JP2006089255A - チェーンブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】 無負荷状態ではロードシーブを遊転動作することができるチェーンブロックを提供する。
【解決手段】 荷を吊架したロードチェーンの巻き動作が可能なロードシーブと、該ロードシーブの片側においてハンドチェーンの手動操作により正逆に回転可能なハンドホイールと、前記ロードシーブの中心軸に遊挿され、一端が前記ハンドホイールの中心に螺合されると共に、他端にスピンドルギアを設けたピニオンシャフトと、大小二つのギアを一体とし、その大径ギアが前記スピンドルギアと噛合可能な減速ギアと、該減速ギアの小径ギアと噛合して前記ロードシーブに減速ギアの回転力を伝達する主軸ギアとからなり、前記ピニオンシャフトは前記ロードシーブが無負荷の状態で前記ハンドホイールを荷の巻降し方向に回転させたとき、その回転に応じて前記ピニオンギアと減速ギアの噛合が解除される位置まで軸方向に移動可能とした。
【選択図】 図3
【解決手段】 荷を吊架したロードチェーンの巻き動作が可能なロードシーブと、該ロードシーブの片側においてハンドチェーンの手動操作により正逆に回転可能なハンドホイールと、前記ロードシーブの中心軸に遊挿され、一端が前記ハンドホイールの中心に螺合されると共に、他端にスピンドルギアを設けたピニオンシャフトと、大小二つのギアを一体とし、その大径ギアが前記スピンドルギアと噛合可能な減速ギアと、該減速ギアの小径ギアと噛合して前記ロードシーブに減速ギアの回転力を伝達する主軸ギアとからなり、前記ピニオンシャフトは前記ロードシーブが無負荷の状態で前記ハンドホイールを荷の巻降し方向に回転させたとき、その回転に応じて前記ピニオンギアと減速ギアの噛合が解除される位置まで軸方向に移動可能とした。
【選択図】 図3
Description
この発明は、手動でハンドチェーンを操作することにより物品を吊架したロードチェーンの巻揚げ、巻降し又は牽引ができるチェーンブロックの改良に関する。
一般に、この種のチェーンブロックでは、ハンドチェーン操作によるロードチェーンの巻揚げ・巻降し動作(以下「巻き動作」という)を行うものであり、その代表的な構造を図4に従って説明すると、50は主枠51にメタル又はベアリング等の軸受52を介して回転可能に設けられるロードシーブであって、該ロードシーブ50には荷物の上げ下ろしを行うためのロードチェーン(図示せず)が巻装される。53は主枠51の片側(同図では左側)に回転可能に設けられ、前記ロードシーブ50に対して巻き動作に必要な動力を伝達するハンドホイールであって、該ハンドホイール53にはハンドチェーン(図示せず)が巻装され、該ハンドチェーンを手動で操作することにより、その動力を後述する伝達機構を介して上記ロードシーブ50に伝達してロードチェーンの巻き動作、即ち荷物の上げ下ろしを行うものである。伝達機構は、軸芯がロードシーブ50内に遊挿され、その一端をハンドホイール53に螺合すると共に、他端にスピンドルギア54を設けたピニオンシャフト55と、主枠51のハンドホイール53とは反対側において大小二つのギアを一体にし、その大径ギア56aが前記スピンドルギア54と噛み合う減速ギア56と、該減速ギア56の小径ギア56bが噛み合う主軸ギア57とからなる。なお、減速ギア56は、ピニオンシャフト55の回転力を安定して主軸ギア57に伝達するため、ピニオンシャフト55の中心軸の左右(図4においては紙面手前と奥)に二組一対に設けている。また、減速ギア56は、他の配置形態として、ピニオンシャフト55の中心軸の上下に二組一対に配されることもある。そして、主軸ギア57は止め具58によってロードシーブ50と共回り可能に連結されている。また、ハンドホイール53とロードシーブ50の間には、ラチェット爪59と噛合してハンドホイール53の逆回転を防止するラチェットギア60が設けられると共に、該ラチェットギア60を介してブレーキライニング61と摩擦係合するように固定摩擦板62が設けられている。この固定摩擦板62と上記ピニオンシャフト55とは、留め具63により回転及び軸方向移動が規制された状態で固定されている。
このような構造のチェーンブロックにおいて、ハンドチェーンを操作してハンドホイール53を回せば、その動力はブレーキライニング61を介して固定摩擦板62とピニオンシャフト55が共回りするように伝達され、このピニオンシャフト55の回転動作はさらにスピンドルギア54および減速ギア56を介して主軸ギア57に伝達されて、ロードシーブ50が回転することによりロードチェーンの巻き動作を行うものである。
