JP2006087675A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を可能とする。
【解決手段】検波8が、生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定することにより、強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて生体内の動脈壁組織の運動速度あるいは移動変位を検出し、動脈壁組織の厚み変化あるいは弾性率を算出する超音波診断装置に関する。
超音波を用いて生体内組織の組織性状診断を行う手法として、生体内に超音波パルスを送受信し音響インピーダンスを求める手法や(例えば、特許文献1)、生体組織に応力が加わったときの変位を計測し、歪あるいは弾性率を求める手法が知られている(例えば、特許文献2、3)。
また、超音波を用いて、生体内組織の運動速度あるいは移動変位を計測する手法として、例えば、超音波エコー信号のドプラ効果を応用したFFTドプラ法や、自己相関法を適用した手法が知られている(非特許文献1)。
超音波による生体内組織の計測における空間分解能は、超音波のビーム収束幅で決定する超音波プローブの表面方向の方位分解能と、超音波の伝搬方向の分解能である距離分解能に分けられる。
超音波の伝搬方向の距離分解能は、超音波パルスの中心周波数および超音波パルス数と、超音波の生体内の伝搬速度で決定し、生体内組織の超音波の伝搬速度は、ほぼ1540m/sであることから、超音波の伝搬方向の距離分解能は、超音波パルスの中心周波数および超音波パルス数で決定する。
また、生体組織内に送信する超音波パルスのパルス数が少ないと、前記超音波パルスの周波数スペクトル分布が広がってしまうため、生体内の組織で反射した超音波エコー信号の中心周波数のスペクトル強度が小さくなり、受信感度が低下する。
このため、前記超音波エコー信号の中心周波数での受信感度を高めるために、例えば、非特許文献1に示されているように、生体組織内に送信する超音波パルスのパルス数を増やすことにより、前記超音波パルスの周波数分布を狭め、生体内の組織で反射する超音波エコー信号の中心周波数のスペクトル強度を高くする手法が行われている。
特開2001−170046号公報 特開平11−188036号公報 特開平10−5226号公報 (社)日本電子機械工業会編「改訂医用超音波機器ハンドブック」、コロナ社、1997年1月20日発行、第116−123頁
生体内の動脈壁は動脈硬化症の疾患に伴い、粥腫の発生、石灰化等により組織性状が変化するため、動脈壁の組織の性状を分別・同定することは非常に重要となっており、超音波による計測・診断も多く行われている。
超音波の伝搬方向の距離分解能は、超音波パルスの中心周波数および超音波パルス数と、超音波の生体内の伝搬速度で決定し、生体内組織の超音波の伝搬速度は、ほぼ1540m/sであることから、超音波の伝搬方向の距離分解能は、超音波パルスの中心周波数および超音波パルス数で決定し、中心周波数7.5MHzの超音波を用いてパルス数を1とした場合の距離分解能は約400μmとなる。
しかしながら、超音波振動子をパルス数を1として励振しても、超音波振動子は共振するために、送信される超音波は振動子の振動の減衰を伴った尾引きと呼ばれる複数のパルスが発生する。
例えば、動脈壁を計測する場合、動脈内腔と動脈壁内表面(内膜)との境界では、血液と動脈壁組織の音響インピーダンスが異なるために、動脈内腔と動脈壁表面の反射が振幅の大きい強エコーとなり、動脈壁内表面から外表面にかけての組織での反射の振幅の小さい弱エコーの部分に干渉してしまう。
したがって、動脈壁の歪を計測しようとする場合、近傍に強エコーが存在するような弱エコー部では、強エコー部の影響により、歪が発生しないようにみえるため、尾引きを充分考慮した計測点を設定する必要があり、距離分解能が低下するという課題がある。
しかしながら、強エコーが存在しない弱エコーのみが分布する動脈壁組織内では、分布している複数の弱エコーそれぞれについて区別することが可能であれば、それぞれの弱エコーに対して計測点を設定し、歪を計測することが可能となる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を可能とすることを目的とするものである。
本発明の超音波診断装置は、超音波振動子群で構成された超音波プローブと、送信信号発生手段と、各超音波振動子の送受信信号の遅延制御手段と、前記遅延制御量を記憶する遅延制御量記憶手段と、各超音波振動子群からの受信信号を合成する受信信号合成手段と、合成された受信信号を検波する検波手段と、前記検波された超音波エコー検波信号から生体内の動脈壁組織の運動速度および移動変位量を検出する運動速度検出手段と、前記運動速度から生体内の動脈壁の歪量を求める信号処理手段を備えた構成を有する。
この構成により、生体内に超音波を送信し、生体内から得られた超音波エコー信号から、生体内の動脈壁の運動速度、移動変位量、歪量を検出することが可能となる。
