本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
潜像を担持するための像担持体と、現像剤を収容し、当該現像剤にて前記潜像を現像するための現像ユニットが着脱可能な複数の着脱部と、を有し、前記複数の着脱部のうちの少なくとも2つの着脱部に、同色の前記現像剤が収容された前記現像ユニットが装着された状態で、当該現像ユニットに収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色画像形成装置として使用可能であり、前記現像ユニットの状態を示す情報に基づいて、所定の動作を実行する画像形成装置において、前記単色画像形成装置として使用されている際に、前記情報に基づいて、装着されたすべての前記現像ユニットが所定の状態となった事象を検出したときに前記所定の動作を実行することを特徴とする画像形成装置である。
このような画像形成装置は、単色画像形成装置として使用されている際には、同色の現像剤が収容された複数の現像ユニットが装着されている。そして、装着されたすべての現像ユニットが所定の状態となった事象を検出したときに、所定の動作を実行する。すなわち、装着された各々の現像ユニットのいずれか所定の状態となった事象を検出しても、所定の動作を実行しない。このため、印刷の途中にて、いずれかの現像ユニットが所定の状態となった事象を検出しても、所定の動作をしないので、スループットの低下を抑えることが可能である。
かかる画像形成装置において、前記潜像を現像して媒体に画像を形成するための画像形成部と、前記画像形成部に画像を形成させるためのコントローラとを有し、前記コントローラが、前記画像形成部に対し、1つの前記媒体上への画像の形成を要求する要求リクエストを適宜出力し、前記画像形成部が、画像形成可能な場合に当該要求リクエストを受け付けた旨を示す受付レスポンスを前記コントローラに出力することにより前記画像形成部が1つの前記媒体上に画像を形成する媒体単位ジョブが発生し、前記所定の動作は、前記所定の状態となった事象を検出したときに既に発生している前記媒体単位ジョブに基づいて画像を形成した後に実行することが望ましい。
このような画像形成装置によれば、所定の状態となった事象を検出したときに既に発生している媒体単位ジョブに基づいて画像を形成した後に、所定の動作を実行するので、媒体単位ジョブの途中にて画像の形成動作が中止されない。すなわち、発生した媒体単位ジョブに基づいて途中まで画像を形成した状態で画像形成動作を中止しないため、途中まで実行した画像形成動作にて使用した現像剤や媒体を無駄にすることなく画像を形成することが可能である。また、発生した媒体単位ジョブに基づく画像形成動作は終了させるので、所定の事象が解消された後には、新たに発生する媒体単位ジョブに基づいて画像を形成するため、制御が容易である。
かかる画像形成装置において、前記所定の状態は、前記現像ユニットにて現像できない状態であることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、いずれかの現像ユニットにて現像できない事象が生じたとしても、所定の動作を実行しない。すなわち、装着されている他の現像ユニットもすべて現像できない状態となったときに所定の動作を実行する。このため、いずれかの現像ユニットが現像できない状態となったとしても、他の現像ユニットを用いて画像を形成することにより、複数の媒体単位ジョブでなる印刷ジョブが途中で中断され難いため、スループットを向上させることが可能である。また、すべての現像ユニットが現像できない状態となるまで、現像しつつけることが可能なので、一度に大量の媒体に印刷する場合であっても中断される可能性が低いので、一度に大量の媒体に印刷する場合に特に有効である。
かかる画像形成装置において、前記現像できない状態は、前記現像ユニットに収容されている現像剤の残量が所定量以下となることであることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、現像ユニット内の現像剤の残量が所定量以下になった際に生じる不具合、例えば、かすれた画像や色調の異なる画像が形成されることを抑えつつ、大量の媒体に連続して印刷することが可能である。
かかる画像形成装置において、前記現像ユニットは、回転可能に支持されて前記現像剤を担持する現像剤担持ローラを有し、前記現像できない状態は、前記現像剤担持ローラの回転時間が所定時間以上となることであることとしてもよい。
このような画像形成装置によれば、現像剤担持ローラの回転時間が所定時間以上になった際に生じる不具合、例えば、画像に濃度ムラが生じることを抑えつつ、大量の媒体に連続して印刷することが可能である。
かかる画像形成装置において、報知すべき事象が発生した際に当該事象を示すための情報を報知するための報知部を有し、前記所定の動作は、前記現像ユニットが現像できない状態となった事象を、前記報知部にて報知する動作であることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、すべての現像ユニットが現像できない状態となったときに、現像できなくなった事象を報知部に報知するので、いずれかの現像ユニットが現像できなくなったとしても、その事象は報知されない。すなわち、ユーザー等は、すべての現像ユニットが現像できなくなるまで、各現像ユニットが現像できなくなった事象を知り得ない。このため、ユーザーとは、すべての現像ユニットが現像できなくなるまで、1つの現像ユニットにて現像している場合と同じ感覚にて画像形成装置を使用することが可能である。
かかる画像形成装置において、前記複数の着脱部に装着された前記現像ユニットのうちの1つの前記現像ユニットを、所定の着脱位置に移動させることにより、移動された当該現像ユニットは、装着されていない他の現像ユニットと交換可能となり、前記所定の動作は、現像できない状態となった前記現像ユニットを、前記着脱位置に移動させる動作であることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、装着された現像ユニットのうち、いずれかの現像ユニットが現像できない状態となったとしても、当該現像ユニットは着脱位置に移動されず、すべての現像ユニットが現像できなくなった際に着脱位置に移動される。このため、各現像ユニットが現像できなくなる毎に着脱位置に移動させる動作が実行されないため、印刷ジョブが途中で中断され難いためスループットを向上させることが可能である。
かかる画像形成装置において、前記現像ユニットは、所定の現像位置に移動されて現像可能となり、前記単色画像形成装置として使用されている際に、装着されているいずれかの前記現像ユニットにて現像できない状態となった場合には、現像可能な他の現像ユニットを前記現像位置に移動させることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、装着されているいずれかの現像ユニットが現像できない状態となっても、他の現像ユニットを用いて継続して現像することが可能である。
かかる画像形成装置において、前記現像可能な他の現像ユニットが複数装着されている場合には、前記現像位置への移動距離が最も短い前記現像ユニットを、前記現像位置に移動させることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、いずれかの現像ユニットが現像できなくなったときに、現像位置までの移動距離が最も短い位置にある他の現像ユニットが、現像位置に移動される。すなわち、いずれかの現像ユニットが現像できなくなったときに、最短時間にて現像可能な現像ユニットを現像位置に移動させることが可能である。このため、現像ユニットの移動にかかる時間が短いので、スループットの低下を抑えることが可能である。
かかる画像形成装置において、前記所定の状態は、前記現像ユニットにて現像できない状態を予告すべき状態であることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、現像できない状態を予告すべき状態となったときに所定の動作を実行するので、ユーザー等は現像できない状態となる前に、現像できなくなることを知り得ることが可能である。
かかる画像形成装置において、報知すべき事象が発生した際に当該事象を示すための情報を報知するための報知部を有し、前記所定の動作は、前記現像ユニットが現像できない状態を予告すべき状態となった事象を、前記報知部にて報知する動作であることが望ましい。
このような画像形成装置によれば、現像できない状態を予告すべき状態となったときに、その事象を報知部によりユーザー等に報知することが可能である。このため、ユーザー等は、現像できなくなることを前もって知りうることが可能である。よって、ユーザー等は、現像できなくなる前に、再び現像可能とするための準備をすることが可能となるため、利便性の高い画像形成装置を提供することが可能である。
かかる画像形成装置において、前記現像できない状態は、前記現像ユニットに収容されている現像剤の残量が所定量以下となることとしてもよい。
このような画像形成装置によれば、ユーザー等は現像剤の残量が所定量以下となることにより現像できない状態となる前に、その事象を知り得ることが可能である。このため、ユーザー等は現像剤を十分有して現像している間に、新たな現像ユニットを準備しておくことが可能である。このため、現像ユニットに収容されている現像剤の残量が所定量以下となり現像できない状態となった際には、準備した現像ユニットと即座に交換して現像動作を継続させることことが可能である。
また、潜像を担持するための像担持体と、現像剤を収容し、当該現像剤にて前記潜像を現像するための現像ユニットが着脱可能な複数の着脱部と、を有して前記潜像を現像して媒体に画像を形成するための画像形成部、 前記画像形成部に画像を形成させるためのコントローラ、及び、報知すべき事象が発生した際に当該事象を示すための情報を報知するための報知部、を備え、前記複数の着脱部のうちの少なくとも2つの着脱部に、同色の前記現像剤が収容された前記現像ユニットが装着された状態で、当該現像ユニットに収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色画像形成装置として使用可能であり、前記現像ユニットは、所定の現像位置に移動されて現像可能となり、前記複数の着脱部に装着された前記現像ユニットのうちの1つの前記現像ユニットを、所定の着脱位置に移動させることにより、移動された当該現像ユニットは、装着されていない他の現像ユニットと交換可能となり、前記コントローラが、前記画像形成部に対し、1つの前記媒体上への画像の形成を要求する要求リクエストを適宜出力し、前記画像形成部が、画像形成可能な場合に当該要求リクエストを受け付けた旨を示す受付レスポンスを前記コントローラに出力することにより前記画像形成部が1つの前記媒体上に画像を形成する媒体単位ジョブが発生し、前記現像ユニットの状態を示す情報に基づいて、所定の動作を実行する画像形成装置において、前記単色画像形成装置として使用されている際に、前記情報に基づいて、前記現像ユニットに収容されている現像剤の残量が所定量以下となる状態を予告すべき状態となった事象を検出したときに、当該事象を、前記報知部にて報知し、装着されているいずれかの前記現像ユニットに収容されている現像剤の残量が所定量以下となった事象を検出したときに、装着されている現像可能な他の現像ユニットのうち、前記現像位置への移動距離が最も短い前記現像ユニットを、前記現像位置に移動させ、装着されたすべての前記現像ユニットが、前記現像ユニットに収容されている現像剤の残量が所定量以下となった事象を検出したときに、既に発生している前記媒体単位ジョブに基づいて画像を形成した後に、前記現像剤の残量が所定量以下となった前記現像ユニットを、前記着脱位置に移動させることを特徴とする画像形成装置ある。
