JP2006095378A - 金属酸化物の触媒活性向上剤及び触媒活性向上方法、並びに排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物低減方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン化有機化合物を触媒分解する金属酸化物の触媒活性を容易かつ効果的に向上させる。排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物を、金属酸化物粉末の付着や摩耗、腐食による設備の損傷を引き起こすことなく効率的に分解する。
【解決手段】アルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を含む金属酸化物の触媒活性向上剤。金属酸化物にアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を混合する金属酸化物の触媒活性向上方法。金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩とを焼却炉煙道に噴霧し、金属酸化物及びアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩をバグフィルタ濾布に堆積させることにより、排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物を低減する方法。
【選択図】図1
【解決手段】アルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を含む金属酸化物の触媒活性向上剤。金属酸化物にアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を混合する金属酸化物の触媒活性向上方法。金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩とを焼却炉煙道に噴霧し、金属酸化物及びアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩をバグフィルタ濾布に堆積させることにより、排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物を低減する方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハロゲン化有機化合物を触媒分解する金属酸化物の触媒活性を向上させるための触媒活性向上剤及び触媒活性向上方法と、この触媒活性向上剤と金属酸化物とを用いて排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物量を低減する方法に関する。
焼却炉から発生するダイオキシン類等のハロゲン化有機化合物の低減方法として、従来、貴金属酸化物の触媒を充填した反応塔に排ガスを通気する方法が知られているが、このような触媒反応塔を用いることなく、低コストで簡易な低減方法が求められており、安価な金属酸化物触媒粉末を焼却炉の煙道に吹き込んでハロゲン化有機化合物を酸化分解する技術が提案されている。
例えば、特開2000−202240号公報や特開2002−364829号公報には、安価な二酸化マンガン粉末を焼却炉の煙道に吹き込んでダイオキシン類を酸化分解する方法が提案されている。また、特開2001−79352号公報には、安価な酸化鉄や含水酸化鉄粉末を焼却炉の煙道に吹き込んでダイオキシン類を酸化分解する方法が提案されている。
また、特開2003−117345号公報には、金属酸化物とアルカリ剤を含む脱塩用組成物を用いる排ガス処理方法が提案されている。
特開2000−202240号公報
特開2002−364829号公報
特開2001−79352号公報
特開2003−117345号公報
上記特開2000−202240号公報、特開2002−364829号公報、特開2001−79352号公報に提案されている、金属酸化物触媒粉末を焼却炉煙道に吹き込んでダイオキシン類を酸化分解する方法は、安価で簡易な方法であるが、触媒粉末がその触媒活性を十分に発揮し得る吹き込み位置を選択することが非常に難しいという欠点がある。即ち、金属酸化物触媒粉末の触媒活性は高温である程高くなり、従って、ダイオキシン類等のハロゲン化有機化合物の分解反応は高温度であるほど進行しやすいことから、金属酸化物の触媒活性が最も期待できる添加場所は、焼却炉煙道排ガスの300〜800℃となる温度域、具体的には焼却炉直後のガス冷却室や廃熱ボイラの出口付近、熱交換器入口等であると考えられる。しかしながら、これらの箇所での金属酸化物の吹き込みは、吹き込んだ金属酸化物粉末の熱交換器等の煙道内壁への付着や摩耗、更には腐食による設備の損傷が懸念される。
これに対して、金属酸化物触媒粉末を通常排ガス温度が200℃以下となるバグフィルタ等の集塵器手前で吹き込んだ場合には、このような懸念が解消され、容易に取り扱うことが可能であるが、この位置は低温度であるため、十分な触媒活性が得られず、満足し得る分解率が得られないという問題がある。
また、特開2003−117345号公報には、金属酸化物とアルカリ剤、好ましくは水酸化カルシウムを含む脱塩用組成物を用いる排ガス処理方法が提案されているが、この方法はこの脱塩用組成物を排ガスに添加し、飛灰と共に回収した後、これを加熱して飛灰中のハロゲン化芳香族化合物を分解するものであるため、別途300℃以上の加熱装置を必要とする。即ち、この公報には焼却炉煙道内でハロゲン化芳香族化合物を低減する方法は示されておらず、金属酸化物と脱塩用アルカリ剤を混合することは、二剤の吹き込み操作を一剤に簡単化すること以外は特に意味は無い。また、アルカリ剤は脱塩、脱硫のために用いられており、アルカリ剤が金属酸化物の触媒活性に寄与するとの認識はない。
本発明は、ハロゲン化有機化合物を触媒分解する金属酸化物の触媒活性を容易かつ効果的に向上させるための触媒活性向上剤及び触媒活性向上方法と、この触媒活性向上剤と金属酸化物とを用いて排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物量を効率的に低減する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、金属酸化物触媒にアルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩又は炭酸水素塩を併用することによって、触媒活性を高め、集塵器手前のような低温度域での反応性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明(請求項1)の金属酸化物の触媒活性向上剤は、ハロゲン化有機化合物を触媒分解する金属酸化物の触媒活性を向上させるための薬剤であって、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、及びアルカリ土類金属の炭酸水素塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする。
