JP2006087422A - インジゴ還元酵素及びその製造方法 - Google Patents

インジゴ還元酵素及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 藍染め染色液作製工程における作製時間の短縮化及び工程の省略化を図ることにより、藍染めにおける生産性を向上させること。
【解決手段】 インジゴをロイコインジゴに還元する酵素、特に、Bacillus cohniiが産生する新規なインジゴ還元酵素、該インジゴ還元酵素を産生する微生物であるBacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)及び該微生物の培養物から調製するインジゴ還元酵素の製造方法、並びにインジゴ還元酵素の用途を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なインジゴ還元酵素及びその製造方法に関するものである。
徳島の伝統産業である藍染めは、蓼藍の葉を用いて行われている。収穫した藍の葉はその日のうちに細かく刻んで乾燥させ、蔵に山積みにして水をかけながら高温高アルカリ条件下で約3ヶ月間発酵させる。こうして発酵により堆肥状になったものをスクモと呼ぶ。スクモ中に含まれるインジゴは水に不溶の色素であるため、そのままでは繊維に吸着されない。そのため不溶性のインジゴを、還元により水溶性のロイコインジゴに変換して繊維に吸着させ、この繊維を空気に触れさせて再びインジゴに戻し繊維へ固定させることで染色を行う。これを「藍建て」と言い、伝統的な藍染めでは、スクモと消石灰、清酒、水あめ等を混ぜて、常温高アルカリ条件下で発酵還元させ、染色液を作製している。染色液の表面に油膜が張り、藍の花と呼ばれる泡が形成され、pHが11以下になると染色可能となる。この染色液の仕込から発酵が完了して染色可能となるまでに、夏場で1〜2週間、冬場では3〜4週間も要し、その間染色液を毎日撹拌し、発酵の状態を見ながら消石灰、清酒、水あめ等を添加する等、染色液の作製には大変な時間と労力を必要とする。これらの作業工程は全て職人の勘と経験に基づいて行われているため、同一原料・同一操作で作製しても環境や作製する人により染色液の還元力が異なる。また、このように手間暇かけて染色液を作製しても、1日当たりに染色できる繊維量は染色液50Lに対して200gが限度であり、その間も染色液は温度やpHを一定条件に保たなければならず、品質管理が非常に困難である。
インジゴを還元する「藍建て」には、上述したような「発酵建て」の他に「化学建て」と呼ばれる化学薬品を用いた還元方法がある。「化学建て」によるインジゴの還元は、還元剤であるハイドロサルファイトと強アルカリ剤である苛性ソーダを用いる方法が一般的である。この「化学建て」による還元は、「発酵建て」に比べ、職人の勘や経験を必要とせず容易に大量生産を行うことが可能であることから、工業的な合成インジゴを使用した染色には盛んに使用されている。また、天然藍を使用した藍染めにおいても「化学建て」により容易に染色を行うことはできるが、このような化学薬品を使用した方法では布が傷む原因になるばかりか、人体への影響も懸念され、廃液の処理にも手間がかかるといった問題がある。特に苛性ソーダは毒物及び劇物取締法で劇物に指定されており、取り扱いには注意が必要である。
上述した「発酵建て」によるインジゴの還元には高アルカリ性微生物が関与していることが知られている。このようなインジゴの還元に関する微生物として、藍染色醪からBacillus alkalophilusを分離したことが報告されている(例えば、非特許文献1〜4)。しかしながら、本発明者らが藍染めの染色液中から数種の微生物を分離し、分離した微生物からBacillus alkalophilusを検出したが、インジゴ還元活性を調べたところ、このBacillus alkalophilusにはインジゴ還元活性が認められなかった。
このインジゴ還元に関与する微生物を分離し、菌学的性質や還元機構、反応最適条件を解明することができれば、上述した藍染めの染色工程に応用することで、従来職人の技と経験に頼っていた作業を効率良く容易に行うことが可能になると思われる。しかしながら、藍染め染色液中でインジゴ還元に関与する好アルカリ性微生物については、まだ正確に同定されておらず、その還元機構や還元酵素についても明らかにされていない。
