JP2006084787A - 結像光学系の評価方法、結像光学系の調整方法、露光装置および露光方法 - Google Patents
結像光学系の評価方法、結像光学系の調整方法、露光装置および露光方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 たとえば矩形状の有効結像領域における離散点に対して得られる収差多項式の収差関数の直交性に留意しつつ結像光学系の波面収差を解析的に正しく評価する方法。
【解決手段】 収差多項式を結像光学系の像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する設定工程(S11)と、結像光学系の像面上の所定形状の有効結像領域における複数の点について結像光学系の波面収差を得る収差獲得工程(S12)と、収差獲得工程で得られた波面収差を瞳座標の関数としての所定の多項式で近似する近似工程(S13)と、近似工程で得られた所定の多項式における各項の係数に基づいて収差多項式の各項の係数を決定する決定工程(S14)と、収差多項式の少なくとも1つの特定項と該特定項に対応する他の項との直交性を評価する直交性評価工程(S15)とを含む。
【選択図】 図4
【解決手段】 収差多項式を結像光学系の像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する設定工程(S11)と、結像光学系の像面上の所定形状の有効結像領域における複数の点について結像光学系の波面収差を得る収差獲得工程(S12)と、収差獲得工程で得られた波面収差を瞳座標の関数としての所定の多項式で近似する近似工程(S13)と、近似工程で得られた所定の多項式における各項の係数に基づいて収差多項式の各項の係数を決定する決定工程(S14)と、収差多項式の少なくとも1つの特定項と該特定項に対応する他の項との直交性を評価する直交性評価工程(S15)とを含む。
【選択図】 図4
Description
本発明は、結像光学系の評価方法、結像光学系の調整方法、露光装置および露光方法に関し、特に露光装置に搭載される投影光学系の収差評価に関するものである。
たとえばLSIの製造において回路パターンを形成するリソグラフィ工程では、マスクのパターンをウェハ上のレジストに転写するための投影光学系が組み込まれた露光装置が用いられている。現在のリソグラフィにおいては、LSIの集積度の増大およびk1ファクター(線幅=kl×λ/NA:λは露光波長、NAは投影光学系の開口数)の縮小に伴って、投影光学系の収差を極限まで低減することが求められている。
そのため、近年、投影光学系の光学調整工程において、各種の波面収差測定器を用いた波面収差の測定および解析が行われている。波面収差の解析工程では、測定された波面収差を、瞳座標の関数としてのツェルニケ(Fringe Zernike)多項式を用いて近似(フィッティング)することが多い。ここで、ツェルニケ多項式は、波面収差の瞳内の分布を表現する関数である。
上述のように、ツェルニケ多項式は、瞳内の波面収差を表現するのに適した関数である。しかしながら、この場合、ツェルニケ多項式の各項の係数に基づいて、コンピュータを利用した最適化計算により光学調整方法および光学調整量を試行錯誤的に決定して光学調整を行う必要がある。
一方、波面収差の像面内の分布を表現する関数として、回転対称光学系を前提とした収差論により導き出される関数、または3次(光線収差)までの偏芯誤差を含んだ光学系の収差論により導き出される関数が知られている。しかしながら、波面収差の像面内の分布を表現する従来の関数は、開口数およびフィールドの非常に大きい投影光学系の光学調整前および光学調整中の収差状態を表現するには不十分である。
そこで、本出願人は、特願2004−149698号において、投影光学系(一般には結像光学系)の波面収差の瞳内分布および像面内分布を同時に表現することにより投影光学系の波面収差を解析的に評価することのできる評価方法、およびこの評価方法により得られた収差の解析的な評価に基づいて投影光学系を良好に光学調整することのできる調整方法を提案している。
上述の出願にかかる評価方法では、結像光学系の波面収差を評価する収差多項式の収差関数が像面上の単位円内で規格直交化されている。しかしながら、露光装置に用いられる投影光学系の場合、像面上における有効結像領域は矩形状であることが多く、実際に波面収差を測定する像面上の点は有限個であるため、たとえば矩形状の有効結像領域における離散点に対して得られる収差多項式の収差関数が直交しているとは限らない。収差関数が直交していない収差多項式を用いると、投影光学系の波面収差を誤って評価することになる。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、結像光学系の波面収差の瞳内分布および像面内分布を収差多項式で同時に表現し、たとえば矩形状の有効結像領域における離散点に対して得られる収差多項式の収差関数の直交性に留意しつつ波面収差を解析的に正しく評価することのできる評価方法を提供することを目的とする。また、本発明の評価方法により得られた波面収差の解析的な正しい評価に基づいて、結像光学系を良好に光学調整することのできる調整方法を提供することを目的とする。さらに、本発明の調整方法により良好に光学調整された結像光学系を用いて良好な投影露光を行うことのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、収差多項式を用いて結像光学系の収差を評価する方法において、
前記収差多項式を前記結像光学系の像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する設定工程と、
前記結像光学系の像面上の所定形状の有効結像領域における複数の点について前記結像光学系の波面収差を得る収差獲得工程と、
前記収差獲得工程で得られた前記波面収差を瞳座標の関数としての所定の多項式で近似する近似工程と、
前記近似工程で得られた前記所定の多項式における各項の係数に基づいて前記収差多項式の各項の係数を決定する決定工程と、
前記収差多項式の少なくとも1つの特定項と該特定項に対応する他の項との直交性を評価する直交性評価工程とを含むことを特徴とする評価方法を提供する。
前記収差多項式を前記結像光学系の像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する設定工程と、
前記結像光学系の像面上の所定形状の有効結像領域における複数の点について前記結像光学系の波面収差を得る収差獲得工程と、
前記収差獲得工程で得られた前記波面収差を瞳座標の関数としての所定の多項式で近似する近似工程と、
前記近似工程で得られた前記所定の多項式における各項の係数に基づいて前記収差多項式の各項の係数を決定する決定工程と、
前記収差多項式の少なくとも1つの特定項と該特定項に対応する他の項との直交性を評価する直交性評価工程とを含むことを特徴とする評価方法を提供する。
本発明の第2形態では、結像光学系の像面上の所定形状の有効結像領域における複数の点について得られた波面収差に基づいて、収差多項式を用いて前記結像光学系の収差を評価する方法において、
前記収差多項式を前記結像光学系の像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する設定工程と、
前記得られた波面収差を瞳座標の関数としての所定の多項式で近似する近似工程と、
前記近似工程で得られた前記所定の多項式における各項の係数に基づいて前記収差多項式の各項の係数を決定する決定工程と、
