JP2006098470A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印刷媒体である用紙などのジャム発生個所や枚数を検出するために多数の媒体検出センサを搬送路各所に配置した従来の問題点を解消し、媒体検出センサを削減して製造コストを抑えるなどした画像形成装置を提供する。
【解決手段】 搬送路の出口に設けた排紙検出センサ9による用紙の通過が所定の時間内に検出されないとき、駆動制御部20はそれを用紙滞留(ジャム)が発生したと判断して搬送を停止する。主制御部10のジャム位置判定部12は、画像形成部の感光体ドラムでデータ転送ラインの形成が中断された時点において、ライン数を距離長さに換算して用紙が搬送路のどの位置に滞留しているかを算出する。そのようにして求めた滞留位置や滞留枚数の情報を表示部13に送信して表示させ、ユーザに報知する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ装置および複写機など電子写真方式による画像形成装置に関するものである。
一般に、画像形成装置の使用中に印刷媒体である用紙の滞留(ジャム)が発生すると、表示部にジャム発生部位を表示してユーザに知らせてジャム除去作業を促すようになっている。たとえば、特許文献1の公報の画像形成装置には次のようなジャム発生に対応する構造が開示されている。すなわち、搬送路の入口と出口にそれぞれ用紙検出センサが配置され、搬送路に用紙が搬送路入口から進入して通過したことを検出し、印刷処理を終えた用紙が搬送路出口から排紙されて通過したことを検知するようになっている。さらに、それら入口側と出口側に設置した用紙検出センサの他にも、搬送路の要所数箇所に複数の同様な用紙検出センサが配置され、ジャムが発生するとそれら各センサで検出したジャムの発生枚数と発生個所を表示部に表示してユーザに報知するようにしている。
特開平11−327233号公報
ところで、上記公報に開示された画像形成装置の場合、搬送路入出口のそれぞれに設けた用紙検出センサ以外に、さらに搬送路全長に亘って複数の同種センサを配置することで、ジャムの発生位置と発生枚数を検出している。したがって、多数の用紙検出センサによる部品点数の増加で製造コストも高騰するほか、多数のセンサ設置スペースを限られた装置内で確保することの制約、そして多数のセンサに費やされるメンテナンスなど管理コストも嵩むなどといった数々の問題点がある。
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、印刷媒体である用紙などのジャム発生個所や枚数を多数の媒体検出センサを搬送路各所に配置することの従来の不具合を解消し、媒体検出センサを削減して製造コストを抑えるなどした画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明による画像形成装置は次の構成を採用する。
<構成>
印刷データに基づいて生成されたライン画像データを順次受入れて、それらライン画像データに対応するライン状の画像を印刷媒体上に順次形成する画像形成部を有するとともに、前記印刷媒体が搬送される搬送路の複数個所に設けられた印刷媒体検出部を有し、該印刷媒体検出部によって検出された前記印刷媒体が前記搬送路を通過する時間が所定時間を超えたとき搬送停止を示す信号を送出して前記印刷媒体の搬送を停止させる画像形成装置において、前記搬送停止を示す信号と前記画像形成部が受け入れた前記ライン画像データの転送ライン数とに基づいて、前記搬送路における前記印刷媒体の滞留位置を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記滞留位置に基づいて前記印刷媒体の滞留位置情報を通知する通知手段と、を備えたことを特徴とする。
印刷媒体の画像形成中や搬送中にジャムによるエラーが発生すると、駆動系の作動を止めて媒体の搬送を停止させることにより、画像形成部への印刷データ転送が中断された時点でのデータ転送ライン数に基づき、印刷媒体が搬送路内のどの位置で滞留しているかを算出する。それにより、従来のように、ジャム位置やジャム枚数を検知するために搬送路全長に亘って多くの用紙検出センサを配置することなく、センサ点数を削減させて製造コストなどを抑えることができる。
以下、本発明による画像形成装置の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
図1は、画像形成装置の構成を示す概略図である。図外の給紙部は給紙カセットに収納されている印刷媒体である用紙を給紙ローラと分離部材によって一枚ずつ分離して繰り出し、対向一対のレジストローラ1間に送り出して、搬送機構部2に一定のタイミングで送り込むようになっている。搬送機構部2は、エンドレスの搬送ベルト2aが一対の原動・従動ローラ2b,2c間に張設され、駆動モータなどからなる駆動系の回転動力によって搬送ベルト2aを所定方向へ回動させるようになっている。また、搬送路入口付近には、用紙を搬送路に送り出す対向一対のレジストローラ1が設けられている。
本発明でいう印刷媒体検出部として、搬送路入口側のレジストローラ1の近傍には用紙進入検出センサ8が配置され、搬送路出口側の定着ローラ7の近傍に排紙検出センサ9が配置されている(本例では、両センサ8,9を図4で示す媒体通過検出部22といっている)。用紙進入検出センサ8は用紙が搬送路入口から搬送ベルト2a上に乗って進入したことをその通過で検出し、排紙検出センサ9は用紙が上記各画像形成部にて所定の画像が順調に行われて搬送路出口から排紙されたことをその通過で検出するようになっている。