発酵工学雑誌、38巻、6号、293−299頁 発酵工学雑誌、38巻、7号、329−337頁 発酵工学雑誌、40巻、2号、77−84頁 発酵工学雑誌、40巻、3号、103−107頁
上述したように、従来藍染め染色液の作製は、熟練した職人が多大な労力と時間を費やして行っていた。しかも、このように手間暇かけて染色液を作製しても、1日当たりに染色できる繊維量は制限されており非常に生産性が悪く、染色工程の効率化が望まれていた。
従って、本発明の目的は、藍染め染色液作製工程における作製時間の短縮化及び工程の簡略化を図り、生産性の向上を実現させるため、インジゴをロイコインジゴに還元する酵素、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、好アルカリ微生物であるBacillus cohniiに属する微生物より得た酵素が、高いインジゴ還元活性を有すること、及び前記微生物を培養することにより前記酵素を生産できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(10)に記載のものを提供する。
(1)Bacillus cohniiが産生のインジゴ還元酵素。
(2)Bacillus cohniiがBacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)である上記(1)に記載のインジゴ還元酵素。
(3)Bacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)。
(4)Bacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)が保有のインジゴ還元酵素遺伝子。
(5)上記(4)に記載のインジゴ還元酵素遺伝子を発現させることにより製造されるインジゴ還元酵素。
(6)N末端アミノ酸配列が、配列番号1に記載の、Met Tyr Glu Leu Pro Gln Leu Pro Tyr Ala Ala Asn X Leu Glu Pro Gly Ile Asp Gluである、上記(1)、(2)又は(5)のいずれかに記載のインジゴ還元酵素。
(7)天然藍染料及び/又は合成インジゴ染料を用いる染色工程において上記(1)、(2)又は(6)に記載のインジゴ還元酵素を用いることを特徴とする染色方法。
(8)上記(1)、(2)、(5)又は(6)に記載のインジゴ還元酵素と天然藍染料及び/又は合成インジゴ染料とからなる藍染め染色用キット。
(9)上記(1)、(2)、(5)又は(6)に記載のインジゴ還元酵素を有効成分として染毛効果を奏する量、含有することを特徴とする染毛剤。
(10)Bacillus cohniiの培養物から調製することを特徴とするインジゴ還元酵素の製造方法。
(11)Bacillus cohniiがBacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)である上記(10)に記載のインジゴ還元酵素の製造方法。
本発明によれば、インジゴを効率よくロイコインジゴに還元するインジゴ還元酵素が提供される。本発明のインジゴ還元酵素は藍染め染色工程の効率化に有用である。上述したように、従来染色液を作製するには、スクモと消石灰、清酒、水あめ等を混ぜて、常温高アルカリ条件下で発酵させていた為、染色できるまでに1〜4週間程を要したが、本発明のインジゴ還元酵素を染色工程に使用すれば、このような「発酵建て」を行わなくても、スクモと本発明のインジゴ還元酵素を用いて高い還元力を有する染色液を容易に作製することができる。更に、従来の方法で作成した染色液は、微生物に負担がかからないように、一日に染色できる繊維量が制限されていたが、本発明のインジゴ還元酵素を用いて作製された染色液では、微生物の負担を考慮する必要なく染色できる繊維量が制限されないという優れた利点を有する。しかも染色液中に含有されるインジゴを100%使用することが可能であり非常に経済的である。また、染色液の面倒な品質管理も不要となるため、熟練した職人でなくても染色液の作製から藍染めまでの作業を行うことが可能となる。このように本発明のインジゴ還元酵素を染色工程に使用すれば、化学薬品に頼ることなく容易にインジゴを還元することが可能となり、藍染めの染色工程を効率化することができる。
