JP2006099992A - 燃料電池システム及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発電条件や外気条件に応じた最適な温度でシステムを動作させて、電池性能の低下を回避し、低温環境下での起動性を向上することを課題とする。
【解決手段】 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応ガスを化学反応させて発電を行う燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックを備えた燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック100は、外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bとからなり、外側の燃料電池スタック100aには、内部に中空状の空間が形成され、この中空状の空間に内側の燃料電池スタック100bが収納配置されて構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池スタックの温度調節を行った燃料電池システム及びその制御方法に関する。
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献に記載された技術では、燃料電池スタックを構成する積層方向の両端に位置する単セルの外側に、冷媒隔離用及び断熱用の導電プレート(断熱プレート)が各単セルの端面に接触して配設されている。この導電プレートは、その一方の端面に該端面に接触して配設されるターミナルプレートに閉塞されることによって空気室(断熱層)を構成する、止まり穴状の丸溝が略全面にわたって多数形成されている。
この空気室が断熱層として機能することで、単セルからターミナルプレートへの伝熱が空気室によって阻害され、ターミナルプレートから外部への放熱量が減少するので、単セルの温度低下は抑制される。これにより、単セルにおける反応温度の低下及び結露水の生成を原因とする性能低下を有効に防止できる。
特開2002−184449
以上説明したように、上記従来の燃料電池システムにおいては、導電プレートに形成された空気室によって燃料電池スタックの断熱効果を高めている。したがって、システムの起動時等燃料電池スタックの温度を高めたいときには有効である。
しかしその反面、システムの起動後発電が定常的に行われている時には、燃料電池スタックでは発電にともなって発熱が生じているため、生じた熱が放熱しにくくなっていた。このため、燃料電池スタックが過熱し、電池性能の低下や、燃料電池スタックの劣化が促進されるといった不具合を招いていた。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発電条件や外気条件に応じた最適な温度でシステムを動作させて、電池性能の低下を回避し、低温環境下での起動性を向上した燃料電池システム及びその制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応ガスを化学反応させて発電を行う燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックを備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池スタックは、第1の燃料電池スタックと第2の燃料電池スタックとからなり、前記第1の燃料電池スタックは前記第2の燃料電池スタックに囲まれて配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、発電条件や外気条件により最適な運転方法を選択することが可能となる。これにより、電池性能の低下を防止し、低温環境下での起動性を向上させることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
図1ならびに図2は本発明の実施例1に係る燃料電池システムの構成を示す図であり、図2は図1のA−A線に沿った断面図である。図1に示す実施例1のシステムでは、燃料ガスの例えば水素と酸化剤ガスの例えば空気とを化学反応させて発電を行う燃料電池セルが積層されてなる燃料電池スタック100は、外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bとに分割されて構成されている。外側の燃料電池スタック100aは、その断面すなわち各燃料電池セルが図2に示すように矩形の「回」の字状に構成され、その周辺部に後述するセル構造が形成されている一方、中央部にはセル構造が形成されておらず空間となっている。
外側の燃料電池スタック100aは、図2に示すように、矩形の一辺に水素を各燃料電池セルに分配供給する水素入口マニホールド200aが配置され、水素入口マニホールド200aが配置された一辺に対向する他辺には、各燃料電池セルから排出された未使用の水素を収集して燃料電池スタック外に導出する水素出口マニホールド201aが配置されている。また、外側の燃料電池スタック100aは、図2に示すように、矩形の一辺に空気を各燃料電池セルに分配供給する空気入口マニホールド202aが配置され、空気入口マニホールド202aが配置された一辺に対向する他辺には、各燃料電池セルから排出された未使用の空気を収集して燃料電池スタック外に導出する空気出口マニホールド203aが配置されている。
