JP2006084514A - 照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステージやアトラクション会場などの撮影環境でも写真スタジオレベルの拡散光を形成し、被写体の位置を移動させても十分な拡散光をタイムリーに配光させて、生き生きとした表情の人物写真の撮影を可能にする照明装置を提供する。
【解決手段】 発光手段からの光を拡散光に変換する拡散光形成手段を有する照明装置で、該照明装置を撮影を行うカメラマンの身体に保持させる保持手段を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステージやアトラクション会場などで写真スタジオの様な照明環境を作り、豊富な拡散光の下で人物撮影を行える様にして、被写体の表情を確実に捉えた美しい仕上がりの人物写真を提供する照明装置に関する。
ポートレートをはじめとする人物写真を撮影する際に、撮影時の照明状態は美しい仕上がりの写真を作成する上で重要な因子となるもので、事実、写真スタジオでの撮影では、カメラマンは最適な照明条件を種々設定しながら撮影を行っている。すなわち、種々の照明手段から発光される照明光を組み合わせ陰影の強弱を調整して撮影を行うことにより、良好な仕上がりの、ひいては、被撮影者の人となりや生き生きとした表情を如実に捉えた人物写真が得られる。
この様に、美しい仕上がりの人物写真を得るには、種々の照明手段を用いていろいろな方向から照明を行い、良好な照明環境で撮影を行うことが重要である。そして、撮影時の照明方法の中に拡散光を積極的に用いる方法がある。すなわち、撮影時にストロボ光を壁面などに反射させて光を拡散させることにより、被写体の陰影を調整するものである。たとえば、アンブレラバウンズと呼ばれるかさの形をした反射面を拡散光の発光面とする照明装置は、かさの内側に光を透過させない白い素材が貼られ、ストロボ光はかさの内側面で反射されて拡散光を形成する。
拡散光を発生する照明装置は、拡散光の発光面の面積を大きくすることにより、被写体に拡散光を確実、かつ、効率よく供給できる様に設計されている。したがって、良好な仕上がりの写真が求められている撮影環境になるほど、反射部分の面積が大きな照明装置が使用され、反射面積が大きくなるほど照明装置は嵩の張った重たいものになってくる。この様に、良好な照明環境の下で美しい仕上がりの人物写真を撮影するには、写真スタジオでの撮影が好ましく、そのため大きな発光面積を有して豊富な拡散光を形成させる手段を有する照明装置が三脚等によって設置されていたり、あるいはスタジオ内で固定設置されて使用されている。
ところで、ステージやアトラクション会場、観光地や結婚式の披露宴や卒業式の会場などで被写体が見せる生き生きとした表情には魅力的な面があり、これを良好な照明環境の下でカメラにおさめたいというニーズもある。これは、写真スタジオの様に特別な場所で撮影すると、どうしても緊張感が伴い、その人らしさが出にくくなってしまうことが多いが、被写体がそれほど緊張感を持たない場所ではその人本来の魅力が出てくるものである。この様な場所で写真スタジオの様な良好な照明環境を作るにはそれなりに工夫が必要である。特に、大型の発光面積をもった拡散光の照明装置を状況に応じて適宜移動させる等して照明環境を作ることができれば、より魅力的な表情を捉えた写真が得られるものと考えられていた。この様な要望に応える様な照明装置の研究がこれまでも行われてきた。
例えば、光拡散シートをストロボ前方の位置に吊り下げて撮影時に拡散光を得られる様にした写真撮影ボックスの発明(例えば、特許文献1参照)や、多角形の断面形状と複数個の側面を有する透明柱にランプと集光ミラーを配設することで光源の発光面積が狭くても拡散光を供給できる様にした面光源フラッドライトの発明(例えば、特許文献2参照)などの技術が挙げられる。これらは、アンブレラバウンズ等の大きな発光面積をもつ照明装置を使用せずに人物写真を撮影できる様にすることを目的としている。
しかしながら、上記特許文献1や2に開示された照明装置は、証明写真撮影装置の様に非常に狭い撮影スペースで撮影を行う時に拡散光の効果を発現させるものや、光源が局所配置されていて拡散光を被写体に均一照射することが困難な構造を有しており、アトラクション会場や披露宴会場の様にある程度のスペースを有するところで良好な照明環境を作るのに適したものではなかった。この様に、広いスペースで良好な照明環境を作るには、写真スタジオで使用する様な大型の照明装置が必要で、特に、拡散光を得るには従来のアンブレラバウンスなどの照明装置を使用することが好ましかった。
