JP2006093870A - マルチモード受信機 - Google Patents

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博之 原田
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Abstract

【課題】 サンプリング周波数の高低に依存されないAD変換器を共用し、ダイナミックレンジが広く、低コスト化を実現すること。
【解決手段】 第一の無線信号受信手段1において、無線信号増幅部1cが、無線信号遮断部1bを通過した無線信号を適切な信号レベルまで増幅する。増幅された無線信号は帯域制限部1dにて帯域制限されて信号加算手段3へ出力される。一方、第二の無線信号受信手段2において、第二のアンテナ2aにより受信された無線信号は第二の無線信号遮断部2bによって遮断される。従って、無線信号増幅部2cが、入力信号に存在する雑音及び自己の回路雑音を増幅する。増幅された雑音信号は第二の帯域制限部2dにて帯域制限されて信号加算手段3へ出力される。無線信号と雑音信号は信号加算手段3で加算され、AD変換手段4によってデジタル信号に変換されて信号処理手段5でデジタル処理された後に復調信号が出力される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無線通信の分野において受信信号をデジタル処理するためのデジタル無線機として適用されるマルチモード受信機に関し、特に、複数の通信方式の信号を受信してデジタル変復調を行うマルチモード受信機に関する。
今日、無線通信の分野においてはデジタル変復調技術が必須の技術となっている。このような技術を用いたデジタル無線機においては、受信信号をAD(Analog/Digital)変換してデジタル信号処理を行うことが必要である。無線通信のうち、特に移動体無線通信においては、極めて微少振幅の信号から大振幅の信号まで、受信信号の振幅は環境などによって大きく変動する。また、希望する受信信号に加えて、妨害となる妨害信号が同時に入力される場合もある。通常、このような受信信号の振幅変動は、受信機の利得を可変制御することによりある程度は振幅変動を抑制することが可能である。しかしながら、利得可変による振幅変動抑制の対応にも限度があり、また、AD変換器に入力される受信信号においても、振幅の変動が現れる場合や、微少な所望の受信信号と同時に大振幅の妨害信号が入力される場合などがあり、利得可変によって振幅変動を抑制することは難しい。
また、AD変換器に入力される受信信号の振幅が小さくなった場合は、受信信号がAD変換に伴って発生する量子化雑音に埋もれてしまう可能性がある。さらに、AD変換器に入力される受信信号が大きくなってAD変換器の最大入力範囲を超えた場合は、AD変換後のデジタル信号に大きな歪みが発生することがある。このような何れの場合においても、受信機の特性を劣化させる要因となる。したがって、より安定した受信特性を得るためには、デジタル無線機で使用するAD変換器は、ダイナミックレンジが広いことが望ましい。言いかえると、AD変換器は高分解能であることが望ましい。
このようにAD変換器のダイナミックレンジが広いと、受信機の利得を可変制御する条件も緩和される。また、AD変換器のダイナミックレンジが広いと、上述の妨害信号に対する耐性も向上するために妨害信号を除去するフィルタの条件も緩和される。さらに、このようなAD変換器のダイナミックレンジの改善は、受信機の設計条件の緩和により、部品のコスト削減にもつながり、結果的に、受信器のコストダウンを図ることができる。
通常、受信機に使用されるAD変換器は、サンプリング周波数が数百kHzから数MHz程度と比較的低い場合は、例えば、デルタシグマ方式(あるいは、シグマデルタ方式、またはオーバサンプリング型)を用いることができる。また、このようなデルタシグマ方式を用いれば、比較的安価に高分解能のAD変換器を実現することができ、例えば、10bit以上の分解能のものも容易に入手することが可能である。デルタシグマ方式のAD変換器は、AD変換器出力でのサンプリング周波数の数倍から数十倍の周波数で入力信号を信号処理して高分解能を得るものである。また、サンプリング周波数が数MHzから10MHzを越える高速となる場合は、信号処理を行う周波数は、数十MHzから数百MHzと非常に高速となる。そのため、高速動作に対応できる回路が必要となるので、受信器のコストが上がったり消費電力が増加したりする。このように、デルタシグマ方式では、サンプリング周波数と製品コスト及び消費電力とはトレードオフの関係にある。
