JP2005171581A - プレストレストコンクリート部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シース管を使用せずに、PC鋼線を配置して緊張することによって、シース管の存在による不具合を解消できるプレストレストコンクリート部材の製造方法を提供する。
【解決手段】コンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3を型枠の内側に配置し、型枠の内側に打設したコンクリートCのうち、PC鋼線周囲のコンクリートCを除くコンクリートCがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、PC鋼線3を緊張し、PC鋼線周囲のコンクリートCが硬化した後、PC鋼線3の緊張を解除するので、シース管を用いることなく、コンクリートにプレストレスを容易に導入でき、よって、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
【選択図】図2
【解決手段】コンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3を型枠の内側に配置し、型枠の内側に打設したコンクリートCのうち、PC鋼線周囲のコンクリートCを除くコンクリートCがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、PC鋼線3を緊張し、PC鋼線周囲のコンクリートCが硬化した後、PC鋼線3の緊張を解除するので、シース管を用いることなく、コンクリートにプレストレスを容易に導入でき、よって、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、PC桁等のプレストレストコンクリート部材を製造する方法に関する。
従来、プレストレストコンクリートの製造方法の一例として特許文献1に記載の技術が知られている。
この技術は、所定形状に組み上げられた鉄筋の所定位置にシース管を配設し、このシース管内にPC鋼線を挿入し、鉄筋を覆ってコンクリートを打設するとともに、シース管内にグラウト材を注入し、次いで、前記PC鋼線を緊張し、前記グラウト材が硬化した後に前記PC鋼線の緊張を解除するものである。
この技術は、所定形状に組み上げられた鉄筋の所定位置にシース管を配設し、このシース管内にPC鋼線を挿入し、鉄筋を覆ってコンクリートを打設するとともに、シース管内にグラウト材を注入し、次いで、前記PC鋼線を緊張し、前記グラウト材が硬化した後に前記PC鋼線の緊張を解除するものである。
図4はプレストレストコンクリート部材として知られているPC桁の側断面であり、図5は同横断面図である。なお、図4および図5においては鉄筋は省略してあるが、実際は複数の鉄筋が配筋されている。
これらの図に示すように、PC桁1の内部には、シース管2が配設されており、このシース管2内には複数のPC鋼線3が挿入されている。
このようにシース管2を配設するとともにその内部にPC鋼線3を挿入した後、コンクリートCを打設するとともに、シース管2内にモルタル等のグラウト材Gを注入し、次いで、PC鋼線3を緊張し、グラウト材Gが硬化した後にPC鋼線3の緊張を解除することによって、コンクリートCおよびグラウト材Gにプレストレスを導入する。
特開2002−97744号公報
これらの図に示すように、PC桁1の内部には、シース管2が配設されており、このシース管2内には複数のPC鋼線3が挿入されている。
このようにシース管2を配設するとともにその内部にPC鋼線3を挿入した後、コンクリートCを打設するとともに、シース管2内にモルタル等のグラウト材Gを注入し、次いで、PC鋼線3を緊張し、グラウト材Gが硬化した後にPC鋼線3の緊張を解除することによって、コンクリートCおよびグラウト材Gにプレストレスを導入する。
ところが、上記のような従来のプレストレストコンクリートの製造方法では、特にPC鋼線が長くなると、このPC鋼線をシース管内に挿入するのに手間がかかる。例えば、図4に示すように、シース管が円弧状に配置された場合などは、PC鋼線がシース管内で引っ掛かり易く、PC鋼線の挿入に手間がかかる。
また、シース管内にグラウト材を注入し忘れたり、注入しても内部に気泡等が残り、グラウト材をシース管内に隙間なく充填するのが困難である。
また、シース管内にグラウト材を注入し忘れたり、注入しても内部に気泡等が残り、グラウト材をシース管内に隙間なく充填するのが困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、シース管を使用せずに、PC鋼線を配置して緊張することによって、シース管の存在による不具合を解消できるプレストレストコンクリート部材の製造方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、プレストレストコンクリート部材を製造する方法であって、
