユニット及びYMCK現像装置50を制御する。
EEPROM116aには、前述した4つの着脱部のどこに現像ユニットが装着されているかを示す現像ユニットの装着情報が格納されている。詳細については後述するが、CPU120は、現像ユニットの着脱後に、着脱された当該現像ユニットに対応した着脱部に現像ユニットが装着されているかどうかを判定する。そして、判定された結果に基づいて、EEPROM116a内の前記装着情報を必要に応じて書き換える。なお、装着情報は、EEPROM116a内に、着脱部毎に1ビットの情報、すなわち、計4ビットの情報、として書き込まれており、その値が0のときは現像ユニットが装着されていないことを、その値が1のときは現像ユニットが装着されていることを示す。
また、ユニットコントローラ102が備えるCPU120は、シリアルインターフェース(I/F)121を介して、シリアルEEPROM等の不揮発性記憶素子(以下、本体側メモリとする)122に接続されている。この本体側メモリ122には、装置制御のために必要となるデータが記憶されている。またCPU120には、本体側メモリ122のみならず、各現像ユニット51、52、53、54に設けられた現像ユニット側メモリ51a、52a、53a、54aにもシリアルインターフェース121を介して接続されており、本体側メモリ122及び現像ユニット側メモリ51a、52a、53a、54aとの間でデータ転送可能となるとともに、入出力ポート123を介して各現像ユニット側メモリ51a、52a、53a、54aにチップセレクト信号CSを入力可能となっている。さらに、このCPU120は入出力ポート123を介してHP検出部31とも接続されている。
===画像形成システムの動作について===
前述したとおり、本実施の形態に係るプリンタ10は、複数の着脱部50a、50b、50c、50dのそれぞれに現像ユニットが装着された場合には、それぞれの現像ユニットに収容されたトナーTにより感光体20に担持された潜像を現像してカラー画像を形成するカラープリンタとして使用可能であり、前記複数の着脱部50a、50b、50c、50dのうちの一の着脱部のみに現像ユニットが装着された場合には、当該現像ユニットに収容されたトナーTにより感光体20に担持された潜像を現像してモノクロ画像を形成するモノクロプリンタとして使用可能である。
ここでは、プリンタ10がカラープリンタとして使用されている状態でユーザがモノクロ画像形成の実行を指示し、その後、プリンタ10をカラープリンタからモノクロプリンタへ切り替えて、プリンタ10がモノクロプリンタとして使用されている状態でユーザがカラー画像形成の実行を指示したときの、画像形成システム700の動作について説明する。以下に説明されるプリンタ10の各種動作は、主として、プリンタ10内のメインコントローラ101又はユニットコントローラ102により実現される。特に、本実施の形態においては、プログラムROMに格納されたプログラムをCPUが処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
なお、本実施の形態においては、プリンタ10がカラープリンタとして使用されているか、モノクロプリンタとして使用されているかにかかわらず、前述したカラードライバをプリンタドライバ796として用いる。
<<<プリンタ10がカラープリンタとして使用されている状態でモノクロ画像形成の実行を指示したときの画像形成システムの動作>>>
先ず、プリンタ10がカラープリンタとして使用されている状態でユーザがモノクロ画像形成の実行を指示したときの画像形成システム700の動作について、図10を用いて説明する。図10は、プリンタ10がカラープリンタとして使用されている状態でユーザがモノクロ画像形成を指示したときの画像形成システム700の動作を説明するためのフローチャートである。
このフローチャートは、コンピュータ702及びプリンタ10の電源が既にONされており、画像形成の実行を待機している状態から始まる。また、プリンタ10はカラープリンタとして使用されているので、現像ユニットは、図3に示したように、前述した4つの着脱部の総てに装着されている。すなわち、着脱部50aにはブラック現像ユニット51が、着脱部50bにはマゼンタ現像ユニット52が、着脱部50cにはシアン現像ユニット53が、着脱部50dにはイエロー現像ユニット54が装着されている。
