JP2006096928A - エポキシ樹脂粉体塗料とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特に電気受動部品に好適で、生産性や塗装特性を損なうことなく、機械的強度と耐ヒートサイクル性に優れた塗膜を形成できる、エポキシ樹脂粉体塗料を提供する。
【解決手段】 エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。好ましくは、エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、エチレン−アクリル酸エステル共重合化合物であり、エポキシ樹脂粉体塗料全体に対して、0.3〜8.0重量%含有されている。
【選択図】 なし
【解決手段】 エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。好ましくは、エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、エチレン−アクリル酸エステル共重合化合物であり、エポキシ樹脂粉体塗料全体に対して、0.3〜8.0重量%含有されている。
【選択図】 なし
Description
本発明は、エポキシ樹脂粉体塗料とその製造方法に関するものである。
エポキシ樹脂粉体塗料は、電気的特性、機械的特性、熱的特性に優れており、溶剤型塗料と比較して塗料中に溶剤を含有しないため、低公害で作業環境性にも優れたものであること、塗装直後でも使用できること、比較的安価であること、塗装時に余過剰分の塗料が回収利用できることなどの利点から、電子部品、OA機器、家電製品、建材、自動車部品等の絶縁保護装飾用塗料として、近年需要が高い。
これらの中でも特に、電気・電子部品を絶縁外装する用途において、粉体塗料の被塗装物である電気受動部品類は、使用される周辺環境温度や通電時の自己発熱などにより急激な温度変化を受ける場合が想定される。一般にヒートサイクルと呼ばれるこのような加熱冷却の繰り返し作用により、熱収縮、熱膨張を繰り返すと塗膜に歪みが蓄積され、やがてクラック等の塗膜破壊が発生し絶縁破壊に至るため、耐ヒートサイクル性の向上についての強い要求がある。
耐ヒートサイクル性の向上については、さまざまな手法が知られている。例えば、単純に塗膜の機械的強度を向上させる手法のほか、可撓性を有する材料を配合したり、エポキシ樹脂やその硬化剤それ自身に可撓性を付与したりすることにより、熱膨張収縮に伴う材料の歪みを吸収する方法がある(例えば、特許文献1又は2参照。)。
耐ヒートサイクル性の向上については、さまざまな手法が知られている。例えば、単純に塗膜の機械的強度を向上させる手法のほか、可撓性を有する材料を配合したり、エポキシ樹脂やその硬化剤それ自身に可撓性を付与したりすることにより、熱膨張収縮に伴う材料の歪みを吸収する方法がある(例えば、特許文献1又は2参照。)。
しかし、多くの可撓性材料は、エポキシ樹脂との相溶分散性が悪く、粉体塗料中においても充分な均一分散性がないため、生産性や塗装外観の悪化が懸念される。またエポキシ樹脂やその硬化剤それ自身に可撓性を付与する場合は、一般的にコスト高であり実用には適さない。
本発明は、特に電気受動部品に好適で、生産性や塗装特性を損なうことなく、機械的強度と耐ヒートサイクル性に優れた塗膜を形成できる、エポキシ樹脂粉体塗料を提供するものである。
このような目的は下記の本発明(1)〜(7)により達成される。
(1)エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。
(2)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、エチレン−アクリル酸エステル共重合化合物である上記(1)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(3)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)全体に対して、10〜45重量%含有されている上記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(4)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、前記エポキシ樹
脂粉体塗料全体に対して、0.3〜8.0重量%含有されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(5)上記硬化剤(B)が芳香族系酸無水物であり、エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基に対する、硬化剤(B)の当量と前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のフェノール樹脂の水酸基当量との合計当量比が、0.6〜1.3である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料の製造方法であって、
(a)フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてエラストマー含有フェノール樹脂(D)を合成する工程と、
(b)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、溶融混合する工程と、
を有することを特徴とする、エポキシ樹脂粉体塗料の製造方法。