また、搬送ベルト2aの走行方向に沿って、本例では搬送路の上流側から下流側へこの場合たとえば黄色(Y)、マゼンダ(M)、シアン色(C)、黒色(K)の各色(以下、YMCKと総称する)の画像を用紙上に形成する4つの画像形成部が配置されている。給紙部から繰り出された用紙は搬送ベルト2aによる搬送路上をそれらYMCK各色の画像形成部へ順次搬送され、黄色のトナー画像、マゼンダ色のトナー画像、シアン色のトナー画像、そして黒色のトナー画像を順次形成するようになっている。それら各色画像形成部では、それぞれの感光体ドラム3,4,5,6(以下、Yドラム3,Mドラム4,Cドラム5,Kドラム6と略称する)が搬送ベルト2aの走行方向に沿って等間隔に配置され、各YMCKドラム3〜6に画像を露光するYMCK各色対応のLED(発光ダイオード)ヘッド3a〜6a(以下、Yヘッド3a,Mヘッド4a,Cヘッド5a,Kヘッド6aと略称する)が備わっている。そうした露光デバイスとしてのLEDによる各ヘッドは、YMCKドラム3〜6にLED光を照射して静電潜像を形成し、静電潜像が形成されたYMCKドラム3〜6に現像部(図示せず)にてそれぞれYMCKの各色トナーを付着させて各色トナー像を形成するようになっている。
また、搬送路出口付近には、つまり搬送ベルト2aの下流側には定着器主要部の対向一対からなる定着ローラ7が配置されている。図示省略されているが、用紙上に転写ローラで転写電圧を印加し、YMCKドラム3〜6上に形成されたYMCK各トナー画像を順次用紙上に重ねて転写し、トナー画像転写の完了したYMCKドラム3〜6ごとにクリーニング部で残留トナーを除去し、除電部にて除電される。上記定着ローラ7は除電後に用紙上に転写された画像を定着させる。
ここで、後述する動作処理の説明に備えて、上記画像形成部における画像形成の態様について説明する。図2は用紙サイズがたとえば「A4」の場合の用紙搬送方向と印刷ラインとの関係を模式的に示し、図3は印刷の流れを示す印刷データ制御信号タイムチャートである。用紙幅方向の副走査方向をラインとすると、用紙長さ方向に複数のライン数が設定され、ラインごとにYヘッド3aから数ドット分のYデータ、Mヘッド4aからMデータ、Cヘッド5aからCデータ、Kヘッド6aからKデータが画像として順番に照射されることにより、露光が行われるようになっている。
たとえば、図2は、A4サイズ用紙に解像度600dpiで印刷する場合の印刷ライン数を示している。用紙搬送方向に直交する方向がラインを表し、1ライン単位で同時に上記のようなLEDによるYヘッド3a,Mヘッド4a,Cヘッド5a,Kヘッド6aからYMCKドラム3〜6上を画像に露光する。用紙先端から1ライン目、2ライン目、3ライン目・・と呼ぶものとする。用紙搬送方向の先端と後端に印刷をしない余白部をたとえば15ライン分だけ設けたとすると、印刷可能領域をたとえば7000ラインといったように設定することができる。
図3において、YMCKヘッドによって順に形成される印刷データは、1枚目の先行用紙の1ライン目にYデータが形成中、他の色のデータは転送されない(T1)。1枚目の用紙に対してYデータが用紙後端のたとえば5600ライン目に形成された時点で、次のMデータが1枚目の用紙の1ライン目に転送される(T2)。Yデータが2枚目の用紙に移行して1ライン目を形成中、Mデータは1枚目の用紙のたとえば2800ライン目に転送されている(T3)。また、Yデータが2枚目の用紙の用紙中間であるたとえば3500ライン目を形成中、Mデータは1枚目の用紙の用紙後端であるたとえば5600ライン目に転送される(T4)。このT4時、Cデータは1枚目の用紙の1ライン目に転送開始される。したがって、T5時、Yデータが3枚目の用紙先端のたとえば1400ライン目を形成中、Mデータは2枚目の用紙中間のたとえば3500ライン目に転送中であり、Cデータは1枚目の用紙後端のたとえば5600ライン目に転送中であり、そしてKデータは1枚目の用紙の1ライン目において転送中となる。
以上のように、用紙1枚においてYMCKの各データを時間的ズレをもって転送することにより、ある瞬間にたとえば図3中のT5時点位置でジャム発生のために駆動系の作動が停止し、YMCKドラム3〜6への印刷データ転送が中断されたとすると、Yデータは3枚目の用紙の1400ライン目を、Mデータは2枚目の用紙の3500ライン目を、Cデータは1枚目の用紙の5600ライン目を、Kデータは1枚目の用紙の1ライン目をそれぞれ形成中であったことが判断できるようになっている。
そこで、規格のA4サイズの長さ実寸法に基づいて上記印刷ラインの総数は予め任意に設定される。YMCKドラム3〜6のいずれかにおいて、設定された印刷ライン総数分の印刷データが転送され、かつ用紙に印刷ライン総数分の画像が形成されたならば、そのドラムにおける用紙のジャムは発生していないことが判断される。それに対して、YMCKドラム3〜6のどれかで印刷ライン総数の途中で印刷データ転送が中断停止すれば、そのドラムにて用紙にジャムが発生したこと判断される。本発明では、そうしたジャム発生によって印刷データ転送が中断された場合に、どのドラムにどの用紙が滞留しているか、従来のように用紙検出センサを用いた検出に代えて、ジャム発生位置と発生枚数を印刷データ転送量で算定する考え方を基本としている。以下、各実施例において明らかにされる。
<実施例1の構成>
図4は、実施例1の画像形成装置を示す機能ブロック図である。主制御部10は、上位装置のパーソナルコンピュータなどで作成編集した印刷データを受信し、印刷コマンドを作成して駆動制御部20に送信することにより印刷処理を起動させ、受信した印刷データを装置が解読できるプリンタ記述言語に翻訳して変換した画像を駆動制御部20に転送する機能を有する。駆動制御部20は、主制御部10から受け取った印刷コマンドに基づいてプリンタ駆動部21の作動を制御するようになっており、そのプリンタ駆動部21の状態を主制御部10へ通知する機能を備えている。また、そうした駆動制御部20には、上記の搬送路入出口に設けた用紙進入検出センサ8と排紙検出センサ9を有する媒体通過検出部22が備わっている。
主制御部10は、上記媒体通過検出部22の各センサからの検出信号によって用紙の枚数をカウントして記憶する機能を有するとともに、ジャム発生時に搬送路に滞留した用紙の数を把握できるようにした媒体数管理部11を備え、さらにジャム用紙の位置を媒体計数管理部11からの情報に基づいて算出する本発明でいう算出手段としての滞留(ジャム)位置判定部12を備えている。
