JP2006085820A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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一之 林
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Abstract

【課題】 本発明は、磁気テープのテープ全厚を薄層化した場合でも、表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性が優れていると共に、エラーレートが少ないのでデータストレージ用磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に、樹脂吸着量が2.0mg/m以上である補強層用板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成する磁気記録媒体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気テープのテープ全厚を薄層化した場合でも、表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性が優れている磁気記録媒体であって、殊に、データストレージ用として用いた場合にエラーレートが少ない磁気記録媒体を提供する。
近年、パーソナルコンピュータやオフィスコンピュータにおけるハードディスクの大容量化が進みつつあり、それに伴って、外部記憶媒体としてデータを記録するための磁気テープ(バックアップテープ)もまた記録容量向上が強く要求されている。
バックアップテープの場合、テープ1巻当たりの大きさが規定されているため、長時間記録化や高記録容量化のためには、テープ全厚を薄くして1巻当たりのテープ長さを長くする必要がある。そのため、磁気記録媒体を構成する磁気記録層、非磁性下地層、バックコート層及び非磁性支持体等の各層において、薄層化することが要求されている。
磁気記録媒体の薄層化を図る場合、磁気記録媒体を構成する各層の中で最も厚い非磁性支持体を薄くすることが有効であるが、非磁性支持体を単に薄くするだけでは磁気記録媒体のスティフネスが低下して、十分な走行性及び走行耐久性を得ることが困難となる。
また、従来のバックアップテープは非磁性下地層厚みが3〜5μmであったものが、近年では1〜3μmまで薄層化してきており、その結果、上記と同様、磁気記録媒体の長手方向及び幅方向の両方向へのスティフネスが小さくなると共に、磁気記録媒体の十分な表面平滑性を確保することが困難となってきている。
磁気記録媒体の薄層化に伴うこれら諸特性を改良するために、非磁性支持体の一方の面に形成された磁気記録層に対して非磁性支持体の他方の面に、板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含むバックコート層を形成することが行われており、実用化されている(特許文献1乃至2)。
また、非磁性支持体の一方の面に磁性層、他方の面にバックコート層が形成されている磁気記録媒体において、非磁性支持体と磁性層との間、あるいは非磁性支持体とバックコート層との間に、平板状無機質粉末等を含有する中間層を形成することが開示されている。(特許文献3乃至5)。
特開平8−129742号公報 特開平11−273053号公報 特開平5−73882号公報 特開平5−128487号公報 特開平7−98834号公報
磁気テープのテープ全厚を薄層化した場合でも、表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性が優れている磁気記録媒体は現在最も要求されているところであるが、このような諸特性を十分に満たす磁気記録媒体は未だ得られていない。
即ち、特許文献1乃至2には、非磁性支持体の一方の面に形成された磁気記録層に対して非磁性支持体の他方の面に、板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含むバックコート層を形成することが開示されているが、磁気テープの薄層化に対して、バックコート層のみでは十分な補強効果を得ることが困難である。また、上記で用いられている板状粒子粉末は、表面処理に関して何ら考慮がなされておらず、後出比較例に示す通り、板状非磁性粒子粉末として、樹脂吸着量が2.0mg/m以下のものを用いた場合には、所望のスティフネス及び走行耐久性を有する磁気記録媒体を得ることは困難である。
また、特許文献3乃至5には、非磁性支持体の一方の面に磁性層、他方の面にバックコート層が形成されている磁気記録媒体において、非磁性支持体と磁性層との間、あるいは非磁性支持体とバックコート層との間に、平板状無機質粉末等を含有する中間層を形成することが開示されているが、前述の特許文献3乃至5で用いられている板状粒子粉末は、表面処理に関して何ら考慮がなされておらず、後出比較例に示す通り、板状非磁性粒子粉末として、樹脂吸着量が2.0mg/m以下のものを用いた場合には、粒子間に吸着している樹脂による立体障害効果が得られないため、粒子相互が主として面接触により凝集し、中間層中に部分的に偏在しやすく、長手方向及び幅方向の両方向に点接触又は線接触しながら一様に配向し難いという特性を有しているため、磁気記録媒体のスティフネス及び走行耐久性を十分改善することが困難となる。
そこで、本発明は、磁気テープのテープ全厚を薄層化した場合でも、表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性が優れている磁気記録媒体を得ることを技術的課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に、板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成する際に、樹脂吸着量が2.0mg/m以上である補強層用板状非磁性粒子粉末を用いることにより、磁気テープのテープ全厚を薄層化した場合でも、表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性が優れていると共に、エラーレートが少ないデータストレージ用磁気記録媒体を得られることを見いだし、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に、樹脂吸着量が2.0mg/m以上である補強層用板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成することを特徴とする磁気記録媒体である(本発明1)。
また、本発明は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層及び前記非磁性支持体の他方の面に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含むバックコート層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は前記非磁性支持体とバックコート層との間に、樹脂吸着量が2.0mg/m以上である補強層用板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成することを特徴とする磁気記録媒体である(本発明2)。
本発明に係る磁気記録媒体は、磁気テープのテープ全厚を薄層化した場合でも、表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性が優れており、殊に、エラーレートが少ないのでデータストレージ用磁気記録媒体として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る磁気記録媒体について述べる。
本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体であって、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に、補強層用板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成してなる磁気記録媒体である。
