JP2006084094A - パイロット燃焼制御を行う燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パイロットバーナの燃焼による燃料消費量及び放熱量を削減し、また蒸気圧力のオーバーシュートを低減する。
【解決手段】 ボイラ内の圧力又は温度に基づき、メイン燃焼停止設定値まで上昇するとメイン燃焼停止、メイン燃焼開始設定値まで低下するとメイン燃焼を開始する制御を行っており、メイン燃焼停止後にもパイロット燃焼を行う制御を可能としている燃焼装置であって、メイン燃焼停止設定値とメイン燃焼開始設定値の間の値であるパイロット停止判定用設定値と、パイロット停止判定時間を設定しておき、メイン燃焼停止設定値への到達からパイロット停止判定用設定値になるまでの実測時間bを計測し、実測時間bが、前記パイロット停止判定時間未満であった場合は実施中のパイロット燃焼を継続、パイロット停止判定時間が経過してもパイロット停止判定用設定値に到達しなかった場合は、実施中のパイロット燃焼を停止する制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明はメインバーナとパイロットバーナを持っており、メインバーナによるメイン燃焼停止後にもパイロットバーナによるパイロット燃焼を行う制御を可能としているパイロット燃焼制御を行う燃焼装置に関するものである。
大容量のメインバーナと小容量のパイロットバーナを持っている燃焼装置が広く普及している。パイロットバーナによる燃焼は、メインバーナによる燃焼を停止している間にもパイロットバーナを燃焼し続ける方式と、メインバーナの燃焼を停止している時はパイロットバーナも燃焼を停止する方式がある。メインバーナ停止中にパイロットバーナを燃焼し続ける場合、メインバーナの燃焼が必要になった時、既にパイロットバーナによる火炎があるために短時間でメインバーナの燃焼を開始することができ、追従性の優れたものとなる。しかし、パイロットバーナの燃焼にも燃料が必要であるため、パイロットバーナのみを燃焼する時間が長い場合には、燃料の消費量が多くなるという問題があり、またパイロットバーナを燃焼するために空気を送り続けていれば放熱が増加するという問題がある。逆にメインバーナ停止中にはパイロットバーナの燃焼を停止するという場合、パイロットバーナを燃焼し続ける場合に比べると燃料消費量を削減することはできるが、メインバーナの燃焼開始は遅れることになる。特に燃焼開始前には燃焼室内を換気する必要がある燃焼装置の場合、燃焼室換気の時間が必要であることより、燃焼開始が更に遅れ、熱の不足という事態を引き起こすこともあった。
特開2002−81605号公報には、パイロット燃焼待機のときにおける損失を減少するため、パイロット燃焼を継続時間T行ってもメイン燃焼が始まらなかった場合は、パイロット燃焼を停止することが記載されている。このことにより、パイロット燃焼をいつまでも継続することによって燃料を浪費にするということを防止できる。しかしこの場合であっても、継続時間Tが終了するまではパイロット燃焼を行うために燃料の無駄は発生することになる。また、継続時間Tが経過した場合は、メインバーナの燃焼が必要になる直前であったとしてもパイロット燃焼を停止するため、パイロット燃焼終了直後に燃焼準備の工程を開始するということもある。
特開2002−81605号公報では、要求負荷変動に基づいて継続時間Tを増減するようにしているが、上記問題点に対して十分であるとは言えない。継続時間Tはメイン燃焼停止から次のメイン燃焼開始までの時間を基に設定するため、余り短く定めることはできない。例えば、負荷変動が少ないと判断した場合は継続時間Tを短い時間として30秒に設定するようにしている。しかし、この場合であっても30秒間のパイロット燃焼は必要であり、30秒以内にメイン燃焼が必要とならなかった場合には、30秒間のパイロット燃焼は無駄な燃焼となる。また、継続時間Tの経過した直後に燃焼要求信号が発せられた場合には、パイロット燃焼を停止したことによってそれまでの燃料が無駄になった上に、そこからプレパージを開始することになるためメイン燃焼の開始も遅れることになる。継続時間Tを短くしていればパイロット燃焼の停止が早くなるが、その場合には蒸気圧力低下速度が速い場合であってもメイン燃焼を開始する前にパイロット燃焼を停止する可能性が高くなり、蒸気の不足を招くおそれが高まる。