(7)さらに、上記(a)工程の後、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)を、粒径6mm以下に粉砕する工程を有する、上記(6)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料の製造方法。
(1)エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。
(2)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、エチレン−アクリル酸エステル共重合化合物である上記(1)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(3)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)全体に対して、10〜45重量%含有されている上記(1)又は(2)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(4)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、前記エポキシ樹
脂粉体塗料全体に対して、0.3〜8.0重量%含有されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(5)上記硬化剤(B)が芳香族系酸無水物であり、エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基に対する、硬化剤(B)の当量と前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のフェノール樹脂の水酸基当量との合計当量比が、0.6〜1.3である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料の製造方法であって、
(a)フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてエラストマー含有フェノール樹脂(D)を合成する工程と、
(b)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、溶融混合する工程と、
を有することを特徴とする、エポキシ樹脂粉体塗料の製造方法。
(7)さらに、上記(a)工程の後、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)を、粒径6mm以下に粉砕する工程を有する、上記(6)に記載のエポキシ樹脂粉体塗料の製造方法。
本発明は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料であり、従来のものと比較して、生産性や塗装特性を損なうことなく、機械的強度と耐ヒートサイクル性に優れた塗膜を形成できるものである。
以下、本発明のエポキシ樹脂粉体塗料とその製造方法について説明する。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料(以下、単に「粉体塗料」と呼称することがある)は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とする。
また、本発明の粉体塗料の製造方法は、
(a)フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてエラストマー含有フェノール樹脂(D)を合成する工程と、
(b)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、溶融混合する工程と、
を有することを特徴とする
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料(以下、単に「粉体塗料」と呼称することがある)は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とする。
また、本発明の粉体塗料の製造方法は、
(a)フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてエラストマー含有フェノール樹脂(D)を合成する工程と、
(b)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、溶融混合する工程と、
を有することを特徴とする
本発明の粉体塗料で用いられるエポキシ樹脂(A)としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、芳香族アミン型エポキシ樹脂のほか、これらを臭素化した臭素化エポキシ樹脂などが挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の粉体塗料には、上記エポキシ樹脂の硬化剤(B)を用いる。
ここで硬化剤としては特に限定されず、用いるエポキシ樹脂の種類や、粉体塗料が適用される目的に応じて種々のものを単独または複数を組み合わせて使用することができる。
例えば、ジアミノジフェニルメタンやアニリン樹脂などの芳香族アミン、脂肪族アミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合物、ジシアンジアミド及びその誘導体、各種イミダゾール化合物やイミダゾリン化合物、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはその酸無水物、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族ポリカルボン酸またはその酸無水物、アジピン酸やフタル酸などのジヒドラジッド化合物、フェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールAなどのフェノール類とアルデヒド類との縮合物であるノボラック樹脂類、カルボン酸アミド、メチロール化メラミン類、ブロック型イソシアヌレート類などが挙げられる。
