JP2006100768A - 有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法及び画像表示媒体 - Google Patents

有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法及び画像表示媒体 Download PDF

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Hidekazu Hirose
英一 廣瀬
Mieko Seki
三枝子 関
Hiroto Yoneyama
博人 米山
Tadayoshi Ozaki
忠義 尾崎
Takeshi Agata
岳 阿形
Yohei Nishino
洋平 西野
Hiroaki Moriyama
弘朗 森山
Toru Ishii
徹 石井
Kiyokazu Mashita
清和 真下
Katsuhiro Sato
克洋 佐藤
Daisuke Okuda
大輔 奥田
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Abstract

【課題】 発光時の熱安定性、保存安定性、溶剤や樹脂に対する溶解性及び相溶性に優れた電荷輸送性ポリエーテルを用い、発光強度が大きく、発光効率が高く、素子寿命が長く、且製造が容易な有機電界発光素子及びその製造方法並びに有機電界発光素子を用いた画像表示媒体の提供。
【解決手段】 少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、前記一対の電極間に挾持された一つ又は複数の有機化合物層と、から構成される有機電界発光素子であって、前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも一種含有することを特徴とする有機電界発光素子及びその製造方法並びに有機電界発光素子を用いた画像表示媒体。
【化1】
Figure 2006100768

【選択図】 なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光する有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法及び画像表示媒体に関し、特に、表示素子、電子ペーパー、バックライト、照明光源、電子写真用露光装置、標識、看板等の分野に好適に使用できる有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法及び画像表示媒体に関する。
電界発光素子は、自発光性の全固体素子であり、視認性が高く衝撃にも強いため、広く応用が期待されている。現在は無機蛍光体を用いたものが主流であり広く使用されているが、駆動に200V以上、50〜1000Hzの交流電圧を必要とするためランニングコストが高く、また輝度が不十分であるなどの問題点を有している。一方、有機化合物を用いた電界発光素子研究は、最初アントラセン等の単結晶を用いて始まったが、膜厚が1mm程度と厚く、100V以上の駆動電圧が必要であった。そのため蒸着法による薄膜化が試みられている(例えば、非特許文献1参照。)。
これら素子の発光は、電極の一方から電子が注入され、もう一方の電極から正孔が注入されることにより、素子中の発光材料が高いエネルギー準位に励起され、励起された発光体が基底状態に戻る際の余分なエネルギーを光として放出する現象である。しかしながら、駆動電圧が30Vと未だ高く、また、膜中における電子・正孔キャリアの密度が低く、キャリアの再結合によるフォトンの生成確率が低いため十分な輝度が得られず、実用化には至らなかった。
ところが、1987年にTangらにより透明基板上に正孔輸送性有機低分子化合物と電子輸送能を持つ蛍光性有機低分子化合物を真空蒸着法により極めて薄い薄膜を順次積層した機能分離型の有機電界発光素子で、10V程度の低電圧で1000cd/m2以上の高輝度が得られるものが報告された(例えば、特許文献1又は非特許文献2参照。)。以来、有機電界発光素子の研究・開発が活発に行われている。
これら、積層構造の電界発光素子は、有機発光体と電荷輸送性の有機物(電荷輸送材料)を電極に積層した構造であり、それぞれの正孔と電子が電荷輸送材料中を移動して、再結合することにより発光する。有機発光体としては8−キノリノールアルミニウム錯体やクマリン化合物など蛍光を発する有機色素などが用いられる。また、電荷輸送材料としては、N,N−ジ(m−トリル)N,N‘−ジフェニルベンジジンや1,1−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノフェニル]シクロヘキサンといったジアミノ化合物や、4−(N,N−ジフェニル)アミノベンズアルデヒドーN,N−ジフェニルヒドラゾン化合物等が挙げられる。
これら有機化合物を用いた有機電界発光素子は高い発光特性を有しているが、発光時の熱安定性や保存安定性に問題がある。電界発光素子の有機物で形成される層は、数十から数百ナノメーターと非常に薄く、単位厚さ当たりに加わる電圧は非常に高くなり、数mA/cm2という高い電流密度で駆動されるため大量のジュール熱を発生する。このため、蒸着によってアモルファスガラス状態で成膜された正孔輸送性低分子化合物や蛍光性有機低分子化合物が温度上昇で次第に結晶化して最後には融解し、輝度の低下や絶縁破壊が生じるという現象が多く見られ、その結果素子の寿命が低下するという問題を有していた。
この熱安定性の低さは材料のガラス転移温度の低さに由来すると考えられている。即ち、低分子量の化合物は融点が低く対称性が高いものが多いためである。そこで、熱安定性に関する問題の解決のために、ガラス転移温度を向上し、安定なアモルファスガラス状態が得られるα‐ナフチル基を導入したN,N−ジ(1−ナフチル)N,N‘−ジフェニルベンジジンを用いた有機電界発光素子が報告されている(例えば、非特許文献3参照。)。また、同様の目的でスターバーストアミンを用いた有機電界発光素子が報告されている(例えば、非特許文献4参照。)。
しかし、これら単独では正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルに起因するエネルギー障壁が存在するため、陽極からの正孔注入性或いは発光層への正孔注入性を満足するものではない。さらに、正孔輸送層と発光層の2層型素子構造においては、相互拡散現象を起こし、発光効率を低下させる。また、素子作製時においては、蒸着、ベーキング、アニーリング、配線、封止等の作製工程でかなりの熱がかかり、さらには、長時間の使用による経時変化等に耐えられるだけの熱安定を確保するためには、より一層の材料におけるガラス転移温度の向上が望まれている。
一方、低分子化合物の代わりに高分子材料を用いる電界発光素子についても研究・開発が進められ、ポリ(p−フェニレンビニレン)等の導電性高分子素子(例えば、非特許文献5又は特許文献2参照。)、ポリフォスファゼンの側鎖にトリフェニルアミンを導入した高分子素子(例えば、非特許文献6参照。)、正孔輸送性ポリビニルカルバゾール中に電子輸送材料と蛍光色素を混入した素子(例えば、非特許文献7参照。)が提案されている。
これらは、低分子化合物より比較的ガラス転移点が高いものの、ポリ(p−フェニレンビニレン)においては、可溶前駆体をスピンコート後、熱処理するため、主鎖共役系高分子中に欠陥が入りやすく発光特性を著しく低下させる。フォスファゼンは、イオン化ポテンシャルが高く電荷注入特性か低下する不具合が生じている。ポリビニルカルバゾールは、高いガラス転移点を有するが不純物によるトラップ等の問題や低分子化合物を高分子に混入させる場合は低分子が可塑剤として作用してしまい、未だ輝度、発光効率等が有機低分子化合物を用いた積層型電界発素子には及ばない。