なお、特許文献1・2は、チェーンレバーホイストにおいて上記ロードチェーンに相当するロードシーブを無負荷時に遊転可能とした発明に関するものである。
ところで、この種チェーンブロックにおいては、無負荷の状態においてロードチェーンが自由に移動する、いわゆるロードチェーンの遊転動作が行えることが好ましいが、上記従来構造のチェーンブロックは本体自体が高所にあるためこれを直接操作できず、また遊転動作を行うための機構を備えていないため、無負荷状態でロードチェーンの巻き動作を行うには、減速ギアにかかったままでハンドチェーンを何度も回す動作が必要となり、多大な労力が必要であった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、無負荷状態ではロードシーブを遊転動作することができるチェーンブロックを提供することである。
上述した目的を達成するために本発明では、荷を吊架したロードチェーンの巻き動作が可能なロードシーブと、該ロードシーブの片側においてハンドチェーンの手動操作により正逆に回転可能なハンドホイールと、前記ロードシーブの中心軸に遊挿され、一端が前記ハンドホイールの中心に螺合されると共に、他端にスピンドルギアを設けたピニオンシャフトと、大小二つのギアを一体とし、その大径ギアが前記スピンドルギアと噛合可能な減速ギアと、該減速ギアの小径ギアと噛合して前記ロードシーブに減速ギアの回転力を伝達する主軸ギアとからなり、前記ピニオンシャフトは前記ロードシーブが無負荷の状態で前記ハンドホイールを荷の巻降し方向に回転させたとき、その回転に応じて前記ピニオンギアと減速ギアの噛合が解除される位置まで軸方向に移動可能とするという手段を用いた。つまり、本発明によれば、ロードシーブが無負荷の状態のとき、ハンドホイールを逆回転(荷の巻降し方向に回転)させることによって、ハンドホイールが定位置で空転するから、その中心に一端を螺合したピニオンシャフトがネジ作用によって軸方向に移動し、他端のスピンドルギアと減速ギアにおける大径ギアとの噛合が解除される。この状態で、ロードシーブはフリーとなるから、ロードチェーンを直接巻降し操作することができるのである。なお、本発明において無負荷とは完全な無負荷状態のみを言うのではなく、ハンドホイールが定位置で空転可能な状態となる状態をも含むものとする。例えば、ロードチェーンに吊架用フックを取り付けた状態において前記フックの荷重がかかった状態も完全無負荷ではないものの、本発明では無負荷状態というのである。また、ロードシーブに負荷がかかれば、ハンドチェーンを巻上げ操作(正転方向)することによってネジ作用によりピニオンシャフトが上記とは逆の方向に軸移動し、スピンドルギアと減速ギアの噛合が復帰する。
また請求項2では、ハンドホイールとロードシーブの間にハンドホイールの逆回転を防止するラチェットギアを設けた。
さらに請求項3では、ラチェットギアとロードシーブの間にラチェットギアに設けたブレーキライニングと摩擦係合する固定摩擦板を設けるという手段を選択的に用いた。
以上、本発明よれば、ピニオンシャフトはロードシーブが無負荷の状態でハンドホイールを荷の巻降し方向に回転させたとき、その回転に応じてピニオンギアと減速ギアの噛合が解除される位置まで軸方向に移動可能とするように構成したので、無負荷の状態にあるときハンドチェーンの操作によりロードシーブを遊転状態とすることができる。また、ハンドホイールとロードシーブの間にハンドホイールの逆回転を防止するラチェットギアを設けたものにあっては、荷の上げ下ろし時にハンドホイールが不用意に逆転することを防止でき、安全性が向上する。さらに、ラチェットギアとロードシーブの間にラチェットギアに設けたブレーキライニングと摩擦係合する固定摩擦板を設けたものにあっては、前記摩擦係合により緩やかな荷の上げ下ろしが可能となり、より操作性が高まる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るチェーンブロックの要部断面図であって、図中、1は主枠2にメタル又はベアリング等の軸受3を介して回転可能に設けられるロードシーブである。該ロードシーブ1には荷物の上げ下ろしを行うためのロードチェーン(図示せず)が巻装される。4は、主枠2の片側(同図では左側)に回転可能に設けられ、前記ロードシーブ1に対して巻き動作に必要な動力を伝達するハンドホイールであって、該ハンドホイール4にはハンドチェーン(図示せず)が巻装され、該ハンドチェーンを手動で操作することにより、その動力を後述する伝達機構を介して上記ロードシーブ1に伝達してロードチェーンの巻き動作、即ち荷物の上げ下ろしを行うものである。
