JP2006090836A - 測定装置 - Google Patents

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勝明 村石
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Abstract

【課題】 センサユニットを測定ステージに搬送する搬送機構をローコストでかつ高精度で提供する。
【解決手段】 搬送機構は、一対の爪94,95でセンサユニットを挟持位置で挟持し、してセンサユニットを測定ステージに直線的に搬送する。一対の爪94,95は、ヘッド本体82aに設けられ、測定ステージから挟持位置への移動方向に沿う下流側に設けた一方の爪94に対して上流側に設けた他方の爪96が接近又は離反する方向に移動自在に設けられ、他方の爪95がバネ97により一方の爪94に接近する方向に向けて付勢されている。挟持位置には、他方の爪95に設けた突部99に当接する係合部98が配されている。係合部98は、ヘッド本体82aが挟持位置に戻る前に突部99に当接して、その後のヘッド本体82aの挟持位置への移動により他方の爪95を一方の爪94から離反させて一対の爪94,95の間にセンサユニットの挿入を許容する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、リガンドとアナライトの反応状況を測定する表面プラズモン共鳴現象を利用して測定する測定装置に用いられ、リガンドを固定する金属膜とアナライトを送液するための流路とを一体化したセンサユニットを測定位置に搬送する搬送機構に関するものである。
金属中では、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。プラズモンとは、この粗密波を量子化した表現であり、このうち、金属の表面に発生する粗密波が表面プラズモンと呼ばれる。この表面プラズモンは金属の表面に沿って進む。表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance)現象を利用した測定装置(以下、SPR測定装置という)は、金属膜の一方の面をセンサ面として、このセンサ面に表面プラズモン共鳴(以下、SPRという)を発生させ、そこで生じる物質の反応状況を表面プラズモン共鳴現象を検出することにより測定する装置である。
金属膜のセンサ面の裏面から、全反射条件を満足するように(臨界角以上の入射角で)光を照射すると、その光入射面において全反射が起こるが、入射光のうちわずかな光は反射せずに金属膜内を通過して、センサ面に染み出す。この染み出した光波がエバネッセント波と呼ばれる。このエバネッセント波と表面プラズモンの振動数が一致して共鳴すると(SPRが発生すると)、反射光の強度が大きく減衰する。SPR測定装置は、前記光入射面で反射する反射光の減衰を捉えることにより、その裏側のセンサ面で発生するSPRを検出する。
SPRを発生させるための光の入射角(共鳴角)は、エバネッセント波および表面プラズモンが伝播する媒質の屈折率に依存する。言い換えると、媒質の屈折率が変化すれば、SPRを発生させる共鳴角が変化する。センサ面と接する物質は、エバネッセント波および表面プラズモンを伝播させる媒質となるので、例えば、センサ面において、2種類の分子間の結合や解離などの化学反応が生じると、それが媒質の屈折率の変化として顕れて、共鳴角が変化する。SPR測定装置は、この共鳴角の変化を捉えることにより分子間の相互作用を測定する。
このSPR測定装置は、例えば、タンパク質やDNAなどの生化学物質の相互作用を調べたり、薬品のスクリーニングを行ったりするなど、生化学分野を代表とした各種研究に用いられる。生化学分野の研究においては、タンパク質、DNA、薬品などが、リガンドやアナライトとして使用される。例えば、薬品のスクリーニングを行う場合には、リガンドとして、タンパク質などの生体物質を使用し、このセンサ面にアナライトとなる複数種類の薬品を接触させて、それらの相互作用を調べる。
下記特許文献1に記載のSPR測定装置は、金属膜に光を入射させるための光学系として、Kretschmann配置を採用している。Kretschmann配置では、金属膜の光入射面と、この光入射面に向けて全反射条件を満足するように照射された光を集光するプリズムとが接合される。センサ面には、リガンドが固定され、センサ面と対向する位置には、アナライトを流す流路が配置される。この流路にアナライトを送液して、アナライトとリガンドとを接触させ、そのときのSPRの発生を検出することによりそれらの相互作用が測定される。
下記特許文献1記載のSPR測定装置では、装置本体にプリズムと流路とが配置された測定ステージが設けられており、この測定ステージに、前記プリズムと屈折率が等しいガラス基板上に金属膜を形成した略平板上のチップ型のSPRセンサ(以下、単にチップ型センサという)を装着して、測定が行われる。このチップ型センサは、前記装置本体に着脱自在であり、センサ面と装置本体の流路とが対向し、光入射面とプリズムとが対向するように、装着される。測定を行う前には前処理として、チップ型センサの金属膜上にリガンドを固定する処理(リガンド固定処理)が行われるが、下記特許文献1記載のSPR装置では、このリガンド固定処理についても、チップ型センサを測定ステージに装着した状態で行われる。
このチップ型センサは、センサ面が露出されており、前記流路は、センサ面と対向する部位が開放されている。このため、チップ型センサが測定ステージに装着されると、センサ面によって流路の開放部位が覆われて、流路が密閉される。これにより、流路への送液が可能となる。こうした状態で、流路へリガンドを注入して固定処理が行われ、引き続きアナライトが注入されて測定処理が行われる。
特開平6−167443号公報
しかしながら、チップ型センサを用いて上述した方法で測定する場合、通常、1つのセンサについて固定処理と測定処理を続けて行うため、複数のセンサに対して測定を行う場合には、測定処理の作業効率(スループット)を上げることができない。すなわち、固定処理は測定ステージで行われるので、固定を行っている間、当該測定ステージで測定処理を行うことはできないので、1つのセンサに対する測定処理の時間は、固定処理時間が律速となり、スループットを上げることができない。固定処理は、測定処理に比べて非常に時間がかかるので、これに対する対策が強く望まれていた。
そこで、測定処理のスループットを向上させるために、複数のセンサに対して一括して固定を行い、その後、固定済みの複数のセンサについて順次測定処理を行う方法が考えられる。この場合には、センサを測定ステージに装着して固定を行い、固定が完了した固定済みのセンサを、測定を行わずにいったん測定ステージから取り外し、未固定のセンサを測定ステージに装着して固定を行う。こうした作業を繰り返して、複数のセンサに対する固定が行われる。その後、固定済みのセンサを測定ステージに順次再装着して、それぞれについて測定処理が行われる。こうすれば、時間のかかる固定処理を測定処理の前にまとめて行っておくことができるので、測定処理のスループットを向上させることができる。
しかし、測定処理では、チップ型センサを一々に取り出して測定していたのでは手間がかかり、作業効率が低下する。そこで、チップ型センサを自動的にハンドリングして測定位置に搬送する機構を採用することが望まれている。このようなハンドリング機構を有する搬送装置としては、一般的にロボットハンドやZXY座標型ロボットなどが知られているが、このようなものを採用すると、位置決め精度が高い点においては申し分ないものの、構造が複雑で高価となってしまう。
