JP2006090065A - Pc緊張材用定着具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PC緊張材の貫通孔に対してPC緊張材を適正位置に配することで、緊張荷重が均等に作用する定着部を構成できるPC緊張材用定着具を提供する。
【解決手段】 本発明PC緊張材用定着具は、型枠40の裏面に配されると共にPC緊張材の貫通孔11を有するプレート部10と、プレート部10からPC緊張材50の長手方向に離れてプレート部10と一体化されるガイド部30とを有する。そして、ガイド部30はプレート部10の貫通孔と同軸でPC緊張材50に貫通されるガイド孔33を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、PC緊張材用定着具に関するものである。特に、PC緊張材端部の定着部を構成するアンカープレートの貫通孔と、その貫通孔に通されるPC緊張材とを容易に同軸状に配することができるPC緊張材用定着具に関するものである。
近年、ポストテンション工法において、プレグラウトPC鋼材が利用されている。プレグラウトPC鋼材は、工場であらかじめPC鋼より線などのPC鋼材の周囲に一定の隙間を設けてシースで被覆し、この隙間に硬化速度が遅い遅延硬化型充填材を塗布した構成である。代表的には、この充填材として硬化速度が遅いエポキシ樹脂を用いたプレグラウトPC鋼より線(商品名アフターボンド)がある(例えば特許文献1)。
このプレグラウトPC鋼より線を用いるには、まずコンクリートの打設前の型枠内側に、貫通孔を有するアンカープレートを設置する。次に、同プレートの貫通孔にプレグラウトPC鋼より線を貫通させ、コンクリートの打設・硬化後に型枠を除去してPC鋼より線を緊張する。そして、シースから露出させたPC鋼より線の端部を定着する。遅延硬化型樹脂は、この緊張時にPC鋼より線とポリエチレンシースとの間で大きな摩擦が発生しないように、緊張時まで所定の粘性を保持すると共に、緊張後は早く硬化するように調整されている。硬化後は、従来のセメントグラウトと同様の効果・機能を得ることができる。
特公平5-69939号公報
しかし、上記の技術ではアンカープレートに対してPC鋼材を適正な位置に保持することが難しいという問題があった。
アンカープレート自体は、PC鋼材の長さに比べれば非常に厚みが小さいものである。また、アンカープレートの貫通孔は、PC鋼材を貫通させやすいように、PC鋼材の外径と余裕を持った内径に設定されている。そのため、長尺のPC鋼材をアンカープレートの貫通孔に貫通させた場合、貫通孔の中心軸とPC鋼材の中心軸を一致させることが難しい。例えば、図7(A)に示すように、両中心軸は平行であるがずれが生じている場合や、図7(B)に示すように、両中心軸が交差する状態となってアンカープレート200に対して非同軸状態にPC鋼材50が配される場合がある。
いずれの場合も、アンカープレートに偏荷重がかかったり、定着具をPC鋼材に装着することが困難となったり、さらには定着具を構成してPC鋼材を把持するウェッジにずれが生じたりすることがある。その結果、適正な定着構造を構成できない場合が起こり得る。その他、シースを有するアンボンドPC緊張材やプレグラウトPC緊張材の場合、アンカープレートの貫通孔開口縁にシースが接触して、これらが損傷することも考えられる。
従って、本発明の主目的は、PC緊張材の貫通孔に対してPC緊張材を適正位置に配することができ、緊張荷重が均等に作用する定着部を構成できるPC緊張材用定着具を提供することにある。
本発明は、型枠の内側においてPC緊張材を長手方向に離れた少なくとも2つ以上の同軸孔で保持することにより上記の目的を達成する。
すなわち、本発明PC緊張材用定着具は、型枠の裏面に配されると共にPC緊張材の貫通孔を有するプレート部と、プレート部から貫通孔の軸方向に離れてプレート部と一体化されるガイド部とを有する。そして、ガイド部はプレート部の貫通孔と同軸でPC緊張材に貫通されるガイド孔を有することを特徴とする。
