JP2006100386A - 静電気保護回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速かつ確実に動作する静電気保護回路を提供することを課題とする。
【解決手段】 外部電源端子(VD)と、外部接地端子(VS)と、第1の外部信号端子(A1)と、ソース及びドレインがそれぞれ外部電源端子及び第1の外部信号端子に接続される第1のp型電界効果トランジスタ(P101)と、ソース及びドレインがそれぞれ外部接地端子及び第1の外部信号端子に接続される第1のn型電界効果トランジスタ(N101)と、静電気検知回路(111)とを有する静電気保護回路が提供される。静電気検知回路は、外部電源端子及び外部接地端子に接続され、静電気を検知しないときは第1のp型電界効果トランジスタ及び第1のn型電界効果トランジスタをオフし、静電気を検知すると第1のp型電界効果トランジスタ及び第1のn型電界効果トランジスタをオンする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静電気保護回路に関し、特に外部電源端子、外部接地端子及び外部信号端子に接続される静電気保護回路に関する。
静電気保護回路は、半導体入出力回路であり、静電気による内部回路の破壊を防止するための回路である。下記の非特許文献1には、ESD(Electrostatic Discharge:静電放出)保護回路が記載されている。また、下記の特許文献1の図1には、n型MOS電界効果トランジスタM1のゲートが1個のインバータ18を介して電源電圧に接続され、p型MOS電界効果トランジスタM2のゲートが2個のインバータ18を介して電源電圧に接続されるアドレス信号入力ESD構成体が記載されている。
ESD in Silicon Integrated Circuits Second Edition, Ajith Amerasekera, Charvaka Duvvury et. al., P112〜P116, JOHN WILEY & SONS,LTD, 2002 特開平6−216328号公報
本発明の目的は、高速かつ確実に動作する静電気保護回路を提供することである。
本発明の一観点によれば、外部電源端子と、外部接地端子と、第1の外部信号端子と、ソース及びドレインがそれぞれ外部電源端子及び第1の外部信号端子に接続される第1のp型電界効果トランジスタと、ソース及びドレインがそれぞれ外部接地端子及び第1の外部信号端子に接続される第1のn型電界効果トランジスタと、静電気検知回路とを有する静電気保護回路が提供される。静電気検知回路は、外部電源端子及び外部接地端子に接続され、静電気を検知しないときは第1のp型電界効果トランジスタ及び第1のn型電界効果トランジスタをオフし、静電気を検知すると第1のp型電界効果トランジスタ及び第1のn型電界効果トランジスタをオンする。
静電気の印加によって外部電源端子及び外部接地端子間の電位差が急激に上昇すると、静電気検知回路は、第1のp型電界効果トランジスタ及び第1のn型電界効果トランジスタがオンになるように制御する。これにより、電荷が外部電源端子又は外部接地端子に放出される。静電気検知回路は、第1のp型又はn型電界効果トランジスタのpn接合のブレークダウン電圧を越える前の低電圧(トランジスタ閾値電圧)で、第1のp型及びn型電界効果トランジスタをオンするので、高速にかつ確実に静電気保護回路が動作する。また、静電気の印加によって第1のp型及びn型電界効果トランジスタがオンとなるため、それらのドレインに電流集中を防ぐための抵抗を接続する必要がなくなる。これにより、回路面積や寄生容量の低減が可能となり、内部回路の集積化や高速化に寄与することができる。
図15は、静電気(ESD)保護回路の構成例を示す回路図である。半導体装置は、外部電源端子VD、外部接地端子VS及び外部信号端子A1を有する。外部信号端子A1は、内部回路1510に接続される。外部電源端子VD、外部接地端子VS又は外部信号端子A1から静電気が入力されたときに、内部回路1510の破壊を防止するために静電気保護回路が設けられる。
次に、静電気保護回路の構成を説明する。n型(nチャネル)MOS(metal-oxide semiconductor)電界効果トランジスタN1501は、ゲート及びソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが抵抗R1501を介して外部信号端子A1に接続される。以下、MOS電界効果トランジスタを、MOSトランジスタという。p型(pチャネル)MOSトランジスタP1501は、ゲート及びソースが外部電源端子VDに接続され、ドレインが抵抗R1502を介して外部信号端子A1に接続される。n型MOSトランジスタN1502は、ゲート及びソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部電源端子VDに接続される。
静電気保護回路を含む半導体装置がボード(回路基板)に搭載されると、外部電源端子VDは電源電位に接続され、外部接地端子VSは接地電位に接続され、通常動作する。p型MOSトランジスタP1501は、ゲートに電源電位が供給されるので、オフする。n型MOSトランジスタN1501及びN1502は、ゲートに接地電位が供給されるので、オフする。内部回路1510は、外部信号端子A1に対して信号を入力又は出力することができる。
図16は、図15のn型MOSトランジスタN1501及びp型MOSトランジスタP1501の半導体装置の断面図である。p型ウェル1621及びn型ウェル1622は、半導体基板(例えばシリコン基板)の表面に設けられる。
p型ウェル1621内には、p+型領域1601及びn+型領域1602,1603が設けられる。n+型領域1602はソースであり、n+型領域1603はドレインであり、p+型領域1601はバックゲートである。ソース1602及びドレイン1603間のチャネル上には、ゲート絶縁膜1604を介してゲート1605が設けられる。これらは、n型MOSトランジスタN1501を構成する。ゲート1605、ソース1602及びバックゲート1601は、外部接地端子VSに接続される。ドレイン1603は、コンタクトによる抵抗を介して外部信号端子A1に接続される。
n型ウェル1622内には、n+型領域1611及びp+型領域1612,1613が設けられる。p+型領域1612はソースであり、p+型領域1613はドレインであり、n+型領域1611はバックゲートである。ソース1612及びドレイン1613間のチャネル上には、ゲート絶縁膜1614を介してゲート1615が設けられる。これらは、p型MOSトランジスタP1501を構成する。ゲート1615、ソース1612及びバックゲート1611は、外部電源端子VDに接続される。ドレイン1613は、コンタクトによる抵抗を介して外部信号端子A1に接続される。
この半導体装置は、寄生バイポーラトランジスタT1701及びT1702を有する。npn型バイポーラトランジスタT1701は、コレクタがドレイン1603に対応し、エミッタがソース1602に対応する。バイポーラトランジスタT1701のベースは、p型ウェル1621内の抵抗R1701を介して外部接地端子VSに接続される。pnp型バイポーラトランジスタT1702は、コレクタがドレイン1613に対応し、エミッタがソース1612に対応する。バイポーラトランジスタT1702のベースは、n型ウェル1622内の抵抗R1702を介して外部電源端子VDに接続される。
