JP2006101678A - リニアモータ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電機子の歯部と磁性部材との間の隙間の寸法精度を向上させることにより、コギング推力の発生を抑えつつモータ推力の向上を図ることができるリニアモータを提供する。
【解決手段】 リニアモータ1Aにおける電機子6の歯部5における頂部28の一部には、複数個の永久磁石9の電機子コア4に対向する面部に対して平行の平坦部13が形成されている。平坦部13を利用して寸法計測することにより、計測精度が向上し、ひいては歯部5及び永久磁石9間の隙間寸法tの精度が、平坦部13を形成しない円弧形状の場合に比して、向上し、これに伴ない、電機子コア4と永久磁石9との間の隙間10(ギャップ)を狭めることができ、モータの推力を向上できる。複数の歯部5と永久磁石9との隙間10のバラツキが、平坦部13を形成しない場合に比して、小さくなり、コギング推力を低減できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の産業分野で用いられるリニアモータ及びその製造方法に関する。
従来のリニアモータの一例として、図12及び図13に示すリニアモータ(特許文献1参照)がある。
図12及び図13において、リニアモータ1は、固定子2と、この固定子2に対して図12の左右方向に移動可能に配置される可動子3と、を有している。可動子3は、板状の電機子コア4と、電機子コア4の一面側(固定子2側)に長手方向(図12左右方向)に直交して複数形成された歯部5と、この歯部5の間に設けられたコイル7と、を有している。
固定子2は、板状のヨーク部材(以下、固定子側ヨーク部材という。)8と、固定子側ヨーク部材8の一面側(可動子3側)に、固定子側ヨーク部材8の長手方向に沿って複数個、配置された永久磁石9と、を有している。歯部5と永久磁石9との間には隙間10が形成されている。複数個の永久磁石9は、電機子6に臨む部分の極性が、交互に異なるものになっている。
歯部5は、その先端側部分11(固定子側ヨーク部材8側の部分。図12の下側)が、凸状の円弧(所定半径)を持つ形状とされている。
リニアモータ1は、図示しないストローク位置検出器、推力制御、速度制御、位置制御などを行う制御装置及び駆動装置を備え、ストローク位置検出器からの検出信号と制御装置からの制御信号によって駆動装置がコイル7に駆動電流を供給する。そして、コイル7に供給された駆動電流より発生する磁束(コイル7による磁束)と永久磁石9による界磁磁束との相互作用により、電機子コア4と固定子側ヨーク部材8との間に推力が発生する。
一方、リニアモータ1(電機子6)のストロークに伴い発生する歯部5と永久磁石9との間の磁気的な吸引、反発力に起因する推力の変動、いわゆるコギング推力を低減させるには、永久磁石9による界磁磁束の空間分布を正弦波状に近づける必要がある。そのため、(1)永久磁石9をストローク方向に対して斜めに(スキュー)配置させたり、(2)永久磁石9の着磁をストローク方向に対してスキューさせたり、さらには、(3)歯部5の配置を永久磁石9に対してスキューさせたりする等の方策が知られている。
他方、歯部5の先端側部分11(永久磁石9側部分)が凸の円弧を持つ形状とすると、やはりリニアモータ1のストロークに伴う歯部5と永久磁石9との間の磁束の空間分布のうち、急激な粗密が緩和され、ひいてはコギング推カが減少することが知られている。この方策を実施すると、永久磁石9や歯部5のスキュー配置だけでは十分な効果が得られない分を補足することが可能になる他、永久磁石9側に円弧を持つ形状を持たせて同等の効果を得ようとする場合に比べ、安価に、また容易に実施することができる、などの利点がある。
特開2002−209371号公報
しかし、図13に示すように、歯部5の先端側部分11(永久磁石9側部分)が凸の円弧を持つ形状とすると、歯部5の加工上の制約(例えば、加工治具の磨耗が進むこと等)から歯部5の厚み方向寸法Lについて良好な寸法精度を確保するのが難しく、ひいては歯部5及び永久磁石9間の隙間10の寸法t(隙間寸法t)の管理が難しい(バラツキ)という課題があった。すなわち、例えば歯部5を切削加工する場合、厚み方向寸法Lの良好な寸法精度を確保するには、まず円弧形状に仕上げた後、厚み方向寸法Lを測定し、再度円弧形状に仕上げるという切削工程を数回繰り返し、所望の厚み方向寸法Lを得るといった工程を経なければならない。このため、歯部5の先端側部分11を円弧形状に仕上げることがたやすいものでないことに加えて、さらに湾曲した形状(円弧形状)を測定対象とすることにより計測精度に制約があること等から、前記歯部5の厚み方向寸法Lについて良好な寸法精度を確保することは難しいものになる。