これらの中でも特に、芳香族酸無水物系硬化剤が好ましい。これにより、粉体塗料の硬化特性を向上させることができる。
ここで硬化剤としては特に限定されず、用いるエポキシ樹脂の種類や、粉体塗料が適用される目的に応じて種々のものを単独または複数を組み合わせて使用することができる。
例えば、ジアミノジフェニルメタンやアニリン樹脂などの芳香族アミン、脂肪族アミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合物、ジシアンジアミド及びその誘導体、各種イミダゾール化合物やイミダゾリン化合物、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはその酸無水物、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族ポリカルボン酸またはその酸無水物、アジピン酸やフタル酸などのジヒドラジッド化合物、フェノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールAなどのフェノール類とアルデヒド類との縮合物であるノボラック樹脂類、カルボン酸アミド、メチロール化メラミン類、ブロック型イソシアヌレート類などが挙げられる。
これらの中でも特に、芳香族酸無水物系硬化剤が好ましい。これにより、粉体塗料の硬化特性を向上させることができる。
なお、本発明の粉体塗料においては、上記硬化剤のほか、必要に応じて、3級アミン類、イミダゾール類、有機リン化合物などの硬化促進剤を併用することができる。
上記硬化剤の配合量は、使用するエポキシ樹脂及び硬化剤の種類により適宜選定することができる。例えば、芳香族系酸無水物を用いた場合は、硬化物の特性を考慮すると、エポキシ樹脂が有するエポキシ基に対して、硬化剤の当量とエラストマー含有フェノール樹脂中のフェノール樹脂の水酸基当量との合計当量比が、0.6〜1.3となるようにすることが好ましい。さらに好ましくは0.7〜1.2である。当量比が上記下限値よりも小さいと硬化が不十分になり、塗膜の機械的強度が低下することがある。また上記上限値よりも大きいと、塗膜の硬度が高くなり靱性が失われ、やはり機械的強度が低下することがある。
本発明の粉体塗料には、無機充填材(C)を配合する。これにより、粉体塗料の流動性を調整できるとともに、硬化後の塗膜に機械的強度や耐熱性を付与することができる。
ここで用いられる無機充填材としては特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶又は溶融シリカ、タルク、カオリン、クレー、マイカ、ドロマイト、ウォラストナイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ジルコン、チタン化合物、モリブデン化合物などが挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、塗膜に機械的強度の付与効果の高いシリカの使用がもっとも好ましい。
ここで用いられる無機充填材としては特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶又は溶融シリカ、タルク、カオリン、クレー、マイカ、ドロマイト、ウォラストナイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ジルコン、チタン化合物、モリブデン化合物などが挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、塗膜に機械的強度の付与効果の高いシリカの使用がもっとも好ましい。
上記無機充填材の粒径としては特に限定されないが、通常、平均粒径として5〜30μmのものが好ましく用いられる。これにより、粉体塗料溶融時に良好な流動性が付与され、塗装性がより向上し、さらには塗膜の機械的強度についても最適なものとすることができる。
本発明の粉体塗料において、無機充填材の配合量としては特に限定されないが、粉体塗料全体に対して10〜90重量%であることが好ましい。さらに好ましくは30〜70重量%である。
これにより、粉体塗料の塗装性を良好なものにすることができる。配合量が上記下限値より少ないと、焼成時にタレやトガリといった外観上の不具合を起こすことがあり、塗膜の機械的強度も充分とならないことがある。一方、上記上限値よりも多いと塗膜の平滑性が低下することがある。
これにより、粉体塗料の塗装性を良好なものにすることができる。配合量が上記下限値より少ないと、焼成時にタレやトガリといった外観上の不具合を起こすことがあり、塗膜の機械的強度も充分とならないことがある。一方、上記上限値よりも多いと塗膜の平滑性が低下することがある。
本発明の粉体塗料には、以上に説明した成分の他に、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を配合することを特徴とする。これにより、塗膜の機械的強度と、耐ヒートサイクル性を向上させることができる。
上記エラストマーとしては特に限定されないが、例えば、シリコンゴム、ウレタンゴム