外部端子VD,VS又はA1に静電気が印加されると、寄生バイポーラトランジスタT1701及びT1702が動作する。すなわち、静電気印加時には、図15の回路は、図17の等価回路で表される。
図17は、図15の静電気保護回路が保護動作を行う際の等価回路図である。npn型バイポーラトランジスタT1701は、ベースが抵抗R1701を介して外部接地端子VSに接続され、エミッタが外部接地端子VSに接続され、コレクタが抵抗R1501を介して外部信号端子A1に接続される。pnp型バイポーラトランジスタT1702は、ベースが抵抗R1702を介して外部電源端子VDに接続され、エミッタが外部電源端子VDに接続され、コレクタが抵抗R1502を介して外部信号端子A1に接続される。npn型バイポーラトランジスタT1703は、ベースが抵抗R1703を介して外部接地端子VSに接続され、エミッタが外部接地端子VSに接続され、コレクタが外部電源端子VDに接続される。内部回路1510は、外部信号端子A1に接続される。
静電気保護回路を含む半導体装置は、ボードに搭載される前、外部端子VD、VS及びA1がオープン状態であり、この際に内部回路1510を静電気から保護することが主な目的である。外部接地端子VSを基準にして外部信号端子A1に正の高電圧の静電気が印加されると、図15のn型MOSトランジスタN1501のドレイン及びバックゲートのpn接合のブレークダウンが生じ、図17のnpn型バイポーラトランジスタT1701がオンになる。静電気は、外部信号端子A1から外部接地端子VSに放出することができ、内部回路1510を保護することができる。
同様に、外部電源端子VDを基準にして外部信号端子A1に負の高電圧の静電気が印加されると、図15のp型MOSトランジスタP1501のドレイン及びバックゲートのpn接合のブレークダウンが生じ、図17のpnp型バイポーラトランジスタT1702がオンになる。静電気は、外部電源端子VDから外部信号端子A1に放出することができ、内部回路1510を保護することができる。
同様に、外部接地端子VSを基準にして外部電源端子VDに正の高電圧の静電気が印加されると、図15のn型MOSトランジスタN1502のドレイン及びバックゲートのpn接合のブレークダウンが生じ、図17のnpn型バイポーラトランジスタT1703がオンになる。静電気は、外部電源端子VDから外部基準端子VSに放出することができ、内部回路1510を保護することができる。
また、静電気保護機能を高めるために、複数のMOSトランジスタN1501を並列に接続し、大きな電流を流すことができるようにする。静電気が印加されると、複数のMOSトランジスタN1501のうちのいずれか1つがまず最初にブレークダウンする。その後、他のMOSトランジスタN1501もブレークダウンさせるために、抵抗R1501を設け、最初のブレークダウン後も外部信号端子A1が所定期間高電圧を維持するようにする。抵抗R1501の働きにより、複数のMOSトランジスタN1501がブレークダウンし、npn型バイポーラトランジスタT1701としてオンさせることができる。また、同様に、複数のMOSトランジスタP1501をブレークダウンさせるために、抵抗R1502を必要とする。
以上のように、図15の回路においてMOSトランジスタN1501,P1501,N1502を不通状態にし、pn接合のブレークダウン電圧を越えた時点で、図17の等価回路図で示される回路で動作する。すなわち、MOSトランジスタのソースをエミッタ、バックゲートをベース、ドレインをコレクタとして動作する寄生バイポーラトランジスタの動作を期待し、かつドレインに抵抗を挿入して寄生バイポーラトランジスタの動作を制御することによって保護している。
さらに、図15において、外部信号端子A1に対する静電気の電荷集中を低減させるために、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間にクランプ素子N1502を使用する。例えば、外部接地端子VSを基準にして外部信号端子A1へ正の電荷を印加した場合、外部信号端子A1及び外部接地端子VS間のn型MOSトランジスタN1501が寄生バイポーラトランジスタT1701として動作をする他に、外部信号端子A1の電位が上がり、外部信号端子A1及び外部電源端子VD間のp型MOSトランジスタP1501のドレイン及びバックゲート間のpn接合を介してクランプ素子N1502へ電流が流れる。クランプ素子N1502は、寄生バイポーラトランジスタT1703として動作することにより、n型MOSトランジスタN1501に対する電流集中を軽減させることができる。
しかし、n型MOSトランジスタN1501のドレイン及びバックゲート間、又はp型MOSトランジスタP1501のバックゲート及びドレイン間の電圧がpn接合のブレークダウン電圧を越えると、瞬間的にソース及びドレイン間に電流が流れる。この時、ソースとバックゲートの間にはウェルの抵抗によって電位差が生じるため、この電位差をVBEとする寄生ラテラルバイポーラトランジスタ動作を起こす。
また、一般的に静電気保護素子は、必要なトランジスタ幅を複数の小トランジスタの並列接続によって確保する。この際、複数の小トランジスタの一部が寄生バイポーラトランジスタ動作を起こすと、ドレイン及びバックゲート間の電圧が一定電圧まで降下する。そのため、複数の小トランジスタの内最初に寄生バイポーラトランジスタ動作を起こしたトランジスタしか導通状態にならない。結果として導通しているトランジスタに電流が集中するため容易に破壊してしまう。この電流集中による破壊を防止するために静電気保護素子のドレイン部に抵抗を設置している。
ドレイン部に抵抗を設置することで、一部の小トランジスタのみが導通してもそのトランジスタで多くの電流を流しすぎる前に他の導通していないトランジスタのドレイン及びバックゲート間の電位差がブレークダウン電圧に達することで、別のトランジスタも段階的に導通状態となり、特定のトランジスタに対して電流集中を起こしにくくなる。
しかし、保護動作の開始トリガをpn接合のブレークダウンとした場合、保護素子として設置したMOSトランジスタのpn接合がブレークダウン電圧に達する前に保護対象の内部回路のMOSトランジスタが破壊してしまう恐れがある。
さらにn型MOSトランジスタの場合、ドレイン部に抵抗を入れることによって、保護素子全体の面積が増加してしまうと共に、ドレイン面積の増加によって寄生容量も増加してしまうという問題がある。
以下、上記の課題を解決するための本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による静電気保護回路の構成例を示す回路図である。半導体装置は、外部電源端子VD、外部接地端子VS及び外部信号端子(入出力端子)A1,B1,C1を有する。外部信号端子A1,B1,C1は、内部回路110に接続される。外部電源端子VD、外部接地端子VS又は外部信号端子A1,B1,C1から静電気が入力されたときに、内部回路110の破壊を防止するために静電気保護回路が設けられる。
