JP2006089090A - スチール容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温湿潤時でもフィルム分解や剥離等の問題を生じないようにすることで、保存性を有するとともに、開封後そのまま電磁調理して料理することが可能な新しい使い捨てスチール容器を提供する。
【解決手段】 少なくとも容器内面側の鋼板表面に、180℃における1/2結晶化時間が、10秒以上500秒以下であるポリエステルフィルムがラミネートされていることを特徴とするスチール容器。前記ポリエステルは、180℃における1/2結晶化時間が、10秒以上200秒以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リサイクル可能なスチール製使い捨て食品容器に関するものであり、従来の内容物の長期保存という機能の他に、開封後そのまま、直火、電磁調理等の加熱調理可能で、しかも風味にも優れる食品容器を得るための技術に関するものである。
本発明で対象とする食品容器は、密閉されて長期間の保存に耐える上、開封した後に、その容器のまま煮る、焼く、炒める等の加熱調理が可能な容器であり、例えば鍋焼きうどんやスパゲッティ、焼きおにぎり等の食品を充填する容器である。
食品容器としては、主にプラスチックが使用されているが、ゴミ処理、環境面において問題がある。また、プラスチックは、電子レンジで温めることはできるが、直火や電磁調理による調理はできないため、焼く、炒める等の調理による香ばしさや火の通りによる食感のような風味の点で劣るという欠点がある。一方、スチール容器としては、主に缶詰のような形態で供されるが、レトルト可能で保存性はあるが、調理できず、手軽さに欠けるという欠点がある。
加熱調理可能なスチール容器としては、特許文献1に記載されているように、5〜120μmの鉄箔に有機樹脂が被覆されて、電子レンジ調理可能なものが開発されたが、鋼板は本質的に電磁波を透過せずまた、電磁調理用としては基材となる鋼板が薄いため調理効率に劣る。また特殊なフィルムを使用しており製造コストが高いため市場性に劣る。また、特許文献2、3には底面を平坦に成形することにより電磁調理可能としたスチール容器が提案されているが、通常市販されている被覆材では加熱調理時にクラックや剥離を生じるため、調理容器としての性能の上で実用に耐えるものでなく、市場には出ていない。
従来、容器成形用ラミネート鋼板に被覆するために使用されるPETラミネート鋼板には、イソフタル酸を10%程度以上含むイソフタル酸共重合PET樹脂フィルムが一般に使用されている。これは、イソフタル酸を含まないホモPETフィルムでは加工性に劣り、缶成形のときにクラックや剥離が生じて缶に成形できないためである。しかし、イソフタル酸共重合PET樹脂フィルムは、食品容器としては融点が低く、また結晶化しにくいため、加熱調理時にフィルム加水分解や剥離等の問題が生じる。
以下に先行技術文献情報について記載する。なお、特許文献4、5については、説明の都合上、発明を実施するための最良の形態の項で説明する。
特開昭61−280928号公報 特開2000−262407号公報 特開2000−271010号公報 特開平5−222357号公報 特開平5−1164号公報
ポリエステルフィルムをラミネートした鋼板はレトルト可能であり、煮る等の水が入った状態での調理は可能と考えられる。しかし、フィルムによっては煮ることによるフィルム加水分解や剥離等の問題が生じる。
本発明は、ポリエステルフィルムをラミネートした鋼板の前述の問題点を解決し、高温湿潤時でもフィルム分解や剥離等の問題を生じないようにすることで、保存性を有するとともに、開封後そのまま電磁調理して料理することが可能な新しい使い捨てスチール容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、加工性の低い上記食品容器では、フィルム加工性はそれほど必要ではなく、むしろ結晶化が早く加熱時の物質透過性の低いフィルムの方が有利であることを見出した。また、融点が高く、結晶化速度の高いPET(ポリエチレンテレフタレート)を含む樹脂フィルムをスチール容器の少なくとも一方の面(内面側)に使用することにより上記目的が達成されることが明らかになった。
本発明は以上の知見をもとになされたものである。上記課題を解決する本発明の要旨は次のとおりである。
第1発明は、少なくとも容器内面側の鋼板表面に、180℃における1/2結晶化時間が、10秒以上500秒以下であるポリエステルフィルムがラミネートされていることを特徴とするスチール容器である。
第2発明は、少なくとも容器内面側の鋼板表面に、180℃における1/2結晶化時間が、10秒以上200秒以下であるポリエステルフィルムがラミネートされていることを特徴とするスチール容器である。