また、上記のような複雑な加工工程は大量生産する場合には採用できないため、歯部5の厚み方向寸法Lの寸法公差はラフであるとの前提のもとで、隙間寸法tは比較的広めに設定せざるを得ず、モータ推力を低下させる要因となっていた。
また、複数個存在する歯部5毎に隙間寸法tが異なるということが起き得るため、これに起因するコギング推力の発生が避けられないという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電機子の歯部と磁性部材との間の隙間の寸法精度を向上させることにより、コギング推力の発生を抑えつつモータ推力の向上を図ることができるリニアモータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、板状の電機子コアに複数形成された歯部と、該歯部間に設けたコイルとによって電機子を構成し、該電機子における前記歯部の先端側との間に隙間を空けて磁性部材を配置するリニアモータであって、前記歯部は、前記電機子コアの長手方向と直交する方向に延びる板状形状とされ、前記歯部の先端側部分が、前記磁性部材に向けて凸となる形状をなし、前記先端側部分の一部に前記磁性部材に対向する平坦部を形成したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、円筒状電機子と,該円筒状電機子の内側に該円筒状電機子との間に隙間を空けて挿通される長手状の磁性部材と、からなり、前記円筒状電機子及び前記磁性部材が長手方向に相対的に移動可能とされるリニアモータであって、前記円筒状電機子は、内側に環状凹部を長手方向と直交する方向に複数形成した円筒状電機子ヨークと、前記環状凹部に嵌合される磁性材からなる環状の嵌合歯部と、該嵌合歯部間に設けられるコイルと、からなり、前記嵌合歯部の先端側部分における嵌合歯部先端側が、前記磁性部材に向けて凸となる形状をなし、前記先端側部分の一部に前記円筒状電機子ヨークの内周面と平行の環状平坦部を形成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のリニアモータにおいて、前記嵌合歯部先端側の断面形状は、所定の曲率半径を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載のリニアモータにおいて、前記嵌合歯部先端側の断面形状は、前記頂部に近づくに従い細くなるように複数の平面で構成されることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、円筒状電機子と、該円筒状電機子内に配置されて円筒状電機子に対して長手方向に相対的に移動可能な磁性部材とからなるリニアモータの製造方法であって、磁性材料からなる基材を円筒状に加工して円筒部材を得る円筒部材作製工程と、前記円筒部材の内側に、内方に突出する環状突出部を、前記円筒部材の長手方向と直交する方向に複数形成する環状突出部形成工程と、前記円筒部材における前記複数の環状突出部の根元で切断して前記複数個の環状の嵌合歯部を得る嵌合歯部作製工程と、前記複数個の嵌合歯部間に前記コイルを配置し、この状態で、前記複数個の嵌合歯部を、組合せにより円筒状電機子ヨークが構成される複数個の円筒状電機子ヨーク構成体の環状凹部に嵌合させて、複数個の嵌合歯部、前記円筒状電機子ヨーク及び前記コイルから前記円筒状電機子を組立てる円筒状電機子組立工程と、該円筒状電機子組立工程で組立てられた前記円筒状電機子における前記歯部の先端側部分の一部に、前記円筒状電機子ヨークの内周面と平行の環状平坦部を形成する環状平坦部形成工程と、からなることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5に記載のリニアモータの製造方法において、前記円筒状電機子組立工程において、前記複数個の嵌合歯部間に対する前記コイルの配置を、前記嵌合歯部及び前記コイルに挿通される軸状又は筒状の組立用治具を用いて行うことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6に記載のリニアモータの製造方法において、前記環状突出部形成工程に続いて、前記環状突出部の一部に前記円筒部材の外周面と平行となる環状切削面を形成する環状切削面形成工程を有することを特徴とする。