また、サンプリング周波数が数MHzから10MHzを越える高速となる場合は、例えば、並列型、直並列型、またはパイプライン型と呼ばれるAD変換器が多く用いられている。しかしながら、並列型、直並列型、またはパイプライン型と呼ばれるAD変換器は、そのダイナミックレンジ(あるいはbit数)が広くなるほど回路規模が増大し、かつコストや消費電力も上昇する。したがって、AD変換器のダイナミックレンジ(bit数)とコスト及び消費電力もトレードオフの関係にある。
また、低分解能のAD変換器を用いて、等価的に高分解能のAD変換器を構成する方法としては、例えば、ディザ法と呼ばれる信号処理方法が知られている。このようなディザ法よる信号処理方法については、例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1、または非特許文献2などに開示されている。以下、本発明の理解を容易にするために、一例として特許文献1に開示されているディザを用いた信号処理方法について説明する。
図3は、特許文献1に開示されているディザ法を用いたマルチモード受信機の構成図である。まず、無線信号受信手段11において、アンテナ12が受信した無線信号は、無線信号増幅部13によって適切なレベルにまで増幅され、さらに、帯域制限部14によって所望の周波数帯域が選択されると共に不要な妨害信号が減衰されて信号加算手段15へ出力される。信号加算手段15は、無線信号受信手段11から入力された受信信号とディザ発生器16によって発生されたディザ信号とを加算して出力すると、AD変換手段17がこれらの合成信号(つまり、受信信号とディザ信号の合成信号)をデジタル信号に変換する。そして、デジタル変換されたデジタル合成信号は、信号処理手段18によって復調処理がなされて復調信号として出力される。尚、信号処理手段18は、例えば論理回路やDSP(デジタル信号処理プロセッサ)等によって構成される。
ディザ発生器16が発生したディザ信号は、AD変換手段17の量子化ステップ幅をqとするとき、±q/2の範囲の振幅のランダム信号、すなわち、AD変換手段17のほぼ量子化ステップ幅の振幅のランダム信号によりAD変換手段17の分解能を改善し、AD変換手段17のダイナミックレンジの拡大を図っている。また、上記の非特許文献1においては、AD変換手段の量子化ステップより大きいランダム信号をディザ信号とし、これによりAD変換手段の歪みを低減し、等価的にAD変換手段のダイナミックレンジの拡大を図っている。尚、ディザ信号については、上記以外に、特許文献2、非特許文献1、及び非特許文献2にも記載されているように、最適な振幅値やスペクトラムの選択に関していくつかの方法があることが知られている。このように、上記従来の技術では、受信信号にディザ信号を加算することによってAD変換器のダイナミックレンジを改善している。
特開2001−332972号公報 特表昭61−501120号公報 Brad Brannon著「Overcoming Converter Nonlinerlitieswith Dither」、Analog Devices、Application Note AN-410 Leon Melkonian著、「ディザ信号付加によるA/Dコンバータの性能改善」、National Senuconductor 、Application Note 804、1992年2月
しかしながら、図3に示すような従来の構成の受信器を用いた場合は、無線信号を受信する受信機の構成に加え、さらにディザ発生回路を付加する必要がある。また、マルチモード受信機では、複数方式の信号を受信するために回路規模が大きくなるが、さらにディザ発生回路を付加するために回路規模が一段と大きくなり、結果的には製品をコストアップさせる要因となる。特に、携帯端末などのように製品容積が限られた機器に上記のような受信器を用いた場合は、受信器の実装が困難となるなどの不具合もある。また、例えば、受信信号がGSM(Global System for Mobile Communication)方式およびWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access:広帯域符号分割多元接続)方式であるマルチモード受信機の場合は、AD変換器に要求される仕様が各々の方式により大きく異なっており、両方式で同じAD変換器を共用することが難しいなどの使い勝手の悪さもある。
