以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
図1において、1は全体としてプリンタシステムの構成を示し、顧客の要求に応じてディジタルスチルカメラ2、メモリカード3、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )4をパーソナルコンピュータ5の所定位置にセットする。
パーソナルコンピュータ5は、当該セットされたディジタルスチルカメラ2、メモリカード3、CD−ROM4から必要に応じて画像データを読み込み、当該読み込んだ画像データを印画用の画像データに変換した後、これをプリンタ6A及び6Bに選択的に送出する。
プリンタ6A及び6Bは、ロール紙状の印画紙を用いて印画する昇華性プリンタでなり、パーソナルコンピュータ5から供給される印画用の画像データに応じた画像を印画紙に印画し、当該画像が印画された印画紙(以下、これをプリント画と呼ぶ)を排紙する。その後、この排紙されたプリント画は顧客に提供される。
ここでパーソナルコンピュータ5の回路構成を図2に示す。パーソナルコンピュータ5は、パーソナルコンピュータ本体5Aとキーボード・マウス5Bとモニタ5Cとから構成されている。
パーソナルコンピュータ本体5AのCPU(Central Processing Unit )10は、ROM(Read Only Memory)11に格納されているプログラムを必要に応じて読み出し、当該読み出したプログラムをRAM(Random Access Memory)12に展開して記憶する。そしてCPU10は、このRAM12に展開されているプログラムを読み出して実行することにより、バスB1に接続されている各回路の動作を制御する。
キーボード・マウス・インターフェイス13は、オペレータがキーボード・マウス5Bを操作することに応じて入力される操作情報をCPU10に通知する。CPU10は、この操作情報を解析し、その結果、オペレータがディジタルスチルカメラ2から画像データを読み込むための操作を行ったと判断した場合には、当該操作に応じた指示情報を生成し、これをカメラコントロール14に送出する。
カメラコントロール14は、この指示情報に基づいてディジタルスチルカメラ2から画像データを読み込み、これをRAM12に展開して記憶する。因みに、カメラコントロール14は、ディジタルスチルカメラ2から読み込まれる画像データのデータ量が大きい場合には、当該画像データを必要に応じてハードディスクドライブ15に送出し記録する。
またCPU10は、キーボード・マウス・インターフェイス13から供給される操作情報を解析し、その結果、オペレータがメモリカード3から画像データを読み込むための操作を行ったと判断した場合には、当該操作に応じた指示情報を生成し、これをメモリカードスロット16に送出する。
メモリカードスロット16は、この指示情報に基づいてメモリカード3から画像データを読み込み、これをRAM12に展開して記憶する。
さらにCPU10は、キーボード・マウス・インターフェイス13から供給される操作情報を解析し、その結果、オペレータがCD−ROM4から画像データを読み込むための操作を行ったと判断した場合には、当該操作に応じた指示情報を生成し、これをCD−ROMドライブ17に送出する。
CD−ROMドライブ17は、この指示情報に基づいてCD−ROM4から画像データを読み込み、これをRAM12に展開して記憶する。
この状態において、CPU10は、RAM12に記憶されている画像データをビデオコントロール18に送出する。ビデオコントロール18は、RAM12から画像データが供給されると、当該画像データを構成する各画像のサムネイル画像を生成し、当該サムネイル画像の一覧をモニタ5Cに表示する。
そしてオペレータが、このモニタ5Cに表示されているサムネイル画像を目視しながら、キーボード・マウス5Bを操作することにより、印画対象の画像を選択する選択操作を行うと、キーボード・マウス・インターフェイス13は、当該選択操作に応じた操作情報をCPU10に通知する。
CPU10は、この操作情報に基づいて、RAM12に記憶されている画像データの中から、オペレータによって選択されたサムネイル画像に対応する画像データを読み出し、当該読み出した画像データを1フレーム毎に順次SCSI(Small Computer System Interface )19を介してプリンタ6A及び6Bに選択的に送出する。これと共にCPU10は、画像データを印画するための制御データを生成し、これをSCSI19を介してプリンタ6A又は6Bに選択的に送出する。
