JP2006084565A - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
像担持体の表面に形成されたマーク像を検出手段により読み込むことにより位置ずれ及び濃度誤差の補正を行う際、スキューずれと濃度誤差等の相反する特性を高精度で検出することができるカラー画像形成装置を提供する。
【解決手段】
画像データ信号に応じ各色のトナー像が感光体に形成される複数の作像手段と、前記感光体から各色のトナー像が多重転写される像担持体と、前記像担持体に各色のマーク像を転写させる補正モード制御部と、各色のマーク像を読み込む第1及び第2検出手段と、これら検出手段の検出信号から検出情報を抽出する検出情報抽出部と、作像条件を補正する条件補正部とから構成されるカラー画像形成装置において、前記第1検出手段は前記像担持体の主走査方向端部近傍に配置される一方、前記第2検出手段は前記像担持体の中心線に対し、前記第1検出手段とは非対称となる位置に配置されることを特徴とするものである。
【選択図】 図10

Description

本発明は、像担持体の表面に形成されるマーク像を検出手段により読み込み、記録画像の位置ずれ及び濃度誤差補正を行うカラー画像形成装置における画像領域に対する検出手段の配置位置に関する。
特開平8−248721号公報
近年、電子写真方式のカラー画像形成装置では高い生産性を達成するため、タンデム方式が採用されているものが主流となっている。このタンデム方式では、各色の感光体に形成されたトナー像が像担持体上へ多重転写され、この多重転写された記録画像が像担持体から記録シートへ転写されるものと、転写搬送体による記録シートの搬送経路の対向位置に各色の感光体が配設され、記録シートが搬送されると共に順次各色のトナー像が記録シートへ多重転写され、記録画像が形成されるものとがある。何れのものであっても、露光装置、感光体、像担持体、そして転写搬送体のアライメントのずれ等により、各色のトナー像が相対的にずれた位置に記録シートへ転写され、記録画像に位置ずれが発生することがあるため、このような位置ずれの補正を行うことが不可欠である。
この位置ずれ補正を行う方法としては、一般的に像担持体や転写搬送体等の表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のマーク像を連続して複数個形成し、これらマーク像の位置をセンサにより検出し、位置ずれを補正する方法がある(特開平8−248721号公報)。この方法においては、センサでの検出結果から各色の成分ごとの平均値が求められることにより、各色の位置ずれ量が算出され、この位置ずれ量に基づきROS、LEDアレイやレーザアレイ等の作像手段へ画像の描きこみタイミングがフィードバックされている。
マーク像を検出するセンサとしては、CCDセンサ、Bi−Cell型フォトセンサ、1チャンネルのフォトセンサなど幾つかのタイプがある。そして、これらセンサのうち、CCDセンサ及びBi−Cell型フォトセンサについては、検出精度は高いがやや高価であるためコスト高の要因となってしまう。そのため、普及価格帯におけるタンデム方式(以下「普及価格帯タンデム機」という)では、一般的に1チャンネルのフォトセンサで位置ずれ検出及び濃度誤差検出両方の機能を兼ね備えた位置ずれ検出及び濃度誤差検出共用センサ(以下「共用センサ」という)が普及している。
この普及価格帯タンデム機の場合、位置ずれ検出用センサは2つ、そして、濃度誤差検出用センサは1つあれば問題は無く、低コスト化及び省スペース化を実現させるという観点からすると、共用センサ1つと、位置ずれ検出専用センサ1つとの計2つのセンサを装備するのがよい。しかし、位置ずれ検出においては、スキューずれや主走査倍率ずれを精度良く検出するために、センサを画像領域両端の近傍2箇所に配置することが要求されるのに対し、像担持体の主走査方向の中心点を通り、かかる像担持体の副走査方向に平行な像担持体の中心線に対し、記録シートが左右対称となる位置に設定されている(以下「センター位置合わせ」という)場合の濃度誤差検出においては、センサを画像領域中央付近に配置することが要求される。つまり、位置ずれ検出と、濃度誤差検出とで共用センサの配置位置の要求が異なる。
図13は、センター位置合わせを適用している場合における濃度誤差検出の精度向上に重きをおいたセンサ配置を示している。本図において像担持体100の中央部に配置されているセンサ101aは共用センサ、そして、像担持体100の一方の主走査方向端部に配置されているセンサ101bは位置ずれ検出専用センサであり、それぞれ像担持体100の主走査方向の中心を示している中心線C上及び点線W1上のマーク像を読み込むことができる構成となっている。そして、点線W0は、中心線Cに対し点線W1と対称な位置を示している。
このセンサ101a、101bの配置では、点線W0〜中心線C間と、中心線C〜点線W1間との左右部分倍率差によって、点線W0〜点線W1の全倍率差の検出精度が悪化してしまう。
次に、像担持体100上に形成されている像担持体100の主走査方向に平行な直線Lと、曲線Qとをセンサ101a、101bにより検出する様子を示しているのが図14である。本図において像担持体100の中央部に配置されているセンサ101aは共用センサ、そして、像担持体100の一方の主走査方向端部に配置されているセンサ101bは位置ずれ検出専用センサであり、それぞれ像担持体100の主走査方向の中心を示している中心線C上及び点線W1上のマーク像を読み込むことができる構成となっている。そして、点線W0は、中心線Cに対し点線W1と対称な位置を示している。
ここで、曲線Qは直線Lに対し、像担持体100の副走査方向に、所謂スキューずれとBOWずれを起こしている。そのため、センサ101a、101bで曲線Qのスキューずれを検出した場合、BOWずれの影響で、中心線C上のスキューずれは点線W1上におけるずれ量(本図の場合ゼロ)との関係から点線W0上ではK2のスキューずれとして検出される。従って、点線W0上での真のスキューずれK1に対して、誤ったスキューずれK2が検出されるため検出誤差が生じ、検出精度が低くなってしまう。