また、アンブレラバウンスなどの照明装置は、反射かさを折り畳んだりしてもその嵩を解消することが難しかったので携帯性が要求されていたが、これを解消するものはなく、この様な照明装置を複数個撮影会場に1人で持ち込んでセッティング作業を行うことは難しかった。したがって、撮影時にはどうしてもアシスタントが必要になり、それに伴う人件費も考慮しなくてはならなかった。また、この様な拡散光を発光する照明装置の位置を自在に変えながら撮影を行うことはできるものではなかった。
また、報道写真用カメラの様に、大型の反射部材を設けたストロボユニットをカメラ本体に取り付けて撮影を行うことも考えられるが、カメラが重くなりすぎて安定性を損ねる等の問題で却って操作性が悪くなり、カメラマンの負担になっていた。
特開平11−153821号公報(段落0020、図2等参照) 特開平8−129902号公報(段落0012、図1等参照)
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ステージやアトラクション会場、結婚式の披露宴や卒業式の会場などの撮影環境で、写真スタジオで得られる様な照明環境を形成して被写体に十分な拡散光を照射して被写体上での陰影の強弱を調整し、加えて従来技術における照明装置の様に装置の移動や設置場所の変更に手間を取られずに撮影に専念できる様な照明装置を提供することを目的とする。すなわち、本発明は、この様な照明装置を提供することにより、照明環境が不便な場所でも十分な拡散光を供給して、撮影時に生き生きとした表情を捉えて仕上がりのよい写真が得られる撮影環境を作ることが可能な照明装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記課題に加えて、撮影者は照明装置の設置に気を取られることなく、被写体に注意を集中できる様にし、被写体から撮影時の緊張感をほぐせる様な開放感を与えることにより、その人が本来有している人となりや生き生きとした表情を引き出すことが可能な照明装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記に記載のいずれか1項に記載の構成により達成される。
(請求項1)
撮影時に被写体に拡散光を照射する照明装置であって、
該照明装置は、
カメラを保持し、撮影を行うカメラマンの身体に該照明装置を保持させる保持手段と、
撮影時に発光する発光手段と、
該発光手段からの光を拡散光に変換する拡散光形成手段と、
を有するものであることを特徴とする照明装置。
(請求項2)
前記拡散光形成手段が、前記発光手段からの光を反射、拡散させる面であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
(請求項3)
前記照明装置は、
前記拡散光形成手段の形状を変化させる変形手段と、
前記発光手段を収納する収納手段と、を有し、
該照明装置の非使用時に該変形手段と該収納手段を作動させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
(請求項4)
前記拡散光形成手段と前記発光手段の位置を変化させる手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
請求項1に記載の発明では、カメラマンに保持させる保持手段と、ストロボ光を反射、拡散させる面を有する拡散光形成手段と、を有する照明装置により、アンブレラバウンスの様な大型の照明装置をカメラマンが背負いながら撮影を行える様にした。
その結果、ステージやアトラクション会場、結婚式の披露宴や卒業式の会場などの撮影環境で容易に移動が可能となり、好みの背景を自由にかつタイムリーに選べ、写真スタジオの様に陰影の強弱が調整可能なレベルの拡散光を被写体に照射する照明環境を形成することが可能になり、被写体の生き生きとした表情を捉えられる撮影環境を作ることが可能になった。