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記ポリエステルフィルムは、酸成分100モル%中にテレフタル酸を97モル%以上含有し、グリコール成分100モル%中にエチレングリコール成分を30〜100モル%、ブチレングリコール成分を70〜0モル%含有し、かつエチレングリコール成分とブチレングリコール成分の和が95モル%以上になることを特徴とするスチール容器である。
第4発明は、第1発明〜第3発明において、前記ポリエステルフィルムは、フィルム中に少なくとも融点が240℃以上の樹脂成分を含むことを特徴とするスチール容器である。
第5発明は、第1発明〜第4発明において、前記ポリエステルフィルムのポリエステルは、テレフタル酸以外の酸成分が、イソフタル酸であることを特徴とするスチール容器である。
第6発明は、第1発明〜第5発明において、前記鋼板は、表面に金属クロム量30〜100mg/m2及びクロム酸化物中クロム量5〜20mg/m2のクロム酸皮膜が生成されたクロムめっき鋼板であることを特徴とするスチール容器である。
第7発明は、第1発明〜第6発明において、容器外面側の鋼板表面に燃難性のフィルムまたは塗装が被覆されていることを特徴とするスチール容器である。
本発明のスチール容器は、内容物の保存性に優れ、また水分が入った状態で煮て調理しても、フィルム分解や剥離等の問題がないので、開封後内容物をそのまま調理して食することが可能となり、風味の点でプラスチック容器にはない特徴を持つ。また、本容器はリサイクル可能で、環境に配慮した容器である。
以下に、本発明のスチール容器を詳細に説明する。
本発明のスチール容器は、結晶化速度の速いポリエステルフィルムを少なくとも容器内面側にラミネートすることを特徴とする。
具体的には、180℃における1/2結晶化時間が、10秒以上500秒以下であるポリエステルフィルムである。例えば、ホモPET樹脂のフィルムが該当する。樹脂の結晶化速度は、共重合化されていないホモPETやホモPBT樹脂で高く、それらの樹脂にイソフタル酸等の成分を共重合化するほど結晶化速度は低下する。従来、飲料缶用ポリエステルフィルムに使用される樹脂としてはイソフタル酸を共重合化したPETが使用されていたが、これは結晶化が早すぎるフィルムでは缶成形においてフィルムの結晶化による加工性低下が起きるため使用できなかったためである。
しかし、本発明が対象とする加熱調理されるスチール容器は、加工度が低いため、加工性に優れるものよりも加熱時に結晶化するフィルムの方が耐久性、耐食性に優れることがわかり、本発明に到った。加熱時に短時間で結晶化することにより、熱による物質透過やそれによるフィルム剥離や腐食を抑制することができる。具体的に、結晶化速度の高いフィルムとしては前述のホモPET樹脂の他に、PET−PBT混合樹脂やPET−PBT共重合樹脂を使用したものが該当する。本発明の結晶化速度に調節するためには、それら樹脂中のPETとPBTの比率、およびイソフタル酸やシクロヘキサンジメタノール等の共重合成分量により調節できる。通常は、イソフタル酸やシクロヘキサンジメタノール量を増すほど結晶化速度は低下する傾向にあるため、イソフタル酸量は3モル%未満、シクロヘキサンジメタノール量は5モル%未満にすることにより規定の結晶化速度とすることができる。
また、これらの効果は、180℃における1/2結晶化時間が200秒以下のものでより顕著である。樹脂組成としてフィルム中酸成分100モル%中にテレフタル酸を97モル%以上含有し、グリコール成分100モル%中にエチレングリコールを30〜100モル%、ブチレングリコールを70〜0モル%含有し、かつエチレングリコール成分とブチレングリコール成分の和が95モル%以上になるポリエステルフィルムにおいて、このような結晶化速度が達成される。これを外れたものは、結晶化速度が遅く上に述べた問題が生じやすくなる。
一方、180℃における1/2結晶化時間が10秒未満であると、ラミネート鋼板製造時に結晶化して加工性等の品質を低下させる他、成形時の結晶化によりフィルム割れ等の欠陥が生じやすくなるため不適である。例えば、ホモPBT樹脂では結晶化速度が非常に高いため、加工性に劣り不適である。
また、フィルム中に少なくとも融点が240℃以上の樹脂成分を含むことが好ましい。これは、ホモPET樹脂フィルム、およびPET−PBT混合樹脂で得られる。PET−PBT混合樹脂では、ホモPET成分、またはPETに3%以下の共重合成分が含まれる樹脂で得られる。PET−PBT共重合樹脂では、PET中のPBT共重合成分量が多くなると融点が低下して加熱時の樹脂劣化の問題が生じるため、その量を3%以下に少なくすることが必要である。
