JP2006090227A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機関油の劣化に起因する作用角可変機構の固着状態を初期段階から把握して、固着状態が悪化する前に正常な状態に戻す処理を施す。
【解決手段】エンジンは、エンジンオイルにより駆動され、かつ吸気バルブの実バルブタイミングが、エンジン運転状態に応じた同吸気バルブの目標バルブタイミングとなるように制御されるバルブタイミング可変機構と、吸気バルブの開弁に関わる吸気カムの作用角を変更し、かつ可動部の潤滑にエンジンオイルが用いられる作用角可変機構とを備える。電子制御装置は、バルブタイミング可変機構における目標バルブタイミングの変化速度Vtrgと実バルブタイミングの変化速度Vactとの偏差ΔVが所定値α以上であると作用角可変機構を強制駆動し(ステップ500)、エンジンオイルの劣化に伴い付着・堆積した異物を除去する。
【選択図】 図13
【解決手段】エンジンは、エンジンオイルにより駆動され、かつ吸気バルブの実バルブタイミングが、エンジン運転状態に応じた同吸気バルブの目標バルブタイミングとなるように制御されるバルブタイミング可変機構と、吸気バルブの開弁に関わる吸気カムの作用角を変更し、かつ可動部の潤滑にエンジンオイルが用いられる作用角可変機構とを備える。電子制御装置は、バルブタイミング可変機構における目標バルブタイミングの変化速度Vtrgと実バルブタイミングの変化速度Vactとの偏差ΔVが所定値α以上であると作用角可変機構を強制駆動し(ステップ500)、エンジンオイルの劣化に伴い付着・堆積した異物を除去する。
【選択図】 図13
Description
本発明は、機関バルブの開弁に関わるカムの作用角を変更する作用角可変機構を備える内燃機関において、機関油の劣化に起因する固着を防止するために作用角可変機構を強制駆動するようにした内燃機関の制御装置に関するものである。
吸気バルブ、排気バルブといった機関バルブのバルブ特性を機関運転状態に応じて変更する可変動弁機構を内燃機関に搭載することが、従来から提案されている。こうした可変動弁機構の一態様として、機関バルブの開弁に関わるカムの作用角及び機関バルブの最大リフト量を機関運転状態に応じて可変とする作用角可変機構がある。
例えば特許文献1には、三次元カムを有するカムシャフトを備えた作用角可変機構が記載されている。三次元カムは、カムプロフィールがカム軸方向に連続的に変化するカムである。このタイプの作用角可変機構では、油圧アクチュエータへの作動油の給排通路に設けられたオイルコントロールバルブが制御される。この制御により、油圧アクチュエータに対する作動油の供給・排出が行われ、同油圧アクチュエータが作動してカムシャフトがカム軸方向へ変位させられる。この変位に伴い、カム軸方向において三次元カムが機関バルブに接触する箇所が変化して、機関バルブの開弁に関わるカムプロフィールが変化し、カムの作用角が変化する。
また、上記とは異なるタイプの作用角可変機構として、例えば特許文献2には、軸方向への変位可能に設けられたスライダと、それぞれヘリカルスプラインによってスライダの外周に噛合された入力アーム及び出力アームとを備えたものが記載されている。このタイプの作用角可変機構では、カムによって入力アームが揺動されると、その揺動がスライダを介して出力アームに伝達されて同出力アームが揺動する。この揺動により機関バルブがバルブスプリングに抗して押下げられて開弁する。この基本動作に加え、コントロールシャフトに駆動連結された電動アクチュエータが制御される。この制御により、スライダが軸方向へ変位させられる。この変位に伴うスライダの回転により、入力アーム及び出力アームの相対位相差が変更され、カムの作用角が変更される。
上記したいずれのタイプの作用角可変機構でも、その時々の機関運転状態に応じた目標作用角(目標最大リフト量)が算出される一方で、作用角可変機構の作動状態がセンサによって検出され、その検出値に基づいて実際の作用角(最大リフト量)が算出される。そして、実際の作用角(最大リフト量)が目標作用角(目標最大リフト量)に一致するようにオイルコントロールバルブ又は電動アクチュエータが制御される。
ところで、前者(特許文献1)のタイプの作用角可変機構では、油圧アクチュエータを駆動するための作動油として内燃機関の機関油が用いられる。また、後者(特許文献2)のタイプの作用角可変機構では、可動部の潤滑のために内燃機関の機関油が用いられる。このように、いずれのタイプの作用角可変機構であっても機関油を使用しているため、機関油が劣化した場合に、その劣化に伴い生じた異物、例えば粘着物や金属くず等が、作用角可変機構の可動部分(オイルコントロールバルブを含む)に付着したり噛み込んだりして、同可動部分を固着させ、作動不良を引き起す懸念がある。
これに対し、特許文献1では、実際の作用角と目標作用角との偏差が大きいにも拘らず、実際の作用角の変化量が小さな状態が所定期間継続すると、実際の作用角が目標作用角への到達過程になく、作用角可変機構で固着による異常が生じていると診断している。そして、この診断結果に応じ、正常状態へ復帰させるための処理としてオイルコントロールバルブを強制的に駆動するようにしている。作用角可変機構の固着が、上記オイルコントロールバルブ内での異物の噛み込み等に起因したものである場合には、上記強制駆動により異物が取除かれる可能性があり、実際に異物が除去されれば作用角可変機構は正常状態に復帰する。
一方、特許文献2には、上記機関油の劣化に起因する固着及びその対策についての記載はなされていない。そこで、上記特許文献1と同様の診断及び復帰処理を、特許文献2に記載されたタイプの作用角可変機構にも適用することが考えられる。この場合の復帰処理は、スライダを強制的に往復移動させることである。この強制駆動により、可動部分、例えばヘリカルスプラインの噛合部分に付着あるいは噛み込んでいた異物が除去され、作用角可変機構が正常な状態に復帰する。
特開2001−254637号公報
特開2001−263015号公報
ところが、上記特許文献1に記載された診断及び復帰処理を、特許文献2に記載された作用角可変機構にも適用した場合には、次の懸念がある。機関油の劣化に起因する異物がヘリカルスプラインの噛合部分等の可動部分に付着した場合、いきなり作用角可変機構が固着するわけではなく、例えば付着・堆積する異物の量が時間とともに増加し、堆積量がある程度の量に達した時点で作用角可変機構が固着する。従って、最初に異物が付着してから完全に固着するまでの状態を「固着状態」とすると、この固着状態の初期には、スライダの動きが鈍くなって作用角の変化速度が低下するものの、実際の作用角が目標作用角に一致することもあり得る。この場合には、固着状態が進行して固着に至るおそれがあるにも拘らず、上述した条件(実際の作用角と目標作用角との偏差が大きいにも拘らず、実際の作用角の変化量が小さな状態が所定期間継続すること)が満たされない。そのため、固着が生じている旨の診断がなされず、正常な状態への復帰処理が行われない。その結果、固着状態が進行してゆくのを放置することになる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、機関油の劣化に起因する作用角可変機構の固着状態を初期段階から把握して、固着状態が悪化する前に正常な状態に戻す処理を施すことのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、内燃機関の機関油により駆動され、かつ機関バルブの実際のバルブタイミングが、機関運転状態に応じた同機関バルブの目標バルブタイミングとなるように制御されるバルブタイミング可変機構と、機関バルブの開弁に関わるカムの作用角を変更し、かつ可動部の潤滑に前記機関油が用いられる作用角可変機構とを備え、前記機関油の劣化に関する実行条件が満たされると、機関油の劣化に伴う異物を除去すべく前記作用角可変機構を強制駆動するようにした内燃機関の制御装置であって、前記バルブタイミング可変機構における前記目標バルブタイミングの変化速度と、前記実際のバルブタイミングの変化速度との偏差が所定値以上であることを、前記作用角可変機構の強制駆動の実行条件としている。
