JP2006082510A - 銅張り積層板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱負荷による銅と樹脂との界面での接着強度劣化を抑制し、かつ、プリント回路加工の際のサブトラクト工程において、銅除去用に調整されたエッチング液で除去可能なバリア層を有する、新しい銅張り積層板とその製造方法を提供する。
【解決手段】 電気絶縁性樹脂の表面に無電解ニッケルめっき層と無電解銅めっき層が順次に配設されている銅張り積層板であって、無電解ニッケルめっき層は、その組成においてニッケルとともにリンおよび銅張り積層板を含有するニッケル合金層であり、リンの含有量が5重量%以下の範囲内であるものとする。
【選択図】なし
【解決手段】 電気絶縁性樹脂の表面に無電解ニッケルめっき層と無電解銅めっき層が順次に配設されている銅張り積層板であって、無電解ニッケルめっき層は、その組成においてニッケルとともにリンおよび銅張り積層板を含有するニッケル合金層であり、リンの含有量が5重量%以下の範囲内であるものとする。
【選択図】なし
Description
本願発明は、プリント配線板材料等として有用な銅張り積層板とその製造方法に関するものである。
一般的に、プリント配線板材料として用いられる銅張り積層板としては、ガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂等を含浸して作成した基板に対し銅を積層したものや、ポリイミド樹脂フィルムの表面を銅で被覆したものが挙げられる。これらの場合の銅層の形成方法には、銅箔を用い接着剤を介し張り合わせる方法や、乾式、湿式のメタライズ法により直接金属層を形成する方法がある。なかでも、直接金属層を形成する方法として、無電解めっきを用いる方法は、信頼性、量産コストの面で魅力のある工法であり注目されている。
しかしながら、一般的に、樹脂上に直接銅が積層された銅張り積層板の場合、使用環境中での熱負荷により、銅と樹脂との接合界面での接着強度劣化が危惧される。
この現象は、銅/樹脂接合界面での銅の酸化劣化に起因すると考えられている。そこで、このような接着強度の劣化という問題に対して、銅と樹脂の間に、バリア層を介在させることで、銅の酸化劣化を抑制する方法が、たとえば無電解ニッケルめっきを施した後に無電解銅めっき、あるいは電解銅めっきを施す方法として提案されている(特許文献1)。
だが、このようなバリア層の介在については、バリア層の存在が銅の酸化劣化を抑制する作用に加え、プリント回路加工の際のサブトラクト工程において、銅除去用に調整されたエッチング液でバリア層が除去可能であることが重要な要件となる。
だが、現状においては、このような酸化劣化による接着強度の低下を抑え、かつ、サブトラクト工程での銅除去用エッチング液で除去可能であるというバリア層を実現するに至っていない。
特開平10−13016号公報
本願発明は、以上のとおりの背景から、従来技術の問題点を解消し、熱負荷による銅と樹脂との界面での接着強度劣化を抑制し、かつ、プリント回路加工の際のサブトラクト工程において、銅除去用に調整されたエッチング液で除去可能なバリア層を有する、新しい銅張り積層板とその製造方法を提供することを課題としている。
本願発明は、上記課題を解決するものとして以下のことを特徴としている。
第1:電気絶縁性樹脂の表面に無電解ニッケルめっき層と無電解銅めっき層が順次に配設されている銅張り積層板であって、無電解ニッケルめっき層は、その組成においてニッケルとともにリンおよび銅を含有するニッケル合金層であり、リンの含有量が5重量%以下の範囲内である銅張り積層板。
第2:無電解ニッケルめっき層に含有される銅の割合が0.1〜70重量%の範囲内である銅張り積層板。
第3:無電解ニッケルめっき層の膜厚が0.01μm〜0.1μmの範囲内である銅張り積層板。
第4:次の工程を有する銅張り積層板の製造方法。
<1>電気絶縁性樹脂の表面の少なくとも一部または全部に、ニッケル合金組成を有する、無電解ニッケルめっき層を形成する工程
<2>該無電解ニッケルめっき層上に無電解銅めっき層を形成する工程
第5:無電解ニッケルめっき層の膜厚が0.01μm〜0.1μmの範囲内である銅張り積層板の製造方法。
<2>該無電解ニッケルめっき層上に無電解銅めっき層を形成する工程
第5:無電解ニッケルめっき層の膜厚が0.01μm〜0.1μmの範囲内である銅張り積層板の製造方法。
第6:無電解ニッケルめっきの液組成には、少なくとも、ニッケル塩、銅塩、錯化剤、次亜リン酸ナトリウム、pH調整剤が含まれる銅張り積層板の製造方法。
上記のとおりの本願第1の発明によれば、バリア層としての無電解ニッケルめっき層として、ニッケル、リンおよび銅を含有する合金層を形成し、特定の割合でリンを含有することでバリア層としての酸化劣化による接着強度の低下を効果的に抑え、かつ銅を含有することでエッチング特性が良好な、銅張り積層板が提供される。
第2の発明によれば、無電解ニッケルめっき層の合金に含有される銅の割合を特定範囲とすることで、バリア層の効果とともに、より好適なエッチング特性が得られることになる。
無電解ニッケルめっき層の膜厚を特定の範囲とする第3の発明によれば、プリント回路加工の際のサブトラクト工程において、銅除去用エッチング液による無電解ニッケルめっき層の除去がさらに効果的に行われることになる。
そして銅張り積層板の製造法に係わる第4の発明によれば、上記のとおりのバリア層としての無電解銅めっき層の接着強度の劣化を抑えるとともに、プリント回路加工の際の銅除去用エッチング液による無電解ニッケルめっき層の除去が可能とされる銅張り積層板の製造が可能とされる。