前記収差多項式の少なくとも1つの特定項と該特定項に対応する他の項との直交性を評価する直交性評価工程とを含むことを特徴とする評価方法を提供する。
前記収差多項式を前記結像光学系の像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する設定工程と、
前記得られた波面収差を瞳座標の関数としての所定の多項式で近似する近似工程と、
前記近似工程で得られた前記所定の多項式における各項の係数に基づいて前記収差多項式の各項の係数を決定する決定工程と、
前記収差多項式の少なくとも1つの特定項と該特定項に対応する他の項との直交性を評価する直交性評価工程とを含むことを特徴とする評価方法を提供する。
本発明の第3形態では、第1形態または第2形態の評価方法により得られた前記結像光学系の収差情報および前記直交性評価工程の評価結果に基づいて前記結像光学系を光学調整することを特徴とする調整方法を提供する。
本発明の第4形態では、マスクのパターンを感光性基板に投影露光するための投影光学系として、第3形態の調整方法により光学調整された結像光学系を備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第5形態では、第3形態の調整方法により光学調整された結像光学系を用いて、マスクに形成されたパターンの像を感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法を提供する。
本発明の評価方法では、結像光学系の波面収差の瞳内分布および像面内分布を収差多項式で同時に表現し、たとえば矩形状の有効結像領域における離散点に対して得られる収差多項式の収差関数の直交性に留意しつつ、波面収差を解析的に正しく評価することができる。したがって、本発明の評価方法により得られた波面収差の解析的な正しい評価に基づいて、結像光学系を良好に光学調整することができる。また、本発明の調整方法により良好に光学調整された結像光学系を用いて、良好な投影露光を行うことができ、ひいては良好なマイクロデバイスを製造することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる結像光学系の評価方法を適用する投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を、光軸AXに垂直な面内において図1の紙面に平行にY軸を、光軸AXに垂直な面内において図1の紙面に垂直にX軸をそれぞれ設定している。
図1に示す露光装置は、照明光を供給するための光源LSとして、たとえばF2レーザー光源(波長157nm)を備えている。光源LSから射出された光は、照明光学系ILを介して、所定のパターンが形成されたレチクル(マスク)Rを照明する。なお、光源LSと照明光学系ILとの間の光路はケーシング(不図示)で密封されており、光源LSから照明光学系IL中の最もレチクル側の光学部材までの空間は、露光光の吸収率が低い気体であるヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルRには転写すべきパターンが形成されており、たとえばパターン領域全体のうちX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状のパターン領域が照明される。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にレチクルパターン像を形成する。ウェハWは、ウェハテーブル(ウェハホルダ)WTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。そして、レチクルR上での矩形状の照明領域に光学的に対応するように、ウェハW上ではX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状の露光領域にパターン像が形成される。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
また、図示の露光装置では、投影光学系PLを構成する光学部材のうち最もレチクル側に配置された光学部材と最もウェハ側に配置された光学部材との間で投影光学系PLの内部が気密状態を保つように構成され、投影光学系PLの内部の気体はヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
さらに、照明光学系ILと投影光学系PLとの間の狭い光路には、レチクルRおよびレチクルステージRSなどが配置されているが、レチクルRおよびレチクルステージRSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素やヘリウムガスなどの不活性ガスが充填されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
また、投影光学系PLとウェハWとの間の狭い光路には、ウェハWおよびウェハステージWSなどが配置されているが、ウェハWおよびウェハステージWSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素やヘリウムガスなどの不活性ガスが充填されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。このように、光源LSからウェハWまでの光路の全体に亘って、露光光がほとんど吸収されることのない雰囲気が形成されている。
上述したように、投影光学系PLによって規定されるレチクルR上の照明領域およびウェハW上の露光領域(すなわち実効露光領域)は、Y方向に沿って短辺を有する矩形状である。したがって、駆動系および干渉計(RIF、WIF)などを用いてレチクルRおよびウェハWの位置制御を行いながら、矩形状の露光領域および照明領域の短辺方向すなわちY方向に沿ってレチクルステージRSとウェハステージWSとを、ひいてはレチクルRとウェハWとを同期的に移動(走査)させることにより、ウェハW上には露光領域の長辺に等しい幅を有し且つウェハWの走査量(移動量)に応じた長さを有する領域に対してレチクルパターンが走査露光される。
本実施形態では、結像光学系としての投影光学系PLに対して本発明の評価方法および調整方法を適用するが、この説明に先立って、投影光学系PLの収差を像面座標と瞳座標との関数として一般的に表す収差多項式(収差関数)を新たに導出(設定)する。図2は、投影光学系PLの像面座標および瞳座標を説明する図である。図2において像面直交座標(y,z)および瞳直交座標(ξ,η)を通る光線に着目すると、この光線の波面収差Wは、y,z,ξ,ηの冪級数に展開されるはずである。
そこで、まず、波面収差Wの各成分のうち、投影光学系PLの光軸AXに関する回転対称収差成分Wrについて考える。座標の回転に対する不変量は、次の式(1)〜(3)で表される。そして、回転対称収差成分Wrは、式(1)の不変量、式(2)の不変量および式(3)の不変量の冪級数で表現される。換言すれば、回転対称収差成分Wrは、{(1)から(3)の冪級数}で表現される。
y2+z2 (1)
ξ2+η2 (2)
y・ξ+z・η (3)
ξ2+η2 (2)
y・ξ+z・η (3)
次に、波面収差Wの各成分のうち、投影光学系PLの光軸AXに関する偏芯収差成分Wsについて考える。偏芯で新たに発生する収差成分の座標(像面座標または瞳座標)依存性は一次のみである。したがって、偏芯成分を含んだ収差すなわち偏芯収差成分Wsは、次の式(4)〜(7)で表される一次座標依存成分のうちのいずれか1つの成分と、式(1)〜(3)で表される回転に対する不変量の冪級数との積として表現される。換言すれば、偏芯収差成分Wsは、{(1)から(3)の冪級数}×{(4)から(7)のいずれか1つ}で表現される。