以上説明した通り、図13及び図14におけるセンサの配置では、センター位置合わせが適用されている場合、画像領域の中央付近に共用センサを配置することにより、高精度な濃度誤差検出を行うことができる。しかし、この共用センサと、像担持体の一方の主走査方向端部に配置されている位置ずれ専用センサとで主走査倍率ずれやスキューずれを検出した場合には、その検出精度が低下してしまう。逆に、共用センサを像担持体の一方の主走査方向端部に配置した場合には、位置ずれ検出の精度は向上するものの、濃度誤差検出の精度が低下してしまう。つまり、濃度誤差と、スキューずれや主走査倍率ずれといった位置ずれとの相反する特性の検出を満足させるセンサ配置が難しく、これら両特性を高い精度で検出することは困難であるという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像担持体の表面に形成されたマーク像を検出手段により読み込むことにより位置ずれ及び濃度誤差の補正を行う際、スキューずれ等と濃度誤差の読み取り位置によって、相反する特性を高精度で検出することができるカラー画像形成装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明のカラー画像形成装置は、画像データ信号に応じ各色のトナー像が感光体の表面に形成される複数の作像手段と、前記感光体から各色のトナー像が多重転写される像担持体と、各作像手段へ信号を送り、前記像担持体の表面に画像の位置ずれ及び濃度誤差を補正するための各色のマーク像を順次転写させる補正モード制御部と、各色のマーク像を光学的に読み込む第1検出手段及び第2検出手段と、これら検出手段の検出信号から各色トナー像の位置ずれ情報及び濃度誤差情報の双方を抽出する検出情報抽出部と、前記位置ずれ情報及び濃度誤差情報に応じ各作像手段におけるトナー像の作像条件を補正する条件補正部とから構成されるカラー画像形成装置において、前記第1検出手段は前記像担持体における何れかの主走査方向端部近傍に配置される一方、前記第2検出手段は前記像担持体の副走査方向に平行な中心線に対し、前記第1検出手段と非対称となる位置に配置されることを特徴とするものである。
このような本発明の画像形成装置において、前記作像手段は、前記像担持体に各色の画像を多重転写させることができるものであればよく、電子写真方式用いた画像形成装置に用いられている作像手段を適用することが好ましいが、各色の画像を重ね合わせてフルカラー画像を形成する装置ならば、電子写真方式に限らない。また、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの4色以外にもコーポレートカラーなどの特色を加えた構成とすることもできる。
前記像担持体としては、タンデム方式のカラー画像形成装置において各色の感光体表面に形成される記録画像が多重転写される中間転写体ベルトを適用することができる。または、記録シートを静電吸着し搬送する搬送ベルトの対向位置に各色の感光体を配設し、前記記録シートの搬送と共に順次各色の記録画像が当該記録シートへ静電転写される搬送ベルトを適用することも可能である。
前記補正モード制御部は、前記マーク像の検出が必要となった際、各色の前記作像手段へマーク像を前記像担持体表面へ転写させるための画像データ信号を送るように設定されていればよい。そして、前記マーク像の形成位置は前記像担持体の対向位置に配設されている検出手段の読み込み位置に対応させることが好ましい。
前記像担持体に形成された前記マーク像を検出する前記第1検出手段及び第2検出手段は、発光素子と受光素子とを組み合わせ、該マーク像を発光素子により照射した際に、受光素子へマーク像からの反射光またはマーク像を透過した透過光を入射できる位置に配置されているものであれば差し支えない。本発明において、前記第1検出手段は、前記像担持体の何れかの主走査方向端部近傍に配置されていればよい。そして、前記第1検出手段は、位置ずれ検出専用として機能させることが好ましい。また、スキューずれや主走査倍率ずれは、位置ずれ検出可能な検出手段を2個使用することによりはじめて検出できることから、前記第2検出手段は、位置ずれ検出が可能であり、且つ、濃度誤差も検出するため、位置ずれ検出及び濃度誤差検出共用として機能させるのがよい。更に、前記第2検出手段は、前記像担持体の主走査方向の中心点を通り、かかる像担持体の副走査方向に平行な中心線に対し、前記第1検出手段とは反対側で、尚且つ、前記第1検出手段と非対称となる位置に配置されているのがよい。この前記第1検出手段及び前記第2検出手段の配置位置は、位置ずれ検出及び濃度誤差検出共に、多少検出精度が犠牲になるものの、2つの検出手段であっても最低限の精度を保ちつつ位置ずれ検出及び濃度誤差検出を両立することが可能である。
前記検出情報抽出部は、前記第1検出手段及び前記第2検出手段により検出された出力信号の間隔や出力値より演算処理を行い、前記像担持体表面に形成された前記マーク像を検出できるものであり、その検出結果を条件補正部へ送るものであればよい。具体的には、検出された出力信号の間隔により位置ずれを、そして、検出された出力値により濃度誤差を検出するものとなっている。
前記条件補正部は、前記検出手段の検出結果から導き出された各色トナー像の位置ずれ情報及び濃度誤差情報に基づき、前記作像手段により前記像担持体表面に形成される記録画像の作像位置を補正し、この補正された作像位置を記録画像へ反映させるため、前記作像手段へ作像位置を調整するために補正された信号を出力できるものであれば差し支えない。
画像形成装置において、前記像担持体の主走査方向の幅に対する前記記録シートの位置合わせには、センター位置合わせの他に、記録シートの搬送方向と直交する搬送経路の主走査方向幅の一方の端に、全ての記録シートの一辺を寄せて設定させる(以下「サイド位置合わせ」という)ものがある。尚、サイド位置合わせが適用されている場合において、記録シートの一辺が合わせられている前記像担持体の主走査方向端部を基準側とする。
ここで、記録シートの位置合わせとしてサイド位置合わせが適用されている場合には、前記第2検出手段の配置位置は、記録シートにおける基準側の主走査方向端部近傍に設定するのがよい。これにより、前記第2検出手段は如何なるサイズの記録シートに対しても常に当該記録シートの画像領域内において前記マーク像を読み込むことができ、高精度で位置ずれ及び濃度誤差の検出をすることが可能となる。
画像形成装置において、スキューずれを正確に検出するためには、前記像担持体の主走査方向の両端部で前記マーク像を読み込み、それぞれの読み込み位置での位置ずれ量からスキューずれを検出するのが好ましい。しかし、本発明の前記第2検出手段の配置位置では、前記像担持体の主走査方向の両端部で前記マーク像を読み込みスキューずれを検出する場合と比較して、スキューずれの検出精度が低くなる。そこで、前記第2検出手段に、当該第2検出手段を前記像担持体の主走査方向幅領域内を主走査方向に移動させる移動手段を備えるとよい。そして、前記条件補正部に各読み込み位置での検出結果を記憶する記憶部を備えるとよい。これにより、前記第2検出手段を前記像担持体の主走査方向の端部に移動させて検出したスキューずれと、前記第2検出手段の配置位置において検出したスキューずれとの差を予め前記記憶部に記憶させ、検出結果に、この記憶された情報を加味してスキューずれを補正することにより、前記第2検出手段の配置位置によるスキューずれの検出精度の低下を解消させることが可能となる。
