JP2006091079A - 画像形成装置 - Google Patents

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Tomoki Kutsuwada
知己 轡田
Shinichi Ishigame
信一 石亀
Minoru Niwa
稔 丹羽
Naoto Yoshino
直人 吉野
Hiroyuki Koide
弘行 小出
Yuichiro Tsutsui
雄一郎 筒井
Takeshi Tomiya
武史 東宮
Tetsuya Fujita
哲也 藤田
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Abstract

【課題】 転写プレニップ領域における転写搬送ベルトと感光体ドラムとの間の放電を充分に抑制する。
【解決手段】 感光体ドラム10によって担持されたトナー像を用紙Pに転写し、用紙Pを搬送する転写搬送ベルト21が、感光体ドラム10と転写搬送ベルト21との転写ニップ部Nの用紙Pの搬送方向上流側にてアイドルロール23によって張架され、アイドルロール23には、転写ロール24に印加する電圧と逆極性のバイアス電圧が印加可能に構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、転写材を静電吸着して搬送しながらトナー像を転写する転写搬送ベルトを備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、転写装置によってこのトナー像を感光体ドラム上から転写材に転写した後、定着装置により加熱および加圧することでトナー像を転写材に定着している。
かかる画像形成装置に用いられる転写装置においては、近年、転写搬送ベルトを感光体ドラムに当接させて、この転写搬送ベルトと感光体ドラムとの当接領域(ニップ部)に転写材を挟持させるとともに、転写搬送ベルトに対してバイアスロールから転写バイアスを印加して、感光体ドラム上のトナー像を静電的に転写する転写方式が採用されている。
このような転写搬送ベルトを用いた転写装置では、従来のコロナ帯電方式と比べて、高電圧電源を必要としないことから装置の小型化や製造コストの低減化が可能である。またオゾンの発生が極めて少なく、加えて、紙粉やトナーの付着による汚れに対しても転写性能が安定している等の利点がある。さらに、転写搬送ベルト周りをユニット化して、感光体ドラムと接離可能に構成したり、画像形成装置の前面側から引き出せるように構成することも可能であることから、転写搬送ベルト周りにおいて紙詰まり(ジャム)が生じた場合のジャム処理が容易である。また、画像形成装置の占有面積の縮小化を図ることも可能となる。
ところが、転写搬送ベルトを用いた転写装置では、転写搬送ベルトは複数のロールに張架されて回転移動(回動)するように構成されているため、ニップ部は、ロール(感光体ドラム)と平面(転写搬送ベルト)との当接によって形成されている。したがって、転写搬送ベルトに印加された転写バイアスは、ニップ部に限らず、その周辺領域にも電界を形成することとなり、ニップ部入口領域(転写プレニップ領域)においても、感光体ドラムと転写搬送ベルトとの間に電界が作用することとなる。
そのため、例えば感光体ドラム表面がマイナスに帯電され、転写搬送ベルトにプラス電圧が印加されている場合には、転写プレニップ領域において転写搬送ベルトから感光体ドラムに放電が生じ易い。そして、このような放電が生じると、反転現像により現像されたマイナスに帯電したトナーは、電荷量が減少したり、さらにはトナー電荷がプラスに反転する。
このように、トナーの電荷量が減少したり、トナー電荷がプラスに反転すると、ニップ部において、感光体ドラムから記録紙へ転写したトナーが再度感光体ドラムに転写される所謂白抜け現象が生じ、画像品質を著しく低下させるという問題がある。
そこで、転写プレニップ領域での放電を抑制する従来技術として、ニップ部の上流側に、転写搬送ベルトの外側に接触する接地された除電部材を配設する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
また、転写搬送ベルトに転写バイアスを印加する転写手段に電流を供給する電源において、電源から出力される電流の内で、感光体に流入する電流が予め設定した目標値になるように電流を制御する転写電流制御手段と、転写手段と従動ロールとの間であって、ニップ部の上流近傍位置で転写搬送ベルトに接触配設され、転写搬送ベルトの電位を降下させる接地された電位降下手段とを有する転写装置に関する技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−63113号公報(第4頁) 特開平10−123845号公報(第3−5頁)
しかしながら、上記した特許文献1や特許文献2に記載された技術のように、転写搬送ベルトと感光体ドラムとが当接するニップ部の上流側にて、接地された除電部材(電位降下手段)を配設する構成では、転写搬送ベルト側の電位は0Vに設定されるだけである。そのため、例えば感光体ドラムの帯電電位が高く設定された場合等には、転写プレニップ領域において、転写搬送ベルトと感光体ドラムとの間の放電が抑制できる程度に、転写搬送ベルトと感光体ドラムとの間の電位差を小さくすることができないことがあり、白抜け現象の発生を抑えるには不充分であった。
加えて、例えば高湿環境下におかれた場合には、転写搬送ベルトや記録紙の抵抗値が低下するため、転写搬送ベルトに印加された転写バイアスが除電部材を介してリークし、ニップ部において充分な転写電界を形成することができないという状況も発生する。そのために、感光体ドラムから記録紙へのトナー像の転写効率が著しく低下して、所謂転写不良が生じるという不都合もあった。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、転写プレニップ領域における転写搬送ベルトと感光体ドラムとの間の放電を充分に抑制することにある。