請求項2の金属酸化物の触媒活性向上剤は、請求項1において、炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムを含むことを特徴とする。
請求項3の金属酸化物の触媒活性向上剤は、請求項1又は2において、金属酸化物が酸化マンガン及び/又は酸化鉄であることを特徴とする。
本発明(請求項4)の金属酸化物の触媒活性向上方法は、ハロゲン化有機化合物を触媒分解する金属酸化物の触媒活性を向上させる方法であって、該金属酸化物にアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、及びアルカリ土類金属の炭酸水素塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を混合することを特徴とする。
請求項5の金属酸化物の触媒活性向上方法は、請求項4において、金属酸化物に炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムを混合することを特徴とする。
請求項6の金属酸化物の触媒活性向上方法は、請求項4又は5において、金属酸化物が酸化マンガン及び/又は酸化鉄であることを特徴とする。
本発明(請求項7)の焼却炉排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物低減方法は、排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物量を低減する方法において、金属酸化物と、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金属酸化物の触媒活性向上剤とを焼却炉煙道に噴霧し、該金属酸化物及び触媒活性向上剤をバグフィルタ濾布に堆積させることを特徴とする。
なお、以下において、アルカリ金属とアルカリ土類金属を「アルカリ(土類)金属」と称し、炭酸塩と炭酸水素塩を「炭酸(水素)塩」と称す場合がある。
本発明の金属酸化物の触媒活性向上剤及び触媒活性向上方法によれば、ハロゲン化有機化合物を触媒分解する金属酸化物の触媒活性を容易かつ効果的に向上させることができる。また、本発明の排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物低減方法によれば、このような本発明の触媒活性向上剤と金属酸化物とを用いて排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物量を煩雑な操作や特別な装置を用いることなく、また、金属酸化物粉末の付着や摩耗、腐食による設備の損傷を引き起こすことなく効率的に低減することができる。
本発明によれば、金属酸化物を集塵器手前のような低温度域に添加した場合においても、アルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を併用することにより、低温度域における触媒活性の低下を補って、高い分解効率を得ることができる。このため、金属酸化物及びアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を集塵器手前に吹き込んで、金属酸化物粉末の付着や摩耗、腐食による設備の損傷といった不具合を引き起こすことなく、効率的な処理を行える。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明において、ハロゲン化有機化合物の分解触媒として用いられる金属酸化物としては特に制限は無く、例えばTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、W等の各種酸化物が挙げられる。これらの金属酸化物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。特に低コストで高い効果が得られ、安全性にも優れることから、Mnの酸化物であるMnO2や、Feの酸化物であるFe2O3やFeOOH等が好適である。
また、本発明に用いられるアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩には特に制限は無く、Na、K、Mg、Caの炭酸塩や炭酸水素塩が挙げられる。これらのアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。中でも価格や取り扱い易さ、効果の面から炭酸水素ナトリウムが好適である。
本発明の金属酸化物の触媒活性向上剤及び触媒活性向上方法において、金属酸化物に対するアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩の使用量は、少な過ぎるとアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を併用することによる触媒活性の向上効果を十分に得ることができず、あまりに多過ぎると金属酸化物とハロゲン化有機化合物が接触しなくなるため、分解効率が低下する。従って、金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩との割合は、用いる金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩の種類や、目的とする触媒活性の向上度合等によっても異なるが、通常の場合、金属酸化物100重量部に対してアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を50〜1000重量部、特に100〜500重量部となるように用いることが好ましい。
本発明の金属酸化物の触媒活性向上剤は、予めアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩と金属酸化物とが混合された状態で提供されても良く、また、アルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩は金属酸化物とは別に提供されても良い。