y (4)
z (5)
ξ (6)
η (7)
z (5)
ξ (6)
η (7)
次に、波面収差Wの各成分のうち、アス(トーリック)収差成分Waについて考える。アス(トーリック(Toric))成分で新たに発生する収差成分の座標(像面座標または瞳座標)依存性は2次のみであり、且つ座標の回転に対して180度の周期関数である。このため、アス(トーリック)成分を含んだ収差すなわちアス(トーリック)収差成分Waは、次の式(8)〜(13)で表される座標の二次依存成分で且つ座標の回転に対して180度の周期関数である成分と、式(1)〜(3)で表される回転に対する不変量の冪級数との積として表現される。換言すれば、アス(トーリック)収差成分Waは、{(1)から(3)の冪級数}×{(8)から(13)のいずれか1つ}で表現される。
y2−z2 (8)
2y・z (9)
ξ2−η2 (10)
2ξ・η (11)
y・ξ−z・η (12)
y・η+z・ξ (13)
2y・z (9)
ξ2−η2 (10)
2ξ・η (11)
y・ξ−z・η (12)
y・η+z・ξ (13)
最後に、波面収差Wの各成分のうち、三つ葉収差成分Wtについて考える。三つ葉(Trefoil)成分で新たに発生する収差成分の座標(像面座標または瞳座標)依存性は3次のみであり、且つ座標の回転に対して120度の周期関数である。このため、三つ葉成分を含んだ収差すなわち三つ葉収差成分Wtは、次の式(14)〜(21)で表される座標の三次依存成分で且つ座標の回転に対して120度の周期関数である成分と、式(1)〜(3)で表される回転に対する不変量の冪級数との積として表現される。換言すれば、三つ葉収差成分Wtは、{(1)から(3)の冪級数}×{(14)から(21)のいずれか1つ}で表現される。
y(y2−3z2) (14)
z(3y2−z2) (15)
ξ(ξ2−3η2) (16)
η(3ξ2−η2) (17)
(y2−z2)ξ−2yzη (18)
2yzξ+(y2−z2)η (19)
y(ξ2−η2)−2zξη (20)
z(ξ2−η2)+2yξη (21)
z(3y2−z2) (15)
ξ(ξ2−3η2) (16)
η(3ξ2−η2) (17)
(y2−z2)ξ−2yzη (18)
2yzξ+(y2−z2)η (19)
y(ξ2−η2)−2zξη (20)
z(ξ2−η2)+2yξη (21)
こうして、回転対称収差成分Wrと偏芯収差成分Wsとアス(トーリック)収差成分Waと三つ葉収差成分Wtとを含んだ波面収差Wを、{(1)から(3)の冪級数}、または{(1)から(3)の冪級数}×{(4)から(21)のいずれか1つ}で表すことができる。一方、図2を参照すると、像面直交座標(y,z)および瞳直交座標(ξ,η)と像面極座標(h,α)および瞳極座標(ρ,θ)との間には、次の式(a)〜(d)に示す関係が成立する。ここで、hおよびρは規格化半怪であり、αおよびθは極座標の動径角である。
y=hcosα (a)
z=hsinα (b)
ξ=ρcosθ (c)
η=ρsinθ (d)
z=hsinα (b)
ξ=ρcosθ (c)
η=ρsinθ (d)
したがって、式(a)〜(d)に示す関係に基づいて、上述の式(1)〜(21)を次の式(A)〜(U)にそれぞれ変形することができる。
y2+z2(1)は、h2 (A)
ξ2+η2(2)は、ρ2 (B)
y・ξ+z・η(3)は、ρhcos(θ−α) (C)
y(4)は、hcosα (D)
z(5)は、hsinα (E)
ξ(6)は、ρcosθ (F)
η(7)は、ρsinθ (G)
y2−z2(8)は、h2cos2α (H)
2y・z(9)は、h2sin2α (I)
ξ2−η2(10)は、ρ2cos2θ (J)
2ξ・η(11)は、ρ2sin2θ (K)
y・ξ−z・η(12)は、hρcos(θ+α) (L)
y・η+z・ξ(13)は、hρsin(θ+α) (M)
y(y2−3z2)(14)は、h3cos3α (N)
z(3y2−z2)(15)は、h3sin3α (O)
ξ(ξ2−3η2)(16)は、ρ3cos3θ (P)
η(3ξ2−η2)(17)は、ρ3sin3θ (Q)
(y2−z2)ξ−2yzη(18)は、h2ρcos(θ+2α) (R)
2yzξ+(y2−z2)η(19)は、h2ρsin(θ+2α) (S)
y(ξ2−η2)−2zξη(20)は、hρ2cos(2θ+α) (T)
z(ξ2−η2)+2yξη(21)は、hρ2sin(2θ+α) (U)
ξ2+η2(2)は、ρ2 (B)
y・ξ+z・η(3)は、ρhcos(θ−α) (C)
y(4)は、hcosα (D)
z(5)は、hsinα (E)
ξ(6)は、ρcosθ (F)
η(7)は、ρsinθ (G)
y2−z2(8)は、h2cos2α (H)
2y・z(9)は、h2sin2α (I)
ξ2−η2(10)は、ρ2cos2θ (J)
2ξ・η(11)は、ρ2sin2θ (K)
y・ξ−z・η(12)は、hρcos(θ+α) (L)
y・η+z・ξ(13)は、hρsin(θ+α) (M)
y(y2−3z2)(14)は、h3cos3α (N)
z(3y2−z2)(15)は、h3sin3α (O)
ξ(ξ2−3η2)(16)は、ρ3cos3θ (P)
η(3ξ2−η2)(17)は、ρ3sin3θ (Q)
(y2−z2)ξ−2yzη(18)は、h2ρcos(θ+2α) (R)
2yzξ+(y2−z2)η(19)は、h2ρsin(θ+2α) (S)
y(ξ2−η2)−2zξη(20)は、hρ2cos(2θ+α) (T)
z(ξ2−η2)+2yξη(21)は、hρ2sin(2θ+α) (U)
したがって、回転対称収差成分Wrと偏芯収差成分Wsとアス(トーリック)収差成分Waと三つ葉収差成分Wtとを含んだ波面収差Wは、次の収差多項式(e)で表される。
W=Σ(Mi×FMi)
ただし、
FMi=(Aj1・Bj2・Cj3)×{(Dk1・Ek2・Fk3・Gk4)
×(Hk5・Ik6・Jk7・Kk8・Lk9・Mk10)
×(Nk11・Ok12・Pk13・Qk14・Rk15
・Sk16・Tk17・Uk18)} (e)
ただし、
FMi=(Aj1・Bj2・Cj3)×{(Dk1・Ek2・Fk3・Gk4)
×(Hk5・Ik6・Jk7・Kk8・Lk9・Mk10)
×(Nk11・Ok12・Pk13・Qk14・Rk15
・Sk16・Tk17・Uk18)} (e)
ここで、Σは正の整数i(i=1,2,3,・・・)に関する総和記号であって、MiおよびFMiは収差多項式Σ(Mi・FMi)における各項の係数および関数である。また、j1〜j3は、負でない整数(0,1,2,・・・)である。さらに、k1〜k18は、0または1で、且つΣki≦1を満たす。換言すれば、k1〜k18は、すべてが0であるか、あるいはいずれか1つだけが1であって他は0である。具体的には、k1〜k18がすべて0である場合、当該項は回転対称収差成分Wrを表すことになる。一方、k1〜k18のいずれか1つだけが1である場合、当該項は偏芯収差成分Wsまたはアス(トーリック)収差成分Waまたは三つ葉収差成分Wtを表すことになる。
