JP2006166957A - 超音波診断装置 - Google Patents

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和宏 砂川
Yoshinao Sorinaka
由直 反中
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真 加藤
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Abstract

【課題】強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差がある。
【解決手段】超音波プローブ2と、送信信号発生部5と、遅延制御部3と、遅延制御量記憶部4と、受信信号合成部6と、検波部8と、運動速度検出部9と、信号処理部10を備えた構成を備えた超音波診断装置であって、前記検波8が、生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー信号の比較結果により、超音波エコー信号を補正し、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定することにより、強エコーと弱エコーが存在する動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、超音波エコー信号の強度に応じて、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行う、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて生体内の動脈壁組織の運動速度あるいは移動変位を検出し、動脈壁組織の厚み変化あるいは弾性率を算出する超音波診断装置に関する。
超音波を用いて生体内組織の組織性状診断を行う手法として、特許文献1に示されているように生体内に超音波パルスを送受信し音響インピーダンスを求める手法や、特許文献2および特許文献3のように生体組織に応力が加わったときの変位を計測し、歪あるいは弾性率を求める手法が知られている。
また、超音波を用いて、生体内組織の運動速度あるいは移動変位を計測する手法として、例えば、非特許文献1に示されているような、超音波エコー信号のドプラ効果を応用したFFTドプラ法や、自己相関法を適用した手法が知られている。
超音波による生体内組織の計測における空間分解能は、超音波のビーム収束幅で決定する超音波プローブの表面方向の方位分解能と、超音波の伝搬方向の分解能である距離分解能に分けられる。
超音波の伝搬方向の距離分解能は、超音波パルスの中心周波数および超音波パルス数と、超音波の生体内の伝搬速度で決定し、生体内組織の超音波の伝搬速度は、ほぼ1540m/sであることから、超音波の伝搬方向の距離分解能は、超音波パルスの中心周波数および超音波パルス数で決定する。
また、生体組織内に送信する超音波パルスのパルス数が少ないと、前記超音波パルスの周波数スペクトル分布が広がってしまうため、生体内の組織で反射した超音波エコー信号の中心周波数のスペクトル強度が小さくなり、受信感度が低下する。
このため、前記超音波エコー信号の中心周波数での受信感度を高めるために、例えば、非特許文献1に示されているように、生体組織内に送信する超音波パルスのパルス数を増やすことにより、前記超音波パルスの周波数分布を狭め、生体内の組織で反射する超音波エコー信号の中心周波数のスペクトル強度を高くする手法が行われている。
生体内の動脈壁は動脈硬化症の疾患に伴い、粥腫の発生、石灰化等により組織性状が変化するため、動脈壁の組織の性状を分別・同定することは非常に重要となっており、超音波による計測・診断も多く行われている。
超音波の伝搬方向(深さ方向)の距離分解能は、超音波パルスの中心周波数および生体内の超音波伝搬速度(音速)で決定する波長λに、超音波の往復伝搬を考慮して2倍することで求められる。
生体内組織の超音波の伝搬速度は、ほぼ1540m/sであることから、前記距離分解能は、超音波パルスの中心周波数でほぼ決定し、例えば、中心周波数7.5MHz、パルス数を1とした場合の距離分解能は、約400μmとなる。
ここで、生体組織内の複数の反射体が、前記波長よりも狭い間隔で位置している場合、超音波プローブで受信される超音波エコーは、複数の反射体の超音波エコーが干渉してしまい、例えば、複数の反射体の間隔がλ/4の場合、超音波プローブで受信されるエコーはλ/2位相がずれ、位相打ち消しによる超音波エコー信号の振幅が小さくなってしまい、また、複数の反射体の間隔がλ/2の場合は、超音波プローブで受信されるエコーはλ位相がずれ、前者の場合とは逆に超音波エコー信号の振幅が大きくなってしまうという現象が発生する。
一方、超音波の伝搬減衰は周波数依存性があり、超音波の中心周波数が高くなるほど、単に距離あたりの減衰率は大きくなり、一般的な生体組織の減衰は、0.5dB/cm/MHz程度である。
特開2001−170046号公報 特開平11−188036号公報 特開平10−5226号公報 (社)日本電子機械工業会編「改訂医用超音波機器ハンドブック」、コロナ社、1997年1月20日発行、第116−123頁