先ず、ユーザが、前述したアプリケーションプログラム795を操作して、画像形成システム700に対して、画像形成の実行を指示する(ステップS2)。当該指示により、アプリケーションプログラム795から、アプリケーションプログラム上の画像データADが、プリンタドライバ796の画像処理部797へ送られる。また、この際に、ユーザは、表示装置704に表示されたユーザインターフェースウィンドウ上で入力装置708によってモノクロ画像形成の実行を示す情報を入力する(ステップS2)。当該入力情報を受け取ったプリンタドライバ796の入力インターフェース部803は、この情報をインターフェース処理部805へ送り、当該インターフェース処理部805は、受け取った情報を処理して、制御信号COMとしてプリンタ10と画像処理部797へ当該情報を送出する。
制御信号COMとしてモノクロ画像形成の実行を示す情報を受け取った画像処理部797は、アプリケーションプログラム795から受け取った画像データADを、当該情報に基づいて処理する(ステップS4)。すなわち、モノクロ画像の形成を行うための画像処理が画像処理部797で実行される。当該画像処理が終了した後に、処理後のモノクロ画像データPDが、プリンタ10へ送出される。
最終的には、モノクロ画像形成の実行を示す制御信号COMとモノクロ画像データPDがプリンタドライバ796からプリンタ10へ送られる(ステップS6)こととなり、かかる動作によってプリンタドライバ796がプリンタ10へ画像形成の実行を指示することとなる。
プリンタ10は、コンピュータ702からモノクロ画像データPD及びモノクロ画像形成の実行を示す制御信号COMを、インターフェース(I/F)112を介して受け取る。プリンタ10は、受け取ったモノクロ画像データPDを、一旦、メインコントローラ101内の画像メモリ113に保存する。そして、メインコントローラ101のCPU111は、制御信号COMの情報に基づいて、画像形成を実行するかどうかを決定する(ステップS8)。
ここで、CPU111が画像形成を実行するかどうかを決定する方法について、説明する。詳細については後述するが、電源がONされているプリンタ10は、メインコントローラ101のRAM114bに、当該プリンタ10がカラープリンタとして使用されているか、モノクロプリンタとして使用されているかを示す機種情報を有している。CPU111は当該機種情報と制御信号COMの情報を比較して、画像形成を実行するかどうかを決定する。より具体的には、機種情報がカラープリンタを示す情報であり、かつ、制御信号COMの情報がカラー画像形成の実行を示す情報であった場合には、CPU111は画像形成の実行を選択する。機種情報がモノクロプリンタを示す情報であり、かつ、制御信号COMの情報がモノクロ画像形成の実行を示す情報であった場合と、機種情報がカラープリンタを示す情報であり、かつ、制御信号COMの情報がモノクロ画像形成の実行を示す情報であった場合も同様である。一方、機種情報がモノクロプリンタを示す情報であり、かつ、制御信号COMの情報がカラー画像形成の実行を示す情報であった場合には、CPU111は画像形成を実行しないことを選択する。機種情報及び制御信号COMの情報と画像形成実行の有無との関係については、図11に示すとおりである。
本実施の形態においては、機種情報がカラープリンタを示す情報であり、かつ、制御信号COMの情報がモノクロ画像形成の実行を示す情報であるから、メインコントローラ101のCPU111は画像形成の実行を選択する。そして、メインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により、プリンタ10は画像形成装置の動作例(モノクロ画像の形成)の項で説明した動作を実施し、モノクロ画像が媒体に形成される(ステップS10)。
<<<カラープリンタからモノクロプリンタへの切り替え>>>
次に、プリンタ10の、カラープリンタからモノクロプリンタへの切り替えについて、図12を用いて説明する。図12は、プリンタ10をカラープリンタからモノクロプリンタへ切り替える手順を説明するためのフローチャートである。
このフローチャートは、プリンタ10の電源が既にONされており、画像形成の実行を待機している状態から始まる。このときのYMCK現像装置50の待機位置は、図8Aに示したHP位置である。
また、切り替え前のプリンタ10はカラープリンタとして使用されているので、現像ユニットは、図3に示したように、前述した4つの着脱部の総てに装着されている。すなわち、着脱部50aにはブラック現像ユニット51が、着脱部50bにはマゼンタ現像ユニット52が、着脱部50cにはシアン現像ユニット53が、着脱部50dにはイエロー現像ユニット54が装着されている。
先ず、プリンタ10がコンピュータと電気的に接続されている場合には、作業者は、コンピュータの電源をOFFしたり、双方を接続しているケーブルを外したりして、双方の電気的接続を解除する(ステップS102)。