更に本発明によれば、インジゴ還元酵素を含有する藍染め染色用キットを提供することができる。特に、染料として天然藍染料を含有させた藍染め染色用キットを使用することで、化学薬品を使用しない本物の藍染めを家庭でも気軽に楽しむことができる。
また本発明によれば、インジゴ還元酵素をBacillus cohniiの培養物から容易に調製することができる。また、本発明のインジゴ還元酵素遺伝子をクローニングし、この遺伝子を大腸菌等に組み換えてインジゴ還元酵素を大量に生産する微生物を作製することで、本発明のインジゴ還元酵素を安価に大量生産することが可能となる。
更に、本発明のインジゴ還元酵素は、染毛剤に応用することが可能である。近年、藍、西洋茜、鬱金等の草木染めに使用される天然染料を用いた染毛剤が市販されており、合成染料では表せなかった色を実現でき、天然素材が髪に弾力やツヤ感を与えてくれるといった理由から人気を呼んでいる。しかしながら、現在市販されている藍を用いた染毛剤は、藍を還元するため化学薬品である還元剤とアルカリ剤とが含有されており、アルカリ剤による頭皮や毛髪へのダメージが懸念される。また化学薬品に過敏な人は使用できないという問題もあった。しかしながら、本発明のインジゴ還元酵素を天然藍染料を含む染毛剤に用いることで、従来必須成分であった還元剤とアルカリ剤とが不要になるため、頭皮や毛髪へダメージを与えることなく、化学薬品に過敏な人でも使用できるという優れた効果を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明者らは、藍染め染色液中からBacillus cohniiを分離し、この微生物からインジゴ還元に関与する酵素が産生されることを見出した。本発明のインジゴ還元酵素は、以下の理化学的性質を有するものである。
(a)作用:本発明のインジゴ還元酵素は、下記反応を触媒する。
インジゴ + 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)→ ロイコインジゴ + 酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD
(b)至適pH:7.5付近
(c)至適温度:30℃付近
(d)pH安定性:pH6.5〜8.0で安定
(e)熱安定性:35℃以下で安定
(f)分子量:ゲルろ過により74kDa
(g)電子受容体特異性:2,6−ジクロロフェノールインドフェノールに対して特異性を有する。
(h)N末端アミノ酸配列 :Met Tyr Glu Leu Pro Gln Leu Pro Tyr Ala Ala Asn X Leu Glu Pro Gly Ile Asp Glu(Xは未同定のアミノ酸)(配列番号1)
上述したように本発明のインジゴ還元酵素は、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下、「NADH」と略記する。)を補酵素として、インジゴを還元し、ロイコインジゴを生成する能力を有する。下記化学式で示されるこの反応は、酸素非存在下で、NADH依存的に進行する。
Figure 2006087422
本発明のインジゴ還元酵素は、インジゴ還元酵素産生能を有する微生物の培養物から取得することができる。このような微生物としては、Bacillus cohniiが好適であり、更に好ましくは藍染め染色液中から分離したBacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)である。前記Bacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)の菌学的性質を以下に示す。尚、上記菌学的性質の同定はユニオンバイテック社(大阪市東淀川区豊新1−17−10)によって行われた。
1.形態
(1)菌の形態:桿菌
(2)グラム染色:+
(3)芽胞の形:卵円形
(4)芽胞の位置:中央
(5)菌体の膨順:−
2.生理学的性質
(1)カタラーゼ:+
(2)オキシダーゼ:+
(3)嫌気性寒天での生育:−
(4)VPテスト:−
(5)グルコースからの酸産生:+
(6)アラビノースからの酸生成:+
(7)キシロースからの酸生成:+
(8)マンニットからの酸生成:+
(9)カゼイン加水分解:+
(10)ゼラチン加水分解:+
(11)デンプン加水分解:+
(12)硝酸銀の還元:+
(13)ウレアーゼ:−
(14)2%NaClでの生育:+
(15)5%NaClでの生育:+