外側の燃料電池スタック100aは、複数の上記「回」の字状の燃料電池セルを積層することで、中央部に直方体状の中空空間が形成され、その中空空間に図2に示すように燃料電池スタック100bが配置され、この内側の燃料電池スタック100bと外側の燃料電池スタック100aとの間には断熱材101が設けられている。この断熱材101は、例えばポリフッ化エチレン(またはポリテトラフルオロエチレン)(PTFE、商標名テフロン)を用いたが、断熱材101に代えて、外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bとの間の隙間に不活性ガスを密封して、内側の燃料電池スタック100bを断熱するようにしてもよい。
内側の燃料電池スタック100bは、矩形状の燃料電池セルが複数積層されて構成され、図2に示すように、矩形の一辺に水素を各燃料電池セルに分配供給する水素入口マニホールド200bが配置され、水素入口マニホールド200bが配置された一辺に対向する他辺には、各燃料電池セルから排出された未使用の水素を収集して燃料電池スタック外に導出する水素出口マニホールド201bが配置されている。また、内側の燃料電池スタック100bは、図2に示すように、矩形の一辺に空気を各燃料電池セルに分配供給する空気入口マニホールド202bが配置され、空気入口マニホールド202bが配置された一辺に対向する他辺には、各燃料電池セルから排出された未使用の空気を収集して燃料電池スタック外に導出する空気出口マニホールド203bが配置されている。
外側の燃料電池スタック100aとその中空空間に配置された内側の燃料電池スタック100bとは、その両端部に両スタックに共通化されたエンドプレート102が設けられ、両エンドプレート102を締め付けボルト103により締め付けて各燃料電池セルならびに断熱材101が一体化されて燃料電池スタックが構成される。外側の燃料電池スタック100aには、その両端部にヒータ104が取り付けられており、このヒータ104で外部の燃料電池スタック100aは加熱されて昇温される。内側の燃料電池スタック100bにも、その両端部にヒータ105が取り付けられており、このヒータ105で内側の燃料電池スタック100bは加熱されて保温される。
外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bとは、それぞれ独立して反応ガスが供給される。すなわち、外側の燃料電池スタック100aでは、水素が貯蔵された水素ボンベ106から圧力調整弁107aならびに開閉バルブ108aを介して水素が供給される。外側の燃料電池スタック100aに供給される水素は、供給/停止が開閉バルブ108aの開閉により制御され、流量が圧力調整弁107aで調整されて、水素入口配管を介して導入される。外側の燃料電池スタック100aに導入された水素は、水素入口マニホールド200aを通して各燃料電池セルに分配される。
また、外側の燃料電池スタック100aでは、空気を圧縮するコンプレッサ109から圧力調整弁110aならびに開閉バルブ111aを介して空気が供給される。外側の燃料電池スタック100aに供給される空気は、供給/停止が開閉バルブ111aの開閉により制御され、流量が圧力調整弁110aで調整されて、空気入口配管を介して導入される。外側の燃料電池スタック100aに導入された空気は、空気入口マニホールド202aを通して各燃料電池セルに分配される。
一方、内側の燃料電池スタック100bでは、水素が貯蔵された水素ボンベ106から圧力調整弁107bならびに開閉バルブ108bを介して水素が供給される。外側の燃料電池スタック100bに供給される水素は、供給/停止が開閉バルブ108bの開閉により制御され、流量が圧力調整弁107bで調整されて、水素入口配管を介して導入される。内側の燃料電池スタック100bに導入された水素は、水素入口マニホールド200bを通して各燃料電池セルに分配される。
また、内側の燃料電池スタック100bでは、空気を圧縮するコンプレッサ109から圧力調整弁110bならびに開閉バルブ111bを介して空気が供給される。外側の燃料電池スタック100bに供給される空気は、供給/停止が開閉バルブ111bの開閉により制御され、流量が圧力調整弁110bで調整されて、空気入口配管を介して導入される。外側の燃料電池スタック100bに導入された空気は、空気入口マニホールド202bを通して各燃料電池セルに分配される。
内側の燃料電池スタック100bに供給された水素と空気の反応ガスは、電解質膜(図示せず)で化学反応して消費される。消費されなかった未使用の水素と空気の未反応ガス、
ならびに反応にともなって生成される水蒸気は、対応する水素出口マニホールド201a、空気出口マニホールド203aに集まり、それぞれの水素出口配管、空気出口配管から排出される。
内側の燃料電池スタック100bの空気出口配管には、水トラップ装置112が設置され、この水トラップ装置112で内側の燃料電池スタック100bから排出された水分をトラップする。内側の燃料電池スタック100bと水トラップ装置112とを連結する空気出口配管には、リボンヒータ113が取り付けられており、このリボンヒータ113で配管を加熱して配管内の水分の凍結を回避している。
内側の燃料電池スタック100bでは、反応ガスを導入/導出する配管類は、電気絶縁性の例えばポリフッ化エチレン(またはポリテトラフルオロエチレン)(PTFE、商標名テフロン)を用い、また電気配線類は同様のポリフッ化エチレンで被覆された銅線を用いている。