本発明は、簡単なハンドリング構造で、高精度な位置決めが行える搬送機構を有する測定装置を提供することを目的とする。
本発明の測定装置に用いる搬送機構は、一方の面に試料を固定したセンサ面の裏面を光入射面となる薄膜が形成された透明な誘電体と、前記センサ面と対向する位置に配置され前記試料を含む溶液が送液される流路部材とを一体化したセンサユニットが複数収納されるホルダをセットする待機ステージから押し上げ機構によりセンサユニットを1個ずつ挟持位置に押し上げた後に、前記センサユニットを挟持位置から測定ステージに搬送するものであり、移動手段により前記挟持位置と測定ステージとの間で直線的に移動するヘッド本体と;前記測定ステージから挟持位置に移動する一方向に沿う下流側に設けた一方の爪、並びに、前記一方向に沿う上流側に設けられ、バネにより前記一方の爪に接近する方向に向けて付勢されている他方の爪とからなり、前記ヘッド本体の移動方向の両側に取り付けられている一対の爪と;前記一方向に移動して前記ヘッド本体が挟持位置に戻る前に、前記他方の爪の一部に当接し、その後のヘッド本体の挟持位置への移動により他方の爪を一方の爪から、前記一対の爪の間隔が前記センサユニットの前記移動方向に沿った長さ以上となるように離反させる係合部と;から構成したものである。
押し上げ機構としては、センサユニットを、挟持位置で待機している一対の爪の間に下方から押し上げて挿入するとともに、その挿入位置でセンサユニットを、前記他方向への取り出しを許容した状態で、支持するようにするのが望ましい。
本発明の測定装置では、流路部材及び誘電体とを一体に設けたセンサユニットを一対の爪で挟んで保持する簡単なハンドリングメカを採用しつつ、ヘッド本体の移動を利用して位置決めの基準となる一方の爪に対して他方の爪をバネ付勢で寄せて挟持する構成としたから、高精度の位置決めが可能となる。
図1に示すように、SPRを利用した測定方法は、大きく分けて、固定工程と、測定処工程(データ読み取り工程)と、データ解析工程との3つの工程からなる。SPR測定装置は、固定工程を行う固定機10と、測定工程を行う測定機11と、測定機11によって得られたデータを解析するデータ解析機91(図4参照)からなる。
測定は、SPRセンサであるセンサユニット12を用いて行われる。センサユニット12は、SPRが発生するセンサ面13aとなる金属膜13と、このセンサ面13aの裏面の光入射面13bと接合されるプリズム14と、前記センサ面13aと対向して配置され、リガンドやアナライトが送液される流路16とを備えている。
金属膜13としては、例えば、金が使用され、その膜厚は、例えば、500オングストロームである。この膜厚は、金属膜の素材、照射される光の発光波長などに応じて適宜選択される。プリズム14は、光入射面13bに向けて、全反射条件を満たすように照射された光を集光する。流路16は、略U字形に屈曲された送液管であり、液体を注入する注入口16aと、それを排出する排出口16bとを持っている。流路16の管径は、例えば、約1mm程度であり、注入口16aと排出口16bの間隔は、例えば、約10mm程度である。
また、流路16の底部は、開放されており、この開放部位はセンサ面13aによって覆われて密閉される。これら流路16とセンサ面13aによってセンサセル17が構成される。後述するように、センサユニット12は、こうしたセンサセル17を複数個備えている(図2参照)。
固定工程は、センサ面13aにリガンドを固定する工程である。固定工程は、センサユニット12を固定機10にセットして行われる。固定機10には、1対のピペット19a,19bからなるピペット対19が設けられている。ピペット対19は、各ピペット19a,19bが、注入口16aと排出口16bのそれぞれに挿入される。各ピペット19a,19bは、それぞれが流路16への液体の注入と、流路16からの吸い出しを行う機能を備えており、一方が注入動作を行っているときには、他方が吸い出し動作を行うというように、互いに連動する。このピペット対19を用いて、注入口16aから、リガンドを溶媒に溶かしたリガンド溶液21が注入される。
センサ面13aのほぼ中央部には、リガンドと結合するリンカー膜22が形成されている。このリンカー膜22は、センサユニット12の製造段階において予め形成される。リンカー膜22は、リガンドを固定するための固定基となるので、固定するリガンドの種類に応じて適宜選択される。
リガンド溶液21を注入するリガンド固定化処理を行う前に、前処理として、まず、リンカー膜22に対して、固定用バッファ液を送液してリンカー膜22を湿らせた後、リンカー膜22へリガンドが結合しやすくするためにリンカー膜22の活性化処理が施される。例えば、アミンカップリング法では、リンカー膜22としてカルボキシメチルデキストランが使用され、リガンド内のアミノ基をこのデキストランに直接共有結合させる。この場合の活性化液としては、N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)とN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)との混合液が使用される。この活性化処理の後、固定用バッファによって流路16が洗浄される。
固定用バッファや、リガンド溶液21の溶媒(希釈液)としては、例えば、各種のバッファ液(緩衝液)の他、生理的食塩水に代表される生理的塩類溶液や、純水が使用される。これらの各液の種類、ph値、混合物の種類及びその濃度等は、リガンドの種類に応じて適宜決められる。例えば、リガンドとして生体物質を使用する場合には、phを中性付近に調整した生理的食塩水が使用される場合が多い。しかし、上記アミンカップリング法では、リンカー膜22は、カルボキシメチルデキストランにより負(マイナス)に帯電するので、このリンカー膜22と結合しやすいようにタンパク質を陽(プラス)に帯電させるため、生理的とはいえない高濃度のリン酸塩を含む緩衝作用の強いリン酸緩衝溶液(PBS:phosphatic−buffered,saline)などが使用される場合もある。
こうした活性化処理及び洗浄が行われた後、センサセル17へリガンド溶液21が注入されてリガンド固定化処理が行われる。リガンド溶液21が流路16へ注入されると、溶液中で拡散しているリガンド21aが徐々にリンカー膜22へ近づいて、結合する。こうしてセンサ面13aにリガンド21aが固定される。固定化には、通常、約1時間数程度かかり、この間、センサユニット12は、温度を含む環境条件が所定の条件に設定された状態で、保管される。なお、固定化が進行している間、流路16内のリガンド溶液21を静置しておいてもよいが、流路16内のリガンド溶液21を攪拌して流動させることが好ましい。こうすることで、リガンドとリンカー膜22との結合が促進され、リガンドの固定量を増加させることができる。
センサ面13aへのリガンド21aの固定化が完了すると、前記流路16からリガンド溶液21が排出される。リガンド溶液21は、ピペット19bによって吸い出されて排出される。固定化が完了したセンサ面13aは、流路16へ洗浄液が注入されて洗浄処理が行われる。この洗浄後、必要に応じて、ブロッキング液を流路16へ注入して、リンカー膜22のうち、リガンドが結合しなかった反応基を失活させるブロッキング処理が行われる。ブロッキング液としては、例えば、エタノールアミン−ヒドロクロライドが使用される。このブロッキング処理の後、再び流路16が洗浄される。この後、後述するように、流路16には、乾燥防止液が注入される。これにより、センサユニット12は、センサ面13aの乾燥が防止された状態で、測定までの間保管される。