(16)7%NaClでの生育:+
(17)10%NaClでの生育:−
(18)40℃での生育:+
(19)45℃での生育:−
(20)50℃での生育:−
(21)SCD培地でのpH9,12の好気培養で発育良好
(22)GAM培地でpH12の嫌気培養で弱い発育
さらに、本菌株について16S rRNAの1000bpの塩基配列を決定し、遺伝子工学的同定を行った。16S rRNA遺伝子の取得には、以下の表1に示すプライマーを用いた。得られた16S rRNAの遺伝子配列について、遺伝子のデータベースに公開登録されている微生物の遺伝子配列とのホモロジー検索を行った結果、Bacillus cohniiに99%の相同性を認めた。この結果から、本発明者らが藍染め染色液から分離した本菌株はBacillus cohniiに属する細菌であると同定し、本菌株をBacillus cohnii BC−001株と命名した。本菌株は、平成16年7月23日に独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに寄託され、その受託番号はNITE P−15である。
Figure 2006087422
本発明のインジゴ還元酵素は、例えば、上記菌株を栄養培地に培養し、該培養物から調製することにより製造することができる。上記菌株の培養に使用する培地としては、使用菌株が資化できる炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要な栄養源を適量含有するものであれば、天然培地、合成培地のいずれも使用できる。具体的には、上記炭素源としてはグルコース、ラクトース、マルトース等が、窒素源としてはポリペプトンやソイペプトン等の窒素含有天然物が、無機塩類としてはナトリウム塩等が使用できる。具体的には、SCD培地(15%トリペプトン、5%ソイペプトン、5%NaCl)が好ましく使用できる。培養は、振盪、好気的条件下で行うのが好ましく、培養温度は25〜40℃、好ましくは37℃、pHは10〜12、好ましくはpH12に調整するのがよい。菌株の培養期間は、通常2〜3日であり、好ましくは48時間である。このようにして培養することで、インジゴ還元酵素が微生物の菌体内に生成蓄積される。
培養により菌体内に蓄積されたインジゴ還元酵素は、例えば次のようにして分離精製することができる。本発明のインジゴ還元酵素を培養菌体あるいは細胞から抽出するには、培養後、公知の方法で菌体を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチーム及び/又は凍結溶解などによって菌体を破壊したのち、遠心分離やろ過により粗酵素抽出液を得る方法などが適宜用いられる。このようにして得られた抽出液中に含まれる本発明のインジゴ還元酵素の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、及びSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法などが用いられる。
本発明のインジゴ還元酵素は、前述したようにインジゴ還元酵素の産生能を有する微生物の培養物から取得することができるが、公知の遺伝子工学によっても量産することができる。例えば、Bacillus cohnii BC−001株のゲノムDNAライブラリーやcDNAライブラリーからインジゴ還元酵素の遺伝子をクローニングし、この遺伝子の発現ベクターを構築の後、これを大腸菌や枯草菌等の宿主に移入し作成した形質転換体を培養することにより本発明に係るインジゴ還元酵素を大量生産することができる。その詳細については、参考例で後述される。
また本発明のインジゴ還元酵素は、天然藍染料及び/又は合成インジゴ染料を用いる染色工程に利用することで、染色工程の効率化を実現することができる。具体的には、本発明のインジゴ還元酵素、天然藍染料及び/又は合成インジゴ染料、必要に応じて水を添加することで容易に染色液を作製することができる。前記天然藍染料としては、すくも、沈殿藍、藍の生葉、藍の葉を凍結乾燥させたもの、藍の生葉から色素成分を抽出した抽出液等が上げられる。