なお、金属酸化物及びアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩の形態については特に制限はないが、粉末の状態で本発明の排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物低減方法に従って、集塵器手前に吹き込む場合、各々の粒度(平均粒径)は、排ガスへの分散性と集塵器での集塵効率、及び吹き込み装置での取り扱い易さ(流動性)等を考慮すると、1〜100μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に従って、アルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を金属酸化物と併用して排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物の分解処理を行う場合、金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩の粉末をガス流中に吹き込んでも良いし、両成分を担持成型された固定層にガスを流しても良いが、前者の方が設備のイニシャルコストがかからず、容易かつ安価に実施できるので有利である。
特に、本発明の排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物低減方法に従って、金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩とを集塵器手前、特にバグフィルター手前で吹き込むことは、吹き込まれた触媒粉末が煤塵と共にバグフィルターの一次付着層に堆積し、触媒固定層として働くため、薬剤をガス中に分散させるときよりも排ガスとの接触効率が高くなる効果がある。
金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩とを吹き込む場所は集塵器の手前であれば特に制限はなく、金属酸化物の自己分解(例えば、二酸化マンガンでは分解温度550℃)を避けることができる温度であれば、ガス冷却室や空気予熱器といった比較的排ガス温度の高い上流側で添加した方が分解活性の高い状態で排ガスと接触でき、排ガスと薬剤の混合ガスが集塵器に到達するまでの滞留時間の間にも分解反応が進行するため都合が良い。しかしながら、前述の通りガス冷却室や空気予熱器への薬剤の堆積や悪影響が懸念される場合には、図3に示すようにバグフィルターの直前で吹き込むことができる。
金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩とを粉末で排ガス中に吹き込む場合は、金属酸化物とアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩をそれぞれ別々に吹き込んでも良いし、これらを予め混合して吹き込んでも良い。
排ガスに対する各薬剤の吹き込み量は、金属酸化物は50mg/Nm3以上、例えば50〜2000mg/Nm3で、特に200mg/Nm3程度であることが好ましく、アルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩は100mg/Nm3以上、例えば100〜2000mg/Nm3で、特に400mg/Nm3程度であることが好ましいが、排ガス中の有機物や酸性成分等の量、及び排ガス煙道の構造等に起因する排ガスとの接触効率が焼却炉によって異なるため、事前の確認がテストにより十分な分解効果が得られる量とすることが重要である。薬剤の添加量は多いほど高い効果が期待できるが、集塵器への煤塵の負荷を考慮すると、合計の添加量で2〜3g/Nm3以下にするのが好ましい。
なお、薬剤を吹き込む方法には特に制限はなく、通常一般的に焼却炉の排ガス処理に用いられている粉末消石灰や粉末活性炭の吹き込み装置と同様のものを用いて、同様に実施することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
粒径0.5μmのガラスビーズに、γ型を主とする電解二酸化マンガン(MnO2,平均粒径40μm)を重量比10%、及び炭酸水素ナトリウム(平均粒径10μm)を重量比10%で混合したもの0.75gを、直径2.5cmの石英カラムに充填した。このカラムを180℃に加熱しながら、ジクロロベンゼンの希釈ガス(ジクロロベンゼン濃度100ppm)を流し、カラム出口のジクロロベンゼン濃度を測定して通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、20分後に約20%の分解率で安定した。
粒径0.5μmのガラスビーズに、γ型を主とする電解二酸化マンガン(MnO2,平均粒径40μm)を重量比10%、及び炭酸水素ナトリウム(平均粒径10μm)を重量比10%で混合したもの0.75gを、直径2.5cmの石英カラムに充填した。このカラムを180℃に加熱しながら、ジクロロベンゼンの希釈ガス(ジクロロベンゼン濃度100ppm)を流し、カラム出口のジクロロベンゼン濃度を測定して通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、20分後に約20%の分解率で安定した。
実施例2
実施例1において、炭酸水素ナトリウムの代りに炭酸ナトリウム(平均粒径10μm)を用いたこと以外は同様にして、通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、実施例1と同様に20分後に約20%の分解率で安定した。
実施例1において、炭酸水素ナトリウムの代りに炭酸ナトリウム(平均粒径10μm)を用いたこと以外は同様にして、通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、実施例1と同様に20分後に約20%の分解率で安定した。
実施例3
実施例1において、炭酸水素ナトリウムの代りに炭酸カルシウム(平均粒径10μm)を用いたこと以外は同様にして、通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、20分後までは実施例1及び2と同等であったが、その後徐々に分解率は低下した。
実施例1において、炭酸水素ナトリウムの代りに炭酸カルシウム(平均粒径10μm)を用いたこと以外は同様にして、通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、20分後までは実施例1及び2と同等であったが、その後徐々に分解率は低下した。