PC鋼線3の周囲にコンクリート硬化遅延材Kを塗布しておき、
このコンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3を型枠の内側に配置し、
次に、型枠の内側にコンクリートCを打設し、このコンクリートCのうち、前記PC鋼線周囲のコンクリートCを除くコンクリートCがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、前記PC鋼線3を緊張し、
前記PC鋼線周囲のコンクリートCが硬化した後、前記PC鋼線3の緊張を解除することを特徴とする。
PC鋼線3の周囲にコンクリート硬化遅延材Kを塗布しておき、
このコンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3を型枠の内側に配置し、
次に、型枠の内側にコンクリートCを打設し、このコンクリートCのうち、前記PC鋼線周囲のコンクリートCを除くコンクリートCがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、前記PC鋼線3を緊張し、
前記PC鋼線周囲のコンクリートCが硬化した後、前記PC鋼線3の緊張を解除することを特徴とする。
ここで、プレストレストコンクリート部材としては、PC桁、PC梁等の水平構造部材、PC柱等の鉛直構造部材、さらにはPC斜材等の斜めの構造部材等が挙げられるが、これに限るものではない。要はプレストレスを導入するコンクリート部材であればどのような部材でもよい。
請求項1に記載の発明によれば、コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を使用しているので、PC鋼線周囲のコンクリートを除くコンクリートがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した際には、PC鋼線周囲のコンクリートは硬化しておらず緊張力の導入が可能である。したがって、この状態でPC鋼線を緊張し、PC鋼線周囲のコンクリートが硬化することによって、その周囲のコンクリートと一体化する。その後、PC鋼線の緊張を解除することによって、コンクリートにプレストレスを導入できる。
このように、本発明ではシース管を使用しないので、PC鋼線を容易に配置して緊張することができ、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
このように、本発明ではシース管を使用しないので、PC鋼線を容易に配置して緊張することができ、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
請求項2に記載の発明は、プレストレストコンクリート部材を製造する方法であって、
PC鋼線の周囲にコンクリート硬化遅延材を塗布しておき、
このコンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を型枠の内側に配置し、
次に、型枠の内側にコンクリートを打設し、このコンクリートのうち、前記PC鋼線周囲のコンクリートを除くコンクリートがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、前記PC鋼線を緊張して、このPC鋼線の端部を前記コンクリートの端部に定着具を用いて定着することを特徴とする。
PC鋼線の周囲にコンクリート硬化遅延材を塗布しておき、
このコンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を型枠の内側に配置し、
次に、型枠の内側にコンクリートを打設し、このコンクリートのうち、前記PC鋼線周囲のコンクリートを除くコンクリートがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、前記PC鋼線を緊張して、このPC鋼線の端部を前記コンクリートの端部に定着具を用いて定着することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の場合と同様に、コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を使用しているので、PC鋼線周囲のコンクリートを除くコンクリートがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した際には、PC鋼線周囲のコンクリートは硬化しておらず緊張力の導入が可能である。したがって、この状態でPC鋼線を緊張して、このPC鋼線の端部を前記コンクリートの端部に定着具を用いて定着すことによってプレストレスを導入でき、PC鋼線周囲のコンクリートは硬化することによって、その周囲のプレストレスを導入したコンクリートと一体化する。