また、請求項2に記載の発明は、拡散光形成手段を発光光を反射、拡散させる面で形成したものであるので、拡散光の生成を効率よく行える様になった。とりわけ、発光量が少ない光源を用いてスタジオ等での撮影が行えるので、撮影時の電力消費の抑制などの効果が発現され、写真撮影に伴うコストの低減化に効果が見られた。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、非使用時には拡散光形成手段をコンパクト化させることが可能になり、照明装置のコンパクト化と携帯性を向上させた。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、上記構成で得られた効果に加えて、撮影時に照明光の位置を変化させることが可能なので、被写体への拡散光の照射方向に変化が得られ仕上がりの品質をより向上させることが可能である。
(本発明の技術思想)
ステージやアトラクション会場、結婚式の披露宴や卒業式の会場などでの撮影では、ストロボ内蔵型のカメラやカメラ本体にストロボを取り付けた形態の撮影装置で撮影を行う時に十分な拡散光が得られず、被写体の生き生きとした表情を確実に捉えて撮影することに限界が見出されていた。また、カメラに照明装置を取り付けることは、照明装置の大きさに比例して装置が重くなってバランスも悪くなり撮影をしにくくする要因となった。この様に、十分な量の拡散光を供給してアトラクション会場やショウルーム等で良好な撮影環境を形成する照明装置が求められていたが、この様な急設の撮影環境で大型の照明装置を自在に使用できる様にすることは困難を伴うものであった。
本発明者は、大量の拡散光を供給する照明装置を設置しにくい撮影環境で、表情を捉え、かつ、美しい仕上がりとなる人物写真が得られる撮影環境を考えた。そして、この様な撮影環境での撮影でも、通常の写真スタジオに設置される照明装置レベルに拡散光が得られ、しかも、カメラマン1人で持ち運びやセッティングが容易に行える様にすることが必要であると考えた。さらに、照明装置を撮影者の動きに追随させることができる様にすれば、これらの問題が解消されると考え、検討の末、本発明を見出したのである。
以下、本発明について詳細に説明する。
(本発明に係る照明装置を用いた撮影の説明)
図1は、本発明に係る照明装置を用いた写真撮影の様子を示すイメージ図である。図1は自動車会社のショウルームで写真撮影会を急遽行うことになり、写真スタジオなみのスペースに被写体である自動車と2人のモデルMを配置して撮影を行うことを想定したものである。カメラマンCは本発明に係る照明装置1を装着してアンブレラバウンズ型の拡散光形成手段11を広げて撮影可能な状態にあることを示す。
図1に示す照明装置1は、撮影を行うカメラマンの身体に照明装置を保持させるための保持手段である保持ベルト13、撮影時に発光する発光手段である光源12、光源12でからの光を拡散光に変換する拡散光形成手段である光拡散面11より構成される。また、カメラマンCの背中には光拡散面11と光源12を収納する収納部14がある。
(本発明に係る照明装置の説明(図2))
本発明に係る照明装置は、撮影時に十分な光量の拡散光を被写体に供給することが可能なものである。また、撮影作業に支障を来さない様に照明装置を保持できる様にしているので、カメラマンは照明装置を保持していることによりシャッタチャンスを逃す様なことはなく、良好な撮影環境を形成しながら写真撮影を行うことが可能である。
(カメラマンの背中で保持する照明装置の説明)
本発明に係る照明装置の具体的な実施形態の例を図示する。図2はカメラマンの背中に拡散光形成手段と光源を収納する収納部を設けた照明装置の模式図で、カメラマンCが照明装置1を装着した状態にあることを示す。(a)は使用時の拡散光形成手段11と光源12を収納部14より出して撮影が可能な状態を、(b)は撮影終了後に拡散光形成手段11と光源12を収納部14に収納した状態を示す。
図2(a)に示す様に、撮影時には照明装置1を構成する光源12と拡散板11を収納部14より出して撮影者の頭上付近まで持ち上げて撮影可能な状態になる。図中の矢印は、拡散光形成手段11より放射される拡散光の照射方向を示している。また、図2(a)中の破線で示す様に、照明装置1は拡散光形成手段11と光源12の位置を自在に変更できる様にしてもよく、位置を自在に変更できる様にすることで撮影時に撮影者が照明を考慮してこまめに動く必要がなくなる。そして、図2(b)に示す様に、撮影終了後は拡散光形成手段11と光源12を収納部14に収納する。
(拡散光形成手段の説明)