また、記録シートの位置合わせとしてセンター位置合わせが適用されている場合、濃度誤差は記録シートの画像領域の中央部で検出することが好ましい。しかし、この場合において、本発明の前記第2検出手段の配置位置では記録シートの画像領域の中央部で濃度誤差を検出することができないため、検出誤差が生じる。そこで、前記第2検出手段を記録シートの画像領域の中央部に移動させ検出した濃度誤差と、前記第2検出手段の配置位置において検出した濃度誤差との差を前記記憶部に記憶させるとよい。これにより、前記第2検出手段の配置位置において検出された濃度誤差に、前記記憶部に記憶された情報を加味することにより高精度の補正を行うことができる。
前記第2検出手段を移動させてマーク像を検出するタイミングについては、工場出荷時やサービスモード時といった画像形成装置の調整時、或いは、トナーカートリッジや中間転写体ベルト等といった消耗部品を交換した時等が好ましい。そして、予めスキューずれ、BOWずれ、リニアリティずれ、主走査倍率バランスずれ、主走査部分倍率ずれ及び画像領域における濃度分布等を記憶させるのがよい。これにより、前記記憶部に記憶されている各検出情報と、新たに検出された検出情報とを比較し、その差に基づき上記特性並びに位置ずれ及び/または濃度誤差を補正することができる。
以上のように構成される本発明のカラー画像形成装置によれば、像担持体の表面に形成されたマーク像を検出手段により読み込むことにより位置ずれ及び濃度誤差の補正を行う際、スキューずれ等と濃度誤差の読み取り位置によって、相反する特性を高精度で検出することが可能となる。
以下添付図面に基づいて本発明のカラー画像形成装置を詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される電子写真方式を用いたカラー画像形成装置の概略構成図である。本概略構成図は、接触帯電器で感光体表面を帯電した後、レーザ光線の照射により静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像するゼログラフィエンジンをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色について備えたタンデム型のカラー電子写真方式の画像形成装置のIOT(イメージアウトプットターミナル:画像出力部)の概要が示されている。尚、図中では画像形成装置の画像読取部や画像処理部などは省略している。
この画像形成装置のIOTは、図中矢印Aの方向にて回転する4つの感光体1Y、1M、1C、1Kと、この各感光体の表面を帯電する接触帯電器2Y、2M、2C、2Kと、帯電された各感光体表面を各色の画像情報に基づいて変調された露光光により露光し、各感光体上に静電潜像を形成するROS(レーザ出力部)3Y、3M、3C、3Kと、各感光体上の静電潜像を各色現像剤で現像して感光体上にトナー像を形成する現像器4Y、4M、4C、4Kと、感光体上の各色トナー像を中間転写体ベルト6に転写する一次転写器5Y、5M、5C、5Kと、中間転写体ベルト6上のトナー像を用紙Pに転写する二次転写器7と、用紙Pに転写されたトナー像を定着する定着器9と、用紙Pを収納する用紙トレイTと、各感光体の表面をクリーニングするクリーナ(図示せず)と、各感光体表面の残留電荷を除去する除電器(図示せず)と、中間転写体ベルト6表面に転写されたマーク像を検出するフォトセンサ10と、中間転写体ベルト6表面をクリーニングするベルトクリーナ8とから構成されている。
本構成図に示されている画像形成装置における画像形成動作としては、先ず、画像読取部(図示せず)で原稿から読み取られた原画像信号、或いは外部のコンピュータ(図示せず)などで作成された原画像信号は画像処理部(図示せず)に入力される。この入力画像信号は、各色の画像情報に分解された後、ROS(レーザ出力部)3Y、3M、3C、3Kに入力され、レーザ光線Lが変調される。そして、この変調されたレーザ光線Lは、接触帯電器2Y、2M、2C、2Kにより一様帯電された感光体1Y、1M、1C、1Kの表面に照射される。この各感光体表面にレーザ光線Lがラスタ照射されると、各感光体上にはそれぞれ入力画像信号に対応した静電潜像が形成される。続いて、各色現像器4Y、4M、4C、4Kにより各感光体上の静電潜像がトナーにより現像され、各感光体上にトナー像が形成される。各感光体上に形成されたトナー像は、各一次転写器5Y、5M、5C、5Kにより中間転写体ベルト6に転写される。この中間転写体ベルト6へトナー像の転写が終了した各感光体は、クリーナにより表面に付着した残留トナーなどの付着物がクリーニングされ、除電器により残留電荷が除去される。
次に、中間転写体ベルト6上のトナー像は、二次転写器7により、用紙トレイから送られてくる用紙P上に転写された後、定着器9により用紙P上に転写されたトナー像が定着され所望の画像が得られる。用紙P上へのトナー像の転写が終了した中間転写体ベルト6は、ベルトクリーナ8により表面に付着した残留トナーなどの付着物がクリーニングされ、一回の画像形成動作が終了する。
電子写真方式のカラー画像形成装置においては、温度・湿度などの環境条件や経時劣化などの影響により、画像濃度、各色トナー像の位置ずれ、色再現及び階調性やカブリといった画像変動が起こる。そのため、用紙Pへの画像出力前、或いは出力待機中に位置ずれや濃度誤差の補正を行う必要がある。その方法としては、まず、中間転写体ベルト6上に、マーク像を形成する。そして、マーク像をフォトセンサ10により検出し、制御部へ出力信号を送る。更に、この出力信号から得られた位置ずれ量や濃度誤差の結果より、必要に応じ、位置ずれ及び濃度誤差の補正を行っている(以下この補正動作を「補正モード」という)。
本発明を適用するカラー画像形成装置は、位置ずれ検出専用センサと、位置ずれ検出及び濃度誤差検出共用センサとの2つのフォトセンサを装備しており(図1においては1つを図示)、位置ずれ検出専用センサは中間転写体ベルト6の一方の主走査方向端部近傍に配置される。そして、共用センサについては、移動手段(図示せず)を備え、当該共用センサを配置位置以外の位置へ移動させる構成としてもよい。この場合、共用センサは、中間転写体ベルト6の主走査方向に平行な直線上を移動するものとなっている。これにより、中間転写体ベルト6の複数の位置で位置ずれ及び濃度誤差を検出することができる構成となっている。
図2は、図1に示されているカラー画像形成装置における、位置ずれ及び濃度誤差の補正の流れを示しているブロック図である。感光体1を接触帯電器2で帯電し、補正モード制御部11から出力されるマーク像の信号に応じてROS3で感光体1を露光することで静電潜像を形成し、現像器4により現像した後、中間転写体ベルト6にマーク像を転写する。そして、中間転写体ベルト6上に転写されたマーク像をフォトセンサ10で読み込む。