また、作製法においては、製造の簡略化、加工性、大面積化、コスト等の観点から塗布方式が望ましく、キャステイング法によっても素子が得られることが報告されている(例えば、非特許文献8又は9参照。)。しかし、電荷輸送材料の溶剤や樹脂に対する溶解性、相溶性が悪いため、結晶化しやすく製造上あるいは特性上に欠陥があった。
特開昭59−194393号公報 特開平10−92576号公報 Thin Solid Films,94,171(1982) Appl.Phys.Lett., 51,913(1987) 電子情報通信学会技術研究報告、OME95−54(1995) 第40回応用物理学関係連合講演会予稿集30a−SZK−14(1993) Nature, 357, 477(1992) 第42回高分子討論会予稿集20J21(1993) 第38回応用物理学関係連合講演会予稿集31p−G−12(1991) 第50回応用物理学会学術講演予稿集,29p−ZP−5(1989) 第51回応用物理学会学術講演予稿集,28a−PB−7(1990)
本発明は、前記従来の技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、発光時の熱安定性、保存安定性、溶剤や樹脂に対する溶解性及び相溶性に優れた電荷輸送性ポリエーテルを用い、発光強度が大きく、発光効率が高く、素子寿命が長く、且製造が容易な有機電界発光素子及びその製造方法並びに有機電界発光素子を用いた画像表示媒体を提供することにある。
上記目的を達成するため電荷輸送性ポリマーに関し鋭意検討した結果、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリエーテルが、有機電界発光素子として好適な電荷注入特性、電荷移動度、薄膜形成能、発光特性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機電界発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、前記一対の電極間に挾持された一つ又は複数の有機化合物層と、から構成される有機電界発光素子であって、前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも一種含有することを特徴とするものである。
Figure 2006100768
(一般式(I−1)及び(I−2)中、Xは、置換若しくは未置換の2価のベンゼン環、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の多核芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の縮合芳香族炭化水素又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環を表し、mは0〜3の整数を表し、kは0又は1を表し、Tは炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表す。Arは、下記一般式(II−1)又は(II−2)で表される置換基を表す。)
Figure 2006100768
(一般式(II−1)又は(II−2)中、Ar1は、置換若しくは未置換の2価のベンゼン環、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の多核芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の縮合芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環を表し、R1及びR2は各々独立に水素原子、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、置換アミノ基、置換若しくは未置換のアリール基又は置換若しくは未置換のアラルキル基を表す。q及びrは各々独立に0〜10の整数を表す。)
本発明に係る電荷輸送性ポリエーテルとしては、下記一般式(III−1)で示されるポリエーテルを挙げることができる。
Figure 2006100768
(一般式(III−1)中、A1は前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を表し、pは5〜5000の整数を表す。)
本発明の有機電界発光素子を構成する有機化合物層は、大きく分類して電荷輸送機能を持つ発光層のみから構成される単層構成、あるいは少なくとも発光層又は電荷輸送機能を持つ発光層を含む相互に異なる機能を有する複数の層から構成される機能分離型の複数層構成からなる。この機能分離型の複数層構成としては、例えば[1]発光層及び電子輸送層(以下、「層構成(1)」と略す場合がある)、[2]正孔輸送層、発光層及び電子輸送層(以下、「層構成(2)」と略す場合がある)、[3]正孔輸送層及び電荷輸送機能を持つ発光層(以下、「層構成(3)」と略す場合がある)が挙げられる。この構成において、正孔注入層は正孔輸送層に、電子注入層は電子輸送層に含める。また、層構成はこれに限定するものではない。
前記有機化合物層が電荷輸送機能を持つ発光層のみから構成される場合には、前記電荷輸送機能を持つ発光層には、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリエーテルを含有する。
一方、前記有機化合物層が機能分離型の複数層から構成される場合には、層構成(1)においては、発光層及び電子輸送層の少なくとも一方に前記電荷輸送性ポリエーテルが含有され、層構成(2)においては、発光層、正孔輸送層及び電子輸送層の少なくとも一層に前記電荷輸送性ポリエーテルが含有され、層構成(3)においては、正孔輸送層及び電荷輸送機能を持つ発光層の少なくとも一方に前記電荷輸送性ポリエーテルが含有される。本発明においては、発光層又は電荷輸送機能を持つ発光層に前記電荷輸送性ポリエーテルを含有させることが好ましい。これにより、有機電界発光素子として好適な電荷注入特性、電荷移動度、薄膜形成能、発光特性が得られる。
前記有機化合物層は、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送材料(正孔輸送材料、電子輸送材料)を更に含んでいてもよい。
本発明によれば、熱耐久性、溶剤や樹脂に対する溶解性及び相溶性に優れた電荷輸送性ポリエーテルを用い、高輝度、高効率で素子寿命の長く且つピンホール等の不良も少なく、大面積化も容易な有機電界発光素子及びその製造方法並びに有機電界発光素子を用いた画像表示媒体を提供することができる。
以下、本発明の有機電界発光素子、有機電界発光素子の製造方法及び画像表示媒体について詳細に説明する。
<有機電界発光素子>
本発明の有機電界発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、前記一対の電極間に挾持された一つ又は複数の有機化合物層と、から構成される有機電界発光素子であって、前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも一種含有することを特徴とする。
Figure 2006100768