また、他の目的は、転写搬送ベルトや記録紙の抵抗値が低下した際にも、ニップ部において充分な転写電界を形成することにある。
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、トナー像を担持するトナー像担持体と、トナー像担持体によって担持されたトナー像を転写材に転写し、転写材を搬送する転写搬送ベルトと、トナー像担持体と転写搬送ベルトとの当接部の転写材の搬送方向上流側にて転写搬送ベルトを張架する張架ロールと、転写搬送ベルトに対して電荷を付与する転写部材と、張架ロールに対して、転写部材に印加する電圧と逆極性のバイアス電圧を印加可能なバイアス電源とを備えたことを特徴としている。
ここで、バイアス電源は、張架ロールへの接続と切断とが切り替えられることを特徴とすることができる。特に、バイアス電源は、張架ロールへの接続と切断とが転写搬送ベルトの抵抗値に基づいて切り替えられる構成とすることができる。さらには、バイアス電源は、転写搬送ベルトの抵抗値が所定値よりも高い場合に、張架ロールに接続され、転写搬送ベルトの抵抗値が所定値以下の場合に、張架ロールと切断されることを特徴とすることができる。
また、張架ロールは、転写部材の転写材の搬送方向上流側近傍に配置されたことを特徴とすることができる。さらに、バイアス電源は、トナー像担持体と転写搬送ベルトとの当接部の上流側にて、転写搬送ベルトとトナー像担持体との間の放電を抑えるバイアス電圧を印加することを特徴することもできる。
また、本発明の画像形成装置は、トナー像を担持するトナー像担持体と、トナー像担持体によって担持されたトナー像を転写材に転写し、転写材を搬送する転写搬送ベルトと、転写搬送ベルトに対して電荷を付与する転写部材と、トナー像担持体と転写搬送ベルトとの当接部の転写材の搬送方向上流側にて転写搬送ベルトを張架する張架ロールと、転写部材に電流を供給する転写電源と、張架ロールにバイアス電圧を印加可能なバイアス電源とを備え、バイアス電源は、転写搬送ベルトの抵抗値が所定値よりも高い場合には、張架ロールに転写部材に印加する電圧と逆極性のバイアス電圧を印加し、転写搬送ベルトの抵抗値が所定値以下の場合には、張架ロールと切断されることを特徴としている。
ここで、転写電源の出力電圧値を検知する転写電圧検知手段と、転写電圧検知手段によって検知された転写電源の出力電圧値に基づいて、転写搬送ベルトの抵抗値を検知するベルト抵抗検知手段とをさらに備え、バイアス電源は、ベルト抵抗検知手段によって検知された転写搬送ベルトの抵抗値に基づいて、張架ロールへのバイアス電圧の印加と切断とが切り替えられることを特徴とすることができる。その際に、ベルト抵抗検知手段は、プロセススピード、温度、湿度、転写材の種類のうちのいずれか1または複数をさらに加味して、転写搬送ベルトの抵抗値を検知することを特徴とすることもできる。
また、転写電源は、定電流電源であることを特徴とすることもできる。
本発明の効果として、転写プレニップ領域における転写搬送ベルトと感光体ドラムとの間の放電を充分に抑制することことにより、白抜けのない高品質な転写画像を得ることができる。また、高湿環境下においても、ニップ部において充分な転写電界を形成することができるので、転写不良の無い良好な転写画像を得ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、矢印A方向に回転するトナー像担持体の一例としての感光体ドラム10の周囲に、感光体ドラム10を帯電する帯電器11、感光体ドラム10上に静電潜像を書込むレーザ露光器12(図中露光ビームを符号Bmで示す)、トナーが収容されて感光体ドラム10上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器13、転写部15における静電転写に先立ち感光体ドラム10上のトナー像を帯電する転写前帯電器14、感光体ドラム10上に形成されたトナー像を転写部15において転写材である記録紙(用紙)Pに転写する転写ユニット20、転写部15の下流側において感光体ドラム10に近接して配置された画像濃度の調整を行うための画像濃度センサ18、静電転写後の残留トナーの帯電量を低減するクリーニング前帯電器16、感光体ドラム10上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17等の電子写真用デバイスが配設されている。さらには、用紙Pに転写された未定着トナー像を定着する定着器60、各装置(各部)の動作を制御する制御部30を備えている。
転写ユニット20は、駆動ロール22とアイドルロール23とによって張架された転写搬送ベルト21と、転写搬送ベルト21の内側であって、感光体ドラム10と対向する位置近傍に配設され、転写搬送ベルト21を介して感光体ドラム10に圧接される転写ロール24とを備えている。そして、転写部15に搬送されてくる用紙Pに感光体ドラム10上のトナー像を転写する機能と、転写部15においてトナー像が転写された用紙Pを定着器60まで搬送する機能とを有している。
また、本実施の形態の画像形成装置は、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送された用紙Pを所定のタイミングで転写部15に送り込むレジストロール54、搬送ロール52により搬送された用紙Pをレジストロール54に導く搬送シュート53、レジストロール54から送り出された用紙Pを転写部15に導くインレットシュート55、転写ユニット20によりトナー像が転写されて搬送されてくる用紙Pを定着器60へ導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施される。画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、ガンマ補正、枠消し編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、レーザ露光器12に出力される。