一般的に、AD変換器に要求される仕様は、GSM方式の場合は広いダイナミックレンジ(例えば、11bit〜14bit前後)を要求されるが、サンプリング周波数は比較的低くても(例えば、約百kHzから数MHz程度でも)よい。したがって、デルタシグマ方式のAD変換器が好適である。一方、WCDMA方式では、ダイナミックレンジの要求は比較的緩い(例えば、6〜8bit程度である)が、サンプリング周波数は7.68MHz以上が要求される。したがって、並列型、直並列型、あるいはパイプライン型のAD変換器が好適である。このように、AD変換器に要求される仕様が離れている方式で一つのAD変換器を共用しようとすると、一方にとっては過剰スペックとなり他方にとってはスペック不足となるという不具合が生じる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、サンプリング周波数の高低に依存されないAD変換器を共用することができ、ダイナミックレンジが広くて低コストなマルチモード受信器を提供することを目的とする。
本発明のマルチモード受信機は、無線信号を受信する複数の無線信号受信手段と、複数の無線信号受信手段の出力信号を加算する加算手段と、加算手段の出力信号をサンプリングして量子化するAD変換手段と、AD変換手段の出力信号に対して信号処理を行う信号処理手段とを備え、複数の無線信号受信手段の少なくとも一つは、受信した無線信号の通過または遮断を選択する無線信号遮断部と、無線信号遮断部が無線信号の遮断を選択したとき、自己の内部に存在する雑音信号を増幅して出力する無線信号増幅部とを有し、加算手段が、無線信号遮断部が無線信号の通過を選択した無線信号受信手段から出力された無線信号と、無線信号遮断部が無線信号の遮断を選択した無線信号受信手段から出力された雑音信号とを加算する構成を採る。このような構成によれば、専用のディザ発生回路を追加することなくマルチモード受信機を構成することができる。
また、本発明のマルチモード受信機は、前記加算手段の出力信号の周波数f1と、前記AD変換手段がサンプリングした出力信号のサンプリング周波数fsと、前記AD変換手段の出力信号の周波数f2との関係は、kを整数としたとき、f2=|f1−k×fs|であって、fs=4×f2を満たすような構成を採る。かかる構成によれば、AD変換手段のサンプリング周波数fsを入力信号の周波数より低くして、AD変換手段のコストや消費電力を削減することができる。
また、本発明のマルチモード受信機においては、前記AD変換手段は、少なくとも2つ以上の無線信号受信手段の間で共用される構成を採る。このような構成によれば、マルチモード受信機において必要なAD変換器の数を最小限に削減することができるので、より安価にマルチモード受信機を構成することが可能となる。
また、本発明のマルチモード受信機においては、さらに、雑音信号を出力する無線信号受信手段の雑音振幅を受信信号の状態に応じて変化させるディザレベル制御手段を備える構成を採る。このような構成によれば、受信状態に応じてより適切なディザ加算を行ってより安定した受信特性を実現することが可能となる。
本発明のマルチモード受信機によれば、無線信号受信に供しない状態にある無線信号受信手段によってディザ発生回路を実現している。その結果、無線信号受信手段の他に新たにディザ発生回路を付加する必要がなくなるので、安価にかつ追加の回路面積を必要とすることなく、ディザ信号によるAD変換手段のダイナミックレンジの改善を図ることができる。
また、AD変換手段のサンプリング周波数をその入力信号周波数より低く設定することができる。したがって、AD変換手段の動作周波数を低く設定することができるので、安価にAD変換手段を実現できると共にAD変換手段の消費電流を低下させることができる。さらに、複数の方式の信号を受信するマルチモード受信機において、一つのAD変換器を複数の方式間で共用することができるので、より安価にマルチモード受信機を提供することができる。また、受信信号の状態に応じて、ディザ発生回路の動作状態を設定することができるため、受信信号の品質をさらに安定させた受信機を構築することが可能となる。