次に、静電気保護回路の構成を説明する。n型MOSトランジスタN101は、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部信号端子A1に接続される。p型MOSトランジスタP101は、ソースが外部電源端子VDに接続され、ドレインが外部信号端子A1に接続される。n型MOSトランジスタN102は、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部信号端子B1に接続される。p型MOSトランジスタP102は、ソースが外部電源端子VDに接続され、ドレインが外部信号端子B1に接続される。n型MOSトランジスタN103は、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部信号端子C1に接続される。p型MOSトランジスタP103は、ソースが外部電源端子VDに接続され、ドレインが外部信号端子C1に接続される。
静電気検知回路111は、外部電源端子VD及び外部接地端子VSに接続され、静電気を検知しないときは出力線PCNT及びNCNTを介してp型MOSトランジスタP101,P102,P103及びn型MOSトランジスタN101,N102,N103をオフし、静電気を検知すると出力線PCNT及びNCNTを介してp型MOSトランジスタP101,P102,P103及びn型MOSトランジスタN101,N102,N103をオンする。静電気検知回路111の出力線PCNTは、p型MOSトランジスタP101,P102,P103のゲートに接続される。静電気検知回路111の出力線NCNTは、n型MOSトランジスタN101,N102,N103のゲートに接続される。
静電気保護回路を含む半導体装置がボードに搭載されると、外部電源端子VDは電源電位に接続され、外部接地端子VSは接地電位に接続され、通常動作する。p型MOSトランジスタP101,P102,P103は、ゲートに電源電位が供給されるので、オフする。n型MOSトランジスタN101,N102,N103は、ゲートに接地電位が供給されるので、オフする。内部回路110は、外部信号端子A1,B1,C1に対して信号を入力又は出力することができる。
外部接地端子VSを基準にして外部信号端子A1に正電荷の静電気パルスを印加した場合、外部信号端子A1の電位は外部接地端子VSに対して上昇する。それと共に、p型MOSトランジスタP101のドレイン及びバックゲート間で構成されるpn接合を介して外部電源端子VDの電位も上昇する。このpn接合には、順方向電圧が印加される。
これによって、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間に急激な電位差が生じると、静電気検知回路111が作動して、出力線PCNTにローレベル(低電位)を出力し、出力線NCNTにハイレベル(高電位)を出力する。n型MOSトランジスタN101がオン(導通状態)となり、電流I121が流れ、外部信号端子A1の電荷を外部接地端子VSへ放出することができる。
静電気検知回路111は、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間に接続され、かつ全ての外部信号端子A1,B1,C1の保護素子P101〜P103,N101〜N103を制御しているため、上記動作中においては、n型MOSトランジスタN101のみでなく、外部信号端子B1,C1の保護素子、すなわちn型MOSトランジスタN102,N103およびp型MOSトランジスタP102,P103もオンとなり、電流I122及びI123が流れ、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間でも電荷を放出することができる。
以上の動作は、外部信号端子B1,C1に静電気を印加した場合でも同様である。任意の外部信号端子A1,B1,C1に静電気を印加した際、印加した外部信号端子A1に設置した保護用MOSトランジスタP101,N101のみでなく、印加した外部信号端子A1以外の外部信号端子B1,C1についても保護用MOSトランジスタP102,N102,P103,N103がオンになることにより、外部電源端子VDと外部接地端子VS間にも電流パスI122,I123を確保して印加端子A1に繋がる内部回路110を保護することができる。
外部電源端子VDを基準にして外部信号端子A1に負電荷の静電気パルスを印加した場合、外部信号端子A1の電位は外部電源端子VDに対して下降する。それと共に、n型MOSトランジスタN101のドレイン及びバックゲート間で構成されるpn接合を介して外部接地端子VSの電位も下降する。これによって、前述と同様に、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間に急激な電位差が生じるため保護動作が起きる。すなわち、静電気検知回路111は、静電気を検知し、MOSトランジスタP101〜P103,N101〜N103をオンにする。
上記以外の静電気印加のケースを説明する。外部接地端子VSを基準にして外部信号端子A1に負電荷の静電気パルスを印加した場合は、n型MOSトランジスタN101がpnジャンクション(接合)ダイオードとして動作することにより、外部接地端子VSから外部信号端子A1に電流が流れ、内部回路110を保護することができる。
また、外部電源端子VDを基準にして外部信号端子A1に正電荷の静電気パルスを印加した場合は、p型MOSトランジスタP101がpnジャンクションダイオードとして動作することにより、外部信号端子A1から外部電源端子VDに電流が流れ、内部回路110を保護することができる。
本実施形態によれば、半導体装置の外部端子に対し静電気を印加した際、静電気保護を目的として設置したMOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103がオンとなることにより外部接地端子VS又は外部電源端子VDへの電流パスI121,I122,I123を確保し、内部回路110を保護することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。p型MOSトランジスタP201は、ソースが外部電源端子VDに接続され、ドレインが抵抗R214を介して外部接地端子VSに接続され、ゲートがn型MOSトランジスタN201のドレインに接続される。n型MOSトランジスタN201は、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが抵抗R213を介して外部電源端子VDに接続される。外部電源端子VD及び外部接地端子VS間には、容量C211及び抵抗R212が直列に接続される。抵抗R212は、n型MOSトランジスタN201のゲート及び外部接地端子VS間に接続される。出力線PCNTは、n型MOSトランジスタN201のドレインに接続される。出力線NCNTは、p型MOSトランジスタP201のドレインに接続される。
通常動作時には、外部電源端子VDに電源電位が供給され、外部接地端子VSに接地電位が供給される。これにより、MOSトランジスタP201及びN201はオフし、出力線PCNTはハイレベル(電源電位)になり、出力線NCNTはローレベル(接地電位)になる。したがって、図1のMOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103は、オフ(非導通状態)になる。