なお、フィルムの融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温時の吸熱ピーク温度を測定し、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分の条件で測定した値とする。
フィルムは酸成分100モル%中にテレフタル酸を97モル%以上含有するポリエステル樹脂のフィルムを基本とするが、それ以外の酸成分としてはイソフタル酸が熱劣化の発生が少なく良好で、その他の酸成分を使用すると熱による劣化が激しくなる可能性がある。
その他に本発明で使用されるポリエステル樹脂フィルムには、以下のような性能が要求される。金属板との密着性に優れ、製缶時の成形加工によるフィルムの伸びや圧縮等の変形、および摩擦によるフィルムの劣化や密着性の低下が無いこと、フィルムの剥離、収縮、クラック、ピンホール等を生じないこと、缶への衝撃によってフィルムにクラックが発生したり、剥離したりしないこと、各種内容物に接した時に腐食や剥離が生じないこと、フィルムが白濁しないこと等がある。さらに、缶の内容物の香り成分がフィルムに吸着したり、フィルムの溶出成分や臭いによって内容物の風味が損なわれないことも求められる。そのような点で、上記組成のポリエステルフィルムが最適である。
さらに、発明の目的を損なわない範囲で、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から誘導される構成単位を少量、たとえば2重量%以下の量で含んでいてもよい。
また、ポリエステル樹脂中にそれ以外の樹脂成分として変性ポリオレフィンやエラストマー等の衝撃緩和成分を樹脂中で3〜30重量部の範囲で含有させて耐衝撃性を向上させた樹脂も使用可能である。
また、フレーバー性の点から樹脂中のアセトアルデヒド含有量を10ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは7ppm以下である。アセトアルデヒド含有量がかかる範囲、特に10ppmを越えるとフレーバー性に劣る場合がある。アセトアルデヒド含有量を10ppm以下とする方法は特に限定されるものではない。例えばポリエステル樹脂を重縮合反応等で製造する際の熱分解によって生じるアセトアルデヒドを除去するため、樹脂を減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において、ポリエステルの融点以下の温度で熱処理する方法等によって得られたポリエステル樹脂をフィルムに成形する方法等を挙げることができ、好ましくは樹脂を減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において150℃以上、融点以下の温度で固相重合したポリエステル樹脂を用いる方法がよい。
また、本発明のポリエステル樹脂はフレーバー性の点から樹脂中の環状三量体等からなるオリゴマーはより少ない方が好ましい。特に環状三量体の含有量を0.9重量%以下とすることが好ましく、特には0.7重量%以下とすることがより好ましい。樹脂中のオリゴマー含有量がかかる範囲、特に0.9重量%を越えるとフレーバー性に劣る場合がある。オリゴマー含有量を0.9重量%以下とする方法は特に限定されるものではないが、上述のアセトアルデヒド含有量を減少させる方法と同様の方法等を採用することで達成できる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の固有粘度は、0.3〜2.0dl/g、より好ましくは0.3〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.5〜1.0dl/gである。2.0dl/gを越える場合は、粘性が非常に高いためフィルム化が困難となる可能性があり、一方、固有粘度が0.3dl/g未満の場合には粘性が低いために成形性が不良となり、均一なフィルムを製造することが困難となる可能性がある。上記固有粘度は、JIS K7367−5に示される方法で測定され、25℃のo−クロロフェノール中で0.005g/mlの濃度で測定されたもので、固有粘度=(T−T0)/(T0*c)によって求められる。式中、cは溶液100ml当たりの樹脂濃度をグラム数で表わした濃度を、T0、およびTは、溶媒、および樹脂溶液の毛細管形粘度計内の流下時間をそれぞれ表す。
さらに、本発明に使用するポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が40〜100℃、より好ましくは40〜80℃であることが望ましい。ガラス転移温度が40℃未満の場合は、ポリエステル樹脂の耐熱性が劣るため成形時の温度上昇で傷等が入りやすくなり、一方、ガラス転移温度が100℃を超える場合には逆に加工性に劣ることがある。また、低温結晶化温度(Tc)については、210℃以下、好ましくは180℃以下である。低温結晶化温度が210℃を超えるものは結晶化速度が遅く本発明に合致しない可能性が高い。上記ガラス転移温度、低温結晶化温度は、融点同様示差走査熱量計(DSC)を用いて測定可能である。
