JP2006098829A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズGを保持するレンズ枠10、レンズ枠10の円筒状の外周面11が摺動自在に嵌合してレンズ枠10を光軸方向に移動自在に支持する内周面22aをもつ筒状支持部22を有する固定枠20、筒状支持部22の外側に光軸Lを中心とする同心状に配置されてレンズ枠10を光軸方向の前側及び後側から付勢する前側コイルバネ30及び後側コイルバネ40等を備え、後側コイルバネ40が形状記憶合金で形成されて通電/非通電による温度変化により光軸方向に伸縮する、構成とした。これにより、レンズGを円滑にかつ速やかに移動させることができると共に携帯情報端末機に組み込み可能に装置を小型化できる。
【選択図】 図2
Description
しかしながら、従来の形状記憶合金を用いたレンズ駆動装置では、形状記憶合金は、鏡筒内に収容されているため、加熱された後に自然冷却されて所定形状に復元するまでに時間を要し、レンズを円滑にかつ速やかに移動させることが困難であった。また、従来の形状記憶合金を用いたレンズ駆動装置では、レンズを光軸方向に円滑に駆動させるべく、ガイドロッド等の案内機構を用いるため、装置の小型化が困難であった。
この構成によれば、形状記憶合金バネは、通電により加熱されて伸長又は収縮した状態から通電を停止されると、筒状支持部の外側に露出して配置されているので、効率良く冷却されて速やかに収縮又は伸長する。それ故に、レンズ枠を速やかに光軸方向に移動させることができる。また、レンズは、筒状支持部により形状記憶合金バネとは隔てられているので、形状記憶合金バネの発生する熱がレンズやその光路に影響を及ぼすのを防止できる。さらに、形状記憶合金バネは筒状支持部の外側に同心状に配置されているので、レンズ枠には、光軸周りにおいて略均等に力が作用し、光軸方向の移動に際してレンズ枠の光軸がぶれることがなく、レンズ枠を円滑に移動させることができる。
この構成によれば、例えば、前側コイルバネ及び後側コイルバネの一方が通電により加熱されて伸長すると、一方のコイルバネは、他方のコイルバネの付勢力に抗しながらレンズ枠を一の撮影位置から他の撮影位置へ移動させる。そして、一方のコイルバネへの通電を停止すると、一方のコイルバネが自然冷却されて収縮する。このとき、レンズ枠は、他方のコイルバネにより常時付勢されているので、再び一の撮影位置に速やかに移動する。
また、装置の小型化及び組付けの容易化を実現しつつ、レンズ枠を光軸方向にのみ移動自在に案内することができる。
この構成によれば、装置構成が簡略化されると共に、形状記憶合金バネの伸縮の際に生じる回動成分がレンズ枠に伝達されるのを防止できるので、レンズ枠の円滑な移動が可能となる。また、レンズ枠を光軸方向にのみ移動自在に案内することができると共に、バネ受けリングにより形状記憶合金バネに生じる回動成分を円滑に吸収できる。
図1ないし図5は、本発明に係るレンズ駆動装置の一実施形態を示すものであり、図1はレンズ枠が通常撮影位置にある装置の側面図、図2はレンズ枠が通常撮影位置にある装置の光軸方向の断面図、図3は装置の分解斜視図、図4はレンズ枠が近接撮影位置にある装置の側面図、及び図5はレンズ枠が近接撮影位置にある装置の光軸方向の断面図である。
バネ受け部12は、光軸方向の前方に形成された環状の受け面12aにより前側コイルバネ30の一端を受けると共に、光軸方向の後方に形成された環状の受け面12bに後側コイルバネ40の一端を受ける。
腕部13は、外周面11から径方向に突出すると共に、バネ受け部12の周方向において、等間隔に複数(3つ)形成され、固定枠20の後述するガイド孔23に挿通される。
基部21は、矩形状の外形を有し、光軸方向の前方に位置して後側コイルバネ40を受ける前面21a、その内側においてCCD200を保持する保持部21b等を備える。
筒状支持部22は、基部21の前面21aから光軸方向に伸長して形成されると共に、レンズ枠10の外周面11が摺動可能に嵌合する光軸Lを中心にもつ円筒状の内周面22a、バネ受け部材50が固定される環状の前端面22b、前端面22bに形成されてバネ受け部材50の後述する嵌合孔50aに嵌め込まれる複数の突起22c、前端面22bから光軸方向の後方に伸長すると共に周方向において等間隔に形成された複数(3つ)のガイド孔23等を備える。
筒状支持部22は、その内周面22aにレンズ枠10の外周面11が摺動可能に嵌合することにより、レンズ枠10を光軸方向に移動自在に支持すると共に、レンズ枠10の腕部13がそのガイド孔23に挿通されることにより、レンズ枠10の光軸Lの回りにおける回動を規制して光軸方向に移動自在に案内する。これにより、レンズ枠10は、筒状支持部22により光軸方向にのみ移動自在に支持される。