しかしながら、動脈壁等の生体内の組織の歪を計測する場合のように、複数の計測点における移動変位を計測する場合、深さ方向の計測点の間隔を送信超音波の中心周波数によって決定する波長に依存してしまい、また、深さ方向の分解能を上げるために前記中心周波数を高くした場合、距離減衰が大きくなってしまうという課題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、予め用意した超音波エコー信号の中心周波数ごとの減衰を考慮した波形情報に基づき、超音波プローブで受信された超音波エコー信号において、超音波の波長以下の狭い間隔で複数の反射体が存在した場合に発生する、複数の反射体からの超音波エコーが加算された超音波エコーから、個々の反射体によって得られる超音波エコーを推定し、生体内の組織の歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で歪計測を可能とすることを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、超音波振動子群で構成された超音波プローブと、送信信号発生手段と、各超音波振動子の送受信信号の遅延制御手段と、前記遅延制御量を記憶する遅延制御量記憶手段と、各超音波振動子群からの受信信号を合成する受信信号合成手段と、合成された受信信号を検波する検波手段と、前記検波された超音波エコー信号から生体内の動脈壁組織の運動速度および移動変位量を検出する運動速度検出手段と、前記運動速度から生体内の動脈壁の歪量を求める信号処理手段を備えた構成を有する。
この構成により、生体内に超音波を送信し、生体内から得られた超音波エコー信号から、生体内の動脈壁の運動速度、移動変位量、歪量を検出することが可能となる。
また、前記検波部は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有し、前記超音波エコー信号と比較する機能を備える。
この構成により、複数の反射体それぞれから反射した超音波エコーが合成され、超音波プローブで受信された超音波エコー信号と、反射体が一つの場合の前記生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた基準となる波形情報を比較することができ、また、超音波送受信の中心周波数に応じて、前記波形情報をテーブル化することにより、様々な前記中心周波数の超音波プローブについて、前記信号の比較が可能となる。
さらに、前記検波部は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算する機能を有し、前記超音波エコー信号と比較する機能を備える。
この構成により、超音波プローブで受信した複数の反射体それぞれから反射した超音波エコーが合成された超音波エコー信号と、反射体が一つの場合の前記生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた基準となる波形情報を比較することができ、また、超音波送受信の中心周波数に応じて、前記波形情報をテーブル化することにより、様々な前記中心周波数の超音波プローブについて、前記信号の比較が可能となる。
また、前記検波部は、生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、超音波プローブで受信した複数の反射体それぞれから反射した超音波エコーが合成された超音波エコー信号について、前記複数の反射体それぞれの超音波エコーを推定する機能を備える。
この構成により、超音波プローブで受信された超音波エコー信号に含まれている、送信超音波の波長より狭い間隔で存在する複数の反射体それぞれからの超音波エコーを推定し、それぞれの超音波エコーの振幅および位相の推定が可能となる。
さらに、前期信号処理部は、弾性率の算出を行うための歪計測の複数の計測点間隔の設定を任意に設定する機能を備える。
この構成により、前記送信超音波の波長よりも狭い間隔で存在する複数の反射体それぞれからの超音波エコーから、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を可能となる。
本発明は、超音波振動子群で構成された超音波プローブと、送信信号発生手段と、各超音波振動子の送受信信号の遅延制御手段と、前記遅延制御量を記憶する遅延制御量記憶手段と、各超音波振動子群からの受信信号を合成する受信信号合成手段と、合成された受信信号を検波する検波手段と、前記検波された超音波エコー検波信号から生体内の動脈壁組織の運動速度および移動変位量を検出する運動速度検出手段と、前記運動速度から生体内の動脈壁の歪量を求める信号処理手段を備えた構成を備えた超音波診断装置であって、前記検波手段が、生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、超音波プローブで受信した複数の反射体それぞれから反射した超音波エコーが合成された超音波エコー信号について、前記複数の反射体それぞれの超音波エコー信号を推定し、さらに、前記送信超音波の波長よりも狭い間隔で存在する複数の反射体それぞれからの超音波エコーから、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で誤差のない歪計測を可能とするものである。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図5を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態の超音波診断装置の構成を示す概略ブロック図であり、超音波振動子群1、超音波プローブ2、遅延制御部3、遅延制御量記憶部4、送信信号発生部5、受信信号合成部6、受信信号記憶部7、検波部8、運動速度検出部9、信号処理演算部10、表示部11、制御部12、記憶部13、生体信号検出部31からなる。超音波診断装置本体20は一点破線の内部のブロック体で構成される。
