JP2006095941A - 装飾方法及びその装飾方法によって装飾された被装飾体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い色再現性を備え、被装飾体に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することが可能な装飾方法を提供することにある。また、その装飾方法によって装飾され、耐久性及び耐変色性を備えた被装飾体を提供することにある。
【解決手段】 被装飾体(母合金10)の表面に金属(金板1〜金板4)を配設し、その金属の表面に設定された所定の微小領域にレーザーを照射して、被装飾体の表層を合金化した後、金属を他の金属に取り替えて、再び他の微小領域にレーザーを照射する、といった工程を繰り返すことで、母合金10の表層に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 被装飾体(母合金10)の表面に金属(金板1〜金板4)を配設し、その金属の表面に設定された所定の微小領域にレーザーを照射して、被装飾体の表層を合金化した後、金属を他の金属に取り替えて、再び他の微小領域にレーザーを照射する、といった工程を繰り返すことで、母合金10の表層に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被装飾体を装飾する装飾方法に関する。
従来より、例えば被装飾体となる金属を装飾する手法として、金属表面を塗装する手法や金属に施された刻印にインク等の液体を入れ込む手法、陽極酸化による酸化膜を形成することで文字・模様等を表現する手法、レーザーを照射して金属表面を変色させる手法など、様々なものがある。
このうち、レーザーを照射して金属表面を変色させる手法として、基板表面上にチタンを蒸着して、チタン被膜を酸化処理してその一部を酸化チタン被膜にした後に、レーザー照射によってその表面を模様化する手法(以下、「手法1」とする。)や、素地の上に下地層と上部層の二層を施し、上部層のみをレーザーによって昇華させ、下地層を表面に出すことによりレーザーを照射した部分のみを別の色(下地層の色)にする手法(以下、「手法2」とする。)などが一般的に知られている。その他、例えば特許文献1或いは特許文献2に開示された手法もある。
特許文献1に開示された発明によれば、金属表面にレーザーを照射して、微細凹凸が形成されたその表面を反応性ガス中で熱処理し、金属成分とガス成分との反応物からなる薄膜を形成することによって、線画や文字等の模様パターンが美麗な虹色発色の反射光沢として視認される加飾加工品を提供することができる。
また、特許文献2に開示された発明によれば、窒素を含む空気中で、純チタンの金属表面上にレーザーを照射し、チタン原子の化学活性を高めて窒素分子と化学反応させ、窒化チタン被膜を形成して発色させることによって、不純物の混入に拘わらず微細で美しい装飾模様を形成することができる。
しかしながら、上述した従来の技術では、色再現性が低いことに起因として、被装飾体表層に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することができない、という問題がある。
すなわち、上述した手法1は、酸化チタン被膜にレーザーを照射してその表面を模様化するものなので、たとえレーザー照射強度によって明度を調整することはできても、色相までを調整することはできず、再現しうる色が1色又は明度のみ異なる数色に限定されている。また、上述した手法2は、上部層をレーザーで昇華させ、下地層の色を表面に出すものなので、結局、再現しうる色は下地層の1色のみである。
また、上述した特許文献1に記載の発明によれば、金属表面に化学反応物からなる薄膜を形成することで、"虹色発色"の反射光沢による模様パターンを形成することはできるものの、"所望の色"を発色させることは困難である。また、上述した特許文献2に記載の発明によれば、金属表面に窒化チタン被膜を形成して発色させることで、美しい装飾模様を形成することはできるが、この装飾模様も1色又は明度のみ異なる数色からなる模様に過ぎない。