本発明に係る照明装置1に使用される拡散光形成手段11は、光源12からの光を反射し、拡散させて拡散光を形成する面を有するものである。
図2に示す拡散光形成手段11は、おわん型の曲面を有する拡散面を形成するもので、写真スタジオで使用されるアンブレラバウンズの様に大量の拡散光を生成することが可能である。本発明に係る照明装置に使用される拡散光形成手段11は、撮影時に大量の拡散光を形成することが可能な拡散光形成面積を有するとともに、非使用時にコンパクトに収納可能な形態を有するものである。図3は、本発明に使用可能な拡散光形成手段の具体例で、拡散光形成手段11を正面または斜め前方から見た図と側面から見た図を示す。また、図中の矢印は拡散光の照射方向を示す。図4は図3の拡散光形成手段の撮影終了後における収納形態の例を示した模式図である。
(a)はアンブレラバウンズと同様にこうもり傘の様な折り畳み可能な骨組部材にスクリーンを取り付けて拡散光形成面を形成するものである。にスクリーンとなる状のを有するもので図2の拡散光形成手段と同じものである。そして、(a)の照明装置1は、図4(a)に示す様に非使用時にはアンブレラバウンズの拡散光形成手段11をつぼませてたたみ、光源12とともに下方におろして撮影者Cの背中で保持、収納される様になっている。
(b)は撮影時にはおわん状の湾曲した拡散光形成面を有するもので、図示する様に拡散光形成面の中央に光源12が一体で設けられている。また、図3に示すものは拡散光形成面上にストロボ光を拡散させる部材を設けているが、拡散光を形成する面の材質や曲面(曲率)を制御することでこの様な部材を必ずしも設けなくても十分な拡散光が得られる。また、(b)の拡散光形成手段11は、非使用時に照明装置1から取り外しが可能な形態にしてコンパクト化を達成するものでもよい。あるいは、非使用時にコンパクト化を実現するために拡散光形成手段11を複数の部材11Pを扇子状に配置させて形成するものでもよい。これは、図4(b)に示す様に、各部材11Pの一端を拡散光形成手段11の面を形成した時に面中心部が要になる様に固定しておく。そして、撮影を行う時には固定部を中心にしてこれらの部材11Pを扇子を拡げる要領で動かし拡散光を形成する面を形成し、撮影終了後は固定部を中心に部材11Pをたたんでおく。
(c)は平面形状の円盤型の拡散光形成手段で、拡散光形成手段11の面には反射部材が規則的に配置されているものである。反射部材は、その反射面で光源12からの光を反射させて拡散光を形成するものである。(c)の拡散光形成手段11は折り畳み部11Aと11Bを有し、非使用時には図4(c)に示す様に折り畳むことが可能である。
なお、本発明に使用可能な拡散光形成手段はこれらに限定されるものではなく、他の例としては、例えば、ジャバラ構造で拡散光を形成する面を形成する方法が挙げられ、撮影時にジャバラを伸ばすことにより拡散光を形成する面を形成し、光源12からの光を反射、拡散させて拡散光を形成するとともに、非使用時はジャバラを折り曲げて拡散光を形成する面をコンパクトにすることも可能である。また、拡散光を形成する面の材質をフェルト、軟質な樹脂材料、柔らかい紙材、あるいはこれらの材料をラミネート加工したものにすることにより、面を繰り返し折り曲げる様な状態でも拡散光を形成する面上に折り目がつくことがなく、拡散光を長期にわたり安定して形成することが可能である。
(保持手段の説明)
図2の照明装置1に使用される保持手段13は、撮影者の両肩や腹で照明装置1の自重が受けられる様にたすき状の形態を有しており、照明装置1は撮影者Cの腕で保持されないので、撮影者Cは両腕が自由に使える状態で撮影を行うことができる。本発明に使用される保持手段13は、撮影者Cが照明装置1の存在により撮影に支障を来さない様に設計され、撮影者Cは照明装置1を保持していても自由に撮影が行える。
また、図2の保持手段13以外のものとしては、例えば、図4(c)の様に撮影者の肩に簡易に保持できる様にした背負子型のものや、図5の様に撮影者の肩から外れずに照明装置1を確実に保持できる様に、撮影者Cの肩全体で照明装置を保持できる様にしたものが挙げられる。
(図6の照明装置の説明)
次に、本発明に係る照明装置の他の実施形態について説明する。
図6は、拡散光形成手段11と光源12を撮影者の頭部で保持する様にした照明装置の例であり、(a)は撮影時の正面図と側面図、(b)は非撮影時の背面図と側面図である。図6の照明装置1で使用される保持手段13は、ヘルメット様の形状を有し、撮影者Cが頭に被る様になっている。保持手段13は、照明装置1を保持するので外力に対してある程度の耐久性を有する。