外側の燃料電池スタック100aならびに内側の燃料電池スタック100bの発電で得られた電力は、電流切替・結合器114に与えられる。電流切替・結合器114は、外側の燃料電池スタック100a、内側の燃料電池スタック100bから与えられた電流を選択し、選択した電流をそのままあるいは結合してインバータ115に与える。すなわち電流切替・結合器114は、外側の燃料電池スタック100a及び内側の燃料電池スタック100bのいずれか一方で発電が行われている場合には、発電が行われている側から与えられた電流を選択する一方、外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bの双方で発電が行われている場合には、双方から与えられる電流を選択し、選択した電流を結合する。インバータ115は、電流切替・結合器114から与えられた直流の電力を交流に変換した後、負荷116の例えばモータに供給する。
燃料電池システムは、外気温度を計測する外気温度計117を備え、外側の燃料電池スタック100aには、スタックの温度を計測する温度計118が設けられ、内側の燃料電池スタック100bには、スタックの温度を計測する温度計119が設けられいる。これらの温度計で計測された各温度は、コントロールユニット(図示せず)に与えられて、燃料電池スタックの運転状態をモニタするために使用される。
コントロールユニットは、本システムの運転を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、CPU、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等により実現される。コントロールユニットは、本システムにおける外気温度計117,温度計118,119を含む各センサ(図示せず)からの信号を読み込み、読み込んだ各種信号ならびに予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、弁やバルブを含む本システムの各構成要素に指令を送り、以下に説明する起動時の動作を含む本システムの運転/停止に必要なすべての動作を統括管理して制御する。
図3は外側の燃料電池スタック100aならびに内側の燃料電池スタック100bを構成する燃料電池セルの構造を示す図である。図3において、燃料電池セルは、導電性のカーボングラファイトのプレートで構成され、その一方面に空気ガス流路300となる溝と、他方面に水素ガス流路301となる溝が形成されたセパレータ302と、このセパレータ302の間に挟まれるように配置されて発電部として機能するMEA303を含んで構成されている。
MEA303は、電解質膜(パーフルオロスルホン酸ポリマー、ナフィオン111)304を挟んだ両側の触媒層(白金担持カーボンブラック)305、さらにその外側に撥水処理したカーボンブラックのカーボン層309、ならびにガス拡散層(GDL、カーボンペーパ)306が配置されて構成される。
このような構成の燃料電池セルは、水素入口マニホールド200a、200bから分配された水素がセパレータ302の水素ガス流路301を通ってアノード極307に供給され、アノード極307のガス拡散層306において触媒層305へ拡散して到達し、触媒層305の白金上で触媒反応(H→2H+2e)が生じる。この反応により生じたプロトン(H)は、電解質膜304をアノード極307からカソード極308に向かって移動する。また、電子は電流切替・結合器114へ供給されて電流が取り出される。
一方、空気入口マニホールド202a、202bから分配された空気がセパレータ302の空気ガス流路300を通ってカソード極308に供給され、ガス拡散層306において触媒層305へ拡散して到達し、触媒層305の白金上で触媒反応(1/2O+2H+2e→HO )が生じる。このように電解質膜304を移動したプロトンと、電流切替・結合器114を通過した電子と、空気中の酸素とが反応することにより水が生じる。生じた水は水蒸気又は液水のまま排気される。また、MEA303とガス流路との間には、例えばシリコンゴムからなるガスシール310が設けられ、このガスシール310でガス漏れを防止している。
このように構成された燃料電池システムでは、図4のフローチャートに示す動作手順にしたがってシステムが起動される。図4において、発電停止後、システムを放置する際に温度計119で計測された内側の燃料電池スタック100bの温度をモニタする(ステップS40)。モニタした温度が、氷点の0℃を下まわらないように内側の燃料電池スタック100bの両端のヒータ105を必要に応じて作動させて内側の燃料電池スタック100bを保温する(ステップS41)。
これにより、外気温度が例えば氷点下20℃程度であっても内側の燃料電池スタック100bは0℃以上に保たれる。したがって、氷点下20℃程度で、システムが起動されて発電が指令された場合であっても(ステップS42)、内側の燃料電池スタック100bでは、解凍作業や昇温作業等を必要とせず直ちに発電が可能となる。
そこで、システムの起動後先ず内側の燃料電池スタック100bで発電を開始する(ステップS43)。発電が開始された内側の燃料電池スタック100bでは、触媒層やGDL、セパレータ内のガス流路において、発電により生成された水分が凍結することはない。
また、発電量を抑えて低電流とすることで、内側の燃料電池スタック100bの自己発熱量も抑制され、必要以上に過熱することは回避される。これにより、電池性能の低下や、構成の劣化を抑制することが可能となる。