また、前記検波部は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有し、前記超音波エコー検波信号と比較する機能を備える。
この構成により、実際に計測された超音波エコー信号が、前記超音波振動子の尾引きによるものと、生体組織から反射したものを比較することができ、また、超音波送受信中心周波数に応じて、前記波形情報をテーブル化することにより、様々な前記中心周波数の超音波プローブについて、前記信号の比較が可能となる。
さらに、前記検波部は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算する機能を有し、前記超音波エコー検波信号と比較する機能を備える。
この構成により、実際に計測された超音波エコー信号が、前記超音波振動子の尾引きによるものと、生体組織から反射したものを比較することができ、また、超音波送受信中心周波数に応じて、前記波形情報を演算することにより、様々な前記中心周波数の超音波プローブあるいは様々な減衰特性をもつ生体組織について、前記信号の比較が可能となる。
また、前記信号処理部は、前記検波部における生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定する機能を備える。
この構成により、強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を可能となる。
本発明は、超音波振動子群で構成された超音波プローブと、送信信号発生手段と、各超音波振動子の送受信信号の遅延制御手段と、前記遅延制御量を記憶する遅延制御量記憶手段と、各超音波振動子群からの受信信号を合成する受信信号合成手段と、合成された受信信号を検波する検波手段と、前記検波された超音波エコー検波信号から生体内の動脈壁組織の運動速度および移動変位量を検出する運動速度検出手段と、前記運動速度から生体内の動脈壁の歪量を求める信号処理手段を備えた構成を備えた超音波診断装置であって、前記検波手段が、生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定することにより、強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を行うことができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態の超音波診断装置の構成を示すブロック図であり、1は超音波振動子群、2は超音波プローブ、3は遅延制御部、4は遅延制御量記憶部、5は送信信号発生部、6は受信信号合成部、7は受信信号記憶部、8は検波部、9は運動速度検出部、10は信号処理演算部、11は表示部、12は制御部、13は記憶部、31は生体信号検出部である。
送信信号発生部5で生成された超音波送信信号は、超音波振動子群1の各振動子ごとに、遅延制御部3で遅延制御され、超音波プローブ2の超音波振動子群1を介して、生体内に送信される。
生体内の組織で反射した超音波エコーは、超音波プローブ2の超音波振動子群1の各振動子で受信され、遅延制御部3で遅延制御された後、受信信号合成部6で一つの超音波エコー信号に合成される。
検波部8では、受信信号合成部6で合成された超音波エコー信号を検波する。
また、検波部8は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有し、検波することによって得られた超音波エコー検波信号と予め設定された波形情報を比較する。
さらに、検波部8は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算する機能を有し、検波することによって得られた超音波エコー検波信号と予め演算された波形情報を比較する。
なお、検波部8における検波手法は、包絡線検波、直交検波など、どの手法でも良い。
運動速度検出部9では、検波部8で検波された超音波エコー検波信号から、測定対象である生体内の組織の運動速度および移動変位を検出する。
なお、前記生体内の各計測点の運動速度の検出は、一般的に用いられているFFTドプラ法、自己相関法など、どの手法でも良く、また、超音波ビームを走査させることにより、空間的に生体内の複数の計測点の運動速度を検出しても良い。
また、運動速度検出部9は、一つの超音波エコー信号に複数の計測点を設定し、同時に前記複数の計測点の運動速度あるいは移動変位を検出することが可能である。
信号処理演算部10では、運動速度検出部8で検出された複数の計測点の生体内の動脈壁の運動速度および移動変位から、歪量を求めることが可能である。
また、生体信号検出部31で検出された血圧値あるいは予め設定した血圧値を用いて、前記動脈壁の歪量から、弾性率を求めることが可能である。
表示部11は、運動速度検出部8で検出された生体内の動脈壁の運動速度および移動変位と、信号処理演算部で求められた生体内の動脈壁の歪量および弾性率を表示する。
