JP2006092442A - 紙幣処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紙幣の状態によらず詰まり等を生じることなく紙幣を紙幣払出部に集積できるようにした紙幣処理装置を提供する。
【解決手段】 紙幣払出部5は、集積した紙幣を一括して紙幣払出口9より払い出す一括保留部41を備え、この一括保留部41の上部には集積ガイドプレート106が略水平に配置されている。集積ガイドプレート106は、払い出し搬送路13に対向する一端に膨出面106aが形成されており、他端はガイド板105に軸106bで軸支されている。払い出し搬送路13からの紙幣は、膨出面106aに沿って移動し、膨出面106aに接する紙幣は一部であるため、紙幣に2つ折りや4つ折り等の折り目が付いていても、詰まりを生じることなく集積される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の紙幣を一括して払い出す紙幣処理装置に関し、特に、紙幣の状態によらず詰まり等を生じることなく紙幣を紙幣払出部に集積できるようにした紙幣処理装置に関する。
紙幣両替機、紙幣払出機、現金自動支払い機等の紙幣処理装置では、複数枚の紙幣を一括して機内から払い出す紙幣払出部を備えている。紙幣を一括して払い出す場合、紙幣を長手方向から払い出す縦払い出し方式と、横位置で払い出す横払い出し方式がある。省スペース的には横幅をとらない縦払出し方式が有利であるが、この方式は高速化や払出し性能の向上が難しい。特に、高速化を図ろうとすると、既に保留済みの紙幣と次に搬入された紙幣とが接触しやすく、紙幣払出部内で詰まり易い傾向があった。
一括保留部で紙幣詰りを発生させないために、一般に、連続的に搬送されてくる紙幣を空中に投げ出し、下方に強制的に押し付けて集積する機構が、紙幣処理装置に設けられている。このような機構を備えた紙幣処理装置の一例を、図面を示して以下に説明する。
図3は、紙幣払出部を備えた紙幣処理装置の構成を示す。紙幣処理装置1は、キャビネット2と、高額紙幣を収納する高額紙幣収納部3と、紙幣Aの金額等を識別する紙幣識別部4と、両替用などの紙幣Aを所定枚数揃えて一括して払い出す紙幣払出部5と、低額紙幣を収納する低額紙幣収納部6と、紙幣識別部4の前部に設けられて紙幣Aを受け入れる紙幣投入口8と、紙幣払出部5の前部に設けられて紙幣Aを払い出す紙幣払出口9と、紙幣投入口8から受け入れた紙幣Aを搬送する受入搬送路10と、受入搬送路10の下流端から分岐して高額紙幣収納部3に連なる高額紙幣搬送路11と、低額紙幣収納部6に連なる低額紙幣搬送路12と、低額紙幣搬送路12から分岐して紙幣払出部5に連なる払出搬送路13と、高額紙幣搬送路11と低額紙幣搬送路12との分岐部に設けられた第1のゲート14と、低額紙幣搬送路12と払出搬送路13との分岐部に設けられた第2のゲート15とを備える。
高額紙幣収納部3は、高額紙幣搬送路11の下流端に連なる待機通路21と、待機通路21を挟むように設けた紙幣送り込み装置22と、紙幣送り込み装置22を挟むように設けた上側の五千円金庫23および下側の一万円金庫24とを備えている。紙幣送り込み装置22は、高額紙幣スタック板25を有する。
高額紙幣収納部3は、さらに、紙幣送り込み装置22を作動させる高額紙幣スタックモータ26と、高額紙幣搬送路11の途中に配置されたローラ11aなどのほか、紙幣識別部4の搬送装置(図示せず)を作動させる上部搬送モータ27と、待機通路21への紙幣Aの送り込み完了を検出する第1の通過センサ28と、高額紙幣スタック板25が上限位置および下限位置にあるか否かを検出する第1および第2の位置センサ29,30と、五千円金庫23および一万円金庫24の前面に位置する上ドア(図示せず)に設けられ、上ドアの開放を検出したときに紙幣処理装置1の作動を停止させる第1のスイッチ31とを備えている。
紙幣識別部4は、紙幣投入口8から受け入れた紙幣Aの真偽、正損および金種を識別する識別機構(図示省略)と、受け入れた紙幣Aを受入搬送路10の待機位置まで搬送した後、識別機構の識別結果を待って、後方への搬送や返却のための逆搬送を行う搬送機構(図示省略)とを備えている。紙幣識別部4は、更に、紙幣投入口8からの紙幣Aの受け入れ完了を検出する第2の通過センサ35を備える。