ここでプリンタ6Aにおいては、2Lサイズ(5×7インチ)の印画を実行する2L用リボンフォーマットのインクリボンが装填され、当該2L用リボンフォーマットのインクリボンに塗布されたインクを、5インチ幅のロール紙状の印画紙に熱転写することにより、印画を実行する。
これに対してプリンタ6Bにおいては、Lサイズ(3.5×7インチ)の印画を実行するL用リボンフォーマットのインクリボンが装填され、当該L用リボンフォーマットのインクリボンに塗布されたインクを、プリンタ6Aと同一の5インチ幅のロール紙状の印画紙に熱転写することにより、印画を実行する。
プリンタ6A及び6Bは、図3に示すように、同一の回路構成でなり、ここではプリンタ6Aの回路構成について説明する。プリンタ6Aは、パーソナルコンピュータ5から1フレーム毎に送られてくる画像データをSCSI25を介してRAM26に転送して記憶する。
プリンタ6Aは、オペレータがキー27を操作することにより得られる操作情報をCPU28に通知する。CPU28は、ROM29に格納されているプログラムを必要に応じて読み出し、当該読み出したプログラムをRAM26に展開して記憶する。そしてCPU28は、このRAM26に展開されているプログラムを読み出して実行することにより、バスB3に接続されている各回路の動作を制御する。
センサ部30は、例えば印画を実行する際の位置決めに用いられるセンサ、印画紙のエッジを検出するためのセンサのような種々のセンサからなり、その検出結果をCPU28に通知する。
CPU28は、パーソナルコンピュータ5から送られてくる制御データに基づいて、ヘッドコントローラ31を介してサーマルヘッド32を駆動すると共に、メカコントローラ33を介してプラテン及びインクリボンのモータ34並びにペーパーカッタ35を駆動することにより、RAM26に記憶されている画像データに応じた画像を印画紙に印画し、当該画像が印画されたプリント画を排紙する。またLCD(Liquid Crystal Display)ユニット36は、例えばプリンタ6Aの現在の動作状態のような種々の情報を表示する。
ところでこのプリンタ6Aにおいては、図4に示すように、インクリボン40の供給リール41に、当該インクリボン40の種別情報などのような印画制御に必要なデータを格納したIC(Integrated Circuit)タグ42が貼り付けられると共に、ロール紙状の印画紙45のホルダ46に、当該印画紙の種別情報などのような印画制御に必要なデータを格納したICタグ47が貼り付けられている。
図5に示すように、ICタグ42及び47は同一の構成でなり、環状のフレキシブル配線板50の一面に、パターンでなるループ状のアンテナ(以下、これをタグ側アンテナと呼ぶ)51が形成されると共に、当該タグ側アンテナ51と電気的に接続されるようにして半導体集積回路チップでなるICチップ52が実装されている。
ICチップ52は、図3に示すように、インクリボン40の種別や初期印画可能枚数などのデータが予め格納されたEEPROM( Electrically Erasable Programmable ROM)と、タグ側アンテナ51を介して外部と通信する通信部56とから構成されている。
同様にして、ICタグ47のICチップ60は、印画紙45の種別や初期印画可能枚数などのデータが予め格納されたEEPROM61と、タグ側アンテナ62を介して外部と通信する通信部62とから構成されている。
通信部52(63)は、受信時、タグ側アンテナ51(62)を介して受信した受信信号をディジタルデータに変換し、当該変換したディジタルデータをEEPROM55(61)に格納するのに対して、送信時、EEPROM55(61)から所望のディジタルデータを読み出し、当該読み出したディジタルデータを送信信号に変換しタグ側アンテナ62を介して外部に送信するようになされている。
かくしてICタグ42(47)においては、外部からの書込み要求や読出し要求に応じて、必要なデータをICチップ52(60)内のEEPROM55(61)に書き込み、又は当該EEPROM55(61)に格納されたデータを読み出して外部に発信することができるようになされている。
ここでICタグ42(47)のEEPROM55(61)内に格納されるデータの内容及びEEPROM55(61)におけるこれらデータのデータフォーマットを図6に示す。
図6に示すように、ICタグ42のEEPROM55内に格納されるデータとしては、総データの数、インクリボンの種別、ロットナンバー、初期印画可能枚数、画質補正用の特性データ(イエロー発色特性、マゼンタ発色特性、シアン発色特性及びラミネート特性)、インクリボンの残量がある。