次の表(1)および(2)に、収差多項式Σ(Mi・FMi)における各項の収差関数FMiに対応するiの値、ω依存性、収差次数、およびj1〜j3およびk1〜k18の次数の組み合わせ(各表において空欄は0である)を示す。ここで、j1〜j3およびk1〜k18の次数の組み合わせは、定数項FM1以外の各項の収差関数FMiが少なくともρを含むように規定されている。また、ω依存性では、ω=0の場合には回転依存性がないこと、ω=1の場合には360°回転依存性(1回回転依存性)があること、ω=2の場合には180°回転依存性(2回回転依存性)があること、ω=3の場合には120°回転依存性(3回回転依存性)があることをそれぞれ示している。
さらに、j1〜j3のいずれか1つが1であれば収差次数は2だけ増え、k1〜k4のいずれか1つが1であれば収差次数は1だけ増え、k5〜k10のいずれか1つが1であれば収差次数は2だけ増え、k11〜k18のいずれか1つが1であれば収差次数は3だけ増える。なお、表(1)および(2)では、第47項以降の収差関数FMiの表示を省略している。
次に、表(1)および(2)に則り、収差多項式Σ(Mi・FMi)における各項の収差関数FMiを、像面直交座標(z,y)および瞳極座標(ρ,θ)で表現して、以下の表(3)に示す。表(3)の収差分類において、Focusはフォーカスを、Distはディストーションを、Toricはトーリックを、Comaはコマを、Trefoilは三つ葉を、アスはアス(トーリック)収差をそれぞれ示している。また、表(3)において次数は収差次数を表している。また、表(3)の収差関数FMiにおいて、「+・・・」は既出の収差関数で表現できる部分を表している。なお、表(3)では、第47項以降の収差関数FMiの表示を省略している。
ここで、波面収差の瞳内の分布を表すツェルニケ多項式について基本的な事項を説明する。ツェルニケ多項式の表現では、座標系として上述の瞳極座標(ρ,θ)を用い、直交関数系としてツェルニケの円筒関数を用いる。すなわち、波面収差W(ρ,θ)は、ツェルニケの円筒関数Zi(ρ,θ)を用いて、次の式(f)に示すように展開される。
W(ρ,θ)=ΣCi・Zi(ρ,θ)
=C1・Z1(ρ,θ)+C2・Z2(ρ,θ)
・・・・+Cn・Zn(ρ,θ) (f)
=C1・Z1(ρ,θ)+C2・Z2(ρ,θ)
・・・・+Cn・Zn(ρ,θ) (f)
ここで、Ciは、ツェルニケ多項式の各項の係数である。以下、ツェルニケ多項式の各項の関数系Zi(ρ,θ)のうち、第1項〜第36項にかかる関数Z1〜Z36を、次の表(4)に示す。
表(4)
Z1: 1
Z2: ρcosθ
Z3: ρsinθ
Z4: 2ρ2−1
Z5: ρ2cos2θ
Z6: ρ2sin2θ
Z7: (3ρ2−2)ρcosθ
Z8: (3ρ2−2)ρsinθ
Z9: 6ρ4−6ρ2+1
Z10: ρ3cos3θ
Z11: ρ3sin3θ
Z12: (4ρ2−3)ρ2cos2θ
Z13: (4ρ2−3)ρ2sin2θ
Z14: (10ρ4−12ρ2+3)ρcosθ
Z15: (10ρ4−12ρ2+3)ρsinθ
Z16: 20ρ6−30ρ4+12ρ2−1
Z17: ρ4cos4θ
Z18: ρ4sin4θ
Z19: (5ρ2−4)ρ3cos3θ
Z20: (5ρ2−4)ρ3sin3θ
Z21: (15ρ4−20ρ2+6)ρ2cos2θ
Z22: (15ρ4−20ρ2+6)ρ2sin2θ
Z23: (35ρ6−60ρ4+30ρ2−4)ρcosθ
Z24: (35ρ6−60ρ4+30ρ2−4)ρsinθ
Z25: 70ρ8−140ρ6+90ρ4−20ρ2+1
Z26: ρ5cos5θ
Z27: ρ5sin5θ
Z28: (6ρ2−5)ρ4cos4θ
Z29: (6ρ2−5)ρ4sin4θ
Z30: (21ρ4−30ρ2+10)ρ3cos3θ
Z31: (21ρ4−30ρ2+10)ρ3sin3θ
Z32: (56ρ6−104ρ4+60ρ2−10)ρ2cos2θ
Z33: (56ρ6−104ρ4+60ρ2−10)ρ2sin2θ
Z34: (126ρ8−280ρ6+210ρ4−60ρ2+5)ρcosθ
Z35: (126ρ8−280ρ6+210ρ4−60ρ2+5)ρsinθ
Z36: 252ρ10−630ρ8+560ρ6−210ρ4+30ρ2−1
Z1: 1
Z2: ρcosθ
Z3: ρsinθ
Z4: 2ρ2−1
Z5: ρ2cos2θ
Z6: ρ2sin2θ
Z7: (3ρ2−2)ρcosθ
Z8: (3ρ2−2)ρsinθ
Z9: 6ρ4−6ρ2+1
Z10: ρ3cos3θ
Z11: ρ3sin3θ
Z12: (4ρ2−3)ρ2cos2θ
Z13: (4ρ2−3)ρ2sin2θ
Z14: (10ρ4−12ρ2+3)ρcosθ
Z15: (10ρ4−12ρ2+3)ρsinθ
Z16: 20ρ6−30ρ4+12ρ2−1
Z17: ρ4cos4θ
Z18: ρ4sin4θ
Z19: (5ρ2−4)ρ3cos3θ
Z20: (5ρ2−4)ρ3sin3θ
Z21: (15ρ4−20ρ2+6)ρ2cos2θ
Z22: (15ρ4−20ρ2+6)ρ2sin2θ
Z23: (35ρ6−60ρ4+30ρ2−4)ρcosθ
Z24: (35ρ6−60ρ4+30ρ2−4)ρsinθ
Z25: 70ρ8−140ρ6+90ρ4−20ρ2+1
Z26: ρ5cos5θ
Z27: ρ5sin5θ
Z28: (6ρ2−5)ρ4cos4θ
Z29: (6ρ2−5)ρ4sin4θ
Z30: (21ρ4−30ρ2+10)ρ3cos3θ
Z31: (21ρ4−30ρ2+10)ρ3sin3θ
Z32: (56ρ6−104ρ4+60ρ2−10)ρ2cos2θ
Z33: (56ρ6−104ρ4+60ρ2−10)ρ2sin2θ
Z34: (126ρ8−280ρ6+210ρ4−60ρ2+5)ρcosθ
Z35: (126ρ8−280ρ6+210ρ4−60ρ2+5)ρsinθ
Z36: 252ρ10−630ρ8+560ρ6−210ρ4+30ρ2−1
次に、収差多項式Σ(Mi・FMi)の表(3)に示す各項の収差関数FMiを、ツェルニケ多項式の表(4)に示す各項のツェルニケ関数Ziの線形結合の形態に変形し、これを収差多項式のための新たな収差関数、すなわちツェルニケ関数表現された収差関数FNiとして以下の表(5)に示す。なお、各項の収差関数FMiの変形に際しては、ρの次数およびθの次数が同じで且つsinおよびcosの種別が同じツェルニケ関数Ziを置換導入している。
また、各項の収差関数FMiを変形した結果、ある項の収差関数FNiが他の項の収差関数FNjを含む場合には、冗長性(redundancy)を避けるために、収差関数FNiから収差関数FNjに対応する部分を省略している。具体的には、最も単純な例としてFM2とZ4とを参照すると、第2項の収差関数FN2は初期的に(Z4−Z1)となるが、他の項(第1項)の収差関数FN1=Z1を含んでいるので、収差関数FN2から収差関数FN1に対応する部分Z1を省略して、収差関数FN2=Z4としている。
さらに、各項の収差関数FMiを変形した結果、ある項の収差関数FNiが他の項の収差関数FNjと一致する場合にも、冗長性を避けるために収差関数FNjの採用を省略している。具体的には、表(5)を参照すると、第39項および第40項の収差関数FN39およびFN40が第25項および第26項の収差関数FN25およびFN26とそれぞれ一致しているので、収差多項式Σ(Mi・FNi)において第39項および第40項の収差関数FN39およびFN40は用いられないことになる。
また、表(5)において、収差関数FN2〜FN8は回転対称収差成分Wrに対応し、収差関数FN9〜FN20は偏芯収差成分Wsに対応し、収差関数FN21〜FN40はアス(トーリック)収差成分Waに対応し、収差関数FN41〜FN46は三つ葉収差成分Wtに対応している。なお、表(5)では、第1項の収差関数FN1=Z1および第47項以降の収差関数FNiの表示を省略している。