このように、従来の技術では、いずれも色再現性が低いため、被装飾体表層に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することができなかった。そこで、本発明者は、被装飾体に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成しうる手法として、従来技術とは異なる新たな手法を思いつくに至った。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い色再現性を備え、被装飾体に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することが可能な装飾方法を提供することにある。また、その装飾方法によって装飾され、耐久性及び耐変色性を備えた被装飾体を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 被装飾体に複数のピクセルの集合よりなるカラー画像を形成して、当該被装飾体を装飾する装飾方法であって、前記被装飾体の表面に配設された金属の表面に、前記複数のピクセルのうちの予め定められたピクセルの一部又は全部に対応する微小領域を設定し、複数の前記微小領域にレーザーを照射して、前記被装飾体の表層を合金化する合金化工程と、前記金属を他の金属に取り替える取替工程と、前記合金化工程と前記取替工程を所定回数繰り返すことで、前記被装飾体にカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、を含むことを特徴とする装飾方法。
本発明によれば、例えば指輪などの金属,陶材,耐熱プラスチックなどの被装飾体に金属を配設し、その金属の表面に所定の微小領域を設定し、その微小領域にレーザーを照射して、被装飾体の表層を合金化する合金化工程と、被装飾体に配設した金属を他の金属に取り替える取替工程と、これらの両工程を所定回数繰り返してカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、が含まれることとしたから、レーザービームのスポット径を極めて小さくすることで、人間の目には、1のドットが呈する色だけでなく、近接する複数のドットが混ざり合ってできる中間色が映ることになる。
従って、合金化工程と取替工程を繰り返す所定回数を増やせば増やすほど、様々な色が再現されることとなり、その結果、被装飾体表層に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することができる。
ここで、「ピクセルの一部又は全部に対応する微小領域」の形状は、如何なるものであっても構わない。例えば、円形や楕円形などレーザービームのスポット形状に合わせて微小領域を設定することができる。
また、「被装飾体」としては、金属(例えば指輪),陶材,耐熱プラスチックなど様々なものが挙げられる。被装飾体の表面に配設される「金属」としては、金(銀,銅,パラジウム,ニッケル),チタンなど様々な金属が挙げられる。
さらに、金属が被装飾体の表面に「配設され」るとは、被装飾体の表面と金属とを隙間なく接触させて配設されることのみならず、表層合金化に差し支えない程度の隙間を空けて配設されることをも含む概念である。また、取替工程において、「金属を他の金属に取り替える」とあるが、例えば金属が粉状である場合には、その金属の粉をまぶし替えることを意味するものとする。
また、本発明において、金属の表面に照射するレーザーの種類は、如何なるものであってもよい。例えば、YAGレーザー,炭酸ガスレーザー,エキシマレーザー,YVO4レーザーなど、様々なものが挙げられる。加えて、レーザーを発振するレーザー発振器のパラメータ(例えばレーザーの発振出力,照射強度,照射時間,繰返し回数,スポット径,焦点距離,パルス周波数,出力の波形制御など)は適宜変更しうるものとする。
(2) 前記装飾方法は、さらに、前記被装飾体の表面に金を配設する金配設工程を含むことを特徴とする(1)記載の装飾方法。
本発明によれば、上述した装飾方法には、被装飾体の表面に金を配設する金配設工程が含まれるので、被装飾体に所望の金を密接することができ、ひいては色相豊かな所望のカラー画像で指輪などの金属を彩ることができる。また、金合金化することで、耐久性及び耐変色性を備えた被装飾体を作ることができる。
ここで、「金」は、純金と金合金の両者を包含する概念である。従って、被装飾体に配設する金は、純金であってもよいし、所定の金属を添加した金合金であってもよい。「金」の形態については、板,箔,ブロック,粉など、様々なものが考えられるが、本発明はこれらのいずれかに限定されない。「金」の表面形態についても、グラインダー,サンドブラスト,グリッドブラスト仕上げ,電解研磨,陽極酸化による鏡面仕上げ、何もしないなど、様々なものが考えられるが、本発明はこれらのいずれかに限定されない。