なお、前記生体内の動脈壁の運動速度、移動変位、歪量および弾性率は一般的な超音波診断装置の基本機能であるBモード断層画像上に重ねて表示しても良い。
制御部12は、遅延制御部3、送信信号発生部5、受信信号合成部6、運動速度検出部8、信号処理演算部9および表示部10の制御を行い、また、前記遅延制御部3、送信信号発生部5、受信信号合成部6、運動速度検出部8、信号処理演算部9および表示部11で得られた情報および制御情報を記憶部13に記憶する。
図2は、生体の動脈壁の運動速度、移動変位および歪量を計測する一実施例である。
図2の一実施例に示すように、一つの超音波ビーム上に、動脈壁の内膜側と外膜側に計測点を複数設定し、同時に前記複数の計測点の運動速度あるいは移動変位を検出する。
なお、本実施例では、動脈壁の内膜側と外膜側に計測点を設定したが、内膜側から外膜側に複数の計測点を設定しても良い。
また、図2の一実施例に示すように、超音波ビームを走査することにより、動脈壁の運動速度、移動変位および歪量を空間的に計測することが可能である。
(第2の実施の形態)
図3は、強エコーの反射体の近傍に弱エコーの反射体があった場合の、検波部8で検波した超音波エコー検波信号とパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を比較する一実施例である。
検波部8は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有し、検波することによって得られた超音波エコー検波信号と予め設定された波形情報を比較することができ、波形の振幅値あるいは相互相関法を用いて、波形情報の比較を行うことが可能である。
図3に示すように、超音波プローブ2から送信された超音波は、境界面Aおよび境界面Bで反射が起き、超音波エコー信号は超音波プローブからの伝搬距離に応じた境界面Aでの反射と境界面Bの反射が、時間差を持った一つの時間信号として検出される。
境界面Aと境界面Bで反射した超音波は、超音波エコー信号の中にピークとなって現れ、図3のように境界面がAとB二つ存在した場合には、二つのピークが現れる。
この超音波エコー信号のピークの振幅は、境界面を構成する二つの媒質の音響インピーダンスの差によって変化する。
検波部8は、図3に示した超音波エコー信号のように、境界面で反射した超音波エコー信号のピークを検出する機能を有する。
ピークの検出の一実施例として、超音波エコー信号を包絡線検波し、得られた包絡線の変曲点を検出することで容易に実施することができる。
なお、本実施例では、ピーク検出に用いる波形を超音波エコー信号を包絡線検波したものを用いたが、超音波エコー信号を直交検波した信号から求めた振幅波形を用いても良い。
また、検波部8は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有する。
波形情報は超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた検波信号の理論値であり、超音波送受信の条件に応じて、複数の波形情報がテーブル化されて用意される。
さらに、検波部8は、前記テーブル化された波形情報と、検波することによって得られた超音波エコー検波信号と比較を行う。
前記比較は、前記テーブル化された超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性の理論値に対して、検波することによって得られた超音波エコー検波信号との振幅あるいは振幅と位相の相違点を検出することによって行う。
前記比較の一実施例として、前記超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性の理論値と検波することによって得られた超音波エコー検波信号との相互相関をとることにより容易に実施することができ、相関窓幅は固定でも良いが、例えば、理論値の最大振幅の半値幅を基準に任意に設定できるようにしても良い。
なお、本実施例では、相互相関をとることにより、前記理論値と超音波検波信号との比較を行ったが、前記理論値と前記検出された超音波エコー検波信号のピークの振幅値を比較することでも良い。
(第3の実施の形態)
また、検波部8は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算する機能を有し、検波することによって得られた超音波エコー検波信号と予め演算された波形情報を比較することができ、波形の振幅値あるいは相互相関法を用いて、波形情報の比較を行うことが可能である。
波形情報は、超音波プローブ2の送信信号波形と超音波の生体組織内での減衰特性から求められる。
ここで、一般的に超音波プローブ2の送信信号波形はガウス関数で近似できることが知られており、この送信信号波形に超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算した結果を乗算することで求められる。