本実施形態では、波面収差を収差多項式でフィッティング(近似)する際にフィッティング誤差を小さく抑えるために、収差多項式を像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する。この目的のため、本実施形態では、瞳極座標(ρ,θ)で表わされたツェルニケ関数Ziに対応させて、像面極座標(h,α)で表わされたツェルニケ関数Fiを導入する。第1項〜第36項にかかる像面座標でのツェルニケ関数F1〜F36を、次の表(6)に示す。
表(6)
F1: 1
F2: hcosα
F3: hsinα
F4: 2h2−1
F5: h2cos2α
F6: h2sin2α
F7: (3h2−2)hcosα
F8: (3h2−2)hsinα
F9: 6h4−6h2+1
F10: h3cos3α
F11: h3sin3α
F12: (4h2−3)h2cos2α
F13: (4h2−3)h2sin2α
F14: (10h4−12h2+3)hcosα
F15: (10h4−12h2+3)hsinα
F16: 20h6−30h4+12h2−1
F17: h4cos4α
F18: h4sin4α
F19: (5h2−4)h3cos3α
F20: (5h2−4)h3sin3α
F21: (15h4−20h2+6)h2cos2α
F22: (15h4−20h2+6)h2sin2α
F23: (35h6−60h4+30h2−4)hcosα
F24: (35h6−60h4+30h2−4)hsinα
F25: 70h8−140h6+90h4−20h2+1
F26: h5cos5α
F27: h5sin5α
F28: (6h2−5)h4cos4α
F29: (6h2−5)h4sin4α
F30: (21h4−30h2+10)h3cos3α
F31: (21h4−30h2+10)h3sin3α
F32: (56h6−104h4+60h2−10)h2cos2α
F33: (56h6−104h4+60h2−10)h2sin2α
F34: (126h8−280h6+210h4−60h2+5)hcosα
F35: (126h8−280h6+210h4−60h2+5)hsinα
F36: 252h10−630h8+560h6−210h4+30h2−1
F1: 1
F2: hcosα
F3: hsinα
F4: 2h2−1
F5: h2cos2α
F6: h2sin2α
F7: (3h2−2)hcosα
F8: (3h2−2)hsinα
F9: 6h4−6h2+1
F10: h3cos3α
F11: h3sin3α
F12: (4h2−3)h2cos2α
F13: (4h2−3)h2sin2α
F14: (10h4−12h2+3)hcosα
F15: (10h4−12h2+3)hsinα
F16: 20h6−30h4+12h2−1
F17: h4cos4α
F18: h4sin4α
F19: (5h2−4)h3cos3α
F20: (5h2−4)h3sin3α
F21: (15h4−20h2+6)h2cos2α
F22: (15h4−20h2+6)h2sin2α
F23: (35h6−60h4+30h2−4)hcosα
F24: (35h6−60h4+30h2−4)hsinα
F25: 70h8−140h6+90h4−20h2+1
F26: h5cos5α
F27: h5sin5α
F28: (6h2−5)h4cos4α
F29: (6h2−5)h4sin4α
F30: (21h4−30h2+10)h3cos3α
F31: (21h4−30h2+10)h3sin3α
F32: (56h6−104h4+60h2−10)h2cos2α
F33: (56h6−104h4+60h2−10)h2sin2α
F34: (126h8−280h6+210h4−60h2+5)hcosα
F35: (126h8−280h6+210h4−60h2+5)hsinα
F36: 252h10−630h8+560h6−210h4+30h2−1
実際の投影光学系の波面収差を像面座標および瞳座標の関数として表現する場合、後述するように、露光領域内の複数点において測定(あるいは光線追跡計算)により得られた波面収差をツェルニケ関数に近似し、更に本実施形態の収差多項式に近似して各収差成分を算出することになる。このとき、波面収差を収差多項式でフィッティングする際にフィッティング誤差を小さく抑えるには、表(5)に示された収差関数FNiの直交化が課題になる。
本実施形態では、像面が円形であり且つ最大像高を1に規格化することを条件として、たとえばグラム・シュミット直交化法により収差関数の直交化を行い、最終的に正規直交化された収差関数系列を導出する。すなわち、瞳座標でのツェルニケ関数Ziと像面座標でのツェルニケ関数Fiとにより正規直交関数系列TAi,TBi,TCi,およびTDiを表し、これらの正規直交関数系列TAi,TBi,TCi,およびTDiのみを用いて、次の式(g)に示すような収差多項式を像面座標および瞳座標の関数として設定する。
W=Σ(MAi×TAi+MBi×TBi+MCi×TCi
+MDi×TDi) (g)
+MDi×TDi) (g)
式(g)に示す収差多項式において、MAiおよびTAiは、回転対称収差成分Wrに関する各項の係数および直交化された収差関数である。MBiおよびTBiは、偏芯収差成分Wsに関する各項の係数および直交化された収差関数である。MCiおよびTCiは、アス(トーリック)収差成分Waに関する各項の係数および直交化された収差関数である。MDiおよびTDiは、三つ葉収差成分Wtに関する各項の係数および直交化された収差関数である。
次の表(7)および(8)に、回転対称収差成分Wrに関する各項の直交化収差関数TAiを示す。次の表(9)〜(12)に、偏芯収差成分Wsに関する各項の直交化収差関数TBiを示す。次の表(13)に、アス(トーリック)収差成分Waに関する各項の直交化収差関数TCiを示す。次の表(14)に、三つ葉収差成分Wtに関する各項の直交化収差関数TDiを示す。なお、直交化収差関数TAiでは第51項以降の関数の表示を、直交化収差関数TBiでは第131項以降の関数の表示を、直交化収差関数TCiでは第19項以降の関数の表示を、直交化収差関数TDiでは第7項以降の関数の表示をそれぞれ省略している。
こうして、本実施形態では、投影光学系PLの収差を像面座標と瞳座標との関数として表す収差多項式として、正規直交関数系列のみを用いた収差多項式(g)が最終的に設定される。なお、本実施形態では、収差多項式(g)における各項の収差関数として、9次(光線収差)までの回転対称収差成分を表現する関数、8次(光線収差)までの偏心収差成分を表現する関数、3次(光線収差)までのアス(トーリック)収差成分を表現する関数、2次(光線収差)までの三つ葉収差成分を表現する関数を例示的に算出しているが、同様な手法により、さらに高次の収差分布を表現する収差関数を算出することも可能である。
さらに、フォーカス成分をより正確に表現するためには、下記の通り、表(7)〜(13)中のZ4をデフォーカス収差D(次の式(h)で示す)で置換すると、各評価点でのフォーカス成分あるいは球面収差成分のフィッティング精度を向上させることができる。これは、特に高い開口数を有する結像光学系の評価の際に有効である。
D=(ρ2−1)1/2−1 (h)
D=(ρ2−1)1/2−1 (h)