発電により生成された水分は、空気出口マニホールド203b、空気出口配管を通じて水トラップ装置112でトラップされて回収される。これにより、配管内に水分が溜まりその水分が凍結して反応ガスの流通を阻害することは回避される。
このように、システムの起動時に内側の燃料電池スタック100bで発電した電力は、
内側の燃料電池スタック100bのヒータ105、配管のリボンヒータ113に加えて、外側の燃料電池スタック100aのヒータ104に供給されてヒータ駆動用に使用される。
外側の燃料電池スタック100aのヒータ104が作動して外側の燃料電池スタック100aが加熱され(ステップS44)、温度計118で計測された外側の燃料電池スタック100aの温度が所定温度、例えば0℃を越えたか否かを判別し(ステップS45)、越えた時点で外側の燃料電池スタック100aの発電も開始し(ステップS46)、システムの通常運転が始まる(ステップS47)。
このように、外気が氷点下であっても、内側の燃料電池スタック100b内で水分が凍結してできる氷が配管内に詰まって反応ガスが触媒層へ供給できなくなったり、発電不能になる現象を防ぐことができ、発電を円滑に開始することができる。
なお、外側の燃料電池スタック100aでは、内側の燃料電池スタック100bの発電が開始されてから予め設定された所定時間が経過した後に発電を開始するようにしても、同様の効果を得ることができる。
燃料電池には最適な運転温度があり、電解質膜として例えばパーフルオロ系の膜を使用した場合には、概ね70℃〜80℃程度といわれている。また、燃料電池の温度が高いほど触媒活性が高くなるが、高すぎると電解質膜中の水分が蒸発して膜が乾燥したり、水蒸気分圧の上昇により酸素、水素ガス濃度が低下したりして、電池性能が低下する。
そこで、このような不具合を回避するために、燃料電池スタックの温度を調節をする必要がある。温度調節は、加熱用のヒータや冷却用のファンを燃料電池スタック内や周辺に取り付けて作動させたり、燃料電池スタック内に冷却水を供給したりするが、発電中は発電に伴う熱が燃料電池スタック内のMEA部分から発生するので、この熱も含めて温度調節をすることになる。このときに、燃料電池スタックの構造を考慮して無駄なエネルギーを使わずに、また最適温度で動作するようにすべきである。
図1ならびに図2に示す上記実施例1の構成では、内側の燃料電池スタック100bは外側の燃料電池スタック100aに囲まれて配置されているため、発電時に発熱した熱が逃げにくく、暖まりやすい一方、一度暖まると冷えにくい。しかし、発電量を抑えて取り出す電流量を少なくすることで、過熱を抑えることは可能である。
一方、外側の燃料電池スタック100aは、外気に晒されているため冷却されやすく、ファンで冷却風を当てることで冷却しやすくなる。これにより、発電条件や外気条件に応じて外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bの上記した特性を生かして、外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bのいずれか一方又は双方を適宜選択して発電を行うことで、最適な温度でシステムを運転することが可能となる。故に、電池性能の低下や構成の劣化を招くことなく、低温環境下であってもシステムの起動後円滑に発電を開始することができる。
外側の燃料電池スタック100aの中空空間に内側の燃料電池スタック100bを収納配置することで、最適な温度でシステムを運転できる構成を簡便に実現することができる。内側の燃料電池スタック100bの周りを断熱材やガス(特に不活性ガス)で覆うことにより、保温効果を高めることができる。これにより、システム停止後に再度起動する際に、内側の燃料電池スタック100bの温度が保温されているのでより迅速に最適な温度にすることができる。また、外気温度が氷点下になっても、しばらくの間は内側の燃料電池スタック100bを氷点以上の温度に保つことができるので、氷点下からシステムを起動する際に内側の燃料電池スタック100bの発電で生成された水分を凍結させることなく、円滑に発電を行うことができる。
内側の燃料電池スタック100bにヒータ105を設けることで、例えばシステムの運転を停止して放置している時に、ヒータ105で内側の燃料電池スタック100bを暖めておくことにより、氷点以上の温度に内側の燃料電池スタック100bを保つことができる。これにより、氷点下からシステムを起動する際に内側の燃料電池スタック100bのみを発電すると、発電に伴って発生する生成水を凍結させることなく、円滑に発電させることができる。
外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bの圧損がそれぞれ異なるので、それぞれ別々に反応ガスの水素と空気を供給することにより、システムの起動、発電時の制御が容易になる。また、内側の燃料電池スタック100bのみを発電させる場合には、外側の燃料電池スタック100aに反応ガスを供給する必要がなくなる。
外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bのエンドプレート102を共通化することで、燃料電池スタック全体の容量を小型化することができる。内側の燃料電池スタック100bに接続される配管ならびに電気配線は、電気絶縁性の材料を使用することで、内側の燃料電池スタック100bと外側の燃料電池スタック100aとの電気的な短絡、熱的な伝熱を防ぐことができる。