超音波の生体組織内の減衰率は、dB/cm/MHzの単位で表され、周波数依存性を持っており、一般的な生体組織の減衰率は、0.5〜0.7dB/cm/MHzである。
この減衰率を用いて、減衰をシステム関数H(d,f)として数式化すると、
H(d,f)=exp(−2αdf)
と表され、プローブで受信される信号Y(d,f)と送信信号X(d,f)の関係式は、
Y(d,f)=H(d,f)X(d,f)
で表すことができる。
ここで、aは減衰率、dは反射源の位置、fは周波数である。
検波部8は、超音波送信のパルス数によって変化する周波数スペクトル分布に基づき、各周波数の減衰特性を演算し、超音波送信のパルス数に応じた生体組織内の伝搬減衰特性を求める。
なお、本実施例では、超音波送信信号の周波数スペクトル分布に基づき、各周波数の減衰特性を演算する手法を示したが、前記周波数スペクトル分布が狭い場合は、前記超音波送信信号の中心周波数のみの減衰特性のみ演算しても良い。
また、本実施例では、超音波送信信号をガウス関数で近似する手法を示したが、実際にハイドロホン等で計測した超音波送信信号をテーブル化して記憶させたものを用いても良い。
さらに、検波部8は、前記第2の実施の形態と同様に、前記演算された波形情報と、検波することによって得られた超音波エコー検波信号と比較を行う。
前記比較は、前記テーブル化された超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性の理論値に対して、検波することによって得られた超音波エコー検波信号との振幅あるいは振幅と位相の相違点を検出することによって行う。
前記比較の一実施例として、前記超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性の理論値と検波することによって得られた超音波エコー検波信号との相互相関をとることにより容易に実施することができ、相関窓幅は固定でも良いが、例えば、理論値の最大振幅の半値幅を基準に任意に設定できるようにしても良い。
なお、本実施例では、相互相関をとることにより、前記理論値と超音波検波信号との比較を行ったが、前記理論値と前記検出された超音波エコー検波信号のピークの振幅値を比較することでも良い。
(第4の実施の形態)
本発明の実施の形態の超音波診断装置の前記信号処理演算部10は、前記検波部9における生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定することが可能である。
図4に動脈長軸断面の解剖学的構造と超音波断層像の模式図を示す。
図4に示すように、動脈壁の解剖学的構造を見ると、動脈の内腔側から内膜、中膜、外膜の三層構造になっており、体表に近い動脈壁を前壁、遠い方を後壁と呼ぶ。
このような三層構造を持った動脈を超音波で計測すると、超音波は音響インピーダンスが異なる境界部分で反射することから、動脈内膜側と動脈内腔の血液の境界、動脈の外膜と周辺の組織の境界、中膜と外膜との境界などで反射が起き、超音波断層像では図4の模式図のようになる。
しかしながら、前記境界面での超音波の反射強度は各境界面での音響インピーダンスの差の違いによって大きく異なり、例えば、動脈内腔の血液と内膜の境界面による反射が強エコーになるのに対して、内膜と中膜の境界面の反射強度は非常に小さい弱エコーとなる。
さらに、前述したように送信超音波のパルス数および尾引き等によって、反射波の幅が広がるために距離分解能が落ちてしまい、弱エコーの反射体が強エコーの反射体の近傍に位置していた場合、弱エコーは強エコーの中に埋もれてしまい分別が困難となる。
動脈壁を歪を計測するためには、複数の計測点を設定し、設定したそれぞれの計測点についてトラッキングを行い、同時に設定した複数の計測点の運動速度あるいは移動変位の差を求める必要があり、複数の計測点の設定が同じ強エコー部にあると、歪を求めることができなくなる。
図5および図6に生体組織内の距離減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づいた計測点設定の模式図を示す。
図5において、境界Aは強エコーの反射、境界Bは弱エコーの反射をする境界面である。
超音波プローブ2より、境界A側から超音波が入射した場合、境界Aで発生した強エコーの尾引きが、境界B側で発生する弱エコー部を超える位置まで、延びてしまい、境界Bからの反射エコー強度が距離減衰した境界Aで発生した反射エコー強度よりも小さい場合には、境界Bからの反射エコーを識別することはできない。
一方、図6において、境界Aおよび境界Bともに同じエコー強度の反射をする境界面である。
超音波プローブ2より、境界A側から超音波が入射した場合、境界Aで発生した強エコーの尾引きが、境界B側で発生する弱エコー部を超える位置まで、延びてしまうが、境界Bからの反射エコー強度が距離減衰した境界Aで発生した反射エコー強度よりも大きい場合には、境界Bからの反射エコーを識別することが可能となる。