PC緊張材を、単にプレート部の貫通孔一箇所で保持するのではなく、軸方向に離れたガイド部のガイド孔により複数箇所で保持することにより、確実に貫通孔に対してPC緊張材を適正位置に保持することができる。特に、プレート部と緊張材とを垂直に保持できることはもちろん、プレート部の貫通孔(ガイド部のガイド孔)と緊張材とを同軸状に保持することができる。
以下、本発明の構成をより詳しく説明する。
〔定着具〕
定着具は、緊張されたPC緊張材の端部を固定するための部材で、プレート部とガイド部とを有する構成である。代表的には、緊張したPC緊張材をウェッジで保持し、このウェッジをメスコーンにはめ込み、メスコーンをプレート部に圧接することでPC緊張材の端部を定着する。
<プレート部>
プレート部は、従来の定着具におけるアンカープレートに相当するもので、PC緊張材の緊張荷重をコンクリート構造物に伝達させる機能を有する。
このプレート部の形状は、板状のものであれば特に限定されない。例えば、四角形、円形など、種々の形状が選択可能である。
貫通孔のサイズは、PC緊張材の外径よりもわずかに大きい程度とする。貫通孔の内径とPC緊張材の外径とのクリアランスが小さすぎると、PC緊張材を貫通孔に挿通することが難しく、逆にこのクリアランスが大きすぎるとPC緊張材を所定の向きに保持することができない。このクリアランスは片側で2mm以下(貫通孔の内径とPC緊張材の外径との差で4mm以下)程度が好ましい。
<連結部>
ガイド部はプレート部と距離をあけて一体化されるため、通常、両者は連結部を介して結合される。連結部の形状は円筒状が好ましい。その場合、ガイド孔の内径と同じ内径を有する連結部と、ガイド孔の内径とは異なる内径を有する連結部のいずれもが挙げられる。前者の場合、プレート部からガイド部までが一様な径の連結部でつながれており、この連結部の端部付近(プレート部と反対側)がガイド部となる。後者の場合、例えば連結部の内径がガイド孔の内径よりも大きな構成とすればよい。また、プレート部、連結部およびガイド部は一体物で構成しても良いし、分離可能な構成としても良い。
連結部をガイド部およびプレート部と一体物とする場合、例えば次の手段が考えられる。
(1)鋳造によりプレート部、連結部及びガイド部を一体成形する。
(2)ガイド部をプレート部と連結部の一体物に溶接する。
(3)プレート部、連結部、ガイド部の各部材を溶接する。
ガイド部とプレート部(連結部)とを分離可能にした場合、これらの結合手段としては、ボルトとナットを用いた締め付けなどにより行なうことが挙げられる。
この連結部には、その外側に突出するリブを設けることが好ましい。連結部から外側に突出するリブを設けることで、PC緊張材の定着荷重を前記プレート部だけでなくリブでもコンクリートに伝達させることができ、リブがない場合に比べてプレート部のサイズを小さくすることができる。それに伴い、複数の定着部を並列して形成する場合に、定着部同士の配置間隔や縁辺距離(コンクリート構造物の側面と側面に最も近い定着部の中心までの距離)を小さくでき。リブの形状は、例えば連結部の外周方向にフランジ状に突出したものが挙げられる。
<ガイド部>
ガイド部は、プレート部の貫通孔と共にPC緊張材を所定の向きに保持する機能を有する。ガイド部はPC緊張材に貫通されるガイド孔を形成できればよく、通常、環状部材で構成される。
ガイド孔のサイズは、PC緊張材の外径よりもわずかに大きい程度とする。つまり、プレート部の貫通孔のサイズと同程度で良い。ガイド孔の内径とPC緊張材の外径とのクリアランスが小さすぎると、PC緊張材をガイド孔に挿通することが難しく、逆にこのクリアランスが大きすぎるとPC緊張材を所定の向きに保持することができない。このクリアランスは片側で2mm以下程度が好ましい。
ガイド孔の数は一つ以上とする。例えば、複数のガイド孔がPC緊張材の長手方向に沿って同軸上に配置する構成が挙げられる。複数のガイド孔を設けることで、PC緊張材の長手方向における複数箇所を保持することができるため、より確実にPC緊張材をプレート部の貫通孔と同軸に配列することができる。但し、過度に多数のガイド孔を設けようとすれば、定着具の構成が複雑になり、さらに定着具自体が大型化するため、通常は一つのガイド孔を設ければ十分である。