本発明のマルチモード受信器は、新たなディザ発生回路を付加することなく、無線信号の受信に供していない状態にある受信回路によってディザ発生回路を実現し、そのディザ発生回路で発生したディザ信号を受信した無線信号に付加するように構成した。つまり、少なくとも2つの無線信号受信手段を構成して、非受信状態にある無線信号受信手段をディザ信号源として用いてマルチモード受信機とし、出力側のAD変換器を共用する構成とした。その結果、既設の受信回路の他に新たにディザ発生回路を付加する必要がなくなるので、実装面積の追加の必要性が無くなって、小型かつ安価なマルチモード受信器を提供することができる。さらに、ディザによるAD変換器の分解能改善効果を期待することができる。
また、無線信号の受信に供していない受信回路によって実現したディザ発生回路のディザによってAD変換器の分解能を改善することができ、その結果、サンプリング周波数は速いがダイナミックレンジが狭い特性のAD変換器を、等価的にダイナミックレンジの広いAD変換器として使用することができる。したがって、ダイナミックレンジが狭くて安価なAD変換器を使用することができるので、結果的にマルチモード受信機を低コストに構成することが可能となる。
さらに、ダイナミックレンジが狭くてサンプリング周波数が高いAD変換器を用いて、等価的にダイナミックレンジが広くサンプリング周波数が低いAD変換器を実現することができるため、マルチモード受信機において異なる信号方式間でAD変換器を共用することが可能となる。例えば、AD変換器への要求仕様として、一方はダイナミックレンジが広くてサンプリング周波数が低く、もう一方は相対的にダイナミックレンジが狭くてサンプリング周波数高いマルチモード受信機を構築する場合、ダイナミックレンジが狭くてサンプリング周波数が高いAD変換器を共用することができる。これにより低コストにマルチモード受信機を構成することが可能となる。
以下、図面を用いて、本発明におけるマルチモード受信器の実施の形態の幾つかを詳細に説明する。尚、各実施の形態に用いる図面において、同一の構成要素は同一の符号を付し、かつ重複する説明は可能な限り省略する。
<実施の形態1>
まず、本発明の実施の形態1におけるマルチモード受信機について説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるマルチモード受信機の構成図である。図1に示すマルチモード受信機の構成は、無線信号受信手段として、第一の無線信号受信手段1と第二の無線信号受信手段2との2つの無線信号受信手段を有する構成としている。したがって、本発明のマルチモード受信機は、第一の無線信号受信手段1、第二の無線信号受信手段2、信号加算手段3、AD変換手段4、および信号処理手段5を備えた構成となっている。また、第一の無線信号受信手段1は、第一のアンテナ1a、第一の無線信号遮断部1b、第一の無線信号増幅部1c、および第一の帯域制限部1dを備えた構成となっている。さらに、第二の無線信号受信手段2は、第二のアンテナ2a、第二の無線信号遮断部2b、第二の無線信号増幅部2c、および第二の帯域制限部2dを備えた構成となっている。ここで、第一の無線信号受信手段1は所望の無線信号の受信に用いられ、第二の無線信号受信手段2はディザ発生回路として用いられるものとして以下説明を行う。
第一の無線信号受信手段1においては、第一のアンテナ1aが所望の無線信号を受信する。すると、第一の無線信号遮断部1bが、入力された無線信号を出力側へ通過させるか遮断して出力側へ通過させないかを選択する。ここでは、第一の無線信号遮断部1bが入力された無線信号を通過させる場合について説明する。尚、第一の無線信号遮断部1bは、例えば、ON/OFFスイッチによって構成することができる。また、第一の無線信号増幅部1cは、第一の無線信号遮断部1bを通過した無線信号をより適切な信号レベルまで信号を増幅する。さらに、第一の帯域制限部1dは、第一の無線信号増幅部1cで増幅された信号について、所望の周波数帯域に帯域制限を行うと共に不要な妨害信号を減衰させる。尚、第一の帯域制限部1dは、例えば、圧電素子などによって構成されたSAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタによって構成することができる。
