JP2006100011A - マグネトロン駆動用電源 - Google Patents

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Kenji Yasui
健治 安井
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Abstract

【課題】半導体スイッチ素子への過電圧印加を未然に防止し、確実に半導体スイッチ素子の過電圧保護できるマグネトロン駆動用電源を提供することを目的としている。
【解決手段】半導体スイッチ素子5のオンオフを制御する制御部10が、半導体スイッチ素子5の電流を検出する電流検出手段14と、電流検出手段14の出力信号が所定の閾値を超えると駆動部12の動作を停止する判定手段15とを有するものである。これにより、半導体スイッチ素子5の最大電流が制限される、言い換えると共振回路を励振する電流値が制限されるので、共振現象によって半導体スイッチ素子5に印加される電圧を所定の値以下に制限することが可能となる。このため、半導体スイッチ素子5の耐電圧を超えるような過電圧を発生することを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子レンジなどのマグネトロンを負荷とするマグネトロン駆動用電源に関するものである。
従来、マグネトロン駆動用電源において、マグネトロンが電波を発生するためにはアノードカソード間に約−4kVの高電圧を印加しなければならない。このため、高圧整流回路の各素子間あるいはマグネトロンのアノードカソード間で埃や害虫の侵入による放電を避けることができない。高圧整流回路やマグネトロンで放電が起こると、インバータ回路の動作中に急激な負荷変動が起こることになるため、スイッチング動作をしている半導体スイッチ素子の印加電圧が急激に上昇する。そこで、半導体スイッチ素子に並列にバリスタと抵抗器からなる過電圧検出手段を設けて放電などによる過電圧の発生による半導体スイッチ素子の損傷を防止するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−89956号公報
しかしながら、前記従来の構成では、マグネトロン駆動用電源では高圧整流回路やマグネトロンの端子間で放電が発生して過電圧を生じた場合、ある程度、バリスタによって電圧を吸収できるが、放電の条件によってはバリスタで電圧吸収しきれずに半導体スイッチ素子の耐電圧を超える電圧の印加が起こる可能性がある。あるいはバリスタの動作電圧を低めに設計することで過電圧の抑制能力を改善することはできるが、動作電圧が低くなると定常動作状態でもバリスタにある程度の電流が流れてしまい、バリスタの自己発熱が発生してしまうことや、吸収できるエネルギー以上の過電圧を発生し、半導体スイッチ素子やバリスタの損傷を完全に防止することはできないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、高圧整流回路などで放電が発生した場合でも半導体スイッチ素子への過電圧印加を未然に防止し、確実に半導体スイッチ素子の過電圧保護できるマグネトロン駆動用電源を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明のマグネトロン駆動用電源は、半導体スイッチ素子のオンオフを制御する制御部が、半導体スイッチ素子の電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号が所定の閾値を超えると駆動部の動作を停止する判定手段とを有するものである。
これにより、半導体スイッチ素子の最大電流が制限される、言い換えると共振回路を励振する電流値が制限されるので、共振現象によって半導体スイッチ素子に印加される電圧を所定の値以下に制限することが可能となる。このため、半導体スイッチ素子の耐電圧を超えるような過電圧を発生することを防止することができる。
本発明のマグネトロン駆動用電源は、高圧整流回路などで発生した放電に起因する半導体スイッチ素子の過電圧破壊を防止することができる。