測定工程は、センサユニット12を測定機11にセットして行われる。測定機11にも、固定機10のピペット対19と同様のピペット対26が設けられている。このピペット対26によって、注入口16aから、流路16へ各種の液が注入される。測定工程では、まず、流路16へ測定用バッファが注入される。この後、アナライトを溶媒に溶かしたアナライト溶液27を注入し、その後、再び測定用バッファが注入される。なお、最初に測定用バッファを注入する前に、いったん流路16の洗浄を行ってもよい。データの読み取りは、基準となる信号レベルを検出するために、最初に測定用バッファを注入した直後から開始され、アナライト溶液27の注入後、再び測定用バッファが注入されるまでの間行われる。これにより、基準レベルの検出、アナライトとリガンドの反応状況(結合状況)、測定バッファ注入による結合したアナライトとリガンドの脱離までの信号を測定することができる。
また、図示しないが、リンカー膜22上には、リガンドが固定されアナライトとリガンドとの反応が生じる反応領域(act)と、リガンドが固定されず、前記反応領域の信号測定に際しての参照信号を得るためのリファレンス領域(ref)とが形成される。このリファレンス領域は、上述したリンカー膜22を製膜する際に形成される。形成方法としては、例えば、リンカー膜22に対して表面処理を施して、リンカー膜22の半分程度の領域について、リガンドと結合する結合基を失活させる。これにより、リンカー膜22の半分が反応領域となり、残りの半分がリファレンス領域となる。
これら各領域のact信号とref信号は、基準レベルの検出から結合反応を経て脱離に至るまで、同時に計測される。データ解析は、こうして得られたact信号とref信号の差や比を求めて行われる。データ解析機91は、act信号とref信号との差分データを求め、この差分データを測定データとし、これに基づいて解析を行う。こうすることで、センサユニットや各センサセルの個体差や、装置の機械的な変動や、液体の温度変化など、外乱に起因するノイズをキャンセルすることが可能となり、S/N比の良好な信号が得られる。
測定用バッファや、アナライト溶液27の溶媒(希釈液)としては、例えば、各種のバッファ液(緩衝液)の他、生理的食塩水に代表される生理的塩類溶液や、純水が使用される。これらの各液の種類、ph値、混合物の種類及びその濃度等は、リガンドの種類に応じて適宜決められる。例えば、アナライトを溶けやすくするために、生理的食塩水にDMSO(ジメチル−スルホ−オキシド)を含ませてもよい。このDMSOは、信号レベルに大きく影響する。上述したとおり測定用バッファは基準レベルの検出に用いられるので、アナライトの溶媒中にDMSOが含まれる場合には、そのDMSO濃度と同程度のDMSO濃度を持つ測定用バッファを使用することが好ましい。
なお、アナライト溶液27は、長期間(例えば、1年)保管されることも多く、そうした場合には、経時変化によって、初期のDMSO濃度と測定時のDMSO濃度との間に濃度差が生じてしまう場合がある。厳密な測定を行う必要がある場合には、こうした濃度差をアナライト溶液27を注入したときのref信号レベルから推定し、測定データに対して補正(DMSO濃度補正)が行われる。このDMSO濃度補正のための補正データは、アナライト溶液27を注入する前に、DMSO濃度が異なる複数種類の測定用バッファをセンサセル17に注入して、このときのDMSO濃度変化に応じた、ref信号レベルとact信号レベルのそれぞれの変化量を調べることにより求められる。
測定部31は、照明器32と検出器33からなる。上述したとおり、リガンドとアナライトの反応状況は、共鳴角(光入射面に対して照射された光の入射角)の変化として顕れるので、照明器32は、全反射条件を満足する様々な入射角の光を光入射面13bに対して照射する。照明器32は、例えば、光源34と、集光レンズ、拡散板、偏光板を含む光学系36とからなり、配置位置および設置角度は、照明光の入射角が、上記全反射条件を満足するように調整される。
光源34としては、例えば、LED(Light Emitting Diode),LD(Laser Diode),SLD(Super Luminescent Diode)などの発光素子が使用される。こうした発光素子を1個使用し、この単一光源から1つのセンサセルに向けて光が照射される。なお、複数のセンサセルを同時に測定するような場合には、各センサセルに対して発光素子が1つずつ割り当てられるように、発光素子が複数個並べられて使用される。拡散板は、光源34からの光を拡散して、発光面内の光量ムラを抑える。偏光板は、照射光のうち、SPRを生じさせるp偏光のみを通過させる。なお、LDを使用する場合など、光源が発する光線自体の偏光の向きが揃っている場合には、偏光板は不要である。また、偏光が揃っている光源を使用した場合でも、拡散板を通過することにより、偏光の向きが不揃いになってしまう場合には、偏光板を使用して偏光の向きが揃えられる。こうして拡散および偏光された光は、集光レンズによって集光されてプリズム14に照射される。これにより、光強度にバラツキがなく様々な入射角を持つ光線を光入射面13bに入射させることができる。
検出器33は、光入射面13bで反射する光を受光して、その光強度を検出する。光入射面13bには、様々な角度で光線が入射するので、光入射面13bでは、それらの光線が、それぞれの入射角に応じて様々な反射角で反射する。アナライトとリガンドの反応状況に応じて共鳴角が変化すると、光強度が減衰する反射角も変化する。検出器33は、例えば、CCDエリアセンサが使用され、この反射角の変化を、受光面内における反射光の減衰位置の推移として捉える。検出器33は、こうして得た、反応状況を表す測定データを、データ解析機91に出力する。データ解析工程では、測定機11で得た測定データを解析して、アナライトの特性を分析する。
なお、測定部31の構成が明確になるように、便宜的に、図上、光入射面13bへの入射光線およびそこで反射する反射光線の向きが、流路16内の液体の流れ方向と平行になるように、照明器32および検出器33を配置した形態で示しているが、本実施形態では、入射光線および反射光線の向きが、前記流れ方向と直交する方向に照射されるように、照明器32および検出器33が配置される(図4参照)。もちろん、測定部31をこの図1に示しているように配置して測定してもよい。
図2は、センサユニット12の分解斜視図である。センサユニット12は、流路16が形成される流路部材41と、上面に金属膜13が形成されたプリズム14と、流路部材41を、その底面をプリズム14の上面と接合させた状態で、保持する保持部材42と、保持部材42の上方に配置される蓋部材43とからなる。
流路部材41には、例えば、3つの流路16が形成されている。流路部材41は、長尺状をしており、3つの流路16は、その長手方向に沿って配列されている。この流路16は、その底面に接合される金属膜13とともにセンサセル17(図1参照)を構成する。そのため、流路部材41は、金属膜13との密着性を高めるために、弾性部材、例えば、ゴムや、PDMS(ポリジメチルシリコン)で形成されている。これにより、流路部材41の底面をプリズム14の上面に圧接すると、流路部材41が弾性変形して金属膜13との接合面の隙間が埋められて、各流路16の開放された底部がプリズム14の上面によって水密に覆われる。なお、本例では、流路16の数が3つの例で説明したが、もちろん、流路16の数は、3つに限らず、1つまたは2つであってもよいし、4つ以上でもよい。