ガイド部とプレート部との距離は、例えばPC緊張材の外径の2〜6倍程度が好適である。この距離が短すぎるとPC緊張材を所定の向きに保持することが難しく、逆に長すぎると定着具のサイズが大型化する。
〔センタリング治具〕
プレート部の貫通孔およびガイド部のガイド孔の少なくとも一方にはセンタリング治具を用いることが好ましい。センタリング治具は、貫通孔またはガイド孔の内側とPC緊張材の外側の間に介在されることで、貫通孔(ガイド孔)とPC緊張材とのクリアランスをより小さくし、プレート部に対する緊張材の位置をより一層適正化することができる。
センタリング治具の形状は、プレート部の貫通孔またはガイド部のガイド孔に挿通される円筒部と、これら貫通孔(ガイド孔)の内径よりも大きな径を有する太径部とから構成されるものが挙げられる。太径部はプレート部またはガイド部の型枠側に設けられる場合と、型枠とは反対側に設けられる場合のいずれであってもよい。プレート部の型枠側に太径部を形成する場合、太径部を薄い円盤状とし、つまり円筒部に対してフランジ状に太径部を形成し、この太径部が適合するように部分的に内径を広げられた貫通孔とすることが好適である。この構成により、プレート部の型枠側に太径部が突出しないようにし、プレート部の型枠側表面と太径部表面とを面一にすることができる。一方、プレート部の型枠とは反対側に太径部を形成する場合、太径部がプレート部における型枠とは反対側に突出するように形成すればよい。
いずれの場合も、センタリング治具の長さはプレート部の厚さよりも大きく形成し、円筒部の一部または太径部が貫通孔から露出するようにしておくことが好ましい。特に、プレート部の厚さをd、プレート部の貫通孔から露出するセンタリング治具の長さをhとしたとき、h>2dとすることが好適である。このような寸法を満たすことで、センタリング治具もPC緊張材を貫通孔と同軸状に保持する機能を効果的に果たすことができる。
また、センタリング治具の材質は、十分な強度と硬度を有する材料が好適である。例えば、高密度ポリエチレンなどの硬度が高い樹脂や、金属が好ましい。
センタリング治具を用いる場合、センタリング治具の内径とPC緊張材の外径とのクリアランスを片側で2mm以下とすることが好ましい。
〔本発明定着具で定着するPC緊張材〕
本発明定着具で緊張されるPC緊張材としては、例えばアンボンドPC鋼材、裸PC鋼材、樹脂被覆PC鋼材などが含まれる。もちろん、プレグラウトPC緊張材を定着する場合にも本発明定着具が利用できる。また、これらを構成するPC鋼材としては、PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒など、公知の鋼材が含まれる。例えばJIS G 3536(PC鋼線及びPC鋼より線)が挙げられる。特に、シースを有するアンボンドPC緊張材やプレグラウトPC緊張材の場合、プレート部の貫通孔開口縁にシースが接触して損傷することを抑制できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明定着具を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は左側面図である。
<構成>
この定着具100は、円板状のプレート部10と、円筒状の連結部20および環状のガイド部30とを有し、利用時、コンクリート内に埋め込まれる。
プレート部10は、直径150mmの円板で、中心に内径45mmの貫通孔11が形成されている。このプレート部10は、施工時に型枠の内側に固定される。図1では見えていないが、プレート部10には、定着具を型枠に固定するため、複数箇所のボルト孔が形成されている。
一方、連結部20は、プレート部10の裏面(コンクリート内部側)に一体化される円筒部材である。この連結部20の内径はプレート部10の貫通孔11の径よりも大きく形成されている。本例では、プレート部10と連結部20を鋳造で一体成形している。また、この連結部20の開口端側には、外周側にフランジ状に突出したリブ21が形成されている。このリブ21はほぼ正方形の枠状板である。プレート部10の表面から連結部20の開口端までの距離は90mmとした。
そして、この連結部20の開口端の内側にガイド部30が装着される。ガイド部30は環状のリング部31と、リング部31から径方向外側に四方に伸びる棒状の支持部32とから構成される。各支持部32の先端を連結部開口端の内側に溶接することでガイド部30を連結部20に一体化している。このリング部31の内側にPC緊張材に貫通されるガイド孔33が形成される。ガイド孔33はプレート部10の貫通孔11と同軸に設けられる。
<施工手順>
図2は上記定着具を用いた定着部の施工工程を示すもので、(A)はコンクリート打設前の定着具周辺を示す模式図、(B)は型枠除去後の同模式図、(C)グリップ装着後の同模式図である。
まず、図2(A)に示すように、型枠40の内側に本発明定着具のプレート部表面を当接して固定する。この固定は、プレート部10と型枠40をボルトで貫通し、ナットで締め付けることにより行う。型枠40にはPC緊張材50の貫通孔が形成されており、プレート部10の貫通孔11を型枠40の貫通孔に位置あわせして定着具の固定を行う。
この定着具にPC緊張材50を貫通する。ここでは、PC緊張材50としてプレグラウトPC鋼より線を用い、これをガイド孔33、プレート部10の貫通孔11および型枠40の貫通孔に貫通する。用いたプレグラウトPC鋼より線は、19本の素線をより合わせた呼び径28.6mmのPC鋼より線と、そのより線外周を覆うシースと、シースとPC鋼より線との間に充填された遅延硬化充填材とから構成されている。このとき、プレート部10の貫通孔11とガイド部30のガイド孔33とは同軸に配されているため、PC緊張材50をプレート部10の貫通孔11に対してずれや傾きなく同軸状に保持することができる。
次に、図2(B)に示すように、型枠内にコンクリート60を打設し、硬化させてから型枠を除去する。コンクリート60は、支持部32の間から連結部20の内部にも流れ込む。これにより、定着具はコンクリート内に埋設され、プレート部10の表面がコンクリート端面と面一となって露出される。
そして、図2(C)に示すように、PC鋼より線51を緊張して定着する。この定着は、まずプレグラウトPC鋼より線のシースを剥いでPC鋼より線51を露出させる。続いて、露出したPC鋼より線51の外側にメスコーン70をはめ込み、ウェッジ71でPC鋼より線51を把持する。そして、ジャッキ(図示せず)で露出したPC鋼より線51を把持して緊張し、ウェッジ71をメスコーン70に圧入してPC鋼より線51を定着する。この定着が完了すればPC鋼より線51の余長を切断する。なお、メスコーン70とウェッジ71の代わりに円筒状の圧着グリップでPC鋼より線51を圧縮把持して定着することもできる。
このように、プレート部10の貫通孔とガイド部30のガイド孔33の2箇所でPC緊張材50を保持するため、PC緊張材をプレート部10の貫通孔11と同軸状に、つまりプレート部10に対して直角にPC緊張材50を配置することができる。そのため、プレート部10に偏荷重がかかったり、定着具をPC緊張材50に装着することが困難となったり、ウェッジ71にずれが生じたりすることを抑制できる。
また、プレート部10と連結部20のリブ21の双方でコンクリート60に緊張荷重を伝達することができるため、プレート部10のサイズを小さくすることができる。
図3は本発明定着具を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は左側面図である。
<構成>