このように、本発明ではシース管を使用しないので、PC鋼線を容易に配置して緊張することができ、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
このように、本発明ではシース管を使用しないので、PC鋼線を容易に配置して緊張することができ、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のプレストレストコンクリート部材の製造方法において、コンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3を被覆材10で覆い、この被覆材10で覆ったPC鋼線3を型枠の内側に配置することを特徴とする。
ここで、前記被覆材としては、例えば薄くて可撓性を有する布や紙等が好適であるが、コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線の周囲を被覆できればどのようなものでもよい。
請求項3に記載の発明によれば、コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を被覆材で覆い、この被覆材で覆ったPC鋼線を型枠の内側に配置するので、型枠の内側にコンクリートを打設する際に、被覆材によってコンクリート硬化遅延材が流失するのを防止できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のプレストレストコンクリート部材の製造方法において、予めコンクリート硬化遅延材Kを含浸させた含浸被覆材11でPC鋼線3を覆うことにより、PC鋼線3の周囲にコンクリート硬化遅延材Kを塗布することを特徴とする。
ここで、含浸被覆材としては、例えば布が好適であるが、コンクリート硬化遅延材を含浸させることができるものであればどのようなものでもよい。
請求項4に記載の発明によれば、予めコンクリート硬化遅延材を含浸させた含浸被覆材でPC鋼線を覆うので、PC鋼線の周囲にコンクリート硬化遅延材を容易に塗布できるとともに、型枠の内側にコンクリートを打設する際に、含浸被覆材によってコンクリート硬化遅延材が流失するのを防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレストレストコンクリート部材の製造方法において、コンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3を型枠の内側に配置するに際し、該型枠の内側にPC鋼線支持部材20を設置し、このPC鋼線支持部材20によって前記PC鋼線3の途中を支持することによって、PC鋼線3を型枠の内側で折れ線状に保持することを特徴とする。
ここで、前記PC鋼線支持部材としては、例えば、棒状や板状に形成されたものが好適に使用されるが形状はこれに限ることはない。PC鋼線支持部材にPC鋼線を支持させる場合は、PC鋼線支持部材の外周にPC鋼線を接触させたり、PC鋼線支持部材に挿通穴を形成しておき、この挿通穴にPC鋼線を挿通するようにしてもよい。
請求項5に記載の発明によれば、型枠の内側にPC鋼線支持部材を設置し、このPC鋼線支持部材によってPC鋼線の途中を支持することによって、PC鋼線を型枠の内側で折れ線状に保持するので、PC鋼線を所望の位置に直線が繋がった折れ線として配設できるとともに、PC鋼線を曲線状に配置する場合に比して、PC鋼線を緊張する際のコンクリートとの摩擦を低減できる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のプレストレストコンクリート部材の製造方法において、PC鋼線3とPC鋼線支持部材20との間に摩擦低減部材21を設けることを特徴とする。
ここで、摩擦低減部材としては、例えばPC鋼線支持部材に貼り付けたり、コーティングしたテフロン(登録商標)等が好適であるが、これに限ることなく、PC鋼線に対する摩擦係数がPC鋼線支持部材より小さいものであればよい。
請求項6に記載の発明によれば、PC鋼線とPC鋼線支持部材との間に摩擦低減部材を設けるので、PC鋼線を緊張する際のPC鋼線支持部材との摩擦を低減できる。
本発明によれば、コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を型枠の内側に配置し、型枠の内側に打設したコンクリートのうち、PC鋼線周囲のコンクリートを除くコンクリートがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、PC鋼線を緊張し、PC鋼線周囲のコンクリートが硬化した後、PC鋼線の緊張を解除したり、または、緊張したPC鋼線の端部を前記コンクリートの端部に定着具を用いて定着するので、シース管を用いることなく、コンクリートにプレストレスを容易に導入できる。したがって、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
また、コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を被覆材で覆ったり、予めコンクリート硬化遅延材を含浸させた含浸被覆材でPC鋼線を覆うことによって、型枠の内側にコンクリートを打設する際に、コンクリート硬化遅延材が流失するのを防止できる。
また、型枠の内側にPC鋼線支持部材を設置し、このPC鋼線支持部材によってPC鋼線の途中を支持することによって、PC鋼線を所望の位置に折れ線として配設できるとともに、PC鋼線を曲線状に配置する場合に比して、PC鋼線を緊張する際のコンクリートとの摩擦を低減でき、さらに、PC鋼線とPC鋼線支持部材との間に摩擦低減部材を設けることによって、PC鋼線を緊張する際のPC鋼線支持部材との摩擦を低減できる。
また、コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を被覆材で覆ったり、予めコンクリート硬化遅延材を含浸させた含浸被覆材でPC鋼線を覆うことによって、型枠の内側にコンクリートを打設する際に、コンクリート硬化遅延材が流失するのを防止できる。
また、型枠の内側にPC鋼線支持部材を設置し、このPC鋼線支持部材によってPC鋼線の途中を支持することによって、PC鋼線を所望の位置に折れ線として配設できるとともに、PC鋼線を曲線状に配置する場合に比して、PC鋼線を緊張する際のコンクリートとの摩擦を低減でき、さらに、PC鋼線とPC鋼線支持部材との間に摩擦低減部材を設けることによって、PC鋼線を緊張する際のPC鋼線支持部材との摩擦を低減できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する、
図1は、本発明に係るプレストレストコンクリート部材の製造によって製造されたプレストレストコンクリート部材の側断面、図2は同横断面図である。本実施の形態では、プレストレストコンクリート部材は、PC桁として製造されている。なお、図1においては主筋やあばら筋等の鉄筋は省略してあるが、実際はこれら鉄筋が配筋されている。
図1は、本発明に係るプレストレストコンクリート部材の製造によって製造されたプレストレストコンクリート部材の側断面、図2は同横断面図である。本実施の形態では、プレストレストコンクリート部材は、PC桁として製造されている。なお、図1においては主筋やあばら筋等の鉄筋は省略してあるが、実際はこれら鉄筋が配筋されている。
まず、図2(a)に示すように、複数のPC鋼線3の周囲にコンクリート硬化遅延材Kを塗布しておく。この場合、ゼリー状のコンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3全体を布や紙等の被覆材10で覆う。
次に、図1に示すように、この被覆材10で覆ったPC鋼線3を型枠(図示略)の内側に配置する。
この場合、予め型枠の内側にPC鋼線支持部材20,20を設置する。このPC鋼線支持部材20は、棒状のものであり、例えば、PC桁の下半分側に配置されており、主筋やあばら筋等に固定されている。このPC鋼線支持部材20には、図3に示すように、挿通穴20aが形成されており、この挿通穴20aの内周面にはテフロンシート等の摩擦低減部材21が貼着されている。
そして、被覆材10で覆ったPC鋼線3を、PC鋼線支持部材20,20の挿通孔20a,20aに挿通するとともに、該PC鋼線3の端部は定着具(図示略)等によって型枠に仮固定しておく。このようにPC鋼線支持部材20,20によってPC鋼線3の途中を支持することによって、PC鋼線3を型枠の内側で折れ線状に保持する。つまり、PC鋼線3を、PC桁の端部から斜め下方に向けて直線状に配置し、PC桁の中央部では下側で水平に直線状に配置した状態で保持する。
次に、図1に示すように、この被覆材10で覆ったPC鋼線3を型枠(図示略)の内側に配置する。
この場合、予め型枠の内側にPC鋼線支持部材20,20を設置する。このPC鋼線支持部材20は、棒状のものであり、例えば、PC桁の下半分側に配置されており、主筋やあばら筋等に固定されている。このPC鋼線支持部材20には、図3に示すように、挿通穴20aが形成されており、この挿通穴20aの内周面にはテフロンシート等の摩擦低減部材21が貼着されている。
そして、被覆材10で覆ったPC鋼線3を、PC鋼線支持部材20,20の挿通孔20a,20aに挿通するとともに、該PC鋼線3の端部は定着具(図示略)等によって型枠に仮固定しておく。このようにPC鋼線支持部材20,20によってPC鋼線3の途中を支持することによって、PC鋼線3を型枠の内側で折れ線状に保持する。つまり、PC鋼線3を、PC桁の端部から斜め下方に向けて直線状に配置し、PC桁の中央部では下側で水平に直線状に配置した状態で保持する。