紙幣払出部5は、紙幣払出装置16のほか、紙幣Aを揃える際、紙幣Aが重なって送られたときに、これを払い出すことなく保留するリジェクト装置17を備え、リジェクトスタック板45が待機位置にあるか否かを検出する上限センサ52と、リジェクトスタック板45がリジェクト位置にあるか否かを検出する下限センサ53と、リジェクト保留部42内に紙幣Aが保留されているか否かを検出する第2のスイッチ54とを有する。これらの構成の詳細については、後述する。
紙幣払出装置16は、払出搬送路13の下流側に配置され、下側の待機位置(図3の実線位置)と上側の払出位置(2点鎖線位置)との間で昇降自在に設けられたガイド板44と、ガイド板44の上方に配置された払出搬送ベルト43とを備え、これらの間に一括保留部41が画成されている。一括保留部41は、入口側が払出搬送路13に連なり、出口側が紙幣払出口9に連なっている。
ガイド板44は、左右一対から成り(手前側の1つのみ図示)、下側の待機位置(実線位置)と上側の払出位置(2点鎖線位置)の間で昇降するように構成されている。払出搬送ベルト43もガイド板44に対応して左右一対で構成されている(手前側の1つのみ図示)。そして、ガイド板44が待機位置に下降している状態で、紙幣Aが払出搬送路13から1枚ずつ一括保留部41に送り込まれ、ガイド板44上に所定枚数積み重ねられた後、ガイド板44が払出位置に上昇して紙幣Aを払出搬送ベルト43との間に挟み込み、その後、払出搬送ベルト43が作動することにより、紙幣Aが紙幣払出口9から一括して払い出される。
また、ガイド板44の近傍には、紙幣Aの一括保留部41への送り込みの完了を検出するとともに枚数をカウントする第3の通過センサ47と、紙幣Aの一括払出しの完了を検出する第4の通過センサ48と、払出搬送ベルト43の走行停止位置を検出する第5の位置センサ49と、ガイド板44が払出位置および待機位置にあるか否かを検出する第6,第7の位置センサ50、51とが設置されている。
一方、リジェクト装置17は、ガイド板44の下側に確保されたリジェクト保留部42と、上側の待機位置(実線位置)と下側のリジェクト位置(2点鎖線位置)の間で昇降自在のリジェクトスタック板45とを備えている。このリジェクト装置17は、紙幣Aが重なって一括保留部41に送られた場合などに、ガイド板44が上昇した後、リジェクトスタック板45が下降することによって、紙幣Aを一対のガイド板44間をすり抜けさせ、一括保留部41からリジェクト保留部42に送り込んで紙幣Aを保留するように構成されている。
低額紙幣収納部6は、紙幣識別部4から搬送されてきた千円札を収納するとともに、収納した千円札を一括払出装置16に送り出す機構を備える。低額紙幣収納部6は、出入口の近傍に分離ローラ61aが設けられた千円金庫61と、低額紙幣搬送路12から送り込まれた紙幣Aを千円金庫61内に送り込む送込みスタック板(図示省略)と、千円金庫61内の紙幣Aを押圧する低額紙幣スタック板62と、千円金庫61から紙幣Aを紙幣払出部5に送り出す低額紙幣搬送ベルト63と、分離爪64と、低額紙幣搬送ベルト63を駆動する下部搬送モータ66と、低額紙幣スタック板62および送込みスタック板を昇降させる低額紙幣スタックモータ67と、紙幣Aの千円金庫61への搬入完了および送出し完了を検出して、低額紙幣搬送ベルト63を起動・停止させる第5の通過センサ68と、低額紙幣スタック板62が上限位置および下限位置にあるか否かを検出する第10および第11の位置センサ69,70と、下部搬送モータ66の回転角度を検出する第12の位置センサ71と、千円金庫61の満杯およびエンプティを検出する第13および第14の位置センサ72,73と、千円金庫61の前面に位置する下ドア(図示せず)に設けられ、下ドアの開放を検出したときに、紙幣処理装置1の作動を停止させる第3のスイッチ74とを備えている。
図4および図5は、従来の紙幣払出部5におけるリジェクト装置17の詳細構成を示す側面図である。図4は待機時を示し、図5はリジェクト動作時を示す。なお、この構成は、特許文献1の図1および図2に示されているものである。この紙幣払出部5は、中央の連結部85で互いに回動自在に連結されたパンタグラフ状の第1および第2のリンクレバー86a,86bを備えた駆動機構84と、リンクレバー86a,86bと、連結部85に配置されてリンクレバー86a,86bを開脚する方向に附勢するねじりコイルばね87とを備える。