伝達機構は、軸芯がロードシーブ1内に遊挿され、その一端に設けた雄ねじ6aをハンドホイール4の中心部に設けた雌ねじ4aに螺合すると共に、他端にスピンドルギア5を設けたピニオンシャフト6と、主枠2のハンドホイール4とは反対側において、図2に示すように大小二つのギアを一体にし、その大径ギア7aが前記スピンドルギア5と噛み合う減速ギア7と、該減速ギア7の小径ギア7bが噛み合う主軸ギア8とからなる。当該主軸ギア8は止め具9によってロードシーブ1と共回り可能に連結されている。なお、この減速ギア7は、従来技術と同じく、主軸ギア8に対してピニオンシャフト6の回転力を安定して伝達するため、ピニオンシャフト6の中心軸の左右(図1においては紙面手前と奥)に二組一対に設けている。また、他の配置形態として、減速ギア7はピニオンシャフト6の中心軸の上下に二組一対に配されることもある。
なお、ハンドホイール4とロードシーブ1の間には、ラチェット爪10と噛合してハンドホイール4の逆回転を防止するラチェットギア11が設けられると共に、該ラチェットギア11を介してブレーキライニング12と摩擦係合するように固定摩擦板13が設けられている。
当該構造において、荷物の上げ下ろしをするには、従来のチェーンブロックと同様、ハンドチェーンを手動で操作してハンドホイール4を回転させることにより、当該動力をピニオンシャフト6・スピンドルギア5に伝達し、さらに該スピンドルギア5の回転力により減速ギア7を介してロードシーブ1を回転させ、該ロードシーブ1に巻装したロードチェーンの巻き動作を行う。
一方、ロードシーブ1を無負荷において遊転可能とするためには、スピンドルギア5と減速ギア7の噛合関係を解除することにより行われる。具体的には、ロードシーブ1が無負荷の状態で、先ずハンドチェーンを荷物を降ろす方向に回せば、該ハンドチェーンを巻装したハンドホイール4は、当該巻降しにかかる荷重がブレーキライニング12との摩擦係合力を上回り、該ライニング12が滑り始めるから、その凸状筒部4bがサイドカバー15と当接する位置まで後退する。当該当接後、さらにハンドチェーンを回せば、ハンドホイール4は前記当接位置を定位置として空転し、その回転に応じて該ハンドホイール4の中心部に螺合したピニオンシャフト6がそのネジ作用によって軸方向に移動する。そして、ピニオンシャフト6の移動動作により、図3に示したように、スピンドルギア5と減速ギア7(大径ギア7a)との噛合が解除され、もってロードシーブ1が遊転可能な状態になる。
一方、この遊転状態からハンドチェーンを上記とは逆方向、即ち巻き上げ方向に回せば、凸状筒部4bがサイドカバー15から離反する方向に前進してブレーキライニング12との係合摩擦状態を復帰する。そして、この状態からさらにハンドチェーンを逆方向に回せば、ピニオンシャフト6が上記とは反対の方向に軸移動して、スピンドルギア5と減速ギア7の噛合状態が復帰し、ロードシーブ1の巻き動作が可能となるのである。
なお、ハンドホイール4の雌ねじ4aとピニオンシャフト6の雄ねじ6aは、ネジ山のピッチが大きいほど、少ない回転数(回転角度)でピニオンシャフト6を大きく移動させることができ、巻き動作と遊転動作の切換えを素早く行うことができる。ただし、本発明は前記ピッチを限定するものではない。また、遊転動作時にハンドホイール4を回し続ければ、ピニオンシャフト6が脱落するため、本実施形態ではスピンドルギア5側にカバープレート14を設け、該プレート14に当該ピニオンギア5を当接させることにより上記脱落を防止している。ただし、当該脱落防止のための構成は、これに限らず、ピニオンシャフト6の雄ねじ6a側後端に半径方向に伸びるピンを突設し、該ピンがハンドホイール4の中心部に入り込まないようにして、ピニオンシャフト6の移動距離を規制してもよい。
一方、このロードシーブ1の遊転状態から、再度、ハンドチェーンを上記とは逆の方向、即ち荷物の吊り上げを行う方向に回すことによって、上記ネジ作用によってピニオンシャフト6が図1の状態に戻り、スピンドルギア5と減速ギア7の大径ギア7aとが噛合してハンドホイール4とロードシーブ1の伝達機構が連結状態となる。
1 ロードシーブ
2 主枠
3 軸受
4 ハンドホイール
5 スピンドルギア
6 ピニオンシャフト
7 減速ギア