次に、型枠の内側にコンクリートCを打設する。コンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3は被覆材10で覆われて保護されているので、コンクリート打設に伴って、コンクリート硬化遅延材Kが流失するのを防止でき、PC鋼材3の周囲はコンクリート硬化遅延材Kで覆われている。
次に、打設したコンクリートCのうち、PC鋼線3の周囲のコンクリートCを除くコンクリートCがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、PC鋼線3をジャッキによって緊張するとともに、プレテンション法の場合はジャッキによって緊張した状態を保持しておくか、あるいはPC鋼線3の端部を定着具によって強度を発現した前記コンクリートCの端部に定着する。
また、ポストテンション法の場合は、緊張したPC鋼線3の端部を強度を発現した前記コンクリートCの端部に定着具を用いて定着する。
つまり、PC鋼材3の周囲はコンクリート硬化遅延材Kで覆われているので、このコンクリート硬化遅延材Kと混ざったコンクリートCは硬化が遅延されて硬化しておらず緊張力の導入が可能である。したがって、コンクリート硬化遅延材Kと混ざったPC鋼材3の周囲のコンクリートCの硬化前にPC鋼線3をジャッキによって緊張する。
次に、打設したコンクリートCのうち、PC鋼線3の周囲のコンクリートCを除くコンクリートCがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、PC鋼線3をジャッキによって緊張するとともに、プレテンション法の場合はジャッキによって緊張した状態を保持しておくか、あるいはPC鋼線3の端部を定着具によって強度を発現した前記コンクリートCの端部に定着する。
また、ポストテンション法の場合は、緊張したPC鋼線3の端部を強度を発現した前記コンクリートCの端部に定着具を用いて定着する。
つまり、PC鋼材3の周囲はコンクリート硬化遅延材Kで覆われているので、このコンクリート硬化遅延材Kと混ざったコンクリートCは硬化が遅延されて硬化しておらず緊張力の導入が可能である。したがって、コンクリート硬化遅延材Kと混ざったPC鋼材3の周囲のコンクリートCの硬化前にPC鋼線3をジャッキによって緊張する。
型枠の内側に配置されたPC鋼線3は、PC鋼線支持部材20,20によってPC鋼線3の途中を支持することによって、折れ線状に保持されるので、PC鋼線を所望の位置に直線が繋がった折れ線として配設できるとともに、PC鋼線3を曲線状に配置する場合に比して、PC鋼線3を緊張する際のコンクリートCとの摩擦を低減できる。
さらに、PC構成支持部材20の挿通孔20aの内周面にテフロンシート等の摩擦低減部材21が貼着されているので、つまり、PC鋼線3とPC鋼線支持部材20との間に摩擦低減部材21を設けているので、PC鋼線3を緊張する際のPC鋼線支持部材20との摩擦を低減できる
さらに、PC構成支持部材20の挿通孔20aの内周面にテフロンシート等の摩擦低減部材21が貼着されているので、つまり、PC鋼線3とPC鋼線支持部材20との間に摩擦低減部材21を設けているので、PC鋼線3を緊張する際のPC鋼線支持部材20との摩擦を低減できる
次に、PC鋼線周囲のコンクリートC、つまりコンクリート硬化遅延材Kと混ざったコンクリートCが硬化した後、プレテンション法の場合は定着具とジャッキを外してPC鋼線3の緊張を解除する。また、ポストテンション法の場合は、コンクリート硬化遅延材Kと混ざったコンクリートCが硬化するまで、コンクリート全体を養生しておく。
これによって、コンクリートCにプレストレスを導入したプレストレストコンクリート部材の製造を終了する。
これによって、コンクリートCにプレストレスを導入したプレストレストコンクリート部材の製造を終了する。
このように本実施の形態によれば、コンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3を使用しているので、PC鋼線3の周囲のコンクリートCを除くコンクリートCがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した際には、PC鋼線3の周囲のコンクリートCは硬化しておらず緊張力の導入が可能である。したがって、この状態でPC鋼線3を緊張し、PC鋼線3の周囲のコンクリートCが硬化することによって、その周囲のコンクリートCと一体化する。その後、PC鋼線3の緊張を解除したり、または、緊張したPC鋼線の端部をコンクリートの端部に定着具を用いて定着することによって、コンクリートCにプレストレスを導入できる。