第1のリンクレバー86aは、後端部がリジェクトスタック板45に回動自在に連結されるとともに、前端部がガイド長孔88にスライド自在かつ回動自在に係合している。また、第2のリンクレバー86bは、連結部85よりも後ろ側の部分で支点89に回動自在に支持されており、前端部はリジェクトスタック板45に形成されたガイド長孔90にスライド自在かつ回動自在に係合し、後端部はプーリギヤ92のクランクピン92aに、ねじりコイルばね87で付勢された状態で上方から当接している。また、第2のリンクレバー86bの後端部は、二股状に分岐しており、この分岐部の間が横長のカム溝91になっている。
カム溝91には、プーリギヤ92(回転体)のクランクピン92aが係合している。クランクピン92aは、その径がカム溝91の幅よりも若干小さく、それにより、カム溝91に若干の遊びをもって係合しているとともに、ねじりコイルばね87の付勢により、カム溝91の上縁91aがクランクピン92aに当接し、これを常時、押圧した状態になっている。また、カム溝91の上縁91aには、クランクピン92aが下死点に至った際に当接する位置決めストッパとして機能する段部91cが形成されており、これに対応して、段部91cに対向する下縁91bの部分が下側に逃げた形状になっている。
プーリギヤ92は、中間ギヤ93およびワンウェイ駆動機構94などを介して払出スタックモータ81に結合されている。プーリギヤ92は、ワンウェイ駆動機構94によって逆方向の回転がロックされるように構成されている。払出スタックモータ81は、正転時にプーリギヤ92を図の矢印B方向に回転させ、逆回転時にはガイド板44を駆動するように配置されている。
次に、図3〜図5を参照し、リジェクト装置17の動作を説明する。図4に示す待機状態では、プーリギヤ92のクランクピン92aが下死点に位置し、カム溝91の段部91cに当接しており、第1,第2のリンクレバー86a、86bが略平行状態にあり、リジェクトスタック板45は上側の待機位置にある。この状態で、紙幣Aが払出搬送路13から一括保留部41に送り込まれる。
紙幣Aが重なって送られた状態などが検出されると、ガイド板44が上昇した後、払出スタックモータ81が所定角度だけ正転する。これにより、ワンウェイ駆動機構94および中間ギヤ93などを介して、払出スタックモータ81は、クランクピン92aが上死点の若干手前に位置する図4の角度位置まで、プーリギヤ92を反時計方向(矢印B方向)に回転させる。これに伴い、第2のリンクレバー86bは、カム溝91の上縁91aを介してクランクピン92aによって押し上げられ、ねじりコイルばね87の附勢力に抗して回動する。これにより、第1,第2のリンクレバー86a、86bが下方に伸び、リジェクトスタック板45は、下側のリジェクト位置まで下降して、紙幣Aを、ガイド板44、44間をすり抜けさせて、一括保留部41からリジェクト保留部42に送り込んで保留する。
その後、払出スタックモータ81が所定角度だけ正回転することにより、プーリギヤ92が回転し、クランクピン92aは上死点を越えて下死点に向かう。上死点を越えると、クランクピン92aは、ねじりコイルばね87の附勢力により、第2のリンクレバー86bのカム溝91の上縁91aを介して下方に押されるようになる。一方、プーリギヤ92は、この方向に回転が自由な状態にあるため、クランクピン92aがカム溝91の下縁91bに当接し、プーリギヤ92が制動される。
そして、次のタイミングでは、プーリギヤ92の回転により、クランクピン92aがカム溝91の上縁91aに再び当接して、これをねじりコイルばね87の附勢力で押すようになる。更に、プーリギヤ92が回転することにより、クランクピン92aがカム溝91の下縁91bに再度当接し、プーリギヤ92が制動される。このように、プーリギヤ92が下死点に戻る際、クランクピン92aは、カム溝91の下縁91bによって繰り返し制動されるので、プーリギヤ92は、下死点を大きくオーバーシュートすることはなく、下死点の付近に確実に停止し、リジェクトスタック板45を待機位置付近に確実に停止させることができる。その結果、紙幣Aは、ジャミングなどを生じることなく、一括保留部41に円滑に集積される。