次に、作業者は、表示ユニット95等に設けられたメニューボタンを操作して、現像ユニットの着脱命令を選択することにより、現像ユニットの着脱を行う旨をプリンタ10に指示する。このとき、作業者は、着脱の対象となる現像ユニットを指定して指示を行う。
本実施の形態においては、先ず、イエロー現像ユニット54の着脱命令を選択する(ステップS104)。ユニットコントローラ102は、表示ユニット駆動制御回路により本命令を読解する。すなわち、着脱対象となる現像ユニットが、ブラック現像ユニット51、マゼンタ現像ユニット52、シアン現像ユニット53、イエロー現像ユニット54のうち、どれであるかを判別する。本実施の形態において、着脱対象となる現像ユニットは、イエロー現像ユニット54なので、ユニットコントローラ102は、所定のパルス分だけパルスモータを回転させることにより、YMCK現像装置50を回転させて、YMCK現像装置50の位置をHP位置から、イエロー現像ユニット54のコネクタ着脱位置へ移行させる。
そして、ユニットコントローラ102は、当該コネクタ着脱位置でYMCK現像装置50を停止させ、かかる停止状態で、装置本体側コネクタ34を移動させて、当該装置本体側コネクタ34とイエロー現像ユニット54の現像ユニット側コネクタ54bとを当接させる。かかる状態で、イエロー現像ユニット54に取り付けられた現像ユニット側メモリ54aが制御ユニット100のユニットコントローラ102と電気的に接続され、現像ユニット側メモリ54aと装置本体との間で通信が行われる(ステップS106)。
当該通信が終了し、装置本体側コネクタ34が現像ユニット側コネクタ54bから離間した後に、ユニットコントローラ102は、所定のパルス分だけパルスモータを回転させることにより、YMCK現像装置50を回転させて、YMCK現像装置50の位置をイエロー現像ユニット54のコネクタ着脱位置から、イエロー現像ユニット54の着脱位置へ移行させる(ステップS108)。
かかる状態で、ユニットコントローラ102は、イエロー現像ユニット54が着脱可能であることを、表示ユニット95に設けられた表示部等に表示して、作業者に報知する。
この表示を確認した作業者は、プリンタ10の外装カバーを開き、着脱専用口37の奥に配置されているイエロー現像ユニット54を、この着脱専用口37を通してYMCK現像装置50から取り外す(ステップS110)。作業者が、イエロー現像ユニット54を取り外した後に、プリンタ10の外装カバーを閉じると、これを感知したユニットコントローラ102が、YMCK現像装置50の位置をイエロー現像ユニット54の着脱位置から、イエロー現像ユニット54のコネクタ着脱位置へ移行させる。
そして、ユニットコントローラ102は、当該コネクタ着脱位置でYMCK現像装置50を停止させ、かかる停止状態で、装置本体側コネクタ34を移動させて、現像ユニットに設けられた現像ユニット側メモリとの通信を試みる(ステップS112)。当該通信が成功した場合には、ユニットコントローラ102は、イエロー現像ユニット54が装着されているものとして、EEPROM116a内のイエロー現像ユニット54に係る前記装着情報を1に設定する。一方、当該通信が失敗した場合には、ユニットコントローラ102は、イエロー現像ユニット54が装着されていないものとして、EEPROM116a内のイエロー現像ユニット54に係る装着情報を0に設定する(ステップS114)。本実施の形態においては、ステップS110でイエロー現像ユニット54が取り外されたので、前記通信は失敗し、EEPROM116a内のイエロー現像ユニット54に係る前記装着情報が、1から0へ書き換えられる。
ユニットコントローラ102は、装着情報に関する上述した処理を終えた後に、総ての、すなわち、4つの、現像ユニットの装着情報を、メインコントローラ101へ送信する。装着情報を受信したメインコントローラ101は、当該装着情報に基づいて、前述した機種情報を設定する(ステップS116)。
ここで、メインコントローラ101が、4つの現像ユニットの装着情報に基づいて、機種情報を設定するアルゴリズムについて説明する。メインコントローラ101は、4つの装着情報のうち、一の装着情報の値だけが、現像ユニットの装着を示す1である場合には、EEPROM114a内の機種情報の値を、モノクロプリンタを示す1に設定し、二以上の装着情報の値が1である場合には、前記機種情報の値を、カラープリンタを示す0に設定する。ただし、いずれの場合においても、ブラック現像ユニット51に係る装着情報の値が0のときは、メインコントローラ101は、機種情報の設定動作を実行しない(プリンタがカラープリンタとして使用されるかモノクロプリンタとして使用されるにかかわらず装着されるべきブラック現像ユニット51が、装着されていない場合には、機種情報の書き換えは行われずに以前の機種情報の値が維持される)。装着情報の値と機種情報の設定動作の関係については、図13に示すとおりである。