次に、収差多項式(g)における収差関数の直交性、すなわち収差多項式(g)の特定項を構成する収差関数と対応する他の項を構成する収差関数との直交性を表す指標としての直交度の概念を導入する。一般に、表(7)〜表(14)を参照して明らかなように、任意の収差関数FZnは、Gn(h,α)Zk(ρ,θ)+Hn(h,α)Zk+1(ρ,θ)の形で表される。ここで、FZnは収差関数TAi,TBi,TCi,TDiのうちの1つに対応し、GnおよびHnはゼロまたは像面極座標(h,α)でのツェルニケ関数±F1〜F36のうちの1つにそれぞれ対応し、Zkは瞳極座標(ρ,θ)でのツェルニケ関数Z1〜Z36のうちの1つに対応している。
すなわち、収差多項式(g)の特定項である収差関数FZmは次の式(j)で表され、上記特定項に対応する(上記特定項と同じツェルニケ関数ZkおよびZk+1を含む)他の項である収差関数FZnは次の式(k)で表される。
FZm≡Gm(h,α)Zk(ρ,θ)+Hm(h,α)Zk+1(ρ,θ) (j)
FZn≡Gn(h,α)Zk(ρ,θ)+Hn(h,α)Zk+1(ρ,θ) (k)
FZm≡Gm(h,α)Zk(ρ,θ)+Hm(h,α)Zk+1(ρ,θ) (j)
FZn≡Gn(h,α)Zk(ρ,θ)+Hn(h,α)Zk+1(ρ,θ) (k)
本実施形態では、収差多項式(g)の特定項である収差関数FZmと上記特定項に対応する他の項である収差関数FZnとの直交度v(m,n)を、次の式(p)を用いて定義する。
v(m,n)=<FZmFZn>/(|FZm||FZn|) (p)
v(m,n)=<FZmFZn>/(|FZm||FZn|) (p)
ただし、直交度v(m,n)を定義する式(p)において、<FZmFZn>、|FZm|および|FZn|、次の式(q)、(r)および(s)でそれぞれ表される。
前述したように、露光装置に用いられる投影光学系PLの場合、像面上における有効結像領域(実効露光領域または静止露光領域)は矩形状(一般的には光軸AXに関して回転非対称な形状)であることが多く、実際に波面収差を測定する像面上の測定点すなわち評価点は有限個である。このため、たとえば矩形状の有効結像領域における離散点に対して得られる収差多項式の収差関数が直交化しているとは限らない。
そこで、一例として、図3(a)に示すように、光軸AXを中心とする単位円にほぼ内接する長方形状の有効結像領域(不図示)を想定し、この長方形状の有効結像領域内においてほぼ規則的に分布する37個の評価点を設定した。そして、図3(a)に示すように分布する37個の評価点に対して得られる収差多項式の収差関数の直交度v(m,n)を求め、収差多項式の収差関数の直交性、すなわち収差多項式の特定項を構成する収差関数と対応する他の項を構成する収差関数との直交性について検証した。
次の表(15)に、図3(a)に示す37個(i=1〜37)の評価点の座標(y,z)を示す。表(15)を参照して明らかなように、37個のうちの33個の評価点は、y軸に平行に且つ等間隔に配置された11本の直線とz軸に平行に且つ等間隔に配置された3本の直線との交点にそれぞれ位置決めされ、y軸およびz軸に関して対称に分布している。一方、残りの4個の評価点は、上記33個の評価点のうちの四隅の評価点に近接して僅かに外側に位置決めされている。
また、次の表(16)に、図3(a)に示す37個の評価点に対して得られた収差多項式の収差関数の直交度v(m,n)の一部を示す。表(16)に示す収差関数TA2,TA4,TA9,・・・,TA32,TB7,・・・TB78,TC9,TC10は、表(7)〜表(13)に示すように、瞳極座標(ρ,θ)でのツェルニケ関数としてZ4のみを含む収差関数である。換言すれば、表(16)は、瞳極座標(ρ,θ)でのツェルニケ関数としてZ4のみを含む収差関数に着目して、各収差関数間の直交度v(m,n)を示している。
表(16)を参照すると、たとえば収差関数TA2と他の収差関数TB7,TB8,TB17,TB18,TB39,TB40,TB77,TB78,TC10との間の直交度v(m,n)が0であり、収差関数TA2はこれらの収差関数と完全に直交していることがわかる。また、収差関数TA2と他の収差関数TA4,TA9,TA18,TA32,TC9との間の直交度v(m,n)が0ではない値になっており、収差関数TA2はこれらの収差関数と完全に直交していないことがわかる。
したがって、たとえば図3(a)に示す37個の評価点に対して得られる収差多項式において収差関数TA2の係数が0ではなく収差関数TA2以外の他の収差関数の係数が0であっても、収差関数TA2と完全に直交していない収差関数TA4,TA9,TA18,TA32およびTC9の成分は測定された波面収差に含まれる可能性があり、収差関数TA2と完全に直交している収差関数TB7,TB8,TB17,TB18,TB39,TB40,TB77,TB78およびTC10の成分は測定された波面収差に含まれないと評価することができる。
同様に、同じツェルニケ関数ZkおよびZk+1を含む収差関数に着目し、各収差関数間の直交度v(m,n)を示す表を参照して、任意の収差関数について対応する他の収差関数との直交性を検証することができる。こうして、たとえば矩形状の有効結像領域における離散点に対して得られる収差多項式の収差関数が直交していなくても、任意の収差関数について対応する他の収差関数との直交度v(m,n)を参照して各収差関数の直交性に留意しつつ、投影光学系PLの波面収差を解析的に正しく評価することができる。
図4は、本実施形態における投影光学系PLの評価方法および調整方法の工程を示すフローチャートである。図4を参照すると、本実施形態では、投影光学系PLの波面収差を像面座標と瞳座標との関数として表す収差多項式(g)を正規直交関数系列のみを用いて設定する(S11)。次いで、投影光学系PLの像面における複数点、たとえば図3(a)に示すように矩形状の有効結像領域において分布する37個の評価点について、その波面収差を測定する(S12)。
なお、投影光学系PLの波面収差の測定に際しては、たとえば米国特許第5,898,501号(特開平10−38757号および特開平10−38758号に対応)に開示されたフィゾー型干渉計を用いることができる。また、特開2000−97617号に開示されたPDI(ポイントデフラクション干渉計)や、特開平10−284368号および米国特許第4,309,602号荷開示された位相回復法や、WO99/60361号、WO00/55890号、および特願2000−258085号に開示されたS/H(シャック・ハルトマン)法や、米国特許第5,828,455号及び米国特許第5,978,085号に開示されたLitel Instruments Inc.社の手法などを用いることもできる。
さらに、特開2000−146757号に開示されたハーフトーン位相シフトマスクを用いる手法や、特開平10−170399号、 Jena Review 1991/1, pp8-12 "Wavefront analysis of photolithographic lenses" Wolfgang Freitag et al., Applied Optics Vol. 31, No.13, May 1, 1992, pp2284‐2290. "Aberration analysis in aerial images formed by lithographic lenses", Wolfgang Freitag et al.、および特開2002−22609号に開示されているように、瞳内の一部を通過する光束を用いる手法などを用いることもできる。なお、上述の説明では、干渉計などを用いて投影光学系PLの波面収差を測定しているが、たとえば光線追跡により投影光学系PLの波面収差を算出することもできる。
