JP2006094766A - コンバイン - Google Patents

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Junji Doihara
純二 土居原
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】コンバインの脱穀装置のフィードチェンを前フィードチェンと後フィードチェンに分割したものにおいて、刈取装置から後フィードチェンに至るまで、穀稈を安定して搬送させる。
【解決手段】扱室33内に扱胴31を軸架して設け、前記扱室33の下方に揺動選別棚38を設け、該揺動選別棚38の下方には選別風送り方向上手側から唐箕43、一番ラセン46、二番ラセン47を設けた脱穀装置9を有するコンバインにおいて、刈取装置3で刈り取られて搬送されてきた穀稈をフィードチェン15で搬送しながら脱穀するにあたり、該フィードチェン15を前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとに分割して構成し、前記刈取装置3と前フィードチェン15aとはコンバインの車速に同調して変速駆動し、前記後フィードチェン15bは一定速度で駆動するように構成したことを特徴とするコンバインの構成とする。
【選択図】図6

Description

この発明は、農業機械であるコンバインに関する。
扱室内に扱胴を軸架して設け、前記扱室の下方に揺動選別棚を設け、該揺動選別棚の下方には選別風送り方向上手側から唐箕、一番ラセン、二番ラセンを設けた脱穀装置を有するコンバインにおいて、刈取装置で刈り取られて搬送されてきた穀稈をフィードチェンで搬送しながら脱穀するにあたり、該フィードチェンを前フィードチェンと後フィードチェンとに分割して構成し、前記前フィードチェンはコンバインの車速に同調して変速駆動し、前記後フィードチェンは一定速度で駆動するように構成したコンバインの技術がある。(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−103657号公報
前述のような技術では、刈取装置と前フィードチェンが同時に車速同調しないので、刈取装置から前フィードチェンへの穀稈の引継ぎが安定して実行できないという欠点がある。
本発明の課題は、前述のような不具合を解消するコンバインを提供することである。
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
即ち、請求項1記載の発明では、扱室33内に扱胴31を軸架して設け、前記扱室33の下方に揺動選別棚38を設け、該揺動選別棚38の下方には選別風送り方向上手側から唐箕43、一番ラセン46、二番ラセン47を設けた脱穀装置9を有するコンバインにおいて、刈取装置3で刈り取られて搬送されてきた穀稈をフィードチェン15で搬送しながら脱穀するにあたり、該フィードチェン15を前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとに分割して構成し、前記刈取装置3と前フィードチェン15aとはコンバインの車速に同調して変速駆動し、前記後フィードチェン15bは一定速度で駆動するように構成したことを特徴とするコンバインとしたものである。
請求項1の作用は、刈取装置3で刈り取られて搬送されてきた穀稈は、前フィードチェン15aへ引継ぎ搬送される。その後、穀稈は後フィードチェン15bに引継ぎ搬送される。そして、前フィードチェン15aと後フィードチェン15bで搬送される穀稈は扱室33内の扱胴31で脱穀され、脱穀された被処理物は揺動選別棚38上に落下する。揺動選別棚38上に落下しなかった被処理物は扱室33の終端部まで搬送されて揺動選別棚38上に落下する。
揺動選別棚38の揺動作用と唐箕43からの選別風により選別された穀粒は、一番ラセン46から回収されていく。この一番ラセン46の後方の二番ラセン47に回収された二番物は、再び再処理される。
刈取装置3の駆動速度と前フィードチェン15aの駆動速度は、コンバインの車速に同調して変速される。後フィードチェン15bは一定速度で駆動される。
請求項2記載の発明では、前記前フィードチェン15aの終端部の一部と後フィードチェン15bの始端部の一部とが重なり合うように構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバインとしたものである。
請求項2の作用は、請求項1の作用に加え、前フィードチェン15aの終端部の一部と後フィードチェン15bの始端部の一部とは重なり合って駆動される。