検出情報抽出部12は、フォトセンサ10から出力される信号より、位置ずれ及び濃度誤差を検出し、記憶部13は、検出情報抽出部12から送られる位置ずれ情報及び濃度誤差情報を記憶する。そして、条件補正部14は、記憶部13に記憶された位置ずれ情報及び濃度誤差情報を基に補正に適している情報を適用し、ROS3の書き込みタイミングを制御することにより画像形成位置を補正すると共に、ROS3のレーザパワーを制御することにより画像濃度を補正する。
本発明に適用されているマーク像の配列を示しているのが図3である。本実施例においては、シアンを基準色としており、基準色シアンの基準マーク象(Mc)とその他の比較色とが組合わされ、シアン(Mc)とイエロー(My)の組合せ、シアン(Mc)とマゼンタ(Mm)の組合せ、シアン(Mc)とブラック(Mb)の組合せが順に配列されている。そして、これらマーク像は図中矢印の方向に移動し、マーク像Mcからマーク像Mbまで順次フォトセンサ10の検出視野(図示せず)を通過することにより、位置ずれ及び濃度誤差が検出される構成となっている。尚、マーク像の説明に当たり、全ての組合せをまとめてパターン像Mとする。
本発明が適用されているカラー画像形成装置におけるフォトセンサ10の概略構成図を示しているのが図4である。このフォトセンサ10は、照明手段と、受光光学系と、受光素子とから構成されている。この照明手段は、2つのLED10a、10bから成る。そして、受光光学系は、レンズ10cと、マスク10eとから構成されている。本図において、左右方向が主走査方向である。また、図5は、フォトダイオード10dからの出力信号が検出情報抽出部12で処理される流れを示すブロック図であり、AMPと、ピーク検出回路と、アンダーピーク検出回路と、2つのサンプル&ホールド回路とから構成され、各回路からの出力信号は、図2における記憶部13へ送られる。
フォトセンサ10で位置ずれ及び濃度誤差を検知するためには、図3に示されているパターン像Mを照明手段により照射する必要がある。従って、シアン、イエロー、シアン、マゼンタ、シアン、ブラックの順に並ぶマーク像から成るパターン像Mを照明手段により照射する。しかし、シアン、イエロー、マゼンタのマーク像からの反射光と、ブラックのマーク像からの反射光とは、反射光の種類が異なる。そのため、これら2種類の反射光をひとつの受光素子(フォトダイオード10d)で検知するには、この受光素子へそれぞれの反射光が入射し得る位置からマーク像を照射しなければならず、照射するマーク像に応じ、2つの照明手段を使い分けている。
受光光学系のレンズ10cは、2種類の反射光のうち、1つの反射光については、フォトダイオード10dの受光面上に、反射光を結像させられるような配置となっている。しかし、反射光をフォトダイオード10dへ入射させる際には、その受光面上に反射光を結像させるか結像させないかに限らず、位置ずれ検出や濃度誤差検出に不要な反射光も入射してしまう。そのため、この不要な反射光を遮り、それぞれの検出に有効な反射光の成分だけをフォトダイオード10d受光面上へ導く必要がある。そこで、フォトダイオード10dの直前には、フォトダイオード10d受光面の検出視野を規制するマスク10eが設けられている。そして、このマスク10eは、迷光防止のため、黒色としている。この受光光学系を構成するレンズ10cとマスク10eにより、何れの反射光を入射させる場合であっても、フォトダイオード10d受光面の検出視野をほぼ等しくすることが可能となっている。
マーク像からの反射光がフォトダイオード10dの受光面上に投影されると、フォトダイオード10dはこの反射光量、すなわちマーク像の濃淡に応じた電流を出力する。図5に示すように、フォトダイオード10dから出力された電流は、AMP20で電流電圧変換/増幅された後、センサ出力信号として記憶部(図示せず)、ピーク検出回路21、アンダーピーク検出回路23、及び、2つのサンプル&ホールド回路22、24に供給される。
ピーク検出回路21では、センサ出力信号の最大位置を検出し、ピーク検出信号としてサンプル&ホールド回路22に供給するとともに、記憶部に出力される。このピーク検出回路21を用い、センサ出力信号の最大位置を検出することで、マーク像の太さ方向における中心位置の検出が可能となる。そして、記憶部では、このピーク検出信号が各色マーク像の位置ずれ情報として記憶されている。
サンプル&ホールド回路22では、ピーク検出回路21から出力されるピーク検出信号をトリガとして、AMP20から出力されるセンサ出力信号をホールドする。これにより、センサ出力信号の最大値がホールドされ、ピークホールド信号として、記憶部に出力される。記憶部では、出力信号の最大値のホールド信号がシアン、イエロー、マゼンタ各色マーク像の濃度誤差情報として記憶されている。
アンダーピーク検出回路23では、センサ出力信号の最小位置を検出し、アンダーピーク検出信号としてサンプル&ホールド回路24に供給する。サンプル&ホールド回路24では、アンダーピーク検出回路23から出力されるアンダーピーク検出信号をトリガとして、AMP20から出力されるセンサ出力信号をホールドする。これにより、センサ出力信号の最小値がホールドされ、アンダーピークホールド信号として、記憶部に出力される。そして、記憶部では、この最小値のホールド信号がブラックのマーク像の濃度誤差情報として記憶されている。尚、AMP20、ピーク検出回路21、アンダーピーク検出回路23、サンプル&ホールド回路22、24は、一般的な電気回路を適用すればよく、それらの説明は省略する。
フォトダイオード10dからの出力信号によりパターン像Mの濃度を検出するには、基準となる出力信号とパターン像Mより検出される出力信号とを比較しなければならない。そのため、基準光をフォトダイオード10dへ入射させる場合と、パターン像Mからの反射光を入射させる場合とで切換えが可能な手段が必要となる。そこで、フォトセンサ10には、図6に示されているようなシャッター10fが、中間転写体ベルト6に対面するフォトセンサ10の筐体に摺動可能な状態で取り付けられている(図4)。本図は、シャッター10fをLED側から見た平面図である。このシャッター10fには、測定用窓10gと、センサの出力電圧の基準を得るための基準板10hが設けられている。そして、フォトダイオード10dへ入射させる反射光に応じ、図中の矢印方向に駆動装置(図示せず)により移動する機構を備えている。シャッター10fは、通常閉じた状態において基準板10hが受光系光軸上に配置されるような位置にあり、パターン像M測定時のみシャッター10fが開き測定用窓10gが受光系光軸上に配置されるように移動する。