第1の発明は、半導体スイッチ素子と高圧トランスを有する共振回路と高圧整流回路とを有し半導体スイッチ素子のオンオフによりマグネトロンに電力供給するインバータ回路と、半導体スイッチ素子のオンオフを制御する制御部とを備え、前記制御部は、半導体スイッチ素子を駆動する駆動部と、半導体スイッチ素子の電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号が所定の閾値を超えると駆動部の動作を停止する判定手段とを有するマグネトロン駆動用電源とすることにより、半導体スイッチ素子の最大電流が制限される、言い換えると共振回路を励振する電流値が制限されるので、共振現象によって半導体スイッチ素子に印加される電圧を所定の値以下に制限することが可能となる。このため、半導体スイッチ素子の耐電圧を超えるような過電圧を発生することを防止することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、電流検出手段は、半導体スイッチ素子の電流に代えて、入力平滑回路の電流を検出するようにしたことにより、入力平滑回路の電流検出値が閾値を超えると、半導体スイッチ素子を強制的にオフ状態とすることによって、インバータ回路の動作を停止するため、共振回路を励振する電流値が制限されて半導体スイッチ素子に印加される共振電圧を所定の値以下に抑制することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、電流検出手段は、抵抗と電圧増幅器によって構成したことにより、電流検出手段の抵抗を非常に低い抵抗値で構成し、かつ、抵抗の出力電圧を電圧増幅器によって制御のために必要な電圧まで電圧増幅するので、電流検出用の抵抗での損失を軽減することが可能となる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、電流検出手段の出力信号を平均化する平均化手段を設け、平均化手段の出力信号によって電流検出手段の閾値を増減する構成としたことにより、インバータ回路の入力電力に応じた閾値を正確に設定することができる。このため、インバータ回路の入力電力が低いときであっても、電流検出手段によって適正な感度に設定することができるので、どのような入力電力であっても確実に放電などによる異常な電流増加を検出し半導体スイッチ素子を過電圧による損傷から保護することができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、入力電圧検出手段を設け、入力電圧検出手段の検出信号によって駆動部を停止させる閾値を検出信号が定格電圧に比べて大なるときは低く、逆に検出信号が小なるときは高くなるように補正する構成としたことにより、商用電源の電圧が定格電圧以上あるいは以下であっても、電流検出手段の感度を適正に設定することができるので、商用電源の電圧に依存せず確実に放電などによる異常な電流増加を検出し、半導体スイッチ素子を過電圧による損傷から保護することができる。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、マグネトロンの発振を検出する発振検出手段を設け、マグネトロンの起動状態と定常発振状態で駆動部を停止させる閾値を異なる値としたことにより、マグネトロンの負荷インピーダンスが大きく異なる起動状態と定常発振状態のそれぞれの状態に応じた電流検知手段が異常電流を判定する閾値を設定できるので、マグネトロンの発振、非発振によらず確実に放電などによる異常な電流増加を検出し、半導体スイッチ素子を過電圧による損傷から保護することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図4は、本発明の実施の形態1におけるマグネトロン駆動用電源を示すものである。
図1に示すように、本実施の形態のマグネトロン駆動用電源は、交流である商用電源1を一旦ダイオードブリッジ2、平滑コイル3および平滑コンデンサ4で整流、平滑して直流化し、この直流電源を半導体スイッチ素子5のオンオフによって高圧トランス6、共振コンデンサ7によるインバータ回路11は、高圧トランス6の1次巻線と共振コンデンサ7で構成される共振回路を励振して高周波電圧を発生し、高圧トランス6は2次巻線に高周波高電圧を励起する。この高周波高電圧は高圧ダイオード8a、高圧コンデンサ8bで構成する高圧整流回路8によって直流高電圧に整流され、マグネトロン9に印加される。マグネトロン9はこの直流高電圧で駆動され、2.45GHzの電波を発生する構成となっている。また、半導体スイッチ素子5のオン時間は、制御部10の指令に基づいた駆動部12のパルス列によって制御される。従って、制御部10により半導体スイッチ素子5のオン時間の制御ができ、高圧トランス6の1次巻線に高周波電圧を発生し、高圧トランス6は2次巻線に高周波高電圧を励起する。このオン時間の長短に応じてマグネトロン9の出力が定まる。
前記制御部10は、半導体スイッチ素子5を駆動する前記の駆動部12と、半導体スイッチ素子5の電流を検出する電流検出手段14と、電流検出手段14の出力信号が所定の閾値を超えると駆動部12の動作を停止する判定手段15とを有している。電流検出手段14は、抵抗14aと電圧増幅器14bによって構成されている。