請求項3記載の発明では、前記前フィードチェン15aの終端部と後フィードチェン15bの始端部との間には巻き付き防止板52を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバインとしたものである。
請求項3の作用は、請求項1または請求項2の作用に加え、前フィードチェン15aの終端部と後フィードチェン15bの始端部との間においては、巻き付き防止板52によって藁の巻き付きが抑制される。
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1記載の効果は、コンバインの車速が変化しても刈取装置3にて刈り取られた穀稈は刈取装置3から前フィードチェン15aへと安定した姿勢で引継ぎ搬送されていく。従って、稈こぼれ等が防止できるようになる。また、穀稈の姿勢が安定することで、扱ぎ残しが防止できると共に藁屑の発生も防止できるようになる。
請求項2記載の発明においては、請求項1の効果に加え、前フィードチェン15aから後フィードチェン15bへの穀稈の引継ぎがスムーズに実行できるようになり、稈こぼれ等の不具合を防止できるようになる。
請求項3記載の発明においては、請求項1または請求項2の効果に加え、前フィードチェン15aの終端部と後フィードチェン15bの始端部との間においては、巻き付き防止板52によって稈の巻き付きが防止される。
図1及び図2には、本発明を具現化した農業機械であるコンバインが示されている。
走行装置1を有する車台2の前方には、刈取装置3が設けられている。この刈取装置3には、植立穀稈を分草する複数の分草具4と、植立穀稈を引き起こす複数の引起装置5と、植立穀稈を刈り取る刈刃6と、該刈刃6にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する搬送装置7が設けられている。この搬送装置7は刈刃6後方の株元搬送装置8と該株元搬送装置8から搬送されてくる穀稈を引き継いで脱穀装置9に供給する供給搬送装置10とから構成されている。
前記刈取装置3は、車台2の前部に立設する懸架台11の上方に設ける回転軸11aを支点にして上下動する刈取装置支持フレーム12にて、その略左右中間部で支持されている。そして、刈取装置3は操作部13に設ける操向レバー14を前後方向に傾動させることによって刈取装置支持フレーム12と共に上下動する構成である。
車台2の上方には、前記供給搬送装置10から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェン15を有する脱穀装置9と、該脱穀装置9の右側方であって、この脱穀装置9で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク16と、該グレンタンク16の前方に位置していてコンバインの各種操作を実行する操作部13が載置されている。また、車台2の前部には走行装置1を駆動する走行伝動装置17が設けられている。
脱穀装置9の後方には、前記フィードチェン15から搬送されてくる排稈を引き継いで搬送する排稈チェン18と、該排稈チェン18の終端部下方には排稈を切断するカッター装置19が設けられている。また、この実施例のカッター装置19の後方には、排稈を結束するノッター等の他の作業機を装着してもよい。
前記グレンタンク16内の穀粒量が満杯となると、揚穀筒20と穀粒排出オーガ21から穀粒を機外へと排出する。揚穀筒20は電気モータ(図示せず)にて旋回可能に構成され、また、穀粒排出オーガ21は油圧シリンダ22にて昇降可能に構成されている。そして、穀粒排出オーガ21は揚穀筒20の上部に連結されて一体的に構成され、揚穀筒20が旋回すると、穀粒排出オーガ21も一緒に旋回する構成となっている。
また、コンバインは操作部13に設ける副変速レバー23を操作して走行伝動装置17内の副変速の位置を決定し、その後、走行変速レバー24を操作してエンジン(図示せず)からの動力を油圧無段変速装置及び走行伝動装置17を介して走行装置1の左右のクローラ26、26に伝動して任意の速度で走行する構成である。このように、前記走行変速レバー24の操作量によって速度が変速されるとともに、走行変速レバー24の前方向と後方向の操作によってコンバインが前後進する構成である。
また、コンバインは操作部13に設ける前記操向レバー14を左右方向に傾倒操作することによって左右方向に旋回する構成であり、さらに、操向レバー14の左右方向への傾倒操作量によって旋回半径が決定される構成である。