第二の無線信号受信手段2においては、第二の無線信号遮断部2bが、第二のアンテナ2aによって受信された無線信号を遮断する。したがって、第二の無線信号増幅部2cには、このときに入力される無線信号は存在しない。そのため、第二の無線信号増幅部2cは、入力された無線信号に存在する雑音および自身の回路雑音等を増幅して出力する。第二の帯域制限部2dは、第二の無線信号増幅部2cから出力された雑音信号を帯域制限する。第二の無線信号増幅部2cの出力する雑音信号は、ある周波数以上の領域では、ほぼ一定の電力密度を示すことが知られており、ほぼランダム信号に近い性質を持つ。したがって、第二の無線信号増幅部2cより出力される雑音信号は、近似的にディザ信号として用いることが可能である。
また、必要であれば、第二の無線信号増幅部2cの入力に抵抗素子を接続するような構成としてもよい。抵抗素子は、熱雑音と呼ばれるランダムな信号を発生することが知られている。これを第二の無線信号増幅部2cによって増幅し、ディザ信号として用いることも可能である。ここで、第二の無線信号増幅部2cの増幅度は、例えば、ディザ信号の振幅が後述するAD変換手段4の入力端において、AD変換手段4の量子化ステップ幅程度の範囲となるように設定する。
次に、信号加算手段3が、第一の無線信号受信手段1によって増幅され所望の帯域に帯域制限された無線信号と、第二の無線信号受信手段2によって出力されたディザ信号とを加算し、さらに、AD変換手段4が加算された信号をデジタル信号に変換する。AD変換手段4は、第一の無線信号受信手段1の帯域制限値の2倍より高い周波数で信号加算手段3の出力信号をサンプリングする。このようにすることにより、特別なディザ回路を追加すること無く、ディザの効果によってAD変換手段4のダイナミックレンジを改善することが可能となる。したがって、より安価な狭いダイナミックレンジのAD変換手段4を用いてマルチモード受信機を構成することができる。
また、例えば、GSM方式とWCDMA方式とを受信するマルチモード受信機において、ダイナミックレンジの狭いWCDMA方式用のAD変換手段を使用して広いダイナミックレンジを要求されるGSM信号を処理することも可能になる。このとき、AD変換手段4のサンプリング周波数は、第一の無線信号受信手段1により増幅され所望の帯域に帯域制限された無線信号の中心周波数の2倍である必要はなく、第一の帯域制限部1dによって設定された所望の周波数帯域の2倍であればよい。したがって、サンプリング周波数はアンダーサンプリングあるいはサブサンプリングとして知られている条件に設定してもよい。
このとき、アンダーサンプリングの条件に設定する場合は、信号加算手段3の出力信号の周波数f1と、AD変換手段4のサンプリング周波数fs、AD変換手段4の出力信号の周波数f2との関係は、次の式(1)のようになる。
f2=|f1−k×fs| (1)
但し、kは整数である。尚、整数kは、使用する素子や受信する無線信号方式等にあわせて適切に設定すればよい。
また、信号処理手段5は、AD変換手段4の出力信号を所望の周波数帯域に帯域制限して復調を行う。この信号処理手段5は、例えば、論理回路およびDSP等により構成することができる。一般的には、信号処理の容易さから、直交復調を行ってI,Q一対のベースバンド信号に変換した後に信号処理を行う。直交復調とは、中心周波数f2の入力信号に対し、cos(2π×f2×t)とsin(2π×f2×t)とからなる信号を乗算するものである。尚、tは時間を表す。
ここで、AD変換手段4のサンプリング周波数fsと信号処理手段5に入力される信号(つまり、AD変換手段4の出力信号と同じ信号)の中心周波数f2との関係式が次の式(2)となるように設定する。
fs=4×f2 (2)
AD変換手段4のサンプリング周波数fsを式(2)のように設定すると、上述のcos(2π×f2×t)とsin(2π×f2×t)の値は、tが1/fsの整数倍の値のみをとることから、{1、0、−1}のみとなる。したがって、直交復調における乗算は{1,0、−1}のみとなるため、直交復調の演算処理を簡単に構成することができる。