図7は、中間転写体ベルト6上に形成されたマーク像mとフォトセンサ10の中間転写体ベルト6上における検出視野Rとの位置関係を時経過に沿って示しているものであり、下方のグラフ(a)はフォトセンサ10の検出視野Rの位置に応じたセンサ出力信号の波形を示すものである。また、最下段のグラフ(b)は前記ピーク検知回路から出力されるマーク像mのピーク検知信号を時経過と対応させて示したものである。ここで、マーク像はその各辺m1、m2の太さtが検出視野Rの直径d(1mm)と同一より僅かに小さく形成されている。
中間転写体ベルト6上に一次転写されたマーク像mは、かかる中間転写体ベルト6の回転に伴ってフォトセンサ10の前面を通過し、フォトセンサ10の検出視野Rを横切ることになる。マーク像mが中間転写体ベルト6と共に移動し、フォトセンサ10の検出視野Rが図7に示される中間転写体ベルト6上のA点に差し掛かると、かかる検出視野R内にマーク像mの一辺m1が進入してくることになるので、センサ出力信号が変化を開始する。更にマーク像mが移動すると、検出視野Rに含まれるマーク像mの面積、すなわち検出視野Rとマーク像mの一辺m1との重複面積が拡大するので、センサ出力信号は徐々に上昇し、検出視野Rがマーク像mによって略覆われるB点においてセンサ出力信号は最大となる。
前述の如く、マーク像mの各辺m1、m2の太さtはフォトセンサ10の検出視野Rの直径dよりも僅かに小さく形成されていることから、マーク像mがB点を過ぎると、今度は検出視野Rに含まれるマーク像mの面積、すなわち検出視野Rとマーク像mとの重複面積が減少していくので、センサ出力信号は徐々に下降し、マーク像mがフォトセンサ10の検出視野Rから完全に脱した時点でセンサ出力信号は最小となる(C点)。
このように図7に示した例では、マーク像mの一辺m1がフォトセンサ10の検出視野Rを通過する際に(A点からB点の間)、かかる検出視野Rとマーク像mとの重複面積が中間転写体ベルト6の進行に伴って連続的に変化しており、同じ強度のセンサ出力信号が継続してフォトセンサ10から出力されることがないように構成されている。すなわち、センサ出力信号には瞬間的に最大値が発生することになる。このようなセンサ出力信号の波形は、フォトセンサ10の検出視野Rを円形状に形成すると共に、マーク像mの太さを検出視野Rの直径dと同一にするか、それよりも小さくすることで容易に得ることができる。
多色刷印刷機、カラー複写機、カラープリンタ等では、マーク像mを中間転写体ベルト等の移動体上に形成する際に、その時の温度湿度等の環境条件によってマーク像mの太さが変化してしまうこともあり、フォトセンサ10の検出視野Rの直径dと完全に同一の太さのマーク像mを形成することは困難である。従って、前述の如く、マーク像mの太さが検出視野Rの直径dよりも小さい場合であっても、センサ出力信号の波形に瞬間的な最大値が発生することは、実際にカラープリンタ等を構成する際に有利である。
図7に示すようにセンサ出力信号の波形に瞬間的な最大値が発生する場合、その最大値はマーク像mの一辺m1の太さ方向の中心位置(重心位置)がフォトセンサ10の検出視野Rの中心位置に合致した場合に発生する。従って、前記ピーク検知回路でセンサ出力信号の最大値(ピーク)を検知し、図7(b)に示すように、この最大値に合わせてパルス状のピーク検知信号を出力するように構成すれば、かかるピーク検知信号の立ち上がりエッジ部分がマーク像mの一辺m1の中心位置(重心位置)を示していることになり、かかるm1の位置を正確に検出することができる。
また、図7に示したマーク像mは、中間転写体ベルト6の移動方向に対して異なる方向へ略45度に傾斜した2辺m1、m2を有してV字状に形成されていることから、このマーク像mの一つを本実施例のフォトセンサ10で検出することにより、主走査方向と副走査方向の位置ずれ量を一度に把握することができるようになっている。すなわち、センサ出力信号は検出視野RがC点に達することで一旦は最小となるが、かかる検出視野RがD点を過ぎると、再びマーク像mの辺m2と検出視野Rが重なり始めることから、再度立ち上がり始め、かかる辺m2の太さ方向の中心位置が検出視野Rの中心位置と重なったE点で最大値を示す。そして、m2と検出視野Rの重複面積が減少するにつれて、センサ出力信号も小さくなり、マーク像mが検出視野Rから脱したF点で最小出力に戻るのである。
このため、V字状のマーク像mをフォトセンサ10で読み込むと、図7(b)に示すように、マーク像mの各辺m1、m2太さ方向の中心位置(重心位置)が検出視野Rの中心位置と重なったB点及びE点に対応して、一対のパルス状ピーク検知信号がピーク検知回路から出力される結果となる。
続いて、本発明の補正モードにおける位置ずれ補正及び濃度誤差補正の動作を本フローチャートにおけるフォトセンサが共用センサである場合を例として、図8のフローチャートを用いて説明する。先ず、ステップS1において、フォトセンサ10を読み込み位置へ移動する。そして、ステップS2において、図3に示したパターン像Mを中間転写体ベルト6上に形成する。その後、ステップS3において、フォトセンサ10によりパターン像Mを測定し、フォトダイオード10dの出力信号を基に位置ずれ及び濃度誤差が補正される。
位置ずれ補正では、ステップS11において、フォトダイオード10dの出力信号をもとに検出情報抽出部12にてピーク検出回路21から出力されたピーク検出信号より、基準色シアンの主走査方向の目標値に対する絶対値位置ずれ量、基準色シアンに対する、イエロー、マゼンタの相対位置ずれ量の測定および計算を行う。
本実施例において、マーク像の位置ずれ量は、図9に示されているマーク像測定時のタイミングチャートから計算して求められている。図9において、上からフォトセンサ10のシャッター10fの動作信号、フォトセンサ10のLED10a、10bの点灯信号、センサ出力信号、ピーク検知信号、ピークホールド信号、アンダーピーク検知信号、アンダーピークホールド信号の波形が示されている。
図9中に示されているように、補正モードでは、先ず、シャッター10fを閉じた状態でLED10bを点灯させ、濃度誤差補正のため基準板10hの反射光を測定する。その後、中間転写体ベルト6の移動方向に対し先頭に配列されているマーク像がフォトセンサ10の検出視野を通過する前にシャッター10fを開き、フォトダイオード10dへマーク像からの反射光を入射できる状態にする。この時、センサ出力信号は、0Vとなっている。これは、本実施例で使用されている中間転写体ベルト6は、表面が黒色で鏡面または光沢を持ったものであり、中間転写体ベルト6表面の非画像部では、LED照明光をほとんど拡散しないため、センサ出力信号は0Vとなるのである。