本実施の形態においては、イエロー現像ユニット54に係る装着情報の値のみが0(図13におけるケースP)となっているので、メインコントローラ101は、前述したアルゴリズムに基づいて、機種情報の値を、カラープリンタを示す0に設定する。ただし、イエロー現像ユニット54が取り外される前には、総ての現像ユニットが装着されており、機種情報の値は0(図13におけるケースQ)であったから、ここでは、機種情報の値は変更されないこととなる。
次に、上述したステップS104からステップS116の手順を、シアン現像ユニット53、及び、マゼンタ現像ユニット52について、実施する(ステップS118、ステップS120)。かかる実施の結果、シアン現像ユニット53とマゼンタ現像ユニット52に係る装着情報の値が1から0に書き換えられる。そして、メインコントローラ101が受信する各現像ユニットの装着情報の値は、ブラック現像ユニットが1、マゼンタ現像ユニットが0、シアン現像ユニットが0、イエロー現像ユニットが0(図13におけるケースI)となるので、メインコントローラ101は、前述したアルゴリズムに基づいて、機種情報の値を、カラープリンタを示す0から、モノクロプリンタを示す1に書き換える。
次に、作業者は、プリンタ10の電源をOFFする等してプリンタへの電力の供給を一旦停止させる(ステップS124)。そして、作業者は、プリンタ10の電源をONする等して、プリンタへ電力を再供給する(ステップS126)。
プリンタ10に電力が供給されると、メインコントローラ101は、当該供給を感知して、EEPROM114aからRAM114bへ機種情報をロードする(ステップS128)。ここでは、モノクロプリンタを示す値1が、RAM114bへロードされる。そして、ユニットコントローラ102のCPU120は、RAM114bへロードされた当該機種情報に基づいて、各駆動制御回路を制御する。すなわち、プリンタ10は、RAM114b内の機種情報を参照した結果、モノクロプリンタとして立ち上がり、当該プリンタ10の各ユニット及びYMCK現像装置50は、モノクロプリンタとして制御される(ステップS130)。
上述したとおり、プリンタ10のカラープリンタからモノクロプリンタへの切り替えは、プリンタ10に電力が供給されている状態で着脱部50aとは異なる他の着脱部からの現像ユニットの取り外しを実行することにより、プリンタ10の状態が前述した4つの着脱部のうち少なくとも2つの着脱部に現像ユニットが装着された状態から着脱部50aのみに現像ユニットが装着された状態へ移行し、かつ、プリンタ10への電力の供給が停止された後、プリンタ10に電力が再供給された際に、実行される。
すなわち、プリンタ10の状態が前述した4つの着脱部のうち少なくとも2つの着脱部に現像ユニットが装着された状態から着脱部50aのみに現像ユニットが装着された状態へ移行しただけでは、機種情報がEEPROM114aからRAM114bへロードされることはない。したがって、このときには、RAM114b内の機種情報の値は、移行前の値、すなわち、カラープリンタを示す0、のままであり、プリンタ10がカラープリンタからモノクロプリンタへ切り替わることはない。そして、ステップS126でプリンタ10に電力が供給された際に、初めて、機種情報がRAM114bへロードされ、プリンタ10は、RAM114b内の機種情報を参照して、モノクロプリンタとして立ち上がる。
なお、本実施の形態においては、プリンタ10の状態を、前記少なくとも2つの着脱部に現像ユニットが装着された状態から、着脱部50aのみに現像ユニットが装着された状態へ移行させるための、着脱部50aとは異なる他の着脱部からの現像ユニットの取り外しは、プリンタ10に電力が供給されている状態でのみ実行可能である。
<<<プリンタ10がモノクロプリンタとして使用されている状態でカラー画像形成の実行を指示したときの画像形成システムの動作>>>
次に、プリンタ10がモノクロプリンタとして使用されている状態でユーザがカラー画像形成の実行を指示したときの画像形成システム700の動作について、図14を用いて説明する。図14は、プリンタ10がモノクロプリンタとして使用されている状態でユーザがカラー画像形成を指示したときの画像形成システム700の動作を説明するためのフローチャートである。