送信信号発生部5で生成された超音波送信信号は、超音波振動子群1の各振動子ごとに、遅延制御部3で遅延制御され、超音波プローブ2の超音波振動子群1を介して、生体内に送信される。
生体内の組織で反射した超音波エコーは、超音波プローブ2の超音波振動子群1の各振動子で受信され、遅延制御部3で遅延制御された後、受信信号合成部6で一つの超音波エコー信号に合成される。
検波部8では、受信信号合成部6で合成された超音波エコー信号を検波する。
また、検波部8は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有し、検波することによって得られた超音波エコー検波信号と予め設定された波形情報を比較する。
さらに、検波部8は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算する機能を有し、超音波プローブ2で受信された超音波エコー信号と予め演算された波形情報を比較し、超音波プローブで受信した複数の反射体それぞれから反射した超音波エコーが合成された超音波エコー信号について、前記複数の反射体それぞれの超音波エコーを推定する。
なお、検波部8における検波手法は、包絡線検波、直交検波など、どの手法でも良い。
運動速度検出部9では、検波部8で検波された超音波エコー検波信号から、測定対象である生体内の組織の運動速度および移動変位を検出する。
なお、前記生体内の各計測点の運動速度の検出は、一般的に用いられているFFTドプラ法、自己相関法など、どの手法でも良く、また、超音波ビームを走査させることにより、空間的に生体内の複数の計測点の運動速度を検出しても良い。
また、運動速度検出部9は、一つの超音波エコー信号に複数の計測点を設定し、同時に前記複数の計測点の運動速度あるいは移動変位を検出することが可能である。
信号処理演算部10では、運動速度検出部8で検出された複数の計測点の生体内の動脈壁の運動速度および移動変位から、歪量を求めることが可能である。
また、生体信号検出部31で検出された血圧値あるいは予め設定した血圧値を用いて、前記動脈壁の歪量から、弾性率を求めることが可能である。
表示部11は、運動速度検出部8で検出された生体内の動脈壁の運動速度および移動変位と、信号処理演算部で求められた生体内の動脈壁の歪量および弾性率を表示する。
なお、前記生体内の動脈壁の運動速度、移動変位、歪量および弾性率は一般的な超音波診断装置の基本機能であるBモード断層画像上に重ねて表示しても良い。
制御部12は、遅延制御部3、送信信号発生部5、受信信号合成部6、運動速度検出部8、信号処理演算部9および表示部10の制御を行い、また、前記遅延制御部3、送信信号発生部5、受信信号合成部6、運動速度検出部8、信号処理演算部9および表示部11で得られた情報および制御情報を記憶部13に記憶する。
図2は、生体の動脈壁の運動速度、移動変位および歪量を計測する一実施例である。
図2の一実施例に示すように、一つの超音波ビーム上に、動脈壁の内膜側と外膜側に計測点を複数設定し、同時に前記複数の計測点の運動速度あるいは移動変位を検出する。
なお、本実施例では、動脈壁の内膜側と外膜側に計測点を設定したが、内膜側から外膜側に複数の計測点を設定しても良い。
また、図2の一実施例に示すように、超音波ビームを走査することにより、動脈壁の運動速度、移動変位および歪量を空間的に計測することが可能である。
(第2の実施の形態)
図3は、生体組織内の反射体の間隔が送受信超音波の波長の1/4である場合の超音波プローブ2で受信される超音波エコー信号を示した一例である。
図3に示すように、超音波プローブ2で受信される超音波エコー信号は、反射体Aと反射体Bそれぞれの反射体からの超音波エコーが1/2波長ずれた和となり、位相打ち消しによる振幅の減少が発生する。
また、図4は、生体組織内の反射体の間隔が送受信超音波の波長の1/2である場合の超音波プローブ2で受信される超音波エコー信号を示した一例である。
図4に示すように、超音波プローブ2で受信される超音波エコー信号は、反射体Aと反射体Bそれぞれの反射体からの超音波エコーが1波長ずれた和となり、図3の場合とは逆に振幅が大きくなる減少が発生する。
図3および図4に示したように、送受信超音波の波長よりも狭い間隔で反射体が存在した場合、超音波プローブ2で受信される超音波エコー信号は、反射体Aと反射体Bそれぞれの超音波エコーが干渉したものとなる。
検波部8は、境界面で反射した超音波エコー信号のピークを検出する機能を有し、さらに、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有し、検波することによって得られた超音波エコー検波信号と予め設定された波形情報を比較することができ、波形の振幅値あるいは相互相関法を用いて、波形情報の比較を行うことが可能である。