従来におけるタイムチャートの例を図5に示す。図5は蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値まで上昇するとメインバーナの燃焼を停止し、メイン燃焼開始設定値まで低下するとメインバーナの燃焼を開始するものである。そしてパイロットバーナはメインバーナ停止後も継続時間Tの間は燃焼を続けることで、継続時間Tの間に蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値まで低下した場合には、すぐにメインバーナの燃焼を開始できるようにしている。図5ではメイン燃焼を行っている状態から開始しており、蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値に到達するまでは、メインバーナの燃焼によるメイン燃焼を継続し、点Kでメイン燃焼停止設定値になると、メインバーナの燃焼を停止する。この時、パイロットバーナは燃焼を継続しており、メイン燃焼停止後も継続時間Tの間はパイロット燃焼を行っている。なお、蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値になった時点でメインバーナの燃焼を停止したとしても、余熱による蒸気発生があるため、蒸気圧力値はメイン燃焼停止設定値より高くなるオーバーシュートが発生する。オーバーシュートは蒸気圧力の上昇速度が速いほど大きくなる。
パイロット燃焼は点Kから継続時間Tだけ行うようにしており、継続時間Tの間に蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値まで低下すればメインバーナの燃焼を開始する。しかし、図5では継続時間Tが経過した点Lの時点では蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値まで低下していないため、点Lでパイロット燃焼を停止している。その後、点Mで蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値に達しているため、点Mからプレパージ等燃焼準備の工程を行う。燃焼停止の状態からメイン燃焼を開始する場合は、プレパージ等の燃焼準備工程が必要であり、その間は蒸気供給が行えないため、蒸気圧力値は低下し続けている。燃焼準備工程が終了すると、次にパイロットバーナへ着火し、最後にメインバーナの燃焼を開始することでメイン燃焼を開始する。この場合、継続時間Tのパイロット燃焼は全く役に立っておらず、燃料の消費と燃焼用空気の供給による熱の放出が行われたのみであるため、継続時間Tのパイロット燃焼は行わなかった方がよいということになる。
特開2002−81605号公報
本発明が解決しようとする課題は、メインバーナの燃焼を遅延なく再開する必要がある場合には、メインバーナの燃焼を直ちに再開できるようにしておきながら、その必要がない場合にはパイロットバーナの燃焼による燃料消費量及び放熱量を削減し、また蒸気圧力のオーバーシュートを低減することにある。
請求項1に記載の発明は、ボイラ内の圧力又は温度に基づき、メイン燃焼停止設定値まで上昇するとメインバーナによるメイン燃焼を停止、メイン燃焼開始設定値まで低下するとメイン燃焼を開始する制御を行っており、メイン燃焼停止後にもパイロットバーナによるパイロット燃焼を行う制御を可能としているボイラ用の燃焼装置であって、メイン燃焼停止設定値とメイン燃焼開始設定値の間の値であるパイロット停止判定用設定値と、メイン燃焼停止設定値からパイロット停止判定用設定値まで変化するのに要する時間に基づいて定めたパイロット停止判定時間を設定しておき、メイン燃焼停止設定値への到達によってメイン燃焼を停止した時から、圧力又は温度が低下してパイロット停止判定用設定値になるまでの実測時間bを計測し、計測した実測時間bが、あらかじめ設定しておいた前記パイロット停止判定時間未満であった場合は、実施中のパイロット燃焼を継続し、設定しておいたパイロット停止判定時間が経過してもパイロット停止判定用設定値に到達しなかった場合は、実施中のパイロット燃焼を停止する制御を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、ボイラ内の圧力又は温度に基づき、メイン燃焼停止設定値まで上昇するとメインバーナによるメイン燃焼を停止、メイン燃焼開始設定値まで低下するとメイン燃焼を開始する制御を行っており、メイン燃焼停止後にもパイロットバーナによるパイロット燃焼を行う制御を可能としているボイラ用の燃焼装置であって、メイン燃焼停止設定値とメイン燃焼開始設定値の間の値であるパイロット中止判定用設定値と、パイロット中止判定用設定値からメイン燃焼停止設定値まで変化するのに要する時間に基づいて定めたパイロット中止判定時間を設定しておき、メイン燃焼中であってパイロット中止判定用設定値へ到達した時から、圧力又は温度が上昇してメイン燃焼停止設定値になるまでの実測時間aを計測し、計測した実測時間aが、あらかじめ設定しておいた前記パイロット中止判定時間未満であった場合は、パイロット燃焼を中止し、設定しておいたパイロット中止判定時間が経過してもメイン燃焼停止設定値に到達しなかった場合は、パイロット燃焼を実施する制御を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記のパイロット燃焼制御を行う燃焼装置において、メイン燃焼を開始するとパイロットバーナの燃焼は停止し、メイン燃焼からパイロット燃焼に移行する場合には、メイン燃焼停止設定値とメイン燃焼開始設定値の間の値である燃焼移行設定値に到達した時点でメイン燃焼と重複させてパイロットバーナによる燃焼を開始する制御を行っており、前記燃焼移行設定値を前記パイロット中止判定用設定値としたことを特徴とする。
本発明を実施することによって、蒸気圧力値が急激に低下する場合など、メインバーナの燃焼を遅延なく再開する必要がある場合には、メインバーナの燃焼を直ちに再開することができ、燃焼開始の追従性は高く保つことができる。そして、メインバーナの燃焼再開に遅延が許容される場合には、待機のためのパイロット燃焼を行わないことでパイロット燃焼による燃料消費量及び放熱量を削減することができる。また、蒸気負荷が少ない場合は、メインバーナの燃焼停止とともにパイロットバーナの燃焼も停止することで、火移り時のオーバーシュートを低減することができる。
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施しているボイラの概要図、図2から図4は本発明の実施例におけるタイムチャートである。ボイラの中央上部には、下向きに火炎を発生させる燃焼装置2を設けており、ボイラ中央部の燃焼室3内で火炎の燃焼を行う。燃焼装置2には、メインバーナ5とパイロットバーナ6を設けており、燃焼装置2で使用する燃焼用空気は、送風機10によって供給する。送風機10からの燃焼用空気は送風路7を通して送っており、ウインドボックス8で燃焼用空気を整流してメインバーナ5及びパイロットバーナ6へ供給する。
燃焼装置2への燃料供給は、燃料供給配管4を通して行う。燃料供給配管4は途中で分岐しており、メインバーナ5及びパイロットバーナ6のそれぞれと接続している。メインバーナ5へ接続している燃料供給配管4には、メイン燃料遮断弁13を設け、パイロットバーナ6へ接続している燃料供給配管4にはパイロット燃料遮断弁12を設けている。メインバーナ5への燃料供給は、メイン燃料遮断弁13を開くことで行い、パイロットバーナ6への燃料供給は、パイロット燃料遮断弁12を開くことで行う。