このフローチャートは、コンピュータ702及びプリンタ10の電源が既にONされており、画像形成の実行を待機している状態から始まる。また、プリンタ10はモノクロプリンタとして使用されているので、現像ユニットは、図4に示したように、前述した4つの着脱部のうちの一の着脱部のみに装着されている。すなわち、着脱部50aにブラック現像ユニット51が装着されている一方で、他の着脱部50b、50c、50dには現像ユニットが装着されていない。
先ず、ユーザが、前述したアプリケーションプログラム795を操作して、画像形成システム700に対して、画像形成の実行を指示する(ステップS202)。当該指示により、アプリケーションプログラム795から、アプリケーションプログラム上の画像データADが、プリンタドライバ796の画像処理部797へ送られる。また、この際に、ユーザは、表示装置704に表示されたユーザインターフェースウィンドウ上で入力装置708によってカラー画像形成の実行を示す情報を入力する(ステップS202)。当該入力情報を受け取ったプリンタドライバ796の入力インターフェース部803は、この情報をインターフェース処理部805へ送り、当該インターフェース処理部805は、受け取った情報を処理して、制御信号COMとしてプリンタ10と画像処理部797へ当該情報を送出する。
制御信号COMとしてカラー画像形成の実行を示す情報を受け取った画像処理部797は、アプリケーションプログラム795から受け取った画像データADを、当該情報に基づいて処理する(ステップS204)。すなわち、カラー画像の形成を行うための画像処理が画像処理部797で実行される。当該画像処理が終了した後に、処理後のカラー画像データPDが、プリンタ10へ送出される。
最終的には、カラー画像形成の実行を示す制御信号COMとカラー画像データPDがプリンタドライバ796からプリンタ10へ送られる(ステップS206)こととなり、かかる動作によってプリンタドライバ796がプリンタ10へ画像形成の実行を指示することとなる。
プリンタ10は、コンピュータ702からカラー画像データPD及びカラー画像形成の実行を示す制御信号COMを、インターフェース(I/F)112を介して受け取る。プリンタ10は、受け取ったカラー画像データPDを、一旦、メインコントローラ101内の画像メモリ113に保存する。そして、メインコントローラ101のCPU111は、図11に示した判断基準に基づいて、画像形成を実行するかどうかを決定する(ステップS208)。
本実施の形態においては、機種情報がモノクロプリンタを示す情報であり、かつ、制御信号COMの情報がカラー画像形成の実行を示す情報であるから、メインコントローラ101のCPU111は画像形成を実行しないことを選択する。そして、CPU111は、一旦画像メモリに保存されたカラー画像データPDを消去して(ステップS210)、ユニットコントローラ102への画像形成に係る指令は行わずに、画像を形成しない旨を示す制御信号COMをコンピュータ702へ返す(ステップS212)。
コンピュータ702のユーザインターフェース処理部805は当該制御信号COMを受信し、その内容を解釈する。そして、画像を形成しない旨を示すメッセージを表示するように、表示インターフェース部801に指令を与える。かかる指令を受け取った表示インターフェース部801は、画像を形成しない旨を示すメッセージを表示装置704に表示させる(ステップS214)。すなわち、画像形成システム700は、モノクロプリンタとして使用しているプリンタ10に対しプリンタドライバ796によってカラー画像形成の実行が指示された際に、表示装置704に画像を形成しない旨を表示する。
上記においては、プリンタがカラープリンタとして使用されている状態でモノクロ画像形成の実行を指示したときの画像形成システムの動作と、プリンタがモノクロプリンタとして使用されている状態でカラー画像形成の実行を指示したときの画像形成システムの動作と、を示したが、カラープリンタとして使用しているプリンタに対しプリンタドライバによってモノクロ画像形成の実行が指示された際にはプリンタは画像を形成し、モノクロプリンタとして使用しているプリンタに対しプリンタドライバによってカラー画像形成の実行が指示された際にはプリンタは画像を形成しない。このようにすることにより、ユーザにとって利便性の高い画像形成システムを実現することができる。
すなわち、発明が解決しようとする課題の項等で説明したとおり、ユーザは、プリンタがカラープリンタとして使用されているときに、モノクロ画像を形成させるための指示を画像形成システムに出したり、プリンタがモノクロプリンタとして使用されているときに、カラー画像を形成させるための指示を画像形成システムに出したりする場合がある。