このようなコンバインを前進させて刈取作業をすると、圃場面に植立している穀稈は、分草具4にて分草され、その後、引起装置5にて引き起こされて刈刃6にて刈り取られる構成である。その後、刈り取られた穀稈は株元搬送装置8にて後方へ搬送され、供給搬送装置10へと引き継ぎ搬送される。この供給搬送装置10に引き継がれた穀稈は、さらに後方へと搬送されて、脱穀装置9のフィードチェン15へと引継ぎ搬送され、穀稈はフィードチェン15で後方へ搬送されながら脱穀装置9にて脱穀選別される構成である。15cはフィードチェン15の上側に設けられる挾持杆であり、この挾持杆15cで穀稈を押さえてフィードチェン15で穀稈を搬送する構成である。
このように脱穀選別された穀粒は、一番揚穀筒27からグレンタンク16内へと搬送されて一時貯留され、このグレンタンク16内に貯留される穀粒量が満杯になると、操作部13の報知手段(ブザーや表示装置)でオペレータに報知される構成である。その後、刈取作業を中断して、グレンタンク16内の穀粒を機外へと排出する作業を開始する。コンバインを任意の位置(トラック近傍位置)へと移動させ、穀粒排出オーガ21をオーガ受け28から離脱させて穀粒排出口21aをトラックの荷台等の位置へ移動させる。そして、操作部13に設けている穀粒排出レバー29を入り状態として、グレンタンク16内の穀粒を機外へと排出し、グレンタンク16内の穀粒排出が終了すると、穀粒排出オーガ21は再びオーガ受け28へと収納されていく構成である。
前記脱穀装置9について、図3〜図5に基づいて説明する。
図3は脱穀装置9の側面図、図4は脱穀装置9の平面図、図5は図4に示すA−A断面図である。
脱穀装置9内には、扱網30を有する扱胴31を扱胴軸32で軸架した扱室33と、該扱室33の一側には、扱室33の後部からの処理物を受け入れて処理する排塵処理網34を有する排塵処理胴35を排塵処理胴軸36で軸架した排塵処理室37が設けられている。そして、扱室33と排塵処理室37の下方には揺動選別棚38を設けている。
また、排塵処理胴35の前方には、二番処理胴39と二番処理胴受樋40(網や格子状のものでもよい。)からなる二番処理室41が構成されている。二番処理胴39は、本実施例では扱胴31の一側(グレンタンク16側)であって、排塵処理胴35の前方にこの排塵処理胴35と一体的に構成されている。この二番処理胴39は基本的には二番物を処理するものである。この二番処理胴39は二番処理胴軸42にて支持されている構成であるので、前記排塵処理胴35と二番処理胴39とは一体的に排塵処理胴軸36と二番処理胴軸42とで支持されている構成である。
さらに、図5の断面図に示すように、扱網30から漏れた被処理物は二番処理室41内に取り込まれる構成であるので、前記二番処理胴39は二番物の他に、扱室33内から入り込んできた被処理物も一緒に処理する構成となっている。前記扱網30と二番処理胴受樋40(網や格子状でもよい)と排塵処理網34は、それぞれ扱胴31と二番処理胴39と排塵処理胴35の下方に設けられている。
前記扱室33と二番処理室41と排塵処理室37の下方には、落下してくる被選別物を受けて選別する揺動選別棚38が設置されていて、該揺動選別棚38の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕43を設け、該唐箕43から送風される選別風の送り方向下手側には、風路44と風路45が設けられていて、この風路44と風路45の下手側に一番ラセン46を設け、該一番ラセン46の選別風送り方向下手側には二番ラセン47を設けている。この二番ラセン47にて収集された二番物を前記二番処理室41へ揚穀するための二番揚穀筒48が設けられている。
前記揺動選別棚38の構成について説明する。揺動選別棚38は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚49,脱穀物を選別するグレンシーブ38a(本実施例ではクリンプ網),二番物を選別するチャフシーブ38b,排塵物をほぐしてササリ粒を回収すると共に排塵物を機外に移送して放出するストローラック38cとから構成されている。該ストローラック38cの下方は、二番物を二番ラセン47内へ案内する二番棚先47aで構成されていて、この二番棚先47aの終端部近傍まで前記排塵処理胴35が延出している構成である。吸引ファン50aは、選別室50内の軽い塵埃を機外に排出するためのもので、扱胴31に対して排塵処理胴35の反対側に設けられている構成である。前記グレンシーブ38aは略一番ラセン46の上方に位置するものであり、チャフシーブ38bは略二番ラセン47の上方に位置するものである。