これに対して、外部信号端子A1に静電気が印加されると、第1の実施形態で説明したように、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間に急激な電位差変化が生じる。抵抗R212及び容量C211のRC時定数による遅延のため、n型MOSトランジスタN201のゲート電位は、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間の電位変化に対して即座に追随しないため、一時的に高電位状態となる。そのため、n型MOSトランジスタN201及びp型MOSトランジスタP201が一時的にオンとなり、n型MOSトランジスタN201のゲート電位が高い間は、出力線PCNTがローレベルになり、出力線NCNTがハイレベルになり、図1のMOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103をオンにする。これにより、MOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103を保護素子として動作させることができる。
本実施形態によれば、静電気を外部から印加した際、印加からRC時定数による一定時間の間のみ静電気保護を目的として設置したMOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103がオンとなることにより外部接地端子VS又は外部電源端子VDへの電流パスを確保し、内部回路110を保護することができる。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。図3の回路は、図2の回路に対して、容量C211の代わりにダイオード群D301を設けた点が異なる。ダイオード群D301は、複数のダイオードを直列接続し、アノードが外部電源端子VDに接続され、カソードがn型MOSトランジスタN201のゲートに接続される。外部電源端子VD及び外部接地端子VS間には、ダイオード群D301及び抵抗R212が直列に接続される。
このダイオードの直列数は通常使用時における電源電圧に対して導通状態にならないだけの数を最低限有し、静電気印加によって保護素子N101〜N103,P101〜P103のドレイン及びバックゲート間のpn接合がブレークダウンする前に導通状態となるような個数とする。例えば、このダイオードの順方向オン電圧を0.5V、電源電圧を2.7V、ブレークダウン電圧を12Vとした場合、ダイオードの直列数は6個以上23個以下となる。
この条件を満たした上で通常の動作を行うと、この直列ダイオード群D301は電源電圧では導通状態とならないため、n型MOSトランジスタN201のゲート電位は接地電位を保つが、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間の電位差が設計の値を越えると、直列ダイオード群D301が導通状態となるため、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間の電位差が設計の値を超えている間のみn型MOSトランジスタN201のゲート電位はハイレベルとなり、MOSトランジスタN201及びP201はオンになる。出力線PCNTはローレベルになり、出力線NCNTはハイレベルになり、保護素子N101〜N103,P101〜P103がオンし、保護動作をさせることができる。
本実施形態によれば、静電気を外部から印加した際、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間の電位差がダイオード群D301の順方向オン電圧による一定値を越えた場合に静電気保護を目的として設置したMOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103が導通状態となることにより外部電源端子VD又は外部接地端子VSへの電流パスを確保し、内部回路110を保護することができる。
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。図4の回路は、図3の回路に対して、ダイオード群D301の代わりにツェナーダイオードD401を設けた点が異なる。ツェナーダイオードD401は、カソードが外部電源端子VDに接続され、アノードがn型MOSトランジスタN201のゲートに接続される。外部電源端子VD及び外部接地端子VS間には、ツェナーダイオードD401及び抵抗R212が直列に接続される。
ツェナーダイオードD401は、予め設計した逆バイアス耐電圧を越えた時点で導通状態となり、MOSトランジスタN201及びP201はオンになる。出力線PCNTはローレベルになり、出力線NCNTはハイレベルになり、保護素子N101〜N103,P101〜P103がオンし、保護動作をさせることができる。
本実施形態によれば、静電気を外部から印加した際、外部電源端子VD及び外部接地端子VS間の電位差がツェナーダイオードD401の逆バイアス耐電圧による一定値を越えた場合に静電気保護を目的として設置したMOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103が導通状態となることにより外部電源端子VD又は外部接地端子VSへの電流パスを確保し、内部回路110を保護することができる。
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。図5の回路は、図2の回路に対して、容量C211及び抵抗R212の代わりに抵抗R501を設けた点が異なる。外部制御端子EXPINは、n型MOSトランジスタN201のゲートに接続される。抵抗R501は、外部電源端子VD及び外部制御端子EXPIN間に接続される。外部制御端子EXPINは、半導体装置のボード搭載前はオープン状態であり、ボード搭載後は外部接地端子VSと共に接地電位に接続される。
通常使用時には、外部制御端子EXPINは接地電位に接続されるので、MOSトランジスタN201及びP201はオフする。これにより、出力線PCNTはハイレベルになり、出力線NCNTはローレベルになり、保護素子であるn型MOSトランジスタN101〜N103及びp型MOSトランジスタP101〜P103がオフになる。
一方、電源を投入していない状態で任意の外部端子に静電気を印加した場合、外部制御端子EXPINは外部に対してオープン状態であり、結果として外部電源端子VDに短絡している状態となるため、MOSトランジスタN201及びP201はオンする。出力線PCNTはローレベルになり、出力線NCNTはハイレベルになり、保護素子N101〜N103,P101〜P103がオンする。印加された電荷は、外部電源端子VD又は外部接地端子VSへ放出される。
本実施形態によれば、通常動作に使用する外部端子VD,VS,A1,B1,C1とは別に外部制御端子EXPINを設け、半導体装置のボード搭載前では静電気が印加されると静電気保護を目的としてMOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103がオンになることにより外部電源端子VD又は外部接地端子VSへの電流パスを確保し、静電気から内部回路110を保護することができる。
(第6の実施形態)
図6は、本発明の第6の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。図6の回路は、図5の回路に対して、抵抗R501の代わりに容量C601を設けた点が異なる。容量C601は、外部電源端子VD及び外部制御端子EXPIN間に接続される。