このようにモノクロ・カラーに関してプリンタの使用状況と画像形成に係る指示とが一致しない場合の画像形成システムの処理は、その処理をできるだけ簡略化するということを考慮すれば、常に同じものであることが望ましい。
しかしながら、前述した2種類のケースの双方において、画像形成システムが画像を形成するための処理を行うこととすると、プリンタがモノクロプリンタとして使用されているときにユーザがカラー画像を形成させるための指示を出した場合には、プリンタにはブラック色以外の現像ユニットが装着されていないため、ユーザが期待する画像とは異なる画像が形成されてしまうという問題が生じる。
一方で、前述した2種類のケースの双方において、画像形成システムが画像を形成するための処理を行わないこととすると、プリンタの構成上はカラープリンタとして使用されているときでもモノクロ画像を形成可能であるから、プリンタがカラープリンタとして使用されているときにユーザがモノクロ画像を形成させるための指示を出した場合に、ユーザの利益を損ねるという問題が生じる。
そこで、カラープリンタとして使用しているプリンタに対しプリンタドライバによってモノクロ画像形成の実行が指示された際にはプリンタは画像を形成し、モノクロプリンタとして使用しているプリンタに対しプリンタドライバによってカラー画像形成の実行が指示された際にはプリンタは画像を形成しないこととする。このようにすれば、プリンタがモノクロプリンタとして使用されているときにユーザがカラー画像を形成させるための指示を出した場合に、ユーザが期待する画像とは異なる画像が形成されてしまうという上記問題を回避することができる。また、プリンタがカラープリンタとして使用されているときにユーザがモノクロ画像を形成させるための指示を出した場合に、ユーザの利益を損ねるという上記問題を回避することができる。
したがって、ユーザにとって利便性の高い画像形成システムを実現することが可能となる。
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成システム等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
なお、上記実施の形態においては、図1に表したように、プリンタが、直接、コンピュータに接続されている形態を示したが、プリンタが、ネットワーク経由でコンピュータに接続されていることとしてもよい。
また上記実施の形態においては、プリンタドライバとして、カラードライバと、モノクロドライバとが、供給されることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、モノクロ・カラーの区別のないプリンタドライバが供給されることとしてもよい。かかる場合には、コンピュータ側が、プリンタ側から当該プリンタがカラープリンタとして使用されているか、モノクロプリンタとして使用されているかの情報を取得して、プリンタドライバのモノクロ・カラーに係るモードを切り替えることとしてもよい。
また、上記実施の形態においては、コンピュータが、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の表示装置と、キーボード、マウス等の入力装置と、FD(フレキシブルドライブ)装置、CD−ROMドライブ装置、MO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置、DVD(Digital Versatile Disk)装置等の読取装置と、RAM等の内部メモリと、ハードディスクドライブユニット等の外部メモリと、を備えていることとしたが、これに限定されるものではなく、上記のいずれかを備えていなくてもよい。また、例えば、プリンタが、コンピュータの機能又は機構の一部を持っていても良い。
また、上記実施の形態においては、画像形成装置として中間転写型のレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
また、上記実施の形態においては、ロータリー方式の現像装置を備えた画像形成装置を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タンデム方式の現像装置を備えた画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態においては、装置本体側コネクタを、現像ユニット側コネクタに当接させて、現像ユニット側メモリと装置本体との間で通信を行うこととしたが、これに限定されるものではなく、例えば、現像ユニット側の部材と装置本体側の部材とを接触させないで、前記通信を行うようにしてもよい。