プリズム14には、その上面に、蒸着によって金属膜13が形成される。この金属膜13は、流路部材41に形成された複数の流路16と対向するように短冊状に形成される。さらに、この金属膜13の上面(センサ面13a)には、各流路16に対応する部位に、リンカー膜22が形成される。また、プリズム14の長手方向の両側面には、保持部材42の係合部42aと係合する係合爪14aが設けられている。これらの係合により、流路部材41が保持部材42とプリズム14とによって挟み込まれ、その底面とプリズム14の上面とが圧接した状態で保持される。こうして、流路部材41、金属膜13およびプリズム14が一体化される。
また、プリズム14の短辺方向の両端部には、突部14bが設けられている。後述するように、センサユニット12は、ホルダ52(図3参照)に収納された状態で、固定が行われる。突部14bは、ホルダ52と係合することによりセンサユニット12をホルダ内の所定の待機ステージに位置決めするためのものであり、また、測定機11でハンドリングするときの係合部位になる。さらに、プリズム14の底面には、溝14cが長手方向に沿って形成されている。
保持部材42の上部には、各流路16の注入口16aおよび排出口16bに対応する位置に、ピペット(19a,19b,26a,26b)の先端が進入する受け入れ口42bが形成されている。受け入れ口42bは、ピペットから吐出される液体が各注入口16aへ導かれるように、漏斗形状をしている。保持部材42が流路部材41を挟み込んでプリズム14と係合すると、受け入れ口42bの下面は、注入口16aおよび排出口16bと接合して、受け入れ口42bと流路16とが連結される。
また、これら各受け入れ口42bの両脇には、円筒形のボス42cが設けられている。これらのボス42cは、蓋部材43に形成された穴43aと嵌合して、蓋部材43を位置決めするためのものである。蓋部材43は、受け入れ口42bおよびボス42cに対応する位置に穴が空けられた両面テープ44によって、保持部材42の上面に貼り付けられる。
蓋部材43は、流路16に通じる受け入れ口42bを覆うことで、流路16内の液体の蒸発を防止する。蓋部材43は、弾性部材、例えば、ゴムやプラスチックで形成されており、各受け入れ口42bに対応する位置に、十字形のスリット43bが形成されている。蓋部材43は、流路16内の液体の蒸発を防止するためのものであるから、受け入れ口42bを覆う必要があるが、完全に覆ってしまっては、ピペットを受け入れ口42bに挿入することができない。そこで、スリット43bを形成することで、ピペットの挿入を可能とするとともに、ピペットを挿入していない状態では、受け入れ口42bが塞がれるようにしている。スリット43bは、ピペットが押し込まれると、スリット43bの周辺が弾性変形(図1参照)して、スリット43bの口が大きく開いて、ピペットを受け入れる。そして、ピペットを抜くと、弾性力によってスリット43bが初期状態に復帰して、受け入れ口42bを塞ぐ。
図3に示すように、固定機10は、筐体のベースとなる筐体ベース50上に、複数のセンサユニット12を載置する載置スペース51が確保されている。センサユニット12は、この載置スペース51で載置された状態で固定工程のすべての処理が施される。したがって、この載置スペース51は、センサユニット12に対して固定工程を実行する固定ステージとなる。
センサユニット12は、ホルダ52に収納された状態で固定機10にセットされる。ホルダ52は、センサユニット12を複数個(例えば、8個)収納できるようになっている。ホルダ52には、センサユニット12の突部14bと嵌合して、センサユニット12を位置決めする嵌合部が設けられている。また、ホルダ52の底部は、センサユニット12の両端部を支持する支持部を除いて、開口になっている。後述するように、測定工程において、センサユニット12をホルダ52から取り出す場合には、この開口から押し上げ部材81(図4参照)が挿入されてセンサユニット12が押し上げられる。
載置スペース51には、ホルダ52を、例えば、10個並べて配置することができるようになっており、その数に応じた台座53が設けられている。各台座53上には、ホルダ52を位置決めする位置決め用のボスが設けられている。
固定機10には、ヘッド本体にピペット対19を3組連装したピペットヘッド54が設けられている。このピペットヘッド54が、載置スペース51に配列されたセンサユニット12にアクセスして、液体の注入や排出を行う。ピペットヘッド54には、ピペット対19が3組設けられているので、1つのセンサユニット12に含まれる3つのセンサセル17に対して同時に液体を注入(および排出)することができる。固定機10には、図示しないコントローラが設けられており、このコントローラによって、各ピペット対19の吸い込みや吐き出しの動作に関して、そのタイミング、吸い込み量および吐き出し量などが、ピペットヘッド54ごとにそれぞれ制御される。
筐体ベース50には、このピペットヘッド54をX、Y、Zの3方向に移動させるヘッド移動機構56が設けられている。ヘッド移動機構56は、例えば、搬送ベルト、プーリ、キャリッジ、モータなどから構成される周知の移動機構であり、ピペットヘッド54を上下させる昇降機構と、この昇降機構ごとピペットヘッド54をY方向へ移動自在に保持するガイドレール58を含むY方向移動機構と、前記ガイドレール58を両端で保持し、ガイドレール58毎、ピペットヘッド54をX方向へ移動させるX方向移動機構とからなる。ヘッド移動機構56は、コントローラによって制御されており、コントローラは、このヘッド移動機構56を駆動して、ピペットヘッド54の上下左右の位置を制御する。
筐体ベース50上には、流路16へ注入する種々の液体(リガンド溶液、洗浄液、固定用バッファ,乾燥防止液,活性化液,ブロッキング液など)を保管する複数の液保管部61が設けられている。液保管部の数は、使用する液体の種類に応じて決定される。各液保管部61には、挿入口が6個並べて設けられている。この挿入口の数および配列ピッチは、ピペットヘッド54のピペットの数と配列ピッチに応じて決められる。ピペットヘッド54は、センサセル17へ液体を注入する場合には、各液保管部61へアクセスして、所望の液体を吸い込み、その後、載置スペース51へ移動して、センサユニット12へ注入する。
また、筐体ベース50上には、ピペットチップ62を保管するピペットチップ保管部63が設けられている。ピペットチップ62は、ピペット19a,19bの先端部に交換可能に取り付けられる。ピペットチップ62は、液体と直接接触するので、このピペットチップ62を介して異種の液体の混液が生じないように、使用する液体毎に交換される。各ピペット19a,19bには、ピペットチップ62のピックアップとリリースを行う機構が設けられており、ピペットチップ62の交換が自動的に行われるようになっている。ピペットチップ62を交換する際には、ピペットヘッド54は、まず、使用済みのピペットチップ62を図示しない廃却部でリリースし、この後、ピペットチップ保管部63にアクセスして未使用のピペットチップ62をピックアップする。
また、符合64は、複数のウエル状の升がマトリックスに配列されたウエルプレートであり、ピペットで吸い上げた液体を一時的に保管したり、複数種類の液体を混合して混合液を調整する際に用いられる。