しかし、図4に示した紙幣払出部5は、新札の場合には問題無いが、市場に流通している紙幣Aの多くは、古くなって紙質が柔らかくなったり、紙幣Aに2つ折りや4つ折り等の折り目が付いてしまっている。このような紙幣Aが紙幣払出部5に搬入された場合、リジェクトスタック板45の下部で紙詰まり状態を発生し、紙幣Aを正常にセットすることができなくなる。
図6は、従来の他のリジェクト装置の構成を示す側面図である。このリジェクト装置17は、リジェクトスタック板45の下部にガイド板46を配置したものであり、他の構成は図4と同様である。リジェクトスタック板45は、その一端がリンクレバー86aの自由端(紙幣搬入側端)に支点95によって軸支され、他端は自由に回動するように取り付けられている。
図6において、払出搬送路13を通して紙幣Aが紙幣払出部5に搬入されると、紙幣Aの先端は、ガイド板46の支点95の部分の下側に当接する。ガイド板46は、紙幣払出口9側に向かって下がるように傾斜しているため、紙幣Aはガイド板46の下面に沿って前進した後、所定位置で停止することによりスタックされる。このリジェクト装置17によれば、紙質が柔らかくなったり、折り目が付いたりした紙幣Aでも、詰まりを生じさせることなく集積することができる。
また、リジェクト装置17に通じる通路搬送出口の左右一対の搬送ローラに回転体を取り付け、この回転体にゴム製で板状の複数のフィンを放射状に取り付け、搬送ローラに同期させてフィンを回転させ、送り込まれた紙幣Aをフィンによって下方に押圧しながら搬入する構成のリジェクト装置も知られている。
特開平11−272904号公報([0030]〜[0040]、図1、図2)
しかし、従来の紙幣処理装置によると、ガイド板46を設けても、折り癖が付いてしまった紙幣A等が搬入された場合、紙幣Aを折り目から折りたたむように機能してしまうため、逆に、紙詰まり等が発生し易くなるという問題がある。
また、ゴム製のフィンを設けた構成は、紙幣Aによっては屈曲が生じるほか、回転しながら紙幣Aを押えるため、磨耗や変形は避けられない。更に、環境の変化や時間経過によってゴムが硬化するため、押圧力が変化する。このため、折れ札の後端の跳ね上げを抑えきれない場合が生じる。
従って、本発明の目的は、紙幣の状態によらず詰まり等を生じることなく紙幣を紙幣払出部に集積できるようにした紙幣処理装置を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、紙幣収納部から1枚ずつ紙幣を紙幣払出部に搬入して集積した後、前記集積した紙幣を一括して紙幣払出口より払い出す紙幣払出部を備えた紙幣処理装置において、前記紙幣払出部は、払出搬送路側に対向する位置に膨出面を有し、紙幣搬送方向の後端が軸支された集積ガイドプレートを備えたことを特徴とする紙幣処理装置を提供する。
本発明の紙幣処理装置によれば、膨出面を有する集積ガイドプレートに設けたことにより、折り目等が付いている紙幣であっても、詰まりを生じることなく紙幣収納部に集積することが可能になる。
図1および図2は、本発明の実施の形態に係る紙幣処理装置の主要部の構成を示す側面図および底面図である。なお、図1および図2においては、紙幣払出部のみを示し、本実施の形態における紙幣処理装置の全体の構成は図3と同じであるので、図示は省略する。
(紙幣払出部の構成)
図1に示すように、紙幣払出部5は、リジェクト装置17と、リジェクト装置17の上部に配置されたガイド板44と、このガイド板44の上方に配置されるとともに集積された紙幣Aを一括して紙幣払出口9へ押し出すための爪部43a,43bを備えて回転する払出搬送ベルト43と、払出搬送路13の出口部の上下に配置された一対の搬送ローラ101,102と、搬送ローラ101の端部に放射状に取り付けられたゴム製で板状の複数のフィン103と、リジェクト装置17の上方に水平配置されるとともに払出しの処理ミス時にリジェクトを行うためのリジェクトプレート104と、このリジェクトプレート104の端部に一端が軸105aにより軸支されて揺動するガイド板105と、ガイド板105の他端(払出側端)に軸106bによって取り付けられるとともに膨出面106aを有する集積ガイドプレート106とを備える。