次いで、本実施形態では、収差獲得工程(S12)で得られた波面収差を、瞳座標の関数としてのツェルニケ多項式で近似する(S13)。具体的には、37個の評価点について得られた波面収差をツェルニケ多項式でフィッティングし、各項のツェルニケ係数Ciを各評価点について算出する。次に、近似工程(S13)で得られたツェルニケ多項式における各項のツェルニケ係数Ciに基づいて、本実施形態の収差多項式(g)における各項の係数MAi,MBi,MCi,およびMDiを決定する(S14)。
具体的には、たとえば特定項のツェルニケ関数Ziに着目し、対応するツェルニケ係数Ciの像面内分布(各評価点における係数Ciの分布)に基づいて、収差多項式(g)における特定項の係数MAi,MBi,MCi,およびMDiを、たとえば最小二乗法を用いて決定する。さらに、他の特定項のツェルニケ関数Ziに着目し、対応するツェルニケ係数Ciの像面内分布に基づいて、収差多項式(g)における他の項の係数MAi,MBi,MCi,およびMDiを、たとえば最小二乗法を用いて順次決定する。
こうして、本実施形態では、表(7)〜(14)に規定された直交化関数TAi,TBi,TCi,およびTDiと、決定工程(S14)で決定された係数MAi,MBi,MCi,およびMDiとに基づいて、投影光学系PLの収差の瞳内分布および像面内分布を同時に表現する収差多項式が最終的に得られる。次いで、投影光学系PLの矩形状の有効結像領域において分布する37個の評価点に対して得られた収差多項式の各収差関数間の直交度v(m,n)を上述の手法にしたがって求め、求めた各収差関数間の直交度v(m,n)に基づいて、収差多項式の任意の特定項である収差関数とこの特定項に対応する他の項である収差関数との直交性を評価する(S15)。
最後に、本実施形態の評価方法(S11〜S15)により得られた投影光学系PLの収差情報(すなわち最終的に得られた収差多項式の各収差関数の係数に関する情報)および直交性評価工程S15の評価結果(すなわち収差多項式の各収差関数間の直交度v(m,n)に関する情報)に基づいて、投影光学系PLを光学調整する(S16)。このとき、任意の収差関数について対応する他の収差関数との直交度v(m,n)を参照して各収差関数の直交性に留意し、収差多項式の各収差関数の係数情報だけに頼って投影光学系PLの波面収差を誤って評価することなく、収差多項式の各収差関数の係数と各収差関数の直交性とに基づいて投影光学系PLの波面収差を解析的に正しく評価する。
本実施形態では、投影光学系PLの収差の瞳内分布および像面内分布を同時に表現する収差多項式(g)を用いることにより、投影光学系PLの収差成分を解析的に分解することが可能になり、コンピュータを使って試行錯誤的に数値最適化を行う従来の手法に比して、修正解すなわち光学調整方法および光学調整量を迅速に且つ正確に算出することが可能になる。つまり、収差多項式(g)により投影光学系PLの収差状況の特徴を把握し易くなるので、光学調整の見通しが立て易くなることが期待できる。
さらに、設計段階での各種誤差解析において、従来は自動修正を使った手法が多用されているが、本実施形態の収差多項式(g)を用いることにより、投影光学系PLの収差状況が一義的に求まるので、簡便で且つ正確な解析を期待することができる。また、正規直交関数系列TAi,TBi,TCi,およびTDiのみを用いて設定された本実施形態の収差多項式(g)を用いることにより、波面収差を収差多項式(g)でフィッティングする際にフィッティング誤差を小さく抑えることができる。
とりわけ、本実施形態では、任意の収差関数について対応する他の収差関数との直交度v(m,n)を参照して各収差関数の直交性に留意し、収差多項式の各収差関数の係数と各収差関数の直交性とに基づいて投影光学系PLの波面収差を解析的に正しく評価することができる。その結果、投影光学系PLの解析的な正しい評価に基づいて、投影光学系PLを良好に光学調整することができ、ひいては良好に光学調整された投影光学系PLを用いて良好な投影露光を行うことができる。
なお、上述の実施形態では、計算の煩雑さを避けつつ投影光学系PLの収差を十分に表現できるように収差多項式(g)の導出において次数を制限しているが、本発明の収差多項式の導出方法では必要に応じて次数をさらに高めることができる。また、上述の実施形態では、収差多項式(g)の導出に際して、回転対称収差成分Wrと偏芯収差成分Wsとアス(トーリック)収差成分Waと三つ葉収差成分Wtとを考慮しているが、これに限定されることなく、他の適当な収差成分なども必要に応じて考慮することができる。
ところで、上述の実施形態では、図3(a)に示すように長方形状の有効結像領域内においてほぼ規則的に分布する37個の評価点に対して得られる収差多項式の収差関数の直交度v(m,n)を求め、求めた直交度v(m,n)に基づいて収差多項式の収差関数の直交性について検証している。以下、直交性の程度の比較のために、図3(b)に示すように、光軸AXを中心とする単位円にほぼ内接する長方形状の有効結像領域内において規則的に分布する85個の評価点を設定し、これらの85個の評価点に対して得られる収差関数の直交性について検証する。
次の表(17)に、図3(b)に示す85個(i=1〜85)の評価点の座標(y,z)を示す。表(17)を参照して明らかなように、これらの85個の評価点は、y軸に平行に且つ等間隔に配置された17本の直線とz軸に平行に且つ等間隔に配置された5本の直線との交点にそれぞれ位置決めされ、y軸およびz軸に関して対称に分布している。
また、次の表(18)に、図3(b)に示す85個の評価点に対して得られた収差多項式の収差関数の直交度v(m,n)の一部を示す。表(18)は、表(16)と同様に、瞳極座標(ρ,θ)でのツェルニケ関数としてZ4のみを有する収差関数に着目して、各収差関数間の直交度v(m,n)を示している。
表(18)を参照すると、表(16)の場合と同様に、たとえば収差関数TA2と他の収差関数TB7,TB8,TB17,TB18,TB39,TB40,TB77,TB78,TC10との間の直交度v(m,n)が0であり、収差関数TA2はこれらの収差関数と完全に直交していることがわかる。また、表(16)の場合と同様に、収差関数TA2と他の収差関数TA4,TA9,TA18,TA32,TC9との間の直交度v(m,n)が0ではない値になっており、収差関数TA2はこれらの収差関数と完全に直交していないことがわかる。ただし、0でない直交度v(m,n)の値が、表(16)の場合と表(18)の場合とでは異なっている。
ここで、任意の収差関数が対応する他の収差関数と完全に直交していれば、表(16)や表(18)と同様に作成されるこの種の表における非対角位置の直交度v(m,n)はすべて0になるはずである。したがって、たとえば非対角位置の直交度v(m,n)の絶対値の平均値を比較することにより、評価点の分布と収差関数の直交性の程度との関係を判断することができる。具体的に、37個の評価点に対する表(16)における非対角位置の直交度v(m,n)の絶対値の平均値は0.11であり、85個の評価点に対する表(18)における非対角位置の直交度v(m,n)の絶対値の平均値は0.075である。
こうして、非対角位置の直交度v(m,n)の絶対値の平均値の比較により、図3(b)に示すように分布する85個の評価点を設定する方が、図3(a)に示すように分布する37個の評価点を設定するよりも、ツェルニケ関数としてZ4のみを含む各収差関数の直交性が高くなることがわかる。換言すると、たとえば様々な分布にしたがう評価点に対して得られた表における非対角位置の直交度v(m,n)の絶対値の平均値などに基づいて(すなわち特定項である収差関数と対応する他の項である収差関数との直交性を表す指標の平均値に基づいて)、収差多項式の収差関数の直交性が高まるように(この場合には非対角位置の直交度v(m,n)の絶対値の平均値ができるだけ小さくなるように)有効結像領域における評価点の分布を最適化することができる。