一般式(I−1)及び(I−2)中、Xは、置換若しくは未置換の2価のベンゼン環、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の多核芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の縮合芳香族炭化水素又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環を表し、mは0〜3の整数を表し、kは0又は1を表し、Tは炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表す。Arは、下記一般式(II−1)又は(II−2)で表される置換基を表す。
Figure 2006100768
一般式(II−1)又は(II−2)中、Ar1は、置換若しくは未置換の2価のベンゼン環、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の多核芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の縮合芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環を表し、R1及びR2は各々独立に水素原子、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、置換アミノ基、置換若しくは未置換のアリール基又は置換若しくは未置換のアラルキル基を表す。q及びrは各々独立に0〜10の整数を表す。
本発明に係る電荷輸送性ポリエーテルは、発光時の熱安定性、溶剤や樹脂に対する溶解性及び相溶解性に優れており、さらに、本発明の有機電界発光素子は、前記電荷輸送性ポリエーテルを含有してなる有機化合物層を含んでいるため、発光強度が強く、発光効率が高く、素子寿命が長く、且つ製造が容易である。
一般式(II−1)及び(II−2)中において、Ar1を表す構造として選択される多核芳香族炭化水素及び縮合芳香族炭化水素は特に限定されない。なお、前記多核芳香族炭化水素及び前記縮合芳香族炭化水素とは、本発明においては、具体的には以下に定義されることを意味する。
すなわち、「多核芳香族炭化水素」とは、炭素と水素から構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が炭素―炭素結合によって結合している炭化水素をいう。具体的には、ビフェニル、ターフェニル等が挙げられる。
また、「縮合芳香族炭化水素」とは、炭素と水素から構成される芳香環が2個以上存在し、環同士が1対の炭素原子を共有している炭化水素をいう。具体的には、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フェナントレン、フルオレン等が挙げられる。
また、複素環は、その環骨格を構成する原子数(Nr)が、Nr=5及び/又は6が好ましく用いられる。また、環骨格を構成する炭素原子以外の原子(異種原子)の種類及び数は特に限定されないが、例えば、硫黄原子、窒素原子、酸素原子等が好ましく用いられ、前記環骨格中には2種類以上及び/又は2個以上の異種原子が含まれてもよい。特に5員環構造をもつ複素環として、チオフェン、ピロール、オキサゾール及びフラン、又は、前記多核芳香族炭化水素及び前記縮合芳香族炭化水素の3位及び4位の炭素を窒素で置き換えた複素環が好ましく用いられ、6員環構造を持つ複素環として、ピリジン、ピラジン等が好ましく用いられる。
Ar1のベンゼン環、多核芳香族炭化水素、縮合芳香族炭化水素又は芳香族複素環の置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、置換アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、フェニル基、トルイル基等が挙げられる、
アラルキル基としては、炭素数7〜20のものが好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
置換アミノ基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体例は前述の通りである。
一般式(I−1)及び(I−2)中において、Xは置換若しくは未置換の2価のベンゼン環、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の多核芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の縮合芳香族炭化水素又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環を表し、具体的には下記の式(1)〜(13)から選択された基が挙げられる。
Figure 2006100768
式中、R3からR18は、各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を表し、aは0又は1を表し、bは0〜10の整数を表す。
Vは下記の式(14)〜(34)から選択された基を表す。
Figure 2006100768
式中、R20からR21は、各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、置換若しくは未置換のフェニル基、置換若しくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を表し、R19は水素原子、アルキル基又はシアノ基を表し、bは1〜10の整数を表し、cは0〜10の整数を表す。
一般式(I−1)及び(I−2)中において、Tは、炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表す。好ましくは炭素数が2〜6の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数3〜7の2価の分枝鎖状炭化水素基より選択される。なお、一般式(I−1)及び(I−2)においてmが0の場合、一般式(I−1)及び(I−2)中にTが存在しないことを意味する。
具体的な構造を以下に示す。
Figure 2006100768
以下、表1〜表72に一般式(I−1)で示される構造の具体例を示し、表73〜表131に一般式(I−2)で示される構造の具体例を示すが、本発明は下記具体例により限定されるものではない。
Figure 2006100768
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一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリエーテルとしては、下記一般式(III−1)で示されるポリエーテルが好適に使用される。
Figure 2006100768
一般式(III−1)中、A1は前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を表し、一つのポリマー中に2種類以上の構造A1が含まれてもよい。pは5〜5000の整数を表す。
本発明で用いられる一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリエーテルの重量平均分子量Mwは、5000〜3000000の範囲にあるものが好ましく、10000〜1000000がさらに好ましく、10000〜500000が特に好ましい。重量平均分子量Mwが5000〜3000000の範囲にあると、熱耐久性、溶剤や樹脂に対する溶解性及び相溶性に優れ、且つピンホール等の不良を少なくすることができる。