このような画像形成装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。 また、潜像を担持するための像担持体と、現像剤を収容し、当該現像剤にて前記潜像を現像するための現像ユニットが着脱可能な複数の着脱部と、を有し、前記複数の着脱部のうちの少なくとも2つの着脱部に、同色の前記現像剤が収容された前記現像ユニットが装着された状態で、当該現像ユニットに収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色画像形成装置として使用可能であり、前記現像ユニットの状態を示す情報に基づいて、所定の動作を実行する画像形成装置が前記単色画像形成装置として使用されている際に、前記情報に基づいて、装着されたすべての前記現像ユニットが所定の状態となった事象を検出したときに、当該画像形成装置に前記所定の動作を実行させるための機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である
また、コンピュータ本体、及び、潜像を担持するための像担持体と、現像剤を収容し、当該現像剤にて前記潜像を現像するための現像ユニットが着脱可能な複数の着脱部と、を有し、前記複数の着脱部のうちの少なくとも2つの着脱部に、同色の前記現像剤が収容された前記現像ユニットが装着された状態で、当該現像ユニットに収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色画像形成装置として使用可能であり、前記現像ユニットの状態を示す情報に基づいて、所定の動作を実行する画像形成装置、を有する画像形成システムにおいて、前記単色画像形成装置として使用されている際に、前記情報に基づいて、装着されたすべての前記現像ユニットが所定の状態となった事象を検出したときに前記所定の動作を実行することを特徴とする画像形成システムも実現可能である。
また、像担持体に担持された潜像を現像するための現像ユニットが着脱可能な複数の着脱部のうちの少なくとも2つの着脱部に、前記潜像を現像するための同色の前記現像剤が収容された前記現像ユニットが各々装着された状態で、当該現像ユニットに収容された現像剤により前記像担持体に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色画像形成装置として使用されている際に、前記現像ユニットの状態を示す情報に基づいて、装着されたすべての前記現像ユニットが所定の状態となった事象を検出するステップと、検出したときに所定の動作を実行するステップとを有することを特徴とする画像形成方法も実現可能である。
===画像形成装置の全体構成例===
次に、図1及び図2を用いて、画像形成装置としてプリンタ10を例にとって、その概要について説明する。図1及び図2は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図であり、図1は、プリンタ10がカラープリンタとして使用される際の主要構成要素を示した図、図2は、プリンタ10がモノクロプリンタとして使用される際の主要構成要素を示した図である。なお、図1及び図2には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
プリンタ10は、図1及び図2に示すように、潜像を担持するための像担持体としての感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、現像器保持ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、液晶パネルにて構成されユーザー等への表示部としての表示ユニット95、プリンタ10全体を制御するための制御ユニット100を有している。
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1及び図2中の矢印で示すように時計回りに回転する。
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、外部のコンピュータ(図示せず)から入力された画像情報に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20に向けて照射する。
現像器保持ユニット50は、現像剤を収容し感光体20上に形成された潜像を現像するための現像ユニットとしての現像器が着脱可能な複数の着脱部50a、50b、50c、50dを有している。これら着脱部に装着された現像器に収容された現像剤の一例としてのトナーTを用いて感光体20上に形成された潜像が現像される。
ところで、本実施の形態に係るプリンタ10は、前記複数の着脱部50a、50b、50c、50dのそれぞれに現像器が装着された状態で、それぞれの現像器に収容されたトナーTにより感光体20に担持された潜像を現像してカラー画像を形成するカラープリンタ(カラー画像形成装置)として使用可能である。また、プリンタ10は、複数の着脱部50a、50b、50c、50dのうちの少なくとも2つの着脱部に、同色のトナーTが収容された現像器が装着された状態で、現像器に収容されたトナーTにより感光体20に担持された潜像を現像して単色画像を形成する単色プリンタ(単色画像形成装置)として使用可能である。
プリンタ10がカラープリンタとして使用される場合には、図1に示すように、現像器保持ユニット50の4つの着脱部50a、50b、50c、50dに、4つの現像器、すなわち、ブラック現像器51、マゼンタ現像器53、シアン現像器52、およびイエロー現像器54が装着されている。そして、感光体20上に形成された潜像は各現像器51,52,53,54に収容されたトナーTにより現像される。
また、現像器保持ユニット50は、一方向に回転することにより、前記4つの現像器51、52、53、54を移動させることが可能である。すなわち、現像器保持ユニット50は、回転軸50eを中心として回転可能に設けられており、回転軸50eを取り囲むように4つの着脱部が設けられている。このため、各着脱部に4つの現像器51、52、53、54がそれぞれ装着された状態で、回転軸50eを中心として現像器保持ユニット50が回転すると、装着されている4つの現像器51、52、53、54は、互いの相対位置を維持したまま移動することになる。そして、各現像器51、52、53、54は、感光体20上に形成された潜像を、各現像器51、52、53、54に収容されたトナーTにて現像する際に、感光体20と対向する位置に移動される。そして、ある現像器にて1ページ分の潜像が現像されると、現像器保持ユニット50が90°回転し、隣接する現像器が感光体20と対向する位置に順次移動される。
一方、プリンタ10がモノクロプリンタとして使用される場合には、図2に示すように、現像器保持ユニット50の複数の着脱部のうちの少なくとも2つの着脱部に、同色のトナーが収容された現像器が装着されている。そして、感光体20上に形成された潜像は、装着された現像器に収容された同色のトナーTにより現像される。本実施形態では、4つの着脱部50a、50b、50c、50dのうちの3つの着脱部50a,50b、50cにブラック現像器51が装着されている。そして、現像器保持ユニット50を回転させることにより、装着された3つのブラック現像器51のいずれかを感光体20と対向する位置に移動させる。そして、感光体20上に形成された潜像は、装着された3つのブラック現像器51の位置を適宜移動させ、感光体20と対向する位置に移動された現像器に収容されたブラックトナーTにて現像される。現像器の詳細については後述する。
一次転写ユニット60は、感光体20に形成されたトナー像を中間転写体70に転写するための装置である。
この中間転写体70は、PETフィルムの表面にアルミ蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成されたトナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
定着ユニット90は、媒体上に転写されたトナー像を媒体に融着させて永久像とするための装置である。
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有している。このクリーニングユニット75は、一次転写ユニット60により中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーTをクリーニングブレード76により掻き落として除去するためのユニットである。
制御ユニット100は、コントローラ部101と、ユニット制御部102とを有している(図7)。コントローラ部101は外部のコンピュータと通信し、ユニット制御部102は各ユニット等を制御して画像を形成する。コントローラ部101とユニット制御部102とはインターフェースを介して接続されている。このコントローラ部101が、請求項に係る「コントローラ」に相当し、前述した各ユニットとユニット制御部等が、請求項に係る「画像形成部」103に相当する。
===現像器の構成例===
次に、図3及び図4を用いて、現像器の構成例について説明する。図3は、現像器の概念図であり、図4は現像器の主要構成要素を示した断面図である。なお、図4に示す断面図は、図3に示す長手方向に垂直な面で現像器を切り取った断面を表したものである。また、図4においては、図1同様、矢印にて上下方向を示しており、ブラック現像器51が、感光体20と対向する現像位置に位置している状態を示している。
現像器保持ユニット50には、ブラック(K)トナーを収容したブラック現像器51、マゼンタ(M)トナーを収容したマゼンタ現像器53、シアン(C)トナーを収容したシアン現像器52、及び、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像器54を装着することができるが、各現像器の構成は同様であるので、以下、ブラック現像器51について説明する。
ブラック現像器51は、現像剤担持ローラとしての現像ローラ510、シール部材520、トナー収容部530、ハウジング540、トナー供給ローラ550、規制ブレード560等を有している。
現像ローラ510は、トナーTを担持して感光体20と対向する現像位置に搬送する。また、現像ローラ510は、図3に示すとおり、その長手方向両端部で支持されており、中心軸を中心として回転可能である。図4に示すように、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図4において時計方向)と逆の方向(図4において反時計方向)に回転する。また、図4に示すように、ブラック現像器51の現像ローラ510と感光体20とは間隔を隔てて対向している。すなわち、ブラック現像器51は、感光体20上に形成された潜像を非接触状態で現像する。なお、感光体20上に形成された潜像を現像する際には、現像ローラ510と感光体20との間に交番電界が形成される。
シール部材520は、ブラック現像器51内のトナーTが器外に漏れることを防止するとともに、現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTを、掻き落とすことなく現像器内に回収する。このシール部材520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールであり、現像ローラ510側とは逆側に設けられモルトプレーン等からなるシール付勢部材524の弾性力によって、現像ローラ510に押しつけられている。