一方、ICタグ47のEEPROM61内に格納されるデータとしては、総データの数、印画紙の種別、ロットナンバー、初期印画可能枚数、画質補正用の特性データ(染料転写特性、予備データ)、印画紙の残量がある。
ところでプリンタ6Aにおいては、図3及び図4に示すように、インクリボンが装填されたとき、インクリボン用のICタグ42のタグ側アンンテナ51と所定距離を介して対向するように、アンテナ(以下、これをインクリボン用プリンタ側アンテナと呼ぶ)65が設けられている。
またプリンタ6Aにおいては、印画紙が装填されたとき、印画紙用のICタグ47のタグ側アンンテナ62と所定距離を介して対向するように、アンテナ(以下、これを印画紙用プリンタ側アンテナと呼ぶ)66が設けられている。
さらにプリンタ6Aにおいては、インクリボン用プリンタ側アンテナ65及び印画紙用プリンタ側アンテナ66を介して、インクリボン用のICタグ42及び印画紙用のICタグ47と通信を行うための通信制御回路67が設けられており、当該通信制御回路67はCPU28の制御に基づいて動作するようになされている。
通信制御回路67は、受信時、インクリボン用タグ側アンテナ65又は印画紙用タグ側アンテナ66を介して受信した受信信号をそれぞれディジタルデータに変換し、これをRAM26に格納すると共に、送信時、CPU28から与えられたディジタルデータを送信信号に変換し、これをインクリボン用タグ側アンテナ65又は印画紙用タグ側アンテナ66を介してタグ側アンテナ51又は62に向けて送信する。このようにプリンタ6Aは、ICタグ42及び47のEEPROM55及び61に対してデータの読み書きを行い得るようになされている。
すなわち、オペレータがインクリボン及び印画紙(以下、これらをメディアと呼ぶ)をプリンタ6Aに装填すると、プリンタ6AのCPU28は、図7に示すICタグ読出し処理手順RT1を実行する。この図7においてCPU28はICタグ読出し処理手順RT1に入ると、ステップSP1において、メディアが装填されたことを検出し、続くステップSP2に移って、ICタグ42及び47に格納されているデータを読み込み、これをRAM26に転送して記憶する。
そしてCPU28は、RAM26に記憶されているデータを基にインクリボン40の種別と印画紙45の種別を判別し、インクリボン40と印画紙45の組合せが正当であるか否かを判断する。
ステップSP2において否定結果が得られると、このことは装填されたインクリボン40と印画紙45の組合せが間違っていることを表しており、このときCPU28はステップSP3に移って、例えば「メディアミスマッチ」などのようなエラーメッセージをLCDユニット36に表示しオペレータに通知した後、続くステップSP1に移って、肯定結果が得られるまで当該ステップSP1及びSP2を繰り返す。
ステップSP2において肯定結果が得られると、このことは装填されたインクリボン40と印画紙45の組合せが正しいことを表しており、このときCPU28はステップSP4に移って、インクリボン40の残量と印画紙45の残量とを比較し、インクリボン40の残量が印画紙45の残量より少ないか否かを判断する。
ステップSP4において肯定結果が得られると、このことはインクリボン40の残量が印画紙45の残量より少ないことを表しており、このときCPU28はステップSP5に移って、インクリボン40の残量を基にメディアの残量を表示する。
これに対してステップSP4において否定結果が得られると、このことは印画紙45の残量がインクリボン40の残量より少ないことを表しており、このときCPU28はステップSP5に移って、印画紙45の残量を基にメディアの残量を表示する。
なおCPU28は、印画を実行したときなどのようにメディアを使用した場合には、RAM26に格納されている残量情報を更新すると共に当該更新した内容をLCDユニット36に表示し、さらにICタグ42及び47に対しても残量情報の更新を行う。
続いてCPU28は、ステップSP7において、インクリボン40及び印画紙45の画質補正用の特性データに基づいて、インクリボン40の種別による色補正やロット間のばらつきなどの補正を行うためのルックアップテーブルでなる補正パラメータを生成する。
ここでプリンタ6AのCPU28は、図8に示すように、画像データXk(k=イエローY、マゼンタM、シアンC)に対応する理想印画濃度Dkを得るために、画像データXkをメディアの発色特性Fkに合わせながら印画データZkに変換するが、その際、変換テーブルであるルックアップテーブルを使用する。