固定を開始する際には、固定機10の筐体はカバー(図示せず)によって覆われて、載置スペース51を含む固定機10の内部は、外部から遮蔽される。固定機10内の温度は、温度調節器(図示せず)によって調節が可能になっている。センサセル17にリガンドを注入後、センサ面13aへのリガンド21aの固定化が完了するまでの間、センサユニット12は、載置スペース51上で所定時間保管される。この保管中に、必要に応じて流路16内のリガンド溶液21が攪拌される。この間の固定化の進行度合いは、センサユニット12の環境条件(温度)によって左右される。そのため、温度調節器によって固定機10の内部温度が所定の温度に保たれる。設定される温度や静置時間などは、リガンド21aの種類などに応じて適宜決められる。
固定が完了すると、センサセル17に対して、バッファ(洗浄液)が注入される。バッファは、センサセル17をリガンド溶液で満たしたままの状態で、バッファを吸い込んだピペット19aをスリット43bへ挿入して、センサセル17へ注入される。バッファが注入口16aから流路へ吐き出されると、流路16に注入済みのリガンド溶液が排出口16bに向けて押し出されて、排出される。そして、ピペット19aの注入動作に連動して吸い込み動作を行うピペット19bによって、排出されるバッファが吸い込まれる。これにより、センサセル17内の液の置換(入れ替え)が行われる。
そして、洗浄が終了した後、上記と同様の手順によって、センサセル17に対して、リガンド21aの乾燥を防止する乾燥防止液が注入されて、すでに注入済みのバッファと、新たに注入された乾燥防止液との置換が行われる。この置換が終了したセンサユニット12は、リガンド21aが固定されたセンサ面13aが乾燥防止液に浸された状態で、ホルダ52毎、測定機11へ受け渡される。これにより、測定が開始されるまでの間、リガンドが乾燥してしまうことはない。
乾燥防止液としては、例えば、各種のバッファ液(緩衝液)の他、生理的食塩水に代表される生理的塩類溶液や、純水が使用される。これらの各液の種類、ph値、混合物の種類及びその濃度等は、リガンドの種類に応じて適宜決められる。この乾燥防止液は、リガンド21aの乾燥を防止するためのものであるから、センサ面13a上のリガンド21aを浸すだけの量を注入すれば足りるが、蒸発する分を考慮して、少し多めに、例えば、流路16を満たす程度の量を注入しておくとよい。
図4に示すように、測定機11は、ホルダ搬送機構71、ピックアップ機構72、ヘッド移動機構73、測定ステージ74からなる。ホルダ搬送機構71は、搬送ベルト76と、この搬送ベルト76に取り付けられたキャリッジ77と、このキャリッジ77に取り付けられ、固定済みのセンサユニット12が複数収納されたホルダ52を載置するプレート78とからなる。ホルダ搬送機構71は、ホルダ52が載置されたプレート78をX方向へ移動させることにより、ホルダ52内の各センサユニット12を待機ステージへ運ぶ。待機ステージでは、ホルダ52内の各センサユニット12が、長手方向をホルダ搬送機構71がプレート78を移動させる方向(X方向)に対して直交する方向に沿わした姿勢でセットされている。
ピックアップ機構72は、待機ステージに待機するセンサユニット12を上方にある挟持位置に向けて押し上げる押し上げ機構79と、この押し上げ機構79によって挟持位置に押し上げられたセンサユニット12を両脇から挟み込んで測定ステージ74に搬送する搬送機構89とからなる。押し上げ機構79は、押し上げ部材81と、押し上げ部材駆動機構83とからなる。押し上げ部材81は、先端がセンサユニット12の長手方向と略同じ長さでかつ溝14cに嵌合する厚みの長板形状となっており、押し上げ部材駆動機構83によって上下方向(Z方向)に昇降する。上述したとおり、ホルダ52の底部は開口になっており、また、プレート78も、その開口に対応する位置が中空になっている。押し上げ部材81は、プレート78を通過して、ホルダ52の開口へ進入して、下方からセンサユニット12の底面に向けて上昇し、先端が溝14cに嵌合することでセンサユニット12を倒れないように保持し、待機ステージから挟持位置まで押し上げる。
搬送機構89は、ハンドリングヘッド82、ハンドリングヘッド82を挟持位置と測定ステージ74との間で移動する移動機構とから構成されている。移動機構は、ナット84、ガイド棒85、ネジ軸86、モータ90、位置検出器、及び、制御部93などで構成されている。ハンドリングヘッド82は、ヘッド本体82aと把持機構92とを備えている。把持機構92は、ヘッド本体82aに設けられ、センサユニット12をハンドリングする。モータ90は、ネジ軸86を正逆回転する。ネジ軸86は、X方向に直交するY方向に沿って配されている。ナット84は、ネジ軸86の回転によりそのネジのリードに従ってネジ軸86の軸方向に移動される。このナット84には、ヘッド本体82aが固定されている。ヘッド本体82aの回転止めは、Y方向と平行に配した1対のガイド棒85で行っている。
位置検出器は、図示していないが、ヘッド本体82aに設けた遮蔽板と、挟持位置及び測定ステージにそれぞれ設けた馬てい形の光電センサとからなる。各光電センサが遮蔽板を検出することで出力する信号は、制御部93に送られる。制御部93は、各光電センサから得られる各信号を監視してモータ90の駆動を制御するとともに、ホルダ搬送機構71、ピックアップ機構72、ヘッド移動機構73、及び、測定部31の動作が同期するように測定機11を統括的に制御する。
モータ90の出力軸には、ロータリエンコーダが取り付けられており、制御部93は、ロータリエンコーダから得られるパルス信号に基づいて、ヘッド本体82aの移動位置を検知することができる。この細かな送り制御は、測定ステージにおいて光電センサで遮蔽板を検出した原点位置から、詳しくは後述する複数の測定位置にヘッド本体82aを精度良く送るときに使用される。なお、位置検出手段やロータリエンコーダを用いる代わりに、パルスモータを用い、このモータに送るパルス信号によりモータの回転角、回転方向、及び回転速度などを制御するようにしてもよい。
測定ステージ74には、センサユニット12がセットされる位置の下方に、照明器32と、検出器33とが配置されている。この図4に示すように、センサユニット12へ照射される入射光線およびセンサ面13aで反射する反射光線の向きと、センサセル17の配列方向、すなわち、流路16の水平部分の流れ方向とが直交するように、照明器32及び検出器33が配置される。
測定ステージ74の傍らには、アナライト溶液27を保管するウエルプレート88がプレート上に載置される。例えば、このウエルプレート88の各ウエルには、異なる種類のアナライト溶液27が収容される。なお、図示しないが、測定機11には、ピペット対26がアクセス可能な位置に、測定用バッファや洗浄液を収容するウエルプレート、交換用ピペットチップを収容するピペットチップ保管部が設けられている。
ヘッド移動機構73は、ピペット対26を有するピペットヘッド87を、X,Y,Zの3方向に移動させながら、ピペットヘッド87を測定位置にあるセンサユニット12と、ウエルプレート88とに運ぶ。ピペットヘッド87は、測定対象となるセンサセル17にアクセスして、液の注入及び排出を行う。ヘッド移動機構73は、固定機10のヘッド移動機構56とほぼ同様の構成である。ピペットヘッド87は、測定対象となる特定のセンサセル17に対して、1つずつ、液体の注入および排出を行うものであるから、固定機10のピペットヘッド54とは異なり、ピペット対26が1組だけ設けられている。
上述したとおり、センサユニット12は、複数のセンサセル17を持っている。このため、測定ステージ74では、原点位置から搬送機構89がセンサユニット12を、各センサセル17の配列ピッチでY方向に細かく送ることにより、各センサセル17が照明器32の光路上の測定位置に順次位置決めされる。なお、各センサセル17を測定位置に位置決めする制御としては、搬送機構89で行う代わりに、ヘッド移動機構73で行うようにしてもよい。