ハウジング540は、一体成型された複数のハウジング部を溶着して形成されている。図4に示すように、当該ハウジング540は、ハウジング540の外部と連通する開口572を有し、ハウジング540の外方から当該開口572に周面を臨ませて、前述した現像ローラ510がその一部が露出した状態で配置されている。また、後述する規制ブレード560も、ハウジング540の外方から当該開口572に臨んだ状態で配置されている。
また、当該ハウジング540は、トナーTを収容可能なトナー収容部530を形成している。
トナー供給ローラ550は、前述したトナー収容部530に設けられ、当該トナー収容部530に収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する。このトナー供給ローラ550は、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形された状態で現像ローラ510に当接している。トナー供給ローラ550は、トナー収容部530の下部に配置されており、トナー収容部530に収容されたトナーTは、該トナー収容部530の下部にてトナー供給ローラ550によって現像ローラ510に供給される。トナー供給ローラ550は、中心軸を中心として、現像ローラ510の回転方向(図4において反時計方向)と逆の方向(図4において時計方向)に回転する。なお、トナー供給ローラ550は、トナー収容部530に収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する機能を有するとともに、現像後に現像ローラ510に残存しているトナーTを、現像ローラ510から剥ぎ取る機能をも有している。
規制ブレード560は、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制する。この規制ブレード560は、ゴム部560aと、ゴム支持部560bとを有している。ゴム部560aは、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、ゴム支持部560bは、リン青銅、ステンレス等のバネ性を有する薄板である。ゴム部560aは、ゴム支持部560bに支持されており、ゴム支持部560bは、その一端部が一対のブレード支持板金562に挟まれて支持された状態で、ブレード支持板金562を介してハウジング540に取り付けられている。また、規制ブレード560の現像ローラ510側とは逆側には、モルトプレーン等からなるブレード裏部材570が設けられている。
ここで、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力によって、ゴム部560aが現像ローラ510に押しつけられている。また、ブレード裏部材570は、ゴム支持部560bとハウジング540との間にトナーTが入り込むことを防止して、ゴム支持部560bの撓みによる弾性力を安定させるとともに、ゴム部560aの真裏からゴム部560aを現像ローラ510の方向へ付勢することによって、ゴム部560aを現像ローラ510に押しつけている。したがって、ブレード裏部材570は、ゴム部560aの現像ローラ510への均一当接性を向上させている。
このように構成されたブラック現像器51において、トナー供給ローラ550がトナー収容部530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。現像ローラ510に供給されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560の当接位置に至り、該当接位置を通過する際に、電荷が付与されるとともに、層厚が規制される。層厚が規制された現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する現像位置に至り、該現像位置にて交番電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。現像ローラ510のさらなる回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、シール部材520を通過して、シール部材520によって掻き落とされることなく現像器内に回収される。
また、各現像器51、52、53、54は、それぞれの現像器に収容されているトナーの色情報、トナーの残量、現像ローラ510の回転時間等、現像器に関する各種情報を記憶するための記憶素子、例えば、シリアルEEPROM等の不揮発性記憶メモリ(以下、現像器側メモリともいう)51a、52a、53a、54aを備えている。
この現像器側メモリ51a、52a、53a、54aは、現像器の一方端側面に設けられた現像器側コネクタ51b、52b、53b、54bと、装置本体側(プリンタ側)に設けられた装置本体側コネクタ34とが必要なときに互いに当接して、本体制御ユニット100のユニット制御部102と電気的に接続される。
===現像器保持ユニットの概要===
次に、現像器保持ユニット50の概要について、図5A〜図5Cを用いて説明する。なお、本項では、便宜上、前記4つの着脱部50a、50b、50c、50dのそれぞれに現像器51、52、53、54が装着されている場合を例に説明するが、前記4つの着脱部50a、50b、50c、50dのうち少なくとも2つの着脱部に同色の現像剤が収容された現像器が装着されている場合にも適用可能である。
現像器保持ユニット50は、その中心に位置する回転軸50eを有し、この回転軸50eには現像器を保持するための支持フレーム55が固定され、回転軸50eは、プリンタ10の筐体をなす2枚のフレーム側板(図示せず)の間に架け渡されて、その両端部が支持されている。なお、回転軸50eの軸方向は、鉛直方向と交差している。
この支持フレーム55は、前述した4色の現像器51、52、53、54が、前記回転軸50eを中心として着脱自在に装着される4つの着脱部50a、50b、50c、50dを周方向に90°間隔で備えている。
回転軸50eには不図示のパルスモータが接続されており、このパルスモータを駆動することで支持フレーム55を回転させ、上記4つの現象装置51、52、53、54を所定の位置に位置決めできるようになっている。
図5A〜図5Cは、回転する現像器保持ユニット50の3つの停止位置を示しており、図5Aは、画像形成の実行を待機しているときの待機位置であって、現像器保持ユニット50の回転方向の基準位置となる停止位置でもあるホームポジション位置(以下「HP位置」という)を、図5Bは、現像器保持ユニット50に装着されたブラック現像器51の現像器側コネクタ51bと、装置本体側に設けられた装置本体側コネクタ34とが対向するコネクタ着脱位置を、図5Cは、ブラック現像器51の着脱位置を、それぞれ示している。
ここで、図5B及び図5Cにおいて、コネクタ着脱位置と現像器着脱位置とはブラック現像器51を対象として示したが、現像器保持ユニット50を90°づつ回転させた位置が、各現像器のコネクタ着脱位置及び現像器着脱位置となる。
先ず、図5Aに示すHP位置について説明する。現像器保持ユニット50の回転軸50eの一方端側には、HP位置を検出するためのHP検出部31(図7)が設けられている。このHP検出部31は、回転軸50eの一方端に固着された信号生成用の円盤と、発光部、受光部を備えたフォト・インタラプタ等からなるHPセンサとで構成されている。円盤の周縁部は、HPセンサの発光部と受光部との間に位置するように配置され、円盤に形成されたスリット部がHPセンサの検出位置に移動してくると、HPセンサからの出力信号が「L」から「H」に変化する。そして、この信号レベルの変化とパルスモータのパルス数に基づき現像器保持ユニット50のHP位置を検出し、このHP位置を基準として、各現像器の現像位置等に位置決めすることができるように構成されている。
図5Bは、前記HP位置から所定のパルス数分だけ、前記パルスモータを回転させた着脱部50aに装着されたブラック現像器51のコネクタ着脱位置である。このコネクタ着脱位置で、現像器保持ユニット50に装着されたブラック現像器51の現像器側コネクタ51bと、装置本体側に設けられた装置本体側コネクタ34とが対向し、これらのコネクタを互いに当接又は離間させることが可能となる。
図6A、図6Bを用いてさらに説明を加える。図6Aは、離間位置に係る図であり、図6Bは当接位置に係る図である。
図6Aは、装置本体側コネクタ34とブラック現像器51の現像器側コネクタ51bが離間している状態を示している。装置本体側コネクタ34は、ブラック現像器51に対して接離移動可能に構成されており、必要に応じてブラック現像器51に近づく方向(図6Bに示される矢印の方向)に移動する。これによって、図6Bに示されるように、装置本体側コネクタ34は、ブラック現像器51の現像器側コネクタ51bに当接し、ブラック現像器51に取り付けられた現像器側メモリ51aが制御ユニット100のユニット制御部102と電気的に接続され、現像器側メモリ51aと装置本体との間で通信が行われる。
また、逆に、図6Bに示される装置本体側コネクタ34とブラック現像器51の現像器側コネクタ51bが当接している状態から、装置本体側コネクタ34が、ブラック現像器51から遠ざかる方向(図6Bに示される矢印の方向と逆方向)に移動する。これによって、図6Aに示されるように、装置本体側コネクタ34は、ブラック現像器51の現像器側コネクタ51bから離間する。
なお、装置本体側コネクタ34の移動は、例えば、パルスモータと当該パルスモータに接続される複数のギアと当該ギアに接続される偏心カムにより構成される不図示の機構により実現される。すなわち、所定のパルス数分だけ、前記パルスモータを回転させると、上記機構は、所定の離間位置から前記パルス数に対応した距離分装置本体側コネクタ34を移動させ、当該装置本体側コネクタ34を所定の当接位置に位置決めさせる。逆に、所定のパルス数分だけ、前記パルスモータを逆回転させると、上記機構は、所定の当接位置から前記パルス数に対応した距離分装置本体側コネクタ34を移動させ、当該装置本体側コネクタ34を所定の離間位置に位置決めさせる。
また、このブラック現像器51に対するコネクタ着脱位置は、シアン現像器52の現像ローラ510と感光体20とが対向してシアン現像器52の現像位置となる。すなわち、ブラック現像器51に係る現像器保持ユニット50のコネクタ着脱位置は、シアン現像器52に係る現像器保持ユニット50の現像位置である。また、パルスモータが現像器保持ユニット50を90°反時計方向に回転させると、イエロー現像器54のコネクタ着脱位置、及び、ブラック現像器51の現像位置となり、現像器保持ユニット50を90°回転する毎に順次各現像器のコネクタ着脱位置、及び現像位置となる。
前記現像器保持ユニット50を支持し、プリンタ10の筐体をなす2枚のフレーム側板の一方には、1つの現像器が通過可能な着脱専用口37と、着脱専用口37を開閉可能に覆う内側カバー(図示せず)とが設けられている。着脱専用口37は、現像器保持ユニット50を回転させて、設定された現像器着脱位置に各現像器を停止させた際に、図5Cに示すように、該当する現像器(ここでは、ブラック現像器51)のみを、回転軸50eに沿う方向に引き出して取り外すことが可能な位置に形成されている。また、着脱専用口37は、現像器の外形より僅かに大きく形成され、現像器着脱位置では、現像器の取り外しだけでなく、この着脱専用口37を通して回転軸50eに沿う方向に新しい現像器を進入させ、支持フレーム55に現像器を装着することもできる。そして、現像器保持ユニット50が現像器着脱位置以外に位置する間は、その現像器の着脱はフレーム側板によって規制されている。