形状記憶合金は、予め与えられた変形歪が、特定の温度領域において、ゼロとなって元の形状に回復する性質をもつ金属であり、例えば、Ni―Ti合金である。
後側コイルバネ40は、その両端が駆動回路250にそれぞれ電気的に接続されていると共に、図示しない電気絶縁材料により表面が被覆されている。後側コイルバネ40は、駆動回路250により通電されると、加熱されて特定の温度領域となり、そのピッチが光軸方向に所定の長さだけ伸長する。また、後側コイルバネ40は、通電を停止されると、自然に冷却されると共にコイルバネ30の付勢力により、光軸方向に所定の長さだけ収縮し、加熱される前の形状に回復する。すなわち、後側コイルバネ40は、通電/非通電による温度変化により光軸方向に伸縮し、レンズ枠10を光軸方向に駆動させる。
後側コイルバネ40は、通電されると、その電気抵抗により加熱されて光軸方向に伸長し、前側コイルバネ30の付勢力に抗ってレンズ枠10を光軸方向の前方に向けて移動させる。これにより、レンズ枠10は、図4及び図5に示すように、筒状支持部22の前方に繰り出されて近接撮影位置に到達する。
また、形状記憶合金バネとしての後側コイルバネ40とレンズ枠10とは、筒状支持部22により隔てられているので、後側コイルバネ40の発生する熱は、レンズGや光路に伝達されにくく、撮像画像に悪影響を及ぼさない。
また、後側コイルバネ40によりレンズ枠10を駆動するので、複雑な駆動機構を必要とせず、装置を大幅に小型化できると共に、駆動機構による騒音の発生を防止できる。
さらに、レンズ枠10が前側コイルバネ30及び後側コイルバネ40により光軸方向の両側から付勢(押圧)されているので、衝撃に強い構造をもつ。
図6は、本体310に対して表示装置を搭載する蓋部320を開閉できる形式の携帯電話機を示している。
カメラユニット300は、蓋部320の表示装置とは反対側の側面に形成された搭載部321に搭載されている。カメラユニット300は、小型化されているので、蓋部320の搭載部321のような狭小なスペースにも内蔵することができる。
この装置は、図7ないし図9に示すように、レンズGを保持するレンズ枠110、撮像素子としてのCCD200を保持すると共にレンズ枠110を光軸方向に移動自在に支持する固定枠120、固定枠120の後述する筒状支持部122の外側に露出して光軸Lを中心とする同心状に配置された二方向性素子の形状記憶合金バネとしてのコイルバネ130等を備える。
後述するバネ受けリング114を回動自在に支持する環状支持部112、外周面111から径方向に突出して環状支持部112と連結される腕部113、環状支持部112の外周面において回動自在に支持されてコイルバネ130の一端を受けるバネ受けリング114等を備える。
環状支持部112は、その外周面に形成された環状の溝部112aにより、バネ受けリング114を回動自在に支持している。
腕部113は、外周面111から径方向に突出すると共に、環状支持部の周方向において、等間隔に複数(3つ)形成され、固定枠120の後述するガイド孔123に挿通される。
バネ受けリング114は、環状支持部112の溝部112aに嵌め込まれ、レンズ枠110に対して光軸Lの回りにおいて相対的に回動し得ると共に、コイルバネ130の後述する一端部131を掛止するための掛止孔114a、コイルバネ130の一端を受ける光軸方向の後方に形成された環状の受け面114b等を備える。
基部121は、矩形状の外形を有し、光軸方向の前方に位置してコイルバネ130の他端を受ける前面121a、その内側においてCCD200を保持する保持部121b、コイルバネ130の後述する他端部132を掛止するための掛止孔121c等を備える。
筒状支持部122は、基部121の前面121aから光軸方向に伸長して形成されると共に、レンズ枠110の外周面111が摺動可能に嵌合する光軸Lを中心にもつ円筒状の内周面122a、前端面122bから光軸方向の後方に伸長すると共に周方向において等間隔に形成された複数(3つ)のガイド孔123等を備える。
筒状支持部122は、その内周面122aにレンズ枠110の外周面111が摺動可能に嵌合することにより、レンズ枠110を光軸方向に移動自在に支持すると共に、レンズ枠110の腕部113がそのガイド孔123に挿通されることにより、レンズ枠110の光軸L回りの回動を規制して光軸方向に移動自在に案内する。これにより、レンズ枠110は、筒状支持部122により光軸方向にのみ移動自在に支持される。
また、コイルバネ130は、その一端部131が、バネ受けリング114の掛止孔114aに挿通されて先端部が折り曲げられることにより、バネ受けリング114に掛止されていると共に、その他端部132が、固定枠120の掛止孔121cに挿通されて先端部が折り曲げられることにより、固定枠120に掛止されている。