拡散光発生手段11と光源12は、折り曲げ部材15を介して保持手段13であるヘルメットに取り付けられて保持手段13と一体化している。
照明装置1は、図6(a)に示す様に、折り曲げ部材15を介して拡散光形成手段11を起こすと撮影可能な状態になる。また、非使用時は、図6(b)に示す様に、折り曲げ部材15を介して拡散光形成手段11をヘルメット13側に倒しておくことで、非使用時でのコンパクト性を発現させる様になっている。
また、照明装置1は、図6(b)の背面図に示す位置変更部材(ネジ留め型、スライド型、スプリング型)16を設け、拡散光形成手段11と光源12の位置を自在に変更できる様にしてもよく、ヘルメット13を中心に拡散光形成手段11の位置変更が行えるので拡散光の照射方向を自在に調整することが可能である。さらに、拡散光発生手段11と折り曲げ部材15の間等に会議用指揮棒、バーアンテナ状の長さを変えられる部材を設け、拡散光発生手段11及び光源12とヘルメット13との距離を変更可能な仕様にしてもよい。
(図7の照明装置の説明)
図7は、図6の照明装置と同様、撮影者の頭部で拡散光発生手段11と光源12を保持するものであるが、拡散光発生手段11を内蔵させた複数の光源(ストロボ)12を保持手段13に設けたものである。図7(a)は撮影時の正面図と側面図、(b)は非撮影時の背面図と側面図である。図7の照明装置1に使用される保持手段13は、ヘアバンドの様な帯状の形態を有するもので、この帯状の保持手段13に複数個のストロボ12が直接取り付けられている。図7の照明装置1は、ストロボ12を複数個設けることによりアンブレラバウンズで得られるレベルの拡散光を形成することが可能になっており、例えば、図1に示す様なスタジオで写真撮影を行う場合でも十分な量の拡散光を得ることが可能である。
保持手段13は、図7に示す様に、2つの帯状部材13Aと13Bからなり、帯状部材13Aは撮影者Cの頭部周りに配置され、もう一方の部材13Bは両端が前述の部材13Aに接合し、部材上に複数のストロボ12が設けられている。
図7(a)に示す様に、撮影者Cは帯状部材13Aをかぶり頭部周りで保持させ、さらに、帯状部材13Bを上方に引き上げ頭部左側方から頭頂部を経て頭部右側方で保持する。これで撮影が可能な状態になる。また、非使用時は、図7(b)に示す様に、帯状部材13Bを倒しておけばよい。

(発光手段の説明)
本発明に係る照明装置における発光手段は、撮影用の光源12のことで、具体的には、ストロボ光源の様に写真撮影時のシャッタの作動に連動して発光するものと、メタルハライドランプ等の様にシャッタ作動に連動して発光する必要はないが常時点灯している光源が挙げられる。ストロボ光源からの拡散光はシャッタの作動に連動して多量に得られるので、コントラストの強いメリハリのある仕上がりの人物写真を得る上で好ましい。また、メタルハライドランプは拡散光形成手段における拡散面の面積を大きくすることが可能なので、被写体に対し拡散光を均一に照射することにより、暖かみのある軟らかな仕上がりの人物写真を得る上で好ましい。

(カメラ+照明装置を保持した人型ロボットの効果)
本発明に係る照明装置は、カメラマンに装着させて撮影に供するものであるが、特開2003−289546号公報などに開示されている人型ロボットに装着させることで、ロボットによる写真撮影も可能になる。図8は、本発明に係る照明装置を人型ロボットに搭載させた様子を示す模式図である。本発明に係る照明装置を自律移動が可能な人型ロボットに搭載させての撮影により、十分な拡散光の作用で良好な仕上がりの人物写真が得られる。さらに、人型ロボットのユーモラスな挙動を見ながら撮影するので、被撮影者は撮影時の緊張感から開放されたリラックスした雰囲気で写真撮影され、楽しそうな表情の写真が得られるので被撮影者は大きな満足が得られるものと期待される。
(ロボットを用いた写真撮影を実現させる手段の説明)