半導体装置のボード搭載前、静電気のようなパルス電荷を印加したときのみ外部制御端子EXPINと外部電源端子VDが短絡し、外部制御端子EXPINはハイレベルになる。すると、MOSトランジスタN201及びP201がオンし、出力線PCNTはローレベルになり、出力線NCNTはハイレベルになる。保護素子N101〜N103,P101〜P103がオンし、印加された電荷は外部電源端子VD又は外部接地端子VSへ放出される。
なお、ボード搭載後の通常動作時、外部電源端子VDには直流の電源電位が供給されるので、外部電源端子VDと外部制御端子EXPINとは絶縁される。外部制御端子EXPINは、上記のように接地電位に接続されるので、MOSトランジスタN201及びP201はオフする。これにより、保護素子N101〜N103,P101〜P103もオフする。
(第7の実施形態)
図7は、本発明の第7の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。図7の回路は、図5の回路に対して、抵抗R501の代わりに抵抗R701を設けた点、及び外部制御端子EXPINをp型MOSトランジスタP201のゲートに接続した点が異なる。抵抗R701は、外部接地端子VS及び外部制御端子EXPIN間に接続される。外部制御端子EXPINは、抵抗R701を介して外部接地端子VSにクリップされる。外部制御端子EXPINは、半導体装置のボード搭載前はオープン状態であり、ボード搭載後は外部電源端子VDと共に電源電位に接続される。
ボード搭載後の通常使用時には、外部制御端子EXPINを電源電位に固定しておくことにより、MOSトランジスタP201及びN201がオフする。出力線PCNTはハイレベルになり、出力線NCNTはローレベルになり、保護素子N101〜N103,P101〜P103がオフになる。
一方、ボード搭載前の電源を投入していない状態では、外部制御端子EXPINは外部に対してオープン状態である。任意の外部端子に静電気を印加した場合、外部制御端子EXPINはローレベルになり、MOSトランジスタP201及びN201がオンする。出力線PCNTはローレベルになり、出力線NCNTはハイレベルになり、保護素子N101〜N103,P101〜P103がオンする。印加された電荷は、外部電源端子VD又は外部接地端子VSへ放出される。
(第8の実施形態)
図8は、本発明の第8の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。図8の回路は、図7の回路に対して、抵抗R701の代わりに容量C801を設けた点が異なる。容量C801は、外部接地端子VS及び外部制御端子EXPIN間に接続される。
ボード搭載前、静電気のようなパルス電荷を印加したときのみ外部制御端子EXPINと外部接地端子VSが短絡し、外部制御端子EXPINはローレベルになる。MOSトランジスタN201及びP201がオンし、出力線PCNTはローレベルになり、出力線NCNTはハイレベルになる。保護素子N101〜N103,P101〜P103がオンし、印加された電荷は外部電源端子VD又は外部接地端子VSへ放出される。
なお、ボード搭載後の通常動作時、外部接地端子VSには直流の接地電位が供給されるので、外部接地端子VSと外部制御端子EXPINとは絶縁される。外部制御端子EXPINは、上記のように電源電位に接続されるので、MOSトランジスタN201及びP201はオフする。これにより、保護素子N101〜N103,P101〜P103もオフする。
(第9の実施形態)
図9は、本発明の第9の実施形態による静電気保護回路の構成例を示す回路図である。この静電気保護回路は、図15のMOSトランジスタN1502に対応し、図1の静電気保護回路と並列に接続される。
n型MOSトランジスタN901は、ゲートが外部制御端子EXPINに接続され、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部電源端子VDに接続される。抵抗R902は、外部電源端子VD及び外部制御端子EXPIN間に接続される。外部制御端子EXPINは、半導体装置のボード搭載前はオープン状態であり、ボード搭載後は外部接地端子VSと共に接地電位に接続される。
ボード搭載後では、外部制御端子EXPINが接地電位になるので、MOSトランジスタN901はオフし、外部電源端子VD及び外部接地端子VSは絶縁される。
ボード搭載前では、外部制御端子EXPINは外部に対してオープン状態になる。外部基準端子VSを基準にして外部電源端子VDに正の静電気パルスが印加されると、外部制御端子EXPINがハイレベルになり、MOSトランジスタN901がオンする。外部電源端子VSの電荷は、外部接地端子VSに放出される。この際、図1の保護素子N101〜N103,P101〜P103もオンするが、図1の回路では、外部電源端子VD及び外部接地端子VSは、その間に2個のMOSトランジスタ(p型MOSトランジスタ及びn型MOSトランジスタ)を挟んで接続される。これに対し、図9の回路では、外部電源端子VD及び外部接地端子VSは、その間に1個のMOSトランジスタN901を挟んで接続されるので、オン抵抗が小さく、図9の静電気保護回路に優先的に電流が流れる。
外部電源端子VDを基準にして外部接地端子VSに正の静電気パルスが印加されると、MOSトランジスタN901のバックゲート及びドレイン間のpn接合を介して、外部接地端子VSから外部電源端子VDに電荷が放出される。このpn接合には、順方向電圧が印加される。
本実施形態は、第5〜第8の実施形態の回路の応用として、その制御の対象を保護素子N101〜N103,P101〜P103から保護素子N901に変更したものである。この場合の保護素子N901は、図15の保護素子N1502に相当する。
本実施形態によれば、外部制御端子EXPINにより外部電源端子VDと外部接地端子VSとの間に接続された静電気保護用のMOSトランジスタN901を制御する。外部制御端子EXPINが外部に対してオープン状態であれば、外部端子に静電気が印加されると、MOSトランジスタN901がオンする。これにより、外部電源端子VDと外部接地端子VSとの間が導通状態になるので、静電気の印加に対し内部回路110を保護することができる。
(第10の実施形態)
図10は、本発明の第10の実施形態による静電気保護回路の構成例を示す回路図である。図10の回路は、図9の回路に対して、抵抗R902の代わりに容量C1001を設けた点が異なる。容量C1001は、外部電源端子VD及び外部制御端子EXPIN間に接続される。
ボード搭載前、外部接地端子VSを基準にして外部電源端子VDに正の静電気パルスが印加されたときのみ外部制御端子EXPINと外部電源端子VDが短絡し、外部制御端子EXPINはハイレベルになる。MOSトランジスタN901がオンし、外部電源端子VDの電荷は外部接地端子VSに放出される。
なお、ボード搭載後の通常動作時、外部電源端子VDには直流の電源電位が供給されるので、外部電源端子VDと外部制御端子EXPINとは絶縁される。外部制御端子EXPINは、上記のように接地電位に接続されるので、MOSトランジスタN201はオフする。これにより、外部電源端子VD及び外部接地端子VSは絶縁される。
(第11の実施形態)