レーザ露光器12では、入力された画像データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを感光体ドラム10に照射している。感光体ドラム10では、スコロトロンからなる帯電器11によって表面が所定の帯電電位(例えば、−750V)に帯電された後、このレーザ露光器12によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。
形成された静電潜像は、現像器13によりマイナス帯電されたトナーが反転現像される。すなわち、例えば重合法により作成され、形状係数SF1が100〜140のトナーと、磁性粒子からなるキャリアとが混合した現像剤を担持した現像剤担持体(現像スリーブ)13aに、図示しない電源から直流電圧からなる現像バイアス、または交流電圧に直流電圧が重畳された現像バイアスが印加されて、感光体ドラム10との間に現像電界が形成される。それによって、現像スリーブ13a上のトナーが静電潜像の画像部(露光部)に転移し、静電潜像が可視像化される。
ここで、本実施の形態の画像形成装置では、所定のサイクル毎にセットアップサイクルが実行される。すなわち、実際の画像形成動作に先立って、所定のパッチ領域が所定の条件で現像される。その際には、後段で説明するように、転写ユニット20の転写搬送ベルト21は感光体ドラム10から離隔した状態に設定される。その状態で、現像されたパッチ領域は転写部15をそのまま通過し、転写部15の下流側に配設された画像濃度センサ18によってパッチ領域のトナー像の濃度が計測される。画像濃度センサ18によって計測されたトナー濃度信号は制御部30に送られる。そして、画像濃度センサ18からの信号に基づく制御部30からの指示により、帯電器11による感光体ドラム10の帯電電位および/または現像器13に印加される現像バイアス値が調整され、所定の画像濃度が維持されるように設定されることとなる。
次に、実際の画像形成動作時おいては、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が感光体ドラム10と転写ユニット20とが当接する転写部15に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が転写部15に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経てレジストロール54に到達する。このレジストロール54においては、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された感光体ドラム10の移動タイミングに合わせてレジストロール54が回転する。それによって、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされ、用紙Pはインレットシュート55から転写部15に送り出される。
転写部15では、タイミングを合わせて搬送された用紙Pが、転写ユニット20の転写搬送ベルト21を介して感光体ドラム10と転写ロール24との間に挟み込まれる。その際に、転写ロール24にはトナーの帯電極性(ここでは、マイナス極性)と反対極性の電圧(転写バイアス)が印加されることで、転写ロール24から転写搬送ベルト21に感光体ドラム10上のトナー帯電極性とは反対極性の電荷が付与される。それにより、感光体ドラム10上に担持された未定着トナー像は、感光体ドラム10と転写ロール24とによって押圧される転写部15において、用紙P上に静電転写される。
なお、このとき、転写ロール24には最適な転写バイアスが定電流方式で印加される。また、その際の転写ロール24から供給される最適な転写電流は、プロセススピード、温度や湿度といった環境条件、用紙Pの種類等によっても異なるが、75〜120μAである。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、転写ユニット20の転写搬送ベルト21に静電吸着された状態で感光体ドラム10から剥離されて搬送され、転写ユニット20の用紙P搬送方向下流側に設けられた定着器60まで送られる。なお、用紙Pが感光体ドラム10から剥離されず、感光体ドラム10に吸着されたままの状態となった場合には、転写部15の下流側の感光体ドラム10表面近傍に配設された分離爪(不図示)によって、用紙Pは感光体ドラム10から分離され、転写搬送ベルト21に静電吸着されるように構成されている。
また、転写搬送ベルト21の定着器60側の後端部では、転写搬送ベルト21が駆動ロール22に巻き付く際の曲率、および用紙Pのコシによって、用紙Pは転写搬送ベルト21から剥離される。そして、用紙Pは、定着入口ガイド56に導かれて定着器60に搬送される。
定着器60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器60において熱および圧力による定着処理を受けることによって用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送され、一連の画像形成動作が完了する。
なお、本実施の形態の画像形成装置では、単色のトナー画像を形成する構成としたが、本発明は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を重ね合わせてカラートナー画像を形成するカラー画像形成装置に適用することも可能である。
続いて、転写ユニット20について詳細に説明する。