このように、本実施の形態ではシース管を使用しないので、PC鋼線3を容易に配置して緊張することができ、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
このように、本実施の形態ではシース管を使用しないので、PC鋼線3を容易に配置して緊張することができ、シース管の存在による従来の不具合を解消できる。
なお、本実施の形態では、図2(a)に示すようにゼリー状のコンクリート硬化遅延材Kを塗布したPC鋼線3全体を布等の被覆材10で覆うようにしたが、これに代えて、図2(b)に示すように、予めコンクリート硬化遅延材Kを含浸させた含浸被覆材11でPC鋼線3を覆うことによって、PC鋼線3の周囲にコンクリート硬化遅延材Kを塗布してもよい。このようにすれば、PC鋼線3の周囲にコンクリート硬化遅延材Kを容易に塗布できるとともに、型枠の内側にコンクリートを打設する際に、含浸被覆材11によってコンクリート硬化遅延材Kが流失するのを防止できる。
また、本実施の形態では、図3に示すように、PC鋼線支持部材20に挿通穴20aを形成し、この挿通穴20にPC鋼線3を挿通することによって、PC鋼線3を支持したが、これに限ることなく、例えば、PC鋼線支持部材20に突起を設け、この突起にテフロン等の摩擦低減部材を貼り付け、この突起にPC鋼線20を摺動自在に掛けることによってPC鋼線3を支持してもよい。
また、本実施の形態では、図3に示すように、PC鋼線支持部材20に挿通穴20aを形成し、この挿通穴20にPC鋼線3を挿通することによって、PC鋼線3を支持したが、これに限ることなく、例えば、PC鋼線支持部材20に突起を設け、この突起にテフロン等の摩擦低減部材を貼り付け、この突起にPC鋼線20を摺動自在に掛けることによってPC鋼線3を支持してもよい。
3 PC鋼線
10 被覆材
11 含浸被覆材
20 PC鋼線支持部材
20a 挿通孔
21 摩擦低減部材
K コンクリート硬化遅延材
C コンクリート
10 被覆材
11 含浸被覆材
20 PC鋼線支持部材
20a 挿通孔
21 摩擦低減部材
K コンクリート硬化遅延材
C コンクリート
Claims (6)
- プレストレストコンクリート部材を製造する方法であって、
PC鋼線の周囲にコンクリート硬化遅延材を塗布しておき、
このコンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を型枠の内側に配置し、
次に、型枠の内側にコンクリートを打設し、このコンクリートのうち、前記PC鋼線周囲のコンクリートを除くコンクリートがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、前記PC鋼線を緊張し、
前記PC鋼線周囲のコンクリートが硬化した後、前記PC鋼線の緊張を解除することを特徴とするプレストレストコンクリート部材の製造方法。 - プレストレストコンクリート部材を製造する方法であって、
PC鋼線の周囲にコンクリート硬化遅延材を塗布しておき、
このコンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を型枠の内側に配置し、
次に、型枠の内側にコンクリートを打設し、このコンクリートのうち、前記PC鋼線周囲のコンクリートを除くコンクリートがプレストレスを導入するのに十分な強度を発現した後、前記PC鋼線を緊張して、このPC鋼線の端部を前記コンクリートの端部に定着具を用いて定着することを特徴とするプレストレストコンクリート部材の製造方法。 - コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を被覆材で覆い、この被覆材で覆ったPC鋼線を型枠の内側に配置することを特徴とする請求項1または2に記載のプレストレストコンクリート部材の製造方法。
- 予めコンクリート硬化遅延材を含浸させた含浸被覆材でPC鋼線を覆うことにより、PC鋼線の周囲にコンクリート硬化遅延材を塗布することを特徴とする請求項1または2に記載のプレストレストコンクリート部材の製造方法。
- コンクリート硬化遅延材を塗布したPC鋼線を型枠の内側に配置するに際し、該型枠の内側にPC鋼線支持部材を設置し、このPC鋼線支持部材によって前記PC鋼線の途中を支持することによって、PC鋼線を型枠の内側で折れ線状に保持することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレストレストコンクリート部材の製造方法。
- PC鋼線とPC鋼線支持部材との間に摩擦低減部材を設けることを特徴とする請求項5に記載のプレストレストコンクリート部材の製造方法。
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