請求項1に記載の発明では、内燃機関の機関油により駆動され、かつ機関バルブの実際のバルブタイミングが、機関運転状態に応じた同機関バルブの目標バルブタイミングとなるように制御されるバルブタイミング可変機構と、機関バルブの開弁に関わるカムの作用角を変更し、かつ可動部の潤滑に前記機関油が用いられる作用角可変機構とを備え、前記機関油の劣化に関する実行条件が満たされると、機関油の劣化に伴う異物を除去すべく前記作用角可変機構を強制駆動するようにした内燃機関の制御装置であって、前記バルブタイミング可変機構における前記目標バルブタイミングの変化速度と、前記実際のバルブタイミングの変化速度との偏差が所定値以上であることを、前記作用角可変機構の強制駆動の実行条件としている。
上記の構成によれば、内燃機関における機関バルブのバルブタイミングがバルブタイミング可変機構によって機関運転状態に応じたものに変更される。この変更に際しては、機関バルブの実際のバルブタイミングが、機関運転状態に応じた目標バルブタイミングとなるようにバルブタイミング可変機構が制御される。また、内燃機関における機関バルブの開弁に関わるカムの作用角が、作用角可変機構によって機関運転状態に応じたものに変更される。
上記バルブタイミング可変機構では、その駆動のために内燃機関の機関油が用いられる。また、作用角可変機構では、その可動部の潤滑のために上記機関油が用いられる。このように、バルブタイミング可変機構及び作用角可変機構では共通の油(機関油)が使用される。この機関油が劣化すると、その劣化に伴い生じた異物、例えば粘着物や金属くず等が機関油の供給経路を流れる過程で、可変機構(バルブタイミング可変機構及び作用角可変機構)の可動部分に付着・堆積したり噛み込んだりして、同可動部分が固着状態となる場合がある。この固着状態の初期の段階では、可動部分の動作が可能である。しかし、機関油の劣化が進むにつれて固着状態も進行し、やがては可動部分の固着(動かない状態)を招くおそれがある。
また、バルブタイミング可変機構では、上記機関油の劣化に起因して可動部の応答速度(作動速度)が低下する。この場合には、同可変機構による実際のバルブタイミングの変化速度が低下する。例えば、請求項2に記載の発明によるように、バルブタイミング可変機構への機関油の供給経路にオイルフィルタが設けられている場合には、そのオイルフィルタに上記異物が付着・堆積すると、バルブタイミング可変機構に対する機関油の時間当りの供給量が減少し、実際のバルブタイミングの変化速度が低下する。そして、機関油の劣化が進行してフィルタにおける異物の堆積量が増加するに従い、上記供給油量の減少度合い及び変化速度の低下度合いがともに大きくなる。
従って、固着状態が進行するにつれて、目標バルブタイミングの変化速度に対し、実際のバルブタイミングの変化速度が低い側へ乖離してゆく。この乖離の度合いは、固着状態の初期段階では小さいが、固着状態が進行するに従って大きくなる。そのため、この乖離の度合いを利用することで、固着状態の進行状態を把握することが可能である。そして、固着状態の初期段階で、正常な状態に戻すための処理を行うことで、固着状態の進行が放置されるのを抑止することが可能である。
この点、請求項1に記載の発明では、バルブタイミング可変機構における目標バルブタイミングの変化速度と、実際のバルブタイミングの変化速度との偏差が求められ、この偏差と所定値とが比較される。この比較により、機関油の劣化に起因する固着状態の初期段階であるかどうかを診断することが可能である。偏差が所定値以上である場合には、このまま放置しておけば、固着状態が進行して作用角可変機構に固着の懸念があることを把握することができる。
そして、偏差が所定値以上であることが作用角可変機構の強制駆動の実行条件とされ、この実行条件が満たされている場合には作用角可変機構が強制的に駆動される。この強制駆動により、固着を引き起す可能性のある異物を早期に除去し、同作用角可変機構が固着するのを未然に防止することができるようになる。
なお、請求項1又は2に記載の発明における作用角可変機構としては、例えば、請求項3に記載の発明によるように、前記カム及び前記機関バルブ間に回転可能かつ軸方向への変位可能に設けられたスライダと、ヘリカルスプラインにて前記スライダの外周に噛合され、かつ前記カムにより駆動される入力アームと、前記スライダ外周の前記入力アームとは異なる箇所にヘリカルスプラインにて噛合され、かつ前記機関バルブを駆動する出力アームとを有し、前記スライダの軸方向への変位に伴う回転により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更し、前記カムの作用角を変更するものを採用することができる。
このタイプの作用角可変機構によると、スライダの外周に入力アーム及び出力アームがそれぞれヘリカルスプラインにて噛合されていることから、カムによって入力アームが揺動されると、その揺動がスライダを介して出力アームに伝達される。この伝達により出力アームが揺動し、機関バルブが開閉駆動される。
上述した基本動作に加え、カムの作用角が、内燃機関の運転状態に応じた目標作用角となるように作用角可変機構が制御される。この制御によりスライダが軸方向へ変位させられると、その変位に伴うスライダの回転により、入力アーム及び出力アームがねじられて、それらの相対位相差が変更され、カムの作用角が目標作用角に近づけられる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記強制駆動に際し、前記スライダは前記軸方向へ移動させられるとする。
上記の構成によれば、強制駆動の実行条件が満たされると、スライダが軸方向へ強制的に移動させられる。この移動に伴うスライダの回転により、スライダ及び入力アームの噛合状態が変化するとともに、スライダ及び出力アームの噛合状態が変化して異物が除去される。
上記の構成によれば、強制駆動の実行条件が満たされると、スライダが軸方向へ強制的に移動させられる。この移動に伴うスライダの回転により、スライダ及び入力アームの噛合状態が変化するとともに、スライダ及び出力アームの噛合状態が変化して異物が除去される。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記強制駆動時における前記スライダの移動方向は、実際の作用角が目標作用角から離れる際にスライダが移動する方向と同一に設定されているとする。
ここで、ヘリカルスプラインの噛合部分で異物が噛み込む現象は、実際の作用角を目標作用角に近づけるべくスライダを軸方向へ移動させる過程で起るものと考えられる。この点、請求項5に記載の発明では、強制駆動に際し、スライダが軸方向について実際の作用角が目標作用角から離れる方向へ移動させられる。この方向は、上記異物を噛み込む方向とは逆方向である。そのため、スライダが同方向へ強制的に移動させられることにより、異物が効果的に除去される。
請求項6に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記強制駆動に際し、前記スライダが前記軸方向へ往復移動させられるとする。
上記の構成によれば、強制駆動の実行条件が満たされると、スライダが強制的に軸方向へ往復移動させられる。従って、単に軸方向の一方のみにスライダが移動させられる場合に比べ、異物をより確実に除去することが可能となる。
上記の構成によれば、強制駆動の実行条件が満たされると、スライダが強制的に軸方向へ往復移動させられる。従って、単に軸方向の一方のみにスライダが移動させられる場合に比べ、異物をより確実に除去することが可能となる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記強制駆動に際し、前記スライダが、その可動範囲の全域にかけて往復移動させられるとする。