前記刈取装置3から搬送されてきた穀稈は、脱穀装置9のフィードチェン15の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン15に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら、扱胴31と扱網30により脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は揺動選別棚38上に落下して、該揺動選別棚38の揺動作用と唐箕43からの風選作用により選別され、一番ラセン46内へと取り込まれていき、該一番ラセン46に取り込まれた穀粒は、グレンタンク16内に一時貯溜される構成である。脱穀後の排稈はフィードチェン15の終端部から、排稈チェン18の始端部に引き継がれて搬送されていき、その後、カッター19に送られて切断され下方の圃場上に放出されていく構成となっている。
扱室31の残りの脱穀物は、後方へと搬送されていくが、その途中において一部の脱穀物は二番処理室41内に取り込まれていく。該二番処理室41内に取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向上手側に搬送されながら、二番処理胴39と二番処理胴受樋40との相互作用で脱穀(特に、枝梗粒が処理される)されて、下方の揺動選別棚38上に落下していく。扱胴31と二番処理胴39と排塵処理胴35は、共に選別風送り方向上手側から下手側を見た状況(脱穀装置9の正面視)において、時計回りで回転する構成である。
従って、二番処理胴39の処理歯39aの向きは、脱穀物を選別風送り方向の上手側方向に送るような向きに固着している。
即ち、該処理歯39aには被処理物を選別風送り方向上手側に搬送する作用があり、さらに、被処理物を処理する作用も併せ持っている。即ち、処理歯39aは螺旋の一部であり、また、その円周方向の先端部と二番処理胴受樋40との間の相互作用にて被処理物を処理する構成となっている。二番処理胴39の搬送終端部に設けられている羽根39bは、被処理物を揺動選別棚38上に強制的に送り出すものである。
前記排塵処理胴35の始端部の排塵処理歯35aは、扱室33の後部からの脱穀物を選別風送り方向の下手側方向に送るような向きに固着しておく必要がある。本実施例では、該排塵処理歯35aは、排塵処理胴35の外周面に巻回いされているラセン形状となっている。
本実施例では、排塵処理網34の目合いが荒い(格子状)ので、一部の短い藁屑は揺動選別棚38上に落下し、落下しなかった長い藁屑は排塵処理室37の終端部まで搬送されて、排塵処理胴35の終端部の羽根35bにてストローラック38c上に強制的に排出される。そして、このように被処理物が排塵処理室37内にて搬送される間に、排塵処理胴35とこの排塵処理胴35の設けられている処理歯35cと排塵処理網34との相互作用で、さらに脱穀されるとともに、脱穀物はほぐされて中に混在している穀粒(いわゆるササリ粒)が取り出されて下方の揺動選別棚38上に落下し、さらに二番ラセン47内へと回収されていく構成である。
前述のように、扱室33内の脱穀物で、揺動選別棚38上に落下せず、二番処理室41内にも取り込まれなかった残りの脱穀物は、扱室33の終端部まで搬送される。この扱室33の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、排塵処理室37内に取り込まれ、取り込まれた脱穀物は選別風送り方向下手側に搬送されていく。
また、扱室33の終端部まで搬送されてきた脱穀物のうち、排塵処理室37内に取り込まれなかった脱穀物は、下方の揺動選別棚38上に落下していく構成である。
扱室33内の終端部から排塵処理室37内に脱穀物を送る際において、脱穀物が詰まらないように、扱室33から排塵処理室37への引継ぎ部分において、排塵処理胴35の外周にラセン形状の排塵処理歯35aを設けられているので、排塵処理歯35aの送り作用で引継ぎ部に脱穀物が詰まらないように構成されている。