信号処理演算部10は、前記検波部9における生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定することが可能である。
この構成により、強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を可能となる。
本発明は、超音波振動子群で構成された超音波プローブと、送信信号発生手段と、各超音波振動子の送受信信号の遅延制御手段と、前記遅延制御量を記憶する遅延制御量記憶手段と、各超音波振動子群からの受信信号を合成する受信信号合成手段と、合成された受信信号を検波する検波手段と、前記検波された超音波エコー検波信号から生体内の動脈壁組織の運動速度および移動変位量を検出する運動速度検出手段と、前記運動速度から生体内の動脈壁の歪量を求める信号処理手段を備えた構成を備えた超音波診断装置であって、前記検波手段が、生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定することにより、強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を行うことができるものであり、複数の計測点で計測された生体内の動脈壁の運動速度および移動変位から歪量を求め、さらに、生体信号検出手段で検出された血圧値あるいは予め設定した血圧値を用いて、生体内の動脈壁の歪量と弾性率を求める超音波診断装置などに有用である。
本発明の第1の実施の形態における超音波診断装置の概略ブロック図 本発明の第1の実施の形態における動脈壁の運動速度、移動変位および歪量の計測を示した模式図 本発明の第2および第3の実施の形態における強エコーの反射体の近傍に弱エコーの反射体があった場合の検波した超音波エコー信号と生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を比較する一実施例を示した模式図 本発明の第4の実施の形態における動脈長軸断面の解剖学的構造と超音波断層像の模式図 本発明の第4の実施の形態における生体組織内の距離減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づいた計測点設定の模式図 本発明の第4の実施の形態における生体組織内の距離減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づいた計測点設定の模式図
符号の説明
1 超音波振動子群
2 超音波プローブ
3 遅延制御部
4 遅延制御量記憶部
5 送信信号発生部
6 受信信号合成部
7 受信信号記憶部
8 検波部
9 運動速度検出部
10 信号処理演算部
11 表示部
12 制御部
13 記憶部
31 生体信号検出部

Claims (4)

  1. 生体組織内の断層像を表示する超音波診断装置において、生体内の動脈壁組織に超音波を送受信する超音波振動子群によって構成された超音波プローブと、前記超音波振動子群の各超音波振動子の遅延制御を行う遅延制御部と、前記各超音波振動子の遅延制御量を記憶する遅延制御量記憶部と、前記超音波振動子群において受信された超音波エコー信号から任意の超音波振動子の超音波エコー信号を選択し合成する受信信号合成部と、前記受信信号合成部で合成された超音波エコー信号を検波する検波部と、前記検波部で検波された超音波エコー検波信号から前記動脈壁組織の運動速度あるいは移動変位を検出する運動速度検出手段と、動脈壁内に設定した複数の計測点間の動脈壁組織の運動速度あるいは移動変位の差から、動脈壁の厚み変化、弾性率の算出を行う信号処理演算手段と、前記信号処理演算手段で得られた演算結果を表示する表示手段を有し、前記信号処理手段は、前記検波部で検波された超音波エコー検波信号に基づき、前記動脈壁の厚み変化、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定する機能を有したことを特徴とした超音波診断装置。
  2. 前記検波部は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有し、前記超音波エコー検波信号と比較する機能を有したことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記検波部は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算する機能を有し、前記超音波エコー検波信号と比較する機能を有したことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記信号処理部は、前記検波部における生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定する機能を有したことを特徴とした超音波診断装置。
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