前記波形情報は超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた超音波エコー信号の理論値であり、超音波送受信の条件に応じて、複数の波形情報がテーブル化されて用意される。
前記比較は、前記テーブル化された超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性の理論値に対して、超音波プローブ2によって得られた超音波エコー信号との振幅あるいは振幅と位相の相違点を検出することによって行う。
前記比較の一実施例として、前記超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性の理論値と超音波プローブ2によって得られた超音波エコー信号との相互相関をとることにより容易に実施することができ、相関窓幅は固定でも良いが、例えば、理論値の最大振幅の半値幅を基準に任意に設定できるようにしても良い。
なお、本実施例では、相互相関をとることにより、前記理論値と超音波エコー信号との比較を行ったが、前記理論値と前記検出された超音波エコー信号のピークの振幅値を比較することでも良い。
また、検波部8は、前記超音波プローブ2で受信された超音波エコー信号と、前記超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報との差を求め、前記複数の反射体それぞれからの超音波エコーを推定する。
図5は、前記超音波プローブ2で受信された超音波エコー信号から、前記超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報との差を求め、前記複数の反射体それぞれからの超音波エコーを推定する一実施例である。
なお、本実施例は反射体が2つの場合を示したが、反射体が2つ以上の複数の場合でもそれぞれの反射体からの超音波エコーを推定することが可能であり、さらに、本実施例では、前記複数の反射体が送受信超音波の中心周波数の1/2波長の間隔に存在した場合を示したが、前記複数の反射体が送受信超音波の波長より狭いいかなる間隔でも適用することが可能である。
(第3の実施の形態)
また、検波部8は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算する機能を有し、超音波プローブ2によって得られた超音波エコー信号と予め演算された波形情報を比較することができ、波形の振幅値あるいは相互相関法を用いて、波形情報の比較を行うことが可能である。
波形情報は、超音波プローブ2の送信信号波形と超音波の生体組織内での減衰特性から求められる。
ここで、一般的に超音波プローブ2の送信信号波形はガウス関数で近似できることが知られており、この送信信号波形に超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算した結果を乗算することで求められる。
超音波の生体組織内の減衰率は、dB/cm/MHzの単位で表され、周波数依存性を持っており、一般的な生体組織の減衰率は、0.5〜0.7dB/cm/MHzである。
この減衰率を用いて、減衰をシステム関数H(d, f)として数式化すると、
Figure 2006166957
と表され、プローブで受信される信号Y(d, f)と送信信号X(d, f)の関係式は、
Figure 2006166957
で表すことができる。
ここで、aは減衰率、dは反射源の位置、fは周波数である。
検波部8は、超音波送信のパルス数によって変化する周波数スペクトル分布に基づき、各周波数の減衰特性を演算し、超音波送信のパルス数に応じた生体組織内の伝搬減衰特性を求める。
なお、本実施例では、超音波送信信号の周波数スペクトル分布に基づき、各周波数の減衰特性を演算する手法を示したが、前記周波数スペクトル分布が狭い場合は、前記超音波送信信号の中心周波数のみの減衰特性のみ演算しても良い。
また、本実施の形態では、超音波送信信号をガウス関数で近似する手法を示したが、実際にハイドロホン等で計測した超音波送信信号をテーブル化して記憶させたものを用いても良い。
さらに、検波部8は、前記実施の形態2に示した実施例と同様に、前記超音波プローブ2で受信された超音波エコー信号と、本実施例によって求められた超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報との差を求め、前記複数の反射体それぞれからの超音波エコーを推定するが可能である。
(第4の実施の形態)
本発明の実施の形態の超音波診断装置の前記信号処理演算部10は、前記検波部9における生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー検波信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定することが可能である。
第2の実施の形態および第3の実施の形態に示したように、超音波プローブ2で得られた超音波エコー信号と超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報の差を求めていくことにより、生体組織内の複数の反射体それぞれによる超音波エコーの立ち上がりが、前記得られた超音波エコーの深さ方向に向かって順に求まり、前記求められた超音波エコーの立ち上がりに合わせて歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で歪の計測が可能となる。