以下、一般式(III−1)で示される電荷輸送性ポリエーテルの具体例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。尚、表における、モノマーの欄の番号は、前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造の具体例である構造番号に対応している。以下、各番号を付した具体例(化合物)、例えば15の番号を付した具体例は例示化合物(15)という。
Figure 2006100768
Figure 2006100768
本発明の上記ポリエーテルは、下記一般式(III−2)で示されるヒドロキシル基を有する化合物を分子間で縮合させることによって、容易に製造することができる。ここで、下記一般式(III−2)におけるA1は、前記一般式(III−1)におけるA1と同様である。
Figure 2006100768
具体的には前記ポリエーテルは、例えば、以下のように合成することができる。
(1) 一般式(III−2)で表される化合物(以下、モノマーと称する。)を加熱脱水縮合する方法によって上記電荷輸送性ポリエーテルを合成することができる。
この場合、無溶媒でモノマーを加熱溶融し、水の脱離による重合反応を促進させるため減圧下で反応させることが望ましい。また、溶媒を使用する場合は、水の除去のため、水と共沸する溶媒、例えば、トリクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、モノマー1当量に対して、1〜100当量、好ましくは2〜50当量の範囲で用いられる。反応温度は任意に設定できるが、重合中に生成する水を除去するために、溶媒の沸点で反応させるのが好ましい。重合が進まない場合には、反応系から溶媒を除去し、粘ちょう状態で加熱撹拌してもよい。
(2) 酸触媒として、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等のプロトン酸、あるいは塩化亜鉛等のルイス酸を用い脱水縮合する方法によって上記電荷輸送性ポリエーテルを合成することができる。
この場合、モノマー1当量に対して、酸触媒を1/10000〜1/10当量、好ましくは1/1000〜1/50当量の範囲で用いる。重合中に生成する水を除去するために、水と共沸可能な溶剤を用いるのが好ましい。溶剤としては、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、モノマー1当量に対して、1〜100当量、好ましくは2〜50当量の範囲で用いられる。反応温度は任意に設定できるが、重合中に生成する水を除去するために、溶剤の沸点で反応させることが好ましい。
(3) イソシアン化シクロヘキシル等のイソシアン化アルキル、シアン化シクロヘキシル等のイソシアン化アルキル、シアン酸p−トリルや2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン等のシアン酸エステル、ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)、トリクロロアセトニトリル等の縮合剤を用いる方法によって上記電荷輸送性ポリエーテルを合成することができる。
この場合、縮合剤は、モノマー1当量に対して、1/2〜10当量、好ましくは1〜3当量の範囲で用いられる。溶剤として、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン等が有効であり、モノマー1当量に対して、1〜100当量、好ましくは2〜50当量の範囲で用いられる。反応温度は任意に設定できるが、室温から溶剤の沸点で反応させることが好ましい。
上記合成法(1)、(2)および(3)の合成法のうち、異性化や副反応が起こりにくいことから、合成法(1)または(3)が好ましい。特に、合成法(3)は反応条件がより穏和なことからより好ましい。
反応終了後、溶剤を用いなかった場合はポリエーテルを溶解可能な溶剤に溶解させる。溶剤を用いた場合には、そのまま、メタノール、エタノール等のアルコール類や、アセトン等の非共役系高分子が溶解しにくい貧溶剤中に滴下し、ポリエーテルを析出させ、ポリエーテルを分離した後、水や有機溶剤で十分に洗浄し、乾燥させる。さらに必要であれば、適当な有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、モノマーを析出させる再沈澱処理を繰り返してもよい。再沈澱処理の際には、メカニカルスターラー等で、効率よく撹拌しながら行うことが好ましい。再沈澱処理の際にポリエーテルを溶解させる溶剤は、ポリエーテル1当量に対して、1〜100当量、好ましくは2〜50当量の範囲で用いられる。また、貧溶剤はポリエーテル1当量に対して、1〜1000当量、好ましくは10〜500当量の範囲で用いられる。さらに、上記反応において、モノマーを2種以上、好ましくは2〜5種、さらに好ましくは2〜3種用いることにより、共重合ポリマーの合成も可能である。異種のモノマーを共重合することによって、電気特性、成膜性、溶解性および蛍光特性を制御することができる。
ポリエーテルの重合度は、低すぎると成膜性に劣り、強固な膜が得られにくく、また、高すぎると溶剤への溶解度が低くなり、加工性が悪くなるため、5〜5000の範囲に設定され、好ましくは10〜3000、より好ましくは15〜1000の範囲である。
ポリマーの末端は、モノマーと同様にヒドロキシル基、すなわち末端基が水素原子であってよいが、溶解性、成膜性、モビリティー等のポリマー物性に影響を及ぼす場合には、末端基を修飾し物性を制御することができる。
例えば、末端のヒドロキシル基を、硫酸アルキル、ヨウ化アルキル等でアルキルエーテル化することができる。具体的な試薬としては、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等から任意に選ぶことができ、末端のヒドロキシル基に対し1〜3当量、好ましくは1〜2当量の範囲で用いる。その際、塩基触媒を用いることができるが、塩基触媒として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウム金属等から任意に選ぶことができ、末端のヒドロキシル基に対し0.1〜3当量、好ましくは1〜2当量の範囲で用いる。反応温度は、0℃から使用する溶剤の沸点の間で行うことができる。また、その際用いる溶剤として、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の不活性溶剤から選んだ単独溶剤、あるいは2〜3種の混合溶剤が使用できる。また、反応によっては、相間移動触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイド等の第4級アンモニウム塩を使用することもできる。
また、末端のヒドロキシル基に酸ハロゲン化物を用いアシル化して、末端基をアシル基にすることもできる。酸ハロゲン化物は特に限定するものではないが、例えばアクリロイルクロリド、クロトノイルクロリド、メタクリロイルクロリド、n−ブチルクロリド、2−フロイルクロリド、ベンゾイルクロリド、シクロヘキサンカルボニルクロリド、エナンチルクロリド、フェニルアセチルクロリド、o−トルオイルクロリド、m−トルオイルクロリド、p−トルオイルクロリド等があげられ、末端のヒドロキシル基に対し1〜3当量、好ましくは1〜2当量の範囲で用いる。