また、本発明は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層及び前記非磁性支持体の他方の面に形成される板状非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含むバックコート層からなる磁気記録媒体であって、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は前記非磁性支持体とバックコート層との間に、補強層用板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成することを特徴とする磁気記録媒体である。
次に、本発明における補強層用板状非磁性粒子粉末について述べる。
本発明における補強層用板状非磁性粒子粉末は、樹脂吸着量が2.0mg/m以上である板状非磁性粒子粉末を用いることができる。板状非磁性粒子粉末としては、具体的には、ヘマタイト粒子粉末、アルミナ、酸化亜鉛、バリウムフェライト、グラファイト、窒化ホウ素及び層状ケイ酸塩(モンモリロナイト、サポナイト、パイデライト等のスメクタイト系粘土鉱物、カオリナイト、ディッカイト、ハロサイト等のカオリナイト系粘土鉱物、白雲母、金雲母、黒雲母等のマイカ、バーミキュライト、パイロフィライト、タルク等)が挙げられる。得られる磁気記録媒体の表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性を考慮すれば、ヘマタイト粒子粉末、マイカ及びタルクが好ましい。
本発明における補強層用板状非磁性粒子粉末は、平均板面径が0.03〜3.0μm、好ましくは0.04〜2.5μm、より好ましくは0.05〜2.0μmであり、平均厚みが0.001〜0.6μm、好ましくは0.002〜0.5μm、より好ましくは0.005〜0.4μmであり、板状比(平均板面径と平均厚みの比)(以下、「板状比」という。)が4〜100、好ましくは7〜75、より好ましくは10〜50である。
板状非磁性粒子粉末の平均板面径が0.03μm未満の場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、補強層用塗料の製造時におけるビヒクル中への分散が困難となり、得られる磁気記録媒体のスティフネス及び走行耐久性が低下する。平均板面径が3.0μmを超える場合には、粒子の大粒子化に伴い、得られる磁気記録媒体の表面平滑性が低下するため好ましくない。
板状非磁性粒子粉末の平均厚みが0.001μm未満の場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、バックコート塗料の製造時におけるビヒクル中への分散が困難となり、得られる磁気記録媒体の走行耐久性が低下する。
板状非磁性粒子粉末の板状比が100を超える場合には、粒子相互が面接触して積み重なりスタッキングが多くなるため、補強層用塗料の製造時におけるヒビクル中での均一な分散が困難となり、スティフネス及び走行耐久性に優れた磁気記録媒体を得ることが困難となる。
本発明における補強層用板状非磁性粒子粉末のBET比表面積値は1.0〜150m/gが好ましく、より好ましくは2.5〜120m/g、最も好ましくは5.0〜100m/gである。BET比表面積値が1.0m/g未満の場合には、粒子が粗大であり、得られる磁気記録媒体の表面平滑性が低下するため好ましくない。BET比表面積値が150m/gを超える場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、補強層用塗料の製造時におけるビヒクル中への分散が困難となり、得られる磁気記録媒体のスティフネス及び走行耐久性が低下する。
本発明における補強層用板状非磁性粒子粉末の樹脂吸着量は2.0mg/m以上である。補強層用板状非磁性粒子粉末の樹脂吸着量が2.0mg/m未満の場合には、板状非磁性粒子がスタッキングを起こして凝集し、塗膜中で偏在しやすい。好ましくは2.05mg/m以上、より好ましくは2.10mg/m以上である。
次に、本発明における補強層について述べる。
本発明における補強層は、非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に形成されており、上記補強層用板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含んでいる。また、本発明における補強層は、バックコート層を有する磁気記録媒体の場合、非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は前記非磁性支持体とバックコート層との間に形成される。
本発明における非磁性支持体としては、現在、磁気記録媒体に汎用されているポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類及びポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート等の各種合成樹脂フィルムを使用することができる。得られる磁気記録媒体のスティフネスを考慮すれば、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミドである。従来技術においては、磁気記録媒体の全膜厚を薄層化するために非磁性支持体を薄くした場合、強度を得るためにポリエチレンナフタレート、もしくはポリアミドが用いられているが、本発明における補強層を有する磁気記録媒体の場合、非磁性支持体としてポリエチレンテレフタレートを用いた場合でも、十分な強度を得ることができる。
非磁性支持体の厚みは、1.0〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1.5〜4.5μm、更により好ましくは2.0〜4.0μmである。非磁性支持体の厚みが1.0μm未満の場合には、非磁性支持体自体が薄すぎるために、ハンドリングが難しくなる。5.0μmを超える場合には、磁気記録媒体とした場合に、磁気テープの薄層化が困難となるため好ましくない。
補強層用板状非磁性粒子粉末としては、前述の樹脂吸着量が2.0mg/m以上である板状非磁性粒子粉末を用いることができる。
本発明における補強層は、非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に形成された塗膜厚さの合計が0.5〜3.0μmの範囲にあることが好ましい。0.5μm未満の場合には、非磁性支持体のスティフネスを改善することが困難となる。磁気記録媒体の薄層化及び非磁性支持体のスティフネスを考慮すれば、より好ましくは0.6〜2.5μmの範囲であり、更により好ましくは0.7〜2.0μmの範囲である。
結合剤樹脂としては、磁気記録媒体の製造にあたって汎用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化型樹脂等を単独又は組み合わせて用いることができる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコーン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアニド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース等セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、(飽和)ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニルエーテル−アクリル酸共重合体、アミノ樹脂、ポリブタジエン等の合成ゴム系樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂及び電子線硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、(不飽和)ポリエステル樹脂、ポリウレタンカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、ポリイソシアネート、電子線硬化型アクリルウレタン樹脂等を用いることができる。また、各結合剤樹脂には極性基として、−COOM、−SOM及び−OPO(但し、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は炭化水素基である。)等の酸性基、リン酸エステル類及びアルキルベタイン型の両性類基、−OH、−NH等が含まれていてもよい。本発明に係る複合非磁性粒子粉末のビヒクル中における分散性を考慮すれば、極性基として−COOM、−SOM又はアルキルベタイン型両性類基が含まれている結合剤樹脂が好ましい。