請求項1及び請求項2のいずれかに記載の発明によれば、電機子の歯部先端の一部に、磁性部材の電機子コアに対向する面部と平行の平坦部を形成したので、平坦部を利用して寸法計測することにより、計測精度が向上し、ひいては歯部及び磁性部材間の隙間寸法の精度が、平坦部を形成しない場合に比して、向上し、これに伴ない、電機子コアと磁性部材間の隙間を狭めることができ、モータの推力を向上できる。
請求項3に記載の発明によれば、歯部先端側の断面形状は、所定の曲率半径を有するので、歯部及び磁性部材間の磁束の空間分布が正弦波に近くなり、コギング推力の減少を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、歯部先端側の断面形状は、前記頂部に近づくに従い細くなるように複数の平面で構成されるので、歯部の先端側部分の形成を容易に行える。
請求項5から請求項7までのいずれかに記載の発明によれば、円筒状電機子組立工程で組立てられた前記円筒状電機子における前記歯部の先端側部分の一部に、前記円筒状電機子ヨークの内周面と平行の環状平坦部を形成する環状平坦部形成工程を有しており、この発明により得られるリニアモータについて、環状平坦部を利用して寸法計測することにより、計測精度が向上し、ひいては嵌合歯部及び磁性部材間の隙間寸法の精度が、環状平坦部を形成しない場合に比して、向上し、これに伴ない、嵌合歯部と磁性部材間の隙間を狭めることができ、モータの推力を向上できる。
請求項6に記載の発明によれば、電機子組立工程において前記複数個の嵌合歯部間に対する前記コイルの配置を、前記嵌合歯部及び前記コイルに挿通される軸状又は筒状の組立用治具を用いて行うので、複数個の嵌合歯部間への前記コイルの配置を効率よく行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、環状突出部形成工程に続いて、前記環状突出部の頂部に前記円筒部材の外周面と平行となる環状切削面を形成する環状切削面形成工程を有するので、この後に実施される環状平坦部形成工程で、環状平坦部をより精度高く形成できる。
以下、本発明の第1実施の形態に係るリニアモータ1Aを図1ないし図4に基づいて説明する。
図1及び図2において、リニアモータ1Aは、固定子2と、この固定子2に対して図1左右方向に移動可能に配置され可動子3となる電機子6と、を有している。電機子6は、板状の電機子コア4と、電機子コア4の一面側(固定子2側)に長手方向(図1左右方向)に複数形成された歯部5と、この歯部5の間に設けられるコイル7と、を有している。
固定子2は、板状の固定子側ヨーク部材8と、固定子側ヨーク部材8の一面側(可動子3側)に、固定子側ヨーク部材8の長手方向に沿って複数個、配置された永久磁石9と、を有している。歯部5と永久磁石9との間には隙間10が形成されている。複数個の永久磁石9は、電機子6に臨む部分の極性が、交互に異なるものになっている。
歯部5は、図2及び図3に示すように、電機子コア4の長手方向(図2左右方向)と直交する方向(図2上下方向)に延びる板状をなしている。歯部5の先端側部分11について図1に示すように正面視半径Rの凸の円弧状(すなわち、電機子コア4の長手方向に沿って切断した際、前記先端側部分11の断面が、前記磁性部材に向けて半径Rの凸の円弧状)をなしている。さらに、先端側部分11の頂部28の一部には、複数個の永久磁石9の電機子コア4に対向する面部に対して平行の平坦部13が形成されている。
電機子コア4の平坦部13における長手方向に必要な幅寸法w0は、加工機の性能によって決定されるが、概ね0.5mm程度でよく、この場合には、歯部5の先端側部分11は円弧形状を大きく逸脱しない。
本実施の形態では、平坦部13が複数個の永久磁石9の電機子コア4に対向する面部に対して平行である場合を例にしたが、実用上は多少の誤差(例えば±数度)は許容される。
このように構成されるリニアモータ1Aでは、歯部5の先端側部分11の頂部28の一部に平坦部13が形成されている。このため、平坦部13を利用して寸法計測することにより、計測精度が向上し、ひいては歯部5及び永久磁石9間の隙間寸法tの精度が、平坦部13を形成しない断面円弧の場合に比して、向上し、これに伴ない、電機子コア4と永久磁石9との間の隙間10(ギャップ)を狭めることができ、モータの推力を向上できる。