更に、本発明のインジゴ還元酵素を藍染め染色用キットとして提供することができる。本発明の藍染め染色用キットは、少なくとも本発明のインジゴ還元酵素と天然藍染料及び/又は合成インジゴ染料を含んでいる。前記天然藍染料としては、すくも、沈殿藍、藍の生葉、藍の葉を凍結乾燥させたもの、藍の生葉から色素成分を抽出した抽出液等が上げられる。このような藍染め染色用キットを使用すれば、キットに含まれるインジゴ還元酵素と前記染料、更に必要に応じて水を添加することで簡単に藍染め染色液を作製することができるため、いつでも誰でも手軽に藍染めを行うことができる。
本発明のインジゴ還元酵素は、染毛剤に利用することもできる。前記染毛剤は、インジゴ還元酵素を有効成分として染毛効果を奏する量、含有するものである。更に、有効成分として、天然藍染料及び/又は合成インジゴ染料を含有する。好ましくは天然藍染料を含有する。前記天然藍染料としては、すくも、沈殿藍、藍の生葉、藍の葉を凍結乾燥させたもの、藍の生葉から色素成分を抽出した抽出液等が上げられる。更に、他の染料を含有させて色調を調整することもできる。他の染料としては、ヘナ、茜、えんじゅ、うこん、コチニール、すおう、ロッグウッド等の天然草木染料が好ましく用いられる。これらの染料は、2種類以上を混合して使用することもできる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
(1)培養
分離したBacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)をSCD培地(15% トリペプトン、5% ソイペプトン、5% NaCl)200mlに植菌し、37℃で二昼夜振盪培養した。菌体を2Lの培地に植え継ぎ、さらに48時間振盪培養した。培養後、遠心分離により培地成分と菌体に分離し、8.4gの湿菌体を得た。
(2)菌体破砕
上記で得られた湿菌体を10mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)25mlに懸濁した後、超音波により破砕した(処理時間:5分×3回)。菌体破砕後、遠心分離により固形物を沈殿させ、得られた上清を粗酵素抽出液として精製に用いた。
(3)酵素の粗精製
上記方法により得られた粗酵素抽出液を10mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したDEAE−トヨパールカラムにかけ、0〜0.5M NaClによる直線濃度勾配で溶出し、酵素の活性画分を集めた。こうして得られた粗酵素液を用いて本酵素の性質を以下のごとく調べた。
(4)酵素の理化学的性質
[活性測定試験]
インジゴ還元酵素の活性の測定は、インジゴカルミンを基質として35℃で反応を行い、インジゴカルミンの610nmでの吸光度変化を測定する。反応液は最終組成が、200mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)、0.1mM NADH、0.1mM インジゴカルミンとなるように調製し、粗酵素液とイオン交換水を加えて総量1mlとする。具体的には、インジゴカルミンとNADH以外の反応液を試験管に調製し、パラフィルムで試験管口を塞いで、窒素ガスを3分間吹き込む。その後、素早く試験管口をパラフィルムで塞ぎ、35℃の恒温槽に5分間浸けた後、インジゴカルミンとNADHで反応を開始させ、減少する610nmの吸光度を測定する。ここでインジゴカルミンとNADHは、あらかじめ窒素ガスを5分間吹き込み、反応を開始させる時はマイクロシリンジを用いて添加する。
[至適pHおよびpH安定性]
本発明の酵素の至適pHを求めるため、上述した活性測定試験において反応液中の緩衝液のpHを3.5から9.5まで変化させ(pH3.5−5.5:酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.5−7.0:ビストリス塩酸緩衝液、pH7.0−8.0:ヘペス緩衝液、pH8.0−9.0:トリス塩酸緩衝液、pH9−9.5:グリシンナトリウム緩衝液)、それぞれのpHにおける酵素活性を測定した。結果を図1に示す。その結果、本酵素の至適pHは7.5付近であることが示された。次に本酵素のpH安定性を調べるために、本酵素を10mMの緩衝液(pH3.5−9.5)存在下、40℃で10分間保温し、その後pH7.0で残存活性を同様の方法で測定した。結果を図2に示す。その結果、本酵素はpH6.5〜8.0の間で安定であることが示された。
[至適温度および熱安定性]