図11は、本発明の第11の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。本実施形態は、第5の実施形態(図5)及び第9の実施形態(図9)を組み合わせた実施形態である。図11の回路は、図5の回路に対して、n型MOSトランジスタN1101を追加した点が異なる。n型MOSトランジスタN1101は、ゲートがp型MOSトランジスタP201のドレインに接続され、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部電源端子VDに接続される。このn型MOSトランジスタN1101は、出力線NCNTのレベルにより制御され、第9の実施形態(図9)のn型MOSトランジスタN901と同様に保護素子として機能する。
第5の実施形態と同様に、外部端子に静電気パルスが印加されると、外部制御端子EXPINがハイレベルになり、MOSトランジスタN201及びP201がオンする。すると、出力線NCNTがハイレベルになり、MOSトランジスタN1101もオンする。これにより、静電気が検知されると、保護素子N101〜N103,P101〜P103と共に、保護素子N1101もオンするため、第5〜第8の実施形態の回路に比べ、より高い静電気保護能力を持つ。
(第12の実施形態)
図12は、本発明の第12の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。本実施形態は、第6の実施形態(図6)及び第9の実施形態(図9)を組み合わせた実施形態である。図12の回路は、図6の回路に対して、n型MOSトランジスタN1101を追加した点が異なる。n型MOSトランジスタN1101は、ゲートがp型MOSトランジスタP201のドレインに接続され、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部電源端子VDに接続される。このn型MOSトランジスタN1101は、第11の実施形態と同様に、出力線NCNTのレベルにより制御され、保護素子として機能する。
(第13の実施形態)
図13は、本発明の第13の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。本実施形態は、第7の実施形態(図7)及び第9の実施形態(図9)を組み合わせた実施形態である。図13の回路は、図7の回路に対して、n型MOSトランジスタN1301を追加した点が異なる。n型MOSトランジスタN1301は、ゲートがp型MOSトランジスタP201のドレインに接続され、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部電源端子VDに接続される。このn型MOSトランジスタN1301は、第11の実施形態のn型MOSトランジスタN1101と同様に、出力線NCNTのレベルにより制御され、保護素子として機能する。
(第14の実施形態)
図14は、本発明の第14の実施形態による図1の静電気検知回路111の構成例を示す回路図である。本実施形態は、第8の実施形態(図8)及び第9の実施形態(図9)を組み合わせた実施形態である。図14の回路は、図8の回路に対して、n型MOSトランジスタN1301を追加した点が異なる。n型MOSトランジスタN1301は、ゲートがp型MOSトランジスタP201のドレインに接続され、ソースが外部接地端子VSに接続され、ドレインが外部電源端子VDに接続される。このn型MOSトランジスタN1301は、第11の実施形態のn型MOSトランジスタN1101と同様に、出力線NCNTのレベルにより制御され、保護素子として機能する。
以上のように、第1〜第8及び第11〜第14の実施形態の静電気保護回路は、保護動作時に導通状態となるp型MOSトランジスタP101〜P103及びn型MOSトランジスタN101〜N103が外部信号端子A1,B1,C1に接続され、静電気保護回路111がこれらのMOSトランジスタN101〜N103,P101〜P103を制御する。
図15の静電気保護回路では、保護素子P1501,N1501,N1502そのもののpn接合のブレークダウン電圧を保護動作のトリガにしていたのに対し、本実施形態では、急激な電圧変化を検知する静電気検知回路111により、保護素子N101〜N103,P101〜P103をバイポーラトランジスタとしてではなく、MOSトランジスタとして動作させることで内部回路110の破壊を防ぐことができる。
静電気検知回路111は、外部電源電源VD及び外部接地端子VS間に接続され、静電気を検知し、保護素子N101〜N103,P101〜P103を制御する。これにより、任意の外部信号端子A1,B1,C1への静電気印加によって、全外部信号端子A1,B1,C1の保護素子N101〜N103,P101〜P103を導通状態にし、内部回路110を保護することができる。
図15の静電気保護回路は、前述の通り、pn接合のブレークダウン電圧での動作を利用しているため、保護素子P1501,N1501に対してある程度の高電圧がかからないと保護動作が開始されない。これは同様の回路構造をもった保護素子N1502についても同じである。このため、外部信号端子A1に静電気が印加された際、保護動作が開始される前に内部回路1510が破壊されてしまう恐れがある。
一般に保護素子として使用されるMOSトランジスタP1501,N1501,N1502は同じサイズの複数のトランジスタを並列に接続している。ここで、寄生バイポーラトランジスタ動作による保護動作で特定のMOSトランジスタへの電流集中を防ぐために、ドレイン部に抵抗R1501,R1502を挿入する必要があるため、素子面積や外部信号端子A1上の寄生容量が大きくなる問題がある。
本実施形態では、静電気の印加によって外部電源端子VD及び外部接地端子VS間の電位差が急激に上昇すると、静電気検知回路111は保護素子N101〜N103,P101〜P103が導通状態となるように制御し、電荷が外部接地端子VS又は外部電源端子VDに放出される。静電気検知回路111は、保護素子トランジスタN101〜N103,P101〜P103のpn接合のブレークダウン電圧を越える前の低電圧(トランジスタ閾値電圧)で、保護素子トランジスタN101〜N103,P101〜P103をオンするので、高速にかつ確実に静電気保護回路が動作する。これにより、内部回路110をより確実に保護することができる。
図15の静電気保護回路では、前述の寄生バイポーラトランジスタ動作による保護動作が発生する場合は全ての場合において外部電源端子VD及び外部接地端子VS間の電位差が急激に上昇するため、寄生バイポーラトランジスタ動作によって保護していた。これに対し、本実施形態では、MOSトランジスタ動作により保護する。
本実施形態では、静電気の印加によって保護素子N101〜N103,P101〜P103が導通状態となるため、図15の回路のように電流集中を防ぐためのドレイン部の抵抗R1501,R1502を設ける必要がなくなる。これにより、半導体装置の入出力部の回路面積や寄生容量の低減が可能となり、内部回路110の集積化や高速化に寄与することができる。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の実施形態は、例えば以下のように種々の適用が可能である。
(付記1)
外部電源端子と、
外部接地端子と、
第1の外部信号端子と、
ソース及びドレインがそれぞれ前記外部電源端子及び前記第1の外部信号端子に接続される第1のp型電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記第1の外部信号端子に接続される第1のn型電界効果トランジスタと、