その際、塩基触媒を用いることができるが、塩基触媒としては、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等から任意に選ぶことができ、酸クロリドに対し1〜3当量、好ましくは1〜2当量の範囲で用いる。その際用いる溶剤として、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等があげられる。反応は、0℃から溶剤の沸点の間で行うことができる。好ましくは、0℃から30℃の範囲で行う。
さらに、無水酢酸等の酸無水物を用いてもアシル化することができる。溶剤を用いる場合は、具体的には、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の不活性溶剤を使用することができる。反応は、0℃から溶剤の沸点の間で行うことができる。好ましくは、40℃から溶剤の沸点の間で行えばよい。
そのほか、モノイソシアネートを用い、末端にウレタン残基(−CONH−R′)を導入することができる。
具体的なモノイソシアネートとしては、イソシアン酸ベンジルエステル、イソシアン酸n−ブチルエステル、イソシアン酸t−ブチルエステル、イソシアン酸シクロヘキシルエステル、イソシアン酸2,6−ジメチルエステル、イソシアン酸エチルエステル、イソシアン酸イソプロピルエステル、イソシアン酸2−メトキシフェニルエステル、イソシアン酸4−メトキシフェニルエステル、イソシアン酸n−オクタデシルエステル、イソシアン酸フェニルエステル、イソシアン酸i−プロピルエステル、イソシアン酸m−トリルエステル、イソシアン酸p−トリルエステル、イソシアン酸1−ナフチルエステル等から任意に選ぶことができ、末端のヒドロキシル基に対し1〜3当量、好ましくは1〜2当量の範囲で用いる。その際用いる溶剤として、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等をあげることができる。反応温度は、0℃から使用溶剤の沸点の間で行うことができる。反応が進みにくい場合は、ジラウリン酸ジブチルスズ(II)、オクチル酸スズ(II)、ナフテン酸鉛等の金属化合物、あるいはトリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン等の3級アミンを触媒として添加することもできる。
次に、本発明の有機電界発光素子の層構成について詳記する。
本発明の有機電界発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、前記一対の電極間に挾持された発光層を含む一つ又は複数の有機化合物層と、から構成されるものであり、前記有機化合物層に上記に説明したような電荷輸送性ポリエーテルが含まれるものであればその層構成は特に限定されない。
本発明の有機電界発光素子において、有機化合物層が単層の場合は、有機化合物層が電荷輸送機能を持つ発光層を意味し、この電荷輸送機能を持つ発光層が前記電荷輸送性ポリエーテルを含有する。
一方、有機化合物層が複数層構成の場合(即ち、各層が異なる機能を有する機能分離型の場合)は、少なくともいずれか一層が発光層からなり、この発光層は電荷輸送機能を持つ発光層であってもよい。この場合、前記発光層あるいは前記電荷輸送機能を持つ発光層と、その他の層からなる層構成の具体例としては、発光層と、電子輸送層及び/又は電子注入層と、から構成される層構成(1)、正孔輸送層及び/又は正孔注入層と、発光層と、電子輸送層及び/又は電子注入層と、から構成される層構成(2)、正孔輸送層及び/又は正孔注入層と、発光層と、から構成される層構成(3)が挙げられ、これら層構成(1)〜(3)の発光層及び電荷輸送機能を持つ発光層以外の層は電荷輸送層や電荷注入層としての機能を有する。
なお、層構成(1)〜(3)のいずれの層構成においても、いずれか一層に前記電荷輸送性ポリエーテルが含まれていればよいが、発光層又は電荷輸送機能を持つ発光層に前記電荷輸送性ポリエーテルを含有させるのが好ましい。
また、電荷輸送機能を持つ発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層は、前記電荷輸送性ポリエーテル以外の電荷輸送性化合物(正孔輸送材料、電子輸送材料)を更に含んでもよい。このような電荷輸送性化合物の詳細については、後述する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の有機電界発光素子をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1〜図4は、本発明の有機電界発光素子の層構成を説明するための模式的断面図であって、図1、図2、図4の場合は、有機化合物層が複数層からなる場合の一例であり、図3の場合は,有機化合物層が1つの層からなる場合の例を示したものである。なお、図1〜図4において、同様の機能を有するものは同じ符号を付して説明する。
図1に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、発光層4、電子輸送層及び/又は電子注入層5、背面電極7がこの順に積層されたものである。但し、符号5で示される層が、電子輸送層及び電子注入層からなる場合には、発光層4の背面電極7側に、電子輸送層、電子注入層、背面電極7がこの順に積層される。
図2に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、正孔輸送層及び/又は正孔注入層3、発光層4、電子輸送層及び/又は電子注入層5、背面電極7がこの順に積層されたものである。但し、符号3で示される層が、正孔輸送層及び正孔注入層からなる場合には、透明電極2の背面電極7側に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層4がこの順に積層される。また、符号5で示される層が、電子輸送層及び電子注入層からなる場合には、発光層4の背面電極7側に、電子輸送層、電子注入層、背面電極7がこの順に積層される。
図3に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、電荷輸送機能を持つ発光層6、背面電極7がこの順に積層されたものである。
図4に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、正孔輸送層及び/又は正孔注入層3、発光層4、背面電極7がこの順に積層されたものである。但し、符号3で示される層が、正孔輸送層及び正孔注入層からなる場合には、透明電極2の背面電極7側に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層4がこの順に積層される。
以下、各々を詳しく説明する。
図1から図4に示される有機電界発光素子の層構成の場合、透明絶縁体基板1は、発光を取り出すため透明なものが好ましく、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられる。当該透明とは、可視領域の光の透過率が10%以上であることを意味し、更に透過率が75%以上であることが好ましい。透明電極2は、透明絶縁体基板と同様に発光を取り出すため透明であって、かつ正孔の注入を行うため仕事関数の大きなものが良く、仕事関数が4eV以上のものが好ましい。