板状非磁性粒子粉末と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対して板状非磁性粒子粉末が5〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。
尚、補強層に、通常の磁気記録媒体の製造に用いられる潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等が必要により結合剤樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部程度含まれていてもよい。
次に、本発明における非磁性下地層について述べる。
本発明における非磁性下地層は、非磁性粒子粉末と結合剤樹脂を含んでいる。
非磁性下地層用非磁性粒子粉末としては、通常、磁気記録媒体の非磁性下地層に用いられる非磁性無機質粉末を使用することができる。具体的には、ヘマタイト、含水酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、二酸化ケイ素、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、酸化クロム、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタンカーバイト、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、チタン酸バリウム等を単独又は組み合わせて用いることができ、殊に、ヘマタイト、含水酸化鉄、酸化チタン等が好ましい。
なお、非磁性塗料製造時におけるビヒクル中での分散性改善のため、必要により、これら非磁性粒子粉末の粒子表面をアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物、ケイ素の酸化物等で表面処理してもよく、また、得られる磁気記録媒体の表面電気抵抗値、機械的強度、表面平滑性、耐久性等の諸特性改善のため、必要により、粒子内部にAl、Ti、Zr、Mn、Sn、Sb等を含有させてもよい。
非磁性粒子粉末には各種形状の粒子があり、球状、粒状、八面体状、六面体状、多面体状等の粒状粒子粉末、針状、紡錘状、米粒状等の針状粒子粉末及び板状粒子粉末等がある。得られる磁気記録媒体の表面平滑性を考慮すれば、非磁性粒子粉末の粒子形状は針状が好ましい。
非磁性粒子粉末の粒子サイズは、粒子形状が粒状の場合、平均粒子径0.01〜0.3μmが好ましく、より好ましくは0.015〜0.25μm、更により好ましくは0.02〜0.2μmであり、粒子形状が針状の場合、平均長軸径0.01〜0.3μmが好ましく、より好ましくは0.015〜0.25μm、最も好ましくは0.02〜0.2μmであり、粒子形状が板状の場合、平均板面径0.01〜0.3μmが好ましく、より好ましくは0.015〜0.25μm、最も好ましくは0.02〜0.2μmである。
また、粒子形状が針状の場合、軸比(平均長軸径と平均短軸径の比)(以下、「軸比」という。)は2〜20が好ましく、より好ましくは2.5〜15、最も好ましくは3〜10であり、粒子形状が板状の場合、板状比は2〜50が好ましく、より好ましくは2.5〜20、最も好ましくは3〜10である。
本発明における非磁性下地層は、塗膜厚さが0.2〜2.0μmの範囲が好ましい。0.2μm未満の場合には、非磁性支持体の表面粗さを改善することが困難となる。磁気記録媒体の薄層化及び塗膜の表面平滑性を考慮すれば、より好ましくは0.3〜1.5μmの範囲であり、更により好ましくは0.4〜1.0μmの範囲である。
結合剤樹脂としては、補強層を形成する場合に用いた前記結合剤樹脂を使用することができる。
非磁性粒子粉末と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対して非磁性粒子粉末が5〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。
尚、非磁性下地層に、通常の磁気記録媒体の製造に用いられる潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等が必要により結合剤樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部程度含まれていてもよい。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができるが、カーボンブラックは、帯電防止の他に、摩擦係数低減及び磁気記録媒体の強度向上といった効果が期待できることから、帯電防止剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。
次に、本発明における磁気記録層について述べる。
本発明における磁気記録層は、磁性粒子粉末と結合剤樹脂を含んでいる。
磁性粒子粉末は、鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末、鉄以外のCo、Al、Ni、P、Zn、Si、B及び希土類金属等を含有する針状鉄合金磁性粒子粉末、Ba、Sr又はBa−Srを含有する板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末並びに該フェライト粒子粉末にCo、Ni、Zn、Mn、Mg、Ti、Sn、Zr、Nb、Cu、Mo等の2価及び4価の金属から選ばれた保磁力低減剤の1種又は2種以上を含有させた板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末等のいずれをも用いることができる。
磁性粒子粉末の粒子の形状は、針状はもちろん、紡錘状、米粒状、立方状、板状等のいずれであってもよい。ここで「針状」とは、文字通りの針状はもちろん、紡錘状や米粒状などを含む意味である。
磁性粒子粉末は、平均長軸径(板状粒子の場合は平均板面径)0.01〜0.50μmが好ましく、より好ましくは0.03〜0.30μmであり、平均短軸径(板状粒子の場合は平均厚み)0.0007〜0.17μmが好ましく、より好ましくは0.003〜0.10μmである。
また、粒子形状が針状の磁性粒子の場合、軸比(平均長軸径と平均短軸径の比)(以下、「軸比」という。)は3以上が好ましく、より好ましくは5以上であり、磁性塗料とした時のビヒクル中における分散性を考慮すれば、その上限値は15が好ましく、より好ましくは10である。
粒子形状が板状の磁性粒子の場合、板状比は2以上が好ましく、より好ましくは3以上であり、磁性塗料とした時のビヒクル中における分散性を考慮すれば、その上限値は20が好ましく、より好ましくは15である。
磁性粒子粉末の磁気特性は、鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末又は針状鉄合金磁性粒子粉末の場合、保磁力値63.7〜278.5kA/m(800〜3500Oe)が好ましく、より好ましくは71.6〜278.5kA/m(900〜3500Oe)であり、飽和磁化値90〜170Am/kg(90〜170emu/g)が好ましく、より好ましくは100〜170Am/kg(100〜170emu/g)である。