この定着具は、ガイド部30を連結部20の開口部と面一にするのではなく、連結部20の開口部よりもさらに離れた箇所に設けている。つまり実施例1よりもプレート部10とガイド部30との間隔を広くしている。ここではガイド部30のリング部31に対して支持部32を角度を付けて設けることにリング部31の位置を連結部20の開口端よりも離れた位置に保持させている。この構成により、プレート部表面からガイド部端面までの距離は120mmとなる。
<施工手順>
図4は上記定着具を用いた定着部の施工工程を示すもので、(A)はコンクリート打設前の定着具周辺を示す模式図、(B)は型枠除去後の同模式図、(C)グリップ装着後の同模式図である。
まず、図4(A)に示すように、型枠の内側に本発明定着具のプレート部表面を当接して固定する。この固定は、プレート部10と型枠40をボルトで貫通し、ナットで締め付けることにより行う。型枠40にはPC緊張材50の貫通孔が形成されており、プレート部10の貫通孔11を型枠40の貫通孔に位置あわせして定着具の固定を行う。
この定着具にPC緊張材50を貫通する。ここでは、PC緊張材50としてプレグラウトPC鋼より線を用い、これをガイド孔、プレート部10の貫通孔11および型枠40の貫通孔に貫通する。用いたプレグラウトPC鋼より線は、19本の素線をより合わせた呼び径28.6mmのPC鋼より線と、そのより線外周を覆うシースと、シースとPC鋼より線との間に充填された遅延硬化充填材とから構成されている。このとき、プレート部10の貫通孔11とガイド部30のガイド孔33とは同軸に配されているため、PC緊張材50をプレート部10の貫通孔11に対してずれや傾きを実質上なくし、両者を同軸状に保持することができる。
次に、図4(B)に示すように、型枠内にコンクリート60を打設し、硬化させてから型枠を除去する。コンクリート60は、支持部32の間から連結部20の内部にも流れ込む。これにより、定着具はコンクリート内に埋設され、プレート部10の表面がコンクリート端面と面一となって露出される。
そして、図4(C)に示すように、PC鋼より線51を緊張して定着する。この定着は、まずプレグラウトPC鋼より線のシースを剥いでPC鋼より線51を露出させる。続いて、露出したPC鋼より線51の外側にメスコーン70をはめ込み、ウェッジ71でPC鋼より線51を把持する。そして、ジャッキ(図示せず)で露出したPC鋼より線51を把持して緊張し、ウェッジ71をメスコーン70に圧入してPC鋼より線51を定着する。この定着が完了すればPC鋼より線51の余長を切断する。なお、メスコーン70とウェッジ71の代わりに円筒状の圧着グリップでPC鋼より線51を圧縮把持して定着することもできる。
このように、プレート部10の貫通孔とガイド部30のガイド孔の2箇所でPC緊張材を保持するため、PC緊張材をプレート部10の貫通孔11と同軸状に、つまりプレート部10に対して直角にPC緊張材50を配置することができる。特に、実施例2では、実施例1に比べてプレート部10とガイド部30の距離が大きいため、より確実にPC緊張材50をプレート部10の貫通孔11と同軸状に保持することができる。そのため、プレート部10に偏荷重がかかったり、定着具をPC緊張材50に装着することが困難となったり、ウェッジ71にずれが生じたりすることを抑制できる。
また、プレート部10と連結部20のリブ21の双方でコンクリート60に緊張荷重を伝達することができるため、プレート部10のサイズを小さくすることができる。
さらに、実施例1の定着具にセンタリング治具を用いた構成を図5に基づいて説明する。
ここでは、プレート部の貫通孔にセンタリング治具80を取り付けている。このセンタリング治具80は、プレート部の貫通孔11に挿通される円筒部81と、円筒部81よりも径の大きい太径部82とを有する。図5(A)のセンタリング治具80は、円筒部81がプレート部の貫通孔11に挿通されるサイズで、太径部82がプレート部10における型枠とは反対側(ガイド部側)に突出される構成である。一方、図5(B)のセンタリング治具は、プレート部10の型枠側表面に貫通孔11と連続する切欠を設け、太径部82をこの切欠に適合する薄い円盤状とした構成である。