無電解ニッケルめっき層の厚みを特定の範囲とする第5の発明によって、プリント回路加工の際の銅除去用エッチング液による無電解ニッケルめっき層の除去がより効果的に行われる。
さらに、無電解ニッケルめっき液の組成を特有の成分を含有するものとすることで、より均質で効率的なめっき層の形成が可能とされる。
本願発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
本願発明の銅張り積層板は、片面もしくは両面銅張りのいずれであってもよいが、その基板としては、従来と同様のガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂等を含浸して硬化させたものや、ポリイミド樹脂フィルム等の各種のものであってよい。このような基板に対してはまず無電解ニッケルめっきが施されるが、このめっき処理に際しては、あらかじめ基板表面を粗化処理しておくことが好適に考慮される。この粗化処理は、ブラスト処理、サンドペーパー等による機械的手段によって、あるいは過マンガン酸カリウム溶液等の薬剤手段やプラズマボンバード処理等により行うことができる。
無電解ニッケルめっき処理では、基板表面に無電解めっきの触媒となるパラジウム等を付着させる等の従来公知の手段が適宜に採用されてよい。また、無電解ニッケルめっき処理は、本願発明においては、ニッケルとともにリンおよび銅を含有し、しかもリンの含有量が5重量%以下の範囲内となるニッケル合金層を形成するように行われる。このようなめっき処理のためのめっき液組成については、ニッケル、リン、銅の成分が含有されることになる。たとえばめっき液組成には、ニッケル塩、銅塩、リン酸塩、より好適には次亜リン酸ナトリウム等を含有し、さらには、錯化剤やpH調整剤を含むものとすることが考慮される。
めっき温度、めっき時間、pH等の条件は、めっき液組成や生成される無電解ニッケルめっき層の厚み等を考慮して定めればよく、たとえば、本願発明においては、温度30℃〜80℃、時間5秒〜5分間、pH8〜11程度の条件が好適な例として示される。以上のめっき液組成やめっき条件によれば、より均質な無電解ニッケルめっき合金層が効率的に形成されることになる。
生成される上記の無電解ニッケルめっき層が、バリア層としての特性とエッチング性の両方の特性を満足するものとなるために、本願発明では、無電解ニッケルめっき層の組成にリンを5重量%以下の範囲で含むものとし下限は0.1重量%が考慮される。バリア層としての特性を向上させる。また、プリント回路加工の際のサブトラクト加工において銅除去用のエッチング液により除去可能ともされている。リンの含有量が5.0重量%を超える場合には、エッチング性の特性が劣る傾向となる。リンの含有量については、さらにより好適には0.5〜4.0重量%の範囲が考慮される。
また、無電解ニッケルめっき層の組成に銅を含有させることで本願発明ではエッチング性の特性を向上させている。ただ、銅の含有量が増すと、バリア層としての特性が劣る傾向となる。
そこで、本願発明では、銅含有量については0.1〜70重量%の範囲を好適なものとしている。さらに好ましくは、20〜60重量%の範囲である。
無電解ニッケルめっき層の膜厚に関しては、厚いとバリア層としての特性が向上する。一方で、エッチング性の特性が劣る傾向となる。膜厚が薄いと、前記と逆の関係となる。
そこで、膜厚については、0.01μm〜0.1μmの範囲が好ましく考慮される。
以上のようにして形成した無電解ニッケルめっき層の上には、本願発明においては無電解銅めっき処理が施されて無電解銅めっき層が形成される。このめっき処理は従来公知の方法や条件を踏まえて適宜に実施される。
製造された銅張り積層板に対しては所望の回路パターンがサブトラクト工法により形成され、プリント回路が形成されることになる。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
(実施例1)基板材料として、エポキシ樹脂基板を用いた。基板を過マンガン酸カリウム溶液に浸漬し、樹脂表面に微細な凹凸を形成する。ついで、無電解めっきの触媒となるパラジウムを付着させ、下記の浴組成1の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件1にて無電解ニッケルめっき層を形成した。次いで、無電解銅めっき層を形成した。次いで、電解銅めっきにより所望の厚みに増膜した後、フォトリソ・サブトラクト工法により所望の回路パターンを形成した。
形成した無電解ニッケルめっき層の組成は、ニッケルが65.0重量%、リンが3.7重量%、銅が31.3重量%であった。膜厚は、0.04μmであった。
<無電解ニッケルめっき浴組成1>
CuSO4・5H2O :2.5g/L
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:15g/L
水酸化ナトリウム :5g/L
<めっき条件1>
温度 :60℃
時間 :15秒
pH :10.0
そこで、以下のとおりの評価を行った。
<評価方法>
接合強度:JIS C6511で規定する方法に準拠して、銅層の引き剥がし強度を測定した。サンプルとしては、常態で保管されたサンプル(A)と、空気中150℃で1000時間保管されたサンプル(B)の二種類に関して行った。
<無電解ニッケルめっき浴組成1>