センサの出力信号は、シャッター10fが開いた状態のまま、シアンのマーク像の1辺が通過することにより、シアンのトナー量に対応したパルス状の波形となる。この際、図5に示されているように、ピーク検出回路21で、センサ出力信号の最大値を検出し、ピーク検出信号が出力される。ここで、位置ずれ測定開始からピーク検出信号が出力されるまでの時刻をtA1とする。そして、マーク像の残り1辺の通過に伴い、ピーク検出回路21で検出されるピーク検出信号が出力されるまでの時刻をtA2とする。以後、同様にして、イエロー、シアン、マゼンタ、シアン、ブラックのマーク像の通過に伴い、ピーク検出信号が出力されるまでの時刻tT1、tT2、tB1、tB2を順次測定する。
前述の通り、ブラックのマーク像の反射光は、シアン、イエロー、マゼンタのマーク像の反射光と種類が異なるため、ブラックのマーク像の通過に合わせLED10bを消灯すると同時にLED10aを点灯させる。この時、センサ出力信号は中間転写体ベルト6からの反射光に応じた電圧値にて出力される。そして、ブラックのマーク像の通過により、センサの出力電圧は、ブラックのトナー量に対応して減少するパルス状の波形となる。ここで、図5に示されているように、アンダーピーク検出回路23により、センサ出力信号の最小値が検出され、このアンダーピーク検出信号が出力されるまでの時刻tU1、tU2を測定する。尚、図9においては、シアン、イエロー、シアン、そして一部省略し、ブラックのマーク像、つまり1つのパターン像Mがフォトセンサ10の検出視野を通過するまでの状態が示されており、通常の補正モードにおいては、濃度の異なる複数のパターン像Mが連続して中間転写体ベルト6上に形成される。
位置ずれ量の計算は、基準色シアンの主走査方向の目標値に対する絶対値位置ずれ量、基準色シアンに対する、イエロー、マゼンタの相対位置ずれ量を求めることにより行っている。先ず、基準色シアンの主走査方向絶対値位置ずれ量は、
主走査方向絶対値位置ずれ量 ={(tA2−tA1)−目標値}/2
で求められ、基準色シアンに対する、イエローの相対位置ずれは、
副走査方向位置ずれ=[(tT2+tT1)/2−((tA2+tA1)/2+(tB2+tB1)/2)/2]×PS
= [(tT2+tT1)/2−(tA2+tA1)/4−(tB2+tB1)/4]×PS
主走査方向位置ずれ = [((tB1+tA1)/2−tT1+副走査方向誤差
+tT2−(tB2+tA2)/2−副走査方向誤差)/2]×PS
= [((tB1+tA1)/2−tT1+tT2−(tB2+tA2)/2)/2]×PS
で求めることができる。ここで、tA1、tA2、tT1、tT2、tB1、tB2は、位置ずれ測定開始からピーク検出信号が出力されるまでの時刻(μs)、PSは、プロセス速度(mm/s)である。基準色シアンに対する、マゼンタ、ブラックの相対位置ずれ量も同様に計算する。尚、この計算は、図8のステップS11に該当する。これを主走査方向の2箇所で検出すれば、主走査、副走査のオフセットずれに加え、副走査方向のスキューずれや、主走査方向の全倍率ずれを検出することができる。更に、3箇所以上で検出すれば、走査線の曲がりによる位置ずれ(BOWずれやリニアリティずれ)や主走査方向の部分倍率ずれ等を検出できる。
次に、濃度誤差補正では、図8のステップS21において、中間転写体ベルト6の中央部におけるフォトダイオード10dの検出信号をもとに検出情報抽出部12にてサンプル&ホールド回路から出力されたホールド信号から、マーク像の濃度誤差を計算する。
本実施例において、マーク像の濃度誤差は、図9に示されているマーク像測定時のタイミングチャートから計算して求められている。前述の通り、補正モードでは、先ず、シャッター10fを閉じた状態でLED10bを点灯させる。これにより、センサ出力信号は、シャッター10fの基準板10hからの反射光に対応した電圧値が出力され、これをセンサの基準板出力電圧(Vref)として測定する。そして、中間転写体ベルト6の移動方向に対し先頭に配列されているマーク像がセンサの測定位置を通過する前にシャッター10fを開き、フォトダイオード10dへマーク像からの反射光を入射できる状態にする。
センサの出力信号は、シャッター10fを開いた後、シアンのマーク像の通過により、シアンのトナー量に対応したパルス状の波形となる。この際、ピーク検出回路21により、センサ出力信号の最大値が検出され、ピーク検出信号が出力される。サンプル&ホールド回路22では、ピーク検出回路21から出力されるピーク検出信号の立上がりパルスをトリガとして、シアンのトナー量に対応したセンサ出力信号の最大値をホールドすることにより、シアンの濃度電圧(Vc)が測定される。以後、同様にして、イエロー、シアン、マゼンタ(図中省略)、シアン(図中省略)のマーク像の通過により、イエローの濃度電圧(Vy)、マゼンタの濃度電圧(Vm)を測定する。
次に、ブラックのマーク像の通過に合わせLED10bを消灯すると同時にLED10aを点灯させる。この時、センサ出力信号は中間転写体ベルト6からの反射光に応じた電圧値にて出力される。そして、ブラックのマーク像の通過により、センサの出力電圧は、ブラックのトナー量に対応して減少するパルス状の波形となる。ここで、図5に示されているように、アンダーピーク検出回路23により、センサ出力信号の最小値が検出され、アンダーピーク検出信号が出力される。サンプル&ホールド回路24では、アンダーピーク検出回路23から出力されるアンダーピーク検出信号の立上がりパルスをトリガとして、ブラックのトナー量に対応したセンサ出力信号の最小値をホールドすることにより、ブラックの濃度電圧(Vk)が測定される。次に、ブラックのマーク像通過後、センサ出力信号は、再び、中間転写体ベルト6からの正反射光に応じた電圧値を示すこととなり、この値をベルト面電圧(Vbelt)として測定する。そして、このベルト面電圧測定後、LED10aを消灯すると共に、LED10bを点灯することにより、センサ出力信号は0Vとなる。
画像濃度の計算は、ブラックと、カラー(CYM)でその計算方法が異なる。ブラックの画像濃度は、中間転写体ベルト6の非画像面に対する相対値を
画像濃度:Dk= Vk / Vbelt
と定義し、計算する。それに対し、カラー(CYM)の画像濃度は、基準板10hの出力に対する相対値を
画像濃度:Dn=(( Vn平均値 ) / Vref )
ただし、n=トナー色(c、y、m)
定義し、計算する。
このように、画像濃度として中間転写体ベルト6面、或いは基準板10hの出力に対する相対値を用いる理由は、センサの汚れや、経時変化、温度変化によりLED光量やPD感度などの変動が生じても、パターン像Mの濃度を高精度に測定するためである。このようにして、図8のステップS21で、パターン像Mの画像濃度が計算され、ステップS22で予め決められている濃度目標値と、計算された画像濃度との誤差が計算される。