(3) 前記ピクセルは、シアン,マゼンダ,イエロー,又はグリーンを呈する少なくとも一個の前記微小領域から形成されることを特徴とする(1)又は(2)記載の装飾方法。
本発明によれば、上述したピクセルは、シアン,マゼンダ,イエロー,又はグリーンを呈する少なくとも一個の微小領域から形成されることとしたので、シアンを呈するピクセル、マゼンダを呈するピクセル、イエローを呈するピクセル、グリーンを呈するピクセル、近接するドットが混ざり合ってできる中間色(シアンとマゼンダの中間色,マゼンダとイエローの中間色,イエローとシアンの中間色,シアンとグリーンの中間色,マゼンダとグリーンの中間色,イエローとグリーンの中間色)を呈するピクセルを再現することができ、その結果、色種をなるべく少なく抑えつつ金属表面にカラー画像を形成することができる。
(4) 前記合金化工程は、複数の前記微小領域に、所定条件に基づきパワーの異なるレーザーを照射することを特徴とする(1)から(3)のいずれかの記載の装飾方法。
本発明によれば、上述した合金化工程は、複数の微小領域に、所定条件に基づきパワーの異なるレーザーを照射することとしたので、この合金化工程においても色の濃淡を再現することができ、ひいては取替工程と相まって、被装飾体の表層に多種多様な色からなるカラー画像を形成することができる。
ここで、「所定条件」は、配設する金属の厚さや表層合金の厚さ等によって定めることができる。すなわち、レーザーのパワー密度を大きくすると(或いはレーザーの照射時間を長くすると)、被装飾体の添加率が上昇して色の度合いが変化するが、「所定条件」は、この度合いが適切となるように定めることができる。
(5) 前記合金化工程は、ブラックを呈する複数の前記微小領域にレーザーを照射して、前記被装飾体の表層を合金化することを特徴とする(1)から(4)のいずれか記載の装飾方法。
本発明によれば、上述した合金化工程は、ブラックを呈する複数の微小領域にレーザーを照射して、被装飾体の表層を合金化することとしたから、微小領域におけるレーザー吸収効率が上昇し、その結果、少ないレーザーパワーで合金化を行うことが可能になる。なお、微小領域が「ブラックを呈する」ようにするためには、例えばその微小領域を黒サインペン等で塗りつぶしたり、黒色の液体を塗布したり、黒粉をまぶしたり、墨を塗ったりすればよい。また、例えばスポット径約6mmのレーザーを照射する際に、そのスポット径と中心を一致させて直径約3mmの円を「微小領域」としたい場合には、その約3mmの円の内部を黒くすればよい。これにより、約3mmの円の内部の方が、他の部分と比べてレーザー吸収効率が良いので、「微小領域」の表層を的確に合金化することができる。
(6) (1)から(5)のいずれか記載の装飾方法によって装飾された被装飾体。
本発明によれば、上述した装飾方法によって装飾された被装飾体を提供することとしたから、色相豊かで綺麗なカラー画像が施された被装飾体(例えば指輪などの金属)の提供が可能になる。
以上説明したように、本発明は、被装飾体の表面に配設された金属の表面に所定の微小領域を設定し、その微小領域にレーザーを照射して表層合金化を行い、その後、その金属を他の金属に取り替えて、再び他の微小領域にレーザーを照射する、といった工程を繰り返すものなので、高い色再現性を実現することができ、ひいては被装飾体の表層に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
[合金化工程及び取替工程]
図1は、本発明の実施の形態に係る装飾方法の合金化工程及び取替工程を説明するための説明図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る装飾方法の合金化工程及び取替工程を説明するための説明図である。
まず、被装飾体となる母合金10に金板1を圧接する(図1(a))。金板1は、純金に所定の金属を添加したもの(金合金)を用いる。これより、金板の空気中での腐食を防止したり、金板の硬度を向上させたりすることができる。例えば、Au(純金)に、割金としてCu(銅),Ag(銀),或いはFe(鉄)などの金属を添加した金合金を用いることができる。勿論、金板1としてAu(純金)そのものであってもよいし、チタンなどの色を発色する金属を用いてもよい。
また、金板1として、例えば厚さ約100μmのものを用いることができる。これにより、装飾コスト上昇に繋がる金の量をなるべく少なくしたいという要請と、昇華して消えてなくならない程度の厚さが必要であるという要請との双方の要請を満たすことができる。