比較例1
実施例1において、粒径0.5μmのガラスビーズに、γ型を主とする電解二酸化マンガン(平均粒径40μm)のみを重量比10%で混合したもの0.75gを石英カラムに充填したこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、20分後には分解率10%以下で、30分後にはほぼゼロの分解率となった。
実施例1において、粒径0.5μmのガラスビーズに、γ型を主とする電解二酸化マンガン(平均粒径40μm)のみを重量比10%で混合したもの0.75gを石英カラムに充填したこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、20分後には分解率10%以下で、30分後にはほぼゼロの分解率となった。
比較例2
実施例1において、炭酸水素ナトリウムの代りに水酸化カルシウムを用いたこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、比較例1と同様に、20分後には分解率10%以下、30分後にはほぼゼロの分解率となった。
実施例1において、炭酸水素ナトリウムの代りに水酸化カルシウムを用いたこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、比較例1と同様に、20分後には分解率10%以下、30分後にはほぼゼロの分解率となった。
比較例3
実施例1において、粒径0.5μmのガラスビーズに、炭酸水素ナトリウム(平均粒径10μm)のみを重量比10%で混合したもの0.75gを石英カラムに充填したこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、全く分解しなかった。
実施例1において、粒径0.5μmのガラスビーズに、炭酸水素ナトリウム(平均粒径10μm)のみを重量比10%で混合したもの0.75gを石英カラムに充填したこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図1に示す如く、全く分解しなかった。
実施例1〜3及び比較例1〜3の結果から明らかなように、二酸化マンガンにアルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩を併用すると二酸化マンガンのジクロロベンゼン分解活性が向上する(即ち活性がより持続する)。アルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩によるこの触媒活性向上効果の作用機構の詳細は明らかではないが、水酸化カルシウムでは同様の効果は得られないことから、ジクロロベンゼンが分解して発生する腐食性ガス(塩化水素)を中和して、単に触媒の劣化を防いでいるというわけではないことが推定される。
実施例4
実施例1において、二酸化マンガンの代りに、酸化第二鉄(Fe2O3,平均粒径1μm)を用いたこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図2に示す如く、10分後に約20%の分解率であったが、徐々に低下した。
実施例1において、二酸化マンガンの代りに、酸化第二鉄(Fe2O3,平均粒径1μm)を用いたこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図2に示す如く、10分後に約20%の分解率であったが、徐々に低下した。
比較例4
実施例1において、粒径0.5μmのガラスビーズに、酸化第二鉄を重量比10%で混合したもの0.75gを石英カラムに充填したこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図2に示す如く、10分後には分解率がゼロになった。
実施例1において、粒径0.5μmのガラスビーズに、酸化第二鉄を重量比10%で混合したもの0.75gを石英カラムに充填したこと以外は同様にして通ガス時間とジクロロベンゼン分解率との関係を調べたところ、図2に示す如く、10分後には分解率がゼロになった。
実施例4及び比較例4より、金属酸化物として酸化第二鉄を用いた場合は、二酸化マンガンを用いた場合より劣るものの、アルカリ(土類)金属の炭酸(水素)塩により同様の触媒活性向上効果が得られ、従って、本発明による効果は、金属酸化物触媒全般に通用することが予測される。
Claims (7)
- ハロゲン化有機化合物を触媒分解する金属酸化物の触媒活性を向上させるための薬剤であって、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、及びアルカリ土類金属の炭酸水素塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする金属酸化物の触媒活性向上剤。
- 請求項1において、炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムを含むことを特徴とする金属酸化物の触媒活性向上剤。
- 請求項1又は2において、金属酸化物が酸化マンガン及び/又は酸化鉄であることを特徴とする金属酸化物の触媒活性向上剤。
- ハロゲン化有機化合物を触媒分解する金属酸化物の触媒活性を向上させる方法であって、該金属酸化物にアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、及びアルカリ土類金属の炭酸水素塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を混合することを特徴とする金属酸化物の触媒活性向上方法。
- 請求項4において、金属酸化物に炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムを混合することを特徴とする金属酸化物の触媒活性向上方法。
- 請求項4又は5において、金属酸化物が酸化マンガン及び/又は酸化鉄であることを特徴とする金属酸化物の触媒活性向上方法。
- 焼却炉排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物量を低減する方法において、金属酸化物と、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金属酸化物の触媒活性向上剤とを焼却炉煙道に噴霧し、該金属酸化物及び触媒活性向上剤をバグフィルタ濾布に堆積させることを特徴とする排ガス及び飛灰中のハロゲン化有機化合物低減方法。
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