集積ガイドプレート106は、静電気の発生による紙幣同士の密着を防止するため、導電性に優れる銅、アルミニウム、真鍮、ステンレス等の金属を用いて或る程度の重量を有するように作られており、その長さは紙幣Aを超えない長さとし、かつ、集積後の紙幣Aの中央に位置するように配設されている。更に、集積ガイドプレート106は、下方からの附勢力によってリジェクトプレート104の内部に格納されるように取り付けられるとともに、紙幣搬入側が一定角度以下に下がらないように取り付けられている。膨出面106aは、集積ガイドプレート106の紙幣搬入側にのみ形成されており、膨出面106aが設けられていない下面の他の部分は、平坦面を成している。
また、集積ガイドプレート106は、ガイド板105に当接するように設けられるストッパ106cを有し、軸106bに対する回動を規制されるようになっている。
図2に示すように、リジェクトプレート104に対し、ガイド板105は一対が平行に設置されている。なお、リジェクトプレート104は、ガイド長孔88を有する突片104aを有し、ガイド長孔88には、第1のリンクレバー86aの一端が係着される。
(紙幣払出部の動作)
1枚の紙幣Aが払出搬送路13の出口に到達したタイミングで搬送ローラ101,102が回転する。この回転に応じて紙幣Aは集積ガイドプレート106の下部に送り込まれる。紙幣Aの先端が、集積ガイドプレート106に接触すると、紙幣Aは膨出面106aに沿って下降し、ガイド板44上に到達する。このとき、集積ガイドプレート106は、紙幣Aとの当たり具合に応じて上下動する。紙幣Aの後端が搬送ローラ101,102を抜けると、紙幣Aはガイド板44上に載置され、既に紙幣Aが集積されていれば、その最上面に集積される。このとき、フィン103によって紙幣Aの後端部が上方から紙幣載置面または集積済みの紙幣Aに押しつけられる。以後、同様にして、紙幣Aが搬入されるごとに集積ガイドプレート106によってガイドされ、紙幣Aの集積が行われる。紙幣Aの集積が完了すると、図示しない昇降機構によってガイド板44が上昇し、そのことによって集積された紙幣Aを払出し可能な高さレベルに配置する。次に、払出搬送ベルト43が時計方向に回転し、これに伴って回転する爪部43a,43bによって集積された紙幣Aの後端が一括して押し出され、紙幣払出口9に払い出される。
一方、2つ折りや4つ折り等の折り目が、紙幣Aに強く残っていた場合、搬送ローラ101,102を通り抜けると同時に、紙幣Aは折り目に従ってジグザグ形に変形しようとする。しかし、集積ガイドプレート106の膨出面106aは、曲面を有するため、紙幣Aは、折り目が付いたまま膨出面106aに沿って下降する。このとき、膨出面106aは、紙幣Aのジグザグ形状を伸ばすように機能する。また、紙幣Aに折り目があっても、紙面の一部のみが膨出面106aに接触する状態で移動するため、腰が折れにくくなり、折り目に沿って折り畳まれることがない。この結果、一括保留部41における紙幣Aの詰まりは、生じにくくなる。
(実施の形態の効果)
この実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)膨出面106aを有する集積ガイドプレート106を設けたことにより、2つ折りや4つ折り等の折り目を有する紙幣Aが搬入されても、紙幣Aの詰まりを生じることなく、一括保留部41上に集積することができる。
(2)払出紙幣は、集積ガイドプレート106の支点106bに向うため、紙幣Aに折り目の強さに応じて自重とのバランスを取りながら紙幣後端を確実に押さえつけることができる。
(3)集積ガイドプレート106は、リジェクトプレート104内に格納できるため、リジェクト時のスタック動作を阻害することがなく、一括払い出し時にも、紙幣Aに影響を及ぼすことがない。このため、紙幣搬入を高速化しても、紙幣Aの詰まりを防止することができる。
(4)集積ガイドプレート106は、導電性に優れる金属を用いて作られているため、静電気の発生による紙幣A同士の密着を防止することができる。