ここで、駆動部12から送られる駆動パルスがHiの状態になると、半導体スイッチ素子5はオンとなり、高圧トランス6の1次巻線を介して電流が流れ、その電流は平滑コンデンサ4の電圧と高圧トランス6の1次巻線のインダクタンス値によって求まる一定の傾きで上昇する。駆動部12の駆動パルスがLoになると、半導体スイッチ素子5はオフとなり、電流が遮断される。このとき、高圧トランス6の1次巻線と共振コンデンサ7で並列共振回路が構成され、半導体スイッチ素子5がオン状態時に流れていた電流は共振コンデンサ7に向かって流れ始める。このとき、エネルギー保存の法則から共振コンデンサ7に発生する共振電圧VC7と高圧トランス6の1次巻線を流れていた電流ILp6との関係は下記の式(1)に示す関係にある。
Figure 2006100011
このように、共振コンデンサ7の電圧と高圧トランス6の1次巻線の電流とは相関関係がある。また、半導体スイッチ素子5に印加する電圧は平滑コンデンサ4の電圧から共振コンデンサ7の電圧を引いた値となるので式(1)で計算できる共振電圧が印加することになる。
また、半導体スイッチ素子5の低電位側には抵抗14aが挿入され、半導体スイッチ素子5の電流値に応じた電圧を発生するようになっている。半導体スイッチ素子5を流れる電流の瞬時最大値は50A以上となるので、抵抗14aの損失を増加させないためにその抵抗値は10mΩ程度以下に設定する必要がある。一方、抵抗値を低くすると検出電圧が低くなるので、電圧増幅器14bによって制御部10で処理しやすい電圧まで増幅する。判定手段15は所定の閾値と電流検出手段14の出力電圧を比較し、電流検出手段14の出力電圧がこの閾値を超えると駆動部12を停止させ、半導体スイッチ素子5へ送っている駆動パルスをLoとし半導体スイッチ素子5を停止させる様に動作する。
図2は、定常な動作状態での半導体スイッチ素子5の電流電圧波形および電流検出手段14での出力電圧波形を示している。定常動作状態においては、電流検出手段14の出力電圧は判定手段15の閾値を超えることがないため、通常の発振状態を維持し、動作を継続することができる。一方、図3は、例えば、高圧整流回路8の素子間で放電が起こった時の動作波形を示している。高圧整流回路8の素子間など高圧トランス6の2次巻線以降に接続されている回路で放電などの異常状態が発生すると、高圧トランス6の1次巻線側からみた高圧トランス6の負荷インピーダンスが定常発振している状態と比較すると、非常に小さな値となってしまう。このため、半導体スイッチ素子5を流れる電流は急激にその傾きが急になり、電流最大値が大きくなる。
図3のように、判定手段15の閾値を超えても半導体スイッチ素子5をオフせずに動作を続けると、非常に大きな電流が共振回路の初期エネルギーとなるので、ターンオフ後の共振電圧は式(1)で計算されるように非常に高い電圧となり、半導体スイッチ素子5の耐電圧を超える電圧を発生することなる。しかしながら、本実施の形態においては、図4に示すように、判定手段15の閾値を超えると、半導体スイッチ素子5は強制的にオフとなるので、共振回路の初期エネルギーをある程度低く抑えることができる。このため、半導体スイッチ素子5の耐電圧を超えるような過電圧を発生することがなく、半導体スイッチ素子5の過電圧による損傷を未然に防ぐことが可能となり、マグネトロン駆動用電源の信頼性を大きく向上することができるという効果を発揮できる。
(実施の形態2)
図5〜図8は、本発明の実施の形態2におけるマグネトロン駆動用電源を示すものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態のマグネトロン駆動用電源は、電流検出手段14は、半導体スイッチ素子5の電流に代えて、入力平滑回路の電流を検出するようにした。すなわち、電流検出手段14を平滑コンデンサ4の低電位側に挿入し、電圧増幅器14bを反転増幅の構成とした。
これにより、入力平滑回路の電流検出値が閾値を超えると、半導体スイッチ素子5を強制的にオフ状態とすることによって、インバータ回路11の動作を停止するため、共振回路を励振する電流値が制限されて半導体スイッチ素子5に印加される共振電圧を所定の値以下に抑制することができ、放電による過電圧の半導体スイッチ素子5への印加を防止している。