また、上述したように歯部5及び永久磁石9間の隙間寸法tの精度が、平坦部13を形成しない場合に比して、向上するので、複数の歯部5と永久磁石9との隙間10のバラツキが、平坦部13を形成しない断面円弧の場合に比して、小さくなり、コギング推力を低減できる。
また、歯部5及び永久磁石9間の隙間寸法tについて目標値(適正値)を、繰り返し加工や繰り返し計測などを伴なわずに得ることができ、この分、生産性の向上を図ることができる。
この第1実施の形態では、図4に示すように、フライス盤などの加工手段(図示省略)により、複数の歯部5の頂部28の一部に平坦部13を一度に加工することができる。このように複数の歯部5に平坦部13を一度に加工することにより、歯部5及び永久磁石9間の隙間寸法tをより精度高く管理できる。
なお、本実施の形態では、歯部5の先端側部分11を予め円弧状とし、この後、先端側部分11の頂部28の一部に平坦部13を形成する場合を例にしたが、これに限らず、頂部28に平坦部13を加工しておき(角柱形状の歯部としておく)、その後、頂部28の一部に所定寸法(w0)の平坦部13が残るように先端側部分11に円弧形状を切削加工しても良い。
上記実施の形態では、歯部5の先端側部分11が図1に示すように正面視半径Rの凸の円弧状をなしている場合を例にしたが、本発明はこれに限られない。例えば、図5に示すように、歯部5の先端側部分11が、頂部28(この場合、頂部28の全体が平坦部13となる)に近づくに従い細くなるように電機子コア4の長手方向の一方(例えば図5右側)及び他方(例えば図5左側)に各1つの平面14を備えるように構成してもよい(第2実施の形態)。この第2実施の形態によれば、凸の円弧状を形成する(第1実施の形態)場合に比して歯部5の加工に要する工数を削減することができる。
図5に示す第2実施の形態では、図1に示す歯部5を用いた例(第1実施の形態)に比べ、永久磁石9による界磁磁束の空間分布が正弦波状から逸脱しやすい(コギング推力の残留)。この点の改良を図ったものの一例として、図6に示す例(第3実施の形態)がある。
図6において、歯部5の先端側部分11が、頂部28(この場合、頂部28の全体が平坦部13となる)に近づくに従い細くなるように電機子コア4の長手方向の一方(例えば図5右側)及び他方(例えば図5左側)に各複数(この例では2つ)の平面14,15を備えるように構成している。この第3実施の形態では、前記図5に示す歯部5に比べ、永久磁石9による界磁磁束の空間分布が正弦波状に近づくため、コギング推力の低減効果を向上できる。
上記各実施の形態では、電機子コア4に対して歯部5が長く延びた板状をなす場合を例にしたが、これに代えて、歯部5を短くして軸状(円柱状又は角柱状)をなす場合にも、上述したように、歯部5の先端側部分11の頂部28の一部に平坦部13を形成するようにしてもよい。
上記各実施の形態では、固定子2に対し電機子6(可動子3)が移動可能である場合を例にしたが、固定子2及び電機子6(可動子3)については相対的に移動可能に構成するようにしてもよい。そして、場合によっては、電機子6を固定しておき、電機子6に対して前記固定子2を移動可能とするようにしてもよい。
次に、本発明の第4実施の形態に係るリニアモータ1Bを図7ないし図10に基づいて説明する。第1〜第3実施の形態では、板状の固定子側ヨーク部材8(固定子2)及び板状の電機子コア4(電機子6)が対面する場合を例にしたが、第4実施の形態に係るリニアモータ1Bは、長手状の固定子2Bの外周に円筒状電機子6B(可動子3B)が設けられるように構成されている。
このリニアモータ1Bは、図7に示すように長手状の固定子2Bと、この固定子2Bの外周に設けられ、固定子2Bに対して図7左右方向に移動可能に配置される円筒状電機子6B(可動子3B)と、を有している。
円筒状電機子6Bは、円筒状電機子ヨーク20、磁性材料からなる複数個の嵌合歯部21及び嵌合歯部21間に設けられた複数個のコイル7から構成されている。円筒状電機子ヨーク20の内側には、環状凹部22が長手方向に対して直交するように複数条、形成されている。円筒状電機子ヨーク20に形成された環状凹部22には環状の嵌合歯部21が嵌合されるようになっている。