ジャム位置判定部12は次の機能を有している。用紙が搬送路入口から進入した位置の特定位置を起点にして、たとえば図7に示す転写点Pを起点にしてその用紙上に先端から画像によるラインを形成する印刷ライン総数は前述のように予め設定される。それによって、画像形成部の各YMCKドラム3〜6に所定のライン数の印刷データが転送されているかどうかを監視するようになっている。すなわち、ジャム位置判定部12では、ジャム発生によって駆動系を止めて用紙搬送を停止させた時点で、所定の印刷ライン数の印刷データが転送されずに途中で中断された画像形成部のドラムが存在すれば、そのドラムにて用紙が滞留していると判断する。そのようにしてジャム位置判定部12は用紙の滞留位置および滞留数を算出して判定し、判定結果を本発明でいう通知手段に含まれる表示部13に表示させることで、ユーザにかかるジャム情報を通知するようになっている。
<実施例1の動作>
次に、かかる実施例1の動作および作用について説明する。
図5は、主制御部10における印刷起動時の給紙処理全体を概念的に示すフローチャートであり、上位装置から受信した印刷データを画像データに変換するなどして準備完了すると、給紙コマンド信号を駆動制御部20に対して出力する(ステップ:S1)。給紙コマンドを受け取った駆動制御部20はプリンタ駆動部21を制御し、このプリンタ駆動部21はアクチュエータとして搬送機構部2や給紙装置などに作動信号を送って駆動させ、画像形成部のYMCKドラム3〜6およびYMCKヘッド3a〜6aを順次駆動させる。そうした画像形成部の作動に同期させてレジストローラ1は給紙カセットから用繰り出された用紙を搬送ベルト2aに送り出す。
正常な印刷処理が行われる間、先行する用紙と後続用紙の複数の用紙が次々と搬送機構部2に送り込まれて、印刷データがYMCKの各画像形成部順に転送され、図2および図3で説明された手順で処理される。
図6は、主制御部10の媒体数管理部11における処理フローチャートを示す。駆動制御部20の管理下にある媒体通過検出部22では、用紙進入検出センサ8と排紙検出センサ9によって用紙通過を検出してその信号を媒体数管理部11に送信すると、媒体数管理部11は記憶している用紙枚数が「0」でない限り、図6による処理を実行する。すなわち、ステップS10において、用紙が搬送路に送り込まれ、用紙進入検出センサ8がその用紙の通過を検出すると、用紙が搬送路入口から進入したことを媒体数管理部11が判断する(Yes)。ステップS11にて、媒体数管理部11は用紙枚数のカウント値を「+1」だけ加算して記憶する。ステップS10で用紙が搬送路に進入していないと判断した場合(No)、ステップS12で排紙検出センサ9から検出信号が出されたか否かの信号有無をチェックし、検出信号有りの場合(Yes)、所要の印刷を終えて用紙が搬送路出口から順調に排紙されたと判断し、媒体数管理部11は用紙枚数のカウント値を「−1」だけ減算してそれを記憶する。ステップS12で排紙検出センサ9からの検出信号無しの場合(No)、所定時間内に搬送路出口から用紙が排紙されていないと判断すると、駆動制御部20はそれをジャム発生と判断して図7以下の各図に示す処理を行う。なお、本例の排紙検出センサ9としては、用紙進入検出センサ8によって用紙の搬送路進入を検出してから正常に印刷処理を終えて排紙されるまでの設定された時間、その間はオンとなっており、設定時間を超過しても排紙されなければオフになる。駆動制御部20では、排紙検出センサ9がオフとなったことでジャム発生によって搬送路上のいずれかの部位で用紙が滞留しているものと判断する。
ここで、上記図3で示された通常時の印刷制御を示すタイムチャートにおいて、プリンタ駆動部21によって黄色(Y)のYドラム3が回転を開始すると、それに同期して黄色のYヘッド3aに作動信号が送られ、ドラム上に印刷データが設定されたライン数分だけ転送される。図7の転写点Pにて、搬送されてきた1枚目の用紙の1ライン目から設定ライン目までYデータによる画像が記録される(T1)。その1枚目の先行用紙が次のマゼンダ色(M)のMドラム4に達すると、Yデータと並行してMデータによる画像の形成が開始される(T2)。
さらに、後続の2枚目の用紙が搬送されてくると、1枚目の先行用紙へのMデータによる画像記録と並行して2枚目の後続用紙に対してYデータによる印字が開始される(T3)。そのようにして(T4)まで進行すると、1枚目の先行用紙へのMデータによる画像記録と並行して、1枚目の先行用紙へのCデータによる画像形成が開始され、かつ2枚目の後続用紙へのYデータによる画像形成が開始される。以下、同様にして黒色のKデータによる画像形成が終了するまで、主制御部10はYMCKの4色の各データによってカラー画像を形成して印刷を行う。
印刷時、図8中の時間(T5)の時点で、排紙検出センサ9が上記のようにオフになったことの信号でもって、駆動制御部20はジャムが発生したと判断し、プリンタ駆動部21の作動を停止させ、駆動系の搬送ベルト2aなどの走行を止め、画像形成部の作動を停止させる。
図7は、そうした搬送路上でのジャム発生を模式的に示し、図8はジャム発生時の印刷データ制御信号を示すタイムチャートである。図7に示すように、1枚目の先行する用紙30はたとえば黒色画像形成部のKドラム6において印刷データであるKデータ転送中であり、ドラム直下に存在している。後続する2枚目の用紙31は、マゼンダ色のMドラム4とシアン色のCドラム5の双方に跨ってMデータおよびCデータ転送中であり、両ドラム直下に存在している。さらに、その後に後続する3枚目の用紙32は、黄色のYドラム3においてYデータ転送が開始されている。
一方、本例のようにドラム直上に配置された構造のLEDによるYMCKの各ヘッド3a,4a,5a,6aの位置から、各YMCKドラム3,4,5,6において用紙への画像転写点Pまでの距離はドラム半周長さ(πr)である。したがって、各用紙30〜31の搬送路上における位置を算定する際、そうしたドラム半周長さπr分のライン数を減じる補正が行われる。