、アクリルゴム、ポリサルファイドゴム、天然ゴム、ビニルゴムなどが挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらエラストマーの中でも、アクリルゴムが好ましく、特にアクリルゴムの一種であるエチレン−アクリル酸エステル共重合物がより好ましい。これにより、フェノール樹脂との均一混合性に優れたエラストマー含有フェノール樹脂とすることができ、粉体塗料に用いた場合に、塗膜に優れた可撓性を均一に付与することができる。さらにアクリルゴムであるため、粉体塗料の耐熱性を損ないにくいという利点もある。
上記エラストマーとしては特に限定されないが、例えば、シリコンゴム、ウレタンゴム
、アクリルゴム、ポリサルファイドゴム、天然ゴム、ビニルゴムなどが挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらエラストマーの中でも、アクリルゴムが好ましく、特にアクリルゴムの一種であるエチレン−アクリル酸エステル共重合物がより好ましい。これにより、フェノール樹脂との均一混合性に優れたエラストマー含有フェノール樹脂とすることができ、粉体塗料に用いた場合に、塗膜に優れた可撓性を均一に付与することができる。さらにアクリルゴムであるため、粉体塗料の耐熱性を損ないにくいという利点もある。
上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーの含有量としては特に限定されないが、10〜45重量%のものを用いることが好ましい。さらに好ましくは15〜40重量%である。
エラストマーの含有量が上記下限値未満だと、粉体塗料に配合するエラストマー含有フェノール樹脂の配合量が多くなるため、粉体塗料の耐湿特性等が低下する場合がある。一方、上記上限値より多いと、粉体塗料中におけるエラストマーの分散性が低下し充分な配合効果が得られない場合がある。
エラストマーの含有量が上記下限値未満だと、粉体塗料に配合するエラストマー含有フェノール樹脂の配合量が多くなるため、粉体塗料の耐湿特性等が低下する場合がある。一方、上記上限値より多いと、粉体塗料中におけるエラストマーの分散性が低下し充分な配合効果が得られない場合がある。
上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)の配合量としては特に限定されないが、エラストマー含有フェノール樹脂中に含有されるエラストマー成分量が、粉体塗料に対して0.3〜8.0重量%となるように配合することが好ましい。さらに好ましくは0.5〜7.6重量%である。これにより、塗膜に付与する上記効果をより優れたものにすることができる。
粉体塗料全体に対するエラストマーの好適な含有量は、用いるエポキシ樹脂のエポキシ当量、粉体塗料全体に対するエポキシ樹脂の含有量などにより変動するので、好適な含有量の水準を上記範囲内から適宜選定することができる。
上記エラストマーの配合量が少なすぎる場合には、エラストマーの配合効果が充分でないことがある。一方、エラストマーの配合量が多すぎる場合には、塗膜の耐熱性が低下したり、塗膜外観が悪化したりすることがある。
粉体塗料全体に対するエラストマーの好適な含有量は、用いるエポキシ樹脂のエポキシ当量、粉体塗料全体に対するエポキシ樹脂の含有量などにより変動するので、好適な含有量の水準を上記範囲内から適宜選定することができる。
上記エラストマーの配合量が少なすぎる場合には、エラストマーの配合効果が充分でないことがある。一方、エラストマーの配合量が多すぎる場合には、塗膜の耐熱性が低下したり、塗膜外観が悪化したりすることがある。
上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)は、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とする。具体的には、まずエラストマーをフェノール類に溶解又は溶融させ、フェノール類とエラストマーとの実質的に均一な混合物を調製し、これに、アルデヒド類と、酸性または塩基性触媒とを添加することにより反応させて得られるものである。
これにより、例えば、フェノール類とアルデヒド類との反応後期にエラストマーを添加して溶融混合させてから脱水する方法、あるいは、脱水終了後にフェノール樹脂とエラストマーとを溶融混練させる方法などと比較して、フェノール樹脂中にエラストマーが高精度に分散したエラストマー含有フェノール樹脂とすることができるので、粉体塗料中におけるエラストマーの分散性も高いものとすることができ、エラストマーの配合効果をより高めることができる。
これにより、例えば、フェノール類とアルデヒド類との反応後期にエラストマーを添加して溶融混合させてから脱水する方法、あるいは、脱水終了後にフェノール樹脂とエラストマーとを溶融混練させる方法などと比較して、フェノール樹脂中にエラストマーが高精度に分散したエラストマー含有フェノール樹脂とすることができるので、粉体塗料中におけるエラストマーの分散性も高いものとすることができ、エラストマーの配合効果をより高めることができる。
上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)に用いられるフェノール樹脂の形態は特に限定されないが、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂など、いずれのものを用いることもできる。