ボイラは下部の給水配管から給水を行い、上部の蒸気配管9から蒸気を取り出して蒸気使用機器へ送っており、蒸気圧力値を検出する圧力検出装置1を蒸気部に設ける。圧力検出装置1、送風機10、パイロット燃料遮断弁12、メイン燃料遮断弁13のそれぞれと接続した運転制御装置11を設けておき、運転制御装置11が各機器の作動を制御することでボイラの運転を制御する。
運転制御装置11には、圧力検出装置1で検出する蒸気圧力値に対応させて、燃焼装置2の燃焼状態を定めておく。蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値よりも低くなると、メインバーナ5によるメイン燃焼を開始し、蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値よりも高くなると、メインバーナ5での燃焼を停止するように設定しておく。
運転制御装置11には、パイロットバーナ6によるパイロット燃焼の設定も行っておく。パイロットバーナ6はメインバーナ5の火種となるものであり、パイロットバーナ6はメインバーナ5の燃焼開始前から燃焼を行っておき、メインバーナ5による燃焼を開始するとパイロットバーナ6の燃焼を停止する。また、メイン燃焼からパイロット燃焼に移行する場合、メインバーナ5の燃焼停止直前にパイロットバーナ6による燃焼を開始する交替燃焼を行う。メイン燃焼停止設定値より少し低い圧力を燃焼移行設定値として設定しておき、メイン燃焼によって燃焼移行設定値まで上昇した場合には、パイロットバーナ6への燃料供給を開始する。
また、運転制御装置11には、蒸気圧力値の変化速度を検出するための設定値として、蒸気圧力値を定めた値としてパイロット停止判定用設定値とパイロット中止判定用設定値、時間を定めた値としてパイロット停止判定時間とパイロット中止判定時間を設定しておく。パイロット停止判定時間とパイロット中止判定時間は、それぞれメイン燃焼停止設定値とメイン燃焼開始設定値の間の値とする。なお、実施例ではパイロット停止判定用設定値とパイロット中止判定用設定値は、前記燃焼移行設定値と同じ圧力値としておく。別の値にすることも可能であるが、同じ値に設定しておくことで、圧力検出手段の構成を簡素化することができる。実施例では、パイロット停止判定用設定値とパイロット中止判定用設定値を燃焼移行設定値と同じ圧力値としているため、以下のパイロット停止判定用設定値とパイロット中止判定用設定値は燃焼移行設定値と表記する。
パイロット停止判定時間は、メイン燃焼からパイロット燃焼に移行した後に実施しているパイロット燃焼の停止を決定するためのものであり、蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値から燃焼移行設定値まで低下する時間に基づいて設定しておく。また、パイロット中止判定時間は、メイン燃焼を終了する際にパイロット燃焼へ移行するか否かを決定するためのものであり、蒸気圧力値が燃焼移行設定値からメイン燃焼停止設定値まで上昇する時間に基づいて設定しておく
図2のタイムチャートに基づき、運転制御の状況を説明する。図2はメイン燃焼を停止すると短時間で蒸気圧力値が低下するため、パイロット燃焼を継続しておく必要がある場合のものである。図2の場合、まずメインバーナ5の燃焼によるメイン燃焼によって、蒸気圧力値は比較的緩やかに上昇している。点Aで蒸気圧力値が燃焼移行設定値まで達しており、圧力検出装置1から運転制御装置11へ、蒸気圧力値が燃焼移行設定値まで上昇したことの情報が送られると、運転制御装置11ではパイロット燃料遮断弁12を開き、パイロットバーナ6への燃料供給を開始する。