ここで、Auに割金としてCuを添加した場合において、組成比がAu約75%,Cu約25%になると、この金合金は赤色を呈する。また、Auに割金としてAgを添加した場合において、組成比がAu約75%,Ag約25%になると、金合金は緑色を呈する。さらに、Auに割金としてFeを添加した場合(必要に応じて加熱する)において、組成比がAu約75%,Fe約25%になると、金合金は青色を呈する。このように、金合金は、添加する金属の種類や添加量に応じて様々な色を呈するようになる。
次に、金板1にレーザービームを当てることによって(図1(b))、所定色を呈する金合金(図1(c)の上層部)を母合金10上に形成する。より具体的には、金板1にレーザービームを当てると、母合金10の表層と金板1とが溶融・混合し始める(図1(b))。そして、所定時間経過後、レーザーの照射が停止すると、溶融・混合した部分が急冷凝固して、合金化され、所定色を呈するようになる(図1(c))。
例えば、母合金10がAgであって、金板1としてAu87.5%,Cu12.5%からなる金合金板(厚さ100μm)を用いた場合において、レーザービームが当たった部分(ドット)では、Au87.5%,Cu12.5%からなる金板1と、母合金10のAg(母合金10の表面から深さ約15.15μmの部分)とが溶融・混合し、黄色を呈する金合金(組成比がAu約75%,Cu約12.5%,Ag約12.5%からなる金合金)に近づくことになる。
図2は、被装飾体となる母合金に形成するカラー画像100を説明するための説明図である。図2において、図や写真などのカラー画像100は、一般的に、シアンの画像(100C)、マゼンダの画像(100M)、イエローの画像(100Y)に色分解することができる。換言すれば、これら100C,100M,100Yの画像によってカラー画像を再現することができる。なお、本実施形態では、図2(b)に示すようにシアン,マゼンダ,イエローの三色に分解することとしたが、かかる三色分解は、パーソナルコンピュータ等でドローツール,ペイントツール,フォトレタッチツール等のソフトウェアを実行することで容易に実現できる(レッド,グリーン,ブルー(RGB)の三色に分解した後、モード変換を施すことによって三色分解を実現することもできる)。また、中間色において色分解することによって、色彩をより明確にすることも可能である。
図3は、母合金10に所定色を呈するドットが形成される様子を示す斜視図である。図3によれば、レーザー発振器20から発振されたレーザービームが母合金10に圧接された金板1に当たることによって(図3(a))、母合金10の表層に所定色を呈するドットが形成される(図3(b))。
ここで、レーザー発振器20は、水平方向(X−Y平面)に自由に移動することが可能である。また、上述したシアンの画像(100C)、マゼンダの画像(100M)、イエローの画像(100Y)の各画像に基づいて、レーザーを照射する複数の微小領域が定められる。
図4は、母合金10の表層に、イエロー,マゼンダ,シアン,グリーンのそれぞれの色を呈するドットが形成される様子を示す説明図である。なお、本実施形態では、金板1としてAu87.5%,Cu6.25%,Zn6.25%からなる金板、金板2としてAu87.5%,Cu12.5%からなる金板、金板3としてAu75%,Fe25%からなる金板、金板4としてAu75%,Ag25%からなる金板、の全部で4枚の金板を用いる。なお、金板1として純金を用いてもよい。また、母合金10としてAgを用いる。
図4において、母合金10に金板1を圧接して、色分解した結果による複数箇所にレーザーを照射すると、母合金10の表層にイエローを呈するドットが形成される(図4(a))。より具体的には、レーザービームが当たった部分では、金板1と母合金10のAgとが溶融・混合し、イエローを呈する金合金となる。このとき、レーザーの照射強度,照射時間等は、ドットがイエローを呈するように適宜調整されるものとする。
次に、金板1を取り外し(図4(b))、金板2を母合金10に圧接した後(金板1を金板2に取り替えた後)、色分解した結果による複数箇所にレーザーを照射すると、母合金10の表層にマゼンダを呈するドットが形成される(図4(c))。より具体的には、レーザービームが当たった部分では、金板2と母合金10のAgとが少量溶融・混合し(すなわち、母合金10のAgが金板2に少しだけ添加され)、マゼンダを呈する金合金となる。なお、このときも、レーザーの照射強度,照射時間等は、ドットがマゼンダを呈するように適宜調整されるものとする。