板状マグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の場合、保磁力値39.8〜318.3kA/m(500〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは51.7〜318.3kA/m(650〜4000Oe)であり、飽和磁化値40〜70Am/kg(40〜70emu/g)が好ましく、より好ましくは45〜70Am/kg(45〜70emu/g)である。
磁気記録層における結合剤樹脂としては、補強層を形成する場合に用いた前記結合剤樹脂を使用することができる。
尚、磁気記録層には、通常の磁気記録媒体の製造に用いられる潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤等が必要により結合剤樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部程度含まれていてもよい。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができるが、前記非磁性下地層を形成する場合と同様の理由から、帯電防止剤としては、カーボンブラックを用いることが好ましい。
本発明における磁気記録層の塗膜厚さは、0.01〜3.0μmの範囲である。0.01μm未満の場合には、均一な塗布が困難で塗りむら等が生じやすくなるため好ましくない。3.0μmを超える場合には、反磁界の影響のため、所望の電磁変換特性が得られにくくなる。好ましくは0.03〜2.5μmの範囲であり、より好ましくは0.05〜2.0μmの範囲である。
磁気記録層における磁性粒子粉末と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対して、磁性粒子粉末200〜2000重量部が好ましく、より好ましくは300〜1500重量部である。
次に、本発明におけるバックコート層について述べる。
本発明におけるバックコート層は、非磁性支持体の一方の面に形成される磁気記録層に対して、非磁性支持体の他方の面に形成されており、結合剤樹脂と共に、バックコート層の表面電気抵抗値低減及び強度向上を目的として、帯電防止剤及び無機粒子粉末を含有させることが好ましい。また、必要に応じて、通常の磁気記録媒体の製造に用いられる潤滑剤、研磨剤等が含まれていてもよい。
結合剤樹脂としては、前記補強層を形成するために用いた結合剤樹脂を使用することができる。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化スズ、酸化チタン−酸化スズ−酸化アンチモン等の導電性粉末及び界面活性剤等を用いることができるが、前記非磁性下地層及び磁気記録層を形成する場合と同様の理由から、カーボンブラックを用いることが好ましい。
無機粒子粉末としては、ヘマタイト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、酸化セリウム、二酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛、窒化ホウ素及び硫酸バリウム等から選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。
コンピュータデータ記録用のバックアップテープの中でも、高記録容量化のために記録トラック幅を狭くした場合には、オフトラックによる再生出力の低下が問題となるため、トラックサーボが必要となる。トラックサーボ方式には磁気記録層又はバックコート層にサーボトラックバンドを形成し、それを磁気的に読み取ってサーボトラッキングする磁気サーボ方式とバックコート層に凹部アレイからなるサーボトラックバンドをレーザー照射等で形成し、それを光学的に読み取ってサーボトラッキングする光学サーボ方式がある。
殊に、バックコート層にサーボトラックバンドを形成する磁気サーボ方式の場合には、帯電防止剤及び無機粒子粉末に加えて、磁性粒子粉末を含有させることが必須となる。磁性粒子粉末としては、前記磁性層に用いる磁性粒子粉末又は、マグヘマイト粒子粉末(γ−Fe)やマグネタイト粒子粉末(FeO ・Fe、0<x≦1)等の磁性酸化鉄粒子粉末を使用することができる。
本発明におけるバックコート層の膜厚は、0.1〜2.0μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmである。0.1μm未満の場合には、バックコート層のスティフネスが不十分となりやすく、十分な走行耐久性を有する磁気記録媒体を得ることが困難となる。2.0μmを超える場合には、バックコート層の膜厚が厚すぎるため、磁気記録媒体の薄層化を阻害することとなる。
カーボンブラックと前記無機粉末の合計量と結合剤樹脂との配合割合は、結合剤樹脂100重量部に対してカーボンブラックと前記無機粉末の合計量として40〜250重量部、好ましくは50〜200重量部である。
本発明1に係る磁気記録媒体は、保磁力値は63.7〜318.3kA/m(800〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは71.6〜318.3kA/m(900〜4000Oe)、塗膜の光沢度は200〜300%が好ましく、より好ましくは205〜300%、塗膜の表面粗度Raは8.0nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜7.5nm、更に好ましくは2.0〜7.0nm、長手方向のヤング率は9〜25GPaが好ましく、より好ましくは9.5〜25GPa、幅方向のヤング率は7〜25GPaが好ましく、より好ましくは7.5〜25GPa、耐久性のうち走行耐久時間23分以上が好ましく、より好ましくは25分以上であり、ヘッド汚染が後出する評価法のA又はBが好ましく、より好ましくはAである。
本発明2に係る磁気記録媒体は、保磁力値は63.7〜318.3kA/m(800〜4000Oe)が好ましく、より好ましくは71.6〜318.3kA/m(900〜4000Oe)、塗膜の光沢度は200〜300%が好ましく、より好ましくは205〜300%、塗膜の表面粗度Raは8.0nm以下が好ましく、より好ましくは2.0〜7.5nm、更に好ましくは2.0〜7.0nm、長手方向のヤング率は9.5〜30GPaが好ましく、より好ましくは10〜30GPa、幅方向のヤング率は7.5〜30GPaが好ましく、より好ましくは8〜30GPa、耐久性のうち走行耐久時間24分以上が好ましく、より好ましくは26分以上であり、ヘッド汚染が後出する評価法のA又はBが好ましく、より好ましくはAである。
本発明に係る磁気記録媒体の補強層用板状非磁性粒子粉末は、下記製造法によって得ることができる。
樹脂吸着量が2.0mg/m以上となるような表面処理であれば、処理方法は特に限定されないが、好ましくはアルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物による表面処理である。具体的には、板状非磁性粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記板状非磁性粒子粉末の粒子表面に、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を被着し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩やアルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用できる。
表面処理量は、被処理板状非磁性粒子粉末に対してAl換算、SiO換算又はAl換算量とSiO換算量との総和で0.01〜50重量%が好ましい。
0.01重量%未満である場合には、樹脂吸着量を2.0mg/m以上とすとことが困難となる。0.01〜20重量%の被覆量により、樹脂吸着量を2.0mg/m以上とすることができるので、20重量%を超えて必要以上に被覆する意味がない。
次に、前記本発明に係る磁気記録媒体の製造法について述べる。