樹脂フィルム中には、滑り性、成形加工性、耐衝撃性等の向上を目的として無機粒子、有機粒子、有機高分子粒子をさらに含有することができる。無機粒子としては、乾式法および湿式法で製造されたシリカ、多孔質シリカ、コロイド状シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、スピネル、酸化鉄、リン酸カルシウム等が挙げられ、また有機粒子あるいは有機高分子粒子としてはポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、スチレン−アクリル系架橋粒子、アクリル系架橋粒子、スチレン−メタクリル酸系樹脂架橋粒子、メタクリル酸樹脂系架橋粒子などのビニル樹脂系粒子や、シリコーン、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニルエステル、フェノール樹脂等を構成成分とする有機高分子粒子を挙げることができる。これら粒子の粒子径、含有量は特に限定されるものではないが、性能を最大限に発揮するためには粒子径は0.01〜5.0μmの範囲が好ましく、さらには0.1〜2.5μmの範囲が好ましい。また、それらの粒径分布は鋭く、標準偏差0.5以下が好ましい。さらに、粒子の形状は真球に近いものが望ましく、好ましくは長径/短径の比が1.0〜1.2である。
さらに、樹脂フィルム中には、本発明の効果を妨げない限り、光安定剤、耐衝撃性改良剤、相溶化剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、反応触媒、着色防止剤、ラジカル禁止剤、可塑剤、酸化防止剤、末端封鎖剤、熱安定剤、離型剤、難燃剤、抗菌剤、抗黴剤等の添加剤が添加されていても良い。これらの添加剤の含有量としては、本発明では、樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上15重量部以下が好ましい。さらに望ましくは0.01重量部以上2重量部以下、特に望ましくは0.05重量部以上0.5重量部以下である。0.005重量部未満では効果が不十分で、一方15重量部を超えると添加剤が過剰となり樹脂層の機械的性能を低下させる。
反応触媒としては例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物等が、着色防止剤としては例えばリン化合物等を挙げることができる。
ラジカル禁止剤としては、フェノール系ラジカル禁止剤、リン系ラジカル禁止剤、スルフィド系ラジカル禁止剤、及び窒素系ラジカル禁止剤から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
帯電防止剤としては、成膜工程におけるフィルムのロールへの巻き付きや、フィルム表面への汚れ付着等の静電気障害を防止することを目的として、特許文献4に開示される帯電防止剤等の樹脂組成物中に練り込む方法や、フィルム表面に特許文献5に記載されている帯電防止剤を塗布する方法などを必要に応じて適用することができる。
樹脂中にはポリエステル樹脂の重合触媒を添加することも可能である。重合触媒としては、ゲルマニウム、アンチモン、チタンから選ばれる少なくとも一種以上の元素を1ppm以上500ppm以下含有することが好ましい。より好ましくは3ppm以上、さらに好ましくは10ppm以上である。ゲルマニウム、アンチモン、チタンから選ばれる少なくとも一種以上の元素量が1ppmに満たないとフレーバー性向上の効果が十分でない場合があり、500ppmを越えるとポリエステルに異物が発生し結晶核剤となり結晶化しやすくなるため、耐衝撃性が悪化したり、耐熱性が低下したりする場合がある。また、これらの元素の中ではフレーバー性の点からゲルマニウム元素が特に好ましい。
ゲルマニウム化合物としては、例えば二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム酸化物、水酸化物、あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレート、ゲルマニウムβ−ナフトレート等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を挙げることができる。
アンチモン化合物としては、三酸化二アンチモン、三弗化アンチモン、酢酸アンチモン、硼酸アンチモン、ギ酸アンチモン、亜アンチモン酸等を挙げることができる。