次に、金板2を取り外し(図4(d))、金板3を母合金10に圧接した後、色分解した結果による複数箇所にレーザーを照射すると、母合金10の表層にシアンを呈するドットが形成される(図4(e))。より具体的には、レーザービームが当たった部分では、金板3と母合金10のAgとが少量溶融・混合し(すなわち、母合金10のAgが金板3に少しだけ添加され)、シアンを呈する金合金となる。なお、このときも、レーザーの照射強度,照射時間等は、ドットがシアンを呈するように適宜調整されるものとする。
次に、金板3を取り外し(図4(f))、グリーンを呈する金板4を母合金10に圧接した後、色分解した結果による複数箇所にレーザーを照射すると、母合金10の表層にグリーンを呈するドットが形成される(図4(g))。より具体的には、レーザービームが当たった部分では、金板4と母合金10のAgとが接着し、グリーンを呈する金合金が形成される。
最後に、金板4を取り外すと、イエロー,マゼンダ,シアン,グリーンのそれぞれの色を呈するドットが形成される(図4(f))。このように、金板1,金板2,金板3,金板4における金属の添加量や、レーザーの照射強度(金板と母合金とを溶融・混合させる程度)等を適宜調整することによって、イエロー,マゼンダ,シアン,グリーンのそれぞれの色を呈するドットを母合金10の表層に形成することができる。
なお、本実施形態では、ドットが呈する色として、イエロー,マゼンダ,シアン,グリーンの四色を採用したが、本発明はこれに限られず、例えばイエロー,マゼンダ,シアン,ブラックの四色であってもよいし、イエロー,マゼンダ,シアン,ブラック,淡イエロー,淡マゼンダ,淡シアン,淡ブラックの八色であってもよいし、何色であってもよい。色数を増やせば増やすほど、母合金10に色相豊かなカラー画像を形成することができる。また、Auに割金としてニッケルを添加した金板を母合金10に圧接すればピンクを再現することもできるし、Auに割金としてパラジウムを添加した金板を母合金10に圧接すればホワイトを再現することもできるし、その他、ブラウンやベージュなど、様々な色を再現することができる。
また、本発明は、必ず4枚の金板を用いなければならない、というものではない。すなわち、1枚の金板で複数の色を再現可能であれば、4枚より少ない金板を用いてもよいし、色彩をより明確にしようとすれば、4枚より多い金板を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、金板1を用いた場合、全てイエローを呈するドットが形成されることとしたが、特に、全てイエローである必要はない。例えば、ドット毎にレーザーの照射強度を変えることで、金板1だけを用いた場合であっても、様々な色を再現することができ、その結果、カラーバリエーションを増加することができる。すなわち、圧接する金板の厚さ等に基づいて、ドット毎にパワーの異なるレーザーを照射することで、濃いイエローや薄いイエローなど、色の濃淡を再現することができ、その結果、カラーバリエーションを増加することができる。
[カラー画像の形成]
図5は、カラー画像が複数のピクセルの集合よりなっていることを説明するための説明図である。また、図6は、本発明の実施の形態に係る装飾方法により、図5に示すカラー画像が金属に形成されている様子を説明するための説明図である。
図5は、カラー画像が複数のピクセルの集合よりなっていることを説明するための説明図である。また、図6は、本発明の実施の形態に係る装飾方法により、図5に示すカラー画像が金属に形成されている様子を説明するための説明図である。
一般的に、カラー画像は複数のピクセルの集合よりなっている。すなわち、母合金10に、図5(a)に示すカラー画像を形成しようとした場合において、このカラー画像の一部を拡大すれば、複数のピクセルの集合よりなっていることが分かる(図5(b)参照)。
一方で、上述した[合金化工程及び取替工程]を経て金属に形成されたカラー画像(図6(a))の一部を拡大し(図6(b))、更に各ピクセルを拡大すれば(図6(c))、ピクセルの一部又は全部に対応する微小領域に、レーザーによるドットが形成されていることが分かる。図6(c)において、上段のピクセルは、イエローのドット(中心がピクセル中央より少し右下),マゼンダのドット(中心がピクセル中央より少し左下),シアンのドット(中心がピクセル中央より少し上)から構成されており、中段のピクセルは、マゼンダのドット(中心がピクセル中央より少し左下),イエローのドット(中心がピクセル中央より少し右下)のドットから構成されており、下段のピクセルは、イエローのドット(中心がピクセル中央より少し右下)から構成されている。