なお、AD変換手段4と信号処理手段5とは、第一の無線信号受信手段1と第二の無線信号受信手段2とで共通に使用する構成として説明したが、各々独立にAD変換手段および信号処理手段を用意する構成としても前述と同様にディザによる効果を得ることができる。例えば、受信する信号方式によっては、AD変換手段におけるダイナミックレンジの要求仕様が非常に大きく離れており、ディザによるダイナミックレンジの改善を行ってもAD変換手段の共用が困難である場合もある。そのような場合は、方式毎にAD変換手段を用意する必要があるが、それぞれのAD変換手段はディザの効果によってダイナミックレンジを改善することができる。
したがって、AD変換手段と信号処理手段とを、第一の無線信号受信手段1と第二の無線信号受信手段2とで各々独立した構成とした場合でも、各々に狭いダイナミックレンジの安価なAD変換手段を使用することが可能となる。また、第一の無線信号受信手段1における第一の帯域制限部1d及び第二の無線信号受信手段2における第二の帯域制限部2dは、SAWフィルタに限定されるものではなく、所望の周波数帯域に帯域制限するものであればどのようなフィルタであってもよい。例えば、LC回路によるフィルタの構成やアクティブフィルタによる構成としてもよい。また、所望の無線信号を受信する場合と、ディザ回路に用いる場合とで、回路素子を切替え、ディザ信号としてより好適な状態となるように回路構成しても良い。
さらに、ディザ回路として用いる第二の無線信号受信手段2における第二の帯域制限部2dの周波数帯域は、必要に応じて可変とする構成とすれば、より最適なディザ信号の加算を行うことが可能である。また、信号加算手段3にさらに入力経路を追加し、ディザ発生専用の回路を設けてもよいことは容易に推察できるであろう。また、第二の無線信号受信手段2のように無線信号受信手段をディザ信号源として用いない構成とし、ディザ発生専用の回路を設けることによっても、AD変換手段4を異なる方式間で共用することが可能である。この場合も、AD変換手段4によってデジタル信号に変換された信号を、信号処理手段5によってデジタル処理して復調を行うことは前述と同じである。
信号処理手段5は、例えば、論理回路あるいはDSPおよびメモリに搭載したDSPのプログラム、あるいはCPUとメモリに搭載したCPUのプログラム等により実現することができる。また、信号処理手段5は、複数の方式に対する回路を、各々独立に用意してもよいし、DSPまたはCUPのプログラムを複数持ってそれらを適宜切り替える構成としてもよい。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2におけるマルチモード受信機について説明する。図2は、本発明の実施の形態2におけるマルチモード受信機の構成図である。以下、図2にしたがって実施の形態2のマルチモード受信機を説明する。図2に示す実施の形態2のマルチモード受信機が、図1に示す実施の形態1のマルチモード受信機と異なるところは、ディザレベル制御手段6が追加されたところのみである。ディザレベル制御手段6は、雑音信号を出力する第二の無線信号受信手段2の雑音振幅を受信信号の状態に応じて変化させる機能を備えている。尚、実施の形態2のマルチモード受信機においても、実施の形態1と同様に、第一の無線信号受信手段1は所望の無線信号の受信に用いられ、第二の無線信号受信手段2はディザ発生回路として用いられるものとする。
図2において、ディザレベル制御手段6は、信号処理手段5にて処理された信号をもとに、所望の無線信号の強度(無線信号強度Dという)と所望の信号に対して妨害を与える無線信号の強度(妨害信号強度Uという)とを測定する。これらは、例えば、信号処理手段5の信号に対し、所望の信号のみを通過させるフィルタと、それ以外の信号を通過させるフィルタとを用意し、各々のフィルタ出力の信号強度を測定することで知ることができる。
ディザ信号は、例えば、無線信号強度Dと妨害信号強度Uとの比であるD/Uの値が大きく、かつ無線信号強度Dの値自体がAD変換手段4の量子化ステップより十分大きい場合は必要ではない。このような場合には、ディザレベル制御手段6によって、第二の無線信号受信手段2の電源を遮断する。このようにすることによって、ディザ信号が不要な条件下では第二の無線信号受信手段2は停止するので消費電力の削減が可能となる。尚、実施の形態1及び実施の形態2において、無線信号受信手段は2つの構成として説明したが、無線信号受信手段が2つ以上の構成であっても本発明を適用できることは云うまでもない。