上述の実施形態の露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図5のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図5のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図6のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図6において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
なお、上述の実施形態では、露光装置に搭載された投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、他の一般的な結像光学系に対して本発明を適用することもできる。また、上述の実施形態では、いわゆるスキャン露光型の露光装置に搭載された投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、一括露光型の露光装置に搭載された投影光学系に対して本発明を適用することもできる。
さらに、上述の実施形態では、157nmの波長光を供給するF2 レーザー光源を用いているが、これに限定されることなく、たとえば248nmの波長光を供給するKrFエキシマレーザー光源や、193nmの波長光を供給するArFエキシマレーザー光源などの深紫外光源、146nmの波長光を供給するKr2 レーザー光源や126nmの波長光を供給するAr2 レーザー光源などの真空紫外光源、またg線(436nm)やi線(365nm)を供給する水銀ランプなどを用いることもできる。
LS 光源
IL 照明光学系
R レチクル
RS レチクルステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
IL 照明光学系
R レチクル
RS レチクルステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
Claims (20)
- 収差多項式を用いて結像光学系の収差を評価する方法において、
前記収差多項式を前記結像光学系の像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する設定工程と、
前記結像光学系の像面上の所定形状の有効結像領域における複数の点について前記結像光学系の波面収差を得る収差獲得工程と、
前記収差獲得工程で得られた前記波面収差を瞳座標の関数としての所定の多項式で近似する近似工程と、
前記近似工程で得られた前記所定の多項式における各項の係数に基づいて前記収差多項式の各項の係数を決定する決定工程と、
前記収差多項式の少なくとも1つの特定項と該特定項に対応する他の項との直交性を評価する直交性評価工程とを含むことを特徴とする評価方法。 - 前記有効結像領域は、前記結像光学系の光軸に関して回転非対称な形状であることを特徴とする請求項1に記載の評価方法。
- 前記有効結像領域は矩形状であることを特徴とする請求項2に記載の評価方法。
- 前記直交性評価工程の評価結果に基づいて、前記特定項と前記他の項との直交性を高めるために前記有効結像領域における評価点の分布を最適化する最適化工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の評価方法。
- 前記最適化工程では、前記特定項と前記他の項との直交性を表す指標の平均値に基づいて前記評価点の分布を最適化することを特徴とする請求項4に記載の評価方法。
- 前記収差獲得工程では、前記最適化工程で最適化された前記評価点の分布に基づく複数の点について前記結像光学系の波面収差を獲得し直すことを特徴とする請求項4または5に記載の評価方法。
- 前記設定工程は、瞳座標でのツェルニケ関数と像面座標でのツェルニケ関数とにより前記正規直交関数系列を表す工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の評価方法。
- 前記直交性評価工程において、前記収差多項式の前記特定項と前記他の項とは同じツェルニケ関数を含むことを特徴とする請求項7に記載の評価方法。
- 前記所定の多項式はツェルニケ多項式を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の評価方法。
- 前記決定工程は、前記近似工程で得られた前記所定の多項式における各項の係数の像面内分布を前記像面座標の関数としての所定の多項式で近似する第2の近似工程を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記載の評価方法。
- 前記収差獲得工程は、前記結像光学系の波面収差を測定する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の評価方法。
- 前記収差獲得工程は、前記結像光学系の波面収差を光線追跡により算出する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の評価方法。
- 結像光学系の像面上の所定形状の有効結像領域における複数の点について得られた波面収差に基づいて、収差多項式を用いて前記結像光学系の収差を評価する方法において、
前記収差多項式を前記結像光学系の像面座標および瞳座標の関数として正規直交関数系列のみを用いて設定する設定工程と、
前記得られた波面収差を瞳座標の関数としての所定の多項式で近似する近似工程と、
前記近似工程で得られた前記所定の多項式における各項の係数に基づいて前記収差多項式の各項の係数を決定する決定工程と、
前記収差多項式の少なくとも1つの特定項と該特定項に対応する他の項との直交性を評価する直交性評価工程とを含むことを特徴とする評価方法。 - 前記有効結像領域は、前記結像光学系の光軸に関して回転非対称な形状であることを特徴とする請求項13に記載の評価方法。
- 前記有効結像領域は矩形状であることを特徴とする請求項14に記載の評価方法。
- 前記設定工程は、瞳座標でのツェルニケ関数と像面座標でのツェルニケ関数とにより前記正規直交関数系列を表す工程を含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の評価方法。
- 前記直交性評価工程において、前記収差多項式の前記特定項と前記他の項とは同じツェルニケ関数を含むことを特徴とする請求項16に記載の評価方法。
- 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の評価方法により得られた前記結像光学系の収差情報および前記直交性評価工程の評価結果に基づいて前記結像光学系を光学調整することを特徴とする調整方法。
- マスクのパターンを感光性基板に投影露光するための投影光学系として、請求項18に記載の調整方法により光学調整された結像光学系を備えていることを特徴とする露光装置。
- 請求項18に記載の調整方法により光学調整された結像光学系を用いて、マスクに形成されたパターンの像を感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法。
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