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その要旨を変更しない範囲内で種々の変形が可能である。
本発明の実施の形態に係る紙幣処理装置の主要部の構成を示す側面図である。 図1の紙幣処理装置の底面図である。 紙幣払出装置を備えた紙幣処理装置の構成を示す側面断面図である。 従来のリジェクト装置の待機時の詳細構成を示す側面図である。 図4のリジェクト装置のリジェクト動作時の詳細構成を示す側面図である。 従来の他のリジェクト装置の構成を示す側面図である。
符号の説明
1…紙幣処理装置、2…キャビネット、3…高額紙幣収納部、4…紙幣識別部、5…紙幣払出部、6…低額紙幣収納部、8…紙幣投入口、9…紙幣払出口、10…受入搬送路、11…高額紙幣搬送路、11a…ローラ、12…低額紙幣搬送路、13…払い出し搬送路、14…第1のゲート、15…第2のゲート、16…紙幣払出装置、17…リジェクト装置、21…待機通路、22…紙幣送り込み装置、23…五千円金庫、24…一万円金庫、25…高額紙幣スタック板、26…高額紙幣スタックモータ、27…上部搬送モータ、28…第1の通過センサ、29…第1の位置センサ、30…第2の位置センサ、31…第1のスイッチ、35…第2の通過センサ、41…一括保留部、42…リジェクト保留部、43…払出搬送ベルト、43a,43b…爪部、44,46…ガイド板、45…リジェクトスタック板、47…第3の通過センサ、48…第4の通過センサ、49…第5の位置センサ、50…第6の位置センサ、52…上限センサ、53…下限センサ、54…第2のスイッチ、61…千円金庫、61a…分離ローラ、62…低額紙幣スタック板、63…低額紙幣搬送ベルト、64…分離爪、66…下部搬送モータ、67…低額紙幣スタックモータ、68…第5の通過センサ、69…第10の位置センサ、70,第11の位置センサ、71…第12の位置センサ、72…第13の位置センサ、73…第14の位置センサ、74…第3のスイッチ、81…払出スタックモータ、84…駆動機構、85…連結部、86a…第1のリンクレバー、86b…87…ねじりコイルばね、第2のリンクレバー、88…ガイド長孔、89…支点、90…ガイド長孔、91…カム溝、91a…上縁、91b…下縁、91c…段部、92…プーリギヤ、92a…クランクピン、93…中間ギヤ、94…ワンウェイ駆動機構、95…支点、101,102…搬送ローラ、103…フィン、104…リジェクトプレート、104a…突片、105…ガイド板、105a,106b…軸、106…集積ガイドプレート、106a…膨出面、106b…ストッパ

Claims (6)

  1. 紙幣収納部から1枚ずつ紙幣を紙幣払出部に搬入して集積した後、前記集積した紙幣を一括して紙幣払出口より払い出す紙幣払出部を備えた紙幣処理装置において、
    前記紙幣払出部は、払出搬送路側に対向する位置に膨出面を有し、紙幣搬送方向の後端が軸支された集積ガイドプレートを備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
  2. 前記集積ガイドプレートは、導電性の材料を用いたことを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
  3. 前記集積ガイドプレートは、紙幣搬送方向の先端が前記紙幣払出部に搬入されてくる紙幣との当接状態に応じて昇降するように取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
  4. 前記集積ガイドプレートは、払い出し処理のミス時にリジェクトを行うリジェクトプレートにガイド板を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
  5. 前記集積ガイドプレートは、前記リジェクトプレートに格納可能に取り付けられていることを特徴とする請求項4載の紙幣処理装置。
  6. 前記集積ガイドプレートは、前記集積した紙幣の略中央に配設されていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
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