パイロットバーナ6への燃料供給が行われると、メインバーナ5の火炎がパイロットバーナ6へ燃え広がり、パイロットバーナ6でも燃焼が始まるため、点A以降はメインバーナ5とパイロットバーナ6の両方で燃焼を行うことになる。パイロットバーナ6による燃焼を開始すると、パイロットバーナの燃焼開始からの経過時間を実測時間aとして計測する。実測時間aはパイロットバーナ6の燃焼を開始する点Aから蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値に到達する点Bまでの時間であり、図2の実測した実測時間aは設定しておいたパイロット中止判定時間より長くなっている。実測時間aが長くなるということは、蒸気圧力値の上昇が緩やかであることを示している。蒸気圧力値の変化は、蒸気供給量と蒸気使用量の差によるものであるため、蒸気圧力値の上昇が緩やかである場合は、蒸気使用量が比較的多いと判断することができる。この場合、メイン燃焼を停止して蒸気の供給を停止すると蒸気圧力値は急激に低下することが予想できる。蒸気圧力値の低下が急である場合、蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値に達してからプレパージなどの準備工程を開始したのでは、準備工程の間に蒸気圧力値が大きく低下することになる。そのため、パイロットバーナ6の燃焼は継続することで、蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値まで低下するとすぐにメインバーナ5の燃焼を開始できるようにする。
点Bで蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値となると、運転制御装置11はメイン燃料遮断弁13を閉じることでメインバーナ5への燃料供給を停止し、メイン燃焼を停止する。この時、パイロットバーナ6による燃焼を行っており、パイロットバーナによる燃焼は、メイン燃焼停止後も継続するため、点Bでメイン燃焼からパイロット燃焼に切り替わることになる。なお、メインバーナ5の燃焼を停止しても、停止直後は余熱による蒸気供給があるため、蒸気圧力値はメイン燃焼停止設定値より高くなるオーバーシュートが発生する。図2の場合は、点B以降にパイロット燃焼を行っており、パイロット燃焼はオーバーシュート量を増加させる要素となるが、蒸気使用量自体が多く、蒸気圧力値の上昇は緩やかであるため、オーバーシュート量はわずかとなる。パイロット燃焼はメイン燃焼に比べると燃焼量が小さく、蒸気供給量が減少するため、その後の蒸気圧力値は低下していく。
運転制御装置11では、点Bからの経過時間も実測時間bとして計測する。実測時間bはメインバーナ5の燃焼を停止してパイロット燃焼とした点Bから蒸気圧力値が燃焼移行設定値に到達する点Cまでの時間であり、図2の実測時間bは設定しておいたパイロット停止判定時間より短いものとなっている。実測時間bが短くなるということは、蒸気圧力値の低下が急であることを示す。蒸気供給量は燃焼量から定まり、蒸気圧力値の変化は蒸気供給量と蒸気使用量の差によるものであるため、蒸気圧力値の低下が急である場合、蒸気使用量は比較的多いと判断することができる。この場合、蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値に達してからプレパージなどの準備工程を開始したのでは、準備工程の間に蒸気圧力値が大きく低下することになるため、パイロットバーナ6の燃焼は継続することで、蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値まで低下するとすぐにメインバーナ5の燃焼を開始できるようにしておく。
点Dで蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値まで低下すると、運転制御装置11は直ちにメイン燃料遮断弁13を開いてメインバーナ5への燃料供給を開始し、メインバーナ5によるメイン燃焼を開始する。なお、メインバーナ5による燃焼を開始すると、パイロットバーナ6による燃焼は必要なくなるので、運転制御装置11はパイロット燃料遮断弁12を閉じてパイロットバーナ6の燃焼を停止している。
図2ではパイロット燃焼を継続したままとしているが、蒸気圧力の低下が急であるため、パイロット燃焼が長時間になることはない。また、蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値まで低下するとすぐにメイン燃焼を開始するため、蒸気量が不足することもない。