また、このエラストマー含有フェノール樹脂(D)は、上記エラストマー以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記エラストマーと共に、他の成分により変性させているものを用いることもできる。このような変性フェノール樹脂としては特に限定されないが、例えば、クレゾール、アルキルフェノール、レゾルシンなどの置換フェノール類を用いたもの、あるいはカシューオイル、トールオイル、アマニ油などの各種動植物油などのほか、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミン等で変性さ
れたフェノール樹脂を、単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。
れたフェノール樹脂を、単独あるいは2種類以上を併用して用いることができる。
本発明の粉体塗料に用いられるエラストマー含有フェノール樹脂(D)は、フェノール樹脂とエラストマーとが高い均一性で混合しているものである。そして、これを他の材料とともに溶融混合することにより、エラストマーを単独で、あるいはエラストマーとフェノール樹脂とを別々に混合した場合と比較して、通常の製造方法によっても粉体塗料中にエラストマーを高精度に分散させることができる。これにより、エラストマーを配合する効果をより高い均一性で発現させることができる。
さらに、エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のフェノール樹脂は、硬化剤としてエポキシ樹脂の硬化反応にも関与しているので、粉体塗料中に高い精度で分散して粉体塗料の硬化塗膜に適度な硬さと耐熱性を与えると共に、フェノール樹脂が有するフェノール性水酸基の働きにより被塗装物との密着性向上にも寄与できるものと考えられる。
本発明の粉体塗料には、以上に説明した成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種顔料、難燃剤、レベリング剤、カップリング剤や消泡剤などの添加剤などを配合することができる。これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
次に、本発明の粉体塗料の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、
(a)フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてエラストマー含有フェノール樹脂(D)を合成する工程と、
(b)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、溶融混合する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の製造方法は、
(a)フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてエラストマー含有フェノール樹脂(D)を合成する工程と、
(b)上記エラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、溶融混合する工程と、
を有することを特徴とする。
まず、上記(a)工程について説明する。
上記(a)工程は、例えば、まず、フェノール類とエラストマーとを混合し、所定温度に加温して混合することにより、エラストマーがフェノール類に溶解または溶融した均一混合物とする。
次いで、上記均一混合物の内温を一旦下げた後、ノボラック型の樹脂を得る場合には、アルデヒド類と酸性触媒とを添加し、所定時間還流反応を行った後、減圧下で脱水後に昇温することにより、ノボラック型のエラストマー含有フェノール樹脂(D)を得ることができる。
この(a)工程においては、攪拌装置、温度計、熱交換器などを備えた通常の反応装置を用いることができる。
上記(a)工程は、例えば、まず、フェノール類とエラストマーとを混合し、所定温度に加温して混合することにより、エラストマーがフェノール類に溶解または溶融した均一混合物とする。
次いで、上記均一混合物の内温を一旦下げた後、ノボラック型の樹脂を得る場合には、アルデヒド類と酸性触媒とを添加し、所定時間還流反応を行った後、減圧下で脱水後に昇温することにより、ノボラック型のエラストマー含有フェノール樹脂(D)を得ることができる。
この(a)工程においては、攪拌装置、温度計、熱交換器などを備えた通常の反応装置を用いることができる。
次に、上記(b)工程について説明する。
上記(b)工程は、例えば、まず、(a)工程で得られたエラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、所定の組成比で配合したものを、ミキサーによって十分に均一混合し、原材料混合物とする。
次いで、この原材料混合物を、エクストルーダーや二軸混練機などの装置を用いて溶融混合した後、粉砕、分級することにより、粉体塗料を得ることができる。
上記(b)工程は、例えば、まず、(a)工程で得られたエラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、所定の組成比で配合したものを、ミキサーによって十分に均一混合し、原材料混合物とする。
次いで、この原材料混合物を、エクストルーダーや二軸混練機などの装置を用いて溶融混合した後、粉砕、分級することにより、粉体塗料を得ることができる。