CPU28は、当該ルックアップテーブルを生成する際、プリンタ6Aにセットされているインクリボン40及び印画紙45の発色特性Fkを参照しながら生成することにより、安定した色再現を実現している。
すなわちCPU28は、次式
を用いて、インクリボン40の各色の発色特性データ(Yn、Mn、Cn)に印画紙45の転写特性Tnを乗算することにより、プリンタ6Aに装填されているメディアの発色特性(Yn'、Mn’、Cn’)を得る。
因みに、インクリボン40の発色特性データ(Yn、Mn、Cn)とは、基準となる印画紙に対しての発色特性とし、印画紙45の転写特性Tnとは、基準となる印画紙からの変換率とする。
CPU28は、得られた発色特性(Yn' 、Mn’、Cn’)に基づいて、印画データZkに対しての発色濃度Dkを表す発色特性Fkの関数、すなわち次式
をスプライン関数(補間のための関数)よって生成する。
このようにCPU28は、この発色特性Fkの関数を用いて、画像データXkに対応する理想印画濃度Dkが得られる印画データZkを得ることができ、これにより画像データXkから印画データZkに変換するための変換用のルックアップテーブルを生成する。そしてCPU28は、ステップSP8に移って当該処理手順を終了する。
このようにして、2L用リボンフォーマットのインクリボンとロール紙状の印画紙がプリンタ6Aに装填されると共に、L用リボンフォーマットのインクリボンとロール紙状の印画紙がプリンタ6Bに装填されると、パーソナルコンピュータ5のCPU10は、図9及び図10に示す印画制御処理手順RT2を実行する。
このパーソナルコンピュータ5のCPU10は、印画制御処理手順RT2に入ると、ステップSP10において、各プリンタ6A及び6BのRAM26からメディアの残量情報すなわち印画可能枚数の情報をそれぞれ読み出し、これらをRAM12に記憶する。ここでは例えばプリンタ6Aの印画可能枚数をm枚、プリンタ6Bの印画可能枚数をn枚とする。
そしてCPU10は、ステップSP11において、オペレータによってディジタルスチルカメラ2、メモリカード3、CD−ROM4のうちいずれかの媒体が指定されると、当該指定された媒体から画像データを読み込み、これをRAM12に記憶する。
CPU10は、続くステップSP12において、当該読み込んだ画像データを構成する各画像を一覧表示し、オペレータの指定操作に応じて当該読み込んだ画像データが印画対象の画像を含んでいるか否かを判断する。
ステップSP12において否定結果が得られると、このことは当該読み込んだ画像データが印画対象の画像を含んでいないことを表しており、このときCPU10はステップSP11に移って、肯定結果が得られるまでステップSP11及びSP12を繰り返す。
これに対してステップSP12において肯定結果が得られると、このことは当該読み込んだ画像データが印画対象の画像を含んでいることを表しており、このときCPU10はステップSP13に移って、オペレータの指定操作に応じて、当該読み込んだ画像データを構成する各画像の中から印画対象の画像を選択すると共に、印画サイズ、印画枚数などを設定する。例えば2Lサイズの画像の印画枚数をp枚、Lサイズの画像の印画枚数をq枚とする。
そしてCPU10は、ステップSP14において、当該選択された画像の印画を許可する指示がオペレータによって行われたか否かを判断し、肯定結果が得られるまでステップSP13及びSP14を繰り返す。
これに対してステップSP14において肯定結果が得られると、このことはオペレータが当該選択された画像の印画を許可したことを表しており、このときCPU10はステップSP15に移って、指定された印画枚数と各プリンタ6A及び6Bの印画可能枚数とを比較する。
その結果、CPU10は、ステップSP16において、次式
が成立し、メディアの残量が不足しているか否かを判断する。
ステップSP16において肯定結果が得られると、このことはメディアの残量が不足していることを表しており、このときCPU10はステップSP17に移って、メディアの残量が不足していることを表す警告メッセージを表示した後、続くステップSP18に移って、印画を実行する指示がオペレータによって行われたか否かを判断する。
ステップSP18において否定結果が得られると、このことは印画を中断する指示がオペレータによって行われたことを表しており、このときCPU10はステップSP10に移って上述の処理を繰り返す。ステップSP18において肯定結果が得られると、このことは印画を実行する指示がオペレータによって行われたことを表しており、このときCPU10はステップSP19に移る。