本発明1に係る磁気記録媒体は、まず、非磁性支持体上に補強層用板状非磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び溶剤を含む補強層用非磁性塗料を塗布、乾燥して補強層を形成し、次いで、常法により、該補強層上もしくは該補強層とは反対側の非磁性支持体上に非磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び溶剤を含む非磁性塗料を塗布、乾燥して非磁性下地層を形成し、該非磁性下地層上に磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び溶剤を含む磁性塗料を塗布して塗膜を形成した後磁場配向し、次いで、カレンダー処理をした後、硬化させることにより得ることができる。
本発明2に係る磁気記録媒体は、まず、非磁性支持体上に補強層用板状非磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び溶剤を含む補強層用非磁性塗料を塗布、乾燥して補強層を形成し、次いで、常法により、該補強層上もしくは該補強層とは反対側の非磁性支持体上に非磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び溶剤を含む非磁性塗料を塗布、乾燥して非磁性下地層を形成し、該非磁性下地層上に磁性粒子粉末、結合剤樹脂及び溶剤を含む磁性塗料を塗布して塗膜を形成した後磁場配向し、次いで、カレンダー処理をした後、該磁性層とは反対側の補強層上もしくは非磁性下地層上にバックコート層を塗布し、硬化させることにより得ることができる。
補強層用非磁性塗料、非磁性下地層用非磁性塗料、磁性塗料及びバックコート塗料の混練分散に当たっては、混練機は、例えば、二軸ニーダー、二軸エクストルーダー、加圧ニーダー、二本ロールミル、三本ロールミルなどが使用でき、分散機としては、ボールミル、サンドグラインダー、アトライター、ディスパー、ホモジナイザー、超音波分散機などを使用することができる。
補強層用非磁性塗料、非磁性下地層用非磁性塗料、磁性塗料及びバックコート塗料の塗布にあたっては、グラビアコーター、リバースロールコーター、スリットコーター、ダイコーターなどを使用することができる。塗布したシートは、対向磁石配向、ソレノイド磁石配向等により磁場配向を行うことができる。
溶剤としては、現在、磁気記録媒体に汎用されているメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン及びその混合物等を使用することができる。
溶剤の使用量は、補強層用板状非磁性粒子粉末、非磁性粒子粉末又は磁性粒子粉末100重量部に対してその総量で65〜1000重量部である。65重量部未満では塗料化した場合に粘度が高くなりすぎ塗布が困難となる。1000重量部を超える場合には、塗膜を形成する際の溶剤の揮散量が多くなりすぎ工業的に不利となる。
<作用>
本発明において最も重要な点は、非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に、板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成する際に、樹脂吸着量が2.0mg/m以上である補強層用板状非磁性粒子粉末を用いることにより、磁気テープのテープ全厚を薄層化した場合でも、表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性が優れていると共に、エラーレートが少ないデータストレージ用磁気記録媒体を得られるという事実である。
本発明に係る磁気記録媒体が優れた表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性を有する理由として、本発明者は、本発明における補強層用板状非磁性粒子粉末は、表面処理を施すことによって、樹脂吸着量を2.0mg/m以上にできたため、通常は板状であるためにスタッキングを起こして凝集し、塗膜中で偏在しやすい板状非磁性粒子粉末が、本発明においては、樹脂の立体障害効果により効果的に分散するため、板状非磁性粒子相互間の面接触が抑制され、補強層中で長手方向及び幅方向の両方向に一様に配列された状態で存在することができるので、磁気テープの長手方向及び幅方向の両方向ともにより高いスティフネスを付与することが可能となったことによるものと考えている。
以下、本発明における実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
板状非磁性粒子粉末及び磁性粒子粉末の各粒子粉末の平均粒子径は、電子顕微鏡写真を4倍に拡大した写真に示される粒子約360個について定方向径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
軸比は、平均長軸径と平均短軸径との比で示し、板状比は平均板面径と平均厚みとの比で示した。
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
板状非磁性粒子粉末及び磁性粒子粉末の粒子内部や粒子表面に存在するAl量、Si量、Ti量、Ni量及びCo量のそれぞれは、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
樹脂吸着量は、粒子の単位表面積当たりの樹脂吸着量を示すものであり、下記の方法により求めた樹脂吸着量が大きいほど、樹脂が粒子表面に吸着し易く、ビヒクル中における分散性が良好であることを示す。
被測定粒子粉末20gとスルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂2gを溶解させた混合溶剤(メチルエチルケトン27.0g、トルエン16.2g、シクロヘキサノン10.8g)56g又は塩化ビニル系共重合樹脂2gを溶解させた混合溶剤(メチルエチルケトン27.0g、トルエン16.2g、シクロヘキサノン10.8g)56gとを3mmφスチールビーズ120gと共に100mlポリビンに入れ、60分間ペイントシェーカーで混合分散する。
次に、この塗料組成物50gを取り出し、50mlの沈降管に入れ、回転数10,000rpmで15分間遠心分離を行い、固形部分と溶剤部分とを分離する。そして、溶剤部分に含まれる樹脂固形分濃度を重量法によって定量し、仕込みの樹脂量との差し引きにより、固形部分に存在する樹脂量を求めた後、BET比表面積値で割ることにより、被測定粒子の単位面積当たりの樹脂吸着量Ya(mg/m)とする。
磁性粒子粉末及び磁気記録媒体の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業株式会社製)を使用し、最大外部磁場795.8kA/m(10kOe)にて測定した。
磁気記録層の塗膜表面の光沢度は、「グロスメーターUGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて塗膜の45°光沢度を測定して求めた。
表面粗度Raは、「surfcom−575A」(東京精密株式会社製)を用いてカレンダー後の塗布膜の中心線平均粗さを測定した値で示した。
塗膜の長手方向のヤング率及び幅方向のヤング率は、幅10mm、長さ200mmの試料を用意し、「オートグラフ」(株式会社島津製作所製)を用いて、チャック間隔100mm、引張り速度を100mm/minとして、0.5%伸びの荷重から求めた。
走行耐久時間は、「メディアデュラビリティテスターMDT−3000」(Steinberg Associates社製)を用いて、相対速度16m/sec、負荷1.96Nにおける測定値で示した。
ヘッド汚染は、「メディアデュラビリティテスターMDT−3000」(Steinberg Associates社製)を用いて、相対速度16m/sec、負荷1.96Nにおいて、30分間走行させた後のヘッド汚れを目視で観察し、4段階で評価した。Aが最もヘッドの汚れが少ないことを示す。
A:汚れなし
B:若干汚れ有り
C:汚れ有り
D:ひどい汚れ有り
磁気記録媒体を構成する非磁性支持体、非磁性下地層、補強層、バックコート層及び磁気記録層の各層の厚みは、下記のようにして測定した。