具体例として、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛等の酸化膜、及び蒸着或いはスパッタされた金、白金、パラジウム等が用いられる。電極のシート抵抗は、低いほど望ましく、数百Ω/□以下が好ましく、さらには100Ω/□以下がより好ましい。また、透明絶縁体基板同様に、可視領域の光の透過率が10%以上で、更に透過率が75%以上であることが好ましい。
また、有機電界発光素子の耐久性向上或いは発光効率の向上を目的として、本発明に用いられる電荷輸送性ポリエーテルに対して正孔移動度を調節するための前記電荷輸送性ポリエーテル以外の正孔輸送材料を0.1質量%ないし50質量%の範囲で混合分散して形成されてもよい。このような正孔輸送材料としては、テトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、アリールヒドラゾン誘導体、ポルフィリン系化合物が挙げられるが、電荷輸送性ポリエーテルとの相溶性が良いことから、テトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体が好ましい。
また、同様に、電子移動度を調整する場合は、電荷輸送性ポリエーテルに対して電子輸送材料を0.1質量%から50質量%の範囲で混合分散して形成されてもよい。このような電子輸送材料として、オキサジアゾール誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、シロール誘導体、キレート型有機金属錯体、多核又は縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、トリアゾール誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体等が挙げられる。
また、正孔移動度及び電子移動度の両方の調整が必要な場合は、前記電荷輸送性ポリエーテルに正孔輸送材料及び電子輸送材料の両方を一緒に混在させてもよい。
さらに、成膜性の向上、ピンホール防止等のため、適切な樹脂(ポリマー)、添加剤を加えても良い。具体的な樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂等を用いることができる。また、添加剤としては、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を用いることができる。
また、電荷注入性を向上させる場合は、正孔注入層及び/又は電子注入層を用いる場合があるが、正孔注入材料としては、フェニレンジアミン誘導体、フタロシアニン誘導体、インダンスレン誘導体、ポリアルキレンジオキシチオフェン誘導体等が用いられる。また、これらには、ルイス酸、スルホン酸等を混合してもよい。電子注入材料としては、Li、Ca、Sr等の金属やLiF、MgF2等の金属フッ化物、MgO、Al23、LiO等の金属酸化物が用いられる。
また、前記電荷輸送性ポリエーテルを発光機能以外で用いる場合は、発光性化合物を発光材料として用いる。発光材料としては、固体状態で高い発光量子効率を示す化合物を用いる。発光材料は、低分子化合物又は高分子化合物どちらでもよく、有機低分子である場合の好適な例としては、キレート型有機金属錯体、多核又は縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体等が、高分子の場合、ポリパラフェニレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアセチレン誘導体等が用いられる。好適な具体例として、下記の発光材料(IV−1)から(IV−17)が用いられるが、これらに限られるものではない。なお、発光材料(IV−13)から(IV−17)中、Vは前記示した官能基、n及びgは1又は2以上の整数を示す。
Figure 2006100768
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また、素子の耐久性の向上あるいは発光効率の向上を目指して、上記発光材料又は前記電荷輸送性ポリエーテルの中にゲスト材料として発光材料とはことなる色素化合物をドーピングしてもよい。色素化合物のドーピングの割合としては0.001質量%〜40質量%程度、好ましくは0.001質量%〜10質量%程度である。このようなドーピングに用いられる色素化合物としては、発光材料及び電荷輸送性ポリエーテルとの相容性が良く、かつ発光層の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物が用いられ、好適にはクマリン誘導体、DCM誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体、ポルフィリン誘導体、Ir、Eu、Ptなどの金属錯体化合物等が用いられる。好適な具体例として、下記の色素化合物(V−1)〜(V−6)があげられるが、これらに限られるものではない。
Figure 2006100768
図1から図4に示される有機電界発光素子の層構成の場合、背面電極7には、真空蒸着可能で、電子注入を行うため仕事関数の小さな金属、金属酸化物、金属フッ化物等が使用される。金属としてはマグネシウム、アルミニウム、金、銀、インジウム、リチウム、カルシウム及びこれらの合金が挙げられる。金属酸化物としては、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化スズインジウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛等が挙げられる。また、金属フッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムが挙げられる。また、背面電極7上には、さらに水分や酸素による有機電界発光素子の劣化を防ぐために保護層を設けてもよい。
具体的な保護層の材料としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al等の金属、MgO、SiO2、TiO2等の金属酸化物、ポリエチレン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂が挙げられる、保護層の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ重合法、CVD法、コーテング法が適用できる。
これら図1から図4に示される有機電界発光素子は、まず透明電極2の上に各有機電界発光素子の層構成に応じた個々の層を順次形成することにより作製される。
正孔輸送層及び/又は正孔注入層3、発光層4、電子輸送層及び/又は電子注入層5、並びに、電荷輸送機能を持つ発光層6の膜厚は、各々10μm以下、特に0.001から5μmの範囲であることが好ましい。上記各材料(前記電荷輸送性ポリエーテル、発光材料等)の分散状態は分子分散状態でも微結晶などの微粒子状態でも構わない。塗布液を用いた成膜法の場合、分子分散状態とするために分散溶媒は上記各材料の分散性及び溶解性を考慮して選択する必要がある。微粒子状に分散するためには、ボールミル、サンドミル、ペイントシャイカー、アトライター、ホモジナイザー、超音波法等が利用できる。
有機化合物層である正孔輸送層及び/又は正孔注入層3、発光層4、電子輸送層及び/又は電子注入層5、或いは、電荷輸送機能を持つ発光層6は、上記各材料を真空蒸着法、若しくは、適切な有機溶媒に溶解或いは分散し、得られた有機化合物層用塗布液を用いて前記透明電極上にスピンコーティング法、インクジェット法、キャスト法、ディップ法等により塗布し、乾燥することにより形成される。