前記外部電源端子及び前記外部接地端子に接続され、静電気を検知しないときは前記第1のp型電界効果トランジスタ及び前記第1のn型電界効果トランジスタをオフし、静電気を検知すると前記第1のp型電界効果トランジスタ及び前記第1のn型電界効果トランジスタをオンする静電気検知回路と
を有する静電気保護回路。
(付記2)
さらに、第2の外部信号端子と、
ソース及びドレインがそれぞれ前記外部電源端子及び前記第2の外部信号端子に接続される第2のp型電界効果トランジスタと、
ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記第2の外部信号端子に接続される第2のn型電界効果トランジスタとを有し、
前記静電気検知回路は、静電気を検知しないときは前記第1及び第2のp型電界効果トランジスタ並びに前記第1及び第2のn型電界効果トランジスタをオフし、静電気を検知すると前記第1及び第2のp型電界効果トランジスタ並びに前記第1及び第2のn型電界効果トランジスタをオンする付記1記載の静電気保護回路。
(付記3)
前記静電気検知回路は、
さらに、ソースが前記外部電源端子に接続され、ドレインが第1の抵抗を介して前記外部接地端子に接続される第2のp型電界効果トランジスタと、
ソースが前記外部接地端子に接続され、ドレインが第2の抵抗を介して前記外部電源端子に接続される第2のn型電界効果トランジスタとを有し、
前記第1のp型電界効果トランジスタのゲートは前記第2のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、
前記第1のn型電界効果トランジスタのゲートは前記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続される付記1記載の静電気保護回路。
(付記4)
前記第2のp型電界効果トランジスタのゲートは、前記第2のn型電界効果トランジスタのドレインに接続される付記3記載の静電気保護回路。
(付記5)
前記静電気検知回路は、さらに、前記第2のn型電界効果トランジスタのゲート及び前記外部接地端子間に接続される第3の抵抗を有する付記4記載の静電気保護回路。
(付記6)
前記静電気検知回路は、さらに、前記外部電源端子及び前記第2のn型電界効果トランジスタのゲート間に接続される第1の容量を有する付記5記載の静電気保護回路。
(付記7)
前記静電気検知回路は、さらに、前記外部電源端子及び前記第2のn型電界効果トランジスタのゲート間に接続される一又は複数のダイオードを有する付記5記載の静電気保護回路。
(付記8)
前記ダイオードは、ツェナーダイオードである付記7記載の静電気保護回路。
(付記9)
前記静電気検知回路は、さらに、前記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子を有する付記4記載の静電気保護回路。
(付記10)
前記静電気検知回路は、さらに、前記外部電源端子及び前記外部制御端子間に接続される第3の抵抗を有する付記9記載の静電気保護回路。
(付記11)
前記静電気検知回路は、さらに、前記外部電源端子及び前記外部制御端子間に接続される第1の容量を有する付記9記載の静電気保護回路。
(付記12)
前記第2のn型電界効果トランジスタのゲートは、前記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続される付記3記載の静電気保護回路。
(付記13)
前記静電気検知回路は、さらに、前記第2のp型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子を有する付記12記載の静電気保護回路。
(付記14)
前記静電気検知回路は、さらに、前記外部制御端子及び前記外部接地端子間に接続される第3の抵抗を有する付記13記載の静電気保護回路。
(付記15)
前記静電気検知回路は、さらに、前記外部制御端子及び前記外部接地端子間に接続される第1の容量を有する付記13記載の静電気保護回路。
(付記16)
さらに、ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続される第2のn型電界効果トランジスタと、
前記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子と、
前記外部制御端子及び前記外部電源端子間に接続される第1の抵抗と
を有する付記1記載の静電気保護回路。
(付記17)
さらに、ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続される第2のn型電界効果トランジスタと、
前記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子と、
前記外部制御端子及び前記外部電源端子間に接続される第1の容量と
を有する付記1記載の静電気保護回路。
(付記18)
さらに、ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続され、ゲートが前記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続される第3のn型電界効果トランジスタを有する付記10記載の静電気保護回路。
(付記19)
さらに、ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続され、ゲートが前記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続される第3のn型電界効果トランジスタを有する付記11記載の静電気保護回路。
(付記20)
さらに、ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続され、ゲートが前記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続される第3のn型電界効果トランジスタを有する付記14記載の静電気保護回路。
(付記21)
さらに、ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続され、ゲートが前記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続される第3のn型電界効果トランジスタを有する付記15記載の静電気保護回路。
(付記22)
ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続されるn型電界効果トランジスタと、
前記n型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子と、
前記外部制御端子及び前記外部電源端子間に接続される抵抗と
を有する静電気保護回路。
(付記23)
ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続されるn型電界効果トランジスタと、
前記n型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子と、
前記外部制御端子及び前記外部電源端子間に接続される容量と
を有する静電気保護回路。