チタン化合物としては、二酸化チタン等の酸化物、水酸化チタニウム等の水酸化物、テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート等のアルコキシド化合物、テトラヒドロキシエチルチタネート等のグリコキシド化合物、フェノキシド化合物、酢酸塩等の化合物を挙げることができる。
本発明の樹脂フィルムは、2軸延伸したものが好ましく、2軸延伸したものの方が同じ組成の無延伸フィルムよりも結晶化速度が速くなる傾向にあり、本発明の意図に合致する。面配向係数としては、フィルム面と平行な方向の面配向係数が0.05以上であるものが好適である。
また、このようなフィルムはスチールの少なくとも一方の面に使用されたもので良く、他の面はエポキシやポリエステル系等の通常の塗装でも構わないし、両面にフィルムが施されていても良い。しかし、容器の外面側に難燃性フィルムまたは塗装を被覆したものが、直火での調理が可能となり特に好ましい。難燃性フィルム、塗装としては、火に直接接触しても燃えにくく、また有毒なガスを出さない樹脂を用いたもの、またはそのような処理を施したものであり、例えばフッ素や臭素等のハロゲンを含む樹脂やシリコーンを使用したフィルムまたは塗装、またはそのような樹脂を被覆処理したフィルムまたは塗装を使用できるが、特にシリコーンを使用した塗装においては、火にかけても有毒なガスを出さないため好適である。
次に、ラミネート鋼板について説明する。以上により得られた樹脂フィルムを被覆してラミネート鋼板を得る。ラミネート素材の鋼板は特に限定されないが、その表面に樹脂密着性や耐食性を改善するため、無機酸化物皮膜層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム酸/リン酸処理、電解クロム酸処理、クロムクロメート処理などで代表される化成処理被覆層を設けてもよい。その中でも、電解クロメート処理鋼板が、本発明の樹脂フィルムとの密着性、耐食性、製造コストの観点から特に好ましい。金属クロム層の金属クロム量は30〜100mg/m2が適当であり、30mg/m2未満では耐食性、加工後密着性が不十分な場合があり、100mg/m2を超えると耐食性、加工後密着性の向上効果が飽和し、逆に製造コスト上昇するからである。また、クロム酸化物中のクロム量の金属クロム換算量は5〜20mg/m2が適当で、5mg/m2未満になると密着性が劣る場合があり、20mg/m2を超えると色調が悪化する他、密着性も劣るからである。
また、展延性金属メッキ層、例えばニッケル、スズ、亜鉛、アルミニウム、砲金、真ちゅうなどのメッキ層を設けてもよい。また、スズメッキの場合は、0.5〜15g/m2、ニッケルまたはアルミニウムの場合1.8〜20g/m2のメッキ量を有するものが加工性および樹脂密着性の点から好ましい。
このような鋼板は、厚さが、通常0.01〜1mm、好ましくは0.1〜0.5mmである。そして、鋼板片面または両面上に、本発明の樹脂組成物層を被覆した樹脂被覆層が形成される。
フィルムのラミネート方法については公知の方法が使用できるが、特にポリエステル樹脂の融点−100℃〜融点+30℃の範囲に加熱した金属板に、回転するロールによって樹脂フィルムを押し付けて被覆する方法が好ましい。被覆するフィルムについては、延伸配向したフィルム、無延伸のフィルム、いずれも使用可能であるが、延伸フィルムを使用する場合は、その配向度を熱被覆時の温度制御により目標の値とする制御が必要である。また、溶融した樹脂を加熱した金属板に直接押出して被覆するダイレクトラミネート法も適用可能である。
容器の製造については、公知の方法を使用できる。絞り加工、絞り・再絞り加工、絞り・しごき加工の他、スピニング加工等の方法を用いて成型することが可能である。
本発明の容器では、フィルムが容器への成型加工時のクラックや剥離等の問題を生じず、また結晶化が早いため、加熱時のフィルム加水分解や剥離等の問題が無く、調理に安心して供することが可能である。
調理後の食品容器は、スチール容器として回収できるので、リサイクル可能で環境に配慮した容器である。
鋼板としては、厚さ0.20mm、テンパー度DR9、金属クロム層80mg/m2、クロム酸化物層15mg/m2(金属クロム換算)のティン・フリー・スチール(以下TFSと略す)を用い、表1に示す樹脂フィルムを誘導加熱方式で加熱した前記金属板の片面(一部両面とも)に熱圧着した後、水中急冷する熱接着法で樹脂フィルム被覆金属板を得た。フィルムが2軸延伸の場合は、金属板を樹脂融点を超える温度にまで加熱し、ラミネート後のフィルム面配向係数が約0〜0.07の間になるように調整してラミネートした。フィルムが無延伸の場合は、金属板を樹脂融点−100℃〜−50℃の温度の範囲で加熱し、ラミネート後の密着性が十分高く、白濁等の外観異常が生じない条件で製造した。金属板の片面にはバーコーターを用いて厚さ10μmになるようにシリコーン塗料またはエポキシ塗料を塗装し200℃で3分間焼付けた。以上から得られた樹脂フィルムラミネート鋼板について、絞り加工により鍋型の調理容器を製造し、性能を調査した。製缶条件を以下に示す。