検出情報抽出部12において位置ずれ量及び濃度誤差の計算が行われた後には、ステップS31でその計算結果が記憶部13に記憶される。その後、ステップS32で共用センサが全ての読み込み位置でパターン像Mを読み込んだか否かを確認する。ここで、全ての読み込み位置での読み込みが終了していない場合、ステップS1へ戻り、フォトセンサ10は次の読み込み位置へ移動され、その読み込み位置でパターン像Mが読み込まれる。そして、同様にして次の読み込み位置における位置ずれ量及び濃度誤差が計算され、記憶部13にその計算結果が記憶される。
これに対し、全ての読み込み位置においてパターン像Mが読み込まれ、その計算結果が記憶部13に記憶されている場合、条件補正部14は各読み込み位置の計算結果に基づき位置ずれ補正及び濃度誤差補正を行う。具体的には、図8のステップS41で出力画像形成時の画像形成位置、すなわちROSによる主走査方向、および副走査方向の露光タイミングを設定し、位置ずれ補正をする。そして、ステップS51における、ROSレーザーパワーの補正量:ΔLPは、
レーザーパワーの補正量:ΔLP=ΔDn / An
ただし、n=トナー色(k、c、y、m)
で求められる。ここで、ΔDnはステップS22で求めた、パターン像Mの濃度誤差、Anはレーザーパワーとパターン像Mの画像濃度との対応関係を示す係数であり、この係数は、予め実験などにより求めておく。
次に、ステップS52で、パターン像M形成時のレーザーパワーから、ステップS51で求めたレーザーパワーの補正量:ΔLPを減じることにより、レーザーパワーの設定値を補正し、濃度誤差を補正する。この際得られたレーザーパワー設定値は、出力画像形成時のレーザーパワーとしてROS3に供給される。従って、露光タイミングの設定で位置ずれを、そして、レーザーパワーの設定で濃度誤差をそれぞれ補正する。以上のように、補正モードにおいて位置ずれ補正及び濃度誤差補正を同時に行い、これら補正を定期的に繰り返すことにより、画像形成位置及び出力画像濃度が一定に保たれている。
尚、図8のフローチャートでは、フォトセンサが共用センサである場合を例として位置ずれ補正及び濃度誤差補正の動作を説明しているが、フォトセンサが位置ずれ検出専用センサである場合には、フォトセンサは移動せず(ステップS1)、検出情報抽出部12での位置ずれ量の計算(ステップS11)及び記憶部13への位置ずれ情報の記憶(ステップS31)をした直後に露光タイミングを設定し、位置ずれを補正(ステップS41)する。
センター位置合わせにおける記録シートとセンサの配置位置を示しているのが図10であり、中間転写体ベルト6と、その対向位置に配置されている2つのセンサとの位置関係、更には、記録画像形成時における中間転写体ベルト6と、記録シートとの位置関係が模式的に示されている。本図において記録シートP1(A4サイズ)及び記録シートP2(A3サイズ)は、センター位置合わせを適用しているため、それぞれ中間転写体ベルト6の主走査方向の中心を示し、中間転写体ベルト6の副走査方向に平行な中心線Cに対し、左右対称となるようにその位置が合わされている。そして、センサ10Xは、位置ずれ検出専用センサであり、中間転写体ベルト6の主走査方向端部近傍に配置されている。それに対し、センサ10Yは共用センサであり、中心線Cに対し、センサ10Xとは反対側における記録シートP1の主走査方向端部に配置されている。尚、センサ10Yに移動手段(図示せず)を備え、所定のタイミングにおいて中間転写体ベルト6の主走査方向領域内を主走査方向に移動させる構成としてもよい。
本図に示されているように、センサ10Yの配置位置は、記録シートP1及び記録シートP2の画像領域内に設定されているが、一般的に使用頻度の高いA4サイズ等の主走査方向端部近傍に設定するのが好ましい。これにより、一般的な画像領域内で濃度誤差を検出できる上、位置ずれの検出についても十分な精度を確保することができる。
サイド位置合わせにおける記録シートとセンサの配置位置を示しているのが図11であり、図10と同様に、中間転写体ベルト6と、その対向位置に配置されている2つのセンサとの位置関係、更には、記録画像形成時における中間転写体ベルト6と、記録シートとの位置関係が模式的に示されている。本図において、記録シートP1(A4サイズ)及び記録シートP2(A3サイズ)は、サイド位置合わせを適用しているため、基準側となる中間転写体ベルト6の片側(図では左側)にそれぞれその位置が合わされている。そして、センサ10Xは、位置ずれ検出専用センサであり、中間転写体ベルト6の主走査方向端部に配置されている。それに対し、センサ10Yは、移動手段(図示せず)を備えている共用センサであり、中心線Cに対し、センサ10Xとは反対側における記録シートP1及び記録シートP2の主走査方向端部に配置されている。そして、センサ10Yは、所定のタイミングにおいて中間転写体ベルト6の主走査方向領域内を主走査方向に移動するが、通常の記録画像形成時においては配置位置に止まっている。
本図に示されているように、センサ10Yの配置位置は、サイド位置合わせにおける基準側に設定されている。そのため、記録シートP1及び記録シートP2に限らず、全てのサイズの記録シートについて、その画像領域内における同一の主走査方向端部で常に位置ずれ及び濃度誤差を検出することができる。
尚、図10及び図11に示されているように、センター位置合わせ及びサイド位置合わせの何れにおいても位置ずれ専用センサであるセンサ10Xは、中間転写体ベルト6の一方の主走査方向端部に配置される。そして、センサ10X及びセンサ10Yは、それぞれのセンサに近い中間転写体ベルト6の主走査方向端部からの距離は異なり、中心線Cに対し非対称な位置関係に配置される。
中間転写体ベルトの対向位置に配置されている2つのセンサの位置関係及び移動手段を備えた共用センサの読み込み位置を示しているのが図12である。本図において、センサ10Xは位置ずれ検出専用センサであり、センサ10Yは位置ずれ及び濃度誤差検出共用センサである。そして、センサ10Xは、中間転写体ベルト6の主走査方向端部に配置されているのに対し、センサ10Yは、移動手段(図示せず)により、中間転写体ベルト6の主走査方向領域内を主走査方向に移動し、複数の読み込み位置においてパターン像Mを検出し、各読み込み位置での検出結果を記憶部13に記憶するものとなっている。また、中心線Cは中間転写体ベルト6の主走査方向の中心と、センサ10Yが中間転写体ベルト6の中央部で停止し(点線矩形10Y3にて図示)、マーク像を読み込む際のセンサ10Yの検出視野中心とを示している。更に、点線W0は、センサ10Xの配置位置における検出視野中心を示し、点線W1は、センサ10Yの配置位置における検出視野中心を示し、点線W2は、センサ10Yがセンサ10Xとは反対側の中間転写体ベルト6の主走査方向端部に停止し(点線矩形10Y2にて図示)、マーク像を読み込む際のセンサ10Yの検出視野中心を示している。更にまた、点線Tは、中間転写体ベルト6の主走査方向を示している主走査線である。