このような、揺動選別棚38の揺動作用と唐箕43からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン46内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン47内へと取り込まれていく。該二番ラセン47内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒48にて前記二番処理室41の選別風送り方向下手側に還元されて、扱室33からの脱穀物と合流し、その後、選別風送り方向の上手側に搬送されながら、二番処理胴受樋40との相互作用で脱穀処理されながら搬送され、終端部の羽根39bにより下方の揺動選別棚38上に強制的に落下していく構成である。
前記フィードチェン15について説明する。
フィードチェン15を前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとから構成する。そして、コンバインの車速と前フィードチェン15aと後フィードチェン15bの速度関係を図6に示している。ラインBは刈取装置3の駆動速度と前フィードチェン15aの駆動速度で、ラインCは後フィードチェン15bの駆動速度である。ラインBは車速が停止状態の時は所定速度Dで駆動され、車速が低速Eになると車速とシンクロして駆動速度が上昇していく構成である。
また、ラインCは高速の一定速度Fで駆動する構成としている。しかしながら、車速が高速のGになると、前記ラインBの方が速い速度で駆動される構成である。これにより、刈取装置3から脱穀装置9の前フィードチェン15aへの穀稈の引継ぎ姿勢が常時安定するようになる。さらに、初期脱粒時の穂切れの発生を抑えられるので、1番選別が向上し、3番ロスが低減するようになる。
また、後フィードチェン15bの駆動速度は速いので、藁を傷めることを少なくすることができるようになる。さらに、搬送される藁の層厚を薄くできるので、扱網30からの籾の漏下を促進できて、扱ぎ残しも防止することが可能となる。
次に、図7について説明する。
この図は前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとの引継ぎ部分Hの拡大図である。この引継ぎ部分Hの所を境にして、扱網30を前扱網30aと後扱網30bとから構成する。そして、前扱網30aの目合いを密にし、後扱網30bの目合いを荒くするように構成する。これにより、扱胴31の始端部で多く脱粒された穀粒を効率良く一番へ取り込むことが可能となる。
さらに、前記前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとの引継ぎ部分Hに仕切り板51を設けることで、前フィードチェン15a部分の扱室33内の被処理物の流れに抵抗を掛けることができるようになるので、3番ロスの低減と枝梗粒発生を低減させることができるようになる。
この仕切り板51の前後において、前述のように扱網30を前扱網30aと後扱網30bとに分割構成して、目合いを変えるように構成してもよい。
前記前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとの引継ぎ部分Hにおいて、前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとを跨ぐように巻き付き防止板52を設けるように構成する。これにより、搬送される藁の巻き付きを防止できて穀稈を安定して引継ぎ搬送可能となる。
次に、図8について説明する。
前記前フィードチェン15aの終端部と後フィードチェン15bの始端部において、重なり部分Jを設けるように構成する。これにより、前フィードチェン15aから後フィードチェン15bへの引継ぎにおいて、稈こぼれを防止できるようになる。さらに、前フィードチェン15aのチェン突起K1に対して、後フィードチェン15bのチェン突起K2の長さを長くなるように構成する。これにより、後フィードチェン15bへの穀稈の引継ぎ性能がより向上するようになる。
次に、図9について説明する。
前記前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとの引継ぎ部分Hにおいて、前フィードチェン15aのスプロケット52の中心部近傍に挾持杆15cの分割部L1を配置し、さらに、後フィードチェン15bのスプロケット53の中心部近傍にも挾持杆15cの分割部L2を配置するように構成する。これにより、挾持杆15cの追従性が向上して引継ぎが安定して実行されるようになる。また、図10のように、前フィードチェン15aの終端部と後フィードチェン15bの始端部との中間部近傍に挾持杆15cの分割部L3を設けるように構成しても、同様の効果が得られ穀稈の搬送乱れが防止できるようになる。
次に、図11について説明する。