図9は、ジャム発生時、主制御部10のジャム位置判定部12が用紙の滞留位置を算定する手順を示す処理フローチャートであり、図10〜図13は各色対応のYMCKドラム3〜6において用紙の滞留位置を算定するフローチャートである。
まず、図9において、主制御部10は媒体数管理部11から情報を読み出し、印刷処理済みの用紙枚数を取得する(ステップ:S20)。図2で説明したように、搬送路を走行する用紙のサイズの規格長さ寸法から1枚当たりの印刷ラインの総数(N)が計算によって設定される(ステップ:S21)。次に、主制御部10は最も下流側に位置する黒色対応のKドラム6にてKヘッド6aからKデータが転送出力中かどうかを判断する(ステップ:S22)。Kデータ転送中であると判断した場合(Yes)、ステップS23に進行して以下のようにKドラム位置ジャム判定処理を行う。
図10は、Kドラム位置にて用紙が滞留しているか否かを判定するジャム判定処理フローチャートを示す。主制御部10のジャム位置判定部12では、Kドラム6においてKヘッド6aから既に転送出力されたKデータのライン数nを算出して取得する(ステップ:S40)。その転送済みのKデータ転送ライン数nから、Kドラム6のドラム半周長さπr区間のライン数n1を減じてn−n1=nkを算出し、そのnk値をKドラム転送ライン数として取得する(ステップ:S41)。すなわち、Kドラム転送ライン数nkは、用紙30において既にその先端から転写による画像形成されたライン数を示すことになり、その画像形成されたラインの末端はKドラム6直下の転写点Pということになる。以下、YMC色の3つドラムについても考え方は同様である。
次のステップS42において、上記Kドラム転送ライン数nkが「0」よりも小さく負の値かどうかを判定する。nk<0の場合(Yes)、ステップS43に進行する。nk≧0でnkが0または正の値であれば(No)、そのKドラム転送ライン数nkが定着ローラ7までの距離をライン数に換算した値よりも大きいか小さいかを判定する(ステップ:S44)。つまり、用紙30の先端が定着ローラ7に達しているかどうかを判定するのである。ライン数への換算値から定着ローラ7に用紙30の先端が達していると判定したならば(Yes)、ステップS45に進行して、表示部13の画面に「定着器下」という用紙30の滞留位置を示す通知メッセージを表示させ、さらにそれに加えて表示部13の画面に「Kドラム下」という通知メッセージを表示させてユーザにそれを認識させる(ステップ:S46)。
次に、ステップS47において、上記した用紙の印刷ライン総数NからKドラム転送ライン数nkを減じた数値N−nkが、上流側のCドラム5までの距離をライン数に換算した値よりも大きいか小さいかを判定する。つまり、用紙30の後端が手前のCドラム5の下に差し掛かっているかどうかを判断する。したがって、用紙30の後端がCドラム5に差し掛かっていると判断したならば(Yes)、ステップS43にてKドラム6の下に滞留した用紙30はCドラム5の下にも跨って存在する用紙と同一のものであると認識する。用紙30の後端がCドラム5に差し掛かっていなければ(No)、Cドラム5下に存在する用紙は用紙30ではなく、後続する次ページの別の用紙31であると認識する(ステップ:S48)。続くステップS49において、主制御部10における媒体数管理部11では、格納している用紙カウント数値から「1」を減じて更新する。
ところで、上記ステップS22でKデータ出力が行われていないと判断した場合(No)、次のステップS24でシアン色対応のCドラム5にてCヘッド5aからCデータが出力中かどうかを判断する。Cデータ出力中と判断した場合(Yes)、ステップS25に進行して上記Kドラム位置ジャム判定処理と同様なCドラムにて用紙が滞留しているか否かを判定する処理が行われる。
以下同様に、図9において、マゼンダ色対応のMドラム4と、最上流側に位置する黄色対応のYドラム3にて用紙の滞留によるジャム判定処理をステップS29までの各ステップにて行う。
ステップS30において、媒体数管理部11における用紙のカウント数値が「0」であるかどうかを判定し、カウント数値が0と判定したならば(Yes)、ドラム外部ジャム判定処理を実行する(ステップ:S31)。カウント数値が0ではないと判定した場合(No)、次のステップS32にて、ユーザに対して表示部13に用紙枚数と通知メッセージを表示して知らしめる。
上記用紙枚数と通知メッセージの内容は、上記図10に示すKドラム6における用紙30のジャム判定処理フローチャートと同様に、図11に示すステップS50〜S60にてCドラム5における用紙31のジャム判定処理フローチャート、図12に示すステップS70〜S80にてMドラム4における用紙31のジャム判定処理フローチャート、そして図13に示すステップS90〜S99にてYドラム3における用紙32のジャム判定処理フローチャートによって決定される。
なお、図11に示すCドラム5における用紙31のジャム判定処理フローチャートでは、ステップS55において、Kドラム6下の用紙30と、Cドラム5下の用紙31を同一の用紙として認識したかどうかを判定している。同一用紙であると判定したならば表示部13に「Cドラム下」という通知メッセージを表示して用紙31の存在をユーザに知らしめ(ステップ:S57)、違うページによる別々の用紙と判定した場合は、ステップS56において、表示部13に「Cドラム重走エラー」といった通知メッセージを表示させ、異なる別々の用紙が重なり合っていることを示すエラーメッセージとなる。
また、図12のMドラム4における用紙31のジャム判定処理フローチャートでは、ステップS76において表示部13に「Mドラム重走エラー」というエラーメッセージを表示させ、ステップS77にて「Mドラム下」という通知メッセージを表示させる。同じく、図13のYドラム3における用紙32のジャム判定処理フローチャートでは、ステップS96において表示部13に「Yドラム重走エラー」というエラーメッセージを表示させ、ステップS97にて「Yドラム下」という通知メッセージを表示させる例が示されている。なお、かかるYドラム3においては、レジストローラ1までの距離をライン数に換算した値との大小を判定することにより、用紙32の後端がレジストローラ1に差し掛かっているかどうかを判定することにより、図13では各ステップが移行する。