上記の構成によれば、スライダがその可動範囲の全域にかけて往復移動させられると、同スライダは採り得る最大限移動することとなり、異物についてスライダの往復移動によって除去可能な領域が最も広くなる。
上記の構成によれば、スライダがその可動範囲の全域にかけて往復移動させられると、同スライダは採り得る最大限移動することとなり、異物についてスライダの往復移動によって除去可能な領域が最も広くなる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
車両には、図1〜図3に示すように、内燃機関としての多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。エンジン11は、複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13と、その上側に配置されるシリンダヘッド14とを備える。各気筒12にはピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド16を介し、出力軸であるクランクシャフト17に連結されている。そのため、各ピストン15が往復動すると、その動きはコネクティングロッド16によって回転運動に変換された後、クランクシャフト17に伝達される。
車両には、図1〜図3に示すように、内燃機関としての多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。エンジン11は、複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13と、その上側に配置されるシリンダヘッド14とを備える。各気筒12にはピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド16を介し、出力軸であるクランクシャフト17に連結されている。そのため、各ピストン15が往復動すると、その動きはコネクティングロッド16によって回転運動に変換された後、クランクシャフト17に伝達される。
各気筒12内のピストン15よりも上側の空間は燃焼室18となっている。各燃焼室18には、スロットルバルブ19を有する吸気通路21が接続されており、エンジン11の外部の空気が吸気通路21を通過して燃焼室18に吸入される。スロットルバルブ19は電動モータ等からなるアクチュエータ22に駆動連結されている。アクチュエータ22は、運転者によるアクセルペダル23の踏込み操作等に応じて作動し、スロットルバルブ19を回動させる。このスロットルバルブ19の回動角度(スロットル開度)に応じて、吸気通路21を流れる空気の量(吸入空気量)が変化する。
また、燃焼室18には排気通路24が接続されており、燃焼室18で生じた燃焼ガスが同排気通路24を通ってエンジン11の外部へ排出される。
上記シリンダヘッド14には、吸気通路21の各燃焼室18との接続部分(吸気ポート21A)を開閉する吸気バルブ25と、排気通路24の各燃焼室18との接続部分(排気ポート24A)を開閉する排気バルブ26とが、機関バルブとして気筒12毎に設けられている。本実施形態では、これらの吸・排気バルブ25,26が気筒当りに一対ずつ設けられている。同一種類のバルブ25,25(又は26,26)は気筒配列方向(図1及び図2では紙面と直交する方向)に並設されている。吸・排気バルブ25,26は、いずれもバルブスプリング27によって、吸・排気ポート21A,24Aを閉鎖する方向(閉弁方向、図2の略上方)へ付勢されている。シリンダヘッド14における吸気バルブ25の略上方には、吸気カム28を有する吸気カムシャフト29が、支持壁部31(図3参照)により回転可能に支持されている。同様に、シリンダヘッド14における排気バルブ26の略上方には、排気カム32を有する排気カムシャフト33が回転可能に支持されている。
上記シリンダヘッド14には、吸気通路21の各燃焼室18との接続部分(吸気ポート21A)を開閉する吸気バルブ25と、排気通路24の各燃焼室18との接続部分(排気ポート24A)を開閉する排気バルブ26とが、機関バルブとして気筒12毎に設けられている。本実施形態では、これらの吸・排気バルブ25,26が気筒当りに一対ずつ設けられている。同一種類のバルブ25,25(又は26,26)は気筒配列方向(図1及び図2では紙面と直交する方向)に並設されている。吸・排気バルブ25,26は、いずれもバルブスプリング27によって、吸・排気ポート21A,24Aを閉鎖する方向(閉弁方向、図2の略上方)へ付勢されている。シリンダヘッド14における吸気バルブ25の略上方には、吸気カム28を有する吸気カムシャフト29が、支持壁部31(図3参照)により回転可能に支持されている。同様に、シリンダヘッド14における排気バルブ26の略上方には、排気カム32を有する排気カムシャフト33が回転可能に支持されている。
吸・排気カムシャフト29,33は、タイミングチェーン34、スプロケット35(図4参照)等によりクランクシャフト17に駆動連結されている。そして、クランクシャフト17の回転がタイミングチェーン34等を介して吸・排気カムシャフト29,33に伝達される。吸・排気カム28,32の回転により、吸・排気バルブ25,26がバルブスプリング27に抗して押下げられる。この押下げにより、吸・排気ポート21A,24Aが開放された状態(開弁状態)になる。
吸気通路21には、燃焼室18側へ燃料を噴射する燃料噴射弁36が各気筒12に対応して取付けられている。噴射された燃料は、吸気通路21を通る吸入空気と混ざり合って混合気となる。なお、吸気通路21を介さずに燃料噴射弁36から燃焼室18へ燃料を直接噴射する構成としてもよい。
シリンダヘッド14には、点火プラグ37が各気筒12に対応して取付けられている。各点火プラグ37は、イグナイタ38からの点火信号に基づいて作動する。点火プラグ37には、点火コイル39から出力される高電圧が印加される。そして、前記混合気は点火プラグ37の火花放電によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動され、クランクシャフト17が回転されてエンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。
エンジン11には、吸気バルブ25のバルブ特性を可変とする可変動弁機構として、バルブタイミング可変機構41及び作用角可変機構42が設けられている。
バルブタイミング可変機構41は、クランクシャフト17に対する吸気カムシャフト29の相対回転位相を変化させることにより、吸気バルブ25のバルブタイミングをクランク角(クランクシャフト17の回転角)に対して連続的に変更するための機構である。吸気バルブ25のバルブタイミングは、例えば、図6に示すように吸気バルブ25の開弁時期IVO及び閉弁時期IVCで表すことができる。バルブタイミングは、吸気バルブ25の開弁期間(開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの期間)が一定に保持された状態で進角又は遅角させられる。なお、図6中のEVO,EVCは排気バルブ26の開弁時期及び閉弁時期である。
バルブタイミング可変機構41は、クランクシャフト17に対する吸気カムシャフト29の相対回転位相を変化させることにより、吸気バルブ25のバルブタイミングをクランク角(クランクシャフト17の回転角)に対して連続的に変更するための機構である。吸気バルブ25のバルブタイミングは、例えば、図6に示すように吸気バルブ25の開弁時期IVO及び閉弁時期IVCで表すことができる。バルブタイミングは、吸気バルブ25の開弁期間(開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの期間)が一定に保持された状態で進角又は遅角させられる。なお、図6中のEVO,EVCは排気バルブ26の開弁時期及び閉弁時期である。