図2は、転写ユニット20の構成を示す断面図である。図2に示すように、転写ユニット20は、用紙Pに感光体ドラム10上のトナー像を転写するとともに、トナー像が転写された用紙Pを搬送する転写搬送手段の一例としての転写搬送部20A、転写搬送部20Aを感光体ドラム10に接離させるリトラクト機構部20B、転写搬送部20Aに付着した紙粉やトナー等の付着物を除去するクリーニング手段の一例としてのクリーニング部20C、搬送されてくる用紙Pを転写部15に導くインレットシュート部20Dで構成されている。なお、転写搬送部20Aは、駆動ロール22を揺動中心として、リトラクト機構部20Bによりアイドルロール23側が揺動するように構成され、感光体ドラム10と接離可能に構成されている。
リトラクト機構部20Bは、転写搬送部20Aの下部に配置されている。図3は、転写ユニット20から転写搬送部20Aを取り外した状態の構成を表した斜視図である。図3に示すように、リトラクト機構部20Bは、転写搬送部20Aの幅方向両端部に配設され、転写搬送部20Aのアイドルロール23を支持しながら押し上げる接離板31、両端部に接離板31が固設され、接離板31を揺動させるリンクシャフト32、リンクシャフト32の中央部に連結された揺動アーム33、揺動アーム33を揺動駆動する直流ソレノイド34により構成されている。かかるリトラクト機構部20Bでは、直流ソレノイド34に電流が流されると、直流ソレノイド34は揺動アーム33を押し下げる方向に移動させる。それによって、揺動アーム33に連結されたリンクシャフト32は回転し、リンクシャフト32の両端部に固設された接離板31は上方に揺動する。
転写ユニット20においては、上述したパッチ領域のトナー像濃度の計測時(セットアップサイクル)や画像形成装置の待機時には、リトラクト機構部20Bによって、転写搬送部20Aは感光体ドラム10から離隔した状態に設定されている。図4は、転写搬送部20Aが感光体ドラム10から離隔した状態を表した図である。図4に示すように、画像形成装置のセットアップサイクルや待機時においては、リトラクト機構部20Bの直流ソレノイド34に電流が通電されておらず、直流ソレノイド34に接続された揺動アーム33は押し上げられた位置に設定されている。そのため、揺動アーム33に連結されたリンクシャフト32は、リンクシャフト32の両端部に固設された接離板31を下方に位置させる。転写搬送部20Aのアイドルロール23は両端部が接離板31に支持されているので、接離板31により転写搬送部20Aは感光体ドラム10から離隔した状態に設定される。
一方、通常の画像形成動作時においては、リトラクト機構部20Bによって、転写搬送部20Aは感光体ドラム10に当接した状態に設定される。図5は、転写搬送部20Aが感光体ドラム10に当接した状態を表した図である。画像形成動作時には、レジストロール54まで給紙されて待機していた用紙Pが、レジストロール54により、トナー像が担持された感光体ドラム10の移動タイミングに合わせて送り出される。その際に、インレットシュート55に導かれて用紙Pの先端が感光体ドラム10と転写搬送ベルト21との当接部近傍まで到達したことをセンサ(不図示)によって検知する。そして、このセンサからの信号を制御部30が入力すると、制御部30はリトラクト機構部20Bの直流ソレノイド34をオンし、通電が開始される。それによって、直流ソレノイド34は揺動アーム33を押し下げる方向に移動させる。揺動アーム33が押し下げられると、揺動アーム33に連結されたリンクシャフト32は回転して、リンクシャフト32の両端部に固設された接離板31は上方に揺動する。そして、両端部が接離板31に支持された転写搬送部20Aのアイドルロール23は、感光体ドラム10に当接した状態に設定される。その際に、感光体ドラム10と転写搬送ベルト21との当接部には、転写ニップ部Nが形成される。
転写搬送部20Aが感光体ドラム10に当接すると、駆動ロール22の回転駆動により搬送される転写搬送ベルト21上の用紙Pは、感光体ドラム10と転写搬送ベルト21との転写ニップ部Nに進入し、転写ロール24に転写電源(不図示)からトナー帯電極性(マイナス極性)とは反対極性(プラス極性)の転写バイアスが印加されることで、転写搬送ベルト21には感光体ドラム10上のトナー帯電極性とは反対極性の電荷が付与される。そして、感光体ドラム10上のトナーが用紙Pに転写される。その後、用紙Pは転写搬送ベルト21に静電吸着された状態で搬送され、定着器60に送られる。
次に、クリーニング部20Cは、図2に示したように、転写搬送部20Aの転写搬送ベルト21表面上に付着した紙粉やトナー等の付着物を拭き取るクリーニングブラシ41、クリーニングブラシ41に付着した付着物を叩き落すべく、クリーニングブラシ41に食い込むように当接して配置されたフリッカーバー42、転写搬送ベルト21の搬送方向におけるクリーニングブラシ41の下流側に配設され、転写搬送ベルト21表面上の付着物を掻き取るクリーニングブレード43、クリーニングブラシ41およびクリーニングブレード43により転写搬送ベルト21表面から除去された紙粉やトナー等を受けるクリーニングボックス44、クリーニングボックス44内の紙粉やトナー等を回収ボトル(不図示)へ搬送する回収コイル45、クリーニングブレード43を保持するブレードホルダ46により構成されている。
クリーニングブラシ41は、表面に例えば太さが10デニール、繊維密度が30K/inchであるカーボン分散のポリエステル繊維(抵抗4.0〜6.0logΩ)が形成されたブラシロールであり、転写搬送ベルト21の搬送方向と順方向に回転するように構成されている。また、クリーニングブレード43は、例えば厚さ1mmのウレタンゴムからなる板状部材であり、転写搬送ベルト21に対して当接角23°、当接圧1.5g/mmでカウンタ当接している。そして、クリーニングブラシ41は、転写搬送ベルト21表面上に付着した紙粉やトナー等の付着物を拭き取り、大部分の付着物を転写搬送ベルト21表面上からクリーニングボックス44に回収する。さらに、クリーニングブラシ41の下流側に配置されたクリーニングブレード43は、クリーニングブラシ41によって拭き取りきれなかった付着物を掻き取って、クリーニングボックス44に回収する。特に、トナーとして小粒径の重合トナーが用いられた場合のように、付着物の転写搬送ベルト21への付着力が強い場合には、クリーニングブラシ41との接触による付着力低減効果と、クリーニングブレード43の掻き取り効果との相乗効果によって、付着物を充分に除去することができる。