次に、図14は、主制御部10において制御されるドラム外部ジャム判定処理を示すフローチャートである。すなわち、ステップS100において、表示部13に表示されたメッセージで「定着器下」が存在するかどうか有無を判定する。定着器下のメッセージが有る場合(Yes)、表示部13に「レジストローラ」という通知メッセージを表示させ(ステップ:S101)、定着器下のメッセージが存在せず無い場合(No)、媒体計数管理部11における格納カウント数値を「0」にクリアして初期化設定する(ステップ:S102)。
<実施例1の効果>
以上から明らかなように、この実施例1によれば、主制御部10に設けたジャム位置判定部12によって、ジャム発生時に作動停止した時点での印刷データ転送ライン数を算定して印刷媒体である用紙のジャム発生位置を、従来のように多数の媒体検出センサを用いることなく検出することができる。
<実施例2の構成>
図15は、実施例2の画像形成装置の構成を示す機能ブロック図である。実施例1の装置で示された主制御部10において新たに用紙のジャム履歴管理部14を設けた点だけが異なる。その他の各部については実施例1と同一であるので対応する各部に同一符号を付して重複する説明は省く。かかるジャム履歴管理部14は、過去のジャム発生時から今回のジャム発生時までの間に正常な印刷が何回実行されたかを記憶するとともに、YMCK各色に対応するドラム3〜6において、過去のジャム発生時にドラム転送ライン数はいくらであったかを記憶して保持し、リングバッファ構造で最新情報に上書きして更新可能となっている。
<実施例2の動作>
図16は、主制御部10の媒体数管理部11における処理フローチャートを示す。実施例1の図6で示されたステップS13までは同一であり、搬送路から所要の印刷を終えて用紙が排紙されたと判断すると、媒体数管理部11における枚数カウントの数値を「−1」だけ減算してそれを記憶させ、続いてステップS14において、ジャム履歴管理部14に「印刷OK」という情報を記憶して格納させ、ジャムによるエラーは発生しなかったという履歴記録を残す。
次に、図17および図18は、ジャム発生時のジャム位置判定処理フローチャート(その1,2)であり、実施例1の図9と基本的には同一である。この場合、ステップS23−1でKドラム転送ライン数nkをジャム履歴管理部14にて記憶させて管理し、同様にステップS25−1,ステップS27−1,ステップS29−1でそれぞれCドラム転送ライン数nc、Mドラム転送ライン数nm、Yドラム転送ライン数nyをジャム履歴管理部14に格納する。そして、ステップS30−1にてジャム位置記録処理を実行する。
図19は、主制御部10におけるジャム位置記録処理のフローチャートを示す。ステップS204において、主制御部10はジャム履歴管理部14に記憶されている「印刷OK」またはジャム発生時のYMCKドラム転送ライン数を読み出し、前回のジャム発生から今回のジャム発生までの間に正常な印刷が何回実行できたかを計算する。その算出された印刷実行回数のインターバルと経験的に予め設定されている設定インターバルとを比較することにより、設定インターバルよりも短い期間にジャムが発生しているかどうかを判定する。設定インターバルよりも短くジャムが発生していないと判断した場合(No)、処理を終了する。設定インターバルよりも短期間でジャム発生していると判断すると(Yes)、主制御部10は定着器不良との判定処理を行う(ステップ:S205)。そのようにして以下、ステップS206〜ステップS209までの各ステップにおいて、Kドラム不良の判定処理、Cドラム不良の判定処理、Mドラム不良の判定処理、そしてYドラム不良の判定処理を順に実行する。
図20は、主制御部10における定着器不良判定処理のフローチャートを示し、今回発生したジャムでKドラム6に用紙が残留しているかどうかを判定するために、ジャム履歴管理部14から読み出し、今回のジャム発生時のKドラムライン数が格納されているかどうかを判定する(ステップ:S210)。格納されていなければ(No)、処理を終了する。格納されておれば(Yes)、次のステップS211にて今回発生したジャムで用紙の先端が定着ローラ7への突入で停止しているかどうかを判定するため。Kドラム転送ライン数が定着ローラ7までの距離をライン数に換算したものに対して、所定の誤差範囲内であるかどうかを判定する。ここで所定の誤差範囲内でなければ(No)、処理を終了し、所定の誤差内であれば(Yes)、次のステップS212に進行する。このステップS212では、前回発生したジャムでKドラム6に用紙が残留していたかどうかを判定するため、ジャム履歴管理部14から読み出して前回のジャム発生時のKドラム転送ライン数nkが格納されているかどうかを判定する。格納されていなければ(No)、処理を終了する。格納されておれば(Yes)、次のステップS213に進行する。このステップS213では、前回発生したジャムで用紙の先端が定着ローラ7に突入して停止しているかどうかを判定するため、Kドラムライン数が定着ローラ7までの距離をライン数に換算したものに対して、所定の誤差範囲内かどうかを判定する。所定の誤差範囲内になければ(No)、処理を終了し、誤差範囲内であれば(Yes)、次のステップS214に進行する。このステップS214では、前回および今回ともに定着ローラ7に用紙が突入した時点でジャムが発生したことにより、表示メッセージとして表示部13に「定着器不良」を表示させて格納する。
同様に、図21のステップS215〜219はKドラム6でのジャム発生時にKドラム不良かどうかを判断して表示するまでの処理、図22のステップS220〜224はCドラム5でのジャム発生時にCドラム不良かどうかを判断して表示するまでの処理、図23のステップS225〜229はMドラム4でのジャム発生時にMドラム不良かどうかを判断して表示するまでの処理、図24のステップS230〜234はYドラム3でのジャム発生時にYドラム不良かどうかを判断して表示するまでの処理をそれぞれ示す。