1.絞り加工
・ブランク径200mm
・絞り比1.7
・深さ30〜50mm
2.評価
(1)加工性
フィルムの損傷を伴うことなく加工できる限界によって、下記のごとく評価した。なお、合格は○以上の評価のものである。
限界加工度(薄肉化率) :評価
深さ30mmの成形不可 :× (劣)
深さ30mmまで成形可 :△ ↑
深さ40mmまで成形可 :○ ↓
深さ50mmまで成形可 :◎ (優)。
(2)フィルム密着性
深さ40mmに絞り成形した容器に、水道水を充填した後、電磁調理器を使用して、内容物の水道水を100℃で1時間保った後に容器内のフィルムのエッジからの密着状態を目視観察した。なお、合格は○以上の評価のものである。
試験結果 :評価
エッジからの剥離長さが3.0mm以上 :× (劣)
エッジからの剥離長さが1.0mm以上〜3.0mm未満:△ ↑
エッジからの剥離長さが0.5mm以上〜1.0mm未満:○ ↓
剥離無し :◎ (優)。
(3)耐食性
深さ40mmに絞り成形した容器に、水道水を充填した後、電磁調理器を使用して、内容物の水道水を100℃で1時間保った後に容器内の水中の鉄溶出量を測定してその溶出量により耐食性を評価した。なお、合格は○以上の評価のものである。
試験結果 :評価
鉄溶出量が5.0ppm以上 :× (劣)
鉄溶出量が1.0ppm以上〜5.0ppm未満 :△ ↑
鉄溶出量が0.1ppm以上〜1.0ppm未満 :○ ↓
鉄溶出量が0.1ppm未満 :◎ (優)。
なお、面配向係数については、アッベ屈折計を用い、光源はナトリウム/D線、中間液はヨウ化メチレン、温度は25℃の条件で屈折率を測定して、フィルム面の金属板長手方向の屈折率Nx、フィルム面の金属板幅方向の屈折率Ny、フィルムの厚み方向の屈折率Nzを求め、下式から面配向係数Nsを算出した。
面配向係数(Ns)=(Nx+Ny)/2−Nz
樹脂フィルムの構成及び評価結果を表1に記載する。
Figure 2006089090
発明例のスチール容器は、加工性、フィルム密着性及び耐食性が良好である。比較例のスチール容器は少なくとも耐食性が劣る。
本発明のスチール容器は、内容物の保存性に優れ、また水分が入った状態で煮て調理しても、フィルム分解や剥離等の問題がないので、開封後内容物をそのまま調理して食することができる食品容器として利用することができる。
また、本発明のスチール容器は、スチール容器として回収できるので、リサイクル可能で環境に配慮した食品容器として利用することができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも容器内面側の鋼板表面に、180℃における1/2結晶化時間が、10秒以上500秒以下であるポリエステルフィルムがラミネートされていることを特徴とするスチール容器。
  2. 少なくとも容器内面側の鋼板表面に、180℃における1/2結晶化時間が、10秒以上200秒以下であるポリエステルフィルムがラミネートされていることを特徴とするスチール容器。
  3. 前記ポリエステルフィルムは、酸成分100モル%中にテレフタル酸を97モル%以上含有し、グリコール成分100モル%中にエチレングリコール成分を30〜100モル%、ブチレングリコール成分を70〜0モル%含有し、かつエチレングリコール成分とブチレングリコール成分の和が95モル%以上になることを特徴とする請求項1または2に記載のスチール容器。
  4. 前記ポリエステルフィルムは、フィルム中に少なくとも融点が240℃以上の樹脂成分を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかの項に記載のスチール容器。
  5. 前記ポリエステルフィルムのポリエステルは、テレフタル酸以外の酸成分が、イソフタル酸であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかの項に記載のスチール容器。
  6. 前記鋼板は、表面に金属クロム量30〜100mg/m2及びクロム酸化物中クロム量5〜20mg/m2のクロム酸皮膜が生成されたクロムめっき鋼板であることを特徴とする請求項1〜5に記載のスチール容器。
  7. 容器外面側の鋼板表面に燃難性のフィルムまたは塗装が被覆されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のスチール容器。
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