図4は上記バルブタイミング可変機構41の縦断面を示し、図5は図4におけるA−A線に沿った断面を示している。ただし、図5ではスプロケット35の歯の部分についての図示が省略されている。
吸気カムシャフト29の一方(図4の左方)の端部には、内部ロータ43が一体回転可能に取付けられるとともに、上記スプロケット35が相対回転可能に取付けられている。スプロケット35には、側板44、ハウジング45及びカバー46が一体回転可能に取付けられている。ハウジング45は円環形状をなし、その内周面に複数の突部47を有している。一方、内部ロータ43は、ボス48と、そのボス48の外周面に設けられた複数のベーン49とを備えている。各突部47はボス48の外周面に摺動可能に接触し、各ベーン49は隣合う突部47,47間においてハウジング45の内周面に摺動可能に接触している。
吸気カムシャフト29をクランクシャフト17に対し相対回転させるために、エンジンオイル(機関油)53の油圧が利用されている。詳しくは、ハウジング45内の隣合う突部47,47間の空間は、ベーン49によって2つの空間に区画されている。これらのうち、吸気カムシャフト29の回転方向(図5の反時計回り方向)についてベーン49よりも前側の空間は「遅角側圧力室51」を構成し、後ろ側の空間は「進角側圧力室52」を構成している。
そして、両圧力室51,52内の油圧によって内部ロータ43がハウジング45に対して相対回転する。すなわち、進角側圧力室52内の油圧を遅角側圧力室51内の油圧に対して高くすると、内部ロータ43はハウジング45に対して吸気カムシャフト29の回転方向に相対回転する。このとき、吸気カムシャフト29の回転位相はクランクシャフト17の回転位相に対して進められる(進角される)。これとは逆に、遅角側圧力室51内の油圧を進角側圧力室52の油圧に対して高くすると、内部ロータ43はハウジング45に対して吸気カムシャフト29の回転方向と逆方向に相対回転され、吸気カムシャフト29の回転位相はクランクシャフト17の回転位相に対して遅らされる(遅角される)。
上記両圧力室51,52内に対するエンジンオイル53の供給及び排出を行うために、遅角側圧力室51に繋がる遅角側通路54と、進角側圧力室52に繋がる進角側通路55とが設けられている。両通路54,55には、電磁駆動式の流量制御弁であるオイルコントロールバルブ(OCV)56を介して、供給通路57及び2つの排出通路58,59が接続されている。供給通路57はOCV用オイルフィルタ60及びオイルポンプPを介してオイルパン61に繋がり、両排出通路58,59は直接オイルパン61に繋がっている。
OCV56は、複数のポートが形成されたケーシング62を備えている。ポートには、遅角側通路54、進角側通路55、供給通路57及び両排出通路58,59が接続されている。ケーシング62の内部には、ばね63によって弾性付勢されたスプール64が往復動可能に収容されている。OCV56では、電磁ソレノイド65への通電時間がデューティ制御されることにより、スプール64の軸方向における位置が変更されて各ポートが開閉される。
デューティ比が小さな値(例えば0%)の場合には、ばね63が伸張してスプール64が一端側(図4の右側)に配置される。遅角側通路54と供給通路57とが接続され、オイルパン61内のエンジンオイル53が供給通路57、遅角側通路54等を通って遅角側圧力室51に供給される。また、進角側通路55と一方(図4の左方)の排出通路58とが接続され、進角側圧力室52内のエンジンオイル53が進角側通路55、排出通路58等を通ってオイルパン61に戻される。その結果、ハウジング45に対し内部ロータ43が吸気カムシャフト29の回転方向とは反対方向(遅角方向)へ相対回転する。
また、デューティ比が大きな値(例えば100%)の場合には、スプール64がばね63を圧縮させて他端側(図4の左側)に配置される。進角側通路55と供給通路57とが接続され、オイルパン61内のエンジンオイル53が供給通路57、進角側通路55等を通って進角側圧力室52に供給される。また、遅角側通路54と他方(図4の右方)の排出通路59とが接続され、遅角側圧力室51内のエンジンオイル53が遅角側通路54、排出通路59等を通ってオイルパン61に戻される。その結果、ハウジング45に対し内部ロータ43が吸気カムシャフト29の回転方向(進角方向)へ相対回転する。
なお、図4中及び図5中の66は、内部ロータ43をハウジング45に相対回転不能に連結して、スプロケット35、ハウジング45等に対する内部ロータ43の相対回転をロックするロック機構である。ロック機構66は、特定の状況となった場合に、内部ロータ43の相対回転を制限して、バルブタイミングの不用意な変更を防止するために設けられている。
一方、作用角可変機構42は、吸気カム28の作用角を連続的に変更するための機構である。ここで、図7に示すように作用角は、吸気カム28の回転(図7ではクランク角で表現)について、吸気バルブ25の開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの角度範囲である。本実施形態では、作用角可変機構42により上記作用角に加え吸気バルブ25の最大リフト量も連続的に変更される。最大リフト量は、吸気バルブ25が開弁時において最も下方まで移動(リフト)したときの同吸気バルブ25の移動量である。これらの作用角及び最大リフト量は、作用角可変機構42によって互いに同期して変化させられ、例えば、作用角が小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。作用角が小さくなるに従い、吸気バルブ25の開弁時期IVOと閉弁時期IVCとが互いに近寄り、開弁期間が短くなり、気筒12当りの吸入空気量が少なくなる。
図3に示すように、作用角可変機構42は、気筒12毎の仲介駆動機構67を備えるほか、支持パイプ68、コントロールシャフト69及びアクチュエータ71を備えている。支持パイプ68は気筒12の配列方向(図3の左右方向)へ延びるように配置され、前述した支持壁部31に固定されている。なお、この方向について、特に区別する必要のない場合には「軸方向」といい、区別する必要のある場合には矢印X方向又は矢印Y方向というものとする。矢印X方向は、タイミングチェーン34に近づく方向であり、本実施形態では吸気カム28の作用角を小さくする方向である。また、矢印Y方向はタイミングチェーン34から遠ざかる方向であり、本実施形態では作用角を大きくする方向である。前記固定により、支持パイプ68は軸方向への移動が不能であり、しかも回転不能である。コントロールシャフト69は支持パイプ68内に挿通されている。アクチュエータ71は電動モータと、この電動モータの回転を直線運動に変換してコントロールシャフト69に伝達する変換機構とを備えている。そして、この直線運動の伝達により、コントロールシャフト69が軸方向へ往復駆動される。
各仲介駆動機構67は、気筒12毎の吸気カム28と吸気バルブ25との間に設けられている(図1及び図2参照)。各仲介駆動機構67は、図8〜図10に示すように、入力アーム72と、その軸方向についての両側に配置された一対の出力アーム73,74とを備えている。仲介駆動機構67毎の入・出力アーム72〜74は支持壁部31,31間に配置されており、軸方向への変位が両支持壁部31,31によって規制されている(図10参照)。
入力アーム72は一対の支持片75,75を備えており、両支持片75,75間にローラ76が軸支されている。また、各出力アーム73,74は、ベース円部77と、凹状に湾曲するカム面78Aを有するノーズ78とをそれぞれ備えている。