<実施例2の効果>
以上から明らかなように、この実施例2によれば、主制御部10に過去のジャム発生インターバルなどを記録を履歴として記憶保存しているジャム履歴管理部14を設けることにより、過去のジャム発生時のジャム位置から画像形成部における感光体ドラムや定着器などいずれの器部が不良かどうかを判断してユーザに知らせることで、ユーザは装置内の器材不良によるジャム発生か否かを的確に把握でき、修理などの管理によって復帰作業を迅速かつ容易に行えるようになる。
<実施例3の構成>
図25は、実施例3の画像形成装置の構成を示す機能ブロック図である。実施例1,2の装置で示された主制御部10においてさらに媒体間隔管理部15を設け、また駆動制御部20には媒体間隔記憶部23を設けた点が異なる。その他の各部については実施例1,2と同一であるので対応する各部に同一符号を付して重複する説明は省く。
かかる媒体間隔管理部15は、搬送路内を走行する用紙の供給間隔において、n枚目の後端からn+1枚目の先端までのライン数を算出し、駆動制御部20に対して用紙間隔の変更コマンドを発行する機能を有する。その駆動制御部20に設けられた媒体間隔記憶部23は受信した変更コマンドから用紙間隔を記憶して格納する。変更コマンドでは用紙間隔をライン数で表すようになっている。また、駆動制御部20としては、主制御部10から給紙コマンドを過去複数回受信した際、前回給紙した用紙の後端から、媒体間隔記憶部23に格納されているライン数と等間隔になるまで、次の給紙を実行しないように制御する。具体的には、搬送路内において、用紙進入検出センサ8がオフからオンに遷移した時間から、媒体間隔記憶部23に記憶されているライン数分の時間だけ待機して、次の用紙を給紙するようになっている。
<実施例3の動作>
図26は、媒体間隔調整処理フローチャートを示し、上記実施例2の図19で示されたステップS204〜209までは同一であり、ステップS301において媒体間隔の調整処理を実行する。したがって、図27のステップS302において、今回発生したジャムでKドラム6に用紙が残留していたかどうかを判定するため、主制御部10のジャム履歴管理部14から読み出し、今回のジャム発生時にKドラム転送ライン数nkが格納されているかどうかを判定する。格納されていると判定したならば(Yes)、ステップS315において、後述する媒体間隔の詳細調整処理において算出開始する色である「x色」として黒色Kを設定する。これにより、Kドラム6の用紙を対象に用紙間隔を計算することになる。
ステップS302でKドラムライン数が格納されていないと判定すれば(No)、ステップS304では今回発生したジャムでCドラム5に用紙が残留していたかどうかを判定するため、ジャム履歴管理部14から読み出し、今回のジャム発生時にCドラム転送ライン数ncが格納されているかどうかを判定する。ここで格納されていると判定したならば(Yes)、ステップS316にて後述する媒体間隔の詳細計算処理で計算開始する色であるx色としてシアン色Cを設定する。これにより、Cドラム5の用紙を対象に用紙間隔を計算することになる。
ステップS304でCドラム転送ライン数ncが格納されていないと判定すれば(No)、ステップS305では今回発生したジャムでMドラム4に用紙が残留していたかどうかを判定するため、ジャム履歴管理部14から読み出し、今回のジャム発生時にMドラムライン数が格納されているかどうかを判定する。ここで格納されていると判定したならば(Yes)、ステップS317にて後述する媒体間隔の詳細計算処理で計算開始する色であるx色としてマゼンダ色Mを設定する。これにより、Mドラム4の用紙を対象に用紙間隔を計算することになる。
図28は、媒体間隔の計算処理フローチャート(その2)であり、この場合、まずジャム履歴管理部14に今回のジャム発生時のx色ドラムライン数が格納されているかどうかを判定する(ステップ:S309)。ここでいうx色とは、上記図27のステップS315〜317で設定した黒色K、シアン色C、マゼンダ色Mのいずれかの色を示すものである。x色のドラム転送ライン数が格納されていなければ(No)、処理を終了する。格納されていると判定したならば(Yes)、次のステップS310にてジャム履歴管理部14に前回のジャム発生時のx色ドラム転送ライン数が格納されているかどうかを判定する。
ステップS311では、前回のジャム発生時のx色ドラム転送ライン数と今回のジャム発生時のx色ドラム転送ライン数が所定の誤差範囲内であるかどうかを判定する。所定の誤差範囲外であると判定したならば(No)、用紙間隔に依存するジャムではないと判断して処理終了する。所定の誤差範囲内であると判定すれば(Yes)、次のステップS312において、〔媒体ライン長さ−x色のドラム転送ライン数〕が前の色のドラムまでの距離を、ライン数に換算した値よりも大きいかどうかを判定する。このことは、用紙後端が搬送路中の前のドラムに差し掛かっているかどうかを判断することを意味しているものである。そこで、用紙後端が前のドラムに掛かっておれば(Yes)、ステップS313にて前の色のドラムをx色と再設定して、再び処理フローの先頭に戻る。すなわち、x色を前のドラムに設定し、ドラム転送ライン数を読み出す。たとえは、現在x色が黒色KでKドラム転送ライン数について処理を実行していたならば、Cドラム転送ライン数を読み出す。現在Cドラム転送ライン数について処理を指定するならば、Mドラム転送ライン数を読み出すということを意味する。
そこで、用紙後端が前のドラムに掛かっていなければ(No)、ステップS314では、用紙間隔を以下の算式を用いて算出する。
ドラム間隔−(媒体ライン長−X色ドラムライン数)−前色のドラムライン数
図28のステップS306にて算出された用紙間隔に予め決められた所定のライン数を加算する。この算出された用紙間隔を次のステップS307で駆動制御部20に対して媒体間隔変更コマンドとして発行する。ステップS308では、表示部13に「媒体間隔変更」という通知メッセージを表示し、記憶して格納する。