この図はグレンタンク16の下側部分を示している。グレンタンク16の下部には穀粒を機外へ排出する下部ラセン54が設けられているが、この下部ラセン54へ流れ込む穀粒を規制可能に構成する。具体的には、シャッター57,58で規制するが、このシャッター57,58はグレンタンクの側部に設けたレバー55を動かして、リンク機構56を介して図示の矢印のごとく動くように構成する。そして、穀粒排出オーガ21の穀粒排出口21aが長手方向に移動可能なものにおいては、穀粒を排出中において穀粒排出口21aを長手方向に移動させることがあるが、このような場合、穀粒排出オーガ21内の複数に分割したラセン(図示せず)間に穀粒が詰まることがある。特に、穀粒排出口21aを穀粒搬送方向の上手側に移動させる場合においては、前記複数に分割したラセン間の長さは短くなるので、この複数に分割したラセン間に存在する穀粒はつぶれてしまうことがある。
そこで、このような不具合を防止するために、穀粒排出口21aを長手方向に移動させる場合においては、前記シャッター57,58を作動させて穀粒が下部ラセン54内に流れ込まないように構成する。これにより、前述のような不具合を防止できるようになる。
また、前記下部ラセン54の駆動を停止させる場合において、先に前記シャッター57,58が閉じてから下部ラセン54の駆動を停止させるように構成する。この場合、機械的構成でもよいし電気的な構成でもよい。これにより、穀粒排出オーガ21内の穀粒を排出してから下部ラセン54が停止するので、前述のような不具合を防止できるようになる。
また、グレンタンク16内や穀粒排出オーガ21内に穀粒が残っている状態で、穀粒排出オーガ21をオーガ受け28に自動収納する場合においては、穀粒排出口21aを穀粒搬送方向上手側に移動させないようにする。これにより、前記複数に分割したラセン間の長さは短くならないので、穀粒がつぶれるような不具合を防止することができるようになる。
また、グレンタンク16内や穀粒排出オーガ21内に穀粒が残っている状態で、穀粒排出オーガ21をオーガ受け28に自動収納する場合においては、先ず前記シャッター57,58が閉じてから所定時間後(穀粒排出オーガ21内の穀粒が全て排出される時間)に下部ラセン54の駆動が停止し、その後、穀粒排出口221aを穀粒搬送方向上手側に移動させながら穀粒排出オーガ21をオーガ受け28内へと収納するように構成する。これにより、前述のように穀粒がつぶれるような不具合を防止できると共に、穀粒排出オーガ21もコンパクトに収納可能となる。
コンバインの左側面図 コンバインの正面図 脱穀装置の側断面図 脱穀装置の平面図 脱穀装置の一部の断面図 車速と刈取装置及びフィードチェンの速度関係図 脱穀装置の一部の側面図 脱穀装置の一部の側面図 脱穀装置の一部の側面図 脱穀装置の一部の側面図 グレンタンクの正面図
符号の説明
3 刈取装置
9 脱穀装置
15 フィードチェン
15a 前フィードチェン
15b 後フィードチェン
31 扱胴
33 扱室
38 揺動選別棚
43 唐箕
46 一番ラセン
47 二番ラセン
52 巻き付き防止板

Claims (3)

  1. 扱室33内に扱胴31を軸架して設け、前記扱室33の下方に揺動選別棚38を設け、該揺動選別棚38の下方には選別風送り方向上手側から唐箕43、一番ラセン46、二番ラセン47を設けた脱穀装置9を有するコンバインにおいて、刈取装置3で刈り取られて搬送されてきた穀稈をフィードチェン15で搬送しながら脱穀するにあたり、該フィードチェン15を前フィードチェン15aと後フィードチェン15bとに分割して構成し、前記刈取装置3と前フィードチェン15aとはコンバインの車速に同調して変速駆動し、前記後フィードチェン15bは一定速度で駆動するように構成したことを特徴とするコンバイン。
  2. 前記前フィードチェン15aの終端部の一部と後フィードチェン15bの始端部の一部とが重なり合うように構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記前フィードチェン15aの終端部と後フィードチェン15bの始端部との間には巻き付き防止板52を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014045675A (ja) * 2012-08-29 2014-03-17 Iseki & Co Ltd コンバイン

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