支持パイプ68と、入・出力アーム72〜74との間には、動力伝達用のスライダ79が配置されている。スライダ79は、支持パイプ68上に回動可能かつ軸方向への変位可能に支持されている。支持パイプ68の外側のスライダ79を同支持パイプ68内のコントロールシャフト69に動力伝達可能に連結するために、同スライダ79の内壁には、周方向に延びる周溝81が形成されている。周溝81は、スライダ79に設けられた貫通孔82によって同スライダ79の外部に連通している(図11参照)。また、支持パイプ68において、隣合う支持壁部31,31間には、軸方向へ延びる長孔83が形成されている。これらの周溝81及び長孔83の交わる箇所には、前述した貫通孔82を通じて挿入された係止ピン84が配置され、その内端部(図10及び図11の下端部)がコントロールシャフト69に圧入固定されている。また、周溝81内に位置する係止ピン84の外端部(図10及び図11の上端部)にはブッシュ85が係止されている。
従って、前述したように支持パイプ68がシリンダヘッド14(支持壁部31)に固定されているが、コントロールシャフト69の軸方向への移動に伴い、係止ピン84が長孔83内を移動することで、ブッシュ85を介してスライダ79を軸方向へ変位させることが可能である。さらに、スライダ79自体は、周方向へ延びる周溝81にて係止ピン84及びブッシュ85に係合されていることから、係止ピン84及びブッシュ85にて軸方向の位置は決定されるが、軸周りについては回動可能である。
入力アーム72及びスライダ79間で動力を伝達するために、入力アーム72の内周面には、出力アーム73側ほど時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン72Aが形成されている。これに対応して図9に示すように、スライダ79の外周面の軸方向における中間部分には、同方向へねじれたヘリカルスプライン79Aが形成され、これが前述したヘリカルスプライン72Aに噛合されている。
また、各出力アーム73,74及びスライダ79間で動力を伝達するために、各出力アーム73,74の内周面には、前記入力アーム72のヘリカルスプライン72Aとは逆方向、すなわち入力アーム72から出力アーム73側へ離れるほど反時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン73B,74Cが形成されている。これに対応して、スライダ79の外周面の軸方向における両端部には、同方向へねじれたヘリカルスプライン79B,79Cが形成され、これらが前述したヘリカルスプライン73B,74Cに噛合されている。このように、ヘリカルスプライン72A,79Aと、ヘリカルスプライン73B,74C,79B,79Cとが逆方向へねじれている。そのため、コントロールシャフト69の軸方向の移動に連動してスライダ79が同方向へ変位しながら回転することにより、入力アーム72と各出力アーム73,74とに対し互いに逆方向のねじり力が付与され、入力アーム72及び出力アーム73,74の相対位相差が変化する。また、前記ヘリカルスプライン(72A,73B,74C),(79A,79B,79C)のねじれ方向の設定により、入・出力アーム72〜74の相対位相差は、スライダ79が矢印X方向(作用角を小さくする方向)へ変位するに従い小さくなる。
図2に示すように、各仲介駆動機構67のローラ76は吸気カム28に接触しており、吸気カムシャフト29の回転に伴い吸気カム28による略下向きの力がローラ76に加えられる。また、支持片75及びシリンダヘッド14間にはスプリング86が圧縮状態で配置されており、このスプリング86によりローラ76が吸気カム28に押付けられている。そして、吸気カム28のカムプロフィールに応じて変化する略下向きの力と、スプリング86による上向きの力及びバルブスプリング27の圧縮反力等とがつり合うように入力アーム72がコントロールシャフト69を支点として上下に揺動する。
一方、気筒12毎の吸気バルブ25及び出力アーム73,74間にはロッカーアーム87が配置され、同ロッカーアーム87を介して出力アーム73,74の揺動が対応する吸気バルブ25に伝達される。すなわち、各ロッカーアーム87は、その基端部(図2の左端部)87Aにおいてアジャスタ88にて揺動可能に支持され、先端部(図2の右端部)87Bにおいて吸気バルブ25に接触している。そして、バルブスプリング27の付勢力が吸気バルブ25を通じてロッカーアーム87の先端部87Bに加わり、同ロッカーアーム87のローラ89が出力アーム73(又は74)のベース円部77又はノーズ78に接触している。
従って、吸気カムシャフト29が回転すると、仲介駆動機構67では、吸気カム28によって入力アーム72がコントロールシャフト69を支点として上下に揺動する。この揺動はスライダ79を介して両出力アーム73,74に伝達され、同出力アーム73,74が上下に揺動する。これらの揺動する出力アーム73,74によって、対応する吸気バルブ25が駆動されて開閉する。
また、アクチュエータ71によってコントロールシャフト69が軸方向へ移動させられることで、スライダ79が回転を伴いながら軸方向へ変位し、入・出力アーム72〜74の揺動方向について、入力アーム72と各出力アーム73,74との相対位相差が変更される。この変更に伴い吸気カム28の作用角が連続的に変化する。スライダ79が矢印X方向へ最大量変位して相対位相差が最小のときには作用角が小さく、気筒12当りの吸入空気量が少ない。そして、スライダ79の矢印Y方向への変位に伴って相対位相差が増大すると、作用角が大きくなって吸入空気量が多くなる。
図12(A)及び図12(B)は、アクチュエータ71によってコントロールシャフト69を図3の矢印Y方向へ最大量移動させたときの仲介駆動機構67の状態を示している。スライダ79が可動範囲における矢印Y方向の端に位置している。このときには、入力アーム72と各出力アーム73,74との相対位相差が最大となり、吸気カム28の作用角が最大となっている。
特に、図12(A)は、吸気カム28がそのベース円部28Aにおいて、仲介駆動機構67のローラ76に接触した状態を示している。この状態では、両出力アーム73,74のベース円部77においてノーズ78に近い部分がロッカーアーム87のローラ89に接触している。このため、吸気バルブ25は閉弁状態(リフト量が「0」)となる。
吸気カムシャフト29が回転すると、吸気カム28のノーズ28Bによってローラ76が押下げられて、入力アーム72が下方へ揺動する。この揺動がスライダ79を介して各出力アーム73,74に伝達されて、同出力アーム73,74が下方へ揺動する。これらの揺動により、ノーズ78のカム面78Aが直ちにロッカーアーム87のローラ89に接触して、図12(B)に示すように、カム面78Aの略全範囲を使用してローラ89を押下げる。この押下げにより、ロッカーアーム87が基端部87Aを支点として下方へ揺動し、ロッカーアーム87の先端部87Bが吸気バルブ25を大きく押下げ、同吸気バルブ25を大きく開弁させる。最大リフト量が最も大きくなり、吸気ポート21Aから燃焼室18に流入する空気の量が最大となる。
前記の状態から、アクチュエータ71によってコントロールシャフト69を図3の矢印X方向へ移動させると、それに連動してスライダ79が回転しながら同方向へ変位する。スライダ79の回転により入力アーム72及び各出力アーム73,74に対し互いに逆方向のねじり力が付与され、図12(A)において二点鎖線で示すように、入力アーム72及び各出力アーム73,74の相対位相差が変化する。この相対位相差は、スライダ79の矢印X方向への変位量が大きくなるほど小さくなる。
吸気カム28のベース円部28Aが、仲介駆動機構67のローラ76に接触するときに、出力アーム73,74のベース円部77についてロッカーアーム87のローラ89との接触箇所がノーズ78から遠ざかる。このため、出力アーム73,74が揺動しても、しばらくはロッカーアーム87のローラ89は、ノーズ78のカム面78Aに接触することなくベース円部77に接触し続ける。
その後、カム面78Aがローラ89を押下げて、基端部87Aを支点としてロッカーアーム87を下方へ揺動させるが、ローラ89が当初、ノーズ78から離れている分、カム面78Aの使用範囲が少なくなる。その結果、ロッカーアーム87の揺動角度が小さくなり、作用角が小さくなる。こうして、吸気バルブ25は最大時よりも小さな作用角にて吸気ポート21Aを開放状態にする。吸気バルブ25の開弁に伴い吸気ポート21Aから燃焼室18に流入する空気量は、スライダ79の矢印X方向への変位量に応じて少なくなる。