なお、現像器保持ユニット50を上記した位置で確実に位置決め固定するために、不図示のロック機構が設けられている。
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図7を参照しつつ説明する。図7はプリンタ10の制御ユニット100を示すブロック図である。
コントローラ部101は、CPU111と、不図示のコンピュータと接続するためのインターフェース112と、コンピュータから入力された画像信号等を記憶するための画像メモリ113と、電気的に書き換え可能なEEPROM114a、RAM114b、各種制御用のプログラムを備えたプログラムROM等からなるコントローラ部側メモリ114と、を備えている。このコントローラ部101には、プリンタ10に接続されたコンピュータから画像信号等の各種情報が送出される。
コントローラ部101は、コンピュータ等から送出された画像信号としてのレッド、グリーン、ブルーのRGBデータを、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのYMCK画像データに変換し、変換したYMCK画像データを画像メモリ113に記憶する機能を有する。また、プリンタ10が単色プリンタとして使用されている場合には、RGBデータをブラック画像データに変換し、変換したブラック画像データを画像メモリ113に記憶する。さらに、コントローラ部101は、接続されたコンピュータに各種情報を送出する機能を有している。
さらに、コントローラ部101は、変換したYMCK画像データに基づいて、各色のトナー像を形成する際に現像すべき画素数をカウントし、当該YMCK画像データに基づいて画像を形成した際に消費すると予測されるトナーの消費量を算出し、この情報をユニット制御部102に出力する機能を有する。このとき、プリンタが単色プリンタとして使用されている場合には、変換したブラック画像データに基づいて、ブラックのトナー像を形成する際に現像すべき画素数をカウントして予測されるトナーの消費量を算出し、この情報をユニット制御部102に出力する。
また、EEPROM114aには、プリンタ10がカラープリンタとして使用されるか、モノクロプリンタとして使用されるかを示す装置情報としての機種情報が格納されている。詳細については後述するが、CPU111は、前述した4つの着脱部のどこに現像器が装着されているかを示す現像器の装着情報、及び、各現像器の情報を、所定のタイミングでユニット制御部102から受信する。そして、当該装着情報に基づいて、EEPROM114a内の前記機種情報を必要に応じて書き換える。なお、機種情報は、EEPROM114a内に1ビットの情報として書き込まれており、その値が0のときはプリンタ10がカラープリンタとして使用されていることを、その値が1のときはプリンタ10がモノクロプリンタとして使用されていることを示している。この機種情報は、プリンタ10の電源が投入された際にEEPROM114aに基づいてRAM114bの情報が書き換えられる。
また、各現像器の情報は、例えば、各々の現像器に収容されている現像剤の残量や、現像器が有する現像ローラの回転時間等である。そして、現像剤の残量は、未使用の現像器に収容されている現像剤の量を100%としたときの割合がEEPROM114aの所定の領域記憶されている。また、現像ローラの回転数は、現像器を使用開始した時点からの回転時間がEEPROM114aの所定の領域記憶されている。これら各現像器の情報は、コントローラ部101から出力される要求リクエストに対し、ユニット制御部102からメモリに記憶されている情報がレスポンスとしてコントローラ部101に出力された際に書き換えられる。
ユニット制御部102は、CPU120と、電気的に書き換え可能なEEPROM116a、RAM、各種制御用のプログラムを備えたプログラムROM等からなるユニット制御部側メモリ116と、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95)及び現像器保持ユニット50を駆動制御するための各駆動制御回路等を有している。
また、CPU120は、シリアルインターフェース(I/F)121を介して、シリアルEEPROM等の不揮発性記憶素子(以下、本体側メモリとする)122に接続されている。この本体側メモリ122には、装置制御のために必要となるデータが記憶されている。またCPU120には、本体側メモリ122のみならず、各現像器51、52、53、54に設けられた現像器側メモリ51a、52a、53a、54aにもシリアルインターフェース121を介して接続されており、本体側メモリ122及び現像器側メモリ51a、52a、53a、54aとの間でデータ転送可能となるとともに、入出力ポート123を介して各現像器側メモリ51a、52a、53a、54aにチップセレクト信号CSを入力可能となっている。また、CPU120は入出力ポート123を介してHP検出部31とも接続されている。
ユニット制御部102のCPU120は、各駆動制御回路と電気的に接続され、コントローラ部101のCPU111からの制御信号に基づいて各駆動制御回路を制御する。すなわち、ユニット制御部102は、各ユニットが備えるセンサ等からの信号を受信することにより、各ユニット及び現像器保持ユニット50の状態を検出しつつ、コントローラ部101から入力される信号に基づいて、各ユニット及び現像器保持ユニット50を制御する。
また、CPU120は、前述した機種情報に基づいて、各駆動制御回路を制御する。すなわち、機種情報の値が0の場合には、カラープリンタとして、当該プリンタ10の各ユニット及び現像器保持ユニット50を制御し、装置情報の値が1の場合には、モノクロプリンタとして、プリンタ10の各ユニットを制御する。
CPU120は、各現像器のうち、前記コネクタ着脱位置に配置されたいずれかの現像器のコネクタと装置本体側コネクタ34とが接続された際に、現像器側メモリ51a,52a,53a,54aと通信可能となる。そして、装置本体側コネクタ34と接続された現像器の現像器側メモリ51a,52a,53a,54aから、現像器の各種情報を取得する。現像器の情報は、例えば、現像器保持ユニット50が有する4つの着脱部のどこに現像器が装着されているかを示す現像器の装着情報、装着されている現像器に収容されているトナーの色情報、収容されているトナーの残量情報、現像ローラの回転時間情報等であり、取得した各種情報は、ユニット制御部102の本体側メモリ122の所定の領域に、各現像器に対応させて記憶される。
例えば、4つの着脱部にそれぞれ、互いに異なる色の現像剤が収容された4つの現像器(ブラック現像器51、マゼンタ現像器53、シアン現像器52、イエロー現像器54)が装着されてカラープリンタとして使用されている場合には、CPU120は、各々の現像器の現像器側メモリにアクセスすることにより、4つの着脱部にそれぞれ現像器が装着されていることを検出する。そして、本体側メモリ122内の所定の領域に現像器が装着されていることを示す「1」を記憶する。このとき、CPU120は各現像器の情報も取得し、装着されている現像器が収容しているトナーの色、残量、現像ローラの回転時間を示す情報を2進数の情報にて各着脱部に対応させた本体側メモリ122の領域に記憶する。また、4つの着脱部のうち、例えば3つの着脱部50a,50b、50cにブラックのトナーが収容された現像器が装着されて単色プリンタとして使用されている場合には、CPU120は、3つの現像器の現像器側メモリにアクセスすることにより、3つの着脱部にそれぞれ現像器が装着されていることを検出する。そして、本体側メモリ122内の所定の領域に現像器が装着されていることを示す「1」を記憶し、他の着脱部50dに対応領域には現像器が装着されていないことを示す「0」を記憶する。このとき、CPU120は各現像器の情報も取得し、装着されている現像器が収容しているトナーの色(ブラック)、残量、現像ローラの回転時間を示す情報を2進数の情報にて各着脱部に対応させた本体側メモリ122の領域に記憶する。
さらに、CPU120は、コントローラ部101から出力されたトナー消費量を示す情報を検出すると、本体側メモリ122に記憶されているトナー残量からトナー消費量を減算し、算出したトナー残量を本体側メモリ122に記憶する。そして、CPU120は、コントローラ部101からのトナー残量情報の要求リクエストに応じて、本体側メモリ122に記憶されたトナー残量を示す情報をコントローラ部101に出力する機能を有する。
また、CPU120は、コントローラ部101からの印刷要求に含まれる印刷サイズと印刷枚数を示す情報から現像ローラの回転時間を算出し、本体側メモリ122に記憶する。そして、CPU120は、コントローラ部101からの現像ローラの回転時間の要求リクエストに応じて、本体側メモリ122に記憶された現像ローラの回転時間を示す情報をコントローラ部101に出力する機能を有する。
そして、CPU120は、各現像器の情報等に基づいて、現像器保持ユニット50を回転させる。例えば、ブラック現像器のみを使用して複数枚分の印刷を連続して実行した場合には、収容されているトナーを攪拌するために、設定された枚数分の印刷が終了する毎に現像器保持ユニット50を1回転させる。また、2つ以上のブラック現像器が装着されている場合に、例えば、ある現像器のトナー残量が設定された所定の残量以下になった際に、現像器保持ユニット50を回転させることにより装着されている他の現像器を現像位置に移動させる。さらに、装着されている現像器のうち、現像ローラの回転時間が、設定された所定の回転時間以上になった際に、現像器保持ユニット50を回転させることにより装着されている他の現像器を現像位置に移動させたり、所定時間以上となった現像器を着脱位置に移動させる。このような、現像器保持ユニット50を回転させるための制御は、取得した各種情報に基づいて、ユニット制御部102の制御により実行される。
===プリンタの動作===
次に、プリンタ10の動作について説明する。本実施形態のプリンタ10は、互いに異なる色のトナーが収容された複数の現像器の各々が、現像器保持ユニット50の複数の着脱部に装着された状態で、カラープリンタとして使用可能であり、前記複数の着脱部のうちの少なくとも2つの着脱部に、同色のトナーが収容された現像器が装着された状態で、単色プリンタとして使用可能である。
本実施形態のプリンタ10は、装着されている現像器の情報に基づいて、所定の動作を実行するように設定されている。現像器の情報とは、たとえば現像器内に収容されているトナーの残量が所定量以下となった場合や、現像器が有する現像ローラの回転時間が所定時間以上となった場合など現像できない事象が生じたことを示す情報であったり、現像できなくなることを予告すべき事象が生じたことを示す情報である。また、所定の動作とは、前記事象を表示ユニット95に表示することにより報知する動作、現像できない状態となった現像器を、取り外し可能な現像器着脱位置に移動する動作、画質調整のためのバイアス設定動作、画質調整のための露光パワー調整設定動作等を示している。