測定の際には、ピペットヘッド87が、ウエルプレート88にアクセスして、所望のアナライト溶液27を吸い込み、測定ステージ74へ移動して、測定位置にあるセンサセル17にアナライト溶液27を注入する。固定機10から送り出されたセンサユニット12は、測定機11に装着され測定が開始されるまでの間、各センサセル17内に乾燥防止液が収容されている。この乾燥防止液は、測定用バッファが注入されて測定が開始される際に、注入された測定用バッファに押し出されてセンサセル17から排出され、ピペット19bによって吸い込まれる。
なお、乾燥防止液を流路から排出する際には、測定用バッファの注入を複数回行うことが好ましい。というのは、測定用バッファを1回だけ注入しただけでは、流路16から乾燥防止液を完全に排出しきれず、乾燥防止液が残留している可能性が高い。測定用バッファの注入回数を増やせば、乾燥防止液を排出する効果が高まり、流路16内の乾燥防止液の残留量を減らすことができる。
この測定時に、検出器33によって読み取られた測定データは、データ解析機91に送信される。データ解析機91は、この測定データに基づいてアナライトとリガンドの反応状況を分析する。
図5に示すように、把持機構92は、一対の爪94,95でセンサユニット12の長手方向の両側を挟持する。一方の爪94は、ヘッド本体82aのY方向に沿った左端82bに固定されており、他方の爪95は、ヘッド本体82aとは異なる爪部材96に設けられている。爪部材96は、ガイド棒85にガイドされており、ヘッド本体82aの右端82cに当接する当接位置と離反する離反位置との間で移動自在に取り付けられ、バネ97により一方の爪94に近寄る当接位置の方向に向けて付勢されている。爪部材96は、通常バネ97の付勢により当接位置に維持された状態となっており、この状態での一対の爪94,95との間隔は、センサユニット12の長手方向の長さよりも短くなっている。
挟持位置には、係合部98が設けられている。係合部98は、爪部材96に設けた突部99に、測定ステージ74から挟持位置に向けて戻る移動方向から当接する。この係合部98は、ヘッド本体82aが挟持位置に到達する前に突部99が当接するタイミングとなる位置に設けられており、他方の爪95は、突部99が係合部98に当接する当接位置からヘッド本体82aが挟持位置に到達するまでの移動によって、一方の爪94から離れる方向に向けて移動される。そして、ヘッド本体82aが挟持位置に移動したときには、一対の爪94,95の間隔がセンサユニット12の長手方向の長さよりも長くなる。
ヘッド本体82aが挟持位置に到着すると、押し上げ部材駆動機構83が駆動して押し上げ部材81がセンサユニット12を挟持位置に押し上げ、センサユニット12が一対の爪94,95の間に入り込む。その後、ヘッド本体82aが測定ステージ74に向けて移動する。このとき、一方の爪94がセンサユニット12を測定ステージ74に向けて押し、センサユニット12は、溝14cに嵌合する押し上げ部材81の先端の長手方向に沿って移動する。そして、溝14cが押し上げ部材81の先端から抜け出すまでの間で、ヘッド本体12aが当接位置を通過し、この間に他方の爪95がバネ97の付勢により一方の爪94に近寄る方向に移動して、一方の爪94との間でセンサユニット12を挟持する。
以下、上記構成による作用について、図6に示すフローチャートに従って説明する。固定工程では、センサユニット12がホルダ52に収容された状態で、固定機10の載置スペース51に載置される。固定工程では、まず、各センサセル17に固定用バッファを注入して、センサ面13aを湿化させる。次に、活性化液を注入してセンサ面13aを活性化させる。洗浄後、センサセル17にリガンド溶液21を注入して、固定化を開始させる。この状態で、センサユニット12を載置スペース51上で所定時間保管される。この間に、リガンド溶液中のリガンド21aと、リンカー膜22との結合が行われて、固定化が進行する。
所定時間経過して固定化が完了すると、洗浄後、ブロッキング処理が行われる。ブロッキング処理が終了すると、洗浄後、センサセル17へ乾燥防止液が注入される。センサユニット12は、センサ面13aが乾燥防止液に浸された状態で、測定機11へ送られる。
複数のセンサユニット12は、ホルダ52に整列して収容された状態で、測定機11のプレート78にセットされる。そして、測定機11に測定開始指示が与えられると、図7に示すように、ホルダ52がプレート78にセットされているか否かを確認する。セットされている場合にホルダ搬送機構71を作動してセンサユニット12を待機ステージにセットする。このとき、一対の爪94,95は、他方の爪95が一方の爪94に対して離反した状態で挟持位置に待機している。
この一対の爪94,95の開き動作を説明すると、搬送機構89のモータ90を一方向に駆動してヘッド本体82aを測定ステージ74から挟持位置に移動させるときに、図8(A)及び図9(A)に示すように、挟持位置に到達する前に、突部99が係合部98に当接する。これにより、ヘッド本体82aが挟持位置に向けて移動する方向に沿う上流側の他方の爪95がその位置で維持される。その後、図8(B)及び図9(B)に示すように、引き続きヘッド本体82aが挟持位置に向けて移動し、ヘッド本体82aが挟持位置に到達する。このとき、モータ90の駆動を停止する。この状態では、ヘッド本体82aが挟持位置に向けて移動する方向に沿う下流側の一方の爪94と他方の爪95との内々間隔がセンサユニット12の長手方向よりも長い間隔に広げられる。
未測定のセンサユニット12が待機ステージにセットされると、押し上げ部材駆動機構83が作動して押し上げ部材81をいったん待機ステージに上昇させて停止する。このとき、押し上げ部材81の先端がセンサユニット12の溝14cに嵌合する。その後、押し上げ部材駆動機構83は、再び押し上げ部材81をさらに上方にある挟持位置に向けて上昇させる。これにより、センサユニット12は、ホルダ52から取り出され、図10(A)に示すように、一対の爪94,95の間に進入する。
次に、モータ95を逆方向に回転し、ヘッド本体82aを挟持位置から測定ステージ74に向けた他方向へ移動させる。このとき、一方の爪94がセンサユニット12を測定ステージ74に向けて押す。センサユニット12は、図8(C)及び図10(B)に示すように、一方の爪94に押されることで、溝14cが押し上げ部材81の先端81aを摺動しながら、他方向に向けて移動する。そして、溝14cが押し上げ部材81の先端81aから抜け出すまでの間で、ヘッド本体12aが当接位置を通過する。このとき、突部99と係合部98との係合が解除され、他方の爪95がバネ97の付勢により一方の爪94に近寄る方向に移動して、図8(D)に示すように、他方の爪95が一方の爪94との間でセンサユニット12を挟持する。
その後、センサユニット12は、溝14cが先端81aから抜け出し、抜け出した後にはハンドリングヘッド82により挟持された状態で測定ステージ74へ運ばれる。このとき、このときヘッド本体82aが移動することで負荷のかかる爪が、他方向に沿う上流側の固定な爪94であるため、ハンドリングヘッド82の移動速度を早くしても爪が可動することがなく、よってセンサユニット12の挟持を確実に行える。