図6は、定常発振状態における半導体スイッチ素子5の電圧電流波形と、抵抗14aで検出される電圧、および電流検出手段14の出力信号を示している。抵抗14aで検出される電圧(平滑コンデンサ4の電流)は平滑コイル3の電流から半導体スイッチ素子5の電流波形を引いた値となるので、図6に示すように、半導体スイッチ素子5の電流波形を反転したような波形となる。電流検出手段14は、電圧増幅器14bを備えており、抵抗14aによって検出した電圧を反転増幅して出力する。判定手段15は、所定の閾値を電流検出手段14の出力電圧が超えると、半導体スイッチ素子5の動作を停止させるべく駆動部12に信号を送るが、定常発振状態においてはこの閾値を超える電圧が電流検出手段14から出力されることはないので、安定に定常発振を行うことができる。
図7は、例えば、高圧整流回路8の素子間で放電が起こった時の動作波形を示している。高圧整流回路8の素子間など高圧トランス6の2次巻線以降に接続されている回路で放電などの異常状態が発生すると、高圧トランス6の1次巻線側からみた高圧トランス6の負荷インピーダンスが定常に発振している状態と比較すると非常に小さな値となってしまう。このため、半導体スイッチ素子5を流れる電流は急激にその傾きが急になり、電流最大値が大きくなる。図7のように、判定手段15の閾値を超えても半導体スイッチ素子5をオフせずに動作を続けると、非常に大きな電流が共振回路の初期エネルギーとなるので、ターンオフ後の共振電圧は式(1)で計算されるように非常に高い電圧となり、半導体スイッチ素子5の耐電圧を超える電圧を発生することなる。しかしながら、本実施の形態においては、図8に示すように、判定手段15の閾値を超えると、半導体スイッチ素子5は強制的にオフとなるので、共振回路の初期エネルギーをある程度低く抑えることができる。このため、半導体スイッチ素子5の耐電圧を超えるような過電圧を発生することがなく、半導体スイッチ素子5の過電圧による損傷を未然に防ぐことが可能となり、マグネトロン駆動用電源の信頼性を大きく向上することができるという効果を発揮できる。
(実施の形態3)
図9、図10は、本発明の実施の形態3におけるマグネトロン駆動用電源を示すものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態のマグネトロン駆動用電源は、電流検出手段14の出力信号を平均化する平均化手段16を設け、平均化手段16の出力信号によって電流検出手段14の閾値を増減する構成とした。電流検出手段14は、半導体スイッチ素子5の電流を検出しているので、平均化手段16によって平均化された電圧は、インバータ回路11の入力電流と相関のある値となっており、その平均化する周期は商用電源1の周期以上の長い周期にわたって平均化される。従って、平均化手段16の出力電圧に応じて判定手段15の判定閾値を変化させることは、入力電流に応じて判定閾値を変化させることと同等の効果がある。
これにより、インバータ回路11の入力電力が低いときであっても、電流検出手段14によって適正な感度に設定することができるので、どのような入力電力であっても確実に放電などによる異常な電流増加を検出し半導体スイッチ素子5を過電圧による損傷から保護することができる。
図10は、平均化手段16の出力電圧と電流検出手段14によって検出する出力電圧および判定手段15が異常と判定する閾値の関係を示している。定常発振状態においては、入力電流の大小によらず常に電流検出手段14の出力電圧は閾値よりも小さな値であるので、判定手段15は定常発振状態と判定し、インバータ回路11は定常発振状態を維持する。
一方、例えば、高圧整流回路8の素子間などで放電が発生した場合、先の実施の形態でも記述しているように、半導体スイッチ素子5の電流は急激に増加する。このため、電流検出手段14の出力信号と判定手段15の閾値の関係は反転し、駆動部12の駆動パルスを停止させるように判定手段15は駆動部12へ信号を送り、インバータ回路11はその動作を停止する。このように構成することによって、特に、入力電流が少ない状態において放電が発生した場合、判定手段15が異常と判定する閾値と定常状態で電流検出手段14が発生する出力信号が近いため、判定手段15が異常と判定する閾値を入力電流によらず一定とした場合に比べると異常状態を検出しやすくなる。このため、特に、入力電流が低い状態の時に異常状態を検出できずに異常動作を継続することを防止することができる。特に、高圧整流回路8での放電の場合、電力が低くてもインバータ回路11を搭載しているプリント基板などを炭化させる危険性があるので、確実に放電を検出し止める必要があるが、本実施の形態においては、入力電流の大小によらず、常に安定して異常状態を検出することができる。
(実施の形態4)