「デジタル電子マイクロメーターK351C」(安立電気株式会社製)を用いて、先ず、非磁性支持体の膜厚(A)を測定する。次に、非磁性支持体と該非磁性支持体上に形成された補強層との厚み(B)(非磁性支持体の厚みと補強層の厚みとの総和)を同様にして測定する。更に、非磁性支持体と補強層及び補強層上、又は、補強層とは反対側の非磁性支持体上に形成された非磁性下地層との厚み(C)(非磁性支持体の厚み、補強層の厚み、及び非磁性下地層の厚みの総和)を同様にして測定する。次いで、該非磁性下地層上に磁気記録層を形成することにより得られた磁気記録媒体の厚み(D)(非磁性支持体の厚み、補強層の厚み、非磁性下地層の厚み、及び磁気記録層の厚みとの総和)を同様にして測定する。また、バックコート層を設けた場合には、更に、上記磁気記録媒体の厚みと磁気記録層とは反対の非磁性支持体上もしくは補強層上に設けたバックコート層との厚み(E)(非磁性支持体の厚み、補強層の厚み、非磁性下地層の厚み、磁気記録層の厚み、及びバックコート層の厚みとの総和)を同様にして測定する。そして、補強層の厚みは(B)−(A)で示し、非磁性下地層の厚みは(C)−(B)で示し、磁気記録層の厚みは(D)−(C)で示し、バックコート層の厚みは(E)−(C)で示した。
<板状粒子1:補強層用板状非磁性粒子粉末の製造>
板状ヘマタイト粒子粉末(平均板面径0.202μm、平均厚み0.009μm、板状比22.4、BET比表面積値17.6m/g、樹脂吸着量1.89mg/m)20kgを、凝集を解きほぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂逅し、更に、「TKパイプラインホモミクサー」(製品名、特殊機化工業株式会社製)を3回通して板状ヘマタイト粒子粉末を含むスラリーを得た。
得られた板状ヘマタイト粒子粉末を含む分散スラリーのpH値を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調整した後、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lに調整した。このスラリー150lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのアルミン酸ナトリウム溶液5444ml(板状ヘマタイト粒子粉末に対してAl換算で1.0重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されている板状ヘマタイト粒子粉末を得た。
得られた板状非磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平均板面径0.203μm、平均厚み0.010μm、板状比が20.3の板状粒子粉末であった。BET比表面積値は16.9m/g、樹脂吸着量は2.21mg/m、付着しているアルミニウムの水酸化物はAl換算で0.98重量%であった。
<補強層用非磁性塗料の製造>
前記板状非磁性粒子粉末12gと結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合して混合物(固形分率72%)を得、この混合物を更にプラストミルで30分間混練して混練物を得た。
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加の結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って塗料組成物を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、補強層用非磁性塗料を調整した。
得られた非磁性下地層用非磁性塗料の組成は、下記の通りであった。
板状非磁性粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 10.0重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 10.0重量部、
シクロヘキサノン 44.6重量部、
メチルエチルケトン 111.4重量部、
トルエン 66.9重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 3.0重量部、
潤滑剤(ブチルステアレート) 1.0重量部。
<非磁性下地層用非磁性塗料の製造>
比較被処理粒子粒子粉末2(平均長軸径0.226μm、平均短軸径0.035μm、軸比6.5、BET比表面積値41.2m/g、樹脂吸着量1.73mg/m)12gと結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合して混合物(固形分率72%)を得、この混合物を更にプラストミルで30分間混練して混練物を得た。
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加の結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って塗料組成物を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、非磁性下地層用非磁性塗料を調整した。
得られた非磁性下地層用非磁性塗料の組成は、下記の通りであった。
非磁性下地層用非磁性粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 10.0重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 10.0重量部、
シクロヘキサノン 44.6重量部、
メチルエチルケトン 111.4重量部、
トルエン 66.9重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 3.0重量部、
潤滑剤(ブチルステアレート) 1.0重量部。
<磁気記録層用磁性塗料の製造>
磁性粒子1(種類:鉄を主成分とする金属磁性粒子、平均長軸径0.061μm、平均短軸径0.0115μm、軸比5.3、BET比表面積値51.6m/g、保磁力値187.3kA/m(2,353Oe)、飽和磁化値130.0Am/kg(130.0emu/g)、Al含有量2.71重量%、Co含有量21.30重量%)12g、研磨剤(商品名:AKP−30、住友化学株式会社製)1.2g、カーボンブラック(商品名:#3250B、三菱化成株式会社製)0.12g、結合剤樹脂溶液(スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合して混合物(固形分率78%)を得、この混合物を更にプラストミルで30分間混練して混練物を得た。
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行って磁性塗料を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、磁気記録層用磁性塗料を調整した。
得られた磁気記録層用磁性塗料の組成は下記の通りであった。
鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末 100.0重量部、
スルホン酸カリウム基を有する塩化ビニル系共重合樹脂 10.0重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 10.0重量部、
研磨剤(AKP−30) 10.0重量部、
カーボンブラック(#3250B) 1.0重量部、
潤滑剤(ミリスチン酸:ステアリン酸ブチル=1:2) 3.0重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 5.0重量部、
シクロヘキサノン 65.8重量部、
メチルエチルケトン 164.5重量部、
トルエン 98.7重量部。
<バックコート層用塗料の製造>