上記トナーの残量は、印刷動作により消費されるトナー量が減算されることにより求められ、予想される残量を示している。前述したように未使用の現像器に収容されている現像剤の量(初期量)を100%とし、トナー残量は、初期量に対する割合にて示され、本体側メモリ122に記憶される。そして、本実施形態においては、残量が10%以下であると判定した際に、対象となる現像器を指定してコントローラ部101が表示ユニット95に「トナーが少なくなりました」等の警告を表示すように設定されている。すなわち、残量が10%以下となった事象が、現像できなくなることを予告すべき事象であり、所定の動作として、「トナーが少なくなりました」等を表示ユニット95に表示する。また、トナー残量が5%以下になると、その現像器は現像できない状態となり、現像器を移動させて「トナーがなくなりました」「現像器を交換してください」等の表示がなされるように設定されている。すなわち、残量が5%以下となった事象が現像できない事象であり、所定の動作として、たとえば、処理中の印刷動作を終了した後に、現像できない状態となった現像器を着脱位置に移動させ、「トナーがなくなりました」「現像器を交換してください」等を表示ユニット95に表示する。
また、現像ローラの回転時間は、1つの媒体に画像を形成する毎に、所定の回転時間が加算されて記憶される。すなわち、現像ローラの回転時間は、未使用の現像器における現像ローラの回転時間「0」からの累積回転時間を示している。また、所定の回転時間とは、画像が形成される媒体のサイズに対応させて設定されている。例えば、A4サイズの画像を現像するときに現像ローラが5秒間回転する場合には、1つの媒体に現像する毎に本体側メモリ122に記憶されている対応する現像器の情報に「5」が加算されるように設定されている。また、加算した結果、回転時間が1000秒以上になると、ユニット制御部102は対象となる現像器が現像できない状態であると判定する。そしてこの事象をコントローラ部101が検出すると、現像器を移動させ、表示ユニット95に「現像器を交換してください」等の表示がなされるように設定されている。すなわち、現像ローラの回転時間が1000秒以上となった事象が現像できない事象であり、所定の動作として、たとえば、処理中の印刷動作を終了した後に、現像できない状態となった現像器を着脱位置に移動させ、「現像器を交換してください」等を表示ユニット95に表示する。
本実施形態では、所定の動作として、現像器内に収容されているトナーの残量が所定量以下となった場合と、現像器が有する現像ローラの回転時間が所定時間以上となった場合とを例に説明する。
<プリンタの初期動作>
まず、カラープリンタ及び単色プリンタとして使用される際に、いずれも実行される初期動作、すなわちプリンタ10に電源が投入されてから、印刷指令に備えて待機する待機状態に至るまでの初期動作について説明する。この初期動作の間に、プリンタ10のコントローラ部101は、ユニット制御部102と通信し、装着されている現像器の情報を取得する。そして取得した情報に基づいて、プリンタ10は、カラープリンタまたは単色プリンタとして動作し始める。本実施形態では、単色プリンタとして動作し始めるとする。
図8はプリンタの初期動作を説明するための図である。プリンタ10は、電源が投入されると(S101)、表示ユニット95に「メモリチェック中」等の表示をし(S102)、コントローラ部101が画像メモリ113、EEPROM114a等を初期化し(S104)、ユニット制御部102が本体側メモリ122等を初期化する(S105)。また、コントローラ部101は、ユニット制御部102に所定の通信可否を確認するためのリクエストを送出する(S106)。このリクエストを受信したユニット制御部102から通信可能を示すレスポンスがコントローラ部101に出力されて(S107)、コントローラ部101とユニット制御部102との通信が開始される。
また、ユニット制御部102は、電源が投入されると(S101)、現像器保持ユニット50を回転させることにより4つの着脱部を順次コネクタ着脱位置に移動させる(S108)。そして、装置本体側コネクタ34を移動させて、コネクタ着脱位置に配置された着脱部に現像器が装着されている場合には、装着されている現像器の現像器側メモリに記憶されている情報を取得する(S109)。このとき、各現像器の情報として、収容されているトナーの色情報、収容されているトナーの残量情報、現像ローラの回転時間を示す情報等を読み出し、本体側メモリ122の所定の領域に、現像器毎に記憶する。各現像器側メモリから情報を取得すると、ユニット制御部102はHP検出部31の出力に基づいて現像器保持ユニット50をホームポジションに移動させる(S110)。このとき、ユニット制御部102は、画像形成部103のウォームアップ動作を並行して実行している(S103)。画像形成部103のウォームアップ動作とは、例えば、露光ユニット40の光源を発光させたり、定着ユニット90のヒータをONしたり、感光体20及び中間転写体70を回転させてクリーニングする等、印刷を実行するために必要な諸動作を示している。
また、コントローラ部101は、画像形成部103のウォームアップ中に、本体側メモリ122に記憶されている各現像器の情報を取得し、コントローラ部101のEEPROM114aに記憶する(S111)。このとき、コントローラ部101からは、トナーの色ごとの残量や、現像ローラの回転時間を示す情報を要求する情報要求リクエストがユニット制御部102に出力される(S111a)。ユニット制御部102からは、コントローラ部101に各色のトナー残量や、現像ローラの回転時間を示す情報応答レスポンスが出力される(S111b)。そして、情報応答レスポンスにより、コントローラ部101は、例えば、本体側メモリ122の情報に基づいて、4つの着脱部に、Y,M,C,Kの現像器が各々装着されていることを検出した際には、カラープリンタとして動作し、2つ以上の同色の現像器例えばK現像器が装着されていることを検出した際には単色プリンタとして動作する(S112)。
ユニット制御部102が画像形成部103のウォームアップ動作を実行している間に、コントローラ部101からは、画像形成部103の状態を示すステータス情報を要求するためのステータス要求リクエストが適宜間隔にて送出されている(S113)。このリクエストを受信したユニット制御部102は、各ユニットに設けられたセンサ等の出力を検出し、ウォームアップ動作が終了していれば、印刷可能を示すレスポンスをコントローラ部101に出力し、ウォームアップ動作が終了していなければ、印刷不可を示すレスポンスをコントローラ部101に出力する(S114)。コントローラ部101は、ユニット制御部102からのレスポンスが、「印刷不可」を示すものであれば、表示ユニット95に「ウォームアップ中」等を表示する(S115)。また、画像形成部103のステータス情報として「印刷可能」を示す情報を取得すると、表示ユニット95に「印刷可能」等を表示し、プリンタ10を待機状態とする(S116)。
<単色プリンタとして使用されている場合における複数頁の単色印刷処理と動作>
本実施形態では、現像器保持ユニット50が有する4つの着脱部50a、50b、50c、50dのうち、3つの着脱部50a、50b、50cにK現像器が装着されて単色プリンタとして使用されている場合について説明する。以下の説明では、着脱部50aに装着されているK現像器51を第1K現像器、着脱部50bに装着されているK現像器51を第2K現像器、着脱部50cに装着されているK現像器51を第3K現像器という。
図9は、単色プリンタとして使用されている場合にて5頁のカラー印刷を実行する際の処理と動作を説明するための図である。図示するように、双方向通信可能に接続されたコンピュータ(不図示)からの画像信号及び制御信号、すなわち、A4サイズの媒体としての用紙に5枚(5頁)の単色印刷を実行するための印刷指令と画像データが、インターフェース(I/F)112を介して待機状態のプリンタ10に入力されると、印刷処理を開始する(S210)。このように、印刷する枚数(頁数)が指定され、プリンタに入力される印刷を実行するための印刷指令と画像データにより発生する実行すべき印刷処理を、以下、画像形成ジョブという。この画像形成ジョブに基づいて、1枚の媒体に対して実行する印刷処理である媒体単位ジョブが、指定された枚数分だけ発生される。すなわち、媒体単位ジョブが、指定された枚数分だけ発生し、発生した媒体単位ジョブに基づいて1頁の印刷が実行されることにより画像形成ジョブが終了する。
コントローラ部101は、画像形成ジョブに基づいて、適宜タイミングにて、ユニット制御部102に、1頁分のカラー印刷処理、すなわち媒体単位ジョブの実行を要求する1頁印刷要求リクエストを出力する(S221)。この1頁印刷要求リクエストを受信したユニット制御部102は、画像形成部103の各ユニットの状態を検出し、印刷可能な状態であれば、1頁印刷要求を許容する受付レスポンスをコントローラ部101に出力する(S222)。これにより、1つの媒体単位ジョブが発生し、印刷処理が開始される。このように1つの媒体単位ジョブを発生させる処理を以下、媒体単位ジョブ発生処理という(S220)。1頁印刷要求リクエストは、ユニット制御部102が各ユニットを制御している間に、コントローラ部101とユニット制御部102とが通信するため、媒体単位ジョブは一定の間隔では発生しない。
コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、2回の媒体単位ジョブ発生処理が実行され、1頁目の印刷動作におけるK画像の現像が開始される前に、2つの媒体単位ジョブが発生しているものとする(S220,S225)。
ユニット制御部102は、現像器保持ユニット50をホームポジションから回転させて、第1ブラック現像器(K現像器)51を現像位置に移動させる(S230)。第1K現像器51を現像位置に移動させるとユニット制御部102は、コントローラ部101にK画像データを要求するリクエストを出力する(S241a)。このリクエストを受信したコントローラ部101は、K画像データをユニット制御部102に出力するとともに(S241b)、K画像データに基づいて現像する際に消費されるトナー消費量を算出し、ユニット制御部102に出力する(S241c)。ユニット制御部102は、現像動作を実行するとともに(S241d)、本体側メモリ122に記憶されている第1K現像器51のトナー残量から、受信した消費量を減算して、現像後のトナー残量を算出し、本体側メモリ122の情報を書き換える(S241e)。また、ユニット制御部102は、本体側メモリ122に記憶されている第1K現像器51の現像ローラの回転時間に「5」を加算して、現像後の現像ローラの回転時間(累積回転時間)を算出し、本体側メモリ122の情報を書き換える(S241f)。このとき、ユニット制御部102は、第1K現像器51の現像ローラの回転時間が1000秒に満たないことを検出する。コントローラ部101は、適宜タイミングにてユニット制御部102に、当該媒体単位ジョブによる現像後のトナー残量を示す情報を要求する残量要求リクエストを出力する(S241g)。ユニット制御部102からは、本体側メモリ122に記憶されているKトナーの残量を示す情報、及び、現像ローラの回転時間を示す情報が、コントローラ部101に出力される(S241h)。コントローラ部101は、取得したKトナーの残量を示す情報に基づいて、EEPROM114aの情報を書き換える(S241i)。このとき、コントローラ部101は、取得したKトナーの残量を示す情報が、10%以下、又は5%以下を示す情報であるか否か、及び、現像ローラの回転時間が1000秒以上を示す情報であるか否かを判断する。ここでは、Kトナーの残量を示す情報は10%より多いこととし、現像ローラの回転時間を示す情報は1000秒より少ないこととし、コントローラ部101は、現像可能と判定して印刷処理を継続する。このように、ユニット制御部102がコントローラ部101にK画像データを要求してから、コントローラ部101がEEPROM114aの情報を書き換えるまでの処理及び動作を、以下、K現像処理・動作(S241)という。