また、本発明のマルチモード受信機を送信機と組合せ無線通信機とし、さらにその無線通信機を複数組合せた無線通信システムとして構成すれば、複数の方式に対応したマルチモード無線通信システムを低コストに構成することができる。さらに、第一の無線信号受信手段1及び第二の無線信号受信手段2においては、適宜、周波数変換を行ってもよいことは容易に推察されるであろう。本発明の趣旨は、非受信状態にある無線信号受信手段をディザ信号源として用いること、及びディザ信号によりマルチモード受信機の方式間でAD変換器を共用することにあり、受信機としての構成は前述の実施の形態1および実施の形態2に記載の構成に限定されるものではなく、他の構成であっても適用可能であること云うまでもない。
以上説明したように、本発明のマルチモード受信機によって、複数の方式の信号を受信するマルチモード受信機を従来より安価に構成することができるので、汎用性のある受信器のシェアを開拓することができる。また、本発明のマルチモード受信機を送信機と組み合わせてマルチモード無線通信機として利用することもできる。また、マルチモード無線通信機を複数組み合わせることによってマルチモード無線通信システムとして利用することもできる。したがって、携帯電話機や無線通信装置などの分野で広く利用することができる。
本発明の実施の形態1におけるマルチモード受信機の構成図 本発明の実施の形態2におけるマルチモード受信機の構成図 ディザを用いた従来のマルチモード受信機の構成図
符号の説明
1 第一の無線信号受信手段
1a 第一のアンテナ
1b 第一の無線信号遮断部
1c 第一の無線信号増幅部
1d 第一の帯域制限部
2 第二の無線信号受信手段
2a 第二のアンテナ
2b 第二の無線信号遮断部
2c 第二の無線信号増幅部
2d 第二の帯域制限部
3 信号加算手段
4 AD変換手段
5 信号処理手段
6 ディザレベル制御手段

Claims (4)

  1. 無線信号を受信する複数の無線信号受信手段と、
    前記複数の無線信号受信手段の出力信号を加算する加算手段と、
    前記加算手段の出力信号をサンプリングして量子化するAD変換手段と、
    前記AD変換手段の出力信号に対して信号処理を行う信号処理手段とを備え、
    前記複数の無線信号受信手段の少なくとも一つは、
    受信した無線信号の通過または遮断を選択する無線信号遮断部と、
    前記無線信号遮断部が無線信号の遮断を選択したとき、自己の内部に存在する雑音信号を増幅して出力する無線信号増幅部とを有し、
    前記加算手段が、前記無線信号遮断部が無線信号の通過を選択した無線信号受信手段から出力された無線信号と、前記無線信号遮断部が無線信号の遮断を選択した無線信号受信手段から出力された雑音信号とを加算することを特徴とするマルチモード受信機。
  2. 前記加算手段の出力信号の周波数f1と、前記AD変換手段がサンプリングした出力信号のサンプリング周波数fsと、前記AD変換手段の出力信号の周波数f2との関係は、kを整数としたとき、
    f2=|f1−k×fs|
    であって、
    fs=4×f2
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のマルチモード受信機。
  3. 前記AD変換手段は、少なくとも2つ以上の前記無線信号受信手段の間で共用されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチモード受信機。
  4. さらに、前記雑音信号を出力する無線信号受信手段の雑音振幅を受信信号の状態に応じて変化させるディザレベル制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のマルチモード受信機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015141174A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 パナソニック株式会社 レーダ装置
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