さらに、コイルバネ130は、その両端が駆動回路250にそれぞれ電気的に接続されていると共に、図示しない電気絶縁材料により表面が被覆されている。コイルバネ130は、駆動回路250により通電されると、加熱されて特定の温度領域となり、ピッチが光軸方向に所定の長さだけ伸長する。また、コイルバネ130は、通電を停止されると、自然に冷却されて、光軸方向に所定の長さだけ収縮し、加熱される前の形状に回復する。すなわち、コイルバネ130は、通電/非通電による温度変化により光軸方向に伸縮し、レンズ枠110を光軸方向に駆動させる。
コイルバネ130は、通電されると、その電気抵抗により加熱され、光軸方向に伸長してレンズ枠110を図示しない近接撮影位置に移動させる。このとき、コイルバネ130のバネ材料の長さも伸長して光軸Lの周りの回動成分が発生する場合には、バネ受けリング114がレンズ枠110に対して相対的に回動し、コイルバネ130のピッチの伸長成分のみがレンズ枠110に伝達される。それ故に、レンズ枠110は光軸方向に円滑に移動する。
レンズ枠110は、近接撮影位置から通常撮影位置に移動させるには、駆動回路250によるコイルバネ130への通電を停止する。通電を停止すると、コイルバネ130は、自然冷却により温度が低下し、光軸方向に収縮する。このとき、コイルバネ130の両端部131,132は、バネ受けリング114及び固定枠120にそれぞれ掛止されているので、レンズ枠110は、コイルバネ130の収縮により光軸方向の後方に向けて繰り込み、通常撮影位置に到達する。尚、収縮するコイルバネ130に回動成分がある場合には、バネ受けリング114が回動する。
バネ受けリングを固定枠側に設ける構成とすることも可能である。また、バネ受けリング114を使用せずに、環状支持部112にコイルバネ130の一端部131を回動可能に掛止するための長孔等を形成することも可能であり、又、コイルバネ130の一端部131をレンズ枠110に直接掛止すると共に、他端部132を回動可能に掛止するための長孔等を固定枠120に形成することも可能である。
11…外周面
12…バネ受け部
12a,12b…受け面
13…腕部
20…固定枠
21…基部
21a…前面
22…筒状支持部
22a…内周面
22b…前端面
22c…突起
23…ガイド孔
30…前側コイルバネ
40…後側コイルバネ(形状記憶合金バネ)
50…バネ受け部材
50a…嵌合孔
110…レンズ枠
111…外周面
112…バネ受け部
112a…溝部
113…腕部
114…バネ受けリング
114a…掛止孔
114b…受け面
120…固定枠
121…基部
121a…前面
121b…保持部
121c…掛止孔
122…筒状支持部
123…ガイド孔
130…コイルバネ(形状記憶合金バネ)
200…CCD
250…駆動回路
300…カメラユニット
310…本体
320…蓋部
321…搭載部
G…レンズ
L…光軸
Claims (3)
- レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズ枠を光軸方向にのみ移動自在に支持する筒状支持部を有する固定枠と、光軸方向に伸縮し得るコイルバネと、を備え、
前記コイルバネは、前記筒状支持部の外側に露出して同心状に配置され,かつ,通電/非通電による温度変化により光軸方向に伸縮して駆動力を発生すべく形状記憶合金により形成された形状記憶合金バネを含む、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記コイルバネは、前記レンズ枠を光軸方向の前側及び後側から付勢するべく当接して配置された前側コイルバネ及び後側コイルバネを含み、
前記前側コイルバネ及び後側コイルバネの少なくとも一方は、前記形状記憶合金であり、
前記レンズ枠は、その外周面から径方向に突出する腕部と、前記腕部に連結されると共に前記筒状支持部の外側に配置されて前記前側コイルバネ及び後側コイルバネの一端を受ける環状のバネ受け部と、を有し、
前記筒状支持部は、前記腕部を挿通させるべく光軸方向に伸長して形成されたガイド孔を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。 - 前記形状記憶合金バネは、その一端が光軸周りに相対的に回動可能に前記固定枠及びレンズ枠の一方に掛止され、その他端が前記固定枠及びレンズ枠の他方に掛止され、
前記レンズ枠は、その外周面から径方向に突出する腕部と、前記腕部に連結されると共に前記筒状支持部の外側に配置された環状支持部と、前記環状支持部により光軸周りに回動自在に支持されると共に前記形状記憶合金バネの一端が掛止されたバネ受けリングと、を有し、
前記筒状支持部は、前記腕部を挿通させるべく光軸方向に伸長して形成されたガイド孔を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
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