図11〜図12は、本発明の実施の形態3におけるマグネトロン駆動用電源を示すものである。実施の形態1〜3と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、本実施の形態のマグネトロン駆動用電源は、入力電圧検出手段17を設け、入力電圧検出手段17の検出信号によって駆動部12を停止させる閾値を検出信号が定格電圧に比べて大なるときは低く、逆に検出信号が小なるときは高くなるように補正する構成とした。
これにより、商用電源1の電圧が定格電圧以上あるいは以下であっても、電流検出手段14の感度を適正に設定することができるので、商用電源1の電圧に依存せず確実に放電などによる異常な電流増加を検出し、半導体スイッチ素子5を過電圧による損傷から保護することができる。
図12に示すように、商用電源1から入力される入力電力を一定の条件とした場合、入力電圧と半導体スイッチ素子5を流れる電流の関係は、入力電圧が高くなると半導体スイッチ素子5を流れる電流は小さくなる。この関係に基づき、本実施の形態においては、判定手段15が異常と判定する閾値を電流検出手段14の出力電圧の平均値に応じて変化させるだけでなく、それに加えて電圧検出手段17の出力に応じても変えるように構成することで、図13に示すような関係としている。このような関係とすることにより、商用電源1が定格電圧に対して高いか低いかにかかわらず常に安定して異常状態を検出することができる。
(実施の形態5)
図14〜図16は、本発明の実施の形態5におけるマグネトロン駆動用電源を示すものである。実施の形態1〜4と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
図14に示すように、本実施の形態のマグネトロン駆動用電源は、マグネトロン9の発振を検出する発振検出手段である起動判定手段18と、マスク手段19とを設け、マグネトロン9の起動状態と定常発振状態で駆動部12を停止させる閾値を異なる値とした。
これにより、マグネトロン9の負荷インピーダンスが大きく異なる起動状態と定常発振状態のそれぞれの状態に応じた電流検知手段14が異常電流を判定する閾値を設定できるので、マグネトロン9の発振、非発振によらず確実に放電などによる異常な電流増加を検出し、半導体スイッチ素子5を過電圧による損傷から保護することができる。
さらに詳述すると、半導体スイッチ素子5の電流値の平均値を計算する平均化手段16が所定の値を超えると、マグネトロン9が起動状態から定常発振状態へ移行したことを起動判定手段18が検出し、判定手段15が異常状態と判定する閾値を起動の状態と定常発振の状態とで異なる値とするとともに、マスク手段19は、起動判定手段18がマグネトロン9の起動を判定指定から所定の一定時間異常と判定することを無効にすることにより、起動状態から定常発振状態へ移行する遷移期間に異常を検出してもインバータ回路11の動作を停止しないように構成している。すなわち、マグネトロン9はカソード電極から熱電子を放出し電波を発生する構成となっているが、カソード電極が加熱されるまでの間は熱電子の放出がないので電波を発生しない状態となっている。このとき、マグネトロン9は非常に大きなインピーダンスを持っているが、カソードが加熱され電波の放射が可能になると、そのインピーダンスは急激に下がり、マグネトロン9の印加電圧もマグネトロン9によって決まる約−4kVとなる。
図15は、マグネトロン9が起動の状態から定常発振状態へ移行する期間でのマグネトロン9の印加電圧を示している。起動状態ではマグネトロン9のカソードを急速に加熱するため、マグネトロン9の印加電圧を約−7kVとしてカソードの加熱電力を高くしている。カソードが加熱されて定常発振状態へ完全に移行するまでの期間にマグネトロン9の発振が安定しないモーディング発振期間が存在する。このときのマグネトロン9の印加電圧波形は、図16に示すように、ある期間は−4kVの印加電圧となり定常発振しているが、急に発振が安定しなくなりマグネトロン9のインピーダンスが高くなり、印加電圧も高くなる。これは、カソードの温度が定常発振状態を行えるほど加熱されていない状態で発生する現象で、マグネトロン9のカソード電力の供給を1つの高圧トランス6から行う場合、不可避の現象である。このように、マグネトロン9のインピーダンスが大きく変動すると、インバータ回路11から見た回路のインピーダンスも大きく変化し、半導体スイッチ素子5を流れる電流もあたかも高圧整流回路8で放電が起こったかのような挙動を示す。このため、モーディング発振期間においては、高圧整流回路8での放電を誤って検出しやすくなってしまう。しかしながら、本実施の形態においては、起動状態から定常発振状態へ移行する遷移期間においては、判定手段15が異常と判定することを無効とするマスク手段19を設けることによって、モーディング発振期間中に判定手段15がモーディング発振と高圧整流回路8での放電を誤検出してインバータ回路11の動作を不必要に停止することがなくなり、マグネトロン駆動用電源の安定動作を向上することができる。