CPU10は、ステップSP19において、Lサイズの画像の印画枚数qがプリンタ6Bの印画可能枚数nより小さいか否かを判断する。ステップSP19において肯定結果が得られると、このことはLサイズの画像の印画枚数qがプリンタ6Bの印画可能枚数nより小さいことを表しており、このときCPU10はステップSP20に移って、プリンタ6Aに対して2Lサイズの画像をp枚、プリンタ6Bに対してLサイズの画像をq枚印画するように画像データを送出する。
これに対してステップSP19において否定結果が得られると、このことはLサイズの画像の印画枚数qがプリンタ6Bの印画可能枚数nより大きいことを表しており、このときCPU10はステップSP21に移って、プリンタ6Aに対して2Lサイズの画像をp枚とLサイズの画像をq−n枚、プリンタ6Bに対してLサイズの画像をn枚印画するように画像データを送出する。
そしてCPU10は、ステップSP22において、オペレータによって選択された画像を全て印画したか否かを判断し、肯定結果が得られるまで当該ステップSP22を繰り返す。ステップSP22において肯定結果が得られると、このことは当該選択された画像が全て印画されたことを表しており、このときCPU10はステップSP23に移って当該処理手順を終了する。
ここで、印画制御処理手順RT2のステップSP21において、パーソナルコンピュータ5のCPU10が、2L用リボンフォーマットのインクリボンが装填された2L用のプリンタ6Aに対して2Lサイズの画像を印画するように制御する際の2L印画制御処理手順RT3を図11に示す。
この図11においてCPU10は2L印画制御処理手順RT3に入ると、ステップSP30において、印画対象の画像をプリンタ6AのRAM26に書き込む際の領域を、原点から2Lサイズまでの領域と指定する。
そしてCPU10は、ステップSP31において、2Lサイズの画像データをプリンタ6Aに送出し、当該送出した画像データをRAM26の指定領域に書き込ませ、続くステップSP32に移って、プリンタ6Aに対してプリントモードすなわち印画範囲を2Lサイズと指定した後、ステップSP33において、カットモードすなわちカット位置を2Lサイズと指定する。
プリンタ6Aは、ステップSP34において、指定された印画範囲に合わせてペーパーの頭出しを行い、2Lサイズの画像の印画を行った後、カット位置を2Lサイズの印画画像の上下2箇所とすることにより、カット及び排紙動作を実行する(図12)。そしてCPU10はステップSP35に移って当該処理手順を終了する。
次いで、印画制御処理手順RT2のステップSP21において、パーソナルコンピュータ5のCPU10が、2L用のプリンタ6Aに対してLサイズの画像を2枚印画するように制御する際のL+L印画制御処理手順RT4を図13に示す。
この図13においてCPU10はL+L印画制御処理手順RT4に入ると、ステップSP40において、印画対象の画像をプリンタ6AのRAM26に書き込む際の領域を、原点からLサイズまでの領域と指定し、続くステップSP41に移って、Lサイズの画像データをプリンタ6Aに送出し、当該送出した画像データをRAM26の指定領域に書き込ませる。
そしてCPU10は、ステップSP42において、印画対象の画像をプリンタ6AのRAM26に書き込む際の領域を、位置LからLサイズまでの領域と指定し、続くステップSP43に移って、Lサイズの画像データをプリンタ6Aに送出し、当該送出した画像データをRAM26の指定領域に書き込ませる。
次いでCPU10は、ステップSP44において、プリンタ6Aに対してプリントモードすなわち印画範囲をL+Lサイズと指定した後、ステップSP45に移って、カットモードすなわちカット位置をL+Lサイズと指定する。
プリンタ6Aは、ステップSP46において、指定された印画範囲に合わせてペーパーの頭出しを行い、L+Lサイズの画像の印画を行った後、カット位置を2枚のLサイズの印画画像の上下各2箇所すなわち4箇所とすることにより、カット及び排紙動作を実行する(図14)。そしてCPU10はステップSP47に移って当該処理手順を終了する。
続いてプリンタ6Aの印画処理手順RT5を図15に示す。この図15においてプリンタ6AのCPU28は印画処理手順RT5に入ると、ステップSP50において、パーソナルコンピュータ5によって指定されたプリントモードが2Lサイズか否かを判断する。