CuSO4・5H2O :2.5g/L
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:15g/L
水酸化ナトリウム :5g/L
<めっき条件1>
温度 :60℃
時間 :15秒
pH :10.0
そこで、以下のとおりの評価を行った。
<評価方法>
接合強度:JIS C6511で規定する方法に準拠して、銅層の引き剥がし強度を測定した。サンプルとしては、常態で保管されたサンプル(A)と、空気中150℃で1000時間保管されたサンプル(B)の二種類に関して行った。
エッチング性:サンプルとして、線幅35μm、線間25μm、の並行直線パターンを形成し、銅除去用に調整された塩化第二銅エッチング液を用いて、配線パターンを形成した。
<評価結果>
接合強度(A):1.3N/mm、(B):1.1N/mm
エッチング性:線幅トップ33.5μm、ボトム35.1μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル、リン、銅は検出されなかった。
(実施例2)基板材料として、ポリイミドフィルム(ユーピレックスN/宇部興産社製)を用いた。ブラスト処理により基板表面に微細な凹凸を形成する。ついで、無電解めっきの触媒となるパラジウムを付着させ、下記の浴組成2の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件2にて無電解ニッケルめっき層を形成した。次いで、無電解銅めっき層を形成した。次いで、電解銅めっきにより所望の厚みに増膜した後、フォトリソ・サブトラ工法により所望の回路パターンを形成した。
<評価結果>
接合強度(A):1.3N/mm、(B):1.1N/mm
エッチング性:線幅トップ33.5μm、ボトム35.1μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル、リン、銅は検出されなかった。
(実施例2)基板材料として、ポリイミドフィルム(ユーピレックスN/宇部興産社製)を用いた。ブラスト処理により基板表面に微細な凹凸を形成する。ついで、無電解めっきの触媒となるパラジウムを付着させ、下記の浴組成2の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件2にて無電解ニッケルめっき層を形成した。次いで、無電解銅めっき層を形成した。次いで、電解銅めっきにより所望の厚みに増膜した後、フォトリソ・サブトラ工法により所望の回路パターンを形成した。
形成した無電解ニッケルめっき層の組成は、ニッケルが51.5重量%、リンが1.8重量%、銅が46.7重量%であった。膜厚は、0.06μmであった。
<無電解ニッケルめっき浴組成2>
CuSO4・5H2O :3.3g/L
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:15g/L
水酸化ナトリウム :5.3g/L
<めっき条件2>
温度 :60℃
時間 :20秒
pH :10.0
そこで実施例1と同様の方法により評価を行い、次の結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.5N/mm、(B):1.2N/mm
エッチング性:線幅トップ33.7μm、ボトム35.2μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル、リン、銅は検出されなかった。
(実施例3)下記の浴組成3の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件3にて無電解ニッケルめっき層を形成したこと以外は、実施例2と同様の処理を行いサンプルを得た。
<無電解ニッケルめっき浴組成2>
CuSO4・5H2O :3.3g/L
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:15g/L
水酸化ナトリウム :5.3g/L
<めっき条件2>
温度 :60℃
時間 :20秒
pH :10.0
そこで実施例1と同様の方法により評価を行い、次の結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.5N/mm、(B):1.2N/mm
エッチング性:線幅トップ33.7μm、ボトム35.2μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル、リン、銅は検出されなかった。
(実施例3)下記の浴組成3の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件3にて無電解ニッケルめっき層を形成したこと以外は、実施例2と同様の処理を行いサンプルを得た。
形成した無電解ニッケルめっき層の組成は、ニッケルが97.8重量%、リンが2.2重量%、銅が0重量%であった。膜厚は、0.02μmであった。
<無電解ニッケルめっき浴組成3>
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:15g/L
塩化アンモニウム :30g/L
<めっき条件3>
温度 :35℃
時間 :30秒
pH :9.5
実施例1と同様の方法で評価を行い次の結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.3N/mm、(B):1.1N/mm