嵌合歯部21の先端側部分23について円筒状電機子ヨーク20の長手方向に沿って切断した際、先端側部分23の断面(以下、嵌合歯部先端側断面という。)24が、永久磁石27に向けて略凸となる形状をなしている。さらに、前記先端側部分23の頂部28の一部に円筒状電機子ヨーク20の内周面20dと平行の環状平坦部25が形成されている。
また、円筒状電機子ヨーク20は、長手方向に複数(この例では2つ)に分割され、組合せられることにより筒状をなす第1、第2円筒状電機子ヨーク構成体20a,20bからなっている。
固定子2Bは、筒状固定子側ヨーク部材26と、筒状固定子側ヨーク部材26の外周面部に配置された環状の複数個の永久磁石27と、から大略構成されている。複数個の永久磁石27は、電機子6Bの嵌合歯部21との間に隙間10を空けて配置されている。また、複数個の永久磁石27は、電機子6Bに臨む部分の極性が、交互に異なるように筒状固定子側ヨーク部材26の長手方向に沿って配置されている。
この実施の形態では、複数個の嵌合歯部21と複数個のコイル7を予め軸方向に重ねて組み立てておき、円筒状電機子ヨーク20を、予め組み立てておいた複数個の嵌合歯部21及び複数個のコイル7と合体させることにより、モータとして組立てる場合を例にする。
このような組み立てる方法をとる場合、 円筒状電機子ヨーク20の環状凹部22の加工公差の影響により、嵌合歯部21の厚み方向寸法Lの寸法精度を向上させただけでは嵌合歯部21と永久磁石27との間の隙間寸法tを精度よく管理することができない。
そこで、図4に示す第1実施の形態と同様に、図8に示すように、円筒状電機子ヨーク20、複数個の嵌合歯部21及びコイル7を合体させた状態で、嵌合歯部21の先端側部分23の頂部28の一部に切削加工を一度に、施して円筒状電機子ヨーク20の内周面20dと平行の環状平坦部25を形成するようにしている。このように一度に環状平坦部25を形成することにより嵌合歯部21と永久磁石27との間の隙間寸法tを精度よく管理できるようになる。
この実施の形態では、上述したように、複数個の嵌合歯部21と複数個のコイル7を予め軸方向に複数個重ねて組み立てておき、円筒状電機子ヨーク20を、予め組み立てておいた複数個の嵌合歯部21及び複数個のコイル7と合体させるようにしているが、複数個の嵌合歯部21と複数個のコイル7とを軸方向に重ねる場合に、図9に示すように軸状(筒状でもよい)の組立用治具30を用いている。すなわち、この実施の形態では、組立用治具30に、嵌合歯部21及びコイル7を順次挿通させて交互に重ねるようにしている。
このように複数個の嵌合歯部21と複数個のコイル7とを軸方向に重ねた状態で、複数個の嵌合歯部21に第1円筒状電機子ヨーク構成体20aの環状凹部22を嵌合させて、当該第1円筒状電機子ヨーク構成体20aを組付ける。次に、複数個の嵌合歯部21に第2円筒状電機子ヨーク構成体20bの環状凹部22を嵌合させて、第2円筒状電機子ヨーク構成体20bを組付ける。そして、第1、第2円筒状電機子ヨーク構成体20a,20bから円筒状電機子ヨーク20を形成させ、複数個の嵌合歯部21が嵌合された円筒状電機子ヨーク20及びコイル7を組立てることができる。この状態で、図8を用いて説明したように、嵌合歯部21の先端側部分23における頂部28の一部に、円筒状電機子ヨーク20の内周面20dと平行の環状平坦部25を形成する。
この第4実施の形態では、次のようにリニアモータ1Bを組立てるようにしている。まず、図10に示すように、磁性材料からなる基材31を円筒状に加工して円筒部材32を得る(円筒部材作製工程)。次に、前記円筒部材32の内側に、内方に突出する環状突出部33を、前記円筒部材32の長手方向(図10左右方向)と直交するように複数連続して形成する(環状突出部形成工程)。
環状突出部形成工程に続いて、図10に示すように、環状突出部33の頂部28に切削加工を施して円筒部材32の外周面32aと平行となる環状切削面34を形成し(環状切削面形成工程)、円筒部材32の内径寸法を正確にするようにしている。
続いて、円筒部材32における複数の環状突出部33の連接部32bで切断して複数個の嵌合歯部21を得る(嵌合歯部作製工程)。
次に、図9に示すように軸状(筒状でもよい)の組立用治具30に、前記嵌合歯部作製工程で得た複数個の嵌合歯部21及びコイル7を挿通させてこれらを順次重ねて、複数個の嵌合歯部21間に前記コイル7を配置し、この状態で、前記複数個の嵌合歯部21を、2つの第1円筒状電機子ヨーク構成体20aの環状凹部22に嵌合させ、続いて、第2円筒状電機子ヨーク構成体20bの環状凹部22に嵌合させ、このようにすることで、円筒状電機子ヨーク20を組付けて円筒状電機子6Bを組立てる(円筒状電機子組立工程)。