本酵素の至適温度を求めるため、上述した活性測定試験において反応時の反応温度を20℃から55℃まで変化させ、その時の反応性を調べた。結果を図3に示す。その結果、本酵素は反応温度の上昇とともに活性が増大し、40℃以上で顕著な活性の低下が認められた。次に、本酵素の熱安定性を調べるために、本酵素を20℃から55℃までの間の温度でそれぞれ10分間保温し、その後の残存活性を35℃で測定した。結果を図4に示す。その結果、本酵素は35℃まで安定であることが示された。
[見かけのKm値]
本酵素のNADH及びインジゴカルミンに対する見かけのKm値を、次のようにして求めた。上述した活性測定試験において、NADHの最終濃度を0.01mM、0.02mM、0.05mM、0.08mM、0.1mMとして活性測定を行ったところ、NADHに対する見かけのKm値は0.18mMとなった。また、上述した活性測定試験において、インジゴカルミンの最終濃度を0.01mM、0.02mM、0.03mM、0.04mM、0.05mMとして活性測定を行ったところ、インジゴカルミンに対する見かけのKm値は0.03mMとなった。
[電子受容体特異性]
上述した活性測定試験のインジゴカルミンの代わりに、2,6−ジクロロフェノールインドフェノールを最終濃度が0.1mMになるように加え、605nmでの吸光度の経時的な減少を測定した。同様にして、本酵素に種々の電子受容体を共存させた場合の各電子受容体での活性を測定し、相対活性として表2に示した。その結果、表2に示すように2,6−ジクロロフェノールインドフェノールの活性が最も高く、本酵素は2,6−ジクロロフェノールインドフェノールに対して電子受容体特性を有することがわかった。
Figure 2006087422
[分子量の測定]
ゲルろ過クロマトグラフィーにより本酵素の分子量を求めた。0.2M NaClを含むTris/HCl緩衝液(pH7.5)で平衡化したSuperose6(Amersham Biosciences社製)を担体に用いた。また標準タンパクとしてフェリチン(分子量:44kDa)、アルドラーゼ(15.8kDa)、アルブミン(67kDa)、キモトリプシン(25kDa)、リボヌクレアーゼ(13.7kDa)を含むタンパク質分子量マーカー(Amersham Biosciences社製)を用いた。標準タンパクから検量線を作成し本酵素の分子量を求めたところ、74kDaであることが示された。
[N末端アミノ酸配列の決定]
前記(3)の粗酵素液をSDS処理した後、SDSポリアクリルゲル電気泳動を行った。その間に、ろ紙をトランスファー緩衝液(10mM CAPS、NaOHでpH11に調整)に浸し、PVDF膜もメタノールで60秒間洗浄後、トランスファー緩衝液に浸しておいた。電気泳動終了後、重ねたゲルとPVDF膜をろ紙で挟み、転写装置にセットして20Vで1時間半通電させた。転写後、PVDF膜を超純水で5分間、2回洗浄した後、洗浄緩衝液(10mM ホウ酸、25mM NaCl、NaOHでpH8に調整)で5分間、2回洗浄し、更に超純水で5分間、2回洗浄を行った。続いて、Ponceau S染色液で5分間染色した後、脱色液でバンドが明確になるまで脱色を行った。このPVDF膜を自然乾燥させた後、分子量74kDaの目的バンド部分を切り出し、N末端アミノ酸配列の決定に供した。N末端アミノ酸配列の分析はプロテインシークエンサー(株式会社島津製作所製、PPSQ−10)を用いて行った。その結果、得られたN末端アミノ酸配列は、Met Tyr Glu Leu Pro Gln Leu Pro Tyr Ala Ala Asn X Leu Glu Pro Gly Ile Asp Glu(Xは未同定のアミノ酸)であった。更に、前記N末端アミノ酸配列をコードするコドンとその縮重に基づき、次の合成ヌクレオチド、ATGTAYGARYTICCNCARYTICC(YはT又はC、RはA又はG、IはInosine、NはA,G,C又はT)をプローブとして作製した。尚、配列番号1は、上記N末端アミノ酸配列を示し、配列番号2は、上記合成ヌクレオチドの塩基配列を示す。
(参考例)
<インジゴ還元酵素遺伝子のクローニングとその発現による該酵素の量産>