本発明の製造方法においては、さらに、上記(a)工程の後、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を、粒径6mm以下に粉砕する工程を有することが好ましい。さらに好ましくは粒径が3mm以下である。これにより、上記(b)工程におけるエラストマー含有フェノール樹脂(D)の溶融混合を容易なものとすることができ、粉体塗料中におけるエラストマー成分の分散性をより高めることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例及び比較例に記載されている「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
下記に示した原材料成分を、表1で示す組成比(重量部)でミキサーにより混合しエクストルーダーで溶融混練後、粉砕装置にて粉砕して平均粒度50μmのエポキシ樹脂粉体塗料を得た。
得られた各粉体塗料について、曲げ強さ、耐ヒートサイクル性を測定し、表1の下欄に示す結果を得た。評価方法は以下の通りである。
得られた各粉体塗料について、曲げ強さ、耐ヒートサイクル性を測定し、表1の下欄に示す結果を得た。評価方法は以下の通りである。
1.原材料
(A)エポキシ樹脂
(1)ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート1004F」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂/エポキシ当量720)
(2)ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート5051」(臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂/エポキシ当量625)
(A)エポキシ樹脂
(1)ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート1004F」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂/エポキシ当量720)
(2)ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート5051」(臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂/エポキシ当量625)
(B)硬化剤
(1)BTDA:ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物(硬化剤当量81)
(2)2MZ:2−メチルイミダゾール
(1)BTDA:ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物(硬化剤当量81)
(2)2MZ:2−メチルイミダゾール
(C)無機充填剤
溶融シリカ:龍森社製・「RD−8」(平均粒径15μm)
溶融シリカ:龍森社製・「RD−8」(平均粒径15μm)
(D)エラストマー含有フェノール樹脂
以下の方法で製造した。
撹拌装置、還流冷却装置及び温度計を備えた反応装置に、フェノール1000部、エチレン−アクリル酸エステル共重合エラストマー(住友化学社製・「エスプレンEMA」)300部を入れ、内温を100℃まで加熱し、エラストマーを完全に溶解した。
次に、内温を60℃に下げ、37%ホルマリン630部及び蓚酸20部を添加した後、徐々に昇温して、温度が95℃に達してから120分間還流反応を行った。その後、650mmHgの真空下で脱水を行いながら、系内の温度を190℃まで昇温し、融点105℃のノボラック型のエラストマー含有フェノール樹脂1380部を得た。この樹脂中のエラストマーの含有量は21%,水酸基当量133であった。これを粉砕装置で、粒径が3mm以下となるように粉砕して用いた。
以下の方法で製造した。
撹拌装置、還流冷却装置及び温度計を備えた反応装置に、フェノール1000部、エチレン−アクリル酸エステル共重合エラストマー(住友化学社製・「エスプレンEMA」)300部を入れ、内温を100℃まで加熱し、エラストマーを完全に溶解した。
次に、内温を60℃に下げ、37%ホルマリン630部及び蓚酸20部を添加した後、徐々に昇温して、温度が95℃に達してから120分間還流反応を行った。その後、650mmHgの真空下で脱水を行いながら、系内の温度を190℃まで昇温し、融点105℃のノボラック型のエラストマー含有フェノール樹脂1380部を得た。この樹脂中のエラストマーの含有量は21%,水酸基当量133であった。これを粉砕装置で、粒径が3mm以下となるように粉砕して用いた。
(E)フェノール樹脂
ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製・「PR−53195」(硬化剤当量105)
ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製・「PR−53195」(硬化剤当量105)
(F)エラストマー
エチレン−アクリル酸エステル共重合化合物:住友化学工業社製・「エスプレンEMA」
エチレン−アクリル酸エステル共重合化合物:住友化学工業社製・「エスプレンEMA」
(G)顔料
(1)石原産業社製・「TTO−55」(白顔料/酸化チタン)
(2)住友化学社製・「シアニンブルーGH」(青顔料/シアニンブルー)
(1)石原産業社製・「TTO−55」(白顔料/酸化チタン)
(2)住友化学社製・「シアニンブルーGH」(青顔料/シアニンブルー)
(H)添加剤(カップリング剤)
日本ユニカー社製・「A−187」(シランカップリング剤)
日本ユニカー社製・「A−187」(シランカップリング剤)
2.評価方法
(1)平滑性
約20gの粉体塗料をアルミ皿中に均一に広げ、これを乾燥装置で150℃、30分間加熱した後の表面平滑度について目視で判断した。各符号は下記の通りである。
○:表面が平滑である。