円筒状電機子組立工程の処理が終了すると、電機子6Bから組立用治具30を引出す。そして、上述したように、円筒状電機子ヨーク20、複数個の嵌合歯部21及びコイル7を合体させた状態(図8)で、嵌合歯部21の先端側部分23における頂部28の一部に切削加工を一度に施して、円筒状電機子ヨーク20の内周面20dと略平行の環状平坦部25を形成する(環状平坦部形成工程)。続いて、電機子6B内に固定子2Bを挿入してリニアモータ1Bの組立てを行う。
この第4実施の形態によれば、嵌合歯部21の先端側部分23における頂部28の一部に、円筒状電機子ヨーク20の内周面20dと略平行の環状平坦部25を形成しているので、環状平坦部25を利用して寸法計測することにより、計測精度が向上し、ひいては嵌合歯部21及び永久磁石27間の隙間寸法tの精度が、平坦部13を形成しない場合に比して、向上し、これに伴ない、電機子コア4と永久磁石27との間の隙間10(ギャップ)を狭めることができ、モータの推力を向上できる。
また、上述したように嵌合歯部21及び永久磁石27間の隙間寸法tの精度が、環状平坦部25を形成しない場合に比して、向上するので、複数の嵌合歯部21と永久磁石27との隙間10のバラツキが、平坦部13を形成しない場合に比して、小さくなり、コギング推力を低減できる。
また、嵌合歯部21及び永久磁石27間の隙間寸法tについて所望値を、繰り返し加工や繰り返し計測などを伴なわずに得ることができ、この分、生産性の向上を図ることができる。
なお、上述した各実施の形態においては、歯部(嵌合歯部)の形状全てを、同一形状としたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、図11に示すように、歯部5A(嵌合歯部21)が設けられる電機子ヨーク40(筒状電機子ヨーク40A)の両端側における歯部の形状を、断面が略三角形形状の歯部H等(断面積を減少させる)とすることが望ましい。
一般に、リニアモータにおいては、電機子ヨーク40の両端に設けられた磁性部材(歯部5A、嵌合歯部21)の磁気的な吸引、反発力の影響がモータの推力特性(コギング特性、ディテント特性)に大きな影響を及ぼす(これを端効果という)ため、これを減少させるために、両端の歯部(嵌合歯部)の形状を、他の形状と異なるようにする。
この両端における磁性部材(歯部H)の形状は、モータとしての推力特性を最適化するために、磁場解析により決定され、その形状は様々なものが考案されている。このうち、図11に示すような略三角形形状の歯部Hにおいては、永久磁石(図示せず)と対向する面の寸法精度、特に永久磁石との間の隙間(図示せず)の精度が、モータの推力特性に及ぼす影響度合いとして最も大きい事に注意しなければならない。
そのため、上記各実施の形態と同様に、両端の歯部H(嵌合歯部HA)の永久磁石に対抗する平坦面HBを、切削加工等で一度に形成することが望ましい。
本発明の第1実施形態に係るリニアモータを模式的に示す断面図である。 図1のリニアモータを模式的に示す平面図である。 図1の電機子を模式的に示す斜視図である。 図1のリニアモータの平坦部形成を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態に係るリニアモータを模式的に示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係るリニアモータを模式的に示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係るリニアモータを模式的に示す断面図である。 図7の嵌合歯部の頂部への環状平坦部形成を説明するための断面図である。 図7の嵌合歯部及びコイルの重ね合わせを組立用治具を用いて行う方法を説明するための断面図である。 図7の嵌合歯部の作製方法を説明するための断面図である。 電機子ヨーク(筒状電機子ヨーク)の両端に配置される歯部(嵌合歯部)の他の形状を示す断面図である。 従来のリニアモータの一例を模式的に示す断面図である。 図12のリニアモータにおける厚み方向寸法及び隙間寸法を説明するための断面図である。
符号の説明
1A,1B…リニアモータ、5…歯部、11…先端側部分、12…頂部、13…平坦部、21…嵌合歯部、23…先端側部分、28…頂部、25…環状平坦部。