システムの起動時に、先ず内側の燃料電池スタック100bを発電した後、外側の燃料電池スタック100aを発電することで、内側の燃料電池スタック100bの発電による自己発熱で外側の燃料電池スタック100aを昇温することができるので、外気に晒された外側の燃料電池スタック100aの温度を迅速に上げることができる。
さらに、氷点下からの起動時には、なるべく短時間に燃料電池スタックの温度を氷点以上に上げることが重要となる。したがって、先ず内側の燃料電池スタック100bのみを発電すると放熱を抑えられるので、内側の燃料電池スタック100bの発電が継続できる温度まで迅速に上げることができる。これにより、生成水の氷結により発電不能になることが防止できる。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2の特徴とするところは、先の実施例1の構成に比べて、外側の燃料電池スタック100aに冷却風を送風する冷却ファン(図示せず)を設け、この冷却ファンにより必要に応じて外側の燃料電池スタック100aを冷却し、さらに燃料電池スタックから取り出す電流量に応じて、外側の燃料電池スタック100aと内側の燃料電池スタック100bの発電を選択するようにしたことにあり、他は先の実施例1と同様である。ここで、外側の燃料電池スタック100aの燃料電池セルの電極面積を350cm 程度とし、内側の燃料電池スタック100bの燃料電池セルの電極面積を50cm 程度とし、この電極面積に応じてそれぞれの燃料電池スタックの発電量が設定される。
このような構成において、コントロールユニットの制御の下に負荷要求に応じた電流を取り出すが、取り出し電流が、内側の燃料電池スタック100bの電極面積に応じて賄える程度の所定電流、例えば30A程度以下(低電流)の場合は、内側の燃料電池スタック100bのみを発電させて、内側の燃料電池スタック100bのみから電流を取り出す。これに対して、取り出し電流が30A程度以上(大電流)の場合には、内側の燃料電池スタック100bならびに外側の燃料電池スタック100aの双方を発電する。
これにより、燃料電池スタックの発熱量が小さい低電流の場合は、内側の燃料電池スタック100bのみを発電させることで燃料電池スタック100bを保温することができる一方、発熱量がそれほど多くないので許容以上に過熱することは回避される。これに対して、燃料電池スタック全体の発熱量が大きい大電流の場合には、内側の燃料電池スタック100bに加えて外側の燃料電池スタック100aも発電することで、外側の燃料電池スタック100aの発電により発生した熱は外気に放熱されるので、許容以上に過熱することは回避できる。このような運転制御を行うことで、ヒータや冷却ファンを動作させるために消費させる電力を削減することができ、低消費電力化を図ることができる。
なお、取り出し電流量によっては、システムが定常運転になった際に、システムの起動当初に発電を行った内側の燃料電池スタック100bの発電を停止し、外側の燃料電池スタック100aのみを発電させるようにしてもよい。
また、内側の燃料電池スタック100bのみを発電する場合には、外側の燃料電池スタック100aに対応した開閉バルブ108a,111aを閉じて外側の燃料電池スタック100aへの反応ガスの供給を停止する。これにより、燃料電池セルの電解質膜に接する反応ガスの面積が減少するので、電解質膜を透過する空気、水素の漏れ(クロスリーク)が抑えられ、無駄な反応ガスの消費を抑制することができる。
このように、上記実施例2では、取り出し電流が低電流密度のときには、燃料電池スタックからの発熱量が小さいので、発生した熱を逃がさない方が外部からのヒータ電力を抑えて最適温度に調節することができるので、内側の燃料電池スタック100bのみを発電させる。一方、高電流密度のときは、燃料電池スタックからの発熱量が大きいので、外側の燃料電池スタック100aも発電させることで、発生した熱を逃がすために冷却ファンや冷却水を流すための電力を抑えて最適温度に調節することができる。
本発明の実施例1に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 図1のA−A線に沿った断面構成を示す図である。 燃料電池セルの内部構成を示す図である。 実施例1の運転手順を示すフローチャートである。
符号の説明
100…燃料電池スタック
100a…外側の燃料電池スタック
100b…内側の燃料電池スタック
101…断熱材
102…エンドプレート
103…ボルト
104,105…ヒータ
106…水素ボンベ
107a,107a、110a,110b…圧力調整弁
108a…開閉バルブ
108a,108b,111a,111b…開閉バルブ
112…水トラップ装置
113…リボンヒータ
114…電流切替・結合器
115…インバータ
116…負荷
117…外気温度計
118…温度計
118,119…温度計
200a,202b…水素入口マニホールド
201a,201b…水素出口マニホールド
202a,202b…空気入口マニホールド
203a,203b…空気出口マニホールド
300…空気ガス流路
301…水素ガス流路
302…セパレータ
303…MEA
304…電解質膜
305…触媒層
306…ガス拡散層
307…アノード極
308…カソード極
309…カーボン層
310…ガスシール