測定ステージ74へ運ばれたセンサユニット12は、モータ90の回転角の制御により、Y方向へ細かい精度で移動されて、複数のセンサセル17のうちの測定対象となるセンサセル17が測定位置にセットされる。この後、センサセル17へ測定用バッファが注入されて、乾燥防止液が排出される。測定用バッファが注入されると、測定部31が作動して、データ読み取りが開始される。そして、アナライト溶液27が注入される。アナライトがセンサ面13aと接触すると、アナライトとリガンドとの相互作用が生じる。所定時間経過した後、測定用バッファが注入されてアナライト溶液27が排出される。この後、データ読み取りが終了する。こうして得られた測定データは、検出器33からデータ解析機91へ送られて、分析される。こうした測定工程が、複数のセンサセル17に対して順次実行される。
なお、測定が完了したセンサユニット12は、再び挟持位置に戻され、ホルダ52に回収される。挟持位置では、センサユニット12の溝14cが、上昇位置で待っている押し上げ部材81の先端に入り込む。挟持位置で一対の爪94,95での挟持が解除されたときには、センサユニット12が押し上げ部材81で支持される。その後、押し上げ部材81が下方に降下してホルダ52に戻される。
ここで、ヘッド本体82aが挟持位置に到着する前に、突部99が係合部98に当接して他方の爪95が離反位置に移動する。この移動した分だけセンサユニット12が一方の爪94から隙間が空いた状態で押し上げ部材81にセットされる。このため、センサユニット12がホルダ52に対してY方向に僅かにズレており、確実にホルダ52に収納することができないおそれがある。しかしながら、ホルダ52は、その分を考慮してセンサユニット12を収納することができるスペースを確保しているから、問題はない。また、別の方法としては、係合部98をY方向に移動自在に設け、ヘッド本体82aが挟持位置に到着するときには突部99に当接しない退避位置に係合部98を退避させ、挟持位置に到着してから一定時間経過後に突部99に当接する当接位置に係合部98を移動させるようにしてもよい。
測定完了済みのセンサユニット12をホルダ52に再び収納した後には、ホルダ搬送機構71が作動し、プレート78を1ピッチ分だけ移動して、2番目のセンサユニット12を待機ステージに運ぶ。以下、前述した手順を繰り返すことでセンサユニット12を測定ステージに順次搬送して測定を行っていく。
このように、流路16、センサ面13aとが一体となったセンサユニット12を用いたことで、固定後、センサセル17に乾燥防止液を注入して保管することができるとともに、その状態で(センサ面13aを乾燥防止液に浸した状態で)、測定機11へ装着することが可能となる。このため、複数のセンサユニット12に対して一括してリガンド固定化処理を行い、この後、これら固定済みの複数のセンサユニット12を、順次測定機11にセットして、測定処理を行うことができるので、リガンドを乾燥させることなく、測定処理のスループットを向上させることができる。
そして、センサユニット12を一対の爪94,95で挟んで保持する簡単なハンドリングメカを採用しつつ、位置決めの基準となる一方の爪94に対して他方の爪95をバネ付勢で寄せて挟持する構成としたから、高精度の位置決めが可能となる。
また、乾燥防止液の排出は、バッファ液を注入することによって流路から押し出すようにしたから、センサ面13aの乾燥が最小限に留められる。さらに、センサユニットには、十字形のスリットが形成された蓋部材が取り付けられているから、乾燥防止液の蒸発が抑制される。なお、上記実施形態では、十字形のスリットの例で説明しているが、スリットの形状は、十字形に限らず、一文字形など他の形状でもよい。
上記実施形態では、3つのセンサセルを1列に並べたセンサユニットを使用した例で説明しているが、1ユニットに含まれるセンサセル数は複数あればよく、2つでもいいし、3つ以上でもよい。また、センサセルを1列ではなく、複数列に並べてもよい。これらは、測定装置の構成に応じて適宜選択される。
また、センサユニットとして、金属膜、流路、プリズムを一体化した例で説明したが、これらのうち、プリズムをセンサユニットの構成要素から除いて、装置側に組み込んでもよい。
固定後、いったんセンサセルへ注入した乾燥防止液を、測定時にアナライト溶液が注入されるまで、流路から排出しない例で説明したが、固定から測定までの間隔が長時間空く場合には、新たに乾燥防止液を注入して、いったん注入した乾燥防止液と入れ替えてもよい。また、乾燥防止液の蒸発が激しい場合には、乾燥防止液を追加してもよい。
乾燥防止液とバッファ液の置換方法として、バッファ液の押し出しによって乾燥防止液を排出する例で説明しているが、例えば、乾燥防止液を吸い出しによって流路から排出して流路16内をいったん空にしてから、その直後にバッファ液を注入してもよい。
また、上記例では、測定ステージを有する測定機と、固定ステージを有する固定機とをそれぞれ別筐体に設けた例で説明しているが、測定ステージと固定ステージとが別々に設けられていれば、それぞれを同一筐体に設けてもよい。
さらに、上記実施形態では、センサユニット12を挟持位置から測定ステージに搬送し、測定終了後に再び挟持位置に戻ってセンサユニット12をホルダ52に戻す例で説明しているが、測定を完了したセンサユニット12をホルダ52に戻さず、別の位置に配した廃棄収納部に収納するようにしてもよい。この場合、測定機11のハンドリングヘッドを、挟持位置、測定ステージとの二位置に加えて廃棄位置との3位置に移動するように構成する。
図11は、ハンドリングヘッド110を、Y方向に沿って順に設定された挟持位置、測定ステージ、及び、廃棄位置との3位置にそれぞれ移動させる例である。搬送機構111の制御は、ヘッド本体113を挟持位置に移動して、前述したと同じにセンサユニット12を挟持し、挟持したセンサユニット12を測定ステージに移動する。測定終了後には、廃棄位置に移動してセンサユニット12の挟持を解除する。センサユニット12は、廃棄位置で落下され、その下方に配した廃棄箱に収められる。なお、ハンドリングヘッド82は、図4で説明した構成と同じにナット84に固定されており、ネジ軸86の回転によりその軸方向に移動される。符号112は、図4で説明したガイド棒85と同じものである。
ハンドリングヘッド110は、図12に示すように、ヘッド本体113、一対の左・右爪部材114,115、及び一対のバネ116,117などで構成されている。左・右爪部材114,115は、ヘッド本体113の移動方向の両側に配され、ガイド棒112にガイドされてヘッド本体113に対して当接する当接位置と離反する離反位置との間で各々移動自在に取り付けられている。
左爪部材114は、バネ116によりヘッド本体113の左端113aに当接する当接位置に向けて付勢されており、この左部材114には左爪118が突出して設けられている。他方、右爪部材115もバネ117によりヘッド本体113の右端113bに当接する当接位置に向けて付勢されており、この右爪部材115にも右爪119が突出して設けられている。
右爪部材119は、前述した実施形態と同じように挟持位置でセンサユニット12を挟持するときに離反位置に移動される部材である。このため、挟持位置には、係合部120が固定して設けられている。係合部120は、右爪部材115に設けた突部121に、測定ステージ又は廃棄位置から挟持位置に向けて移動する方向から当接する。
なお、センサユニット12のハンドリングは、前述した実施形態と同じく、左爪部材1114を当接位置にした状態で右爪部材115を開いてハンドリングする左爪118基準のハンドリングとしたい。このため、左爪用のバネ116は、右爪用のバネ117よりも強いバネを用いている。