以上のように、本発明にかかるマグネトロン駆動用電源は、高圧整流回路などで発生した放電に起因する半導体スイッチ素子の過電圧破壊を防止することができるので、電子レンジなどのマグネトロンを負荷とする機器に適用することができる。
本発明の実施の形態1におけるマグネトロン駆動用電源の回路図 同マグネトロン駆動用電源の定常状態での動作波形図 同マグネトロン駆動用電源の放電時の動作波形図 同マグネトロン駆動用電源の異常判定時の動作波形図 本発明の実施の形態2におけるマグネトロン駆動用電源の回路図 同マグネトロン駆動用電源の定常状態での動作波形図 同マグネトロン駆動用電源の放電時の動作波形図 同マグネトロン駆動用電源の異常判定時の動作波形図 本発明の実施の形態3におけるマグネトロン駆動用電源の回路図 同マグネトロン駆動用電源の判定手段の閾値と平均化手段の出力信号の関係を示す図 本発明の実施の形態4におけるマグネトロン駆動用電源の回路図 同マグネトロン駆動用電源の入力電圧と電流検出手段の出力電圧の関係を示す図 同マグネトロン駆動用電源の平均化手段の出力電圧と電流検出手段の出力電圧の関係を示す図 本発明の実施の形態5におけるマグネトロン駆動用電源の回路図 同マグネトロン駆動用電源の起動から定常発振状態へ移行する際のマグネトロンの印加電圧変化を示す図 同マグネトロン駆動用電源のモーディング発振期間中におけるマグネトロンの印加電圧を示す図
符号の説明
1 商用電源
2 ダイオードブリッジ
3 平滑コイル
4 平滑コンデンサ
5 半導体スイッチ素子
6 高圧トランス
7 共振コンデンサ
9 マグネトロン
10 制御部
11 インバータ回路
12 駆動部
14 電流検出手段
15 判定手段
16 平均化手段
17 入力電圧検出手段
18 起動判定手段(発振検出手段)

Claims (6)

  1. 半導体スイッチ素子と高圧トランスを有する共振回路と高圧整流回路とを有し半導体スイッチ素子のオンオフによりマグネトロンに電力供給するインバータ回路と、半導体スイッチ素子のオンオフを制御する制御部とを備え、前記制御部は、半導体スイッチ素子を駆動する駆動部と、半導体スイッチ素子の電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の出力信号が所定の閾値を超えると駆動部の動作を停止する判定手段とを有するマグネトロン駆動用電源。
  2. 電流検出手段は、半導体スイッチ素子の電流に代えて、入力平滑回路の電流を検出するようにした請求項1に記載のマグネトロン駆動用電源。
  3. 電流検出手段は、抵抗と電圧増幅器によって構成した請求項1または2に記載のマグネトロン駆動用電源。
  4. 電流検出手段の出力信号を平均化する平均化手段を設け、平均化手段の出力信号によって電流検出手段の閾値を増減する構成とした請求項1〜3のいずれか1項に記載のマグネトロン駆動用電源。
  5. 入力電圧検出手段を設け、入力電圧検出手段の検出信号によって駆動部を停止させる閾値を検出信号が定格電圧に比べて大なるときは低く、逆に検出信号が小なるときは高くなるように補正する構成とした請求項1〜4のいずれか1項に記載のマグネトロン駆動用電源。
  6. マグネトロンの発振を検出する発振検出手段を設け、マグネトロンの起動状態と定常発振状態で駆動部を停止させる閾値を異なる値とした請求項1〜5のいずれか1項に記載のマグネトロン駆動用電源。
JP2004281790A 2004-09-28 2004-09-28 マグネトロン駆動用電源 Pending JP2006100011A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009199975A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Panasonic Corp 高周波加熱電源
JP2014182904A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Hitachi Appliances Inc マグネトロン駆動用電源、および、それを備えた高周波加熱装置

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