この構成において、移動手段を備えるセンサ10Yで配置位置における位置ずれだけを検出したのでは、高精度のスキューずれ検出が求められる場合に問題がある。図中の点線Tに対し、走査線が曲がりを有する曲線Q1及び曲線Q2のスキューずれ量を検出する場合、センサ10Xの配置位置である点線円Z0の位置と、点線円Z1の位置、つまり、センサ10Yの配置位置とにおいてマーク像を読み込んだのでは、点線Tと曲線Q1及び曲線Q2が点U0、Uにて交差しており、それぞれ点線Tに対する副走査方向のずれ量はゼロであるため、スキューずれは発生していないものとして検出されてしまう。そこで、移動手段によりセンサ10Yを移動させ、点線矩形10Y2においてマーク像を読み込むとよい。ここで、点線円Z2の位置では、点線Tに対しそれぞれ副走査方向にずれているため、それぞれの位置において点線Tに対する曲線Q1及び曲線Q2のずれ量を検出し、それぞれ記憶部13に記憶させることにより、正確にスキューずれを検出することができる。更に、走査線の曲がり(リニアリティ)は、変化し難いことから、一度センサ10Yの配置位置及び点線矩形10Y2の各位置において走査線の曲がりを検出し、各位置での点線Tに対する副走査方向のずれ量の差分を記憶部13に記憶させるとよい。これにより、それ以降については、ずれ量の差分を加味するだけで高精度のスキューずれの補正が可能となる。
また、スキューずれに限らず、BOWずれ、リニアリティずれ、主走査倍率バランスずれ、主走査部分倍率ずれ及び画像領域における濃度分布等を予め記憶させてもよい。
尚、センサ10Yを中間転写体ベルト6の主走査方向幅領域内で停止させる位置に関しては、センター位置合わせ或いはサイド位置合わせの何れを適用している場合であっても、位置ずれ及び濃度誤差の検出に必要とされる検出精度に応じ適宜設定することが可能である。
本発明が適用される電子写真方式を用いたカラー画像形成装置の概略構成図である。 カラー画像形成装置における位置ずれ及び濃度誤差の補正の流れを示している図である。 本発明に適用されているマーク像の配列を示している図である。 本発明が適用されているカラー画像形成装置におけるフォトセンサの概略構成図を示している図である。 フォトダイオードからの出力信号が検出情報抽出部で処理される流れを示すブロック図である。 フォトセンサに取り付けられているシャッターをLED側から見た平明図である。 中間転写体ベルト上に形成されたマーク像とフォトセンサの中間転写体ベルト上における検出視野との位置関係を時経過に沿って示している図である。 本発明の補正モードにおける位置ずれ補正及び濃度誤差補正の動作を示しているフローチャートである。 マーク像測定時のシャッターの動作信号、フォトセンサの点灯信号、センサ出力信号、ピーク検知信号、ピークホールド信号、アンダーピーク検知信号、アンダーピークホールド信号の波形を示しているタイミングチャートである。 センター位置合わせにおける記録シートとセンサの配置位置を示している図である。 サイド位置合わせにおける記録シートとセンサの配置位置を示している図である。 中間転写体ベルトの対向位置に配置されている2つのセンサの位置関係及び移動手段を備えた共用センサの読み込み位置を示している図である。 センター位置合わせを適用している場合における濃度誤差検出の精度向上に重きをおいたセンサ配置を示している図である。 像担持体上に形成されている当該像担持体の主走査方向に平行な直線と、曲線とを2つのセンサにより検出する様子を示している図である。
符号の説明
6・・・中間転写体ベルト、10X、10Y・・・センサ、P1、P2・・・記録シート

Claims (6)

  1. 画像データ信号に応じ各色のトナー像が感光体の表面に形成される複数の作像手段と、前記感光体から各色のトナー像が多重転写される像担持体と、各作像手段へ信号を送り、前記像担持体の表面に画像の位置ずれ及び濃度誤差を補正するための各色のマーク像を順次転写させる補正モード制御部と、各色のマーク像を光学的に読み込む第1検出手段及び第2検出手段と、これら検出手段の検出信号から各色トナー像の位置ずれ情報及び濃度誤差情報の双方を抽出する検出情報抽出部と、前記位置ずれ情報及び濃度誤差情報に応じ各作像手段におけるトナー像の作像条件を補正する条件補正部とから構成されるカラー画像形成装置において、
    前記第1検出手段は前記像担持体における何れかの主走査方向端部近傍に配置される一方、前記第2検出手段は前記像担持体の副走査方向に平行な中心線に対し、前記第1検出手段と非対称となる位置に配置されることを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 前記第1検出手段は位置ずれ検出専用であるのに対し、前記第2検出手段は位置ずれ検出及び濃度誤差検出共用であることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
  3. 前記記録シートに記録画像を形成する際に、前記記録シートの搬送方向と直交する搬送経路の主走査方向幅の一方の端に、全ての記録シートの一辺を寄せて搬送し、その一辺を基準側とした場合、当該基準側に前記第2検出手段を配置させることを特徴とする請求項1または2に記載のカラー画像形成装置。
  4. 前記第2検出手段は、当該第2検出手段を前記像担持体の主走査方向幅領域内を主走査方向に移動させる移動手段を備え、前記移動手段は前記第2検出手段の配置位置を含む複数の読み込み位置で当該第2検出手段を停止できることを特徴とする請求項1から3に記載のカラー画像形成装置。
  5. 前記条件補正部は、前記第2検出手段の前記複数の読み込み位置での各検出情報、または、前記第2検出手段の配置位置での検出情報と、前記複数の読み込み位置での検出情報との差を記憶する記憶部を備え、前記第1検出手段及び前記第2検出手段の検出結果に前記記憶部に記憶された情報を加味して位置ずれ及び/または濃度誤差を補正することを特徴とする請求項4に記載のカラー画像形成装置。
  6. 前記記憶部に予めBOWずれ、リニアリティずれ、主走査倍率バランスずれ、主走査部分倍率ずれ等の一部または全ての位置ずれ情報及び/または濃度分布情報を記憶させ、これら記憶された検出情報と、前記第1検出手段及び前記第2検出手段の検出情報とに基づき位置ずれ及び/または濃度誤差を補正することを特徴とする請求項5に記載のカラー画像形成装置。
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