左爪部材114は、廃棄位置でセンサユニット12の挟持を解除するときに離反位置に移動される部材である。このため、廃棄位置には、係合部122が固定して設けられている。係合部122は、左爪部材114に設けた突部123に、測定ステージから廃棄位置に向けて移動する移動方向から当接する。
左爪部材114の突部123は、ヘッド本体113が測定ステージに移動する途中で右爪部材119を開くための係合部120に当接するおそれがある。また、ヘッド本体113が廃棄位置に到達する途中では、右爪部材115の突部121が、左爪部材114を開くための係合部122に当接するおそれがある。そこで、図13に示すように、左爪部材114の突部123と、右爪部材115の突部121とを高さ方向でずらして設けている。そして、係合部120が突部123に、また係合部122が突部121に当接しないように、高さ方向にズラして設けている。
図11に示すように、ヘッド本体113は、廃棄位置から挟持位置に向けた他方向に移動することで、右爪部材115が開かれる。次に、押し上げ部材駆動機構83によりセンサユニット12が左・右爪118,119の間に挿入される。次に、ヘッド本体113を測定ステージに向けた一方向に移動して、ハンドリングしたセンサユニット12を測定ステージにセットする。
測定完了後には、ヘッド本体113を一方向に移動して廃棄位置に搬送する。ヘッド本体113が廃棄位置に到達する前には、図14(A)に示すように、右爪部材114に設けた突部123が係合部120に当接する。これにより、図14(B)に示すように、左爪部材114が離反位置に移動してハンドリングが解除される。
上記実施形態では、挟持位置、測定ステージ、及び廃棄位置の順で直線上に並べているが、この順番に限定せず、適宜順番を変えても良い。この場合、挟持位置又は廃棄位置に向けてヘッド本体が移動する方向に沿う上流側の爪を下流側の爪に対して接近又は離反することで何れか一方の爪を基準として挟持又は挟持解除を行うことができるから、ローコストでかつ精度の高いハンドリング動作を行うことができる。
なお、本実施形態では、センサ面上にSPRを発生させて、そのときの反射光の減衰を検出するSPRセンサを例に説明したが、SPRセンサに限らず、本発明を、全反射減衰を利用した測定に用いられる他のセンサに適用することができる。全反射減衰を利用するセンサとしては、SPRセンサの他に、例えば、漏洩モードセンサが知られている。漏洩モードセンサは、誘電体と、この上に順に層設されたクラッド層と光導波層とによって構成された薄膜とからなり、この薄膜の一方の面がセンサ面となり、他方の面が光入射面となる。光入射面に全反射条件を満たすように光を入射させると、その一部が前記クラッド層を通過して前記光導波層に取り込まれる。そして、この光導波層において弾性表面波(surface acoustic wave,SAW)が生じると、前記光入射面における反射光が大きく減衰する。弾性表面波が生じる入射角は、SPRの共鳴角と同様に、センサ面上の媒質の屈折率に応じて変化する。この反射光の減衰を検出することにより、前記センサ面上の化学反応が測定される。
SPR測定方法の説明図である。 センサユニットの構成を示す分解斜視図である。 固定機の概略を示す斜視図である。 測定機の概略を示す斜視図である。 ハンドリングヘッドの構成を示す分解斜視図である。 測定装置の測定手順を示すフローチャートである。 測定機の動作を示すフローチャートである。 ハンドリングヘッドが測定ステージから挟持位置に移動し、再び測定ステージに移動する過程の動作を示す平面図であり、(A)は、挟持位置に到達する前の状態、(B)は挟持位置に到達し、他方の爪が一方の爪に対して離反した状態、(C)は測定位置に向けて僅かに移動して一対の爪でセンサユニットを挟持した状態をそれぞれ示している。 ハンドリングヘッドが測定ステージから挟持位置に移動する過程の動作を示す正面図であり、(A)は、挟持位置に到達する前の状態、(B)は挟持位置に到達し、他方の爪が一方の爪に対して離反した状態をそれぞれ示している。 ハンドリングヘッドが挟持位置から測定ステージに移動する過程の動作を示す正面図であり、(A)は、押し上げ部材がセンサユニットを挟持位置に到達した状態の一対の爪の間に挿入した状態、(B)はヘッド本体を挟持位置から測定ステージに向けて僅かに移動して一対の爪でセンサユニットを挟持した状態をそれぞれ示している。 挟持位置、測定ステージ、及び廃棄位置とにハンドリングヘッドを移動させる他の実施形態を示す搬送機構の概略を示す平面図である。 図11で説明したハンドリングヘッドを示す分解斜視図である。 図12で説明したハンドリングヘッドの説明図であり、(A)は平面図、(B)は正面図を示している。 ハンドリングヘッドが廃棄位置に到達するときの動作を示す平面図であり、(A)は廃棄位置に到達する直前の状態、(B)は廃棄位置に到達して一方の爪が他方の爪に対して離反してセンサユニットの挟持を解除する状態をそれぞれ示している。
符号の説明
11 測定機
12 センサユニット
13 金属膜
13a センサ面
16 流路
81 押し上げ部材
86 ネジ軸
85 ガイド棒
82a,113 ヘッド本体
94 一方の爪
95 他方の爪
99,121,123 突部
98,120,122 係合部
118 左爪
119 右爪

Claims (2)

  1. 一方の面がセンサ面となり前記センサ面の裏面が光入射面となる薄膜が形成された透明な誘電体と、前記センサ面に対向した位置に配置され試料を含む溶液が注入される流路が形成された流路部材とを一体に設けたセンサユニットがセットされるとともに、前記光入射面に対して光を照射する照明部と前記光入射面で反射した反射光を検出する検出器とが配置された測定ステージを備え、前記光入射面に全反射条件を満たすように光を入射させ、その反射光の減衰を検出することにより、前記センサ面に固定される前記試料の化学反応を測定する測定装置において、
    複数の前記センサユニットが前記測定ステージへ送られる前に、ホルダに収納された状態で待機する待機ステージと、未測定の前記センサユニットを1つピックアップして、前記測定ステージへ送る搬送機構とを備えており、
    前記搬送機構は、
    移動手段により前記挟持位置と測定ステージとの間で直線的に移動するヘッド本体と、
    前記測定ステージから挟持位置に移動する一方向に沿う下流側に設けた一方の爪、並びに、前記一方向に沿う上流側に設けられ、バネにより前記一方の爪に接近する方向に向けて付勢されている他方の爪とからなり、前記ヘッド本体の移動方向の両側に取り付けられている一対の爪と、
    前記一方向に移動して前記ヘッド本体が挟持位置に戻る前に、前記他方の爪の一部に当接し、その後のヘッド本体の挟持位置への移動により他方の爪を一方の爪から、前記一対の爪の間隔が前記センサユニットの前記移動方向に沿った長さ以上となるように離反させるとともに、前記ヘッド本体が挟持位置から測定ステージに向けた他方向に移動して前記一部との当接が解除されることで、前記他方の爪をバネの付勢により一方の爪に接近する方向に戻して前記一対の爪でセンサユニットを挟持させる係合部と、で構成したことを特徴とする測定装置。
  2. 前記押し上げ機構は、前記センサユニットを、前記挟持位置で待機している前記一対の爪の間に、下方から押し上げて挿入するとともに、その挿入位置でセンサユニットを、前記他方向への取り出しを許容した状態で、支持することを特徴とする請求項1記載の測定装置。
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