Claims (7)

  1. 板状の電機子コアに複数形成された歯部と、該歯部間に設けたコイルとによって電機子を構成し、該電機子における前記歯部の先端側との間に隙間を空けて磁性部材を配置するリニアモータであって、
    前記歯部は、前記電機子コアの長手方向と直交する方向に延びる板状形状とされ、前記歯部の先端側部分が、前記磁性部材に向けて凸となる形状をなし、前記先端側部分の一部に前記磁性部材に対向する平坦部を形成したことを特徴とするリニアモータ。
  2. 円筒状電機子と,該円筒状電機子の内側に該円筒状電機子との間に隙間を空けて挿通される長手状の磁性部材と、からなり、前記円筒状電機子及び前記磁性部材が長手方向に相対的に移動可能とされるリニアモータであって、
    前記円筒状電機子は、内側に環状凹部を長手方向と直交する方向に複数形成した円筒状電機子ヨークと、前記環状凹部に嵌合される磁性材からなる環状の嵌合歯部と、該嵌合歯部間に設けられるコイルと、からなり、
    前記嵌合歯部の先端側部分における嵌合歯部先端側が、前記磁性部材に向けて凸となる形状をなし、前記先端側部分の一部に前記円筒状電機子ヨークの内周面と平行の環状平坦部を形成したことを特徴とするリニアモータ。
  3. 前記嵌合歯部先端側の断面形状は、所定の曲率半径を有することを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ。
  4. 前記嵌合歯部先端側の断面形状は、前記頂部に近づくに従い細くなるように複数の平面で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ。
  5. 円筒状電機子と、該円筒状電機子内に配置されて円筒状電機子に対して長手方向に相対的に移動可能な磁性部材とからなるリニアモータの製造方法であって、
    磁性材料からなる基材を円筒状に加工して円筒部材を得る円筒部材作製工程と、
    前記円筒部材の内側に、内方に突出する環状突出部を、前記円筒部材の長手方向と直交する方向に複数形成する環状突出部形成工程と、
    前記円筒部材における前記複数の環状突出部の根元で切断して前記複数個の環状の嵌合歯部を得る嵌合歯部作製工程と、
    前記複数個の嵌合歯部間に前記コイルを配置し、この状態で、前記複数個の嵌合歯部を、組合せにより円筒状電機子ヨークが構成される複数個の円筒状電機子ヨーク構成体の環状凹部に嵌合させて、複数個の嵌合歯部、前記円筒状電機子ヨーク及び前記コイルから前記円筒状電機子を組立てる円筒状電機子組立工程と、
    該円筒状電機子組立工程で組立てられた前記円筒状電機子における前記歯部の先端側部分の一部に、前記円筒状電機子ヨークの内周面と平行の環状平坦部を形成する環状平坦部形成工程と、
    からなることを特徴とするリニアモータの製造方法。
  6. 前記円筒状電機子組立工程において、前記複数個の嵌合歯部間に対する前記コイルの配置を、前記嵌合歯部及び前記コイルに挿通される軸状又は筒状の組立用治具を用いて行うことを特徴とする請求項5に記載のリニアモータの製造方法。
  7. 前記環状突出部形成工程に続いて、前記環状突出部の一部に前記円筒部材の外周面と平行となる環状切削面を形成する環状切削面形成工程を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のリニアモータの製造方法。

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009291069A (ja) * 2009-08-31 2009-12-10 Hitachi Ltd 円筒リニアモータ及びそれを用いた車両
JP2012228049A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Fanuc Ltd コギングトルクを低減するモータおよびリニアモータ
CN112688533A (zh) * 2020-12-24 2021-04-20 东南大学 一种双定子弧形与辅助槽混合结构的c型齿永磁直线电机
CN114244061A (zh) * 2021-12-15 2022-03-25 东莞市泰莱自动化科技有限公司 一种可降低推力波动的直线电机

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