これには公知の方法を用いることができる。例えば、Bacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)からゲノムDNAやmRNAを抽出・精製し、ゲノムDNAライブラリーやcDNAライブラリーを作成の後、そのライブリーからインジゴ還元酵素遺伝子を選別あるいはスクリーニングする。このスクリーニングは、インジゴ還元酵素のN末端アミノ酸配列、例えば配列番号1に記載のアミノ酸配列のコドンに基づく合成オリゴヌクレオチド(配列番号2)や、インジゴ還元酵素に対する抗体等をプローブあるいはマーカーとして用いる、サザンハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーション、コロニーハイブリダイゼーション等により行うことができる。これにより得られたクローンが長いDNA断片の場合には、更に、サブクローニングを行うことにより、より短いDNA断片としてインジゴ還元酵素遺伝子を特定し、クローンとして得ることができる。得られたインジゴ還元酵素遺伝子クローン(DNA断片)につき、塩基配列を決定すると共に、その塩基配列に基づきコーディング領域(開始コドンから終止コドンまでの領域)を解読する。次いで、解読したインジゴ還元酵素遺伝子コーディング領域を含むDNA断片を大腸菌や枯草菌等のベクターに挿入連係することにより発現ベクターを構築の後、このベクターを宿主である大腸菌や枯草菌等に移入することにより形質転換体を得る。そして、この形質転換体を培養することによりインジゴ還元酵素を量産することができる。上記の詳しいプロトコルについては、例えば、常用のテキストMolecular Cloning A LABORATORY MANUAL, 3rd ed., J. Sambrookら著, CSHL Press 2001年発行(http//www.MolecularCloning.com)に記載されている。
本発明のインジゴ還元酵素を藍染めの染色工程に使用すれば、インジゴを容易に還元することが可能となり、藍染めの染色工程を効率化することができる。また本発明のインジゴ還元酵素を藍染め染色用キットとして提供することで、家庭でも手軽に藍染めを楽しむことができる。更に、本発明のインジゴ還元酵素を染毛剤に用いることで、従来必須成分であった還元剤とアルカリ剤とが不要になるため、頭皮や毛髪へダメージを与えず、化学薬品に過敏な人でも使用できる優れた染毛剤が得られる。
本発明のインジゴ還元酵素の至適pHを示すグラフ図である。 本発明のインジゴ還元酵素のpH安定性を示すグラフ図である。 本発明のインジゴ還元酵素の至適温度を示すグラフ図である。 本発明のインジゴ還元酵素の熱安定性を示すグラフ図である。

Claims (11)

  1. Bacillus cohniiが産生のインジゴ還元酵素。
  2. Bacillus cohniiがBacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)である請求項1に記載のインジゴ還元酵素。
  3. Bacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)。
  4. Bacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)が保有のインジゴ還元酵素遺伝子。
  5. 請求項4に記載のインジゴ還元酵素遺伝子を発現させることにより製造されるインジゴ還元酵素。
  6. N末端アミノ酸配列が、配列番号1に記載の、Met Tyr Glu Leu Pro Gln Leu Pro Tyr Ala Ala Asn X Leu Glu Pro Gly Ile Asp Gluである、請求項1、2又は5のいずれかに記載のインジゴ還元酵素。
  7. 天然藍染料及び/又は合成インジゴ染料を用いる染色工程において請求項1、2、5又は6に記載のインジゴ還元酵素を用いることを特徴とする染色方法。
  8. 請求項1、2、5又は6に記載のインジゴ還元酵素と天然藍染料及び/又は合成インジゴ染料とからなる藍染め染色用キット。
  9. 請求項1、2、5又は6に記載のインジゴ還元酵素を有効成分として染毛効果を奏する量、含有することを特徴とする染毛剤。
  10. Bacillus cohniiの培養物から調製することを特徴とするインジゴ還元酵素の製造方法。
  11. Bacillus cohniiがBacillus cohnii BC−001株(製評機構 受託番号 NITE P−15)である請求項10に記載のインジゴ還元酵素の製造方法。
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