また、回収コイル45は、図2中の矢印Cの方向に回転しながらクリーニングボックス44内の紙粉やトナー等を回収ボトル(不図示)へ搬送する。回収コイル45は、矢印Cの方向、すなわちクリーニングボックス44の底面において回収された紙粉やトナー等を定着器60側から離れる方向(転写搬送ベルト21の用紙Pを搬送する方向における上流側)に移動させるように回転することで、紙粉やトナー等はクリーニングボックス44内の定着器60側とは反対側の側壁44aに沿って搬送される。そのため、回収されたトナーは定着器60からの熱を受け難く、トナー同士の融着を抑えることができるので、回収された紙粉やトナー等をスムーズに回収ボトルまで搬送することが可能である。
さらに、インレットシュート部20Dは、転写ユニット20において転写搬送部20Aの上流側に配置され、ハウジング80に一体的に接合されている。そして、感光体ドラム10を支持する感光体ドラムユニットに一体的に構成された感光体ドラムインレットシュート55a、およびレジストロール54を支持するレジストロールユニット54a(図1参照)に一体的に構成されたレジストロールインレットシュート55b(図1参照)からなるアッパーインレットシュートと組み合わされて、インレットシュート55を構成している。この場合には、インレットシュート部20Dはインレットシュート55のロアインレットシュートを構成する。すなわち、インレットシュート55は別体のアッパーインレットシュートとロアインレットシュートとにより構成され、ロアインレットシュートはインレットシュート部20Dとして転写ユニット20に一体的に構成されている。
そして、かかるインレットシュート55は、レジストロール54から搬送されてくる用紙Pの一方の面(下面)をインレットシュート部20Dで支持し、他方の面(上面)を感光体ドラムインレットシュート55aおよびレジストロールインレットシュート55bで規制しながら、転写部15における感光体ドラム10と転写搬送ベルト21との転写ニップ部Nに、傾くことなく正確な姿勢を維持しながら搬入する。
次に、転写搬送部20Aについて説明する。
図2において、転写ユニット20の転写搬送部20Aは、感光体ドラム10の軸方向に亘って配設された転写搬送ベルト21、転写搬送ベルト21を張架して矢印B方向へ回転駆動する駆動ロール22、転写搬送ベルト21を張架して所定のテンションを付与するアイドルロール23、感光体ドラム10に対向して配設され、転写搬送ベルト21に転写電流を供給する転写ロール24により構成されている。
転写搬送ベルト21は、例えばクロロプレンをベースとするゴム層と、ウレタンを主成分とする樹脂にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を分散させたものをコーティングさせた表面層とからなる2層で構成されたエンドレスベルトである。また、転写搬送ベルト21の表面は、表面粗さRzが2.0μm以下に形成されている。そして、転写搬送ベルト21は、画像形成装置本体側の駆動モータ(不図示)からカップリングによって駆動が伝達されるように構成された駆動ロール22によって、感光体ドラム10の表面速度と等速に矢印Bの方向に回動する。
また、転写ロール24は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部がカーボンを分散したEPDMの発泡ゴムからなるロールで形成され、硬度は例えば20〜50°(アスカーC:4.9N荷重)に設定されている。さらに、抵抗は5.0〜7.0logΩに設定されている。そして、転写ロール24には、転写電源70が接続されており、転写電源70からトナー帯電極性(マイナス極性)とは反対極性(プラス極性)の転写バイアスが安定的に印加される。それにより、転写ロール24から転写搬送ベルト21に対し、感光体ドラム10上のトナー帯電極性とは反対極性の電荷が付与される。
ここで、転写電源70は、一定電流を出力するように制御された定電流電源であり、転写電源70には、その際の出力電圧を常時モニターする転写電圧検知部73が接続されている。
さらに、アイドルロール23は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部がカーボンを分散したEPDMの発泡ゴムからなるロールで形成され、硬度は例えば20〜50°(アスカーC:4.9N荷重)に設定されている。さらに、抵抗は5.0〜7.0logΩに設定されている。そして、アイドルロール23は、転写ロール24の上流側近傍位置に配設されており、インレットシュート55から搬送された用紙Pを、アイドルロール23に巻き付いた転写搬送ベルト21上で受け取り、感光体ドラム10と転写搬送ベルト21とが当接する転写ニップ部Nに導く。
また、アイドルロール23には、ロール電源(バイアス電源)71が接続されており、ロール電源71から、転写ロール24に印加される転写バイアスとは逆極性(マイナス極性)である所定値(例えば、−2.5kV)のバイアス電圧を印加することができる。さらに、アイドルロール23とロール電源71との間にはスイッチ72が設けられ、ロール電源71からアイドルロール23へのバイアス電圧の供給を、ON(接続)/OFF(切断)を制御することが可能に構成されている。
このような構成により、画像形成動作中においては、転写電源70から転写ロール24に転写バイアスが印加されて、感光体ドラム10上のトナー像は用紙Pに転写される。その際に、転写電源70における出力電圧が転写電圧検知部73によってモニターされ、この転写電圧検知部73によってモニターされた出力電圧に関するデータは、制御部30(図1参照)に送信される。