続いて図3のタイムチャートに基づき、運転制御の状況を説明する。図3は蒸気使用量が少ないためメイン燃焼停止中のパイロット燃焼は行わないことで燃料の浪費を防ぐ場合のものである。図3の場合、メインバーナ5の燃焼によるメイン燃焼によって、蒸気圧力値は比較的急激に上昇している。点Eで蒸気圧力値が燃焼移行設定値まで達しており、圧力検出装置1から運転制御装置11へ、蒸気圧力値が燃焼移行設定値まで上昇したことの情報が送られると、図2の場合と同様に運転制御装置11ではパイロット燃料遮断弁12を開くことでパイロットバーナ6への燃料供給を開始する。
パイロットバーナ6による燃焼を開始すると、燃焼開始からの経過時間を実測時間aとして計測する。図2での実測時間aは設定時間であるパイロット中止判定時間より長くなっていたが、図3での実測時間aはパイロット中止判定時間より短くなっている。実測時間aが短くなるということは、蒸気圧力値の上昇が急であることを示し、蒸気圧力値の変化は蒸気供給量と蒸気使用量の差によるものであるため、蒸気使用量は比較的少ないと判断することができる。蒸気使用量の少ない場合、メイン燃焼を停止しても蒸気圧力値が急激に低下することはなくいため、蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値まで低下した時点で燃焼準備を開始しても蒸気量が不足することはない。そのため、ここでは点Fで蒸気少量は少ないと判定した時点でパイロットバーナ6への燃料供給を停止してパイロットバーナ6の燃焼を停止する。パイロットバーナ6の燃焼を行うパイロット燃焼は中止することで、燃料が無駄に消費されることを防ぐことができる。燃焼を停止した場合、燃焼用空気の供給も必要なくなるため、送風機10も作動を停止する。燃焼用空気の供給を停止すれば、ボイラからの放熱を低減することができる。
また、蒸気圧力の上昇が急であった場合、メイン燃焼停止後の蒸気圧力値のオーバーシュート量が大きくなる。この状態の時にパイロットバーナの燃焼を継続していれば、パイロットバーナ6による蒸発量も加わるためにオーバーシュートによる蒸気圧力値の上昇は非常に大きくなる。しかし蒸気圧力値の上昇が急であった図3の場合、メイン燃焼を停止するとともにパイロットバーナの燃焼も停止しているため、オーバーシュートの拡大を防止することができる。
図3では、パイロット燃焼の実施を中止したため、点Gで蒸気圧力値がメイン燃焼開始設定値まで低下した時点で、プレパージ等による燃焼準備の工程を開始する。メイン燃焼を開始できるのは燃焼準備の工程が終了し、パイロットバーナへの着火を行った後となる。その間は蒸気圧力値が低下し続けてることになるが、蒸気使用量は少ない時期であって蒸気圧力値の低下は緩やかであるため、蒸気が不足するほど蒸気圧力値が低下することはない。その後、メイン燃焼を開始すると蒸気圧力値は上昇していく。
次に図4のタイムチャートに基づき、運転制御の状況を説明する。図4はメイン燃焼からパイロット燃焼に移行し、パイロット燃焼を実施していたが、蒸気使用量が少ないためにパイロット燃焼は途中で停止した場合のものである。図4の場合、点Hまでは図2と同じであり、メイン燃焼を停止後もパイロット燃焼を継続している。パイロット燃焼はメイン燃焼に比べると燃焼量が少ないため、蒸気供給量は少なくなるが、蒸気の供給は続いている。この時、蒸気使用量が蒸気供給量よりも少ないと、蒸気圧力は上昇することになるため、図4ではパイロット燃焼中も蒸気圧力が上昇し続けている。
図4の場合も図2と同様に、パイロット燃焼となってからの経過時間を実測時間bとして計測する。実測時間bはメインバーナ5の燃焼を停止した点Hから蒸気圧力値が燃焼移行設定値に到達する点Jまでの時間であるが、蒸気圧力は上昇しているため、設定しておいたパイロット停止判定時間が経過しても蒸気圧力値が燃焼移行設定値になっていない。この場合、運転制御装置11はパイロット停止判定時間が経過した点Iの時点で、パイロット燃料遮断弁12を閉じてパイロットバーナ6の燃焼を停止する。