このように、アクチュエータ71によってコントロールシャフト69を通じてスライダ79の位置を調整することにより、上記図7に示すように、吸気カム28の作用角及び吸気バルブ25の最大リフト量を連続的に変化させることが可能である。
さらに、作用角可変機構42では、その可動部分、より正確には、部品同士が接触した状態で相対移動する箇所に潤滑油を供給して潤滑を行うようにしている。こうした箇所の1つに、図10に示すように、スライダ79のヘリカルスプライン79Aと入力アーム72のヘリカルスプライン72Aとの噛合部分、同じくスライダ79のヘリカルスプライン79B,79Cと出力アーム73,74のヘリカルスプライン73B,74Cとの噛合部分が挙げられる。これらの噛合部分を潤滑するために、コントロールシャフト69を支持パイプ68の内径よりも若干小径とすることで、その支持パイプ68の内壁面とコントロールシャフト69との間に潤滑油通路90が設けられている。この潤滑油通路90には、オイルポンプPから吐出されたエンジンオイル53の一部が供給される。また、支持パイプ68の管壁にはエンジンオイル53の給油口68Aが開けられており、上記潤滑油通路90を流れるエンジンオイル53の一部が、この給油口68Aや、出力アーム73,74の支持パイプ68に対する支持部分等を通って、同支持パイプ68と入・出力アーム72〜74とによって囲まれた空間(スライダ79の可動空間)に供給される。そして、供給されたエンジンオイル53によって上記ヘリカルスプライン(72A,79A)、(73B,79B)、(74C,79C)の噛合部分が潤滑される。
車両には、図1に示すように、各部の状態を検出するセンサが種々取付けられている。これらのセンサとしては、例えばクランク角センサ91、カム角センサ92、回転角センサ93、エアフロメータ94、スロットルセンサ95、アクセルセンサ96等が用いられている。
クランク角センサ91は、クランクシャフト17が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生する。この信号は、クランクシャフト17の回転角度であるクランク角や、単位時間当りのクランクシャフト17の回転速度であるエンジン回転速度の算出等に用いられる。カム角センサ92は、吸気カムシャフト29の回転角度(カム角)を検出し、回転角センサ93は、吸気バルブ25のバルブ特性(作用角及び最大リフト量)を検出すべく、アクチュエータ71における電動モータの回転角度を検出する。なお、回転角センサ93に代えて、コントロールシャフト69の変位量(ストローク)を検出するストロークセンサを用いてもよい。エアフロメータ94は、吸気通路21を流れる空気の量(吸入空気量)を検出し、スロットルセンサ95はスロットル開度を検出し、アクセルセンサ96は運転者によるアクセルペダル23の踏込み量を検出する。
車両には、前記各種信号に基づいて、エンジン11等の各部を制御する電子制御装置99が設けられている。電子制御装置99はマイクロコンピュータを中心として構成されており、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、制御マップ等に従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。
電子制御装置99が行う制御の一部として、スロットル開度制御、吸気バルブ25のバルブ特性に関する制御(バルブタイミング制御及び作用角制御)、OCV56の異物除去制御等が挙げられる。
スロットル開度制御では、例えばエンジン11に対する運転者の出力要求を表すアクセル踏込み量が大となるほどスロットルバルブ19が開き側となるようにアクチュエータ22が駆動制御される。ここで、スロットル開度が大となるほどエンジン11の吸入空気量が多くなり、それに応じて燃料噴射量も大とされるため、燃焼室18に充填される混合気の量が増加してエンジン出力が大となる。そのため、エンジン11に対する運転者の出力要求に対応したエンジン出力が得られる。
バルブタイミング制御では、エンジン11の運転状況、例えばエンジン回転速度、エンジン負荷等に基づいて、吸気バルブ25の目標バルブタイミングが算出される。そして、クランク角センサ91及びカム角センサ92の各検出結果に基づき把握される吸気バルブ25の実際のバルブタイミングが上記目標バルブタイミングに一致するように、OCV56(電磁ソレノイド65)に対する通電時間がデューティ制御される。
作用角制御では、エンジン回転速度、エンジン負荷等のエンジン11の運転状況に関するパラメータに基づいて、吸気カム28の目標作用角が算出される。エンジン負荷は、例えばエンジン11の吸入空気量、又はそれに関係するパラメータ(スロットル開度、アクセル踏込み量等)に基づき求められる。一方で、回転角センサ93によって検出された回転角に基づき、その回転角に対応する吸気カム28の実際の作用角が算出される。そして、実際の作用角が目標作用角に一致するようにアクチュエータ71の電動モータに対する通電が制御される。この制御に応じて作動するアクチュエータ71により、コントロールシャフト69が軸方向へ移動させられ、吸気カム28の作用角がエンジン11の運転状況に適した値に調整される。
例えば、エンジン回転速度一定のもと、エンジン負荷が大となるほどエンジン11の吸入空気量を確保しやすくすべく、吸気カム28の目標作用角が大きくされる。これは、エンジン負荷が大となるほど大きなエンジン出力が要求されていることになり、その出力を得るために必要な吸入空気量も多くなるからである。
また、エンジン負荷が小さくなるほど必要な空気量が少なくなることから、吸気カム28の作用角が小さくされて吸入空気量が低減される。そのため、スロットルバルブ19を閉じ側に制御して吸入空気量を低減しなくてもよくなり、スロットルバルブ19を開き側の所定開度に保持することが可能となる。このため、スロットルバルブ19を閉じ側に制御することに伴う不具合、例えばポンピング損失の増大や燃費の低下等が抑制される。
OCV56の異物除去制御は、エンジンオイル53の劣化に伴い生じた異物がOCV56の可動部分に付着・堆積したり噛み込んだりした場合に、その異物を除去する制御である。この異物除去制御では、上記エンジンオイル53の劣化に起因するOCV56の作動異常が生じているかどうかが診断される。この診断は、目標バルブタイミングに対する実際のバルブタイミング(以下、実バルブタイミングという)の乖離度合いに基づいて行われる。例えば、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差の絶対値が所定値よりも大きな状態が、所定期間継続している場合に、作動異常が発生していると診断される。また、上記偏差の絶対値が所定値よりも大きく、かつ実バルブタイミングの変化量が所定値よりも小さい場合、すなわち、実バルブタイミングが目標バルブタイミングに対し大きく乖離しているにも拘らず、実バルブタイミングがあまり変化していない場合に、作動異常が発生していると診断されてもよい。そして、作動異常が生じている旨の診断がなされると、スプール64を強制的に往復動させるための指令がOCV56に出力される。この指令に応じて、電磁ソレノイド65のデューティ制御におけるデューティ比が強制的に変更されて、スプール64が軸方向へ強制的に往復動させられる。この強制駆動により、上記エンジンオイル53の劣化に起因する異物が除去される場合がある。
さらに、本実施形態では上記各種制御に加え、作用角可変機構42の劣化油固着防止制御が行われる。図13のフローチャートは、この劣化油固着防止制御に際し電子制御装置99によって行われる処理の内容を示しており、一定の時間毎に実行される。
電子制御装置99は、まずステップ100〜400において、エンジンオイル53の劣化度合いを診断する処理を行う。本実施形態では、この診断に際し、バルブタイミング可変機構41における目標バルブタイミングの変化速度Vtrgと、実バルブタイミングの変化速度Vactが用いられる。これは次の理由による。