被処理粒子1(種類:板状ヘマタイト粒子、平均板面径0.202μm、平均厚み0.009μm、板状比22.4、BET比表面積値17.6m/g、樹脂吸着量1.89mg/m)1.8g、カーボンブラック(平均一次粒子径 25nm)12.0g、カーボンブラック(平均一次粒子径 370nm)1.8g、結合剤樹脂溶液(ニトロセルロース30重量%とシクロヘキサノン70重量%)及びシクロヘキサノンとを混合して混合物(固形分率78%)を得、この混合物を更にプラストミルで30分間混練して混練物を得た。
この混練物を1.5mmφガラスビーズ95g、追加結合剤樹脂溶液(スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂30重量%、溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1)70重量%)、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン及びトルエンと共に140mlガラス瓶に添加し、ペイントシェーカーで6時間混合・分散を行ってバックコート塗料を得た。その後、潤滑剤及び硬化剤を加え、更に、ペイントシェーカーで15分間混合・分散した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し、バックコート層用塗料を調整した。
得られたバックコート層用塗料の組成は下記の通りであった。
板状ヘマタイト粒子粉末 15.0重量部、
カーボンブラック(一次粒子径 25nm) 100.0重量部、
カーボンブラック(一次粒子径 370nm) 15.0重量部、
ニトロセルロース樹脂 55.0重量部、
スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 35.0重量部、
硬化剤(ポリイソシアネート) 18.0重量部、
シクロヘキサノン 325.0重量部、
メチルエチルケトン 655.0重量部、
トルエン 325.0重量部。
<実施例1−1:磁気記録媒体の製造(補強層を非磁性支持体と非磁性下地層との間に形成する場合)>
前述で得られた補強層用非磁性塗料を厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)からなる非磁性支持体上に、カレンダー後の膜厚が1.5μmとなるように塗布し、乾燥させることにより補強層を形成した。次いで、該補強層上に、非磁性下地層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が1.0μm、磁気記録層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.15μmとなるように、非磁性下地層、磁気記録層の順に、ウェット・オン・ウェットで塗布し、次いで、磁場中において配向後乾燥し、カレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行い12.65mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体の磁気特性は、保磁力値が199.9kA/m(2,512Oe)であった。光沢度は227%、表面粗度Raは6.3nm、長手方向のヤング率は11.0GPa、幅方向のヤング率は10.0GPa、耐久性のうち走行耐久時間が28.1分であり、ヘッド汚染がAであった。
<実施例2−1:磁気記録媒体の製造(磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に補強層を形成する場合)>
厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)からなる非磁性支持体上に、非磁性下地層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が1.0μm、磁気記録層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.15μmとなるように、非磁性下地層、磁気記録層の順に、ウェット・オン・ウェットで塗布し、次いで、磁場中において配向後乾燥した後、前述で得られた補強層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が1.5μmとなるように塗布し、乾燥させることにより補強層を形成した。次いで、カレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行い12.65mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体の磁気特性は、保磁力値が200.6kA/m(2,521Oe)であった。光沢度は224%、表面粗度Raは6.5nm、長手方向のヤング率は11.0GPa、幅方向のヤング率は10.0GPa、耐久性のうち走行耐久時間が27.7分であり、ヘッド汚染がAであった。
<実施例3−1:バックコート層を有する磁気記録媒体の製造(補強層を非磁性支持体と非磁性下地層との間に形成する場合)>
前述で得られた補強層用非磁性塗料を厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)からなる非磁性支持体上に、カレンダー後の膜厚が1.0μmとなるように塗布し、乾燥させることにより補強層を形成した。次いで、該補強層上に、非磁性下地層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が1.0μm、磁気記録層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.15μmとなるように、非磁性下地層、磁気記録層の順に、ウェット・オン・ウェットで塗布し、磁場中において配向後乾燥を行った。次いで、前述で得られたバックコート層用塗料を磁気記録層とは反対面の非磁性支持体上に塗布・乾燥後、カレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行い12.65mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体の磁気特性は、保磁力値が200.0kA/m(2,513Oe)であった。光沢度は230%、表面粗度Raは6.2nm、長手方向のヤング率は11.5GPa、幅方向のヤング率は10.5GPa、耐久性のうち走行耐久時間が28.4分であり、ヘッド汚染がAであった。
<実施例4−1:バックコート層を有する磁気記録媒体の製造(補強層を非磁性支持体とバックコート層との間に形成する場合)>
厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)からなる非磁性支持体上に、非磁性下地層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が1.0μm、磁気記録層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.15μmとなるように、非磁性下地層、磁気記録層の順に、ウェット・オン・ウェットで塗布し、次いで、磁場中において配向後乾燥した後、前述で得られた補強層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が1.5μmとなるように塗布後乾燥させることにより補強層を形成した。次いで、前述で得られたバックコート層用塗料を該補強層上に塗布・乾燥後、カレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行い12.65mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体の磁気特性は、保磁力値が200.9kA/m(2,524Oe)であった。光沢度は229%、表面粗度Raは6.3nm、長手方向のヤング率は11.5GPa、幅方向のヤング率は10.5GPa、耐久性のうち走行耐久時間が28.1分であり、ヘッド汚染がAであった。
<実施例5−1:磁気記録媒体の製造(補強層を非磁性支持体と非磁性下地層との間及び磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に形成する場合)>