ステップSP50において肯定結果が得られると、このことは指定されたプリントモードが2Lサイズであることを表しており、このときCPU28はステップSP51に移って、ペーパー印画開始位置を2L位置と設定すると共に、印画サイズを2Lと設定する。
これに対してステップSP50において否定結果が得られると、このことは指定されたプリントモードがL+Lサイズであることを表しており、このときCPU28はステップSP52に移って、ペーパー印画開始位置をL+L位置と設定すると共に、印画サイズをL+Lと設定する。
そしてCPU28は、ステップSP53において、ペーパー印画開始位置に合わせてペーパーの頭出しを行い、続くステップSP54に移って、設定された印画サイズの印画を実行する。
そしてCPU28は、ステップSP55においてパーソナルコンピュータ5によって指定されたカットモードが2Lサイズか否かを判断する。ステップSP55において肯定結果が得られると、このことは指定されたカットモードが2Lサイズであることを表しており、このときCPU28はステップSP56に移って、カット位置を2Lサイズの印画画像の上下2箇所と設定する(図12)。因みに図12の図中のΔYはキリシロを示す。
これに対してステップSP55において否定結果が得られると、このことは指定されたプリントモードがL+Lサイズであることを表しており、このときCPU28はステップSP57に移って、カット位置を2枚のLサイズの印画画像の上下各2箇所すなわち4箇所と設定する(図14)。因みに図14の図中のΔYはキリシロを示す。
そしてCPU28は、ステップSP58において、設定されたカット位置に基づいて印画紙を排紙しながらカットを実行し、続くステップSP59に移って当該処理手順を終了する。
以上の構成において、プリンタ6A(6B)は、当該プリンタ6A(6B)に装填されるインクリボン40と印画紙45の両方に、種別、残量、画質補正用の特性データなどの印画制御に必要なデータを格納したICタグ42及び47を設け、必要に応じて当該ICタグ42及び47に対してデータの読み書きを行う。
これによりプリンタ6A(6B)は、装填されたインクリボン40と印画紙45のそれぞれの種別を判別し、印画を実行する前にインクリボン40の種別と印画紙45の種別とのミスマッチを検出することができ、従って当該ミスマッチの状態で印画が実行されることを回避することができる。
またプリンタ6A(6B)は、装填されたインクリボン40の残量と印画紙45の残量を比較し、当該残量の少ないメディアの残量をLCDユニット36に表示することにより、オペレータに正確な残量を通知することができる。従ってオペレータは、例えば紙交換を繰り返すことによって印画紙が排紙され、印画紙のみの残量が減少した場合であっても、正確な残量を知ることができる。
またプリンタ6A(6B)は、インクリボン40及び印画紙45の画質補正用の特性データに基づいて補正パラメータを生成することにより、一段と高精度な色再現補正を行い得る。
ところで、2L用リボンファーマットのインクリボン40が装填された2L用のプリンタ6Aは、2Lサイズの画像を1枚又はLサイズの画像を2枚選択的に印画することができ、Lサイズの画像を2枚印画する場合、インクリボン40及び印画紙45の頭出しが1回で済む分、L用リボンファーマットのインクリボン40が装填されたL用のプリンタ6Bに比して高速に印画を行うことができる。
従ってプリンタシステム1は、Lサイズの画像を印画する際には、プリンタ6A及び6Bの空き状況に応じて当該プリンタ6A及び6Bに選択的に印画を行わせることにより、印画時間を短縮して高速に印画を行い得る。
以上の構成によれば、インクリボン40と印画紙45の両方に、印画制御に必要なデータを格納したICタグ42及び47を設け、必要に応じて当該ICタグ42及び47に対してデータの読み書きを行うことにより、プリンタ6A及び6Bに装填されているインクリボン40と印画紙45に関する情報を得ることができ、従って当該装填されたインクリボン40と印画紙45に応じた印画を実行することができる。
また、2L用のプリンタ6AによってLサイズの画像を2枚印画し得るようにしたことにより、2Lサイズの画像を1枚又はLサイズの画像を2枚印画することを選択的に実行することができ、Lサイズの画像を2枚印画する場合には、L用のプリンタ6Bに比して高速に印画を行うことができる。