Claims (13)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応ガスを化学反応させて発電を行う燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池スタックは、第1の燃料電池スタックと第2の燃料電池スタックとからなり、前記第1の燃料電池スタックは前記第2の燃料電池スタックに囲まれて配置されている
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記第2の燃料電池スタックには、内部に中空状の空間が形成され、この中空状の空間に前記第1の燃料電池スタックが収納配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1の燃料電池スタックは、断熱部材で覆われている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1の燃料電池スタックは、前記第1の燃料電池スタックを加熱して保温する加熱手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1,2及び3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第1の燃料電池スタックと前記第2の燃料電池スタックとは、それぞれ独立して反応ガスが供給される
    ことを特徴とする請求項1,2,3及び4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第1の燃料電池スタックと前記第2の燃料電池スタックとのエンドプレートは共通化されている
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4及び5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第1の燃料電池スタックに接続される配管は、電気絶縁性の材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5及び6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記第1の燃料電池スタックに接続される電気配線は、電気絶縁性の材料で被覆されている
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6及び7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応ガスを化学反応させて発電を行う燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックを備えた燃料電池システムを制御する燃料電池システムの制御方法において、
    前記燃料電池スタックは、第1の燃料電池スタックと第2の燃料電池スタックとからなり、前記第1の燃料電池スタックは前記第2の燃料電池スタックに囲まれて配置され、
    前記第1の燃料電池スタックを加熱する加熱手段と、
    前記第1の燃料電池スタックの温度を計測する温度計測手段とを有し、
    前記加熱手段により前記第1の燃料電池スタックを加熱して保温し、前記第1の燃料電池スタックの温度が氷点下にならないように制御する
    ことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  10. 前記燃料電池システムの起動時に、前記第1の燃料電池スタックを発電させて所定時間が経過した後、もしくは前記第1の燃料電池スタックの温度が所定温度以上に達した時に、前記第2の燃料電池スタックの発電を開始する
    ことを特徴とする請求項9記載の燃料電池システムの制御方法。
  11. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応ガスを化学反応させて発電を行う燃料電池セルが複数積層されてなる燃料電池スタックを備えた燃料電池システムを制御する燃料電池システムの制御方法において、
    前記燃料電池スタックは、第1の燃料電池スタックと第2の燃料電池スタックとからなり、前記第1の燃料電池スタックは前記第2の燃料電池スタックに囲まれて配置され、
    前記燃料電池システムの起動時に、前記第1の燃料電池スタックを発電させて所定時間が経過した後、もしくは前記第1の燃料電池スタックの温度が所定温度以上に達した時に、前記第2の燃料電池スタックの発電を開始する
    ことを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
  12. 前記燃料電池システムの外気の温度を計測する外気温度計測手段と、
    前記第1の燃料電池スタックの温度を計測する温度計測手段とを有し、
    前記燃料電池システムの起動時に、氷点付近の所定温度以下である場合に前記制御方法を実行する
    ことを特徴とする請求項10又は11記載の燃料電池システムの制御方法。
  13. 前記燃料電池システムから取り出す電流量が所定電流以下である場合は、前記第1の燃料電池スタックのみを発電させ、取り出す電流量が前記所定電流以上である場合には、前記第1の燃料電池スタックならびに前記第2の燃料電池スタックの双方を発電させる
    ことを特徴とする請求項9記載の燃料電池システムの制御方法。
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