エンジンオイル53の油圧によって駆動されるバルブタイミング可変機構41では、エンジンオイル53の供給通路57に設けたOCV用オイルフィルタ60に劣化油中の異物が付着・堆積すると、バルブタイミング可変機構41の遅角側圧力室51又は進角側圧力室52に対し一定時間当りに供給されるエンジンオイル53の量が減少する。この減少により、内部ロータ43がハウジング45に対し相対回転する速度が低下し、吸気カムシャフト29のクランクシャフト17に対する相対回転の速度が低下し、結果として、バルブタイミングの変化速度が低下する。そして、エンジンオイル53の劣化が進行してOCV用オイルフィルタ60における異物の堆積量が増加するに従い、上記供給油量の減少度合い及び変化速度の低下度合いがともに大きくなる。
従って、固着状態が進行するにつれて、目標バルブタイミングの変化速度Vtrgに対し、実バルブタイミングの変化速度Vactが低い側へ乖離してゆく。この乖離の度合いは、固着状態の初期段階では小さいが、固着状態が進行するに従って大きくなる。そのため、この乖離の度合いを利用することで、固着状態の進行状態を把握することが可能である。こうした理由により、目標バルブタイミングの変化速度Vtrgと、実バルブタイミングの変化速度Vactとがエンジンオイル53の劣化度合いの診断に用いられる。
詳しくは上記診断に際し、ステップ100において、目標バルブタイミングの変化速度Vtrgを算出する。この算出に際しては、上述したバルブタイミング制御において、エンジン11の運転状況(エンジン回転速度、エンジン負荷等)に基づいて算出された目標バルブタイミングを読込む。この目標バルブタイミングと、前回の劣化油固着防止制御の実行時に同様にして読込んだ目標バルブタイミング(前回値)との偏差を求める。前述したように、劣化油固着防止制御が一定時間毎に実行されることから、上記の偏差は、目標バルブタイミングの変化速度Vtrgとなる。
次に、ステップ200において、実バルブタイミングの変化速度Vactを算出する。この算出に際しては、上記ステップ100と同様の処理を行う。すなわち、上記バルブタイミング制御において、クランク角センサ91及びカム角センサ92の各検出結果に基づき求められた実バルブタイミングを読込む。この実バルブタイミングと、前回の劣化油固着防止制御の実行時に同様にして読込んだ実バルブタイミング(前回値)との偏差を求める。この偏差は、実バルブタイミングの変化速度Vactとなる。
そして、ステップ300,400において、上記ステップ100での変化速度Vtrgと、上記ステップ200での変化速度Vactとに基づき、固着状態の初期段階であるかどうかを判定する。
ステップ300では、上記両変化速度Vtrg,Vactの偏差ΔV(=Vtrg−Vact)を求める。ステップ400では、上記偏差ΔVが所定値α(>0)以上であるかどうかを判定する。所定値αは、エンジンオイル53の劣化に起因する固着状態の進行度合いと偏差ΔVとの関係を考慮して設定されている。すなわち、固着状態の初めには偏差ΔVは小さく、固着状態が進行するに従い偏差ΔVが大きくなってゆく傾向にある。そのため、所定値αを小さな値に設定すれば、固着状態の早い時期からそのことを把握して、対策(復帰処理)を講ずることが可能である。しかし、偏差ΔVが小さい場合には、そのことが他の要因、ばらつき等によるものである可能性も考えられる。そこで、所定値αは、このまま放置しておくと固着に至る可能性が高いことを判定できる範囲のうち最小値又はそれに近い値であることが望ましい。このような観点から、本実施形態では所定値αが20%程度の値に設定されている。
上記ステップ400の判定条件が満たされていると、すなわち、固着状態の初期段階である旨の判定がなされると、ステップ500において、その固着状態を正常な状態に戻すための復帰処理を行う。この復帰処理として、アクチュエータ71の電動モータに対する通電を制御することにより、同アクチュエータ71を強制的に正逆回転させるとともに、この正逆回転を所定回数繰返させる。これに伴いコントロールシャフト69が、所定方向へ回転した後に、その逆方向へ回転する。この両方向への回転が、上記所定回数分繰返される。その結果、スライダ79が、軸方向について作用角を小さくする方向(矢印X方向)及び同作用角を大きくする方向(矢印Y方向)へ往復移動させられる。ここでは、上記往復移動に際し、スライダ79が軸方向についての可動範囲の全域にかけて往復移動させられる。この往復移動に伴うスライダ79の回転により、スライダ79と入力アーム72との噛合状態が変化するとともに、同スライダ79と出力アーム73,74との噛合状態が変化する。ヘリカルスプラインに異物が付着している場合には、上記の噛合状態の変化により異物が除去される。
そして、上記ステップ500の処理を経た後に、劣化油固着防止制御の一連の処理を終了する。また、ステップ400の判定条件が満たされていない(ΔV<α)ときには、未だ固着状態の初期段階に至っていないと考えられることから、上述したステップ500の処理を行うことなく劣化油固着防止制御の一連の処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)目標バルブタイミングの変化速度Vtrgと、実バルブタイミングの変化速度Vactとをそれぞれ算出する(ステップ100,200)。両変化速度Vtrg,Vactの偏差ΔVを求め(ステップ300)、この偏差ΔVと所定値αとを比較するようにしている(ステップ400)。この比較により、エンジンオイル53の劣化に起因する固着状態の初期段階であるかどうかを診断することができる。そして、偏差ΔVが所定値α以上である場合には、このまま放置しておけば、固着状態が進行して作用角可変機構42、特にスライダ79及び入・出力アーム72〜74間で固着の懸念があることを把握することができる。
(1)目標バルブタイミングの変化速度Vtrgと、実バルブタイミングの変化速度Vactとをそれぞれ算出する(ステップ100,200)。両変化速度Vtrg,Vactの偏差ΔVを求め(ステップ300)、この偏差ΔVと所定値αとを比較するようにしている(ステップ400)。この比較により、エンジンオイル53の劣化に起因する固着状態の初期段階であるかどうかを診断することができる。そして、偏差ΔVが所定値α以上である場合には、このまま放置しておけば、固着状態が進行して作用角可変機構42、特にスライダ79及び入・出力アーム72〜74間で固着の懸念があることを把握することができる。
(2)上記偏差ΔVが所定値α以上であることを、作用角可変機構42の強制駆動の実行条件としている。そして、この実行条件が満たされている場合(ステップ400:YES)には、アクチュエータ71の電動モータに対する通電を制御することにより、作用角可変機構42におけるスライダ79を強制的に駆動するようにしている。そのため、スライダ79と入・出力アーム72〜74との噛合状態を変化させることで、固着を引き起す可能性のある上記異物を早期に除去し、作用角可変機構42が固着に至るのを未然に防止することができる。
(3)劣化油固着防止制御の別の態様として、エンジンオイル53の劣化度合いを検出する専用のセンサを別途設けることも考えられる。この場合、そのセンサによって検出される劣化度合いが所定の劣化度合いを越えることを、作用角可変機構42の強制駆動の実行条件とする。しかし、こうしたセンサは一般に高価であり、劣化油固着防止制御を行うことに伴うコストアップを招く。
この点、本実施形態では、目標バルブタイミングの変化速度Vtrgと実バルブタイミングの変化速度Vactとの偏差ΔVが所定値α以上であることを、作用角可変機構42の強制駆動の実行条件としている。目標バルブタイミング及び実バルブタイミングは、いずれも既存のバルブタイミング制御に際し用いられるパラメータである。本実施形態では、これらを変化速度Vtrg,Vactの算出に利用し、偏差ΔVを算出し、強制駆動の実行条件の成否を判定している。劣化油固着防止制御に際し、別段新たに部品等を追加するようなことはしていない。そのため、劣化油固着防止制御を行うことに伴うコストアップを最小限にとどめることができる。