パイロット停止判定時間は、蒸気圧力値がメイン燃焼停止設定値から燃焼移行設定値まで変化する時間に基づいて定めているため、従来例の図5に示したメイン燃焼停止設定値からメイン燃焼開始設定値まで変化する時間に基づいて定める継続時間Tに比べて短い時間となる。パイロット燃焼によって蒸気圧力が上昇している場合、パイロット燃焼の停止が遅れると蒸気圧力の異常上昇によって安全弁から蒸気が噴き出すなどの不具合が発生することになるが、パイロット燃焼を停止する判断を早く行えるため、蒸気圧力が異常に上昇することを防止することができる。また、パイロット燃焼時には、蒸気圧力値は低下するが低下は緩やかであるという場合もパイロット燃焼は不要であり、早い段階でパイロット燃焼を停止することで、パイロット燃焼による燃料消費量を少なくすることができる。
本発明を実施しているボイラの概要図 本発明の実施例のタイムチャート 本発明の実施例のタイムチャート 本発明の実施例のタイムチャート 従来技術の実施例のタイムチャート
符号の説明
1 圧力検出装置
2 燃焼装置
3 燃焼室
4 燃料供給配管
5 メインバーナ
6 パイロットバーナ
7 送風路
8 ウインドボックス
9 蒸気配管
10 送風機
11 運転制御装置
12 パイロット燃料遮断弁
13 メイン燃料遮断弁

Claims (3)

  1. ボイラ内の圧力又は温度に基づき、メイン燃焼停止設定値まで上昇するとメインバーナによるメイン燃焼を停止、メイン燃焼開始設定値まで低下するとメイン燃焼を開始する制御を行っており、メイン燃焼停止後にもパイロットバーナによるパイロット燃焼を行う制御を可能としているボイラ用の燃焼装置であって、メイン燃焼停止設定値とメイン燃焼開始設定値の間の値であるパイロット停止判定用設定値と、メイン燃焼停止設定値からパイロット停止判定用設定値まで変化するのに要する時間に基づいて定めたパイロット停止判定時間を設定しておき、
    メイン燃焼停止設定値への到達によってメイン燃焼を停止した時から、圧力又は温度が低下してパイロット停止判定用設定値になるまでの実測時間bを計測し、計測した実測時間bが、あらかじめ設定しておいた前記パイロット停止判定時間未満であった場合は、実施中のパイロット燃焼を継続し、設定しておいたパイロット停止判定時間が経過してもパイロット停止判定用設定値に到達しなかった場合は、実施中のパイロット燃焼を停止する制御を行うことを特徴とするパイロット燃焼制御を行う燃焼装置。
  2. ボイラ内の圧力又は温度に基づき、メイン燃焼停止設定値まで上昇するとメインバーナによるメイン燃焼を停止、メイン燃焼開始設定値まで低下するとメイン燃焼を開始する制御を行っており、メイン燃焼停止後にもパイロットバーナによるパイロット燃焼を行う制御を可能としているボイラ用の燃焼装置であって、メイン燃焼停止設定値とメイン燃焼開始設定値の間の値であるパイロット中止判定用設定値と、パイロット中止判定用設定値からメイン燃焼停止設定値まで変化するのに要する時間に基づいて定めたパイロット中止判定時間を設定しておき、
    メイン燃焼中であってパイロット中止判定用設定値へ到達した時から、圧力又は温度が上昇してメイン燃焼停止設定値になるまでの実測時間aを計測し、計測した実測時間aが、あらかじめ設定しておいた前記パイロット中止判定時間未満であった場合は、パイロット燃焼を中止し、設定しておいたパイロット中止判定時間が経過してもメイン燃焼停止設定値に到達しなかった場合は、パイロット燃焼を実施する制御を行うことを特徴とするパイロット燃焼制御を行う燃焼装置。
  3. 請求項2に記載のパイロット燃焼制御を行う燃焼装置において、メイン燃焼を開始するとパイロットバーナの燃焼は停止し、メイン燃焼からパイロット燃焼に移行する場合には、メイン燃焼停止設定値とメイン燃焼開始設定値の間の値である燃焼移行設定値に到達した時点でメイン燃焼と重複させてパイロットバーナによる燃焼を開始する制御を行っており、前記燃焼移行設定値を前記パイロット中止判定用設定値としたことを特徴とするパイロット燃焼制御を行う燃焼装置。
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