なお上述の実施の形態においては、インクリボンのICタグ42に画質補正用の特性データとして発色特性を格納した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば基準となるインクリボンに対しての差分又は変化率のような他の種々のデータを格納するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、2Lサイズの画像の印画枚数をp枚、Lサイズの画像の印画枚数をq枚とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばLサイズの画像を複数枚印画する際、偶数枚を2L用のプリンタ6Aによって印画させると共に、奇数枚をL用のプリンタ6Bによって印画させることにより、メディアの無駄を回避することができる。
また上述の実施の形態においては、2Lサイズ(5×7インチ)とLサイズ(3.5×7インチ)の印画を実行する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば4×6インチと6×8インチなどのように、幅を共有する異なるサイズの他の種々のサイズの印画を実行するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、印画媒体として印画紙を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の印画媒体を適用するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、第1の記憶手段としてICタグ42を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、プリンタ装置に装填されるインクリボンと一体に設けられ、当該装填されたインクリボン固有の情報を記憶する他の種々の第1の記憶手段を適用するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、第2の記憶手段としてICタグ47を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、プリンタ装置に装填される印画媒体と一体に設けられ、当該装填された印画媒体固有の情報を記憶する他の種々の第2の記憶手段を適用するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、制御手段としてCPU28を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の記憶手段から各情報をそれぞれ読み出し、当該読み出した各情報に応じた制御処理を実行する他の種々の制御手段を適用するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、プリンタ装置としてプリンタ1を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、所定の第1のサイズの画像を印画するためのインクリボンとロール状の印画媒体が装填された他の種々のプリンタ装置を適用するようにしても良い。
また上述の実施の形態においては、印画手段としてサーマルヘッド32、プラテン及びインクリボンのモータ34を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1のサイズをインクリボンの送り方向に沿って所定数に分割することにより形成される第2のサイズの画像を順次印画媒体に印画する他の種々の印画手段に適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、切断手段としてペーパーカッタ35を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第2の画像が連続して印画された印画媒体を、印画された各第2の画像の境界で切断する他の種々の切断手段に適用するようにしても良い。
1……プリンタシステム、2……ディジタルスチルカメラ、3……メモリカード、4……CD−ROM、5……パーソナルコンピュータ、6……プリンタ、10、28……CPU、11、29……ROM、12、26……RAM、13……キーボード・マウス・インターフェイス、14……カメラコントロール、15……ハードディスクドライブ、16……メモリカードスロット、17……CD−ROMドライブ、18……ビデオコントロール、19、25……SCSI、27……キー、30……センサ部、31……ヘッドコントローラ、32……サーマルヘッド、33……メカコントローラ、34……プラテン・リボン・モータ、35……ペーパーカッタ。