また、感光体についても、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ローラに限られず、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
また、上記実施の形態においては、単色プリンタは、前記複数の着脱部のうちの一の着脱部のみに現像ユニットが装着された場合に、該現像ユニットに収容されたトナーにより感光体に担持された潜像を現像してモノクロ画像を形成するモノクロプリンタであることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、上記実施の形態においては、前記一の着脱部に装着される現像ユニットは、ブラック現像ユニットであって、当該ブラック現像ユニットに収容されたトナーにより潜像を現像してモノクロ画像を形成することとしたが、これに限定されるものではなく、前記一の着脱部に装着される現像ユニットは、他の色のトナーを有する現像ユニットであって、当該現像ユニットに収容されたトナーにより潜像を現像して、当該他の色の画像を形成することとしてもよい。
また、上記実施の形態においては、プリンタドライバは、前記プリンタに対し、カラー画像形成の実行と、単色画像形成の実行と、を指示することが可能であることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、上記実施の形態においては、プリンタがカラープリンタとして使用されているか、モノクロプリンタとして使用されているかにかかわらず、カラー画像形成の実行と、モノクロ画像形成の実行と、を指示することが可能なカラードライバをプリンタドライバとして用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、プリンタがカラープリンタとして使用されている場合には、プリンタドライバとして前記カラードライバを使用し、プリンタがモノクロプリンタとして使用されている場合には、プリンタドライバとして前記モノクロドライバを使用することとしてもよい。
ただし、プリンタがカラープリンタとして使用されているか、モノクロプリンタとして使用されているかにかかわらず、前記カラードライバをプリンタドライバとして用いる場合には、プリンタをカラープリンタからモノクロプリンタへ切り替えた後に、カラードライバからモノクロドライバへの入れ替え作業を実施する必要がなくなる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態においては、単色プリンタとして使用しているプリンタに対しプリンタドライバによってカラー画像形成の実行が指示された際には、画像を形成しない旨を報知することとしたが、これに限定されるものではなく、画像を形成しない旨を報知しないこととしてもよい。
ただし、画像を形成しない旨を報知することとすれば、ユーザフレンドリーな画像形成システムを実現することができる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態においては、単色プリンタとして使用しているプリンタに対しプリンタドライバによってカラー画像形成の実行が指示された際には、画像を形成しない旨を表示することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、画像を形成しない旨を音声で報知することとしてもよい。
また、上記実施の形態においては単色プリンタとして使用しているプリンタに対しプリンタドライバによってカラー画像形成の実行が指示された際には、コンピュータに備えられた表示装置に画像を形成しない旨を表示することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、プリンタに備えられた表示部に画像を形成しない旨を表示することとしてもよい。
ただし、ユーザが画像形成システムに対して画像形成の実行を指示する際には、通常、ユーザはコンピュータの表示装置を見ているので、画像を形成しない旨を当該表示装置に表示することとすれば、よりユーザフレンドリーな画像形成システムを実現することができる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施の形態においては、電源のON、OFFによって、プリンタへの電力の供給の停止、プリンタへの電力の再供給を実現したが、これに限定されるものではなく、例えば、プリンタをリセットすることによって実現してもよい。
本発明によれば、ユーザにとって利便性の高い画像形成システム、及び、画像形成装置を実現することが可能となる。