エッチング性:線幅トップ33.0μm、ボトム35.1μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル、リン、銅は検出されなかった。
(実施例4)下記の浴組成4の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件4にて無電解ニッケルめっき層を形成したこと以外は、実施例2と同様の処理を行いサンプルを得た。
<無電解ニッケルめっき浴組成3>
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:15g/L
塩化アンモニウム :30g/L
<めっき条件3>
温度 :35℃
時間 :30秒
pH :9.5
実施例1と同様の方法で評価を行い次の結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.3N/mm、(B):1.1N/mm
エッチング性:線幅トップ33.0μm、ボトム35.1μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル、リン、銅は検出されなかった。
(実施例4)下記の浴組成4の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件4にて無電解ニッケルめっき層を形成したこと以外は、実施例2と同様の処理を行いサンプルを得た。
形成した無電解ニッケルめっき層の組成は、ニッケルが27.5重量%、リンが1.3重量%、銅が71.2重量%であった。膜厚は、0.03μmであった。
<無電解ニッケルめっき浴組成4>
CuSO4・5H2O :20g/L
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:15g/L
水酸化ナトリウム :7.0g/L
<めっき条件4>
温度 :60℃
時間 :10秒
pH :10.0
実施例1と同様に評価して次の結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.3N/mm、(B):0.8N/mm
接合強度(B)の低下が見られた。
(比較例1)下記の浴組成5の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件1にて無電解ニッケルめっき層を形成した。次いで、無電解銅めっき層を形成した。次いで、電解銅めっきにより所望の厚みに増膜した後、フォトリソ・サブトラクト工法により所望の回路パターンを形成した。
<無電解ニッケルめっき浴組成4>
CuSO4・5H2O :20g/L
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:15g/L
水酸化ナトリウム :7.0g/L
<めっき条件4>
温度 :60℃
時間 :10秒
pH :10.0
実施例1と同様に評価して次の結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.3N/mm、(B):0.8N/mm
接合強度(B)の低下が見られた。
(比較例1)下記の浴組成5の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件1にて無電解ニッケルめっき層を形成した。次いで、無電解銅めっき層を形成した。次いで、電解銅めっきにより所望の厚みに増膜した後、フォトリソ・サブトラクト工法により所望の回路パターンを形成した。
形成した無電解ニッケルめっき層の組成は、ニッケルが64.1重量%、リンが5.8重量%、銅が30.1重量%であった。膜厚は、0.04μmであった。
<無電解ニッケルめっき浴組成5>
CuSO4・5H2O :2.5g/L
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:25g/L
水酸化ナトリウム :5g/L
<めっき条件1>
温度 :60℃
時間 :15秒
pH :10.0
実施例1と同様にして評価して次の結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.4N/mm、(B):1.2N/mm
エッチング性:線間トップ32.0μm、ボトム35.1μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル、リン、銅が検出され、エッチング不良と判定した。
(比較例2)下記の浴組成6の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件5にて無電解ニッケルめっき層を形成したこと以外は、実施例2と同様の処理を行いサンプルを得た。
<無電解ニッケルめっき浴組成5>
CuSO4・5H2O :2.5g/L
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:25g/L
水酸化ナトリウム :5g/L
<めっき条件1>
温度 :60℃
時間 :15秒
pH :10.0
実施例1と同様にして評価して次の結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.4N/mm、(B):1.2N/mm
エッチング性:線間トップ32.0μm、ボトム35.1μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル、リン、銅が検出され、エッチング不良と判定した。