いずれの場合も、プレート部の貫通孔11の内面と緊張材とのクリアランスを小さくし、緊張材をプレート部10に対して垂直に保持することができる。このクリアランスは、例えば片側で2mm以下とすると、緊張材と貫通孔とを同軸上に保持しやすくできる。
さらに本例では、プレート部10の厚さをd、プレート部の貫通孔11からガイド部方向に露出するセンタリング治具100の長さをhとしたとき、h>2dとしている。このような寸法を満たすことで、センタリング治具80もPC緊張材を貫通孔11と同軸状に保持する機能を効果的に果たすことができる。
図1や図3では、プレート部の貫通孔内径(ガイド部のガイド孔内径)と連結部の内径とが異なる定着具を示したが、図6に示すように、プレート部10の貫通孔内径(ガイド部のガイド孔内径)と連結部20の内径とが同一で、連結部の端部にガイド部30が連続された定着具としてもよい。
この構成においても、単にプレート部の貫通孔11一箇所で保持するのではなく、軸方向に離れたガイド部30のガイド孔33にて複数箇所で保持することにより、貫通孔に対してPC緊張材を実質的に同軸状に保持することができる。
以上説明したように、本発明定着具によれば、PC緊張材をプレート部の貫通孔に対して確実に同軸状に配することができる。従って、橋梁の斜材や外ケーブル工法などで用いる緊張材の定着に有効利用することができる。
実施例1の定着具を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は左側面図である。 実施例1の定着具を用いた定着部の施工工程を示すもので、(A)はコンクリート打設前の定着具周辺を示す模式図、(B)は型枠除去後の同模式図、(C)グリップ装着後の同模式図である。 実施例2の定着具を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は左側面図である。 実施例2の定着具を用いた定着部の施工工程を示すもので、(A)はコンクリート打設前の定着具周辺を示す模式図、(B)は型枠除去後の同模式図、(C)グリップ装着後の同模式図である。 実施例1の定着具にセンタリング治具を取り付けた状態を示し、(A)はプレート部の型枠とは反対側に太径部を有するセンタリング治具を用いた場合の縦断面図、(B)はプレート部の型枠側に太径部を有するセンタリング治具を用いた場合の縦断面図である。 連結部とガイド部とが同一径で連続する構成の本発明定着具を示す縦断面図である。 従来のアンカープレートとPC鋼材との配置を示すもので、(A)は貫通孔とPC鋼材とに芯ずれを生じた状態の模式図、(B)は貫通孔とPC鋼材とに傾きを生じた状態の模式図である。
符号の説明
10 プレート部
11 貫通孔
20 連結部
21 リブ
30 ガイド部
31 リング部
32 支持部
33 ガイド孔
40 型枠
50 緊張材
51 PC鋼より線
60 コンクリート
70 メスコーン
71 ウェッジ
80 センタリング治具
81 円筒部
82 太径部
100 定着具
200 アンカープレート

Claims (4)

  1. 型枠の裏面側に配されると共に緊張材の貫通孔を有するプレート部と、
    プレート部から緊張材の長手方向に離れてプレート部と一体化されるガイド部とを有し、
    前記ガイド部はプレート部の貫通孔と同軸で緊張材に貫通されるガイド孔を有することを特徴とするPC緊張材用定着具。
  2. 前記プレート部とガイド部とは分離可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載のPC緊張材用定着具。
  3. さらに前記プレート部とガイド部とを結合する連結部を有し、
    この連結部は、その外側に突出するリブを有することを特徴とする請求項1に記載のPC緊張材用定着具。
  4. さらに、貫通孔およびガイド孔の少なくとも一方の内側とPC緊張材との間に介在されるセンタリング治具を有することを特徴とする請求項1に記載のPC緊張材用定着具。
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