次に、図29は、駆動制御部20における媒体間隔調整処理のフローチャートである。まず、ステップS320において、媒体間隔変更コマンドを受信したか否かを判定する。受信したならば(Yes)、ステップS321にてその受信した用紙間隔のライン数を媒体間隔記憶部23に記憶して格納させる。上記ステップS320で媒体間隔変更コマンドを受信していなければ(No)、ステップS322で給紙コマンドを受信したか否かを判定する。給紙コマンドを受信したならば(Yes)、媒体間隔記憶部23から用紙間隔を読み出して取得する(ステップ:S323)。次のステップS324で取得した用紙間隔はライン数であるので、現在の用紙走行速度からライン数を時間に変換し、これを待機時間とする。次に、直前に給紙した用紙が進入検出センサ8の信号検出オンからオフに遷移してから待機時間を経過したか否かを、直前の用紙と次に給紙される用地との用紙間隔を時間によって制御することで判定する(ステップ:S325)。待機時間を経過していないことを判断すると(No)、再びステップS325にて待機時間が経過するまで繰り返す。待機時間を経過したと判断したならば(Yes)、次の用紙を給紙する(ステップ:S326)。このようにして、駆動制御部20は主制御部10からの指示によって以後の用紙間隔を新規の間隔で給紙することができるようになる。
以下、実施例2の場合と同様な処理が実行され、表示部13に「媒体間隔変更」という通知メッセージを表示してユーザに知らしめ、駆動制御部20に対して媒体間隔変更コマンドを発行する。その結果、次回からの印刷においては用紙間隔が現在より長く設定することができる。
<実施例3の効果>
以上説明したように、この実施例3によれば、媒体間隔管理部15によってジャム発生時の用紙間隔を計算し、これに所定のライン数を加算して用紙間隔を長くするよう変更できるため、ジャム発生頻度を低く抑えることが可能となり、かつ高速に用紙印刷ができるようになる。結果、ユーザの介入頻度を少なくしてジャムなど搬送エラーを防止するのに有効である。
<実施例4の構成>
図30は、実施例4の画像形成装置の構成を示す機能ブロック図である。実施例1,2,3の装置で示された主制御部10にさらに以下の各部を設けて構成されている。実施例1,2,3に共通する各部には同一符号を付して重複する説明は省く。
トナー濃度管理部18を備え、YMCKの各色印刷データから用紙に転写されるトナー濃度を算出する。本例では、そのトナー濃度を以下のように算出する。YMCKの各色印刷データを走査し、トナーの転写されるドット数をカウントしてすべての総和を得る。トナー濃度をいくつかの濃度レベルに分けてそれぞれの濃度レベルごとの用紙間隔が予め記憶するトナー濃度別媒体間隔テーブル17を設けている。また、トナー濃度記憶部18が設けられ、上記トナー濃度管理部18で計算されたトナー濃度を各用紙ごとに格納するようになっている。用紙が搬送路から排出された時点で最も旧いデータは削除されるようになっている。
<実施例4の動作>
図31は、主制御部10における給紙処理フローチャートを示す。まずステップS410において、トナー濃度管理部18は印刷データのトナー濃度を算出する。算出したトナー濃度からトナー濃度別媒体間隔テーブル17を参照して記憶されている用紙間隔を取得する(ステップ:S411)。次に、トナー濃度別媒体間隔テーブル17から今回印刷を行うデータのトナー濃度レベルに相当する用紙間隔を取得する(ステップ:S412)。続くステップS413において、駆動制御部20に対して媒体間隔変更コマンドを発行する。以上によって、印刷前にトナー濃度によって用紙間隔を変更することが可能となる。
図32は、主制御部10における枚数管理処理フローチャートを示す。この場合、図6に示す実施例1のステップS10〜S13まで共通する。続くステップS14において、ジャム履歴管理部14に印刷OKを格納した後、トナー濃度記憶部18に記憶されている最古の情報を削除する。以上によって、トナー濃度記憶部18の記憶内容を常に搬送路内の用紙情報とする。
図33は、媒体間隔調整処理フローチャートを示し、実施例3の図28で示された処理フローチャートのステップS306までは同一である。続くステップS89415において、トナー濃度記憶部18から用紙のトナー濃度を取得する。続いて、トナー濃度別媒体間隔テーブル17に相当するトナー濃度レベルの用紙間隔を今回算出した新たな用紙間隔に更新して格納する。以上によって、ジャム発生時に印刷した用紙のトナー濃度レベルを調べることにより、トナー濃度で区別された用紙間隔を更新することができる。以下、実施例3の場合と同様な処理を実行し、表示部13に「用紙間隔変更」を表示してユーザに知らしめ、用紙間隔変更コマンドを発行して駆動制御部20に送る。その結果、次回以降の印刷において、トナー濃度のレベルに応じて用紙間隔を現在よりも広くすることができる。
<実施例4の効果>
以上のように、この実施例4によれば、トナー濃度記憶部18に記憶されている過去の媒体滞留時の媒体供給間隔情報に基づいて、トナー濃度管理部16はトナー濃度レベルをいくつかに区分し、それぞれのトナー濃度レベルに対応させて媒体の供給間隔を拡大することにより、滞留発生を抑えることができる。
なお、以上の実施例1,2,3,4においては、LEDヘッド方式の画像形成装置が示されたが、本発明はレーザプリンタに適用でき、カラープリンタ装置、モノクロプリンタ、ファクシミリ装置、複写機において同様な効果が得られる。また、本発明の画像形成装置をたとえばパーソナルコンピュータなどの上位装置を外部装置として接続して画像形成システムを構成することで、前述した滞留情報をPCモニター画面に表示してユーザに報知することもできる。