ここで、転写電圧検知部73によってモニターされた転写電源70の出力電圧により、制御部30では、転写搬送ベルト21の抵抗値を検知することができる。すなわち、上述したように、転写電源70は定電流電源で構成されているため、転写搬送ベルト21の抵抗が高くなると、転写電源70から所定の電流量を供給するための電圧は増加する。他方、転写搬送ベルト21の抵抗が低くなると、転写電源70から所定の電流量を供給するための電圧は減少する。したがって、転写電源70の出力電圧をモニターすることにより、転写電源70の出力電圧が高い場合には、転写搬送ベルト21の抵抗値が高く、転写電源70の出力電圧が低い場合には、転写搬送ベルト21の抵抗値が低いというように、転写搬送ベルト21の抵抗を検知することが可能である。
そして、アイドルロール23では、制御部30において、転写電源70の出力電圧が所定値を超えていると判断された場合には、アイドルロール23に接続されたスイッチ72はONに制御されて、ロール電源71からアイドルロール23にバイアス電圧が印加される。一方、制御部30において、転写電源70の出力電圧が所定値以下と判断された場合には、アイドルロール23に接続されたスイッチ72はOFFに制御されて、ロール電源71からアイドルロール23へのバイアス電圧の印加が停止される。
なお、アイドルロール23に接続されたスイッチ72をOFFに設定した場合には、アイドルロール23はフロート状態に設定されるが、スイッチ72をOFFするとともに、アイドルロール23を高抵抗(例えば、数〜数10MΩ)に接続するように構成してもよい。
このように、転写電圧検知部73によってモニターされた出力電圧に基づいて、ロール電源71からアイドルロール23に供給するバイアス電圧を、スイッチ72を用いてON/OFF制御することにより、転写搬送ベルト21の抵抗値が所定値よりも高い(転写電源70の出力電圧が所定値よりも高い)場合には、アイドルロール23にバイアス電圧を供給して、アイドルロール23が配置された転写ニップ部Nの入口領域(転写プレニップ領域)における転写搬送ベルト21の電位をマイナス電位に設定することができる。それによって、転写搬送ベルト21と感光体ドラム10との電位差を放電可能電圧以下に小さくすることができる。その際に、転写搬送ベルト21の電位を単に接地(0V)するのとは異なり、マイナス電位に設定することにより、転写搬送ベルト21または用紙Pと感光体ドラム10との電位差を積極的に近づけることができ、確実に放電可能電圧以下の電位差を実現することが可能となる。
このようにして、転写搬送ベルト21の抵抗が所定値よりも高い場合に、転写プレニップ領域において、転写搬送ベルト21または用紙Pと感光体ドラム10との間の放電の発生を抑制することが可能となる。そのため、感光体ドラム10上に担持されたトナーは、電荷量が減少したり、さらにはトナー電荷がプラスに反転することがなく、転写ニップ部Nにおいて、感光体ドラム10から用紙Pへ転写したトナーが再度感光体ドラム10に再転写される所謂白抜け現象の発生を抑えることが可能となる。
なお、この場合には、転写搬送ベルト21の抵抗は高いので、転写搬送ベルト21からアイドルロール23を介して転写電流がリークすることはなく、転写不良が生じることはない。
一方、転写搬送ベルト21の抵抗が所定値以下に低い(転写電源70の出力電圧が所定値以下に低い)場合には、スイッチ72をOFFに制御してアイドルロール23を非接続状態に設定することで、転写プレニップ領域において転写電流が転写搬送ベルト21からアイドルロール23を介してリークすることを抑制することができる。それにより、転写ニップ部Nにおいて、転写搬送ベルト21と感光体ドラム10との間で充分な転写電界を確保することが可能となる。そのため、例えば高湿環境下においても、感光体ドラム10上に担持されたトナーは、転写効率が低下することなく、用紙Pへの転写を行うことが可能となり、転写不良の発生を抑えることができる。
また、この場合には、転写搬送ベルト21の抵抗値が低いために転写電源70の出力電圧が低く設定されることから、転写プレニップ領域において、転写搬送べルト21と感光体ドラム10との電位差が、放電が生じる程度まで大きくならず、白抜けも抑制することができる。
ここで、本実施の形態の転写ユニット20における白抜けおよび転写不良を評価するため、以下のような実験を行なった。
画像形成装置を高温高湿環境(温度:28℃、湿度:85%)下に設置し、プロセススピードを400mm/sec、アイドルロール23に接続されたロール電源71のバイアス電圧値を、このプロセススピードに最適化された定電圧−2.5kVとし、転写電源70から転写ロール24に供給する定電流値を、このプロセススピードおよび環境に最適化された85μAに設定した。そして、抵抗値(JIS−K6911に準拠して測定した値)の異なる転写搬送ベルト21を用意し、それぞれの転写搬送ベルト21について、ロール電源71からのアイドルロール23へのバイアス電圧の印加をON/OFFして、白抜けおよび転写不良の発生の有無を評価した。その結果を示したものが、図6である。
図6に示したように、転写搬送ベルト21の抵抗値が第1の特定値(6.8logΩ)以上では、アイドルロール23へのバイアス電圧の印加をONすることにより、白抜けの発生を抑制することができた。その一方で、アイドルロール23へのバイアス電圧の印加をOFFすると、白抜けが発生した。このように、転写搬送ベルト21の抵抗値が第1の特定値(6.8logΩ)以上において、アイドルロール23へバイアス電圧を印加することにより、転写プレニップ領域での放電の発生が抑えられるので、感光体ドラム10上に担持されたトナーの電荷が反転されることが殆どなく、白抜けのない良好な転写を行うことができる。なお、この場合には、転写搬送ベルト21の抵抗値が充分に高いため、転写電流がアイドルロール23を介してリークすることはなく、転写不良のレベルも良好である。