8 主軸ギア
9 止め具
10 ラチェット爪
11 ラチェットギア
12 ブレーキライニング
13 固定摩擦板
14 カバープレート
15 サイドカバー
2 主枠
3 軸受
4 ハンドホイール
5 スピンドルギア
6 ピニオンシャフト
7 減速ギア
8 主軸ギア
9 止め具
10 ラチェット爪
11 ラチェットギア
12 ブレーキライニング
13 固定摩擦板
14 カバープレート
15 サイドカバー
Claims (3)
- 荷を吊架したロードチェーンの巻き動作が可能なロードシーブと、該ロードシーブの片側においてハンドチェーンの手動操作により正逆に回転可能なハンドホイールと、前記ロードシーブの中心軸に遊挿され、一端が前記ハンドホイールの中心に螺合されると共に、他端にスピンドルギアを設けたピニオンシャフトと、大小二つのギアを一体とし、その大径ギアが前記スピンドルギアと噛合可能な減速ギアと、該減速ギアの小径ギアと噛合して前記ロードシーブに減速ギアの回転力を伝達する主軸ギアとからなり、前記ピニオンシャフトは前記ロードシーブが無負荷の状態で前記ハンドホイールを荷の巻降し方向に回転させたとき、その回転に応じて前記ピニオンギアと減速ギアの噛合が解除される位置まで軸方向に移動可能としたことを特徴とするチェーンブロック。
- ハンドホイールとロードシーブの間にハンドホイールの逆回転を防止するラチェットギアを設けた請求項1記載のチェーンブロック。
- ラチェットギアとロードシーブの間にラチェットギアに設けたブレーキライニングと摩擦係合する固定摩擦板を設けた請求項2記載のチェーンブロック。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP2004279523A JP2006089255A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | チェーンブロック |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004279523A JP2006089255A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | チェーンブロック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006089255A true JP2006089255A (ja) | 2006-04-06 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004279523A Pending JP2006089255A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | チェーンブロック |
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---|---|
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JP (1) | JP2006089255A (ja) |
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US4420144A (en) * | 1980-10-21 | 1983-12-13 | Vital Kogyo Kabushiki Kaisha | Manual hoisting and pulling apparatus |
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JP2615371B2 (ja) | 1994-05-13 | 1997-05-28 | 株式会社スリーエッチ | チェーンレバーホイスト |
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2004
- 2004-09-27 JP JP2004279523A patent/JP2006089255A/ja active Pending
-
2005
- 2005-09-26 US US11/235,393 patent/US7156374B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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