画像形成装置の概略図。 用紙搬送方向と印刷ライン数との関係を示す図。 通常印刷時の印刷データ制御信号タイムチャート。 実施例1の画像形成装置の構成を示す機能ブロック図。 実施例1の主制御部における給紙処理の大略を示すフローチャート。 実施例1の主制御部の媒体数管理部における処理フローチャート。 ジャム発生時の搬送路における用紙位置を示す模式図。 ジャム発生時の印刷データ制御信号タイムチャート。 実施例1のジャム発生時のジャム位置判定処理フローチャート。 実施例1のKドラム位置判定処理フローチャート。 実施例1のCドラム位置判定処理フローチャート。 実施例1のMドラム位置判定処理フローチャート。 実施例1のYドラム位置判定処理フローチャート。 実施例1のドラム外部処理フローチャート。 実施例2の画像形成装置の構成を示す機能ブロック図。 実施例2の主制御部の媒体数管理部における処理フローチャート。 実施例2のジャム発生時のジャム位置判定処理フローチャート(その1)。 実施例2のジャム発生時のジャム位置判定処理フローチャート(その2)。 実施例2のジャム位置記録処理フローチャート。 実施例2の定着器不良判定処理フローチャート。 実施例2のKドラム不良判定処理フローチャート。 実施例2のCドラム不良判定処理フローチャート。 実施例2のMドラム不良判定処理フローチャート。 実施例2のYドラム不良判定処理フローチャート。 実施例3の画像形成装置の構成を示す機能ブロック図。 実施例3の媒体間隔調整処理の全体フローチャート。 実施例3の媒体間隔調整処理フローチャート(その1)。 実施例3の媒体間隔調整処理フローチャート(その2)。 実施例3の媒体間隔調整処理フローチャート。 実施例4の画像形成装置の構成を示す機能ブロック図。 実施例4の主制御部における給紙処理の大略を示す処理フローチャート。 実施例4の主制御部の媒体数管理処理フローチャート。 実施例4の媒体間隔調整処理フローチャート。
符号の説明
1 レジストローラ
2 搬送機構部
2a 搬送ベルト
3〜7 YMCKドラム
3a〜7a YMCKヘッド
4〜7 YMCK各色の画像形成部
8 用紙進入検出センサ(媒体通過検出部)
9 排紙検出センサ(媒体通過検出部)
10 主制御部
11 媒体数管理部
12 ジャム位置判定部(算出手段)
13 表示部(通知手段)
14 ジャム履歴管理部
15 媒体間隔管理部
16 トナー濃度管理部
17 トナー濃度別媒体間隔テーブル
18 トナー濃度記憶部
20 駆動制御部
21 プリンタ駆動部
22 媒体通過検出部
23 媒体間隔記憶部

Claims (9)

  1. 印刷データに基づいて生成されたライン画像データを順次受入れて、それらライン画像データに対応するライン状の画像を印刷媒体上に順次形成する画像形成部を有するとともに、前記印刷媒体が搬送される搬送路の複数個所に設けられた印刷媒体検出部を有し、該印刷媒体検出部によって検出された前記印刷媒体が前記搬送路を通過する時間が所定時間を超えたとき搬送停止を示す信号を送出して前記印刷媒体の搬送を停止させる画像形成装置において、
    前記搬送停止を示す信号と前記画像形成部が受け入れた前記ライン画像データの転送ライン数とに基づいて、前記搬送路における前記印刷媒体の滞留位置を算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された前記滞留位置に基づいて前記印刷媒体の滞留位置情報を通知する通知手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成部の複数が前記搬送路に設けられ、前記算出手段はそれら各画像形成部に対応させて定めた起点からの距離を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記画像形成部はそれぞれ感光体を備え、前記算出手段は、受入れた前記ライン画像データに対応して前記感光体上に露光された転送ライン数と前記印刷媒体の搬送方向における長さに対応して予め設定された印刷ライン数との差に基づいて、前記印刷媒体の滞留位置を算出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記通知手段は表示部を含み、前記印刷媒体の滞留位置について前記画像形成部の感光体に対応する前記搬送路の位置を表示することを特徴とする請求項1,2または3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記表示部は、表示内容を上位装置のごとき外部装置に送信することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前回の滞留発生から今回の滞留発生までの間に実行された正常な印刷回数情報を読み出して、その正常な印刷回数情報による印刷間隔と予め設定された設定間隔とを比較することにより、前記画像形成部の不良に起因する前記印刷媒体の滞留発生を判定する滞留履歴管理部を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4または5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記滞留履歴管理部は、前回の滞留発生から今回の滞留発生までの滞留発生間隔の情報を読み出し、その滞留発生間隔と予め設定された設定間隔とを比較することにより、前記画像形成部の不良に起因する前記印刷媒体の滞留発生を判定することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 過去に前記印刷媒体が滞留したときの媒体供給間隔を情報として蓄積し、その蓄積された媒体供給間隔に基づいて前記印刷媒体の供給間隔を変更して滞留発生を抑える媒体間隔管理部を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 過去に前記印刷媒体が滞留したときのトナー濃度情報を蓄積し、その蓄積されたトナー濃度のレベルに対応させて前記印刷媒体の供給間隔を拡大させて滞留発生を抑えるトナー濃度管理部を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかにに記載の画像形成装置。
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