また、転写搬送ベルト21の抵抗値が第2の特定値(6.6logΩ)以下では、アイドルロール23へのバイアス電圧の印加をONすることにより、転写不良が発生する。これに対し、アイドルロール23へのバイアス電圧の印加をOFFすると、転写不良の発生を抑制することが可能となる。このように、転写搬送ベルト21の抵抗値が第2の特定値(6.6logΩ)以下において、スイッチ72をOFFしてアイドルロール23を非接続状態に設定することにより、アイドルロール23を介した転写電流のリークを抑えることができるので、転写不良の発生が抑制され、用紙Pへの良好な転写を行うことができる。
なお、この場合には、転写搬送ベルト21の抵抗値が低いために転写電源70の出力電圧が低く設定されることから、転写プレニップ領域において、転写搬送べルト21と感光体ドラム10との電位差が、放電が生じる程度まで大きくならず、白抜けも良好なレベルとなる。
このように、例えば画像形成装置が設置された周辺雰囲気等により、転写搬送ベルト21の抵抗値が変化しても、本実施の形態のようなアイドルロール23の電位切替を行うことにより、白抜けおよび転写不良のない良好な転写画像を確実に得ることができる。このような結果は、その他の雰囲気条件、画像形成装置の他の設定条件においても、ほぼ同様であることが、実験により確認されている。
ところで、上記の実験においては、抵抗値が第2の特定値(6.6logΩ)〜第1の特定値(6.8logΩ)の転写搬送ベルト21を用いた場合に、転写ロール24に接続された転写電源70における出力電圧は、450V程度であった。したがって、転写電源70の出力電圧が450V以上である場合には、制御部30は、転写搬送ベルト21の抵抗値が第1の特定値(6.8logΩ)以上であると判断して、アイドルロール23の電位切替を行うことができる。また、転写電源70の出力電圧が450Vより低い場合には、転写搬送ベルト21の抵抗値が第2の特定値(6.6logΩ)以下であると判断して、アイドルロール23の電位切替を行うことができる。
なお、上記の実験の際に設定した条件の下においては、抵抗値が第2の特定値(6.6logΩ)〜第1の特定値(6.8logΩ)の転写搬送ベルト21を用いた場合に、転写ロール24に接続された転写電源70における出力電圧は、450V程度であった。しかし、この転写電源70の出力電圧は、例えば、プロセススピードや用紙Pの種類等といった様々な要因によって異なる値となる。そのため、周辺雰囲気、プロセススピード、選択された用紙Pの種類等に基づいて、アイドルロール23へのバイアス電圧の印加をON/OFFする基準となる転写電源70の出力電圧は、それぞれ異なる値に設定されることとなる。
また、本実施の形態におけるアイドルロール23の電位切替は、転写搬送ベルト21の抵抗値が画像形成装置の長期に亘る使用によって変動した場合にも、白抜けや転写不良のない良好な転写画像を形成するために有効である。
図7は、初期抵抗値が6.7logΩである転写搬送ベルト21を用いて、高温高湿環境(温度:28℃、湿度:85%)下におけるランニング試験を行なった際の、転写搬送ベルト21の抵抗値の変化を示した図である。なお、このランニング試験においては、プロセススピードを400mm/sec、転写電源70から転写ロール24に供給する定電流値を、このプロセススピードおよび環境に最適化された85μAに設定した。
図7に示したような抵抗値が変化する転写搬送ベルト21においては、ランニング試験の初期から、転写プレニップ領域において、転写搬送べルト21と感光体ドラム10との間で放電が生じ、白抜けが発生した。そこで、アイドルロール23にロール電源71から−2.5kVを印加した。それにより、放電による白抜けを抑えることができた。
その後、プリント枚数が約200kpv(kilo print volume)を経過したところで、転写不良が発生した。その際の転写搬送ベルト21の抵抗値は5.8logΩに低下していた。そこで、スイッチ72をOFFして、アイドルロール23をフロート状態にしたところ、転写不良の発生を抑えることができた。なお、プリント枚数600kpvの経過時には、転写搬送ベルト21の抵抗値は5.5logΩまで低下していたが、スイッチ72をOFFすることで転写不良の発生は認められなかった。
このように、転写搬送ベルト21の抵抗値が画像形成装置の長期に亘る使用によって変動した場合においても、例えば上記したランニング試験で用いた転写搬送ベルト21では、転写搬送ベルト21の抵抗値を転写電源70の出力電圧により検知し、転写搬送ベルト21の抵抗値が6.0logΩ以上の場合に、アイドルロール23にロール電源71から−2.5kVを印加し、転写搬送ベルト21の抵抗値が6.0logΩより低くなった場合に、スイッチ72をOFFしてアイドルロール23を非接続状態とすることで、常に白抜けおよび転写不良のない良好な転写画像を形成することが可能となる。
さらにまた、本実施の形態の画像形成装置では、転写搬送ベルト21の抵抗値に基づいて、アイドルロール23へのバイアス電圧をON/OFF制御するので、転写搬送ベルト21の抵抗値に多少のばらつきがあっても、転写搬送ベルト21として使用することが可能となる。それにより、製造時において転写搬送ベルト21の抵抗値のばらつきのラチチュードを広げることができる。そのため、転写搬送ベルト21の製造条件を緩和することができるので、転写搬送ベルト21の製造コストを低減することも可能となる。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置では、転写搬送ベルト21の抵抗値を転写電源70の出力電圧により検知し、転写搬送ベルト21の抵抗値に基づいて、アイドルロール23へのバイアス電圧をON/OFF制御することにより、転写プレニップ領域における転写搬送ベルト21と感光体ドラム10との間の放電を抑えることができる。そのため、白抜けの発生を抑制することが可能となる。その際には、アイドルロール23へ供給するバイアス電圧は、感光体ドラム10の表面電位と同極性であるので、転写搬送ベルト21と感光体ドラム10との電位差を積極的に近づけることができ、確実に放電可能電圧以下の電位差を実現することが可能となる。