本発明は、超音波振動子群で構成された超音波プローブと、送信信号発生手段と、各超音波振動子の送受信信号の遅延制御手段と、前記遅延制御量を記憶する遅延制御量記憶手段と、各超音波振動子群からの受信信号を合成する受信信号合成手段と、合成された受信信号を検波する検波手段と、前記検波された超音波エコー検波信号から生体内の動脈壁組織の運動速度および移動変位量を検出する運動速度検出手段と、前記運動速度から生体内の動脈壁の歪量を求める信号処理手段を備えた構成を備えた超音波診断装置であって、前記検波手段が、生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー信号の比較結果に基づき、前記超音波エコー信号を補正し、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定することにより、動脈壁組織のような生体組織の歪を計測する場合に、歪を計測するための複数の計測点間距離の設定を行うことにより、最適な距離分解能で歪計測を行うことができるものであり、複数の計測点で計測された生体内の動脈壁の運動速度および移動変位から歪量を求め、さらに、生体信号検出手段で検出された血圧値あるいは予め設定した血圧値を用いて、生体内の動脈壁の歪量と弾性率を求める超音波診断装置などに有用である。
本発明の第1の実施の形態における超音波診断装置の概略ブロック図 本発明の第1の実施の形態における動脈壁の運動速度、移動変位および歪量の計測を示した模式図 本発明の第2および第3の実施の形態における生体組織内の反射体の間隔が送受信超音波の波長の1/4である場合の超音波プローブ2で受信される超音波エコー信号を示した図 本発明の第2および第3の実施の形態における生体組織内の反射体の間隔が送受信超音波の波長の1/2である場合の超音波プローブ2で受信される超音波エコー信号を示した図 本発明の第4の実施の形態における超音波プローブ2で受信された超音波エコー信号から、前記超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報との差を求め、前記複数の反射体それぞれからの超音波エコーを推定する図
符号の説明
1 超音波振動子群
2 超音波プローブ
3 遅延制御部
4 遅延制御量記憶部
5 送信信号発生部
6 受信信号合成部
7 受信信号記憶部
8 検波部
9 運動速度検出部
10 信号処理演算部
11 表示部
12 制御部
13 記憶部
20 超音波診断装置本体
31 生体信号検出部

Claims (4)

  1. 生体内の動脈壁組織に超音波を送受信する超音波振動子群によって構成された超音波プローブと、
    前記超音波振動子群の各超音波振動子の遅延制御を行う遅延制御部と、
    前記各超音波振動子の遅延制御量を記憶する遅延制御量記憶部と、
    前記超音波振動子群において受信された超音波エコー信号から任意の超音波振動子の超音波エコー信号を選択し合成する受信信号合成部と、
    前記受信信号合成部で合成された超音波エコー信号を検波する検波部と、
    前記検波部で検波された超音波エコー信号から前記動脈壁組織の運動速度あるいは移動変位を検出する運動速度検出手段と、
    動脈壁内に設定した複数の計測点間の動脈壁組織の運動速度あるいは移動変位の差から、動脈壁の厚み変化、弾性率の算出を行う信号処理演算手段と、
    前記信号処理演算手段で得られた演算結果を表示する表示手段を有し、前記検波手段は、前記検波部で検波された超音波エコー信号と、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報に基づき、前記動脈壁の厚み変化、弾性率の算出を行うための超音波エコー信号を補正する機能と
    を有したことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記検波部は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報のテーブルを記憶する機能を有し、前記超音波エコー信号と比較する機能を有したことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記検波部は、超音波送受信の中心周波数およびパルス数ごとの生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報を演算する機能を有し、前記超音波エコー信号と比較する機能を有したことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記信号処理部は、前記検波部における生体組織内の伝搬減衰特性に基づいた波形情報と超音波エコー信号の比較結果に基づき、弾性率の算出を行うための複数の計測点間隔の設定を任意に設定する機能を有したことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016086958A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 セイコーエプソン株式会社 超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定方法

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