前述で得られた補強層用非磁性塗料を厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)からなる非磁性支持体上に、カレンダー後の膜厚が0.8μmとなるように塗布し、乾燥させることにより補強層を形成した。次いで、該補強層上に、非磁性下地層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.8μm、磁気記録層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.15μmとなるように、非磁性下地層、磁気記録層の順に、ウェット・オン・ウェットで塗布した後、磁場中において配向後乾燥を行った。次いで、前述で得られた補強層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.8μmとなるように塗布後乾燥させることにより補強層を形成した。カレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行い12.65mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体の磁気特性は、保磁力値が193.5kA/m(2,431Oe)であった。光沢度は235%、表面粗度Raは6.0nm、長手方向のヤング率は12.5GPa、幅方向のヤング率は11.5GPa、耐久性のうち走行耐久時間が30.0分以上であり、ヘッド汚染がAであった。
<実施例6−1:バックコート層を有する磁気記録媒体の製造(補強層を非磁性支持体と非磁性下地層との間及び非磁性支持体とバックコート層との間に形成する場合)>
前述で得られた補強層用非磁性塗料を厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)からなる非磁性支持体上に、カレンダー後の膜厚が0.8μmとなるように塗布し、乾燥させることにより補強層を形成した。次いで、該補強層上に、非磁性下地層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.6μm、磁気記録層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.15μmとなるように、非磁性下地層、磁気記録層の順に、ウェット・オン・ウェットで塗布した後、磁場中において配向後乾燥を行った。次いで、前述で得られた補強層用非磁性塗料をカレンダー後の膜厚が0.8μmとなるように塗布後乾燥させることにより補強層を形成した。次いで、前述で得られたバックコート層用塗料を磁性層とは反対側の補強層上に塗布・乾燥後、カレンダー処理を行った後、60℃で24時間硬化反応を行い12.65mm幅にスリットして磁気記録媒体を得た。
得られた磁気記録媒体の磁気特性は、保磁力値が193.4kA/m(2,430Oe)であった。光沢度は234%、表面粗度Raは6.1nm、長手方向のヤング率は12.5GPa、幅方向のヤング率は11.5GPa、耐久性のうち走行耐久時間が30.0分以上であり、ヘッド汚染がAであった。
前記実施例1−1〜6−1に従って種々の磁気記録媒体を作製した。各製造条件及び得られた各磁気記録媒体の諸特性を示す。
被処理粒子1〜4及び比較被処理粒子1〜2:
被処理粒子として各種の板状非磁性粒子を、また、比較被処理粒子として粒状非磁性粒子及び針状非磁性粒子を準備した。
非磁性粒子粉末の諸特性を表1に示す。
Figure 2006085820
板状粒子2〜4及び比較粒子1〜2:
被処理粒子の種類、表面処理工程における添加物の種類、量を種々変えた以外は、板状粒子1と同様にして補強層用板状非磁性粒子粉末を得た。
このときの処理条件を表2に、得られた補強層用板状非磁性粒子粉末の諸特性を表3に示す。
Figure 2006085820
Figure 2006085820
<磁気記録媒体の製造>
実施例1−2〜1−4及び比較例1−1〜1−4:
非磁性支持体の種類、補強層用板状非磁性粒子の種類及び補強層の膜厚及び磁性粒子粉末の種類及び磁気記録層の膜厚を種々変化させた以外は、実施例1−1と同様にして磁気記録媒体を得た。
使用した磁性粒子粉末1乃至3の諸特性を表4に示す。
Figure 2006085820
このときの製造条件及び得られた磁気記録媒体の諸特性を表5に示す。
なお、“PET”は、ポリエチレンテレフタレートを、“PEN”はポリエチレンナフタレートを表わす。
Figure 2006085820
実施例2−2〜2−4及び比較例2−1〜2−3:
非磁性支持体の種類、磁性粒子粉末の種類及び磁気記録層の膜厚及び補強層用板状非磁性粒子の種類及び補強層の膜厚を種々変化させた以外は、実施例2−1と同様にして磁気記録媒体を得た。
このときの製造条件及び得られた磁気記録媒体の諸特性を表6に示す。
Figure 2006085820
実施例3−2〜3−4及び比較例3−1〜3−4:
非磁性支持体の種類、補強層用板状非磁性粒子の種類及び補強層の膜厚及び磁性粒子粉末の種類及び磁気記録層の膜厚を種々変化させた以外は、実施例3−1と同様にして磁気記録媒体を得た。
このときの製造条件を表7に、得られた磁気記録媒体の諸特性を表8に示す。
Figure 2006085820
Figure 2006085820
実施例4−2〜4−4及び比較例4−1〜4−3:
非磁性支持体の種類、磁性粒子粉末の種類及び磁気記録層の膜厚及び補強層用板状非磁性粒子の種類及び補強層の膜厚を種々変化させた以外は、実施例4−1と同様にして磁気記録媒体を得た。
このときの製造条件を表9に、得られた磁気記録媒体の諸特性を表10に示した。
Figure 2006085820
Figure 2006085820
実施例5−2〜5−4及び比較例5−1〜5−3:
非磁性支持体の種類、補強層用板状非磁性粒子の種類及び補強層の膜厚及び磁性粒子粉末の種類及び磁気記録層の膜厚を種々変化させた以外は、実施例5−1と同様にして磁気記録媒体を得た。
このときの製造条件を表11に、得られた磁気記録媒体の諸特性を表12に示す。
Figure 2006085820
Figure 2006085820
実施例6−2〜6−4及び比較例6−1〜6−3:
非磁性支持体の種類、補強層用板状非磁性粒子の種類及び補強層の膜厚及び磁性粒子粉末の種類及び磁気記録層の膜厚を種々変化させた以外は、実施例6−1と同様にして磁気記録媒体を得た。
このときの製造条件を表13に、得られた磁気記録媒体の諸特性を表14に示す。
Figure 2006085820
Figure 2006085820
本発明に係る磁気記録媒体は、磁気テープのテープ全厚を薄層化した場合でも、表面平滑性、スティフネス及び走行耐久性が優れていると共に、エラーレートが少ないのでデータストレージ用磁気記録媒体として好適である。

Claims (2)

  1. 非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は磁気記録層とは反対側の非磁性支持体上に、樹脂吸着量が2.0mg/m以上である補強層用板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 非磁性支持体、該非磁性支持体上に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む非磁性下地層、該非磁性下地層の上に形成される磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含む磁気記録層及び前記非磁性支持体の他方の面に形成される非磁性粒子粉末と結合剤樹脂とを含むバックコート層からなる磁気記録媒体において、前記非磁性支持体と非磁性下地層との間及び/又は前記非磁性支持体とバックコート層との間に、樹脂吸着量が2.0mg/m以上である補強層用板状非磁性粒子粉末及び結合剤樹脂を含む補強層を形成することを特徴とする磁気記録媒体。
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