ここで、レーザービームのスポット径を極めて小さくすると、人間の目には、上段のピクセルはイエロー,マゼンダ,及びシアンが混ざり合ってできる中間色を呈しているように映り、中段のピクセルはマゼンダ及びイエローが混ざり合ってできる中間色を呈しているように映り、下段のピクセルはイエローを呈しているように映る。そうすると、レーザーの照射強度を適宜調整し、イエロー,マゼンダ,及びシアンの濃さを変えることで、様々な色を再現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、被装飾体(母合金10)に金属(金板1〜金板3或いは金板1〜金板4)を配設し、その金属の表面に設定された所定の微小領域にレーザーを照射して、被装飾体の表層を合金化した後、他の金属に取り替えて、再び他の微小領域にレーザーを照射する、といった工程を繰り返すことで、母合金10の表層に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することができる。
[変形例]
図7は、本発明の実施の形態に係る装飾方法の変形例を説明するための説明図である。より具体的には、図6は、本発明の実施の形態に係る装飾方法の変形例により、金属に形成されたカラー画像の一部を拡大した図である。
図7は、本発明の実施の形態に係る装飾方法の変形例を説明するための説明図である。より具体的には、図6は、本発明の実施の形態に係る装飾方法の変形例により、金属に形成されたカラー画像の一部を拡大した図である。
図7において、カラー画像を構成する複数のピクセルは、それぞれ4分割の領域に分割されている(1点鎖線で囲まれた部分が1ピクセルであって、点線で囲まれた部分が4分割された領域である)。そして、左上の領域はシアンを呈するドットが形成される領域で、右上の領域はマゼンダを呈するドットが形成される領域で、右下の領域はイエローを呈するドットが形成される領域で、左下の領域はブラックを呈するドットが形成される領域となっている。
このように、ブラックを呈するドットが形成される領域を設けることで、黒色のピクセルを的確に表すことができ、その結果、被装飾体の表層に色相豊かで綺麗なカラー画像を形成することができる。
本発明に係る装飾方法は、被装飾体に、色相豊かで綺麗なカラー画像を形成しうるものとして有用である。
1,2,3,4 金板
10 母合金
20 レーザー発振器
10 母合金
20 レーザー発振器
Claims (6)
- 被装飾体に複数のピクセルの集合よりなるカラー画像を形成して、当該被装飾体を装飾する装飾方法であって、
前記被装飾体の表面に配設された金属の表面に、前記複数のピクセルのうちの予め定められたピクセルの一部又は全部に対応する微小領域を設定し、
複数の前記微小領域にレーザーを照射して、前記被装飾体の表層を合金化する合金化工程と、
前記金属を他の金属に取り替える取替工程と、
前記合金化工程と前記取替工程を所定回数繰り返すことで、前記被装飾体にカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、
を含むことを特徴とする装飾方法。 - 前記装飾方法は、さらに、前記被装飾体の表面に金を配設する金配設工程を含むことを特徴とする請求項1記載の装飾方法。
- 前記ピクセルは、シアン,マゼンダ,イエロー,又はグリーンを呈する少なくとも一個の前記微小領域から形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の装飾方法。
- 前記合金化工程は、複数の前記微小領域に、所定条件に基づきパワーの異なるレーザーを照射することを特徴とする請求項1から3のいずれかの記載の装飾方法。
- 前記合金化工程は、ブラックを呈する複数の前記微小領域にレーザーを照射して、前記被装飾体の表層を合金化することを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の装飾方法。
- 請求項1から5のいずれか記載の装飾方法によって装飾された被装飾体。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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