本発明の有機電界発光素子の製造方法においては、有機化合物層用塗布液をインクジェット法により塗布する塗布工程を少なくとも有することが好ましい。すなわち、インクジェットプリンターに利用されているインクジェット記録による画像形成技術を、有機化合物層の形成に利用することができる。
インクジェット法を用いる場合、インクの代わりに、有機化合物層用塗布液を用いて、液滴吐出ヘッドのノズルから液滴状の有機化合物層用塗布液を吐出させることによって、基板上の所望の位置に所望の膜厚・形状の有機化合物層を形成することができる。
また、液滴吐出ヘッドとしても、基本的な構成や原理は、インクジェットプリンターに用いられている記録ヘッドと同様のものが利用できる。すなわち、有機化合物層用塗布液に圧力や熱等の外部刺激を付与することによって、有機化合物層用塗布液をノズルから液滴状に吐出する方法(いわゆる圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式、熱沸騰現象を利用した熱インクジェット方式等)が利用できる。
しかしながら、本発明の有機電界発光素子の製造に際しては、外部刺激は熱よりも圧力であることがより好ましい。外部刺激が熱である場合には、有機化合物層用塗布液のノズルからの吐出から、基板上へ着弾した有機化合物層用塗布液の溶媒の揮発による塗膜の形成(固化)というインクジェット印刷プロセスにおいて、有機化合物層用塗布液の粘度が熱によって大きく変化してしまうため、レベリング性やパターニング精度の制御が困難になる場合がある。これに加えて、耐熱性に劣る電荷輸送性ポリエーテルが利用できなくなり、材料選択肢が狭くなってしまう場合がある。
また、インクジェット法を利用した本発明の有機電界発光素子の製造に用いられる装置としては、上述した液滴吐出ヘッドの他に、必要に応じて、例えば、有機電界発光素子を形成する対象である基板等の固定あるいは搬送手段や、液滴吐出ヘッドを基板平面方向に対して走査する液滴吐出ヘッド走査手段等を有していてもよい。
なお、有機化合物層用塗布液は、その組成や物性は特に限定されるものではないが、有機化合物層用塗布液の粘度は、25℃において0.01〜1000cpsの範囲内であることが好ましく、1〜100cpsの範囲内であることが好ましい。
粘度が0.01cps未満である場合には、基板上に着弾した有機化合物層用塗布液が、基板平面方向に広がり易く、膜厚の制御が困難となったり、パターニング精度が劣化してしまう場合がある。また、粘度が1000cpsを超える場合には、有機化合物層用塗布液の粘性が高すぎるために吐出不良を起こしやすくなる場合がある。
なお、有機化合物層用塗布液の粘度は、電荷輸送性ポリエーテルや、必要に応じて添加されるその他の添加剤成分の含有量や、電荷輸送性ポリエーテルの分子量等を制御することによって、所望の値に調整することができる。
<画像表示媒体>
本発明の画像表示媒体は、本発明の有機電界発光素子を、マトリクス状及び/又はセグメント状に配置したことを特徴とする。本発明において有機電界発光素子をマトリクス状に配置する場合、電極のみをマトリクス状に配置する態様であってもよいし、電極及び有機化合物層の両方をマトリクス状に配置する態様であってもよい。また、本発明において有機電界発光素子をセグメント状に配置する場合、電極のみをセグメント状に配置する態様であってもよいし、電極及び有機化合物層の両方をセグメント状に配置する態様であってもよい。
マトリクス状又はセグメント状の有機化合物層は、前述したインクジェット法を用いることにより容易に形成可能である。
マトリクス状の有機電界発光素子及びセグメント状の有機電界発光素子の駆動装置及び駆動方法としては、従来公知のものを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。だだし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
透明絶縁基板上に形成されたITO(三容真空社製)を短冊状のフォトマスクを用いてフォトリソグラフィによりパターニングし、さらにエッチング処理することにより短冊状のITO電極(幅2mm)を形成した。次に、このITOガラス基板を中性洗剤、超純水、アセトン(電子工業用、関東化学製)およびイソプロパノール(電子工業用、関東化学製)で超音波を各5分間加えて洗浄した後、スピンコーターで乾燥させた。
電荷輸送性ポリエーテル〔例示化合物(4)〕の5質量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した後、ディップ法により前記基板に正孔輸送層として厚さ0.050μmの薄膜を形成した。発光材料として前記例示化合物(IV−1)を蒸着して、厚さ0.055μmの発光層を形成した。続いて短冊状の穴が設けられている金属性マスクを用いて、最後にこのマスクを設置してMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cm2であった。
(実施例2)
電荷輸送性ポリエーテル〔例示化合物(6)〕1質量部、ポリ(N−ビニルカルバゾール)4質量部及び前記例示化合物(IV−1)0.005質量部のジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、実施例1同様にエッチング、洗浄したITOガラス基板に、スピンコーター法により発光層として膜厚約0.15μmの薄膜を形成した。充分乾燥させた後、LiFを0.0008μm、Alを0.15μmづつ順次蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cm2であった。
(実施例3)
実施例1同様にエッチング、洗浄したITOガラス基板に、正孔輸送層として、電荷輸送性ポリエーテル〔例示化合物(7)〕からなる厚さ0.050μmの薄膜を形成した。発光層として前記例示化合物(IV−1)と前記例示化合物(V−1)と(質量比100:1)を厚さ0.065μm、電子輸送層として前記例示化合物(IV−9)を厚さ0.030μmで形成した。続いてLiFを0.0008μm、Alを0.15μmづつ順次蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cm2であった。
(実施例4)
実施例1と同様にエッチング、洗浄したITOガラス基板に、正孔輸送層として電荷輸送性ポリエーテル〔例示化合物(9)〕からなる厚さ0.050μmの薄膜をインクジェット法により形成した。発光層として前記例示化合物(IV−17)(具体的には、poly(9,9-dioctylfluorene-co-bithiophene)、重量平均分子量75000)と前記例示化合物(V−5)と(質量比100:1)を厚さ0.065μmでスピンコーター法により形成した。充分乾燥させた後、Caを厚さ0.08μm、Alを厚さ0.15μmに蒸着して、2mm幅、合計0.23μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cm2であった。
(実施例5)
実施例2で用いた例示化合物(6)の代わりに例示化合物(11)を用いた以外は、実施例2と同にして有機電界発光素子を作製した。
(実施例6)
実施例1で用いた例示化合物(4)の代わりに例示化合物(13)を用いた以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(実施例7)