(比較例2)下記の浴組成6の無電解ニッケルめっき浴を用いて、めっき条件5にて無電解ニッケルめっき層を形成したこと以外は、実施例2と同様の処理を行いサンプルを得た。
形成した無電解ニッケルめっき層の組成は、ニッケルが93.2重量%、リンが6.8重量%、銅が0重量%であった。膜厚は、0.02μmであった。
<無電解ニッケルめっき浴組成6>
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:25g/L
プロピオン酸 :3g/L
<めっき条件5>
温度 :90℃
時間 :30秒
pH :4.5
実施例1と同様の方法で次の評価結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.4N/mm、(B):1.2N/mm
エッチング性:線幅トップ31.0μm、ボトム35.1μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル及びリンが検出され、エッチング不良と判定した。
(比較例3)無電解ニッケルめっき層を形成する工程を省略したこと以外は、実施例2と同様の処理を行いサンプルを得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.5N/mm、(B):0.1N/mm
接合強度(B)が実用的に必要な強度以下となった。
<無電解ニッケルめっき浴組成6>
NiSO4・6H2O :20g/L
クエン酸3ナトリウム2水和物:30g/L
次亜リン酸ナトリウム1水和物:25g/L
プロピオン酸 :3g/L
<めっき条件5>
温度 :90℃
時間 :30秒
pH :4.5
実施例1と同様の方法で次の評価結果を得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.4N/mm、(B):1.2N/mm
エッチング性:線幅トップ31.0μm、ボトム35.1μm
線間部の元素分析の結果、ニッケル及びリンが検出され、エッチング不良と判定した。
(比較例3)無電解ニッケルめっき層を形成する工程を省略したこと以外は、実施例2と同様の処理を行いサンプルを得た。
<評価結果>
接合強度(A):1.5N/mm、(B):0.1N/mm
接合強度(B)が実用的に必要な強度以下となった。
エッチング性:線幅トップ33.7μm、ボトム35.2μm
線間部の元素分析の結果、銅は検出されなかった。
線間部の元素分析の結果、銅は検出されなかった。
Claims (6)
- 電気絶縁性樹脂の表面に無電解ニッケルめっき層と無電解銅めっき層が順次に配設されている銅張り積層板であって、無電解ニッケルめっき層は、その組成においてニッケルとともにリンおよび銅を含有するニッケル合金層であり、リンの含有量が5重量%以下の範囲内であることを特徴とする銅張り積層板。
- 無電解ニッケルめっき層に含有される銅の割合が0.1〜70重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1の銅張り積層板。
- 無電解ニッケルめっき層の膜厚が0.01μm〜0.1μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2の銅張り積層板。
- 次の工程を有することを特徴とする銅張り積層板の製造方法。
<1>電気絶縁性樹脂の表面の少なくとも一部または全部に、ニッケル合金組成を有する、無電解ニッケルめっき層を形成する工程
<2>該無電解ニッケルめっき層上に無電解銅めっき層を形成する工程 - 無電解ニッケルめっき層の膜厚が0.01μm〜0.1μmの範囲内であることを特徴とする請求項4の銅張り積層板の製造方法。
- 無電解ニッケルめっきの液組成には、少なくとも、ニッケル塩、銅塩、錯化剤、次亜リン酸ナトリウム、pH調整剤が含まれることを特徴とする請求項4または5の銅張り積層板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2004272146A JP2006082510A (ja) | 2004-09-17 | 2004-09-17 | 銅張り積層板とその製造方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
US20090229750A1 (en) * | 2008-03-11 | 2009-09-17 | Sumitomo Chemical Company. Limited | Method for producing copper-clad laminate |
KR101322068B1 (ko) | 2011-12-27 | 2013-10-28 | 주식회사 포스코 | 클래드 강재 및 그 제조방법 |
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2004
- 2004-09-17 JP JP2004272146A patent/JP2006082510A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20090229750A1 (en) * | 2008-03-11 | 2009-09-17 | Sumitomo Chemical Company. Limited | Method for producing copper-clad laminate |
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