Kトナーによる現像が終了すると、中間転写体70にはKトナー像が形成されている。このKトナー像が、給紙トレイから給紙された用紙に二次転写ユニット80により転写され、定着ユニット90にて永久像とされて排紙される(S245)。このように、単色プリンタとして使用されている際における、1つの媒体単位ジョブによる1頁分の印刷処理では、K現像処理・動作(S241)、一次転写、二次転写、定着、排紙(S245)が実行される。この、K現像処理・動作(S241)から排紙(S245)までの処理及び動作を、以下、一頁印刷処理・動作(S240)という。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された第1K現像器のトナー残量は、10%より多く、第1K現像器の現像ローラ回転時間も1000秒に満たないものとする。
そして、コントローラ部101からはユニット制御部102に、適宜タイミングにて印刷終了頁数を取得するためのリクエストが出力されている(S251)。そして、1頁の印刷動作が終了すると、ユニット制御部102からコントローラ部101に1頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される(S252)。このように1頁の印刷が終了する毎に、印刷が終了した頁数を確認する処理を以下、印刷頁数確認処理という(S250)。
また、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、3頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、3つ目の媒体単位ジョブが発生する(S255)。
最初の媒体単位ジョブによる1頁分の現像動作が終了すると、ユニット制御部102は、2頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S260)。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された各現像器のトナー残量も、いずれも10%より多く、各現像器の現像ローラ回転時間も1000秒に満たないものとする。
2頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S261)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に2頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
また、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、4頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、4つ目の媒体単位ジョブが発生する(S262)。
2つ目の媒体単位ジョブによる1頁分の現像動作が終了すると、ユニット制御部102は、3頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S270)。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された各現像器のトナー残量も、いずれも10%より多く、現像器の現像ローラ回転時間も1000秒に満たないものとする。
3頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S271)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に3頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
また、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、5頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、5つ目の媒体単位ジョブが発生する(S272)。
3つ目の媒体単位ジョブによる1頁分の現像動作が終了すると、ユニット制御部102は、4頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S280)。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された各現像器のトナー残量も、いずれも10%より多く、各現像器の現像ローラ回転時間も1000秒に満たないものとする。
4頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S281)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に4頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
4つ目の媒体単位ジョブによる1頁分の現像動作が終了すると、ユニット制御部102は、5頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S290)。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された各現像器のトナー残量も、いずれも10%より多く、各現像器の現像ローラ回転時間も1000秒に満たないものとする。
5頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S291)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に5頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。このとき、レスポンスとして、画像形成ジョブにて指定された印刷頁数が出力されると、コントローラ部101は、画像形成ジョブが終了したことを検出する。そして、プリンタ10は待機状態となり、コントローラ部101は、表示ユニット95に「印刷可能」等を表示する(S295)。
ここで、カラープリンタとして使用されている際に複数頁を印刷する場合の処理及び動作を簡単に説明しておく。カラープリンタとして使用されている際には、図9に示した、単色プリンタの処理及び動作のうち、一頁印刷処理・動作(S240)が相違する。すなわち、カラープリンタとして使用されている場合には、一頁印刷処理・動作(S240)にて、K画像現像処理・動作(S241)の他に、Y画像現像処理・動作、M画像現像処理・動作、C画像現像処理・動作が実行されることと、各色の現像器による現像動作毎に各色の現像器を現像位置に順次移動する点が相違する。また、K画像現像処理・動作(S241)と、Y画像現像処理・動作、M画像現像処理・動作、C画像現像処理・動作とは現像器内に収容されているトナーが異なるだけで、現像における処理及び動作は同じである。
<すべての現像器内のトナー残量が所定量以下になる場合の単色プリンタの動作>
次に単色プリンタとして使用されているときに、装着されているすべてのK現像器のトナー残量が5%以下となった場合のプリンタ10の処理と動作について説明する。この例では、トナー残量に注目し、現像ローラの回転時間を算出する処理、及び、回転時間が1000秒以上となったか否かの判定についての説明は省略する。ここで、コントローラ部101は初期動作にて、本体側メモリ122に記憶されている3つの現像器の情報を取得している。取得した情報は、第1K現像器51及び第2K現像器のトナー残量がいずれも6%を示す情報であり、第3K現像器51のトナー残量が11%を示す情報であったとする。このとき、コントローラ部101は、第1〜第3K現像器が装着されており、第1及び第2K現像器のトナーの残量が10%より少なく、第3K現像器のトナーの残量が10%より多いことを検出するとともに、第1〜第3K現像器のいずれもが現像可能であると判定している。
図10は、単色プリンタとして使用されているときにいずれのK現像器のトナー残量も5%以下となった際のプリンタ10の処理と動作を説明するための図である。
双方向通信可能に接続されたコンピュータ(不図示)から8頁のモノクロ印刷を実行するための画像形成ジョブがプリンタ10に入力されると、印刷処理を開始する(S300)。このときも、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、2回の媒体単位ジョブ発生処理が実行され、最初の媒体単位ジョブにおける、K画像の現像が開始される前に、2つの媒体単位ジョブが発生しているものとする(S301,S302)。
ユニット制御部102は、現像器保持ユニット50をホームポジションから回転させて、第1K現像器51を現像位置に移動させ(S303)、最初の媒体単位ジョブに基づいて、1頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S310)。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された第1K現像器のトナーの残量は4%であり、ユニット制御部102は、第1K現像器51のトナー残量が5%以下であることを検出する。また、コントローラ部101は、ユニット制御部102から情報を取得し、第1K現像器51が現像できない状態であると判定する。
一方、ユニット制御部102は、1頁目の一頁印刷処理・動作を継続して終了させる。このとき、ユニット制御部102は、着脱部50b、50cに第1K現像器のトナーと同色のトナーが収容されている第2及び第3K現像器が装着されていることを既に検出している。また、ユニット制御部102は、第2K現像器、第3K現像器のうち、現像器保持ユニット50を一方向に回転させて各々現像位置に移動させた際に、移動距離が短い現像器が第2K現像器であることを検出している。このため、ユニット制御部102は、現像器保持ユニット50を回転させて、第2K現像器51を現像位置に移動させる(S312)。
1頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S313)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に1頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
また、このとき、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、3頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、3つ目の媒体単位ジョブが発生する(S314)。
ユニット制御部102は、1頁目の一頁印刷処理・動作と同様に、2つ目の媒体単位ジョブに基づいて、2頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S320)。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された第2K現像器のトナーの残量は4%であり、ユニット制御部102は、第2K現像器51のトナー残量が5%以下であることを検出する。また、コントローラ部101は、ユニット制御部102から情報を取得し、第2K現像器51が現像できない状態であると判定する。
一方、ユニット制御部102は、1頁目の一頁印刷処理・動作を継続して終了させる。このとき、ユニット制御部102は、着脱部50cに第2K現像器のトナーと同色のトナーが収容されている第3K現像器が装着されていることを既に検出している。このため、ユニット制御部102は、現像器保持ユニット50を回転させて、第3K現像器51を現像位置に移動させる(S322)。
2頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S323)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に1頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
また、このとき、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、4頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、4つ目の媒体単位ジョブが発生する(S324)。
ユニット制御部102は、3つ目の媒体単位ジョブに基づいて、3頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S330)。この3頁目の一頁印刷処理・動作にて、EEPROM114aには、第3K現像器のトナー残量が例えば9%となる情報が記憶される。コントローラ部101は、第3K現像器のトナー残量が10%より少なくなったことによりすべてのK現像器のトナーの残量が10%より少なくなったことを検出し、表示ユニット95に「トナーが少なくなりました」等を表示する(S331)。
3頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S332)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に3頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
また、このとき、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、5頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、5つ目の媒体単位ジョブが発生する(S333)。
ユニット制御部102は、4つ目の媒体単位ジョブに基づいて、4頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S340)。この4頁目の一頁印刷処理・動作にて、EEPROM114aには、第3K現像器のトナー残量が例えば7%となる情報が記憶される。コントローラ部101は、第3K現像器のトナー残量が5%より多いため、現像動作を継続する。
4頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S341)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に4頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
また、このとき、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、6頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、6つ目の媒体単位ジョブが発生する(S342)。
ユニット制御部102は、5つ目の媒体単位ジョブに基づいて、5頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S350)。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された第5K現像器のトナーの残量は5%であり、ユニット制御部102は、第3K現像器51のトナー残量が5%以下であることを検出する。また、コントローラ部101は、ユニット制御部102から情報を取得し、第3K現像器51が現像できない状態であると判定する。そして、コントローラ部101は、以降、1頁印刷要求リクエストを出力する処理を停止する。
5頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S351)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に5頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。この時点にて、媒体単位ジョブは6つ発生しており、5つの媒体単位ジョブに基づく現像動作が終了している。プリンタ10は、残る1つの媒体単位ジョブに基づいて、6頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S360)。
6頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S361)。この印刷頁数取得処理により、コントローラ部101は、既に発生している6つの媒体単位ジョブに基づく印刷が終了していることを検出する。
そして、ユニット制御部102は、現像器保持ユニット50を回転させることにより装着されている各現像器を順次コネクタ着脱位置に移動させる(S371)。そして、装置本体側コネクタ34を移動させて、各現像器の現像器側メモリに、本体側メモリ122に記憶されているトナーの残量情報等の情報を記憶する(S372)。このように、本体側メモリ122に記憶されている情報を取得して各現像器の現像器側メモリに記憶する処理を、以下、メモリ情報取得処理という(S370)。そして、さらに現像器保持ユニット50を回転させることにより、現像できない状態となった例えば第1K現像器51を現像器着脱位置に移動させる(S380)。そして、コントローラ部101は、表示ユニット95に「現像器を交換してください」「トナーがなくなりました」等を表示し、プリンタ10は動作停止状態となる(S390)。
<全ての現像ローラの回転時間が所定時間以上となる場合の単色プリンタの動作>
次に単色プリンタとして使用されているときに、すべてのK現像器の現像ローラの回転時間が1000秒以上となった場合のプリンタ10の処理と動作について説明する。この例では、現像ローラの回転時間に注目し、トナー残量を算出する処理、及び、トナー残量が5%以下となったか否かの判定についての説明は省略する。ここで、コントローラ部101は初期動作にて、本体側メモリ122に記憶されている3つの現像器の情報を取得する。取得した情報は、第1K現像器51〜第3K現像器51の現像ローラの回転時間が995秒を示す情報であったとする。このとき、ユニット制御部102は、第1〜第3現像器の現像ローラの回転時間は、いずれも1000秒より少なく、いずれも現像可能であると判定している。
図11は、単色プリンタとして使用されているときに全てのK現像器の現像ローラの回転時間が1000秒以上となった際のプリンタの処理と動作を説明するための図である。
双方向通信可能に接続されたコンピュータ(不図示)からA4サイズ5頁のモノクロ印刷を実行するための画像形成ジョブがプリンタ10に入力されると、印刷処理を開始する(S400)。このときも、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、2回の媒体単位ジョブ発生処理が実行され、最初の媒体単位ジョブにおける、K画像の現像が開始される前に、2つの媒体単位ジョブが発生しているものとする(S401,S402)。
ユニット制御部102は、現像器保持ユニット50をホームポジションから回転させて、第1K現像器51を現像位置に移動させ(S403)、最初の媒体単位ジョブに基づいて、1頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S410)。この一頁印刷処理・動作の間にて算出された第1K現像器の現像ローラの回転時間は1000秒であり、ユニット制御部102は、第1K現像器51の現像ローラの回転時間が1000秒以上であることを検出する。また、コントローラ部101は、ユニット制御部102から情報を取得し、第1K現像器51が現像できない状態であると判定する。
一方、ユニット制御部102は、1頁目の一頁印刷処理・動作を継続して終了させる。このとき、ユニット制御部102は、着脱部50b、50cに第1K現像器のトナーと同色のトナーが収容されて現像可能な第2及び第3K現像器が装着されていることを既に検出している。また、コントローラ101は、第2K現像器、第3K現像器のうち、現像器保持ユニット50を一方向に回転させて各々現像位置に移動させた際に、移動距離が短い現像器が第2K現像器であることを検出している。このため、ユニット制御部102は、現像器保持ユニット50を回転させて、第2K現像器51を現像位置に移動させる(S411)。
1頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S412)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に1頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
また、このとき、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、3頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、3つ目の媒体単位ジョブが発生する(S413)。
ユニット制御部102は、1頁目の一頁印刷処理・動作と同様に、2つ目の媒体単位ジョブに基づいて、2頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S420)。この2頁目の一頁印刷処理・動作により算出した第2K現像器51の現像ローラの回転時間は1000秒となり、ユニット制御部102は、第2K現像器51の現像ローラの回転時間は1000秒以上であることを検出する。また、コントローラ部101は、ユニット制御部102から情報を取得し、第2K現像器51が現像できない状態であると判定する。
一方、ユニット制御部102は、K画像の現像動作を継続して2つ目の媒体単位ジョブによる一頁印刷処理・動作を終了する。このとき、ユニット制御部102は、50cに第2K現像器のトナーと同色のトナーが収容されて現像可能な第3K現像器51が装着されていることを既に検出している。このため、ユニット制御部102は、現像器保持ユニット50を回転させて、第3K現像器51を現像位置に移動させる(S421)。
2頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S422)。この処理において、ユニット制御部102からコントローラ部101に1頁の印刷動作の終了を示すレスポンスが出力される。
また、このとき、コントローラ部101と、ユニット制御部102との間では、4頁目の媒体単位ジョブを発生させるための媒体単位ジョブ発生処理が実行され、4つ目の媒体単位ジョブが発生する(S423)。
ユニット制御部102は、3つ目の媒体単位ジョブに基づいて、3頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S430)。この3頁目の一頁印刷処理・動作により算出した第3K現像器51の現像ローラの回転時間は1000秒となり、ユニット制御部102は、第3K現像器51の現像ローラの回転時間は1000秒以上であることを検出する。コントローラ部101は、適宜タイミングにてユニット制御部102から、当該媒体単位ジョブによる現像後の第3K現像器51の現像ローラの回転時間を取得し、取得した第3K現像器51の現像ローラの回転時間を示す情報に基づいて、EEPROM114aの情報を書き換える。このとき、コントローラ部101は、第3K現像器51の現像ローラの回転時間が1000秒以上であることを検出して、第3K現像器51が現像できない状態であると判定する。そして、コントローラ部101は、以降、1頁印刷要求リクエストを出力する処理を停止する。また、ユニット制御部102は、K画像の現像動作を継続して3つ目の媒体単位ジョブによる一頁印刷処理・動作を終了する。
3頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S431)。
また、3頁目の一頁印刷処理・動作終了後、コントローラ部101から5頁目の媒体単位ジョブを要求する1頁印刷要求リクエストが出力される(S432)。この時点にて、媒体単位ジョブは4つ発生しており、3つの媒体単位ジョブに基づく現像動作が終了している。プリンタ10は、残る1つの媒体単位ジョブに基づいて、4頁目の一頁印刷処理・動作を実行する(S440)。
4頁目の一頁印刷処理・動作が終了すると、印刷頁数取得処理が実行される(S441)。この印刷頁数取得処理により、コントローラ部101は、既に発生している4つの媒体単位ジョブに基づく印刷が終了していることを検出する。
そして、ユニット制御部102は、メモリ情報取得処理を実行し(S450)、2つの現像器側メモリに、本体側メモリ122に記憶されている2つの現像器の現像ローラの回転時間等の情報を記憶する。そして、さらに現像器保持ユニット50を回転させることにより、現像できない状態となった例えば第1K現像器51を現像器着脱位置に移動させる(S460)。そして、コントローラ部101は、表示ユニット95に「第1現像器を交換してください」等を表示し、プリンタ10は動作停止状態となる(S470)。
本実施形態のプリンタ10によれば、単色プリンタとして使用されている際には、同色のトナーが収容された複数の現像器が装着されている。そして、装着されたすべての現像器のトナー残量が所定量以下となったり、現像ローラの回転時間が所定時間以上となったりすることなどにより現像できない状態となった事象を検出したときに、その事象を表示ユニット95に表示したり、現像できなくなった現像器を現像器着脱位置に移動する。すなわち、装着された各々の現像器が、現像できない状態となった事象を検出しても、画像形成ジョブの途中にて、それらの事象を表示ユニット95に表示したり、現像できなくなった現像器を現像器着脱位置に移動する等の動作をしない。このため、単色プリンタ全体として、現像できる状態では、画像形成ジョブの途中にて印刷動作を中断しないので、スループットを向上させることが可能である。
また、いずれかの現像器が現像できなくなったときに、現像位置までの移動距離が最も短い位置にある他の現像器が、現像位置に移動される。すなわち、いずれかの現像器が現像できなくなったときに、最短時間にて現像可能な現像器を現像位置に移動させることが可能である。このため、現像器の移動にかかる時間が短いので、スループットの低下をさらに抑えることが可能である。
また、すべての現像器が現像できない状態となるまで、現像しつつけることが可能なので、一度に大量の用紙等に印刷する場合であっても中断される可能性が低いので、一度に大量の用紙に印刷する場合に特に有効である。
さらに、すべての現像器が現像できない状態となったときに、現像できなくなった事象を表示ユニット95に表示して報知するので、いずれかの現像器が現像できなくなったとしても、その事象は報知されない。すなわち、ユーザー等は、すべての現像器が現像できなくなるまで、各現像器が現像できなくなった事象を知り得ない。このため、ユーザーとは、すべての現像器が現像できなくなるまで、1つの現像器にて現像している場合と同じ感覚にて画像形成装置を使用することが可能である。
また、全ての現像器が現像できない状態となった事象を検出したときに既に発生している媒体単位ジョブに基づいて画像を形成した後に、それらの事象を表示ユニット95に表示したり、現像できなくなった現像器を現像器着脱位置に移動する等の動作を実行するので、媒体単位ジョブの途中にて画像の形成動作が中止されない。すなわち、発生した媒体単位ジョブに基づいて途中まで画像を形成した状態で画像形成動作を中止しないため、途中まで実行した画像形成動作にて使用したトナーや用紙等を無駄にすることなく画像を形成することが可能である。また、発生した媒体単位ジョブに基づく画像形成動作は終了させるので、現像できない事象が解消された後には、新たに発生する媒体単位ジョブに基づいて画像を形成するため、制御が容易である。
本実施形態のプリンタにあっては、すべての現像器のトナーの残量が所定量以下となり現像できない状態となることを予告すべきときに、「トナーが少なくなりました」等を表示ユニット95に表示するので、ユーザー等は現像できない状態となる前にその事象を知り得ることが可能である。このため、ユーザー等は、現像できなくなる前に、新たな現像器を準備しておくことが可能である。このため、現像器に収容されているトナーの残量が所定量以下となり現像できない状態となった際には、準備した現像器と即座に交換して現像動作を継続させることことが可能である。
本実施形態においては、現像器にて現像できない状態となる例として、トナー残量が所定量以下となる場合、及び、現像ローラの回転時間が所定時間以上となる場合のそれぞれについて説明したが、それら2つの場合のいずれかが生じた際に、既に発生している媒体単位ジョブに基づいて画像を形成した後に、現像できなくなった現像器を現像器着脱位置に移動したり、その事象を報知してもよい。
本実施形態においては、現像ローラの回転時間を現像ローラが回転している時間にて算出したが、現像ローラの回転回数や、印刷枚数をカウントして現像ローラの回転時間に換算してもよい。
また、本実施形態においては、単色プリンタとして使用されている場合に、現像器保持ユニット50に2つの現像器が装着されている例について説明したが、少なくとも2つの着脱部に、同色のトナーが収容された現像器が装着されていてもよい。また、例えば、3つまたは4つの現像器が装着されていると、さらに長期間現像器を交換することなく印刷することが可能である。
また、カラープリンタとして使用される際及び単色プリンタとして使用される際のいずれも、現像できなくなった現像器は着脱位置に移動されるので、ユーザーは現像できなくなった現像器を確認したり、移動させたりする煩雑な作業をすることなく容易に現像器を交換することが可能である。
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る画像形成装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
上記実施の形態においては、画像形成装置として中間転写型のレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
また、上記実施の形態においては、ロータリー方式の現像装置を備えた画像形成装置を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タンデム方式の現像装置を備えた画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
本実施形態においては、装着されているすべての現像器にて現像できない事象が生じた際に、その事象を表示ユニット95に報知する例と、現像器のいずれかを着脱位置に移動させる例について示したが、装着されているすべての現像器にて現像できない事象が生じた際に、実行する動作は、これらに限らない。例えば、現像器に収容されているトナーの残量が所定量以下となった場合、又は、トナー濃度検出手段によりトナー濃度の低下が検出された場合に、画質調整のためのバイアス設定動作、画質調整のための露光パワー調整設定動作等を実行してもよい。印刷を繰り返しトナー残量が少なくなると、帯電量が規定値以下のトナーが多くなり画質が低下する畏れがある。これらバイアス設定動作、露光パワー調整設定動作を実行することにより、良好な画像を印刷可能とするものである。すなわち、各現像器にてトナー残量が少なくなった際などに、各々バイアス設定動作、露光パワー調整設定動作を実行していたのでは、スループットが低下する畏れがある。このため、すべての現像器のトナー残量が所定量以下となるまでは、バイアス設定動作、露光パワー調整設定動作を実行することなく、現像器を切り替えて印刷処理を実行することにより、画像形成ジョブの途中にて、バイアス設定動作、露光パワー調整設定動作が実行される可能性が低くなり、スループットを向上させることが可能となる。また、トナー収容部が現像器の外部にも設けられている場合には、トナー補給動作を実行することとしてもよい。
また、本実施形態においては、トナー残量をコントローラ部101にて算出された消費量に基づいてユニット制御部102にて算出する例について説明したが、トナー残量は、現像器側にトナー残量の検出手段を設けたり、印刷枚数をカウントすることにより消費量を算出してもよい。
本実施形態においては、現像ローラの回転時間を現像ローラが回転している時間にて算出したが、現像ローラの回転回数や、印刷枚数をカウントして現像ローラの回転時間に換算してもよい。
また、上記実施の形態においては、装置本体側コネクタを、現像器側コネクタに当接させて、現像器側メモリと装置本体との間で通信を行うこととしたが、これに限定されるものではなく、例えば、現像器側の部材と装置本体側の部材とを接触させないで、前記通信を行うようにしてもよい。
また、感光体についても、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ローラに限られず、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、いわゆる感光ベルトであってもよい。
また、上記実施形態において、単色プリンタとして使用される際に、K現像器を装着する例について説明したが、装着される現像器は、同色のトナーが収容された現像器であればK現像器に限るものではない。
===画像形成システムの構成===
本発明に係る実施の形態の一例である画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図12は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ701と、画像形成装置としてのレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10とが双方向通信可能に接続されて構成されている。
コンピュータ701は、コンピュータ本体702と、表示部としての表示装置704と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。コンピュータ本体702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図13は、図12に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
なお、以上の説明においては、コンピュータ701が、コンピュータ本体702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710を備えている例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータ701は、コンピュータ本体702と、画面にタッチパネルが設けられた表示装置704とから構成されても良く、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。