(4)作用角可変機構42の強制駆動に際し、スライダ79を軸方向へ往復移動させるようにしている。そのため、単に軸方向の一方のみにスライダ79を移動させる場合に比べ、異物をより確実に除去することができる。
(5)作用角可変機構42の強制駆動に際し、スライダ79を、その可動範囲の全域にかけて往復移動させるようにしている。このようにすることで、スライダ79は採り得る最大限移動することとなり、異物についてスライダ79の往復移動によって除去可能な領域が最も広くなる。そのため、ヘリカルスプライン(72A,79A)、(73B,79B)、(74C,79C)のどの位置の異物であっても、これを確実に除去して正常な状態に復帰させることができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・ステップ500における作用角可変機構42の強制駆動の処理内容を、前記実施形態とは異なるものに変更してもよい。
・ステップ500における作用角可変機構42の強制駆動の処理内容を、前記実施形態とは異なるものに変更してもよい。
例えば、この強制駆動に際しては、スライダ79を軸方向の一方へのみ強制的に移動させてもよい。この場合、スライダ79の移動に伴う回転により、スライダ79及び入力アーム72の噛合状態が変化するとともに、スライダ79及び出力アーム73,74の噛合状態が変化して異物が除去される。
ここで、ヘリカルスプラインの噛合部分で異物が噛み込む現象は、実際の作用角を目標作用角に近づけるべくスライダ79を軸方向へ移動させる過程で起るものと考えられる。そのため、上記スライダ79の移動方向は、実際の作用角が目標作用角から離れる際に移動する方向と同一に設定されることが望ましい。こうした設定を行うと、強制駆動に際し、スライダ79が軸方向について実際の作用角が目標作用角から離れる方向へ移動させられる。この方向は、上記異物を噛み込む方向とは逆方向である。そのため、スライダ79をこの方向へ強制的に移動させることにより、異物を効果的に除去することができる。
なお、上記と同様の理由により、上記実施形態におけるスライダ79の往復移動に際し、軸方向についてスライダ79を最初に移動させる方向は、実際の作用角が目標作用角から離れる際に移動する方向と同一に設定されることが望ましい。
また、スライダ79の往復移動の回数を適宜に変更してもよい。この回数は、1回であっても複数回であってもよい。ただし、異物を確実に除去するうえでは回数を多くした方が望ましい。
さらに、スライダ79の可動範囲の全域よりも少ない領域において同スライダ79を往復移動させてもよい。
・作用角可変機構42において、前記電動モータとは異なるタイプのアクチュエータ71を用いて、コントロールシャフト69を軸方向へ変位させるようにしてもよい。
・作用角可変機構42において、前記電動モータとは異なるタイプのアクチュエータ71を用いて、コントロールシャフト69を軸方向へ変位させるようにしてもよい。
・作用角可変機構42を、排気カムシャフト33及び排気バルブ26間に設け、吸気カム28に代えて、又は加えて排気カム32の作用角を可変としてもよい。
・上記実施形態における作用角可変機構42の構成を適宜変更してもよい。
・上記実施形態における作用角可変機構42の構成を適宜変更してもよい。
例えば、支持パイプ68を省略し、コントロールシャフト69に支持パイプ68の機能を兼ねさせてもよい。また、ヘリカルスプライン73B,79B及びヘリカルスプライン74C,79Cのねじれ角は互いに同一であっても異なっていてもよい。
11…エンジン(内燃機関)、25…吸気バルブ(機関バルブ)、28…吸気カム、41…バルブタイミング可変機構、42…作用角可変機構、53…エンジンオイル(機関油)、60…OCV用オイルフィルタ、72…入力アーム、72A,73B,74C,79A,79B,79C…ヘリカルスプライン、73,74…出力アーム、79…スライダ、99…電子制御装置、Vtrg,Vact…変化速度、ΔV…偏差、α…所定値。
Claims (7)
- 内燃機関の機関油により駆動され、かつ機関バルブの実際のバルブタイミングが、機関運転状態に応じた同機関バルブの目標バルブタイミングとなるように制御されるバルブタイミング可変機構と、機関バルブの開弁に関わるカムの作用角を変更し、かつ可動部の潤滑に前記機関油が用いられる作用角可変機構とを備え、前記機関油の劣化に関する実行条件が満たされると、機関油の劣化に伴う異物を除去すべく前記作用角可変機構を強制駆動するようにした内燃機関の制御装置であって、
前記バルブタイミング可変機構における前記目標バルブタイミングの変化速度と、前記実際のバルブタイミングの変化速度との偏差が所定値以上であることを、前記作用角可変機構の強制駆動の実行条件とすることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記バルブタイミング可変機構への前記機関油の供給経路にオイルフィルタが設けられている請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記作用角可変機構は、前記カム及び前記機関バルブ間に回転可能かつ軸方向への変位可能に設けられたスライダと、ヘリカルスプラインにて前記スライダの外周に噛合され、かつ前記カムにより駆動される入力アームと、前記スライダ外周の前記入力アームとは異なる箇所にヘリカルスプラインにて噛合され、かつ前記機関バルブを駆動する出力アームとを有し、前記スライダの軸方向への変位に伴う回転により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更し、前記カムの作用角を変更するものである請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記強制駆動に際し、前記スライダは前記軸方向へ移動させられる請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記強制駆動時における前記スライダの移動方向は、実際の作用角が目標作用角から離れる際にスライダが移動する方向と同一に設定されている請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記強制駆動に際し、前記スライダが前記軸方向へ往復移動させられる請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記強制駆動に際し、前記スライダが、その可動範囲の全域にかけて往復移動させられる請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
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JP2004277516A JP2006090227A (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | 内燃機関の制御装置 |
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JP2008291766A (ja) * | 2007-05-25 | 2008-12-04 | Toyota Motor Corp | バルブタイミング可変機構の異常診断装置 |
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- 2004-09-24 JP JP2004277516A patent/JP2006090227A/ja active Pending
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