さらに、転写搬送ベルト21の抵抗値が所定値以下になった場合に、アイドルロール23へのバイアス電圧をOFFして、アイドルロール23を非接続状態とすることにより、転写搬送ベルト21からアイドルロール23を介して転写電流がリークすることを抑制することができる。それにより、転写ニップ部Nにおいて、転写搬送ベルト21と感光体ドラム10との間で充分な転写電界を確保することが可能となる。そのため、例えば高湿環境下においても、感光体ドラム10上に担持されたトナーは、転写効率が低下することなく、用紙Pへの転写を行うことが可能となり、転写不良の発生を抑えることが可能となる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、さらにはこれらの複合機等への適用がある。
本発明の画像形成装置の概略構成図である。 転写ユニットの構成を示す断面図である。 転写搬送部を取り外した状態の転写ユニットの構成を表した斜視図である。 転写搬送部が感光体ドラムから離隔した状態を表した図である。 転写搬送部が感光体ドラムに当接した状態を表した図である。 転写ユニットにおける白抜けおよび転写不良を評価した結果を示した図である。 ランニング試験を行なった際の転写搬送ベルトの抵抗値の変化を示した図である。
符号の説明
10…感光体ドラム、11…帯電器、12…レーザ露光器、13…現像器、15…転写部、17…ドラムクリーナ、20…転写ユニット、20A…転写搬送部、20B…リトラクト機構部、20C…クリーニング部、20D…インレットシュート部、21…転写搬送ベルト、22…駆動ロール、23…アイドルロール、24…転写ロール、30…制御部、31…接離板、32…リンクシャフト、33…揺動アーム、34…直流ソレノイド、54…レジストロール、54a…レジストロールユニット、55…インレットシュート、60…定着器、70…転写電源、71…ロール電源、72…スイッチ、73…転写電圧検知部、80…ハウジング

Claims (10)

  1. トナー像を担持するトナー像担持体と、
    前記トナー像担持体によって担持されたトナー像を転写材に転写し、当該転写材を搬送する転写搬送ベルトと、
    前記トナー像担持体と前記転写搬送ベルトとの当接部の前記転写材の搬送方向上流側にて当該転写搬送ベルトを張架する張架ロールと、
    前記転写搬送ベルトに対して電荷を付与する転写部材と、
    前記張架ロールに対して、前記転写部材に印加する電圧と逆極性のバイアス電圧を印加可能なバイアス電源と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記バイアス電源は、前記張架ロールへの接続と切断とが切り替えられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記バイアス電源は、前記張架ロールへの接続と切断とが前記転写搬送ベルトの抵抗値に基づいて切り替えられることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記バイアス電源は、前記転写搬送ベルトの抵抗値が所定値よりも高い場合に、前記張架ロールに接続され、当該転写搬送ベルトの抵抗値が所定値以下の場合に、前記張架ロールと切断されることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記張架ロールは、前記転写部材の前記転写材の搬送方向上流側近傍に配置されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記バイアス電源は、前記トナー像担持体と前記転写搬送ベルトとの当接部の上流側にて、当該転写搬送ベルトと前記トナー像担持体との間の放電を抑える前記バイアス電圧を印加することを特徴する請求項1記載の画像形成装置。
  7. トナー像を担持するトナー像担持体と、
    前記トナー像担持体によって担持されたトナー像を転写材に転写し、当該転写材を搬送する転写搬送ベルトと、
    前記転写搬送ベルトに対して電荷を付与する転写部材と、
    前記トナー像担持体と前記転写搬送ベルトとの当接部の前記転写材の搬送方向上流側にて当該転写搬送ベルトを張架する張架ロールと、
    前記転写部材に電流を供給する転写電源と、
    前記張架ロールにバイアス電圧を印加可能なバイアス電源とを備え、
    前記バイアス電源は、前記転写搬送ベルトの抵抗値が所定値よりも高い場合には、前記張架ロールに前記転写部材に印加する電圧と逆極性のバイアス電圧を印加し、前記転写搬送ベルトの抵抗値が所定値以下の場合には、前記張架ロールと切断されることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記転写電源の出力電圧値を検知する転写電圧検知手段と、当該転写電圧検知手段によって検知された当該転写電源の出力電圧値に基づいて、前記転写搬送ベルトの抵抗値を検知するベルト抵抗検知手段とをさらに備え、
    前記バイアス電源は、前記ベルト抵抗検知手段によって検知された前記転写搬送ベルトの抵抗値に基づいて、前記張架ロールへの前記バイアス電圧の印加と切断とが切り替えられることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記ベルト抵抗検知手段は、プロセススピード、温度、湿度、前記転写材の種類のうちのいずれか1または複数をさらに加味して、前記転写搬送ベルトの抵抗値を検知することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 前記転写電源は、定電流電源であることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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