×:表面に波状のうねり、ピンホールまたは突起状異物があり平滑でない。
(1)平滑性
約20gの粉体塗料をアルミ皿中に均一に広げ、これを乾燥装置で150℃、30分間加熱した後の表面平滑度について目視で判断した。各符号は下記の通りである。
○:表面が平滑である。
×:表面に波状のうねり、ピンホールまたは突起状異物があり平滑でない。
(2)曲げ強さ
JIS K 7203に準拠して、下記の条件で曲げ破壊試験を行い、曲げ強さを測定した。
支点間距離:40mm
試験片:幅10mm、厚み2mm
試験速度:5mm/min
JIS K 7203に準拠して、下記の条件で曲げ破壊試験を行い、曲げ強さを測定した。
支点間距離:40mm
試験片:幅10mm、厚み2mm
試験速度:5mm/min
3.耐ヒートサイクル性
リード線付きセラミックコンデンサ(φ=12mm)を、塗膜の厚さが0.6mmとなるように塗装した。これを−40℃と125℃の環境に各々30分間ずつ晒し、これを1サイクルとして、塗装物表面にクラック等の破壊が発生するまでのサイクル数を記載した。
リード線付きセラミックコンデンサ(φ=12mm)を、塗膜の厚さが0.6mmとなるように塗装した。これを−40℃と125℃の環境に各々30分間ずつ晒し、これを1サイクルとして、塗装物表面にクラック等の破壊が発生するまでのサイクル数を記載した。
実施例は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものである本発明の粉体塗料であり、機械的強度と耐ヒートサイクル性に優れ、平滑性も良好な塗膜を形成することができた。
一方、比較例1は、エラストマー含有フェノール樹脂を用いなかったため、機械的強度と耐ヒートサイクル性は大きく低下したものとなった。
比較例2は、エラストマー含有フェノール樹脂を用いず、フェノール樹脂とエラストマーをそれぞれ単独で配合したが、エラストマーの分散混合性が不充分であったため、塗膜の機械的強度、耐ヒートサイクル性、平滑性のいずれも低下したものとなった。
一方、比較例1は、エラストマー含有フェノール樹脂を用いなかったため、機械的強度と耐ヒートサイクル性は大きく低下したものとなった。
比較例2は、エラストマー含有フェノール樹脂を用いず、フェノール樹脂とエラストマーをそれぞれ単独で配合したが、エラストマーの分散混合性が不充分であったため、塗膜の機械的強度、耐ヒートサイクル性、平滑性のいずれも低下したものとなった。
本発明のエポキシ樹脂粉体塗料は、良好な塗装性と高い機械的強度、耐ヒートサイクル性を有し、電気・電子部品を絶縁外装する目的で使用されているエポキシ樹脂粉体塗料の
塗膜に特に好適に用いることができる。
塗膜に特に好適に用いることができる。
Claims (7)
- エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)、及び、エラストマー含有フェノール樹脂(D)を含有し、前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)が、フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてなるものであることを特徴とするエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、エチレン−アクリル酸エステル共重合化合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)全体に対して、10〜45重量%含有されている請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のエラストマーが、前記エポキシ樹脂粉体塗料全体に対して、0.3〜8.0重量%含有されている請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
- 前記硬化剤(B)が芳香族系酸無水物であり、エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基に対する、硬化剤(B)の当量と前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)中のフェノール樹脂の水酸基当量との合計当量比が、0.6〜1.3である請求項1ないし4のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のエポキシ樹脂粉体塗料の製造方法であって、
(a)フェノール類とエラストマーとの混合物にアルデヒド類を反応させてエラストマー含有フェノール樹脂(D)を合成する工程と、
(b)前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)と、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、及び、無機充填剤(C)とを、溶融混合する工程と、
を有することを特徴とする、エポキシ樹脂粉体塗料の製造方法。 - さらに、前記(a)工程の後、前記エラストマー含有フェノール樹脂(D)を、粒径6mm以下に粉砕する工程を有する、請求項6に記載のエポキシ樹脂粉体塗料の製造方法。
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- 2004-09-30 JP JP2004286708A patent/JP2006096928A/ja active Pending
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