実施例1で用いた例示化合物(4)の代わりに例示化合物(21)を用いた以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(実施例8)
実施例1で用いた例示化合物(4)の代わりに例示化合物(42)を用いた以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
(実施例9)
電荷輸送性ポリエーテル〔例示化合物(4)〕1.5質量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、実施例1と同様にエッチング、洗浄したITOガラス基板に、インクジェット法により膜厚約0.05μmの薄膜を形成した。発光材料として前記例示化合物(IV−14)(n=8、重量平均分子量30000)を用い、インクジェット法により厚さ0.050μmの発光層を形成した。充分乾燥させた後、Caを厚さ0.08μm、Alを厚さ0.15μmに蒸着して、2mm幅、合計0.23μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cm2であった。
(比較例1)
上記実施例1で用いた例示化合物(4)の代わりに下記構造式(VI)で示される化合物を用いた他は実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
Figure 2006100768
(比較例2)
電荷輸送性ポリマーとしてポリビニルカルバゾール(PVK)を2質量部、発光材料として前記例示化合物(IV−1)を0.1質量部、電子輸送材料として前記化合物(IV−9)を1質量部混合し、10質量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板上に、ディップ法により塗布して膜厚0.15μmのホール輸送層を形成した。十分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cm2であった。
以上のように作製した有機電界発光素子を、真空中(133.3×10-3Pa)でITO電極側をプラス、背面電極側をマイナスとして直流電圧を印加し、発光について測定を行い、このときの最高輝度、及び発光色を評価した。それらの結果を表134に示す。また、乾燥窒素中で有機電界発光素子の発光寿命の測定を行った。発光寿命の評価は、初期輝度が100cd/m2となるように電流値を設定し、定電流駆動により輝度が初期値から半減するまでの時間を素子寿命(hour)とした。この時の駆動電流密度を素子寿命と共に表134に示す
Figure 2006100768
表134から、本発明に係る電荷輸送性ポリエーテルを用いることにより、熱耐久性、高輝度、高効率を実現でき、且つ素子寿命を長くすることができることがわかる。
本発明の有機電界発光素子の層構成の一例を示した概略構成図である。 本発明の有機電界発光素子の層構成の一例を示した概略構成図である。 本発明の有機電界発光素子の層構成の一例を示した概略構成図である。 本発明の有機電界発光素子の層構成の一例を示した概略構成図である。
符号の説明
1 透明絶縁体基板
2 透明電極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 電荷輸送機能を持つ発光層
7 背面電極

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極と、前記一対の電極間に挾持された一つ又は複数の有機化合物層と、から構成される有機電界発光素子であって、
    前記有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも一種含有することを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2006100768
    (一般式(I−1)及び(I−2)中、Xは、置換若しくは未置換の2価のベンゼン環、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の多核芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の縮合芳香族炭化水素又は置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環を表し、mは0〜3の整数を表し、kは0又は1を表し、Tは炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表す。Arは、下記一般式(II−1)又は(II−2)で表される置換基を表す。)
    Figure 2006100768
    (一般式(II−1)又は(II−2)中、Ar1は、置換若しくは未置換の2価のベンゼン環、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の多核芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の芳香環数2〜10の2価の縮合芳香族炭化水素、置換若しくは未置換の2価の芳香族複素環を表し、R1及びR2は各々独立に水素原子、アルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、置換アミノ基、置換若しくは未置換のアリール基又は置換若しくは未置換のアラルキル基を表す。q及びrは各々独立に0〜10の整数を表す。)
  2. 前記有機化合物層が、少なくとも、発光層と、電子輸送層及び/又は電子注入層とから構成され、前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記有機化合物層が、少なくとも、発光層と、正孔輸送層及び/又は正孔注入層とから構成され、前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記有機化合物層が、少なくとも、発光層と、正孔輸送層及び/又は正孔注入層と、電子輸送層及び/又は電子注入層とから構成され、前記発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記有機化合物層が、電荷輸送機能を持つ発光層のみから構成され、前記電荷輸送機能を持つ発光層が、前記電荷輸送性ポリエーテルを少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記電荷輸送性ポリエーテルが、下記一般式(III−1)で示されるポリエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006100768
    (一般式(III−1)中、A1は前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される構造から選択された少なくとも一種を表し、pは5〜5000の整数を表す。)
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子の製造方法であって、
    前記有機化合物層の構成成分を溶媒中に溶解させた有機化合物層用塗布液をインクジェット法により塗布する塗布工程を少なくとも有する有機電界発光素子の製造方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を、マトリクス状及び/又はセグメント状に配置したことを特徴とする画像表示媒体。
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