本発明の第1の実施形態による静電気保護回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第5の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第6の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第7の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第8の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第9の実施形態による静電気保護回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第10の実施形態による静電気保護回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第11の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第12の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第13の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第14の実施形態による静電気検知回路の構成例を示す回路図である。 静電気保護回路の構成例を示す回路図である。 n型MOSトランジスタ及びp型MOSトランジスタの半導体装置の断面図である。 図15の静電気保護回路が保護動作を行う際の等価回路図である。
符号の説明
VD 外部電源端子
VS 外部接地端子
A1 外部信号端子
B1 外部信号端子
C1 外部信号端子
110 内部回路
111 静電気検知回路
PCNT p型MOSトランジスタ保護素子制御線
NCNT n型MOSトランジスタ保護素子制御線
N101 n型MOSトランジスタ保護素子
N102 n型MOSトランジスタ保護素子
N103 n型MOSトランジスタ保護素子
P101 p型MOSトランジスタ保護素子
P102 p型MOSトランジスタ保護素子
P103 p型MOSトランジスタ保護素子
P201 p型MOSトランジスタ
N201 n型MOSトランジスタ
D301 直列接続されたpnジャンクションダイオード群
D401 ツェナーダイオード
EXPIN 外部制御端子
R501 電源電位にクリップすることを目的とする抵抗
C601 パルス電荷印加時のみ電源電位にクリップすることを目的とする容量
R701 接地電位にクリップすることを目的とする抵抗
C801 パルス電荷印加時のみ接地電位にクリップすることを目的とする容量
N901 電源間クランプ用n型MOSトランジスタ
R902 電源電位にクリップすることを目的とする抵抗
C1001 パルス電荷印加時のみ電源電位にクリップすることを目的とする容量
N1101 電源間クランプ用n型MOSトランジスタ
N1301 電源間クランプ用n型MOSトランジスタ
N1501 n型MOSトランジスタ保護素子
N1502 電源間クランプ用n型MOSトランジスタ
P1501 p型MOSトランジスタ保護素子
R1501 ドレイン抵抗
R1502 ドレイン抵抗
T1701 N1501の寄生バイポーラ動作中の等価素子
T1702 P1501の寄生バイポーラ動作中の等価素子
T1503 N1502の寄生バイポーラ動作中の等価素子

Claims (10)

  1. 外部電源端子と、
    外部接地端子と、
    第1の外部信号端子と、
    ソース及びドレインがそれぞれ前記外部電源端子及び前記第1の外部信号端子に接続される第1のp型電界効果トランジスタと、
    ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記第1の外部信号端子に接続される第1のn型電界効果トランジスタと、
    前記外部電源端子及び前記外部接地端子に接続され、静電気を検知しないときは前記第1のp型電界効果トランジスタ及び前記第1のn型電界効果トランジスタをオフし、静電気を検知すると前記第1のp型電界効果トランジスタ及び前記第1のn型電界効果トランジスタをオンする静電気検知回路と
    を有する静電気保護回路。
  2. さらに、第2の外部信号端子と、
    ソース及びドレインがそれぞれ前記外部電源端子及び前記第2の外部信号端子に接続される第2のp型電界効果トランジスタと、
    ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記第2の外部信号端子に接続される第2のn型電界効果トランジスタとを有し、
    前記静電気検知回路は、静電気を検知しないときは前記第1及び第2のp型電界効果トランジスタ並びに前記第1及び第2のn型電界効果トランジスタをオフし、静電気を検知すると前記第1及び第2のp型電界効果トランジスタ並びに前記第1及び第2のn型電界効果トランジスタをオンする請求項1記載の静電気保護回路。
  3. 前記静電気検知回路は、
    さらに、ソースが前記外部電源端子に接続され、ドレインが第1の抵抗を介して前記外部接地端子に接続される第2のp型電界効果トランジスタと、
    ソースが前記外部接地端子に接続され、ドレインが第2の抵抗を介して前記外部電源端子に接続される第2のn型電界効果トランジスタとを有し、
    前記第1のp型電界効果トランジスタのゲートは前記第2のn型電界効果トランジスタのドレインに接続され、
    前記第1のn型電界効果トランジスタのゲートは前記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続される請求項1記載の静電気保護回路。
  4. 前記第2のp型電界効果トランジスタのゲートは、前記第2のn型電界効果トランジスタのドレインに接続される請求項3記載の静電気保護回路。
  5. 前記静電気検知回路は、さらに、前記第2のn型電界効果トランジスタのゲート及び前記外部接地端子間に接続される第3の抵抗を有する請求項4記載の静電気保護回路。
  6. 前記静電気検知回路は、さらに、前記第2のn型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子を有する請求項4記載の静電気保護回路。
  7. 前記第2のn型電界効果トランジスタのゲートは、前記第2のp型電界効果トランジスタのドレインに接続される請求項3記載の静電気保護回路。
  8. 前記静電気検知回路は、さらに、前記第2のp型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子を有する請求項7記載の静電気保護回路。
  9. ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続されるn型電界効果トランジスタと、
    前記n型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子と、
    前記外部制御端子及び前記外部電源端子間に接続される抵抗と
    を有する静電気保護回路。
  10. ソース及びドレインがそれぞれ前記外部接地端子及び前記外部電源端子に接続されるn型電界効果トランジスタと、
    前記n型電界効果トランジスタのゲートに接続される外部制御端子と、
    前記外部制御端子及び前記外部電源端子間に接続される容量と
    を有する静電気保護回路。
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