本発明に係る照明装置1を搭載する人型ロボットRは、自律移動型ロボットと呼ばれるものである。これは、ロボットの使用環境を検知する検知手段とロボットの移動を制御する制御手段を有し、検知手段で検知されたロボットが使用されている環境や状態に関する情報を制御手段に送りロボットの作動を制御することにより、ロボットの自律的な移動、あるいは作動を実現する。ロボットの置かれた環境を検知する検知手段としては、例えば、カメラ(前述の被写体を撮影するカメラ2とは別のもの、あるいはカメラ2が兼用するものでもよい)が挙げられ、カメラにより取得された画像情報に基づいて制御手段がロボットの移動量、移動速度、移動方向といったものを決める様になっている。
本発明に係る照明装置1を搭載するロボットRは、自身の移動だけではなく、被写体を良好な条件下で撮影できる様に制御されることが必要である。例えば、ステージ上での被写体の位置や撮影視野内の障害物の有無等を検知し、良好な仕上がりの写真撮影を行えることが必要になる。この条件を満足するロボットの制御系の例を説明する。
図9は本発明に係る照明装置1を搭載可能なロボットRを用いた写真撮影システムのブロック図である。
ロボットRは、ロボット自身が置かれた環境や被写体の位置検知などの撮影環境を検知するロボット制御用カメラR1、実際に移動や撮影作業を行うロボット駆動部R2、ロボットの作動を制御するロボット作動制御部R3と、撮影操作を制御する撮影操作制御部R4を有する。ロボット制御用カメラR1で検知された画像信号が画像処理部R5を介して作動制御部R3に送信されると、ロボット作動制御部R3ではロボットRが適切な位置で写真撮影が行える様にロボット駆動部R2の作動を制御する。
また、画像信号は撮影操作制御手段R4にも送られ、撮影操作制御手段R4はロボットRが適切な位置に移動した後に撮影用カメラ2の撮影条件(シャッタ速度や絞り)の設定を行うとともに、照明装置1を作動させる様に制御する。そして、これらの制御が完了して撮影可能な状態になったことを検知すると、ロボットRの指部がシャッタを押す様に駆動させて写真撮影を行う。
この様に、本発明に係る照明装置を自律移動型の人型ロボットに搭載させることにより、ロボットを用いた写真撮影システムを実現することも可能である。
本発明に係る照明装置を用いての写真撮影を示すイメージ図である。 拡散光形成手段と光源を撮影者の背中で保持する照明装置の模式図である。 拡散光形成手段の具体例を示す概略図である。 拡散光形成手段の収納例を示す概略図である。 保持手段の例を示す模式図である。 拡散光形成手段と光源を撮影者の頭部で保持する照明装置の模式図である。 拡散光形成手段と光源を撮影者の頭部で保持する照明装置の別の例を示す模式図である。 本発明に係る照明装置を人型ロボットに搭載した模式図である。 本発明に係る照明装置を搭載可能なロボットを用いた写真撮影システムのブロック図である。
符号の説明
1 照明装置
11 拡散光形成手段
12 光源
13 保持手段(ベルト、ヘルメット)
14 収納部
15 折り曲げ部材
16 位置変更部材
2 カメラ
C カメラマン、撮影者
M 被撮影者、モデル
R 人型ロボット
R1 ロボット制御用カメラ
R2 ロボット駆動部
R3 ロボット作動制御部
R4 撮影操作制御部

Claims (4)

  1. 撮影時に被写体に拡散光を照射する照明装置であって、
    該照明装置は、
    カメラを保持し、撮影を行うカメラマンの身体に該照明装置を保持させる保持手段と、
    撮影時に発光する発光手段と、
    該発光手段からの光を拡散光に変換する拡散光形成手段と、
    を有するものであることを特徴とする照明装置。
  2. 前記拡散光形成手段が、前記発光手段からの光を反射、拡散させる面であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記照明装置は、
    前記拡散光形成手段の形状を変化させる変形手段と、
    前記発光手段を収納する収納手段と、を有し、
    該照明装置の非使用時に該変形手段と該収納手段を作動させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 前記拡散光形成手段と前記発光手段の位置を変化させる手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011250388A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Kim Changnam 映画製作ロボット

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